JPH11279880A - ゴム補強用合成繊維コードおよびその製造法 - Google Patents

ゴム補強用合成繊維コードおよびその製造法

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JPH11279880A
JPH11279880A JP10083501A JP8350198A JPH11279880A JP H11279880 A JPH11279880 A JP H11279880A JP 10083501 A JP10083501 A JP 10083501A JP 8350198 A JP8350198 A JP 8350198A JP H11279880 A JPH11279880 A JP H11279880A
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rubber
cord
polyphenylene sulfide
compound
fiber yarn
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JP10083501A
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Masaharu Taniguchi
雅春 谷口
Yasuhiro Sato
康裕 佐藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムと良好な接着性を有し、しかも耐蒸気性
および耐薬品性が著しく改善され、繊維の強度保持率お
よび耐久性にすぐれたゴム補強用合成繊維コードを提供
する。 【解決手段】 本発明のゴム補強用合成繊維コードは、
ポリフェニレンサルファイド繊維糸条とポリエステル繊
維糸条とを撚り合わせたコードであって、前記ポリフェ
ニレンサルファイド繊維とポリエステル繊維との繊度の
比が3/7〜7/3であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤ、ゴムホース
およびベルトなどのゴム製品の補強材として有用なゴム
補強用合成繊維コードおよびその製造法に関するもので
ある。さらに詳しくは、被着ゴムと良好な接着性を有
し、しかも耐蒸気性および耐薬品性が著しく改善され、
繊維の強度保持率および耐久性にすぐれたゴム補強用合
成繊維コードおよびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維糸条はすぐれた機械的
強度と低伸長性を有するために、これらの特性を生かし
てタイヤ、ゴムホースおよびベルトなどのゴム製品の補
強材として広く使用されている。
【0003】しかるに、これらの補強ゴム製品において
は、ポリエステル繊維糸条は補強材としてゴム製品中に
埋込まれて使用されるため、繊維糸条の耐久性はゴム中
に配合される種々の化合物の影響を受けることになる。
【0004】例えば、ゴム中にはチウラム系、スルフェ
ンアミド系あるいはグアニジン系などの加硫促進剤や、
アミン系の老化防止剤などが配合されることが多いが、
これらの配合化合物は、例えば自動車タイヤでの製造時
における加硫工程中、高速走行中、ホースなどの製造時
の加硫工程中、およびエンジンルーム内の高温雰囲気下
で使用中などに、ポリエステル繊維の劣化を誘発させ、
ゴム補強用繊維糸条としての性能の著しい低下を招き易
いという問題があった。
【0005】また、特にスチームを用いてゴムの加硫を
行なう場合には、ゴム中のポリエステル繊維糸条がスチ
ームによる加水分解の影響をも受けるために、著しく劣
化してしまうという問題もあった。
【0006】このために、近年では上記の欠点の改善を
目的として、種々の検討がなされており、例えばポリエ
ステル繊維糸条の劣化が少ない加硫促進剤や老化防止剤
などをゴムへ配合する技術などが検討されているが、こ
のような方法ではゴムの配合組成が著しく制約されるた
め、目的とする諸性能を満足した加硫ゴムが得られ難い
という問題点があった。
【0007】一方、ポリエステル繊維自体の改良によっ
て上記の欠点を改良する試みがなされており、例えばポ
リエステル繊維中に含まれる末端カルボキシル基量を減
少させることなどが提案されているが、この方法でもな
おゴム中の繊維の劣化を実用上のレベルまで十分に抑制
する効果は得られていなかった。
【0008】一方、ポリフェニレンサルファイドは、耐
熱性、耐薬品性および耐油性などにすぐれた特徴をもつ
高性能エンジニアリングプラスチックとして注目されて
いる。
【0009】そして、ポリフェニレンサルファイド繊維
糸条については、たとえば特開昭49−54617号公
報、特開昭61−215715号公報および特開平1−
239109号公報などに記載されており、いずれにも
繊維糸条物性についての記載が認められるが、これらの
従来例においては、ゴムホース用補強材としての必要特
性とされるゴムとの接着性、高強度および熱収縮性なと
については何らの配慮もされてはいないことから、これ
らの従来例に記載されるポリフェニレンサルファイド繊
維糸条は、補強ゴム製品、特にゴムホースの補強材とし
て十分な特性を有しているとはいえないものであった。
【0010】このように、ポリフェニレンサルファイド
繊維糸条は、耐熱性、耐薬品性および耐油性がすぐれる
という特性を有するにもかかわらず、これを補強ゴム製
品、特にゴムホースの補強材として適用することは従来
行われておらず、これはポリフェニレンサルファイド繊
維糸条は本来ゴムとの接着性を欠いており、例えばゴム
ホースとした場合の耐久性に劣るなどの問題を有するこ
とに起因するものであると考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
なされたものである。
【0012】したがって、本発明の目的は、被着ゴムと
良好な接着性を有し、しかも耐蒸気性および耐薬品性が
著しく改善され、繊維の強度保持率および耐久性にすぐ
れたゴム補強用合成繊維コードを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明のゴム補強用合成繊維コードは、主として次
の構成を有する。すなわち、ポリフェニレンサルファイ
ド繊維糸条とポリエステル繊維糸条とを撚り合わせたコ
ードであって、前記ポリフェニレンサルファイド繊維糸
条とポリエステル繊維糸条との繊度の比が3/7〜7/
3であることを特徴とするゴム補強用合成繊維コードで
ある。
【0014】また、本発明のゴム補強用合成繊維コード
の製造法は、主として次の構成を有する。すなわち、ポ
リフェニレンサルファイド繊維糸条とポリエステル繊維
糸条とを撚り合わせ、ポリエポキシド化合物を含有する
第1接着処理液で処理した後、さらにレゾルシン・ホル
ムアルデヒド初期縮合物とゴムラテックスとの混合物を
含有する第2接着処理液で処理することを特徴とするゴ
ム補強用合成繊維コードの製造法である。
【0015】なお、本発明のゴム補強用合成繊維コード
においては、ポリフェニレンサルファイド繊維糸条の強
度が4.5g/d以上、初期引張抵抗度が60g/d以
上、180℃乾熱収縮率が8%以下であること、ポリフ
ェニレンサルファイド繊維糸条が酸化防止剤成分を0.
