JPH11285774A - 高さの異なる突出部を有する製品の鍛造用金型および鍛造方法 - Google Patents

高さの異なる突出部を有する製品の鍛造用金型および鍛造方法

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JPH11285774A
JPH11285774A JP9172198A JP9172198A JPH11285774A JP H11285774 A JPH11285774 A JP H11285774A JP 9172198 A JP9172198 A JP 9172198A JP 9172198 A JP9172198 A JP 9172198A JP H11285774 A JPH11285774 A JP H11285774A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の異なる高さを有する突出部を備えた製
品を鍛造するに際して、欠肉を防止すると共に、高さの
ばらつきを抑えること。 【解決手段】 突出部40の成形用孔54において、浅
い底面82を位置決めし、それより深い底面74を、鍛
造素材52に背圧を及ぼしながら、深さ方向に移動させ
ることにより、高さの異なる突出部76,78を鍛造す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、複数の異なる高さ部分を有する
突出部を備えた金属製品の製造に用いられる鍛造用金型
と、そのような金属製品の鍛造方法に関するものであ
り、特に、エアコン等に用いられる圧縮機用スクロール
等の製造に際して好適に採用される鍛造用金型および鍛
造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、安定した品質や強度等が要求さ
れる金属製品の製造方法の一種として鍛造加工が知られ
ているが、近年では、特開平5−171213号公報や
特開平6−114489号公報,特開平8−57572
号公報等に記載されているように、渦巻き状の羽根を有
する圧縮機用スクロールの如き、突出部を備えた複雑な
形状の製品を鍛造加工で製造する技術が開発されてい
る。即ち、このような突出部を備えた製品の鍛造に際し
ては、例えば、特開平6−114489号公報に記載さ
れているように、(ア)鍛造素材がセットされる素材セ
ット空間を有すると共に、目的とする突出部の形状に対
応した中空の成形用孔が素材セット空間に開口して形成
されたダイと、(イ)かかるダイの素材セット空間に進
入せしめられて鍛造素材に圧縮力を及ぼす成形パンチ
と、(ウ)ダイの成形用孔内に配されて該成形用孔の底
面を構成する下パンチ等からなる底面形成金型とを、備
えてなる鍛造装置が用いられ、素材セット空間に成形パ
ンチを所定ストロークで進入させて鍛造素材に圧縮力を
及ぼし、ダイの成形用孔内に塑性流動せしめて突出部を
形成するに際して、底面形成金型で背圧を及ぼす鍛造方
法が、採用される。このように突出部の形成に際して、
成形用孔の底面を構成する底面形成金型で、該成形用孔
に流入する鍛造素材に背圧を及ぼすことにより、突出部
の高さを均一化することが出来るのである。
【0003】ところが、突出部の高さが一定でなく、複
数の異なる高さ部分を有する突出部を備えた金属製品を
鍛造する場合について、本発明者が検討を加えたとこ
ろ、従来の背圧を利用した鍛造方法は、必ずしも有効で
ないことが、明らかとなった。なお、突出部の高さが一
定でない金属製品としては、家電・電子部品,産業・機
械部品,自動車部品などがあり、例えば、家電・電子部
品ではヒートシンク,産業・機械部品,自動車部品では
カークーラ部品等がある。具体的には、突出部の端部強
度の向上等の目的で、圧縮機用スクロールの羽根の周方
向端部の高さを低くして段差部を設けた場合等が挙げら
れる。
【0004】すなわち、かくの如き突出部の高さが一定
でない製品を従来方法に従って鍛造するには、例えば、
図14(a),(b)に示されているように、ダイプレ
ート10とダイ本体12からなるダイ14によって形成
