JPH11279321A - 防蟻性発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、及びそれを用いて成形した発泡成形体 - Google Patents

防蟻性発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、及びそれを用いて成形した発泡成形体

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JPH11279321A
JPH11279321A JP8079398A JP8079398A JPH11279321A JP H11279321 A JPH11279321 A JP H11279321A JP 8079398 A JP8079398 A JP 8079398A JP 8079398 A JP8079398 A JP 8079398A JP H11279321 A JPH11279321 A JP H11279321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防蟻剤を含有固着された発泡性スチレン系樹脂
粒子であって、該発泡性スチレン系樹脂粒子同士の合着
塊状化を完全に防止し、且つ、該発泡性スチレン系樹脂
粒子を発泡成形して成形体を得る際、該発泡性スチレン
系樹脂粒子の融着性阻害を防止できる防蟻性を有する発
泡性スチレン系樹脂を提供する。 【解決手段】スチレン系樹脂粒子中に該樹脂粒子の軟化
点より低い沸点を有する易揮発性発泡剤を含有する発泡
性スチレン系樹脂粒子に、該発泡性スチレン系樹脂粒子
に対して0.1〜2重量%の防蟻剤が含有固着され、更
に、該発泡性スチレン系樹脂粒子に対して0.3〜5重
量%の水酸化アルミニウムが被覆されていることを特徴
とする防蟻性発泡性スチレン系樹脂粒子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシロアリ、キクイム
シ等の食害を受けない断熱建材、床下断熱材等に用いら
れるスチレン系樹脂発泡体製造用の防蟻性発泡性スチレ
ン系樹脂粒子、その製造方法、及びそれを用いて成形し
た発泡成形体に関するものである。
【0002】
【従来技術】発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して
得た予備発泡粒子を型内発泡成形して得られる発泡成形
体は、任意の形状に成形することができ、また優れた断
熱性能を有するために各種の建材用断熱材として広く使
用されており、これらの断熱材は、室内冷暖房の省エネ
ルギー化の面から必要不可欠な建築材料である。一方で
暖房の普及とともにシロアリの生息域は北上しており殆
ど全国で、住宅をはじめとする建築物のシロアリによる
被害が発生している。このシロアリによる被害は、発泡
スチレン系樹脂製断熱材においても例外ではない。発泡
性スチレン系樹脂粒子を型内で発泡成形せしめて得た天
井、壁、床等の断熱材として用いられる建材用スチレン
系樹脂発泡成形体が木材等と隣接して使用される場合、
特にイエシロアリ、ヤマトシロアリ等が出会った物を噛
むという加害習性により、いわゆる蟻道ができて断熱性
能を低下させるという問題があった。
【0003】この問題点を解決する手段として、スチレ
ン系樹脂粒子の重合工程、重合完了後の発泡剤含浸工程
で防蟻剤を添加する方法、あるいは発泡性スチレン系樹
脂粒子や予備発泡粒子に防蟻剤を混合付着させて成形す
る方法が知られている(特開昭61−44934号、特
開昭63−152648号)。防蟻剤については特公平
7−103004号公報にも示されているように、従来
用いられてきた、ディルドリン、クロルデン、DDT等
の有機塩素系殺虫剤やCCA剤(銅・クロム・ヒ素剤)
等は人畜毒性が高く、環境汚染を引き起こす恐れもある
ため、その使用が禁止あるいは制限されているものであ
る。例えばディルドリンやクロルデンは、防蟻性には優
れるものの人畜毒性が大きく、しかも、難分解性で蓄積
性を有することから、我が国では特定化学物質としてそ
の使用が禁止されており、現在これらの防蟻剤を使用す
ることはできない。
【0004】そこで近年は、比較的低毒性で、且つ環境
汚染の恐れが少ないホキシム、クロルピリホス等の有機