5〜5重量%含有する処理剤を0.3〜2重量%付着さ
れてなることが、いずれも好ましい条件であり、これら
の条件を適用することによって、一層すぐれた効果の発
現を期待することができる。
【0016】また、本発明のゴム補強用合成繊維コード
の製造法においては、ポリエポキシド化合物、ブロック
ドイソシアネートおよび/またはエチレン尿素化合物、
ゴムラテックスおよびケイ酸塩化合物を接着剤マトリッ
クス成分とする第1接着処理液を用いて処理すること、
およびさらにクロロフェノール化合物を含有する第2接
着処理液を用いて処理することが、いずれも好ましい条
件であり、これらの条件を適用することによって、一層
すぐれた効果の発現を期待することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
【0018】本発明のゴム補強用合成繊維コードは、ポ
リフェニレンサルファイド繊維糸条とポリエステル繊維
糸条とを撚り合わせたコードから構成されたものであ
る。
【0019】本発明に使用するポリフェニレンサルファ
イド繊維の素材ポリマであるポリフェニレンサルファイ
ド樹脂としては、常法により製造された市販品を使用す
ることができ、例えばパラジクロルベンゼンと二硫化ナ
トリウムをN−メチル−ピロリドン中にて200〜25
0℃で反応させ、溶媒を除去することにより得られたポ
リマーを、ペレット状に成形することにより形成された
ものを使用することができる。
【0020】なお、本発明で用いるポリフェニレンサル
ファイド樹脂は、メルトフローレート(MFR)が10
0〜600の実質的に線状のポリマーであることが好ま
しいが、トリクロロベンゼン(TCB)を0.1重量%
以下含有した架橋ポリマーであってもよい。
【0021】ここでいうメルトフローレート(MFR)
とは、測定温度を316℃、荷重を5kgfとしたAS
TM D1238−70法によって測定されたポリマー
の溶融流れを意味する。
【0022】本発明のゴム補強用合成繊維コードは、前
記ポリフェニレンサルファイド繊維糸条と上記ポリエス
テル繊維糸条とを撚り合わせたコードであって、前記ポ
リフェニレンサルファイド繊維糸条とポリエステル繊維
糸条との繊度の比は3/7〜7/3とするものである。
ポリフェニレンサルファイド繊維糸条とポリエステル繊
維糸条との繊度の比が3/7未満の場合には、ポリフェ
ニレンサルファイド繊維の量が少ないことから、コード
の耐蒸熱性、耐薬品性が不十分となる。一方、ポリフェ
ニレンサルファイド繊維糸条とポリエステル繊維糸条と
の繊度の比が7/3を越えると、ゴムとの接着性が低下
する傾向がある。
【0023】本発明において、得られる補強ゴム製品、
たとえばゴムホースの耐圧性を優れたものとして、特に
ゴムホース補強材としての性能を十分に発揮する観点か
ら、ポリフェニレンサルファイド繊維糸条の強度が4.
5g/d以上、初期引張抵抗度が60g/d以上である
ことが望ましい。
【0024】また、補強ゴム製品、たとえばゴムホース
の加硫時におけるホース形状不良、具体的にはゴムホー
スの変形や皺の発生を防ぐ観点から、ポリフェニレンサ
ルファイド繊維糸条の180℃乾熱収縮率が8%以下で
あることが望ましい。
【0025】そして、このようなポリフェニレンサルフ
ァイド繊維を得るためには、例えば、溶融粘度指数(M
FR値)が25〜300g/10minであるポリフェ
ニレンサルファイド樹脂の粉末および/またはペレット
状のポリマを、−760mmHg以下の真空条件下で、
100℃以上200℃以下の範囲で加熱することによ
り、昇華した低分子量物を除去し、気泡の生成や3次元
架橋反応を抑制する方法が好ましく採用される。
【0026】繊維市場の強度低下を防止すると共に、繊
維の延伸中の単繊維切断を防止する観点から、ポリフェ
ニレンサルファイド繊維中の気泡および不溶解物は、繊
維軸方向の大きさが5μm以下、繊維径方向の大きさが
1μm以下であり、単繊維中に含まれる量が1個/m以
下であることが好ましい。
【0027】このような、ポリフェニレンサルファイド
繊維内の微小欠陥となる気泡や不溶解物を有効に除去す
る手段としては、例えば溶融紡糸工程における紡糸口金
内のフィルターとして、5μm以下の微細孔を有する金
属不織布を使用する方法が好適に挙げられる。
【0028】また、目的とする繊維糸条強度を容易に得
る観点から、ポリフェニレンサルファイド樹脂中のオリ
ゴマーのうち、6量体以下のオリゴマの含有量を0.2
重量%以下とすることが好ましい。
【0029】本発明で用いるポリエステル繊維は、テレ
フタル酸を主たる二官能カルボン酸とし、エチレングリ
コールを主たるグリコール成分とするポリエステルを溶
融紡糸してなる繊維であることが望ましいが、テレフタ
ル酸の一部あるいは全部を2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、4,4−ジカルボキシフェノキシエタン、イソシ
アネート基などに置き換えたもの、またエチレングリコ
ールの一部あるいは全部をジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブタンジオールなどに置き換えたポ
リエステルからなる繊維であっても使用することができ
る。
【0030】また、上記ポリエステルは、少量であれば
トリメシン酸、トリメリット酸、ほう酸、りん酸、グリ
セリンおよびトリメチロールプロパンなどの三官能化合
物を共重合したものであってもよい。
【0031】さらに、上記ポリエステルは、各種改質
剤、例えばカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イ
ソシアネート化合物およびオキサゾリン化合物などの末
端カルボキシル基封鎖剤により改質されていてもよい。
