JPH11280518A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JPH11280518A
JPH11280518A JP10087266A JP8726698A JPH11280518A JP H11280518 A JPH11280518 A JP H11280518A JP 10087266 A JP10087266 A JP 10087266A JP 8726698 A JP8726698 A JP 8726698A JP H11280518 A JPH11280518 A JP H11280518A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
engine
roughness
ignition timing
Prior art date
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Pending
Application number
JP10087266A
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English (en)
Inventor
Eiji Nishimura
栄持 西村
Takahisa Ishihara
隆久 石原
Koji Miyamoto
浩二 宮本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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Publication of JPH11280518A publication Critical patent/JPH11280518A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P5/00Advancing or retarding ignition; Control therefor
    • F02P5/04Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
    • F02P5/145Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
    • F02P5/15Digital data processing
    • F02P5/1502Digital data processing using one central computing unit
    • F02P5/1506Digital data processing using one central computing unit with particular means during starting
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/021Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine
    • F02D41/0235Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus
    • F02D41/024Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus to increase temperature of the exhaust gas treating apparatus
    • F02D41/0255Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus to increase temperature of the exhaust gas treating apparatus to accelerate the warming-up of the exhaust gas treating apparatus at engine start
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Signal Processing (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷間始動時に空燃比又は点火時期を変化させ
ることにより排気ガス浄化触媒の昇温を図るようにした
エンジンに対して、走行性能を高めつつ排気ガス浄化触
媒を早期に昇温させることができる手段を提供する。 【解決手段】 エンジンシステムAにおいては、冷間始
動時には点火時期が大幅に遅角され、又は空燃比がリッ
チ側に変更され、触媒コンバータ27の昇温が促進され
る。ここで、排気ガス排出量が少なくかつ出力要求が低
いアイドル領域では、点火時期の遅角と空燃比のリッチ
側への変更のうち、より有効なものが用いられて触媒コ
ンバータ27の早期昇温が図られる。他方、アイドル領
域外、すなわち出力要求が高い領域では点火時期の遅角
が禁止され、空燃比のリッチ側への変更のみによって触
媒コンバータ27の昇温が図られ、出力要求に相応する
十分なトルクが得られ、走行性能が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間始動時に点火
時期を遅角させ又は空燃比をリッチ側に変化させること
により排気ガス浄化触媒の昇温を促進するとともに、ラ
フネス制御によりトルク変動(ラフネス)を安定化する
ようにしたエンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンにおいては、
排気ガスを浄化するために、排気ガス浄化触媒を備えた
触媒コンバータが排気通路に介設されている。そして、
かかる排気ガス浄化触媒としては、従来よりHCとCO
とNOxとを同時に浄化することができる三元触媒が広
く用いられているが、三元触媒は低温時には触媒活性が
比較的低く、排気ガス浄化性能を十分には発揮すること
ができないといった特徴をもつ。したがって、排気ガス
浄化触媒として三元触媒を用いた触媒コンバータでは、
エンジンが冷機状態から始動されたとき(冷間始動時)
には、エンジン始動後に排気ガス温度を迅速に高め、こ
れにより排気ガス浄化触媒の昇温(活性化)を促進する
必要がある。なお、排気ガス浄化触媒を加熱する電気ヒ
ーターを設けて排気ガス浄化触媒の昇温を促進するとい
った対応も考えられるが、このようにすると、コストア
ップを招くとともに電力消費量が増大するといった問題
が生じる。
【0003】そこで、エンジンの冷間始動時には、点火
時期を大幅に遅角させて排気ガス温度の上昇を促進する
ようにしたエンジンシステムが提案されている(例え
ば、特開平8−218995号公報及び特開平8−23
2745号公報参照)。すなわち、このように点火時期
を大幅に遅角させると、燃焼室内の混合気の着火・燃焼
により生じた熱エネルギーの力学的エネルギーへの変換
率が低くなり、その分、排気ガスに伝達される熱エネル
ギーが増加し、排気ガスの昇温ひいては排気ガス浄化触
媒の昇温が促進されることになる。
【0004】しかしながら、排気ガス浄化触媒の昇温を
促進するために、点火時期を大幅に遅角させると、エン
ジンの出力トルクが低下するとともに燃焼性が不安定と
なるので、低出力時(低負荷・低回転時)、例えばアイ
ドル時等にはトルク変動(ラフネス)が大きくなり、エ
ンジンの円滑な運転が損なわれるといった問題が生じ
る。そこで、例えば特開平8−218995号公報に開
示されたエンジンシステムのような、冷間始動時に排気
ガス温度を迅速に高めるために点火時期を大幅に遅角さ
せるようにしたエンジンシステムでは、所定の低出力領
域では、トルク変動が許容限界内に収まるようエンジン
の出力トルクを制御するといったラフネス制御を行うよ
うにしている。
【0005】なお、前記の特開平8−232745号公
報に開示されたエンジンでは、エンジン始動後に、排気
ガス浄化触媒の昇温を促進するための点火時期の遅角
と、HC及びCOの発生量を低減するための空燃比のリ
ーン化と、NOx発生量を低減するためのEGRの導入
とを順次切り替えて行い、エミッション性能を高めるよ
うにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車用エ
ンジンでは、通常、エンジン冷間時においては燃料の気
化・霧化が悪いために空燃比を12〜13.5程度のリ
ッチな空燃比に設定している。
【0007】しかしながら、このように空燃比をリッチ
側に変化させると、HCあるいはCOの発生量が増加す
るとともに、排気ガス温度も比較的低く、排気ガス浄化
触媒の昇温効果は十分とはいえない。他方、点火時期を
大幅に遅角させると、エンジンに対する出力要求が高い
ときにはトルク不足が生じ、該エンジンを搭載した自動
車の走行性能が悪くなる。したがって、点火時期の遅角
制御と空燃比制御とをどのように組み合わせれば、燃費