リン系殺虫剤、プロポキサー等のカルバメート系殺虫
剤、ペルメトリン、サイフルスリン等のピレトリン系殺
虫剤が用いられており、スチレン系樹脂発泡体製断熱材
に防蟻性を付与する場合にもこれらの薬剤を使用するこ
とが好ましい。これらの防蟻剤は、優れた防蟻効果を有
し、人畜毒性が低く、蓄積性が無い反面、分解し易く、
土壌中の微生物によっても失活するので単に土壌に処理
しただけでは、長期間に渡って効果を持続させることが
出来ない。特にこれらの薬剤はアルカリ性下で分解し易
いため住宅等の基礎コンクリート部分への施行は困難で
あった。また、いずれの薬剤も人畜毒性が低い(ホキシ
ム:LD50ラット2000mg/kg以上)反面、魚類
に対しては低濃度で毒性を発揮するという特徴を持って
いる。例えば、有機リン剤のホキシムの魚毒性(TLm
48hrコイ)は1ppm以下、ピレトリン系薬剤で
は更に魚毒性が高く、サイフルスリンでは0.02pp
m程度である。いずれも水には難溶であるが、微量溶解
し魚毒性を発現する。
【0005】魚毒性の点から見て前述(特開昭61−4
4934号、特開昭63−152648号)の、重合工
程、及び発泡剤含浸工程で防蟻剤を添加する方法では、
防蟻剤の反応水への移行を防止できず、魚毒性を持つ多
量の反応水について、活性炭吸着等の処理が必要になる
ため、工業生産上不利である。発泡性スチレン系樹脂粒
子又は予備発泡粒子と防蟻剤を混合して成形する方法で
は、反応水を使用しないため、反応水の魚毒性の問題は
発生しない。しかし、単に防蟻剤を混合付着させただけ
では付着力が弱く、成形時の水冷による冷却工程で防蟻
剤の多くが洗い流されてしまい、成形体の防蟻効力が減
じると同時に冷却排水中へ、魚毒性を持つ防蟻剤が移行
するという問題があった。特開昭63−159451号
に開示される方法の内、スチレン系樹脂と防蟻剤の両方
に高い親和性を持つ有機溶剤に防蟻剤を溶解した溶液
を、発泡性スチレン系樹脂粒子に被覆する方法は、有機
溶剤が樹脂粒子中に拡散含浸する過程で防蟻剤も実質的
に樹脂粒子中に含浸されるため、コンクリート等のアル
カリ性物質や、土壌中の微生物から保護され、これらに
よる防蟻剤の分解、失活を抑えることができる。また、
防蟻剤の成形時冷却水による剥離や冷却水中への移行と
いった問題も発生せず、魚毒性の観点から見ても有利な
方法である。しかし、有機溶剤により発泡性スチレン系
樹脂粒子表面層が浸食されて軟化し、発泡性スチレン系
樹脂粒子同士が合着塊状化するという問題があり、工業
生産には至っていなかった。
【0006】発泡性スチレン系樹脂粒子同士の合着塊状
化を防止する方法として、特開昭64−36629には
防虫剤を揮発性溶剤中に溶解乃至分散させ、溶液乃至分
散液を発泡性スチレン系樹脂粒子表面に噴霧する方法が
提案されている。しかし、この方法によっても噴霧直後
に揮発性溶剤によって樹脂粒子表面層が浸食されるた
め、樹脂粒子同士の合着塊状化を完全に防止することは
出来ない。更に該公報には樹脂粒子に防虫剤を付着させ
た後、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属セッケン、高級脂
肪酸アマイド等の滑剤で被覆することが開示されてい
る。これは該公報に記載されている様に予備発泡時での
発泡粒子同士の合着を防止するためのものである。これ
らの滑剤は発泡性スチレン系樹脂粒子の合着塊状化を防
止する作用は有しない。該発泡性スチレン系樹脂粒子を
ドラム缶等に充填して輸送しようとした場合、特に荷重
がかかる底部で発泡性スチレン系樹脂粒子同士の合着塊
状化を起こしやすいと言う問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】防蟻剤を溶解させてい
る有機溶剤によって、発泡性スチレン系樹脂粒子表面層
が浸食されて軟化することにより、発泡性スチレン系樹
脂粒子同士が合着塊状化するという問題を解決するため
には、発泡性スチレン系樹脂粒子表面を有機溶剤に侵さ
れず、且つ該発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形して
得られる成形体の融着性を阻害しない粉末で被覆してお
くと、発泡性スチレン系樹脂粒子相互の合着を防止する