された素材セット空間16に鍛造素材18を収容セット
する一方、素材セット空間16に開口して形成されたダ
イ本体12の成形用孔20に底面成形金型22を移動可
能に嵌め込んだ後、素材セット空間16に成形パンチ2
4を進入させて鍛造素材18に圧縮力:Ppを及ぼし
て、鍛造素材18を成形用孔20内に塑性流動させ、底
面形成金型22で背圧:Pbを及ぼしつつ突出部26を
形成することによって行われる。その際、突出部26の
高さは、成形用孔20の底面を形成する底面形成金型2
2の位置で決定されることから、突出部26において高
さの異なる段差部を形成するためには、例えば、底面形
成金型22の先端面に段差面28を設けて成形用孔20
の浅底面30と深底面32を形成することが、考えられ
る。
【0005】しかしながら、底面形成金型22の先端面
に段差面28を設けると、図14(b)に示されている
ように、圧縮力:Ppによって高くなった鍛造素材18
の面圧が、底面形成金型22の浅底面30だけに作用し
て、底面形成金型22が押し下げられるために、底面形
成金型22による背圧が、かかる浅底面30だけによっ
て集中的に作用せしめられ、深底面32では、鍛造素材
18に対する有効な背圧が得られず、その結果、得られ
た鍛造製品の突出部26には、突出高さの高い部分に欠
肉等の不良が発生し易いという不具合が発生し、現実に
は部品として製造することが極めて困難であることが、
明らかとなったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、複数の異なる高さ部分を有する突出部を備
えた金属製品を、欠肉等の欠陥を伴うことなく、安定し
て製造することの出来る鍛造用金型および鍛造方法を提
供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、鍛造用金型に関する本発明の特徴とするところは、
鍛造素材がセットされて、該鍛造素材に圧縮力を及ぼす
成形パンチが進入せしめられる素材セット空間を有する
と共に、該素材セット空間に開口する成形用孔が設けら
れたダイと、該ダイの成形用孔内に配されて該成形用孔
の底面を構成する底面形成金型とを備え、前記ダイの成
形用孔内に塑性流動せしめられた鍛造素材に対して、該
底面形成金型で背圧を及ぼしつつ鍛造を行うことによっ
て、突出部を有する製品を製造する鍛造用金型におい
て、前記底面形成金型を分割構造とし、それら複数の底
面形成金型によって少なくとも二つの異なる深さの底面
を形成すると共に、少なくとも最も浅い底面以外の一つ
の底面を形成する該底面形成金型を、他の底面形成金型
および前記ダイに対して前記成形用孔の深さ方向に相対
移動可能な移動金型とすると共に、該移動金型で形成さ
れた底面に背圧を及ぼし得るようにしたことにある。
【0008】このような本発明に従う構造とされた鍛造
用金型においては、少なくとも二種類以上の異なる深さ
を有する成形用孔の底面が複数の底面に分割されてお
り、鍛造時の塑性流動,鍛造欠陥などの鍛造挙動等に応
じて、そのうちの幾つかの任意の深さの底面を移動金型
で構成することによって、成形用孔内に塑性流動して突
出部を形成する鍛造素材のうちの所望する部分だけに適
宜の背圧を及ぼすことが出来る。それ故、成形用孔が深
さの異なる底面を有する場合にも、深い底面を移動金型
で構成することによって、深い底面でも鍛造素材に有効
な背圧を及ぼすことが出来るのであり、その結果、該深
い底面によって形成される高い突出部においても、欠肉
等の不良発生が防止されて、目的とする高さと形状の突
出部が有利に形成され得るのである。
【0009】なお、本発明に係る鍛造用金型は、鉄系等
の各種金属製品の鍛造に採用され得るが、特にアルミニ
ウムやその合金、或いはマグネシウムやその合金からな
る金属製品の鍛造に際して有利に採用される。また、鍛
造素材としては、鋳造等によって形成されたものや、必
要に応じて適当な一次加工が施されたものの他、粉末金
属材料やその圧縮成形品等も採用され得る。更にまた、
本発明に係る鍛造用金型において、互いに異なる底面形
成金型で構成された二つ以上の異なる深さの底面のう
ち、最も浅い底面も、移動金型によって構成されていて