【0032】ポリエステル繊維の製糸方法は、紡糸・延
伸を二段階に分けて行なう方法であっても、またこの両
工程を一段階で行なう方法であってもよい。
【0033】ポリフェニレンサルファイド繊維とロール
表面の摩擦力が増大し、延伸時糸切れを生じる傾向を有
効に防ぐ観点から、ポリフェニレンサルファイド繊維糸
条は、酸化防止剤成分を0.5〜5重量%含有する処理
剤が0.3〜2重量%付着されてなるものであることが
望ましい。
【0034】また、処理剤に含有される酸化防止剤は、
例えば自動車用ゴムホースにおける経時的な酸化劣化に
よる接着力低下を防止する機能を奏する。
【0035】ここで用いられる処理剤としては、水系エ
マルジョン油剤もしくは完全非含水油剤であり、処理剤
固形分濃度が5〜40重量%、好ましくは10〜30重
量%のものが好ましい。
【0036】処理剤としては平滑剤成分A、乳化剤成分
B、界面活性剤成分Cおよび酸化防止剤成分Dを固形分
として含有し、平滑剤成分A:50〜70重量%、乳化
剤成分B:15〜30重量%、界面活性剤成分C:15
〜30重量%、酸化防止剤成分D:0.5〜5重量%の
合計100重量%から固形分を形成したものが好ましく
使用される。
【0037】平滑剤成分Aの具体例としては、ネオペン
チルグリコールジラウレート、ジエチレングリコールジ
オレートなどの2価アルコールと高級脂肪酸のエステ
ル、グリセリントリオレート、トリネチルロールプロパ
ントリオレートなどの3価アルコールと高級脂肪酸のエ
ステル、ペンタエリスリトールテトラオレートなどの4
価以上のアルコールと高級脂肪酸エステル、ジオクチル
セバケート、ジオレイルアジペート、ジイソステアリル
チオジプロピオネートなどの高級アルコールと2塩基酸
のエステル、ジオレイルフタレート、トリオクチルトリ
メリテート、テトラオクチルピロメリテートなどの高級
アルコールと芳香族カルボン酸のエステル、およびビチ
ルステアレート、イソステアリルパルミテート、オレイ
ルラレート、オレイルオレートなどの高級アルコールと
高級脂肪酸のエステルなどが挙げられる。
【0038】乳化剤成分Bの具体例としては、2−エチ
ルヘキシルアルコール、2−ノニルトリデカノール、2
−ウンデシルペンタデカノールなどのアルコール(炭素
数6〜26)のアルキレンオキサイド付加物(n=1〜
7)などが挙げられる。
【0039】界面活性剤成分Cの具体例としては、多価
アルコールアルキレンオキサイド付加物のエステル化合
物であって、アルキレンオキサイドの付加モル数が10
〜40モルの化合物とモノカルボン酸および/またはジ
カルボン酸との反応物などが挙げられる。前記エステル
化合物とは、硬化ヒマシ油EO(25)、硬化ヒマシ油
エチレンオキサンドEO(25)のステアリン酸、マレ
イン酸エステルおよびエチレンオキサイドEO(20)
ジステアレートなどである。
【0040】酸化防止剤Dの具体例としては、フェノー
ル系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、アミン系酸化防
止剤、ヒンダード系酸化防止剤およびイオウ系酸化防止
剤などの単一成分または2種以上混合したものが挙げら
れる。
【0041】かかる処理剤は、ゴム補強用合成繊維コー
ドをゴム補強材として使用する場合に、エマルジョン化
した接着処理剤が繊維内部へ急激に浸透するのを適度に
抑制し、かつ薄く均一に浸透させる効果をもたらし、例
えばゴムホースの耐疲労性を改善する機能を奏する。
【0042】本発明のゴム補強用合成繊維コードを得る
には、まず、ポリフェニレンサルファイド繊維糸条とポ
リエステル繊維糸条とを前記した繊度比で撚り合わせ
る。
【0043】繊維糸条の撚糸に当たっては、ポリフェニ
レンサルファイド繊維糸条およびポリエステル繊維糸条
に予め単独で下撚りをかけておくのが好ましい。次に、
下撚りをかけたポリフェニレンサルファイド繊維糸条
と、下撚りをかけたポリエステル繊維糸条とを揃えて、
下撚りの方向と逆方向に撚りをかけるか、あるいは下撚
りの方向と同方向に上撚りをかけることによって生コー
ドが得られる。
【0044】下撚りおよび上撚りの撚り数は、4〜15
回/10cmの範囲であることが好ましい。
【0045】上記の生コードは、ゴム補強に先立ち、下
記に説明する2浴接着処方、つまりポリエポキシド化合
物を含有する第1接着処理液で処理した後、さらにレゾ
ルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とゴムラテックス
との混合物を含有する第2接着処理液で処理する処方が
適用されることによって、ゴムとの接着性が著しく高め
られる。
【0046】なお、上記第1接着処理液はポリエポキシ
ド化合物、ブロックドイソシアネートおよび/またはエ
チレン尿素化合物、ゴムラテックスおよびケイ酸塩化合
物を接着剤マトリックス成分とすることが、また、上記
第2接着処理液はレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮
合物とゴムラテックスとの混合物に加えてさらにクロロ
フェノール化合物を含有することがさらに好ましい。
【0047】上記第1接着処理液に用いられるポリエポ
キシド化合物としては、1分子中に2個以上のエポキシ
基を含有する化合物であり、具体例としては、グリセロ
ール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コールなどの多価アルコール類と、エピクロルヒドリン
のようなハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、レ
ゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメ
タン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂およびレゾル
シン・ホルムアルデヒド樹脂などの多価フェノール類
と、前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、ビ
ス−(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロヘキシ
ルメチル)アジペートおよび3,4−エポキシシクロヘ
キセンエポキシドなどの不飽和結合部分を酸化して得ら
れるポリエポキシド化合物、ビスフェノールA型エポキ
シ化合物およびビスフェノールA型ウレタン変性エポキ
シ化合物などが挙げられ、これらはそれぞれ1種または
2種以上を混合使用することができる。なかでも好まし
いポリエポキシド化合物は、多価アルコールとエピクロ
ルヒドリンの反応生成物(多価アルコールのポリグリシ
ジルエーテル化合物)である。
【0048】同じく、上記第1接着処理液に使用される
ブロックドポリイソシアネート化合物とは、熱によりブ
ロック剤が遊離して活性なイソシアネート化合物を生じ
る化合物であり、具体的にはトリレンジイソシアネー
ト、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
およびトリフェニールメタントリイソシアネートなどの
ポリイソシアネート化合物と、フェノール、クレゾー
ル、レゾルシンなどのフェノール類、ε−カプロラクタ
ム、バレロラクタムなどのラクタム類、アセトキシム、
メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム
などのオキシム類およびエチレンイミンなどから選ばれ
たブロック剤との反応生成物などが好ましく挙げられ
る。
【0049】これらブロックドポリイソシアネート化合
物のなかでは、特にε−カプロラクタムでブロックされ
た芳香族ポリイソシアネート化合物およびジフェニルメ
タンジイソシアネートの芳香族化合物の使用が良好な結
果を与える。
【0050】同じく上記第1接着処理液に用いられるエ
チレン尿素化合物とは、加熱によりエチレンイミン環が
開環して反応し、接着性を向上させるものであり、その
代表例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネートおよびトリフェニルメタンジイソシアネートなど
の芳香族、脂肪族イソシアネートと、エチレンイミンと
の反応生成物などが好ましく挙げられる。
【0051】これらエチレン尿素化合物のなかでは、と
くにジフェニルメタンジエチレン尿素の芳香族エチレン
尿素化合物の使用が良好な結果を与える。
【0052】なお、上記第1接着処理液は、上記ブロッ
クドポリイソシアネート化合物およびエチレン尿素化合
物のいずれか一方または両方を含むことができる。
【0053】同じく、上記第1接着処理液に含まれる好
ましいゴムラテックスとしては、被着ゴムにあわせたビ
ニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス(VPラテックス)、スチレン−ブタジエン系ゴムラ
テックス(SBRラテックス)、アクリロニトリル−ブ
タジエン系ゴムラテックス(NBRラテックス)、クロ
ロプレン系ゴムラテックス(CRラテックス)、クロロ
スルホン化ポリエチレンラテックス(CSMラテック
ス)、アクリレート系ゴムラテックスおよび天然ゴムラ
テックス(NRラテックス)またはこれらのラテックス
にエチレン系不飽和酸を共重合させたラテックスなど
が、適宜単独または混合して使用される。
【0054】同じく、上記第1接着処理液に好ましく使
用されるケイ酸塩化合物とは、ケイ素、マグネシウム、
ナトリウムおよびリチウムを構成元素とし、フッ素およ
び/またはアルミニウムをさらに構成元素に含むかまた
は含まない無機化合物であり、一般にはスメクタイトと
称される合成無機化合物である。
【0055】上記ケイ酸塩化合物、なかでも合成スメク
タイトは、水に分散させるとチキソトロピックな分散液
となり、安定な粘性が得られ、比表面積を増大させる機
能を有する。
【0056】したがって、ケイ酸塩化合物は浸透抑制剤
および柔軟化剤として作用し、ケイ酸塩化合物を配合し
たゴム・繊維用接着剤組成物は、合成繊維に対する付着
量を少なくしても、安定してすぐれたゴムとの接着性が
得られるばかりか、処理コードが柔軟になり、コード強
力の低下が効果的に防止されることになる。
【0057】また、ケイ酸塩化合物の配合によって、接
着剤組成物におけるとくにゴムラテックスなどの接着剤
マトリックス成分の凝集が抑制され、各接着剤マトリッ
クス成分が均一に混合されて安定化し、接着剤マトリッ
クスがすぐれた凝集力のもとに繊維表面に均一に付着す
ることになるため、少量の付着量であっても、すぐれた
ゴムとの接着性を得ることができるのである。
【0058】処理した合成繊維の初期接着力が低下する
のを防止する観点から、上記第1接着処理液におけるポ
リエポキシド化合物の配合比は、10〜25重量%、さ
らには10〜20重量%が好ましい。ブロックドポリイ
ソシアネート化合物および/またはエチレン尿素化合物
の配合比は20〜35重量%、さらには20〜30重量
%が好ましい。ゴムラテックスの配合比は、0〜70重
量%、さらには0〜65重量%が好ましい。
【0059】上記第1接着処理液は、接着剤マトリック
ス成分の総固形分濃度が2〜10重量%、特に4〜7重
量%の溶液(分散液を含む)として使用するのが好適で
ある。
【0060】処理繊維コードの強力低下を十分に抑制す
る一方、処理繊維コードのゴムに対する接着力が低下す
る傾向を防ぐ観点から、上記ケイ酸塩化合物の配合量
は、上記第1接着処理液に含まれる接着剤マトリックス