ことができ、更に通常の発泡性スチレン系樹脂粒子と同
様の発泡成形操作により良好な成形体を得ることが可能
となる。しかし、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面処理
剤として従来公知の、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸
アミド、金属石鹸等の有機物粉末を被覆しても、発泡性
スチレン系樹脂粒子同士の合着塊状化は防止出来ない。
また、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム等公知の金属酸化物、金属水酸化物を被覆すると、
発泡性スチレン系樹脂粒子同士の合着塊状化を防止でき
る場合がある反面、該発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡
成形して得られる成形体の融着性が著しく阻害され、成
形体の強度が保てなくなる。この様に、一般に無機粉末
を発泡性スチレン系樹脂粒子に、多量に被覆すると成形
品の融着性が大きく阻害される。
【0008】そこで本発明者等は、上記の問題点に鑑み
鋭意研究を行った結果、水酸化アルミニウムを使用した
場合に、発泡性スチレン系樹脂粒子同士の合着塊状化を
完全に防止し、かつ特異的に発泡成形して得られる成形
体の融着性阻害を防止できることを見出し本発明を完成
するに至った。本発明の目的は、防蟻剤をスチレン系樹
脂粒子に含有させる際に反応水を必要としないで、防蟻
剤が実質的に樹脂中に含有固着され、防蟻剤の効果が長
時間持続し、成形時の冷却水によっても防蟻剤が剥離せ
ず、よって冷却水による魚毒等の環境汚染を引き起こす
恐れがなく、かつ発泡性スチレン系樹脂粒子が有機溶剤
に溶解された防蟻剤を含有しても発泡性スチレン系樹脂
粒子同士が合着塊状化が防止され、更に発泡して得られ
る成形体の融着性を損なうことのない防蟻性能を有する
発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法、及びそれを
用いて成形した発泡成形体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本願の請求項1の発明の要
旨は、スチレン系樹脂粒子中に該樹脂粒子の軟化点より
低い沸点を有する易揮発性有機溶剤ならなる発泡剤を含
有する発泡性スチレン系樹脂粒子に、該発泡性スチレン
系樹脂粒子に対して0.1〜2重量%の防蟻剤が含有固
着され、更に、該発泡性スチレン系樹脂粒子に対して
0.3〜5重量%の水酸化アルミニウムが被覆されてい
ることを特徴とする防蟻性発泡性スチレン系樹脂粒子で
あり、その際、防蟻剤として、有機リン系化合物、ピレ
トリン系化合物、カルバメート系化合物から選ばれる1
種又は2種以上であることが好ましい。また、請求項3
の発明の要旨は、スチレン系樹脂粒子中に該樹脂粒子の
軟化点より低い沸点を有する易揮発性発泡剤を含有する
発泡性スチレン系樹脂粒子と、防蟻剤及びスチレン系樹
脂の双方に親和性を有する有機溶剤に上記発泡性スチレ
ン系樹脂粒子に対して0.1〜2重量%の防蟻剤を溶解
した溶液と、上記発泡性スチレン系樹脂粒子に対して
0.3〜5重量%の水酸化アルミニウムとを混合するこ
とにより防蟻剤を含有固着し、水酸化アルミニウムが被
覆された発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることを特徴と
する防蟻性発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であ
り、その際、使用する防蟻剤及びスチレン系樹脂の双方
に親和性を有する有機溶剤として、炭化水素類、エステ
ル類、エーテル類又はケトン類から選ばれる1種又は2
種以上であることが好ましい。そして請求項5の発明の
要旨は、上述の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡し
て得た予備発泡粒子を型内発泡成形して得た防蟻性を持
つ発泡スチレン系樹脂成形体である。
【0010】
【発明の実施の態様】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における防蟻剤は、防蟻効果に優れ、人畜