性能及び走行性能を高めつつ、HCあるいはCOの発生
量を増加させることなく排気ガス浄化触媒を早期に昇温
させることができるのかが定かでないといった問題があ
る。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、空燃比制御を行うとともに、
冷間始動時に点火時期を遅角させることにより排気ガス
浄化触媒の昇温を図るようにしたエンジンに対して、燃
費性能及び走行性能を高めつつ、HCあるいはCOの発
生量を増加させることなく排気ガス浄化触媒を早期に昇
温させることができる手段を提供することを解決すべき
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明は、(a)排気通路に介設され、排気
ガスを浄化する排気ガス浄化触媒を備えた触媒コンバー
タと、(b)触媒コンバータが未暖機状態にあるとき
に、少なくとも低負荷低回転領域で、点火時期と空燃比
のうちの少なくとも一方を、触媒コンバータの温度上昇
が促進される方向に変化(点火時期の場合は遅角側への
変化であり、空燃比の場合はリーン側への変化)させる
触媒コンバータ暖機促進手段とが設けられているエンジ
ンの制御装置において、(c)触媒コンバータ暖機促進
手段が、触媒コンバータの温度上昇を促進すべき運転領
域内(以下、この領域を「触媒コンバータ暖機促進領
域」という)において、低負荷低回転側の部分領域(例
えば、アイドル領域)では点火時期の変化と空燃比の変
化とを許容する一方、上記部分領域外では空燃比の変化
のみを許容するようになっていることを特徴とするもの
である。
【0010】このエンジンの制御装置においては、触媒
コンバータ暖機促進領域中の、排気ガス排出量が少なく
かつ出力要求が低い低負荷低回転側の部分領域(例え
ば、アイドル領域)では、エンジン冷間時でありながら
点火時期の遅角と、空燃比の理論空燃比近傍ないし理論
空燃比よりリーン側への変化のうち、双方をともに用い
ることが可能となり、時々刻々のエンジンの運転状態に
応じて、触媒コンバータ(排気ガス浄化触媒)の温度上
昇を促進するのにより適した方を用いることができ、触
媒コンバータを早期に昇温させることができる。この場
合、点火時期を遅角させても、出力要求は低いので何ら
不具合は生じない。
【0011】他方、触媒コンバータ暖機促進領域中の上
記部分領域外の領域、すなわち排気ガス排出量が多くか
つ出力要求が高い領域では、点火時期の遅角が禁止さ
れ、空燃比のリーン側(理論空燃比近傍ないし理論空燃
比よりリーン側の空燃比)への変化のみによって触媒コ
ンバータの昇温が図られるので、出力要求に相応する十
分なトルクが得られ、該エンジンを搭載した自動車の走
行性能が高められる。この場合、点火時期の遅角による
触媒コンバータの昇温の促進は禁止されるが、この運転
領域では排気ガスの排出量が多いので、該排気ガスによ
って触媒コンバータは迅速に昇温される。したがって、
燃費性能及び走行性能を高めつつ、HCあるいはCOの
発生量を増加させることなく触媒コンバータ(排気ガス
浄化触媒)を早期に昇温させることができる。
【0012】上記エンジンの制御装置においては、触媒
コンバータ暖機促進手段が触媒コンバータの温度上昇を
促進すべき運転領域で、燃焼に起因するトルク変動状態
が許容限度内に収まるように点火時期又は空燃比を補正
してラフネス制御を行うラフネス制御手段が設けられて
いるのが好ましい。このようにすれば、エンジンの回転
が安定化される。
【0013】また、上記エンジンの制御装置において
は、触媒コンバータ暖機促進手段が、空燃比が理論空燃
比に近似するように空燃比制御を行うことにより触媒コ
ンバータの温度上昇を促進するようになっているのが好
ましい。このようにすれば、空燃比が不必要にリッチ化
されず、燃費性能が高められるとともに、理論空燃比を
目標空燃比とする空燃比のフィードバック制御への切り
替えが円滑化される。
【0014】さらに、上記エンジンの制御装置において
は、点火時期の変化と空燃比の変化とが許容される上記
部分領域では、空燃比のリーン化を優先させるようにな
っているのが好ましい。すなわち、まず空燃比をリーン
にした上で、点火時期の遅角により触媒コンバータの昇
温を促進し、点火時期の遅角では不十分な場合に空燃比
をリッチ方向に変化させることにより、触媒コンバータ
の昇温を促進するのが好ましい。このようにすれば、H
C及びCOの発生量を低減することができ、エミッショ
ン性能をさらに高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図1に示すように、本発明にかかる制御
装置を備えた自動車用のエンジンシステムAには、ガソ
リンを燃料とする直列4気筒型の4サイクルエンジン1
が設けられている。このエンジン1には、詳しくは図示
していないが、4つの気筒2(1つのみ図示)を備えた
シリンダブロック3と、該シリンダブロック3の上面に
組付けられたシリンダヘッド4とが設けられている。そ
して、各気筒2内にはそれぞれ、往復動可能にピストン
5が嵌入され、ピストン5とシリンダヘッド4とによっ
て燃焼室6が画成されている。また、各燃焼室6の天井
部にはそれぞれ点火プラグ7が臨設され、この点火プラ
グ7は、点火時期の電子制御が可能なイグナイタ等を含
む点火回路8に接続されている。
【0016】さらに、このエンジンシステムAには、各
気筒2の燃焼室6にエア(吸気)を供給するために、大
気中からエアを取り入れる単一の共通吸気通路9と、該
共通吸気通路9からエアを受け入れる各気筒毎の独立吸
気通路10とが設けられている。ここで、共通吸気通路
9の上流端は、エア中のダストを除去するエアクリーナ
11に接続され、下流端はエアの流れを安定させるサー
ジタンク15に接続されている。また、各独立吸気通路
10の上流端はそれぞれサージタンク15に接続され、
下流端はそれぞれ吸気弁12を介して燃焼室6と連通し
ている。
【0017】そして、共通吸気通路9には、エアの流れ
方向(図1中の位置関係では左向き)にみて上流側から
順に、エアの流量(エンジン1に実際に吸入される吸入
空気量)を検出するホットワイヤ式のエアフローセンサ
13と、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応
じて開閉されて共通吸気通路9を絞るスロットル弁14
とが設けられている。また、各独立吸気通路10にはそ
れぞれ、後で説明するECU35(エンジン・コントロ
ール・ユニット)からの燃料噴射信号(噴射パルス)を受
けて燃料を噴射するインジェクタ16(燃料噴射弁)が
設けられている。なお、エアクリーナ11には、吸気温
(エアの温度)を検出する吸気温センサ17が付設され
ている。
【0018】各独立吸気通路10は、その下流端近傍で
は、図示していない第1吸気通路(吸気ポート)と第2吸
気通路10a(吸気ポート)とに分岐され、第1と第2
の両吸気通路の分岐部の上流でインジェクタ16の直上
流には、アクチュエータ18aによって開閉駆動される
開閉弁18(吸気流動強化制御弁)が配設されている。
ここで、開閉弁18は、閉弁時にインジェクタ16側に
吸気を流通させる間隙部が形成されるよう、閉弁時にお
ける上端部側が切欠かれている。開閉弁18が閉じられ
たときには、エアは実質的にこの切欠かれた切欠き部か
ら燃焼室6に供給され、このとき燃焼室6内に強いタン
ブルが生成され、混合気の燃焼性が高められる。
【0019】共通吸気通路9の、スロットル弁14より
上流側の部分と下流側の部分とは、ISC(Idle Speed
Control)バイパス通路20により接続され、該ISC
バイパス通路20には、アクチュエータ21aによって
開閉駆動されて該ISCバイパス通路20を開閉するI
SCバルブ21が設けられている。このISCバルブ2
1の開度を制御することにより、エンジン1のアイドル
回転数が制御されるようになっている。なお、スロット
ル弁14の近傍において共通吸気通路9には、スロット
ル弁14の全閉状態を検出するアイドルスイッチ22
と、スロットル弁14の開度(スロットル開度)を検出
するスロットル開度センサ23とが設けられている。
【0020】さらに、エンジンシステムAには、エンジ
ン1の排気ガスを大気中に排出する排気通路25が設け
られ、この排気通路25は、排気ガスの流れ方向(図1
中の位置関係では左向き)にみて上流端付近では4つに
分岐され、これらの各上流端(排気ポート)はそれぞれ
排気弁24を介して、対応する燃焼室6と連通してい
る。そして、排気通路25には、排気ガスの流れ方向に
みて上流側から順に、排気ガス中の酸素濃度(ひいては
空燃比)を検出するO2センサ26(λO2センサ、リニ
アO2センサ等)と、排気ガスを浄化する触媒コンバー
タ27とが配設されている。O2センサ26は、排気ガ
ス中の酸素濃度に基づいて燃焼室6内の空燃比を検出す
るようになっている。なお、λO2センサは、理論空燃
比(λ=1)付近で出力が急変し、実質的に空燃比が理