成分に対し1〜15重量%、さらには、3〜10重量%
の範囲が好ましい。
【0061】上記第2接着処理液に含有されるレゾルシ
ン・ホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスと
の混合物とは、一般にRFLと呼ばれており、以下、R
FLと略称する。
【0062】上記RFLにおいて、レゾルシン・ホルム
アルデヒド初期縮合物とは、アルカリ触媒または酸触媒
下でレゾルシンとホルムアルデヒドを縮合させたもので
あり、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比が1/3
〜10/3、特に2/3〜4/3の範囲であるものが好
ましく使用される。
【0063】また、上記RFLは、下記化学式(I)で
示される化合物とホルムアルデヒドとを、アルカリ触媒
の存在下に1/10〜10/10(重量比)の割合で反
応させて得られた初期縮合物と、ゴムラテックスとアン
モニア水とを10/0.1〜20/1(重量比)の割合
で混合して得られたゴムラテックス混合物とを、1/8
〜1/4(固形分重量比)の割合で配合した混合物であ
ることが好ましい。
【0064】
【化1】 (ただし、式中のnは0もしくは1〜15の整数を示
す) ここで、上記化学式(I)で示される化合物としては、
予めジヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを無触
媒または酸性触媒の下で反応させて得られるノボラック
型の樹脂が用いられる。具体的には、この化合物は例え
ばレゾルシン1モルに対してホルムアルデヒドを0.7
モル以下の割合で縮合した化合物(例えば、商品名“ス
ミカノール700”(登録商標、住友化学(株)製)で
ある。
【0065】なお、上記RFLにおいて、レゾルシンと
ホルマリンのノボラック型縮合物を使用するに際して
は、これをアルカリ触媒水分散液に溶解した後、ホルム
アルデヒドを添加し、レゾルシン・ホルマリン初期縮合
物と同等のモル比にすることが好ましい。
【0066】また、上記RFLにおけるゴムラテックス
としては、被着ゴムにあわせたビニルピリジン−スチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックス(VPラテック
ス)、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス(S
BRラテックス)、ブタジエンラテックス(BRラテッ
クス)、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ラテ
ックス(NBRラテックス)、クロロプレン系ラテック
ス(CRラテックス)、クロロスルホン化ポリエチレン
系ラテックス(CSMラテックス)、ブチルゴムラテッ
ク(IIRラテックス)、アクリレート系ゴムラテック
スおよび天然ゴムラテックス(NRラテックス)または
これらのラテックスにエチレン系不飽和酸を共重合させ
たラテックスなどが、適宜単独または混合して使用され
る。
【0067】また、上記第2接着処理液は、上記RFL
とエチレン尿素化合物との混合物であってもよい。エチ
レン尿素化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート
などの芳香族、脂肪族イソシアネートと、エチレンイミ
ンとの反応生成物などが挙げられる。この場合、接着性
向上効果を十分なものとする一方、コードが硬くなって
強力低下を生じるのを防止する観点から、接着向上のた
めに添加されるエチレン尿素化合物の配合量は、RFL
に対して3〜30重量%、さらには、10〜20重量%
の範囲が好ましい。
【0068】また、上記第2接着処理液は、RFLにク
ロロフェノール化合物を添加したものであってもよい。
【0069】使用するクロロフェノール系化合物として
は、“カサボンドE”(登録商標、トーマス・スワン社
製)、“デナボンド”、“デナボンドA”および“デナ
ボンドK”(以上、登録商標、長瀬化成(株)製)など
の2−6ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)
−4−クロロフェノールが挙げられる。
【0070】この場合も、レゾルシンとホルムアルデヒ
ドの初期縮合物は通常アルカリ触媒の存在下で反応させ
る。好ましいレゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は
1/1〜3/1である。
【0071】また上記第2接着処理液におけるレゾルシ
ン・ホルムアルデヒド初期縮合物(RF)とゴムラテッ
クス(L)の固型分換算重量比は、接着性を良好なもの
にし、、また、コードおよび編織物の粘着性が増すのを
防ぐ一方、処理されたコードおよび編織物が硬くなりす
ぎ、ゴムとの接着性が悪くなるのを防ぐ観点から、1/
15〜1/1さらには1/10〜1/2である。
【0072】また、上記第2接着処理液にクロロフェノ
ール系化合物を併用する場合において、コードおよび編
織物の柔軟性が低下するのを防ぐ一方、接着性を十分な
ものとする観点から、RFLとクロロフェノール系化合
物との好ましい重量比は1/2〜10/1である。そし
て、上記第2接着処理液は、通常固形分濃度5〜20重
量%で使用される。
【0073】次に、本発明のゴム補強用合成繊維コード
の製造法の一例について説明する。まず、ポリフェニレ
ンサルファイド繊維の代表的な製法の例を説明する。は
じめに、市販のポリフェニレンサルファイド樹脂を、ペ
レット状で−760mmHg以下の真空条件下、100
〜200℃の温度で、2時間以上、通常は4〜48時間
乾燥する。
【0074】次に、ポリフェニレンサルファイド樹脂
を、好ましくはエクストルダー型紡糸機で溶解し、5.