に対する毒性が低く、環境を汚染する恐れが小さく、ま
た防蟻剤としての使用実績も長い、有機リン系、ピレト
リン系、カルバメート系化合物から選択される。即ち、
具体的には、有機リン系防蟻剤として、いわゆるホキシ
ム(O,O-ジエチル-O-(α-シアノベンジリデンアミノ)チ
オホスフェート)、クロルピリホス(O,O-ジエチル-O-3,
5,6-トリクロル-2-ピリジルチオホスフェート)、ピリダ
フェンチオン(O,O-ジエチル-O-(3-オキソ-2-フェニル-2
H-ピリダジン-6-イル)チオホスフェート)等が挙げられ
る。ピレトリン系防蟻剤としては、ペルメトリン(3-フ
ェノキシベンジル(1RS)-シス、トランス-3-(2,2-ジクロ
ロビニル)-2-2ジメチルシクロプロパンカルボキシラー
ト)、サイフルスリン(シアノ(4-フルオロ-3-フェノキシ
フェニル)-メチル-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメ
チルシクロプロパンカルボキシラート)、ビフェントリ
ン((2-メチル[1,1-ビフェニル]-3-イル)メチル=3-(2-
クロロ−3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル)-2,2-ジメ
チルシクロプロパンカルボキシラート)等が挙げられ
る。カルバメート系防蟻剤としては、プロポキサー(2-
イソプロポキシフェニルN-メチルカルバメート)、ナッ
ク(1-ナフチルN-メチルカルバメート)等が挙げられる。
【0011】本発明において防蟻剤は発泡性スチレン系
樹脂粒子に対して、0.1〜2重量%になるように防蟻
剤の有機溶剤溶液を発泡性スチレン系樹脂粒子に被覆す
ることにより、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含有固着
される。好ましくは0.2〜1重量%である。0.1重
量%未満では、成形体の防蟻効果が不十分となりやす
く、2重量%を超えて被覆すると発泡性スチレン系樹脂
粒子の合着が抑え難くなるためである。本発明における
防蟻剤を発泡性スチレン系樹脂粒子に含有固着させる方
法は、防蟻剤が芳香族炭化水素、アルコール、アセトン
等の有機溶剤に溶解する性質を応用する。即ち、スチレ
ン系樹脂と防蟻剤との両方に親和性の有機溶剤を用い、
これに防蟻剤を溶解した溶液を上記発泡性スチレン系樹
脂粒子と混合して、防蟻剤を発泡性スチレン系樹脂粒子
表面層に含有固着させる。この発泡性スチレン系樹脂粒
子表面層に含有固着させるとは、防蟻剤を有機溶剤溶液
の形で発泡性スチレン系樹脂粒子に被覆することで、有
機溶剤がスチレン系樹脂粒子表面層を軟化もしくは溶解
し、防蟻剤が樹脂内部に入り込むのである。使用する防
蟻剤を溶解する有機溶剤としてヘキサン、シクロヘキサ
ン、トルエン、エチルベンゼン、デカリン等の炭化水素
類、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等
のエステル類が適している。特に防蟻剤とスチレン系樹
脂の両方に高い親和性を持ち、発泡体の気泡構造や成形
性に悪影響を与えない芳香族石油系溶剤が好ましい。
【0012】本発明では発泡性スチレン系樹脂粒子表面
に水酸化アルミニウムを被覆する。ここで使用する水酸
化アルミニウムの粒径は、1〜50μmのものが好まし
く、5〜20μmのものがより好ましい。粒径が1μm
以下のものでは、十分な合着防止性が得られず、50μ
mを超えると発泡性スチレン系樹脂粒子から剥離し易く
なる。水酸化アルミニウムの添加量は、被覆する防蟻剤
の溶剤種、防蟻剤溶液の添加量にもよるが、0.3〜5
重量%が好ましい。0.3重量%未満では、発泡性スチ
レン系樹脂粒子の合着防止性が不十分となりやすく、5
重量%を超えて添加しても発泡性スチレン系樹脂粒子へ
の被覆量は増加しないからである。本発明における防蟻
剤を発泡性スチレン系樹脂粒子に被覆させる方法として
は、公知の混合設備が使用できる。例えば、タンブラ
ー、リボンブレンダー、ナウターミキサー等で発泡性ス
チレン系樹脂粒子、及び防蟻剤が溶解された有機溶剤溶
液と水酸化アルミニウムとを混合することで、樹脂粒子
同士の合着塊状化を防ぎつつ、樹脂粒子中に防蟻剤を含