論空燃比より高いか低いかを検出する形式のO2センサ
である。また、リニアO2センサは、基本的にはO2濃度
をリニアに検出することができる形式のO2センサであ
るが、とくに理論空燃比付近でのO2濃度の検出精度が
高くなる(すなわち、O2濃度の変化に対する出力変化
が大きい)。触媒コンバータ27は、排気ガス中の炭化
水素(HC)と一酸化炭素(CO)と窒素酸化物(NOx)と
を同時に浄化することができる三元触媒を排気ガス浄化
触媒として用いたものであり、リーン状態でもNOxを
浄化する性能を有するものが用いられている。
【0021】また、エンジン1には、電磁ピックアップ
等からなるクランク角センサ30が設けられている。こ
のクランク角センサ30は、図示していないクランク軸
の端部に取り付けられた被検出用プレート31の外周に
対応する位置に配置され、クランク軸の回転に伴って被
検出用プレート31が回転したときには、その外周部に
設けられた4つの突起部31aの通過に伴ってパルス信
号を出力するようになっている。さらに、エンジン1に
は、ウォータジャケット内の冷却水の温度(エンジン水
温)を検出する水温センサ32が設けられている。
【0022】そして、エンジンシステムAないしエンジ
ン1の各種制御を行うために、マイクロコンピュータ等
からなるECU35(エンジン・コントロール・ユニッ
ト)が設けられている。図2にも示すように、このEC
U35には、エアフローセンサ13、吸気温センサ1
7、アイドルスイッチ22、スロットル開度センサ2
3、O2センサ26、クランク角センサ30、水温セン
サ32等の各出力信号が入力されるようになっている。
他方、ECU35からは、インジェクタ16に対して燃
料噴射を制御する信号(パルス信号)が出力されるととも
に、点火回路8に対して点火時期を制御する信号が出力
され、さらにISCバルブ21のアクチュエータ21a
及び開閉弁18のアクチュエータ18aにも制御信号が
出力されるようになっている。
【0023】具体的には、ECU35には、開閉弁18
のアクチュエータ18aを制御する開閉弁制御部36
と、エンジン1のクランク角速度変動状態ないしはトル
ク変動状態(以下、これを「ラフネス」ないしは「ラフ
ネス値」という)を検出するラフネス検出部37と、イ
ンジェクタ16の燃料噴射量すなわち空燃比を制御する
空燃比制御部38と、点火回路8ないしは点火プラグ7
の点火時期を制御する点火時期制御部39と、ISCバ
ルブ21のアクチュエータ21aを制御するISC制御
部40とが設けられている。
【0024】以下、ECU35によって実行されるエン
ジンシステムAないしはエンジン1の各種制御の概要を
説明する。すなわち、開閉弁制御部36は、所定の低出
力領域(低負荷・低回転領域)では、各気筒2のアクチ
ュエータ18aに開閉弁18をほぼ閉じさせ、実質的に
切欠き部から燃焼室6にエアを供給させる。例えば、図
15に示すように、この開閉弁閉弁領域(低出力領域)
は、エンジン回転数と、吸気充填効率(エンジン負荷)
と、エンジン水温とに応じて設定される。なお、この開
閉弁閉弁領域は、エンジン回転数と吸気充填効率とエン
ジン水温とをパラメータとするマップを検索することに
より設定される。
【0025】このとき燃焼室6内には強いタンブルが形
成されて吸気流動が強化され、これによって混合気の燃
焼性が大幅に高められる。このとき、開閉弁18の切欠
き部を介して燃焼室6に流入する高速のエアによって、
インジェクタ16から噴射された燃料の気化・霧化が促
進され、これによっても混合気の燃焼性が高められる。
他方、エンジン1の運転状態が上記所定の低出力領域に
入っていないときには開閉弁18が開かれ、燃焼室6に
十分な量のエアが供給され、吸気充填効率ひいてはエン
ジン出力が高められる。
【0026】ラフネス検出部37は、後で説明するよう
に、エンジン1のラフネス値を検出し、このラフネス値
を空燃比制御部38及び点火時期制御部39に出力す
る。そして、空燃比制御部38及び点火時期制御部39
は、通常の空燃比制御及び点火時期制御を行う一方、後
で説明するラフネス制御(図3〜図8参照)を行う。
【0027】空燃比制御部38は、基本的には、エアフ
ローセンサ13によって検出される吸入空気量に基づい
て、各燃焼室6に供給される混合気の空燃比が所定の目
標空燃比(例えば、λ=1、A/F=14.7)となる
ようインジェクタ16の燃料噴射量を制御する。そし
て、所定の運転領域では、O2センサ26によって検出
される排気ガス中のO2濃度すなわち実際の空燃比の目
標空燃比に対する偏差に基づいて、空燃比のフィードバ
ック制御を行うようになっている。なお、後で説明する
ように、空燃比制御部38は、冷間始動時には、エンジ
ン1の運転状態に応じて適宜、空燃比をリッチ側に変化
させて触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温を促進す
るようになっている。さらに、空燃比制御部38は、エ
ンジン1の冷間始動時に、空燃比(基本値)を変化させ
る(補正する)ことによりA/Fラフネス制御を行うよ
うになっている。
【0028】点火時期制御部39は、基本的には、次の
式1ないしは式1’により、各気筒2の点火時期IGT
(n)を演算し、該点火時期IGT(n)に点火プラグ
7に通電させて燃焼室6内の混合気を着火・燃焼させる
ようになっている。
【数1】 IGT(n)=θBASE −θIDFB −θRTD +θrough(n)………………式1 IGT(n)=θBASE −θIDFB −θRTD +θ'rough(n) ……………式1' なお、式1において、nは1〜4の整数であり、それぞ
れエンジン1の4つの気筒の点火順にみた気筒番号に対
応している。例えば、n=1が第1気筒に対応する場合
は、n=2は第3気筒に対応し、n=3は第4気筒に対
応し、n=4は第2気筒に対応する。
【0029】式1において、θBASE は基本点火時期す
なわち点火時期の基本設定値であって、通常は、各気筒
毎にMBT、すなわちエンジン1が最大トルクを出力す
る点火時期(例えば、上死点前10°であり)よりも若干
遅角側に、図示していない基本点火時期設定マップを用
いて、エンジン回転数及び吸気充填効率に応じて設定さ
れる。なお、この基本点火時期θBASEは、後で説明する
ように、アイドル時と非アイドル時(オフアイドル時)
とで、それぞれの運転状態に適するように個別に設定さ
れる。
【0030】式1において、θIDFBはアイドル時におい
てエンジン回転数(アイドル回転数)を目標アイドル回
転数に追従するようフィードバック制御するための点火
時期のフィードバック制御量(補正量)である。例え
ば、図16に示すように、目標アイドル回転数は、エン
ジン水温(エンジン温度)に応じて、エンジン水温の上
昇に伴ってリニアに低下するような特性で設定されてい
る。なお、エンジン1が暖機状態となったとき、例えば
エンジン水温が60°Cを超えたときには、目標アイド
ル回転数は例えば650〜700r.p.m.の範囲内の
一定値とされる。
【0031】例えば、図17に示すように、フィードバ
ック制御量θIDFBは、アイドル時におけるエンジン回転
数(アイドル回転数)の目標アイドル回転数に対する偏
差に応じて好ましく設定される。図17から明らかなと
おり、例えばアイドル回転数が目標アイドル回転数より
高いとき(偏差が+)にはθIDFBが遅角方向に変化させ
られ、これによりエンジン1の出力トルクが低下し、ア
イドル回転数が低下して目標アイドル回転数に近づく。
他方、アイドル回転数が目標アイドル回転数より低いと
き(偏差が−)にはθIDFBが進角方向に変化させられ、
これによりエンジン1の出力トルクが上昇し、アイドル
回転数が上昇して目標アイドル回転数に近づく。例え
ば、図18に示すように、MBT(出力トルクが最大と
なる点火時期)より遅角側では、点火時期が遅角するほ
どエンジン1の出力トルクが低下するので、このように
点火時期を進角又は遅角させることによりアイドル回転
数を制御することができる。
【0032】また、式1において、θRTDは昇温促進制
御量である。このエンジンシステムAないしエンジン1
では、冷機状態から始動する場合、すなわち冷間始動時
には、点火時期を大幅に遅角させ(例えば、概ね15°
CA)、これにより混合気の燃焼によって生じた熱エネ
ルギのエンジン冷却水あるいは排気ガスへの伝達率を高
めて、エンジン1の暖機を促進するとともに、排気ガス
温度の昇温を促進して触媒コンバータ27内の三元触媒
の昇温を促進するようにしている。
【0033】例えば、図19中のグラフG1で示すよう
に、エンジン水温が非常に低い場合を除いて、昇温促進
制御量θRTDはエンジン水温に応じて大幅に遅角側に設
定され、これによってエンジン1の暖機ないしは触媒コ
ンバータ27内の三元触媒の昇温が促進される。これに
より、エンジンシステムAないしはエンジン1のエミッ
ション性能及び燃費性能が高められる。
【0034】しかしながら、このように点火時期を大幅