0μ以下の微細孔を有する金属焼結不織布フィルターを
通過させた後、0.1〜0.5mm、好ましくは0.2
〜0.3mmの細孔を有する紡糸口金より紡糸し、紡出
糸条となす。
【0075】次いで、紡出糸条を、通常、口金直下5〜
30cm間の雰囲気を200〜350℃とした保温筒ま
たは加熱筒で囲まれた高温雰囲気中を通過した後、10
0℃以下の温風で冷却する。
【0076】口金直下に設けられた高温雰囲気として
は、ポリマーのメルトフローレート(MFR)および糸
条の繊維と紡糸速度などをあわせて適切な条件を選択す
る。
【0077】続いて、紡出糸条は、100℃以下、好ま
しくは20〜80℃の温風ないし冷風で均一冷却固化さ
れ、油剤(処理剤)が付着された後、通常300〜10
00m/minの回転する引取ローラで引き取られる。
【0078】上記未延伸糸は、通常、巻き取られること
なく連続して熱延伸工程に送られ、通常は2段以上の多
段延伸が付与される。延伸倍率は、紡糸条件に応じて、
3〜5.5倍、好ましくは3.5〜5倍である。2段延
伸を用いる場合の一段目の延伸は総合倍率の70%以
上、通常は75〜85%とし、残りを2段目延伸で行な
う。延伸温度は、通常最高温度を120〜180℃とす
る。
【0079】なお、ここでの延伸熱処理は、一般に加熱
ローラ上で行われるが、延伸ローラ間に熱媒体、例えば
赤外線ヒーターなどを設けて非接触延伸熱処理を行って
もよい。
【0080】延伸を終えたポリフェニレンサルファイド
繊維糸条は、通常リラックスロールとの間で弛緩熱処理
を施された後に巻き取られる。熱処理後のリラックス率
は通常0〜10%好ましくは2〜6%の範囲である。
【0081】次に、得られたポリフェニレンサルファイ
ド繊維糸条を、必要に応じてワインダーの前でエアーノ
ズルに通し交絡を付与する。
【0082】一方、例えばポリエチレンテレフタレート
を高速溶融紡糸、延伸して得られた固有粘度(IV)
1.05、原糸強度8.5g/d、1000デニールの
ポリエステル繊維糸条を8回/10cm程度の撚数で撚
糸して生コードを得る。
【0083】次に、上記ポリフェニレンサルファイド繊
維糸条を下撚りしたコードと、上記ポリエステル繊維糸
条の下撚りコードとを、例えば下撚りの方向とは逆の方
向に8回/10cm程度の撚数で上撚することにより、
生コードを得る。
【0084】本発明のゴム補強用合成成繊維コードを、
とくにブレーキホースやクーラーホースの補強材として
用いる場合には、エチレン・プロピレン・ジエン三元共
重合ゴム(以下、EPDM)との接着性が重要であり、
以下の第1処理液および第2処理液を前記生コードに付
与することによって、とくにEPDMとの接着性向上を
図ることができる。
【0085】第1接着処理液としては、例えばポリエポ
キシド化合物/ブロックドイソシアネート化合物/ビニ
ルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
を、固形分比で11.0重量%/23重量%/66.0
重量%程度の割合で混合してなる混合液100重量部程
度に対し、ケイ酸塩化合物(SiO2 /Al2 03 /M
gO/Na2 0/Li2 O/F(重量比)=54.5/
0.19/27.2/5.8/1.1/2.9、透過
率:95%、チクソトロピー指数:8.9)の水溶液を
6重量部程度を添加し、この混合液の固形分を6重量%
程度にしたものを用いる。
【0086】第2接着処理液としては、例えば以下のR
FLを用いる。
【0087】アルカリ触媒の存在下で、レゾルシンとホ
ルマリンをモル比2/3程度の割合で混合し、2時間程
度熟成して得られた固形分10重量%程度の初期縮合物
を、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラ
テックス(VPラテックス)と、ポリブタジエンラテッ
クス(BRラテックス)を、固形分重量比50/50程
度の割合で混合した混合ラテックス100重量部程度に
対し12.5重量部程度混合し、24時間程度熟成する
ことにより、固形分30重量%程度のRFLを調製す
る。
【0088】次に、これに、クロロフェノール系化合物
を25重量%程度添加し、水で固形分濃度を15重量%
程度とする。
【0089】次いで、コンピュートリータ処理機(リッ
ツラー社製)を用いて、前記生コードを前記第1接着処
理液に浸漬し、150℃程度で2分程度乾燥し、続いて
240℃程度で1分程度熱処理した後、さらに、前記第
2接着処理液に浸漬し、150℃程度で2分程度乾燥
し、続いて240℃程度で1分程度熱処理した後、得ら
れた処理コードをワインダーで巻き取ることにより、本
発明のゴム補強用合成繊維コードを得ることができる。
【0090】ここで、RFLが固化せずにローラーに付
着して、コードへの付着量が減少するのを防ぐととも
に、付着ムラが生じてゴムとの接着性が悪くなるのを防
ぐ一方、ブリスター(カス)が発生するのを防ぐ観点か
ら、上記第1接着処理液で処理した後の乾燥温度は70
〜150℃の温度が好ましい。また、ゴムとの接着性が
低下するのを防ぐ一方、RFLが劣化し、ゴムとの接着
性が低下するのを防ぐ観点から、上記第1接着処理液で
処理し乾燥した後の熱処理温度は200〜255℃の範
囲が好ましい。
【0091】同様の観点から、上記第2接着処理液で処
理した後の乾燥温度は70〜150℃の温度が、また熱
処理温度は200〜255℃の温度が好ましい。
【0092】一方、上記熱処理温度が200℃未満の場
合には、ゴムとの接着性が低下するため好ましくない。
【0093】合成繊維コードに対する上記第1接着処理
液の付着量は、固形分換算で1.0〜3.5重量%、さ
らには1.2〜2.5重量%の範囲が、また上記第2接
着処理液の付着量は、1.0〜3.5重量%、さらには
1.2〜2.5重量%の範囲が好適であり、かつ前記第
1接着処理液の固形分付着量と前記第2接着処理液の固
形分付着量の和が2.0〜4.0重量%であることが好
ましい。
【0094】また、本発明のゴム補強用合成繊維コード
は、上記熱処理を施した後に、さらに必要に応じて、オ
ートクレーブでたとえば145℃、30分間の湿熱処理
を施してもよい。
【0095】本発明のゴム補強用合成繊維コードを用い
て補強されるゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(I
R)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム
(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、EPD