有固着させることができる。なお、この際同時に、予備
発泡時の発泡粒結合防止剤、成形時間短縮剤、成形品の
融着促進剤等を添加してもよい。なお、通常のフレーク
状や顆粒状の防蟻剤を直接発泡性スチレン系樹脂粒子と
撹拌混合して被覆する方法では、予備発泡時、成形時等
に防蟻剤が剥離し易く、防蟻効果が減少してしまうと同
時に、予備発泡時の蒸気ドレンや成形冷却排水中に魚毒
性を持つ防蟻剤が移行してしまう問題がある。
【0013】本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子を構成
する樹脂素材としては、スチレンの他、例えば、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、パラクロロスチレン等
のスチレン誘導体が挙げられる。その他には、例えば、
アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、無水マレイン酸等のスチレンと
共重合可能な単量体やジビニルベンゼン等の架橋性単量
体を併用することも出来るが、防蟻剤を十分に含有固着
させる為にスチレン成分が50重量%以上である共重合
体またはスチレン単独重合体が好ましい。また、スチレ
ン系樹脂粒子を得るためには、一般的な懸濁重合法や押
出ペレット法等の公知の方法が使用できる。これらのス
チレン系樹脂粒子に易揮発性発泡剤を適宜含有させて発
泡性スチレン系樹脂粒子とすることができる。また、発
泡剤を含有させる方法としては、重合の途中乃至重合終
了後に発泡剤を添加して含有させる方法、また、押出途
中で発泡剤を添加して含有させる方法等であってもよ
い。
【0014】易揮発性発泡剤としては、沸点が前記スチ
レン系樹脂粒子の軟化点以下であって、常圧でガス状も
しくは液状の有機化合物が適しており、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン等の炭化水素
が適している。これらの発泡剤は1種又は2種以上を併
用しても良い。発泡剤はスチレン系樹脂に対して1〜1
0重量%含浸される。さらに、必要に応じてシクロヘキ
サン、トルエン等の可塑剤、染料等の着色剤、酸化防止
剤、滑剤(例えば、流動パラフィン、脂肪酸エステル、
金属石鹸等)、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤等の各種
添加剤を添加することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。 実施例1 発泡剤としてn-ブタン(約70%)とi-ブタン(約3
0%)との混合物を5.5重量%、発泡助剤としてトル
エン1.5重量%を含有する粒径0.9〜1.2mmの
発泡性スチレン樹脂粒子に対して、ピレトリン系防蟻剤
として、ペルメトリンの石油系溶液(有効成分80重量
%)を有効成分で1重量%と水酸化アルミニウム(粒径
約15μm)1.6重量%を添加混合して、発泡性スチ
レン樹脂粒子表面に被覆した。混合に際しては、内容積
約30Lのタンブラーを用いて、発泡性スチレン樹脂粒
子各10kgに前記割合の防蟻剤溶液と水酸化アルミニ
ウムを添加して、毎分30回転で約15分間混合して防
蟻剤溶液と水酸化アルミニウムが被覆された発泡性スチ
レン樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン樹脂粒子
について、被覆直後の流動性を確認した後、常温で48
時間放置して防蟻剤溶液を完全に発泡性スチレン樹脂粒
子中に含浸拡散させた。なお、放置に当たっては、被覆
後ドラム缶への充填を前提に、ドラム缶底部の発泡性ス
チレン樹脂粒子にかかると考えられる荷重(約50gf
/cm2)をかけて放置した。該発泡性スチレン樹脂粒
子を小型バッチ式予備発泡機にて常圧下で水蒸気により
加熱し、嵩倍率約60倍に予備発泡した。得られた予備
発泡粒子を23℃で24時間熟成させた後、型窩300
mm×400mm×50mmを有する発泡成形機(株式
会社積水工機製作所製、ACE−3型)を使用して、ゲ
ージ圧0.8kgf/cm2の水蒸気で約30秒加熱し
て発泡成形し、水冷により冷却して型窩より取出し、3
00mm×400mm×50mmの板状発泡成形体を得
た。
