JPH11283599A - リチウムイオン電池 - Google Patents

リチウムイオン電池

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JPH11283599A
JPH11283599A JP10085811A JP8581198A JPH11283599A JP H11283599 A JPH11283599 A JP H11283599A JP 10085811 A JP10085811 A JP 10085811A JP 8581198 A JP8581198 A JP 8581198A JP H11283599 A JPH11283599 A JP H11283599A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例え電解液が電池から漏出してフッ酸が発生
した場合であっても、アルミニウム材料から成る防爆弁
が腐食するのを十分に抑制することによって、電解液の
漏出を長期間にわたって防止しうるリチウムイオン電池
の提供を目的とする。 【解決手段】 電池内に注入された電解液の溶質として
一般式LiXFn で表されるリチウム塩(XはP、B、
As、Sbから選択され、nは1以上の整数である。)
が用いられると共に、金属アルミニウム又はアルミニウ
ム合金から成り且つ電池内圧力が所定値以上に上昇した
場合に電池内ガスを電池外に放出するための防爆弁4が
電池外壁に設けられたリチウムイオン電池において、上
記防爆弁は、融点が170℃未満の樹脂層5にて被覆さ
れていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池内に注入され
た電解液の溶質として一般式LiXFn で表されるリチ
ウム塩(XはP、B、As、Sbから選択され、nは1
以上の整数である。)が用いられると共に、金属アルミ
ニウム又はアルミニウム合金から成り且つ電池内圧力が
所定値以上に上昇した場合に電池内ガスを電池外に放出
するための防爆弁が電池外壁に設けられたリチウムイオ
ン電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化等に伴って、高
エネルギー密度を有する電池への要求が高まっており、
この点でリチウムイオン電池等の高電圧(電池電圧が4
V程度)の電池が注目されている。このような高電圧の
電池では、電池内圧力が異常に上昇して、電池が爆発す
るようなことがあるため、電池内圧力が所定値以上に上
昇した場合に電池内ガスを電池外に放出する防爆弁(厚
み:約20μm)が設けられている。ここで、この防爆
弁として鉄等の金属を用いた場合には、上記の如く高電
圧で作動するということに起因して、防爆弁が溶解する
という問題がある。したがって、防爆弁の材料としては
金属アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、アルミ
ニウム材料と総称する)が用いられている。その一方、
高電圧の電池の電解液の溶質としては一般式LiXFn
で表されるリチウム塩(特に、LiPF6 )が用いられ
ている。ここで、上記LiPF6 等のリチウム塩は電池
内では安定している。しかしながら、検査工程では発見
できないような微小なピンホール等から電池外にリチウ
ム塩が漏出することがある。このようにリチウム塩が漏
出すると、リチウム塩と空気中の水分とが反応してフッ
酸が生成される。この生成されたフッ酸が、上記アルミ
ニウム材料から成る防爆弁を腐食させることになる。更
に、電解液の電池内への注液過程においても電解液が飛
び散ってフッ酸が生成されて、防爆弁を腐食させること
がある。この結果、腐食された防爆弁から、多量の電解
液が漏出するという事態を招くという課題を有してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
に鑑みなされたものであって、例え電解液が電池から漏
出してフッ酸が発生した場合であっても、アルミニウム
材料から成る防爆弁が腐食するのを十分に抑制すること
によって、電解液の漏出を長期間にわたって防止しうる
リチウムイオン電池の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、電池内に注
入された電解液の溶質として一般式LiXFn で表され
るリチウム塩(XはP、B、As、Sbから選択され、
nは4以上の整数である。)が用いられると共に、金属
アルミニウム又はアルミニウム合金から成り且つ電池内
圧力が所定値以上に上昇した場合に電池内ガスを電池外
に放出するための防爆弁が電池外壁に設けられたリチウ
ムイオン電池において、上記防爆弁は、融点が170℃
未満の樹脂層にて被覆されていることを特徴とする。
【0005】上記の如く防爆弁が樹脂層にて被覆されて
いれば、例えフッ酸等の酸が発生した場合であっても、
アルミニウム材料から成る防爆弁が腐食するのを抑制す
ることができる。したがって、防爆弁の腐食によって、
多量の電解液が漏出するという事態を招くことがない。
加えて、通常防爆弁が作動するのは150〜170℃
(電池内圧が12kgf/cm2 程度になったとき)で
あるが、このような温度になれば、樹脂が溶融する。し
たがって、樹脂の存在によって防爆弁が作動しなくなる
といった問題を生じることもない。また、請求項2記載
の発明は、請求項1記載の発明において、上記融点が1
70℃未満の樹脂層として、ポリオレフィン系樹脂が用
いられることを特徴とする。ポリオレフィン系樹脂は耐