に遅角させてエンジン1の暖機ないしは触媒コンバータ
27内の三元触媒の昇温を促進した場合、エンジン1の
出力トルクが比較的低くなるので、燃料の性状(重質か
軽質か)、燃焼室6内での混合気の燃焼状態の変動等に
起因してクランク角速度変動ないしはトルク変動(ラフ
ネス)が生じ、エンジン1の円滑な運転が損なわれる場
合がある。そこで、式1又は式1’に示すように、(θ
BASE −θIDFB −θRTD)で演算された基本的な点火時
期(基本値)をさらにIGラフネス制御量θrough(n)
又はθ'rough(n)で補正して、ラフネスを抑制するよう
にしている。なお、このIGラフネス制御量θ
rough(n)又はθ'rough(n)は、後で説明するラフネス
制御ルーチン(図3〜図8)で設定される。
【0035】かくして、点火時期制御部39は、クラン
ク角センサ30から入力される信号に基づいて、点火時
期IGT(n)になったか否かを判定し、点火時期になっ
た時点で点火回路8に点火プラグ7に通電させ、各気筒
毎に混合気を着火・燃焼させる。なお、ISC制御部4
0は、よく知られた普通のISC制御手法を用いて、I
SCバイパス通路20内を流れるバイパスエアの流量を
制御する。
【0036】前記のとおり、このエンジンシステムAな
いしエンジン1では、冷間始動時に、空燃比のリッチ側
への変更と点火時期の遅角とを、エンジン1の運転状態
に応じて選択的に用いて触媒コンバータ27内の三元触
媒の昇温を促進するといった触媒昇温促進制御を行うよ
うにしているが、以下これについて説明する。
【0037】すなわち、触媒コンバータ27内の三元触
媒の昇温を促進するために空燃比をリッチ側(例えば、
λ=1)に変化させると、燃費性能が低下するととも
に、HCあるいはCOの発生量が増加する。他方、点火
時期を大幅に遅角させると、エンジン1に対する出力要
求が高いときにはトルク不足が生じ、該エンジン1を搭
載した自動車の走行性能が悪くなる。そこで、以下で説
明するように、エンジン1の運転状態に応じて点火時期
の遅角制御と空燃比制御とを使い分け、燃費性能及び走
行性能を高めつつ、HCあるいはCOの発生量を増加さ
せることなく三元触媒を早期に昇温させるようにしてい
る。
【0038】この触媒昇温促進制御においては、基本的
には、触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温を促進す
べき運転領域(以下、これを「触媒昇温促進領域」とい
う)内において、アイドル領域では点火時期の遅角と空
燃比のリッチ側への変更とを許容する一方、アイドル領
域外では空燃比のリッチ側への変更のみを許容するよう
にしている。
【0039】具体的には、図20中にR1で示す低負荷
低回転領域が触媒昇温促進領域とされている。そして、
この触媒昇温促進領域R1内のアイドル領域R2において
は、点火時期の遅角による三元触媒の昇温促進と、空燃
比のリッチ側への変更による三元触媒の昇温促進とが択
一的に用いられ、三元触媒の昇温が促進されるようにな
っている。この排気ガス排出量が少なくかつ出力要求が
低いアイドル領域R2では、点火時期の遅角と空燃比の
リッチ側への変更のうちの任意のものを用いることがで
きるので、時々刻々のエンジン1の運転状態に応じて、
触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温を促進するのに
より適した方を用いることができ、三元触媒を早期に昇
温させることができる。なお、この場合、点火時期を遅
角させても、出力要求は低いので何ら不具合は生じな
い。
【0040】他方、触媒昇温促進領域R1内においてア
イドル領域R2の外側の領域、すなわち比較的排気ガス
排出量が多くかつ出力要求が比較的高い領域では、点火
時期の遅角は禁止され、空燃比のリッチ側への変化のみ
によって触媒コンバータ27内の三元触媒の昇温が図ら
れるので、出力要求に相応する十分なトルクが得られ、
該エンジン1を搭載した自動車の走行性能が高められ
る。この場合、点火時期の遅角による三元触媒の昇温の
促進は禁止されるが、この運転領域では排気ガスの排出
量が比較的多いので、該排気ガスによって三元触媒は迅
速に昇温される。かくして、この触媒昇温促進制御によ
れば、燃費性能及び走行性能を高めつつ、HCあるいは
COの発生量を増加させることなく触媒コンバータ27
内の三元触媒を早期に昇温させることができる。
【0041】このように点火時期の遅角による三元触媒
の昇温促進と、空燃比のリッチ側への変更による三元触
媒の昇温促進とが択一的に用いられる運転領域(すなわ
ち、アイドル領域R2)では、後で説明するように、燃
焼に起因するトルク変動状態が許容限度内に収まるよう
に点火時期又は空燃比を補正してラフネス制御が行わ
れ、エンジン1の回転が安定化される。
【0042】なお、空燃比のリッチ側への変更による三
元触媒の昇温促進においては、空燃比が理論空燃比に近
似するように空燃比制御が行われる。これにより、空燃
比が不必要にリッチ化されず、燃費性能が高められると
ともに、理論空燃比を目標空燃比とする空燃比のフィー
ドバック制御への切り替えが円滑化される。
【0043】また、後で説明するように、この触媒昇温
促進制御ないしはラフネス制御では、点火時期の遅角と
空燃比のリッチ側への変化とが許容されるときには、空
燃比のリーン化が優先されるようになっている。すなわ
ち、まず空燃比をリーンにした上で、点火時期の遅角に
より触媒昇温促進制御ないしはラフネス制御を行い、点
火時期の遅角ではこれらの制御を十分に実行することが
できない場合に限り、空燃比をリッチ方向に変化させる
ようにしている。これにより、HC及びCOの発生量を
低減することができ、エミッション性能をさらに高める
ことができる。
【0044】なお、図21(a)、(b)に示すよう
に、エンジン1の図示平均有効圧力Piの変動率は、一
般的傾向としては、空燃比がリーンになるほど、あるい
は点火時期が遅角するほど大きくなるが、燃料(ガソリ
ン)の性状、例えば重質であるか軽質であるかによって
大きく異なる。したがって、燃料の性状によって触媒昇
温促進制御ないしはラフネス制御の制御安定性が大きく
左右される。また、エンジン1の個体差によっても、こ
れらの制御の制御安定性が左右される。しかしながら、
本発明にかかる触媒昇温促進制御ないしはラフネス制御
では、前記のように制御の安定性が大幅に高められるの
で、燃料の性状あるいはエンジン1の個体差のいかんに
かかわらず、これらの制御の制御精度が十分に高められ
る。
【0045】ところで、このエンジンシステムAないし
はエンジン1においては、前記のとおり、点火時期を大
幅に遅角させることにより、触媒コンバータ27内の三
元触媒の昇温を促進するようにしているので、低出力領
域ではクランク角速度変動ないしはトルク変動(ラフネ
ス)が生じやすくなり、エンジンの回転安定性が損なわ
れるおそれがある。そこで、所定の低出力領域(ラフネ
ス制御領域)では、点火時期あるいは空燃比を補正する
ことにより、上記ラフネスを抑制してエンジンの回転安
定性を高めるといったラフネス制御を行うようにしてい
る。
【0046】以下、図3〜図8に示すフローチャートに
従って、このラフネス制御の具体的な制御方法を説明す
る。図3〜図8に示すように、このラフネス制御におい
ては、まずステップS1で、クランク角センサ30の出
力信号に基づいて、上死点後のクランク角が104°か
ら174°(ATDC104°CA〜ATDC174°
CA)になるまでの時間間隔T(i)が計測される。続
いてステップS2で、次の式2を用いて、ステップS1
で計測された時間間隔T(i)に基づいて、クランク角
速度ω(i)が算出される。
【数2】 ω(i)=70・106/T(i)………………………………………式2 T(i):時間間隔[マイクロ秒] ω(i):クランク角速度[クランク角(°CA)/
秒]
【0047】ここで、クランク角速度ω(i)の検出を
行うべきクランク角期間の好ましい設定手法について、
図9〜図11に基づいて説明する。図9は、直列4気筒
型の4サイクルエンジンについて、トルク及び角速度の
上死点後のクランク角(ATDC CA)に対する変化
特性の一例を示す図である。図9に示すように、各気筒
における慣性トルク(破線)とガス圧トルク(一点鎖線)と
の合成トルクは、図9中に太い実線で示されているよう
に、正常燃焼時は180°CA間隔で周期的に変化し、
この合成トルクによって回転されるクランク軸の角速度
(実線A)も周期的に変化する。他方、例えば第1気筒に
おいて燃焼状態が不安定になって失火に近い状態が生じ
た場合、エンジンの合成トルクは、図9中に二点鎖線で
示されているように、極めて低くなってしまう。その結
果、クランク角速度は、破線Bで示すように第1気筒の
膨張行程半ばから顕著に低下し、正常燃焼時との差が大
きくなる。また、次に点火される気筒(第3気筒)では、
前回点火された気筒(第1気筒)の影響が残る膨張行程