【0016】実施例2 ピレトリン系防蟻剤をペルメトリンからサイフルスリン
(有効成分50重量%石油系溶液)に、添加量を有効成
分で0.4重量%に、水酸化アルミニウムの添加量を
0.8重量%に替えた以外は、実施例1と同様にして発
泡性スチレン樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン
樹脂粒子を実施例1と同様にして予備発泡し、型内発泡
成形して、300mm×400mm×50mmの板状発
泡成形体を得た。 実施例3 防蟻剤を有機リン系のホキシム(有効成分65重量%石
油系溶液)に、添加量を有効成分で0.2重量%に、水
酸化アルミニウムの添加量を0.5重量%に替えた以外
は、実施例1と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得
た。得られた発泡性スチレン樹脂粒子を実施例1と同様
にして予備発泡し、型内発泡成形して、300mm×4
00mm×50mmの板状発泡成形体を得た。
【0017】実施例4 ホキシムの添加量を有効成分で0.4重量%に、水酸化
アルミニウムの添加量を1重量%に替えた以外は、実施
例1と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。得ら
れた発泡性スチレン樹脂粒子を実施例1と同様にして予
備発泡し、型内発泡成形して、300mm×400mm
×50mmの板状発泡成形体を得た。 実施例5 ホキシムの添加量を有効成分で1重量%に、水酸化アル
ミニウムの添加量を1.6重量%に替えた以外は、実施
例1と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。得ら
れた発泡性スチレン樹脂粒子を実施例1と同様にして予
備発泡し、型内発泡成形して、300mm×400mm
×50mmの板状発泡成形体を得た。
【0018】実施例6 ホキシムの添加量を有効成分で2重量%に、水酸化アル
ミニウムの添加量を3重量%に替えた以外は、実施例1
と同様にして発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。 得ら
れた発泡性スチレン樹脂粒子を実施例1と同様にして予
備発泡し、型内発泡成形して、300mm×400mm
×50mmの板状発泡成形体を得た。
【0019】比較例1 防蟻剤溶液及び水酸化アルミニウムを添加しない実施例
1記載の発泡性スチレン樹脂粒子を実施例1と同様にし
て予備発泡し、型内発泡成形して、300mm×400
mm×50mmの板状発泡成形体を得た。 比較例2 水酸化アルミニウムを添加しない以外は、実施例1と同
様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。常温48時間
放置後、該発泡性スチレン樹脂粒子は全量が塊状に合着
して予備発泡できなかった。
【0020】比較例3 防蟻剤をサイフルスリンに、添加量を有効成分で1重量
%となるように添加し、水酸化アルミニウムを添加しな
い以外は、実施例1と同様にして発泡性スチレン樹脂粒
子を得た。常温48時間放置後、該発泡性スチレン樹脂
粒子は全量が塊状に合着して予備発泡できなかった。 比較例4 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%とな
るように添加し、水酸化アルミニウムを添加しない以外
は、実施例1と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得
た。常温48時間放置後、該発泡性スチレン樹脂粒子は
全量が塊状に合着して予備発泡できなかった。
【0021】比較例5 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%とな
るように添加し、水酸化アルミニウムの添加量を0.1
重量%に替えた以外は、実施例1と同様にして発泡性ス
チレン樹脂粒子を得た。常温48時間放置後、該発泡性
スチレン樹脂粒子はほぼ全量が塊状に合着して予備発泡
できなかった。 比較例6 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%に、
水酸化アルミニウムに替えてシリカゲル(平均粒径1.