フッ酸性に優れると共に、170℃以下で確実に溶融す
るので、上記効果が一層発揮される。また、請求項3記
載の発明は、請求項2記載の発明において、上記ポリオ
レフィン系樹脂として、ポリエチレン又はポリプロピレ
ンが用いられることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図
4に基づいて、以下に説明する。図1は本発明に係るリ
チウムイオン電池の斜視図、図2は要部拡大断面図、図
3は本発明の変形例の要部拡大断面図、図4は本発明の
他の変形例の要部拡大断面図である。
【0007】図1に示すように、本発明のリチウムイオ
ン電池は、アルミニウムから成る有底筒状の外装缶1を
有しており、この外装缶1内には、アルミニウムから成
る芯体にLiCoO2 を主体とする活物質層が形成され
た正極と、銅から成る芯体に天然黒鉛を主体とする活物
質層が形成された負極と、これら両電極を離間するセパ
レータとから成る発電要素(図示せず)が収納されてい
る。また、上記外装缶1内には、エチレンカーボネート
(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とが体積比
で3:7の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6
1M(モル/リットル)の割合で溶解された電解液が注
入されている。更に、上記外装缶1の開口部には、アル
ミニウムから成る封口蓋2がレーザー溶接されて、電池
が封口される。上記封口蓋2には、正極端子3と防爆弁
4とが配置されている。ここで、上記防爆弁4は、電池
内圧力が所定値(12kgf/cm2 程度)以上に上昇
した場合に破れて、電池内ガスを電池外に放出するもの
であり、その具体的な構造は、図2に示すように、封口
蓋2の他の部分よりもアルミニウムの厚みが小さくなっ
ている(図中L1 =約20μm)構造である。また、防
爆弁4の表面は、ポリエチレン(融点:130℃〜15
0℃)から成る樹脂層(厚み:1〜10μm)5で被覆
されている。
【0008】ここで、上記構造のリチウムイオン電池
を、以下のようにして作製した。先ず、正負両極を作製
した後、上記正負両極とセパレータとから成る発電要素
を外装缶1内に収納する。次に、この外装缶1内にEC
とDECとが体積比で3:7の割合で混合された混合溶
媒に、LiPF6 が1M(モル/リットル)の割合で溶
解された電解液を注入する。これと並行して、封口蓋2
に、防爆弁4及び正極端子3を形成した後、防爆弁4の
表面にポリエチレンから成る樹脂を塗布して樹脂層5を
形成する。この後、上記外装缶1と上記封口蓋2とをレ
ーザー溶接することにより電池を作製した。
【0009】尚、融点が170℃以下の樹脂層として
は、上記ポリエチレンに限定するものではなく、ポリプ
ロピレン(融点:150℃〜170℃)等を用いても上
記と同様の効果を有する。また、防爆弁4の厚みL1
20μmに限定するものではなく、10〜50μmの範
囲であっても良い。更に、防爆弁の構造としては、上記
の構造に限定するものではなく、例えば図3に示すよう
に、2枚のアルミニウム板を用いて封口蓋2を形成する
と共に、その一部には1枚のアルミニウム板のみを存在
させることにより防爆弁4を構成する構造のもの(尚、
図3におけるL2 は10〜50μmである)、又は図4
に示すように、封口蓋2の一部に切り欠きを形成するこ
とにより防爆弁4を構成する構造のもの(尚、図4にお
けるL3 は10〜50μmである)であっても良い。
【0010】加えて、正極材料としては上記LiCoO
2 の他、例えば、LiNiO2 、LiMn2 4 或いは
これらの複合体等が好適に用いられ、また負極材料とし
ては天然黒鉛、グラファイト、カーボンブラック、コー
クス、ガラス状炭素、炭素繊維或いはこれらの焼成体等
が好適に用いられる。また、電解液の溶媒としては上記
に示すものの他、エチレンカーボネート、ビニレンカー
ボネート、プロピレンカーボネートなどの有機溶媒や、
これらとジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タン、エトキシメトキシエタンなどの低沸点溶媒との混
合溶媒が例示される、また、電解液の溶質としては上記
LiPF6 の他、LiBF4 、LiAsF6 、LiSb
6 等が例示される。
【0011】
【実施例】〔実施例1〕実施例1としては、上記発明の
実施の形態に示す電池を用いた。このようにして作製し
た電池を、以下、本発明電池A1と称する。
【0012】〔実施例2〕防爆弁を被覆する樹脂層にポ
リプロピレン(融点:150℃〜170℃)を用いる他
は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。このよ
うにして作製した電池を、以下、本発明電池A2と称す
る。
【0013】〔比較例1〕防爆弁を被覆する樹脂層にテ
フロン(融点:300℃〜320℃)を用いる他は、上
記実施例1と同様にして電池を作製した。このようにし
て作製した電池を、以下、比較電池X1と称する。
【0014】〔比較例2〕防爆弁を被覆する樹脂層にP
VdF(融点:300℃〜320℃)を用いる他は、上
記実施例1と同様にして電池を作製した。このようにし
て作製した電池を、以下、比較電池X2と称する。
【0015】〔比較例3〕防爆弁を被覆する樹脂層にエ
ポキシ(融点:200℃〜250℃)を用いる他は、上
記実施例1と同様にして電池を作製した。このようにし
て作製した電池を、以下、比較電池X3と称する。