M、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H
NBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CS
M)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム(CH
C)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)あるいはこれ
ら各種のゴムの混合物などが挙げられ、いかなるゴム種
であってもよいが、なかでも自動車用ゴムホースには、
主としてEPDMが使用される。
【0096】本発明のゴム補強用合成繊維コードは、そ
のすぐれた特性を生かしてタイヤコード、動力伝達ベル
ト、搬送用ベルトおよびゴムホースなどの各種補強ゴム
製品の補強用に使用することができるが、なかでも自動
車用ゴムホース、とくにブレーキホース、クーラーホー
ス、ラジエーター用ホースまたはパワーステアリングホ
ースなどに適用した場合に理想的な性能を発揮する。
【0097】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の構成および
効果をより具体的に説明する。
【0098】なお、以下の実施例における各測定値は下
記の方法により求めたものである。また、実施例中の部
および%は、いずれも重量部および重量%を示す。
【0099】[溶融粘度指数]島津製作所製メルトフロ
ーテスターを用い、ASTM−D−1238−70の規
格により測定した。
【0100】[原糸繊度]JIS L 1013(19
92)の7.3により測定した。
【0101】[原糸強度、伸度]JIS L 1013
(1992)の7.5により測定した。
【0102】[原糸の初期引張抵抗度]JIS L 1
013(1992)の7.10により測定した。
【0103】[原糸の乾熱収縮率]繊維を乾熱オーブン
中で180℃、30分間自由収縮させた後、JIS L
1013の規格により測定した。
【0104】[コード強度]試料を20℃、65%RT
の温調室に24時間以上放置した後、(株)オリエンテ
ック社製のテンシロン引張試験機を用いて、試料長25
cm、引き取り速度30cm/分でS−S曲線を求め、
1デニールあたりの強力を求めた。
【0105】[接着処理剤付着量]フィラメント100
gをトリクロルエチレンに浸漬し、処理剤を分離抽出
し、重量法にて算出した。
【0106】[処理液付着量]JIS L 1017
(1995)のディップピックアップ−質量法により求
めた。
【0107】[処理コード接着力] <ゴム配合処方> (部) EPDM 100 亜鉛華 5.0 ステアリン酸 1.0 カーボンブラック 80.0 加工油 0.3 硫黄 1.5 2−メルカプトベンゾチアゾール 0.5 テトラメチルチウラムジスルフィド 1.0 上記配合ゴムと処理コードを用いて、幅25mmの試験
片を作製し、JISK 6328(1995)に記載の
剥離試験方法に準じて処理コード/ゴム剥離力を測定し
た。すなわち、直径10cm、長さ6cmのアルミニウ
ム製のパイプに未加硫ゴムを貼付けた後、ラッピングク
ロス(東レ(株)製35mm)を巻き付け、オートクレ
ーブを用いて、150℃で30分加硫した後、JIS
K 6328記載の剥離試験方法に準じて処理コード/
ゴム剥離力を測定した。
【0108】[耐蒸熱性]オートクレーブ中に、処理コ
ードを入れて150℃の蒸気で24時間熱処理し、取り
出した後に上記の方法によりコード強力を測定し、次式
より耐熱強力保持率を求めた。 強力保持率(%)=(湿熱処理後のコード強度/湿熱処
理前のコード強度)×100。
【0109】[ゴム中耐蒸熱性]下記の組成を有するゴ
ムを加硫し、1.0mmの厚さのゴムシートを作製す
る。次に、処理コードを前記ゴムシートではさみ、オー
トクレーブで150℃の蒸気で15時間処理する。次い
で、ゴムからコードを取り出し、処理前後のコード強力
を測定して、次式より求めた強力保持率をゴム中耐蒸熱
性とした。 強力保持率(%)=(湿熱処理後のコード強度/湿熱処
理前のコード強度)×100。
【0110】[耐ブレーキ液性(DOT#3)]120
℃に加熱した市販の自動車用ブレーキ液(DOT#3)
の浴中に処理コードを264時間浸漬処理し、処理前後
の強力を測定して、次式より求めた強力保持率を耐ブレ
ーキ液性(DOT#3)の尺度とした。 強力保持率(%)=(浸漬後のコード強度/浸漬前のコ
ード強度)×100 [耐ブレーキ液性(DOT#4)]120℃に加熱した
市販の自動車用ブレーキ液(DOT#4)の浴中に処理
コードを72時間浸漬処理し、処理前後の強力を測定し
て、次式より求めた強力保持率を耐ブレーキ液性(DO
T#4)の尺度とした。 強力保持率(%)=(浸漬後のコード強度/浸漬前のコ
ード強度)×100 (実施例1)溶融粘度指数(MFR値)が54g/10
minであるポリフェニレンサルファイド樹脂のペレッ
トを、−760mmHg(ゲージ圧、以下同様)の真空
式加熱機内で温度150℃、16hR以上放置した。放
冷後、紡糸機のエクストルーダ中へ供給し、−760m
mHgの真空下、温度335℃で溶融し、5μm以下の
微細孔を有する金属不織布フィルターで濾過した後、口
金孔径0.50mm、孔数50ホールの紡糸口金から口
金直下100mmの雰囲気を300℃に保った徐冷ゾー
ン中に吐出した。
【0111】さらに、冷却ゾーンを通過した糸条に、酸
化防止剤を3.5重量%含む非水系処理剤を1.6%付
与し、700m/minで引取り、次いで、連続的に延
伸および熱処理を加熱ローラ上で行ない、総合延伸率
4.3倍に3段階に延伸した。
【0112】次いで、リラックス率3%で引続き熱処理
して巻き取ることにより、原糸繊度250デニール、処
理剤付着量1.6%、原糸強度5.75g/d、初期引
張抵抗度74.8g/d、180℃乾熱収縮率5.8
%、繊維内部に6量体以下のオリゴマー、不溶解物およ
び気泡のほとんど存在しないポリフェニレンサルファイ
ドフィラメント繊維糸条を得た。
【0113】このようにして得られたポリフェニレンサ
ルファイド繊維糸条(以下、PPS繊維糸条)を4本引
き揃え、撚糸機で撚数8T/10cmとなるように撚糸
し、下撚りコードを得た。
【0114】一方、ポリエチレンテレフタレートを高速
溶融紡糸、延伸して得られた固有粘度(IV)1.0
5、原糸強度8.5g/d、1000デニールのポリエ
ステル繊維糸条(以下、PET繊維糸条)を8回/10
cmの撚数で撚糸して生コードを得た。