の全般では角速度が低くなるが、行程が進むに連れて次
第に正常時の値に近づく。
【0048】図10は、燃焼圧と角速度変動(ラフネス
状態)との相関関係を示すグラフである。図10におい
て、横軸は、1つの気筒についての圧縮上死点後(AT
DC)のクランク角(ATDC CA)をあらわし、縦軸
は、当該気筒の燃焼状態(ガス圧)が角速度に及ぼす影響
の度合いを示す相関係数をあらわしている。ここで、相
関係数が正であれば当該気筒の燃焼圧の変動と角速度の
変動との相関性が高いことを意味し、他方負であれば当
該気筒よりもその前気筒の燃焼圧変動の影響が大きいこ
とを意味する。
【0049】そして、図9及び図10から明らかなよう
に、燃焼がほぼ終了するクランク角(ATDC40°C
A程度)から次に点火される気筒の燃焼開始時期付近の
クランク角(ATDC200°CA程度)までの範囲で
燃焼圧と角速度変動との相関性が高く、とくにガス圧ト
ルクが低下してからトルク変曲点(ATDC90°CA
程度)を経た後の、慣性トルクが大きくなる期間X(A
TDC100°CA〜ATDC200°CA)におい
て、相関関係が高くなっている。したがって、例えばA
TDC100°CA〜ATDC200°CAの範囲内で
角速度を検出するようにすれば、この角速度の変動(ラ
フネス状態)に基づいて当該気筒の燃焼状態を精度良く
判定することができる。また、角速度検出時間を十分に
確保するために、角速度検出のためのクランク角期間は
60°CA以上とすることが好ましい。
【0050】そこで、例えば図11に示すように、この
実施の形態では、各気筒のATDC104°CAとAT
DC174°CAとが検出されるように、被検出プレー
ト31の各突起部31aを設け、各気筒におけるATD
C104°CA〜174°CAの70°CAの期間のク
ランク角速度を検出するようにしている。
【0051】次に、ステップS3で、次の式3を用い
て、気筒毎に燃焼状態の判別にとってノイズとなる要素
を除去するためのコムフィルタ処理により、クランク角
速度ω(i)の差分dω(i)、すなわちクランク角速
度変動dω(i)が演算される。なお、気筒の識別は、
図示していないカムシャフトの回転角を検出するセンサ
からの信号に基づいて行われる。
【数3】 dω(i)=ω(i−4)−ω(i)……………………………………式3 ω(i−4):4回前のクランク角速度演算値 ω(i):今回のクランク角速度演算値
【0052】ここで、燃焼状態の変動以外で角速度変動
を生じさせる要素としては、爆発を加振源とした共振の
影響による角速度変動、車輪や駆動系のアンバランスに
起因する車輪回転に伴う角速度変動、路面からタイヤに
作用する振動の影響による角速度変動等があげられる。
図12に示すように、共振の影響による爆発回転次数成
分のノイズはエンジン回転の0.5次及びその整数倍の
周波数で生じ、アンバランスに起因する車輪回転に伴う
ノイズや路面の影響によるノイズはエンジン回転の0.
5次よりも低い低周波数域内で生じる。
【0053】そこで、このステップS3では、コムフィ
ルタ処理によりエンジン回転の0.5次及びその整数倍
の周波数成分を除去しつつクランク角速度変動dω
(i)を演算するようにしている。すなわち、図13に
示すように、同一気筒におけるクランク角速度の今回値
ω(i)と前回値ω(i−4)との偏差を求めることに
より、コムフィルタ処理によりエンジン回転の0.5次
及びその整数倍の周波数成分を除いたクランク角速度変
動dω(i)のデータが得られることになる。
【0054】続いて、ステップS4で、次の式4を用い
て、ハイパスフィルタ処理によりラフネス値dωf
(i)が演算される。つまり、エンジン回転の0.5次
よりも低い周波数成分のノイズを除くために、ステップ
S3で得られたクランク角速度変動dω(i)の8サイ
クル前までのデータに基づいてなまし処理が行われ、ラ
フネス値dωf(i)が演算される。
【数4】 dωf(i)=k1・dω(i−4)+ k2・(dω(i−3)+dω(i−5))+ k3・(dω(i−2)+dω(i−6))+ k4・(dω(i−1)+dω(i−7))+ k5・(dω(i)+dω(i−8))………………式4 なお、式4において、k1〜k5はなまし係数(定数)で
ある。
【0055】図14に示すように、このハイパスフィル
タ処理によりエンジン回転の0.5次よりも低い周波数
成分が十分に減衰され除去される。このようにして、各
気筒毎に燃焼状態を高精度に反映したラフネス値dωf
(i)、すなわちクランク角速度変動値ないしはトルク
変動値を得ることができる。
【0056】次に、ステップS5とステップS6とで、
ステップS4で演算されたラフネス値dωf(i)が、
その上限しきい値dωfmaxを超えているか、又はそ
の下限しきい値dωfmin以下であるか、それとも上
限しきい値dωfmax以下の範囲内において下限しき
い値dωfminを超えているかが判定される。ここ
で、上限しきい値dωfmaxは、ラフネス値がこれを
超えるとクランク角速度変動ないしはトルク変動(ラフ
ネス)が非常に大きくなり、エンジン1の円滑な運転が
損なわれるおそれが生じるので、ラフネス値を迅速に減
少させることが要求される限界値である。この上限しき
い値dωfmaxは、エンジン回転数と吸気充填効率
(エンジン負荷)とをパラメータとするマップを検索す
ることにより、エンジン回転数と吸気充填効率とに応じ
て好ましく設定される。
【0057】他方、下限しきい値dωfminは、ラフ
ネス値がこれ以下になるとクランク角速度変動ないしは
トルク変動が非常に小さくなり、エンジン1の運転が十
分に安定化されているものと考えられ、ラフネス値の抑
制を緩和してもよいと考えられる限界値である。この下
限しきい値dωfminは、エンジン回転数と吸気充填
効率(エンジン負荷)とをパラメータとするマップを検
索することにより、エンジン回転数と吸気充填効率とに
応じて好ましく設定される。
【0058】かくして、ステップS5で、ラフネス値d
ωf(i)が上限しきい値dωfmaxを超えていると
判定された場合は(ステップS5でYES)、ステップ
S7でラフネス大判定フラグF1に1がセットされ、続
いてステップS8でラフネス小判定フラグF2に0がセ
ットされる。
【0059】ステップS5とステップS6とで、ラフネ
ス値dωf(i)が下限しきい値dωfmin以下であ
ると判定された場合は(ステップS5でNO、かつステ
ップS6でYES)、ステップS9でラフネス大判定フ
ラグF1に0がセットされ、続いてステップS10でラ
フネス小判定フラグF2に1がセットされる。
【0060】また、ステップS5とステップS6とで、
ラフネス値dωf(i)が上限しきい値dωfmax以
下の範囲内において下限しきい値dωfminを超えて
いると判定された場合は(ステップS5でNO、かつス
テップS6でNO)、ステップS11でラフネス大判定
フラグF1に0がセットされ、続いてステップS12で
ラフネス小判定フラグF2に0がセットされる。
【0061】この後、ステップS13で、ラフネス制御
実行条件が成立しているか否かが判定される。このラフ
ネス制御では、次の3つの条件がともに成立したときに
ラフネス制御実行条件が成立しているものと判定し、ラ
フネス制御を実行するようにしている。
【0062】<ラフネス制御実行条件> (1)エンジン始動時において、完爆後、所定時間(例
えば、1秒)を経過していること。なお、ここではクラ
ンキング後においてエンジン回転数が500r.p.m.まで
上昇したときに完爆したものと判定するようにしてい
る。完爆直後は、エンジン1の回転が比較的不安定であ
るので、このようなときにラフネス制御を実行すること
は好ましくないからである。 (2)エンジン水温が所定温度(例えば、60°C)以
下であること。すなわち、後で説明するエンジン暖機フ
ラグF4が0であること。なお、エンジン暖機フラグF4
は、図8に示すように、ステップS51でエンジン水温
が所定温度K(例えば、60°C)を超えていると判定
されたときにはステップS52で1がセットされ、所定
温度K以下であると判定されたときにはステップS53
で0がセットされるフラグである。エンジン水温が上記
所定温度を超えているときにはエンジン1がすでに暖機
状態にあるので、エンジン1の暖機あるいは三元触媒の
昇温を促進するための点火時期の大幅な遅角は行われ
ず、したがってラフネス制御を行う必要がないからであ
る。 (3)エンジン1の運転状態が、前記の図15中の開閉
弁閉弁領域(吸気流動強化領域)に入っていること。ラ
フネス制御を行うときには、エンジン1の回転安定性を
高めるために、燃焼室6内での混合気の燃焼性を高める
必要があるからである。
【0063】かくして、ステップS13で、ラフネス制
御実行条件が成立していないと判定された場合(N
O)、すなわち前記の各ラフネス制御実行条件の少なく
とも1つが成立しないときには、ラフネス制御を一時的
に停止させ、又は終了させるために、後で説明するステ
ップS32にスキップする。