【0016】〔比較例4〕防爆弁を被覆する樹脂層にポ
リウレタン(融点:200℃〜250℃)を用いる他
は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。このよ
うにして作製した電池を、以下、比較電池X4と称す
る。
【0017】〔比較例5〕防爆弁を被覆する樹脂層を設
けない他は、上記実施例1と同様にして電池を作製し
た。このようにして作製した電池を、以下、比較電池X
5と称する。
【0018】〔予備実験〕種々のアルミニウムに電解液
(前記発明の実施の形態に示す電解液と同様の電解液)
を滴下し、温度70℃、湿度90%の雰囲気下で10日
間保存した後のアルミニウムの腐食による孔開き(貫
通)割合を調べたので、その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、アルミニウムの
厚みが大きな試料a(アルミニウムの厚み:200μ
m)では、アルミニウムの腐食による孔開きは認められ
ないのに対して、アルミニウムの厚みが小さな試料b、
c(アルミニウムの厚み:100μm及び20μm)で
は、アルミニウムの腐食による孔開きが発生し、特に、
アルミニウムの厚みが極めて小さな試料cでは腐食によ
る孔開き割合が50%にも達していることが認められ
る。但し、アルミニウムの厚みが小さくてもアルミニウ
ムを樹脂層(ポリエチレン)にて被覆すれば、アルミニ
ウムの腐食による孔開きは認められない。以上の事を考
慮して、以下に示す実験を行った。 〔本実験1〕上記本発明電池A1、A2及び比較電池X
1〜X5に電解液(前記発明の実施の形態に示す電解液
と同様の電解液)を滴下した後、上記予備実験と同一の
条件で保存し、各電池の電解液に対する耐蝕性を調べた
ので、その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、比較電池X5で
は電解液に対する耐蝕性に劣り、比較電池X3、X4も
電解液に対する耐蝕性に余り優れない。これに対して、
本発明電池A1、A2及び比較電池X1、X2は電解液
に対する耐蝕性に優れていることが認められる。したが
って、電解液に対する耐蝕性の観点からは、樹脂層を設
けない、又は樹脂層としてエポキシ、ポリウレタンを用
いたのでは不十分であり、樹脂層としてポリエチレン、
ポリプロピレン、テフロン、或いはPVdFを用いる必
要があることが認められる。 〔本実験2〕上記本発明電池A1、A2及び比較電池X
1、X2、X5における防爆弁の作動圧(25℃での作
動圧、170℃での作動圧)を調べたので、その結果を
表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3から明らかなように、比較電池X1及
びX2では、170℃での防爆弁の作動圧が各々18k
gf/cm2 、16kgf/cm2 と極めて高くなって
いるのに対して、本発明電池A1及びA2では、170
℃での防爆弁の作動圧が12kgf/cm2 であって、
樹脂層を有しない比較電池X1と同じであることが認め
られる。これは、比較電池X1及びX2では樹脂層の樹
脂の融点が300〜320℃であるため、170℃では
溶融しないのに対して、本発明電池A1及びA2では樹
脂層の樹脂の融点が130〜170℃であるため、17
0℃では必ず溶融するという理由によるものである。し
たがって、防爆弁を正常に作動させるためには、樹脂層
としてポリエチレン又はポリプロピレンを用いることが
必要であることがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例え電解液が電池から漏出してフッ酸が発生した場合で
あっても、アルミニウム材料から成る防爆弁が腐食する
のを十分に抑制することによって、電解液の漏出を長期
間にわたって防止することができるといった優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るリチウムイオン電池の斜視
図である。
【図2】図2は図1の要部拡大断面図である。
【図3】図3は本発明の変形例の要部拡大断面図であ
る。
【図4】図4は本発明の他の変形例の要部拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1:外装缶 2:封口蓋 3:正極端子 4:防爆弁 5:樹脂層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池内に注入された電解液の溶質として
    一般式LiXFn で表されるリチウム塩(XはP、B、
    As、Sbから選択され、nは1以上の整数である。)
    が用いられると共に、金属アルミニウム又はアルミニウ
    ム合金から成り且つ電池内圧力が所定値以上に上昇した
    場合に電池内ガスを電池外に放出するための防爆弁が電
    池外壁に設けられたリチウムイオン電池において、 上記防爆弁は、融点が170℃未満の樹脂層にて被覆さ
    れていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 【請求項2】 上記融点が170℃未満の樹脂層とし
    て、ポリオレフィン系樹脂が用いられる、請求項1記載
    のリチウムイオン電池。
  3. 【請求項3】 上記ポリオレフィン系樹脂として、ポリ
    エチレン又はポリプロピレンが用いられる、請求項2記
    載のリチウムイオン電池。
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