良いが、少なくとも他の一つの底面、即ち最も浅い底面
以外の底面のうちの少なくとも一つが、移動金型によっ
て構成される。更に、成形用孔の互いに高さが異なる底
面は、三つ以上の異なる深さで形成されていても何等支
障がない。また、成形用孔が三つ以上の異なる深さの底
面を有する場合に、何れの底面を移動金型で構成するか
は、各深さの突出部の形状や鍛造挙動等を考慮して決定
されるべきであり、必ずしも最も深い底面を移動金型で
構成する必要はない。更にまた、移動金型によって構成
された底面によっては、他の底面形成金型で底面が形成
された成形用孔内に対しても素材が有効に充填され得る
ように、十分な大きさの背圧が及ぼされ、或いは該移動
金型によって構成された底面の深さ方向への移動が制限
乃至は規制されることが望ましい。
【0010】また、本発明に従う構造とされた鍛造用金
型においては、例えば、前記成形用孔の底面を構成する
複数の底面形成金型のうち、前記移動金型によって構成
されたものを除く少なくとも一つが、前記ダイに対して
一体または別体で形成されて固設されてなる構造が、好
適に採用され得る。このように、移動金型以外の底面形
成金型をダイに対して固定的に設けることによって、金
型構造の簡略化が可能となる。なお、ダイに対して固設
される底面形成金型は、ダイと一体形成することも可能
であるが、ダイと別体形成された別部材を固定的に位置
決めしたり、後固定するようにしても良い。また、ダイ
に対して固定的に設けられる底面形成金型としては、例
えば、成形用孔の最も浅い底面を形成する底面形成金型
が、好適に採用される。
【0011】さらに、本発明に従う構造とされた鍛造用
金型においては、例えば、前記底面形成金型が、前記成
形用孔の深さ方向に相対移動可能とされた複数の移動金
型を含んで構成されており、それら複数の移動金型によ
って、該成形用孔における互いに異なる深さの底面が構
成されてなる構造が、好適に採用される。このように、
複数の移動金型によって、互いに深さの異なる複数の底
面を構成することによって、深さの異なる各底面による
背圧をそれぞれ独立的に制御することが可能となるので
あり、それによって、三つ以上の深さの異なる底面や、
複雑な形状の突出部等も、欠肉等の欠陥を生ずることな
く、より安定して鍛造することが出来るのである。
【0012】また、本発明に従う構造とされた鍛造用金
型においては、深さの異なる底面を有する成形用孔が、
互いに独立的に形成されていても良いが、例えば、前記
成形用孔における深さの異なる底面が、段差面を挟んで
連続して位置せしめられており、且つ少なくとも深い方
の底面が、前記移動金型によって形成されてなる構造
が、好適に採用される。このような構造を採用すれば、
突出部に段差面を有する製品も、鍛造によって有利に形
成することが出来るのであり、段差面における欠肉等の
欠陥も有効に防止されるのである。
【0013】更にまた、本発明に従う構造とされた鍛造
用金型における移動金型は、突出部の成形用孔の底面を
移動可能に構成し得るものであれば良く、その具体的構
造は限定されない。例えば、本発明においては、移動金
型の少なくとも一つが、鍛造後に成形品を離型させるカ
ウンターパンチとされた構成も、好適に採用される。こ
のようにカウンターパンチを利用して移動金型を構成
し、カウンターパンチで背圧をかけることにより、金型
の構造の簡略化が可能となる。
【0014】さらに、前述の如き課題を解決するため
に、鍛造方法に関する本発明の特徴とするところは、成
形空間にセットされた鍛造素材に成形パンチで圧縮力を
及ぼして、該鍛造素材を、少なくとも二つの異なる深さ
の底面をもって該成形空間に開口する成形用孔に塑性流
動させて充填することにより、高さの異なる突出部を有
する製品を鍛造するに際して、前記成形用孔における浅
い底面の位置を予め設定された規定位置に位置決めしつ
つ、それよりも深い底面を、該成形用孔に充填される前
記鍛造素材に対して背圧を及ぼしながら深さ方向に移動
させるようにした、高さの異なる突出部を有する製品の
鍛造方法にある。
【0015】このような本発明に係る鍛造方法に従え