【0064】他方、ステップS13で、ラフネス制御実
行条件が成立していると判定された場合(YES)、す
なわち前記のすべてのラフネス制御実行条件が成立して
いるときには、ステップS14が実行される。このステ
ップS14では、エンジン1の運転状態が、点火時期の
制御によりラフネス制御を行うべきIGラフネス制御領
域に入っているか、それとも空燃比(燃料噴射量)の制
御によりラフネス制御を行うべきA/Fラフネス制御領
域に入っているかが判定される。
【0065】このステップS14では、IGラフネス制
御禁止フラグF3が0でありかつエンジン1がアイドル
状態にあるときにはIGラフネス制御を行い、他方IG
ラフネス制御禁止フラグF3が1であるか、又はエンジ
ン1が非アイドル(オフアイドル)状態にあるときには
A/Fラフネス制御を行うようにしている。なお、IG
ラフネス制御禁止フラグF3は、IGラフネス制御にお
けるラフネス制御量(補正量)が最大限進角側となった
ときに1がセットされるフラグである。したがって、こ
のIGラフネス制御禁止フラグF3が1であるときに
は、点火時期の制御によりエンジン1の出力トルクを高
めることはできず、したがってIGラフネス制御は実質
的に不可能となる。
【0066】かくして、ステップS14で、エンジン1
の運転状態がIGラフネス制御領域に入っていると判定
された場合は(YES)、ステップS15〜ステップS
24でIGラフネス制御量が演算され、又は保持(現状
維持)される。具体的には、まずステップS15でラフ
ネス大判定フラグF1が1であるか否かが判定される。
ラフネス大判定フラグF1が1であると判定された場合
(YES)、すなわち点火時期を進角させてトルクを増
加させるべき場合は、ステップS17で、次の式5を用
いて今回の気筒別のIGラフネス制御量θrough(i)
が演算される。この気筒別のIGラフネス制御量θ
rough(i)は、基本的には、前回の気筒別のIGラフ
ネス制御量θrough(i−1)を進角側に補正したもの
である。
【0067】
【数5】 θrough(i)=θrough(i−1)+ min[K1・(dωf(i)−dωfmax),Δigad]…………式5 θrough(i):今回の気筒別のIGラフネス制御量 θrough(i−1):前回の気筒別のIGラフネス制御
量 min[α,β,…]:α、β、…のうちの最小値 K1:比例定数 dωf(i):ラフネス値 dfmax:上限しきい値 Δigad:進角補正量 なお、Δigadは、エンジン回転数及び吸気充填効率
をパラメータとするマップを検索することにより、エン
ジン回転数及び吸気充填効率に応じて好ましく設定され
る。
【0068】ただし、式5により演算された気筒別のθ
rough(i)の演算値が所定の限界値IMXよりも大き
いときには、θrough(i)はIMXとされる。ここ
で、限界値IMXは、気筒別のθrough(i)の進角側
への限界値すなわちリミッタであり、θrough(i)が
IMXに達したときには、θrough(i)はこれ以上は
進角側に変化させることはできない。
【0069】次に、ステップS18で、次の式6を用い
て今回の全気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i)が
演算される。この全気筒のIGラフネス制御量θ'rough
(i)は、基本的には、前回の全気筒のIGラフネス制
御量θ'rough(i−1)を進角側に補正したものであ
る。なお、IGラフネス制御(点火時期制御)におい
て、気筒別のIGラフネス制御量θrough(i)と、全
気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i)とは、選択的
ないしは択一的に用いられる。
【数6】 θ'rough(i)=θ'rough(i−1)+ min[K1・(dωf(i)−dωfmax)、Δigad]…………式6 θ'rough(i):今回の全気筒のIGラフネス制御量 θ'rough(i−1):前回の全気筒のIGラフネス制御
量 min[α,β,…]:α、β、…のうちの最小値 K1:比例定数 dωf(i):ラフネス値 dfmax:上限しき値 Δigad:進角補正量
【0070】このステップS18でも、式6により演算
された全気筒のθ'rough(i)の演算値が限界値IMX
よりも大きいときには、θ'rough(i)はIMXとされ
る。したがって、θ'rough(i)がIMXに達したとき
には、θ'rough(i)はこれ以上は進角側に変化させる
ことはできない。
【0071】次に、ステップS19で、ステップS18
で演算された全気筒のIGラフネス制御量θ'
rough(i)が限界値IMXと等しいか否かが判定さ
れ、θ'rough(i)=IMXであれば(YES)、ステ
ップS20でIGラフネス制御禁止フラグF3に1がセ
ットされる。なお、θ'rough(i)=IMXでなければ
(NO)、ステップS20をスキップする。このIGラ
フネス制御禁止フラグF3は、IGラフネス制御におけ
るラフネス制御量(補正量)が最大限に進角側となった
ときに1がセットされるフラグであるので、このIGラ
フネス制御禁止フラグF3が1であるときには、点火時
期の制御によりエンジン1の出力トルクを高めることは
できず、IGラフネス制御は実行不可能となる。したが
って、このIGラフネス制御禁止フラグF3に1がセッ
トされたときには、後記のA/Fラフネス制御が実行さ
れることになる。この後、制御はステップS44に進め
られる。
【0072】前記のステップS15で、ラフネス大判定
フラグF1が1でないと判定された場合は(NO)、ス
テップS16でラフネス小判定フラグF2が1であるか
否かが判定される。ここで、ラフネス小判定フラグF2
が1であると判定された場合(YES)、すなわち点火
時期を遅角させてトルクを低下させるべき場合は、ステ
ップS21で、次の式7を用いて今回の気筒別のIGラ
フネス制御量θrough(i)が演算される。この気筒別
のIGラフネス制御量θrough(i)は、基本的には、
前回の気筒別のIGラフネス制御量θrough(i−1)
を遅角側に補正したものである。
【数7】 θrough(i)=θrough(i−1)−Δigret…………………………式7 θrough(i):今回の気筒別のIGラフネス制御量 θrough(i−1):前回の気筒別のIGラフネス制御
量 Δigret:遅角補正量
【0073】なお、Δigretは、エンジン回転数及
び吸気充填効率をパラメータとするマップを検索するこ
とにより、エンジン回転数及び吸気充填効率に応じて好
ましく設定される。ただし、式7により演算された気筒
別のθrough(i)の演算値が所定の限界値IMNより
も小さいときには、θrough(i)はIMNとされる。
ここで、限界値IMNは、気筒別のθrough(i)の遅
角側への限界値すなわちリミッタであり、θ
rough(i)がIMNに達したときには、θrough(i)
はこれ以上は遅角側に変化させることはできない。
【0074】次に、ステップS22で、次の式8を用い
て今回の全気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i)が
演算される。この全気筒のIGラフネス制御量θ'rough
(i)は、基本的には、前回の全気筒のIGラフネス制
御量θ'rough(i−1)を遅角側に補正したものであ
る。
【数8】 θ'rough(i)=θ'rough(i−1)−Δigret]……………………式8 θ'rough(i):今回の全気筒のIGラフネス制御量 θ'rough(i−1):前回の全気筒のIGラフネス制御
量 Δigret:遅角補正量
【0075】このステップS22でも、式8により演算
された全気筒のθ'rough(i)の演算値が限界値IMN
よりも小さいときには、θ'rough(i)はIMNとされ
る。したがって、θ'rough(i)がIMNに達したとき
には、θ'rough(i)はこれ以上は遅角側に変化させる
ことはできない。この後、制御はステップS44に進め
られる。
【0076】前記のステップS16でラフネス小判定フ
ラグF2が1でないと判定された場合(NO)、すなわ
ちラフネス値が上限しきい値dωfmax以下であり、
かつ下限しきい値dωfminを超えていると判定され
た場合は、クランク角速度変動ないしはトルク変動(ラ
フネス)が、さほど大きくもなく、また点火時期をさら
に遅角させられるほどには小さくないので、現在のIG
ラフネス制御量がそのまま保持される。
【0077】すなわち、この場合は、ステップS23
で、前回の気筒別のIGラフネス制御量θrough(i−
1)が今回の気筒別のIGラフネス制御量θ
rough(i)とされる。続いて、ステップS24で、前
回の全気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i−1)が
今回の全気筒のIGラフネス制御量θ'rough(i)とさ