8μm)を0.8重量%添加した以外は、実施例1と同
様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。得られた発泡
性スチレン樹脂粒子を実施例1と同様にして予備発泡
し、型内発泡成形して、300mm×400mm×50
mmの板状発泡成形体を得た。
【0022】比較例7 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%に、
水酸化アルミニウムに替えて水酸化マグネシウム(平均
粒径約40μm)を1.6%添加した以外は、実施例1
と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。得られた
発泡性スチレン樹脂粒子を実施例1と同様にして予備発
泡し、型内発泡成形して、300mm×400mm×5
0mmの板状発泡成形体を得た。 比較例8 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%に、
水酸化アルミニウムに替えて酸化チタン(平均粒径7n
m)を1.6重量%添加した以外は、実施例1と同様に
して発泡性スチレン樹脂粒子を得た。常温48時間放置
後、該発泡性スチレン樹脂粒子は、ほぼ全量が塊状に合
着して予備発泡できなかった。
【0023】比較例9 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%に、
水酸化アルミニウムに替えて酸化アルミニウム(平均粒
径約20nm)を1.6重量%添加した以外は、実施例
1と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。常温4
8時間放置後、該発泡性スチレン樹脂粒子は、ほぼ全量
が塊状に合着して予備発泡できなかった。 比較例10 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%に、
水酸化アルミニウムに替えて炭酸カルシウム(平均粒径
約40nm)を1.6重量%添加した以外は、実施例1
と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。常温48
時間放置後、該発泡性スチレン樹脂粒子は、ほぼ全量が
塊状に合着して予備発泡できなかった。
【0024】比較例11 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%に、
水酸化アルミニウムに替えてタルク(粒径約40μm)
を1.6重量%添加した以外は、実施例1と同様にして
発泡性スチレン樹脂粒子を得た。常温48時間放置後、
該発泡性スチレン樹脂粒子は、ほぼ全量が塊状に合着し
て予備発泡できなかった。 比較例12 防蟻剤をホキシムに、添加量を有効成分で1重量%に、
水酸化アルミニウムに替えてステアリン酸亜鉛(平均粒
径約15μm)を1.6重量%添加した以外は、実施例
1と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。常温4
8時間放置後、該発泡性スチレン樹脂粒子は、ほぼ全量
が塊状に合着して予備発泡できなかった。
【0025】比較例13 ホキシムの添加量を有効成分で0.03重量%に、水酸
化アルミニウムの添加量を1重量%に替えた以外は、実
施例1と同様にして発泡性スチレン樹脂粒子を得た。得
られた発泡性スチレン樹脂粒子を実施例1と同様にして
予備発泡し、型内発泡成形して、300mm×400m
m×50mmの板状発泡成形体を得た。 比較例14 防蟻剤を有機リン系のクロルピリホス(結晶状粉末)に
替えて、有効成分1重量%を溶剤に溶解しないで粉末で
添加し、水酸化アルミニウムを添加しない以外は、実施
例1と同様にして防蟻剤が表面に被覆された発泡性スチ
レン樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン樹脂粒子
を実施例1と同様にして予備発泡し、型内発泡成形し
て、300mm×400mm×50mmの板状発泡成形
体を得た。
【0026】以上述べた実施例1〜6及び比較例1〜1
4の防蟻剤及び合着防止剤の添加量、及び水酸化アルミ
ニウム被覆後の樹脂粒子の合着性を表1に示し、更に、
実施例1〜6及び比較例1〜14で得られた板状成形体
を40℃で24時間乾燥した後、その成形体の融着度及
び防蟻性を下記の方法にて評価し、その結果を表2に示
した。 (融着度測定方法)外形状300mm×400mm×5
0mmである発泡成形体をその中心部で2分割するよう
折って破断させ、その破断面の粒子の内粒子自身が破壊
されている粒子の数を前記破断面にある全ての粒子の数
で除して100倍した数値を融着度とした。なお、前記
の粒子の数は目視により計測した。 (融着性の評価)上記により算出した融着度を基に以下
のように判定した。 評価○:成形体の融着度が85%以上 評価×:成形体の融着度が65%未満
【0027】(防蟻性評価試験方法)(社)日本木材保
存協会規格第11号(1)に定められる防蟻効力試験方
法の総合試験方法を参考に以下のようにして評価した。
すなわち、脱脂面に水分を含ませ、その上に石膏板をの