【0115】次に、ポリフェニレンサルファイド繊維糸
条の下撚りコードとポリエステル繊維糸条の下撚りコー
ドとを、下撚りの方向とは逆の方向に8回/10cmの
撚数で混撚糸することにより、生コードを得た。
【0116】また、ポリエポキシド化合物を水に溶解
し、固形分を6%に調整することにより、第1接着処理
液を得た。
【0117】一方、アルカリ触媒の存在下で、レゾルシ
ンとホルマリンをモル比2/3の割合で混合し、2時間
熟成して得られた固形分10%の初期縮合物を、ビニル
ピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス
(VPラテックス)と、ポリブタジエンラテックス(B
Rラテックス)とを固形分重量比50/50の割合で混
合した混合ラテックス100部に対し、12.5部混合
し、24時間熟成することにより、固形分30%のRF
Lを調製した。次に、このRFLにクロロフェノール系
化合物である“デナボンド”(長瀬化成(株)製)を2
5%添加し、水で固形分濃度を15%とした。さらにこ
れを水で希釈することにより、固形分濃度10%の第2
接着処理液を調製した。
【0118】次いで、コンピュートリータ処理機(リッ
ツラー社製)を用いて、前記生コードに対し前記第1接
着処理液を付与し、エアワイパーで液切りを行ない、1
20℃で100秒間乾燥し、続いて240℃で60秒間
熱処理した。
【0119】さらに、第2接着処理液を上記と同様に付
与し、120℃で100秒間乾燥し、続いて240℃で
60秒間熱処理した。
【0120】このようにして得られたコードの接着性、
耐蒸熱性、ゴム中耐蒸熱性、耐ブレーキ液性を評価し、
結果を表1に示した。 表1の結果から明らかなよう
に、本発明のゴム補強用合成繊維コードは、被着ゴムと
の良好な接着性を有し、しかも、耐蒸熱性、ゴム中耐蒸
熱性およびブレーキ液などに対する耐久性が著しく改善
されており、ブレーキホースやクーラーホースの補強材
として有用である。
【0121】
【表1】 (実施例2)ポリエポキシド化合物/ブロックドイソシ
アネート化合物/ビニルピリジン−スチレン−ブタジエ
ン共重合体ラテックスを、固形分比で11.0%/23
%/66.0%の割合で混合してなる混合液100部に
対し、ケイ酸塩化合物(SiO2 /Al2 03 /MgO
/Na2 0/Li2 O/F=54.5/0.19/2
7.2/5.8/1.1/2.9、透過率:95%、チ
クソトロピー指数:8.9)の水溶液を6部を添加し、
この混合液の固形分を6%にすることにより、第1接着
処理液とした。
【0122】この第2接着処理液を用いた以外は、全て
実施例1と同様の操作を行ない、得られたコードの評価
結果を表1に併記した。
【0123】(実施例3〜4)ポリフェニレンサルファ
イド繊維糸条とポリエステル繊維糸条との混撚比率を表
1に記載したように変更した以外は、全て実施例2と同
様の操作を行ない、得られたコードの評価結果を表1に
併記した。
【0124】(比較例1〜4)ポリフェニレンサルファ
イド繊維糸条とポリエステル繊維糸条との混撚比率を表
2に記載したように変更した以外は、全て実施例2と同
様の操作を行ない、得られたコードの評価結果を表2に
示した。
【0125】
【表2】 表2の結果から明らかなように、本発明のゴム補強用合
成繊維コードは、被着ゴムとの良好な接着性を有し、し
かも、耐蒸熱性、ゴム中耐蒸熱性およびブレーキ液など
に対する耐久性が著しく改善されており、ブレーキホー
スやクーラーホースの補強材として有用である。
【0126】
【発明の効果】本発明のゴム補強用合成繊維コードは、
ゴムと良好な接着性を有し、しかも耐蒸気性および耐薬
品性が著しく改善され、繊維の強度保持率および耐久性
にすぐれたものである。
【0127】したがって、本発明のゴム補強用合成繊維
コードは、そのすぐれた特性を生かしてタイヤコード、
動力伝達ベルト、搬送用ベルトおよびゴムホースなどの
各種補強ゴム製品の補強用に使用することができ、なか
でも自動車用ゴムホース、とくにブレーキホース、クー
ラーホース、ラジエーター用ホースまたはパワーステア
リングホースなどに適用した場合に理想的な性能を発揮
する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 15/41 D06M 15/41 15/693 15/693 // C08J 5/06 CEQ C08J 5/06 CEQ D01F 6/76 D01F 6/76 D D06M 101:32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンサルファイド繊維糸条とポ
    リエステル繊維糸条とを撚り合わせたコードであって、
    前記ポリフェニレンサルファイド繊維糸条とポリエステ
    ル繊維糸条との繊度の比が3/7〜7/3であることを
    特徴とするゴム補強用合成繊維コード。
  2. 【請求項2】ポリフェニレンサルファイド繊維糸条の強
    度が4.5g/d以上、初期引張抵抗度が60g/d以
    上、180℃乾熱収縮率が8%以下であることを特徴と
    する請求項1に記載のゴム補強用合成繊維コード。
  3. 【請求項3】ポリフェニレンサルファイド繊維糸条が酸
    化防止剤成分を0.5〜5重量%含有する処理剤を0.
    3〜2重量%付着されてなることを特徴とする請求項1
    または2に記載のゴム補強合成繊維コード。
  4. 【請求項4】ポリフェニレンサルファイド繊維糸条とポ
    リエステル繊維糸条とを撚り合わせ、ポリエポキシド化
    合物を含有する第1接着処理液で処理した後、さらにレ
    ゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とゴムラテック
    スとの混合物を含有する第2接着処理液で処理すること
    を特徴とするゴム補強用合成繊維コードの製造法。
  5. 【請求項5】ポリエポキシド化合物、ブロックドイソシ
    アネートおよび/またはエチレン尿素化合物、ゴムラテ
    ックスおよびケイ酸塩化合物を接着剤成分とする第1接
    着処理液を用いて処理することを特徴とする請求項4に
    記載のゴム補強用合成繊維コードの製造法。
  6. 【請求項6】さらにクロロフェノール化合物を含有する
    第2接着処理液を用いて処理することを特徴とする請求
    項4または5に記載のゴム補強用合成繊維コードの製造
    法。
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