れる。この後、制御はステップS44に進められる。
【0078】かくして、ステップS44では、エンジン
の運転状態がアイドル領域に入っているか否かが判定さ
れ、アイドル領域に入っていれば(YES)、ステップ
S45で開閉弁18が閉弁領域(図15参照)に入って
いるか否かが判定され、閉弁領域に入っていれば(YE
S)、ステップS46で基本点火時期θBASEに、開閉弁
18の閉弁時におけるアイドル時用の点火時期基本値が
セットされる。他方、閉弁領域に入っていなければ(N
O)、ステップS47で基本点火時期θBASEに、開閉弁
18の開弁時におけるアイドル時用の点火時期基本値が
セットされる。また、ステップS44での判定で、エン
ジン1の運転状態が非アイドル領域であれば(NO)、
ステップS48でステップS45と同様に開閉弁18が
閉弁領域に入っているか否かが判定され、閉弁領域に入
っていれば(YES)、ステップS49で基本点火時期
θBASEに開閉弁18の閉弁時における非アイドル用の点
火時期基本値がセットされる。他方、閉弁領域に入って
いなければ(NO)、ステップS50で基本点火時期θ
BASEに、開閉弁18の開弁時における非アイドル時用の
点火時期基本値がセットされる。このエンジンシステム
Aないしエンジン1では、非アイドル時にはエンジン出
力を高めるために、基本点火時期θBASEをアイドル時よ
りも進角側に設定するようにしている。また、開閉弁1
8の閉弁時は切欠き部の影響により燃焼速度が速くなる
ため、基本点火時期θBASEを開閉弁18の開弁時よりも
遅角側に設定するようにしている。そこで、ステップS
44〜ステップS50で、アイドル時であるか非アイド
ル時であるかに応じて、また開閉弁18の開閉状態に応
じて個別に基本点火時期θBASEを設定するようにしてい
る。この後、ステップS1に復帰して、制御が続行され
る。
【0079】ところで、前記のステップS14で、エン
ジン1の運転状態がIGラフネス制御領域に入っていな
いと判定された場合(NO)、すなわちA/Fラフネス
制御領域に入っていると判定された場合は、ステップS
25〜ステップS31でA/Fラフネス制御量が演算さ
れ、又は保持(現状維持)される。つまり、この場合
は、点火時期を変化させることによりラフネス制御を行
うことが困難ないしは実質的に不可能であるので、空燃
比を変化させることにより出力トルクを増減させてラフ
ネス制御を行う。
【0080】具体的には、まずステップS25でラフネ
ス大判定フラグF1が1であるか否かが判定される。ラ
フネス大判定フラグF1が1であると判定された場合
(YES)、すなわち空燃比(A/F)をリッチ側に変
化させてトルクを増加させるべき場合は、ステップS2
7で、次の式9を用いて今回の気筒別のA/Fラフネス
制御量λrough(i)が演算される。この気筒別のA/
Fラフネス制御量λrough(i)は、基本的には、前回
の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i−1)を
リッチ側に一定量だけ補正したものである。
【数9】 λrough(i)=λrough(i−1)+KL……………………………式9 λrough(i):今回の気筒別のA/Fラフネス制御量 λrough(i−1):前回の気筒別のA/Fラフネス制
御量 KL:リッチ側ラフネス制御量補正値(一定値)
【0081】ただし、式9により演算された気筒別のλ
rough(i)の演算値が所定の限界値FMXよりも大き
いときには、λrough(i)はFMXとされる。ここ
で、限界値FMXは、気筒別のλrough(i)のリッチ
側への限界値すなわちリミッタであり、λrough(i)
がFMXに達したときには、λrough(i)はこれ以上
はリッチ側に変化させることはできない。この後、制御
はステップS39に進められる。
【0082】前記のステップS25で、ラフネス大判定
フラグF1が1でないと判定された場合は(NO)、ス
テップS26でラフネス小判定フラグF2が1であるか
否かが判定される。ここで、ラフネス小判定フラグF2
が1であると判定された場合(YES)、すなわち空燃
比をリーン側に変化させてトルクを低下させるべき場合
は、ステップS28で、次の式10を用いて今回の気筒
別のA/Fラフネス制御量λrough(i)が演算され
る。この気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i)
は、基本的には、前回の気筒別のA/Fラフネス制御量
λrough(i−1)をリーン側に一定量だけ補正したも
のである。
【数10】 λrough(i)=λrough(i−1)−KR……………………………式10 λrough(i):今回の気筒別のA/Fラフネス制御量 λrough(i−1):前回の気筒別のA/Fラフネス制
御量 KR:リーン側ラフネス制御量補正値(一定値)
【0083】次に、ステップS29で、全気筒ともA/
Fラフネス制御量が0であるか否かが判定され、全気筒
ともA/Fラフネス制御量が0であれば(YES)、ス
テップS30でIGラフネス制御禁止フラグF3に0が
セットされる。なお、少なくとも1つの気筒のA/Fラ
フネス制御量が0でなければ(NO)、ステップS30
をスキップする。ステップS30で、このIGラフネス
制御禁止フラグF3に0がセットされたときには、前記
のIGラフネス制御に復帰することになる。この後、制
御はステップS39に進められる。
【0084】前記のステップS26でラフネス小判定フ
ラグF2が1でないと判定された場合(NO)、すなわ
ちラフネス値が上限しきい値dωfmax以下であり、
かつ下限しきい値dωfminを超えていると判定され
た場合は、クランク角速度変動ないしはトルク変動(ラ
フネス)が、さほど大きくもなく、またさほど小さくも
ないので、現在のA/Fラフネス制御量がそのまま保持
される。すなわち、この場合は、ステップS31で、前
回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i−1)
が今回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i)
とされる。この後、制御はステップS39に進められ
る。
【0085】ステップS39では、空燃比フィードバッ
ク制御フラグF5が1であるか否かが判定される。この
空燃比フィードバック制御フラグF5は、1がセットさ
れたときには空燃比のフィードバック制御が許可され、
0がセットされたときには空燃比のフィードバック制御
が禁止されるフラグである。このA/Fラフネス制御に
おいては、少なくとも1つの気筒のA/Fラフネス制御
量が所定の設定値を超えているときには空燃比のフィー
ドバック制御を禁止し、全気筒についてA/Fラフネス
制御量が0となったときに空燃比のフィードバック制御
を許可するようにしている。
【0086】かくして、ステップS39で、空燃比フィ
ードバック制御フラグF5が1であると判定されたとき
(YES)、すなわち空燃比のフィードバック制御が許
可された状態にあるときには、ステップS40で少なく
とも1つの気筒のA/Fラフネス制御量が所定の設定値
を超えているか否かが判定される。ここで、少なくとも
1つの気筒のA/Fラフネス制御量が所定の設定値を超
えていれば(YES)、ステップS41で空燃比フィー
ドバック制御フラグF5に0がセットされ、したがって
空燃比のフィードバック制御が禁止される(オープン制
御が行われる)。他方、ステップS40で、全気筒のA
/Fラフネス制御量が所定の設定値以下であれば(N
O)、ステップS41をスキップし、空燃比フィードバ
ック制御フラグF5が1のまま保持され、したがって空
燃比のフィードバック制御が続行される。この後、前記
のステップS44〜ステップS50が実行された後、ス
テップS1に復帰して制御が続行される。
【0087】前記のステップS39で、空燃比フィード
バック制御フラグF5が1でないと判定されたとき(N
O)、すなわち空燃比のフィードバック制御が禁止され
た状態にあるときには、ステップS42で全気筒のA/
Fラフネス制御量が0であるか否かが判定される。ここ
で、全気筒のA/Fラフネス制御量が0であれば(YE
S)、ステップS43で空燃比フィードバック制御フラ
グF5に1がセットされ、したがって空燃比のフィード
バック制御が許可される。他方、ステップS42で、少
なくとも1つの気筒のA/Fラフネス制御量が0でなけ
れば(NO)、ステップS43をスキップし、空燃比フ
ィードバック制御フラグF5が0のまま保持され、した
がって空燃比のフィードバック制御が禁止されたままと
なる。この後、前記のステップS44〜ステップS50
が実行された後、ステップS1に復帰して制御が続行さ
れる。
【0088】ところで、前記のステップS13で、ラフ
ネス制御実行条件が成立していないと判定された場合
(NO)、すなわち前記の各ラフネス制御実行条件の少
なくとも1つが成立しないときには、ラフネス制御は一