せて石膏板を通して水分が供給されるようにして、その
石膏板の上に直径41mm、高さ50mmのガラスリン
グを置き、ガラスリング内に発泡成形体より切出した検
体と試供虫をいれて、21日間飼育し食害を目視で観察
した。また、検体の重量減少率を測定した。 検体 :20×20×10mm 試供虫 :イエシロアリ(Coptotermes formosanus SHIR
AKI)職蟻各50頭 試験条件 :28℃×21日間 反復数 :n=3 (防蟻性の目視評価)上記により試験した検体について
以下のように評価した。 評価○:食害なし 評価△:検体の表面一部に食痕が認められる 評価×:検体内部まで食害あり ※目視評価△以上、検体の重量減少率3%未満のものを
防蟻効果ありと判定した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】さらに、実施例、比較例の一部について、
成形時冷却水の魚毒性を下記の方法にて評価し、その結
果を表3に示した。 (魚毒性の評価方法)成形時の冷却排水(蒸気ドレン水
と冷却水の混合水)を採取(約40L)し、これに体長
約5cmの金魚各10匹を入れて72時間観察した。な
お、参考例として、普通品(防蟻剤なし)の成形冷却排
水に有機リン剤5ppmを添加した水についても同様に
観察した。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、防蟻剤をスチレン系樹
脂粒子に含有させる際に反応水を必要としないで、防蟻
剤が実質的に樹脂中に含有固着され、防蟻剤の効果が長
時間持続し、成形時の冷却水によっても防蟻剤が剥離せ
ず、よって冷却水による魚毒等の環境汚染を引き起こす
恐れがなく、かつ発泡性スチレン系樹脂粒子が有機溶剤
に溶解された防蟻剤を含有しても発泡性スチレン系樹脂
粒子同士が合着塊状化せず、しかも発泡成形して得られ
る成形体の融着性を損なうことのない防蟻性能を有する
発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。本発明
による発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して得た予
備発泡粒子を型内発泡成形して得られる成形体は、防蟻
剤を実質的に、断熱性、耐水性に優れた発泡樹脂成形体
の樹脂中に封じ込めているため、土壌中の微生物やコン
クリートのアルカリ性による防蟻剤の分解や失活を防ぐ
ことができ、長期間安定した防蟻剤の効力を維持でき、
従来困難であったコンクリート面への施行も可能であ
る。また、土壌散布等と異なり、防蟻剤が地下水等へ移
行することもなく、環境汚染を引き起こす危険を大幅に
低減できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂粒子中に該樹脂粒子の軟
    化点より低い沸点を有する易揮発性発泡剤を含有する発
    泡性スチレン系樹脂粒子に、該発泡性スチレン系樹脂粒
    子に対して0.1〜2重量%の防蟻剤が含有固着され、
    更に、該発泡性スチレン系樹脂粒子に対して0.3〜5
    重量%の水酸化アルミニウムが被覆されていることを特
    徴とする防蟻性発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 防蟻剤が有機リン系化合物、ピレトリン
    系化合物、カルバメート系化合物から選ばれる1種又は
    2種以上である請求項1記載の防蟻性発泡性スチレン系
    樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 スチレン系樹脂粒子中に該樹脂粒子の軟
    化点より低い沸点を有する易揮発性発泡剤を含有する発
    泡性スチレン系樹脂粒子と、防蟻剤及びスチレン系樹脂
    の双方に親和性を有する有機溶剤に上記発泡性スチレン
    系樹脂粒子に対して0.1〜2重量%の防蟻剤を溶解し
    た溶液と、上記発泡性スチレン系樹脂粒子に対して0.
    3〜5重量%の水酸化アルミニウムとを混合することに
    より防蟻剤を含有固着し、水酸化アルミニウムが被覆さ
    れた発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする
    請求項1〜2記載の防蟻性発泡性スチレン系樹脂粒子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 防蟻剤及びスチレン系樹脂の双方に親和
    性を有する有機溶剤が炭化水素類、エステル類、エーテ
    ル類又はケトン類から選ばれる1種又は2種以上である
    請求項3記載の防蟻性発泡性スチレン系樹脂粒子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の発泡性スチレン系
    樹脂粒子を予備発泡して得た予備発泡粒子を型内発泡成
    形して得た防蟻性を持つ発泡スチレン系樹脂成形体。
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