時停止又は終了される。この場合、まずステップS32
で、前記のエンジン暖機フラグF4が1であるか否か、
すなわちエンジン水温が所定温度(例えば、60°C)
を超えているか否かが判定され、エンジン暖機フラグF
4が1でなければ(NO)、ラフネス制御は一時的に停
止され、ステップS33〜ステップS35で、それぞ
れ、気筒別のIGラフネス制御量と、全気筒のIGラフ
ネス制御量と、気筒別のA/Fラフネス制御量とが保持
(現状維持)される。
【0089】すなわち、ステップS33では、前回の気
筒別のIGラフネス制御量θrough(i−1)が今回の
気筒別のIGラフネス制御量θrough(i)とされる。
ステップS34では、前回の全気筒のIGラフネス制御
量θ'rough(i−1)が今回の全気筒のIGラフネス制
御量θ'rough(i)とされる。また、ステップS35で
は、前回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough(i
−1)が今回の気筒別のA/Fラフネス制御量λrough
(i)とされる。
【0090】この後、前記のステップS39〜ステップ
S50が実行された後、ステップS1に復帰する。しか
しながら、この場合、前記のとおりラフネス制御は一時
的に停止されているので、ステップS33〜ステップS
35で保持された各ラフネス制御量はラフネス制御に用
いられるわけではない。つまり、ラフネス制御が一時的
に停止されたときには、停止直前における各ラフネス制
御量が保持されるが、これらのラフネス制御量は、この
後ラフネス制御が再開される場合に備えて保持(記憶)
されているだけである。
【0091】このように、ラフネス制御実行条件が不成
立となってラフネス制御が一時的に停止された後、ラフ
ネス制御条件が再び成立したときには、保持されている
ラフネス制御量を用いてラフネス制御が再開される。こ
のため、該ラフネス制御が早期に安定化され、したがっ
て該制御の応答性が高められ、トルク変動を許容範囲内
に収めつつ、エンジン1の暖機あるいは触媒コンバータ
27内の三元触媒の昇温を大幅に促進することができ、
エミッション性能及び燃費性能を高めることができる。
【0092】前記のステップS32で、エンジン暖機フ
ラグF4が1であると判定された場合は(YES)、エ
ンジン1がすでに暖機状態にあり、また触媒コンバータ
27内の三元触媒も十分に昇温されているものと考えら
れるので、ラフネス制御は終了される。しかしながら、
ラフネス制御を急激に(ステップ状に)終了させると、
ラフネス制御量が突然消滅するので、出力トルクが急変
してトルクショックが生じるおそれがある。そこで、こ
の場合、ステップS36〜ステップS38で、それぞ
れ、気筒別のIGラフネス制御量と、全気筒のIGラフ
ネス制御量と、気筒別のA/Fラフネス制御量とを徐々
に小さくして(漸減させる)リセットし、ラフネス制御
を比較的緩やかに終了させるようにしている。これによ
り、ラフネス制御終了時のトルクショックの発生が防止
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる制御装置を備えたエンジンシ
ステムの全体構成図である。
【図2】 図1に示すエンジンシステムに設けられてい
るECUの機能ブロック図である。
【図3】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図4】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図5】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図6】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図7】 ECUによるラフネス制御の制御方法を示す
フローチャートの一部である。
【図8】 ECUによるラフネス制御におけるエンジン
暖機フラグの設定方法を示すフローチャートである。
【図9】 直列4気筒型の4サイクルエンジンの各気筒
の行程と、クランク角の変化に対するトルク及び角速度
の変化とを示す図である。
【図10】 燃焼圧と角速度変動との相関関係を示す図
である。
【図11】 クランク角検出のための、被検出プレート
及びクランク角センサの概略構成を示す図である。
【図12】 ノイズ的要素による角速度変動を示す図で
ある。
【図13】 検出した角速度のデータからエンジン回転
の0.5次及びその整数倍の成分を除去すべくコムフィ
ルタを通した後の減衰特性を示す図である。
【図14】 図13に示すデータからエンジン回転の
0.5次より低い周波数成分を除去すべくハイパスフィ
ルタを通した後の減衰特性を示す図である。
【図15】 開閉弁の開弁領域及び閉弁領域を、エンジ
ン回転数と吸気充填効率とエンジン水温とをパラメータ
としてあらわした図である。
【図16】 冷間始動時における目標アイドル回転数の
エンジン水温に対する変化特性を示す図である。
【図17】 点火時期のフィードバック制御量のアイド
ル回転数偏差に対する変化特性を示す図である。
【図18】 エンジンの出力トルクの点火時期に対する
依存性を示す図である。
【図19】 点火時期の昇温促進制御量のエンジン水温
に対する変化特性を示す図である。
【図20】 触媒昇温促進領域及びアイドル領域を示す
図である。
【図21】 (a)は図示平均有効圧力変動率の空燃比
に対する変化特性を、燃料の性状をパラメータとして示
した図であり、(b)は図示平均有効圧力変動率の点火
時期に対する変化特性を、燃料の性状をパラメータとし
て示した図である。
【符号の説明】
A…エンジンシステム、1…エンジン、2…気筒、3…
シリンダブロック、4…シリンダヘッド、5…ピスト
ン、6…燃焼室、7…点火プラグ、8…点火回路、9…
共通吸気通路、10…独立吸気通路、10a…第2独立
吸気通路、11…エアクリーナ、12…吸気弁、13…
エアフローセンサ、14…スロットル弁、15…サージ
タンク、16…インジェクタ、17…吸気温センサ、1
8…開閉弁、18a…アクチュエータ、20…ISCバ
イパス通路、21…ISCバルブ、21a…アクチュエ
ータ、22…アイドルスイッチ、23…スロットル開度
センサ、24…排気弁、25…排気通路、26…O2
ンサ、27…触媒コンバータ、30…クランク角セン
サ、31…被検出プレート、31a…突起部、32…水
温センサ、35…ECU、36…開閉弁制御部、37…
ラフネス検出部、38…空燃比制御部、39…点火時期
制御部、40…ISC制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02P 5/15 F02P 5/15 E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に介設され、排気ガスを浄化す
    る排気ガス浄化触媒を備えた触媒コンバータと、 上記触媒コンバータが未暖機状態にあるときに、少なく
    とも低負荷低回転領域で、点火時期と空燃比のうちの少
    なくとも一方を、上記触媒コンバータの温度上昇が促進
    される方向に変化させる触媒コンバータ暖機促進手段と
    が設けられているエンジンの制御装置において、 上記触媒コンバータ暖機促進手段が、触媒コンバータの
    温度上昇を促進すべき運転領域内において、低負荷低回
    転側の部分領域では点火時期の変化と空燃比の変化とを
    許容する一方、上記部分領域外では空燃比の変化のみを
    許容するようになっていることを特徴とするエンジンの
    制御装置。
  2. 【請求項2】 上記触媒コンバータ暖機促進手段が上記
    触媒コンバータの温度上昇を促進すべき運転領域で、燃
    焼に起因するトルク変動状態が許容限度内に収まるよう
    に点火時期又は空燃比を補正してラフネス制御を行うラ
    フネス制御手段が設けられていることを特徴とする請求
    項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記触媒コンバータ暖機促進手段が、空
    燃比が理論空燃比に近似するように空燃比制御を行うこ
    とにより触媒コンバータの温度上昇を促進するようにな
    っていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエン
    ジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 点火時期の変化と空燃比の変化とが許容
    される上記部分領域では、空燃比のリーン化を優先させ
    るようになっていることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1つに記載のエンジンの制御装置。
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