ば、同一面内で上下に高さ変化を有する突出部を有する
製品や、高さの異なる独立した複数の突出部を有する製
品等に対し、深い底面で突出部の突出先端面に及ぼす背
圧をコントロールしながら鍛造することで、高い突出部
にも背圧が有効且つ効果的に作用して、位置決めされる
浅い底面で形成される低い突出部に対して鍛造素材が有
利に充填され得ることは勿論、深い底面で形成される高
い突出部も、底面によって有効な背圧を及ぼしつつ鍛造
することが出来るのであり、その結果、異なる高さ部分
を有する突出部が、欠肉等の不良を伴うことなく、良好
なる寸法精度をもって安定して形成され得るのである。
【0016】なお、本発明方法において、より好適に
は、深い底面によって鍛造素材に及ぼされる背圧は、そ
れよりも浅い底面によって形成される突出部の成形キャ
ビティに鍛造素材が塑性流動して充填され得るだけの、
鍛造素材の変形応力に対応する面圧と略同等かそれ以上
に設定されることとなり、それによって、浅い底面によ
って形成される突出部における欠肉等の不良発生が、一
層有効に防止され得る。
【0017】また、本発明方法において、浅い底面の位
置決めは、例えば、浅い底面を、成形用孔を形成するダ
イに対して固定的に形成することによって実現すること
も可能であるが、その他、成形用孔内において深さ方向
に移動可能に配されて浅い底面を形成する移動金型の移
動を制限すること等によっても実現され得る。また、浅
い底面は、異なる深さで複数あっても良く、その場合に
は、そのうちの何れかの浅い底面よりも深い少なくとも
一つの底面が、鍛造素材に対して背圧を及ぼしながら深
さ方向に移動せしめられることとなり、その際、移動せ
しめられる深い底面も、互いに深さの異なる複数の底面
であって良く、それぞれ、鍛造素材に対して異なる背圧
を及ぼしながら深さ方向に移動せしめるようにしても良
い。
【0018】また、本発明方法においては、鍛造開始時
点における深い底面と浅い底面の相対位置は、特に限定
されるものでなく、例えば、鍛造開始時点で、深い底面
が浅い底面の規定位置と同じ深さに位置せしめられてい
ても良く、或いは、鍛造開始時点で、深い底面が浅い底
面の規定位置よりも深く位置せしめられていても良い
が、好ましくは、本発明方法に従う鍛造に際して、鍛造
開始時点において浅い底面よりも浅く位置せしめた深い
底面を、浅い底面の規定位置と同じ深さとなる位置を通
過して深さ方向に移動せしめると共に、該深い底面が該
浅い底面の規定位置よりも深くなる前に、該深い底面に
対して背圧荷重を作用せしめることが、有効である。こ
のような方法によれば、浅い底面で形成される低い突出
部も、欠肉等を伴うことなくより安定して高精度に形成
することが出来るのである。
【0019】更にまた、本発明方法においては、例え
ば、前記浅い底面と前記深い底面を、何れも、前記成形
用孔の深さ方向に移動させると共に、該浅い底面が規定
位置まで移動して位置決めされるまで、該深い底面に対
して、該浅い底面よりも大きな背圧荷重を作用せしめる
構成も、好適に採用される。このような構成を採用すれ
ば、鍛造素材が浅い底面側に優先的に塑性流動すること
から、浅い底面で形成される低い突出部も、欠肉等を伴
うことなくより安定して高精度に形成することが出来る
のであり、浅い底面を有する成形用孔内に鍛造素材が充
填されてから、深い底面を有する成形用孔内にも、鍛造
素材が有効な背圧作用のもとに充填されて、高い突出部
も、欠肉等を生ずることなく安定して形成され得るので
ある。
【0020】さらに、本発明方法においては、前記成形
用孔における複数の底面を、相互に時間差をもって、前
記成形用孔の深さ方向に移動させることも可能である。
なお、時間差をもって移動せしめる複数の底面は、成形
用孔において最も浅い底面と、深い底面である必要はな
く、それぞれ深さ方向に移動可能とされた複数の深い底
面であっても良く、或いは、それぞれ深さ方向に移動可
能とされた、規定位置に位置決めされる浅い底面と、そ
れより深い底面等であっても良い。即ち、例えば、各底
面の大きさや形状等を考慮して、始めに浅い方の底面を
移動させて、浅い方の底面で形成される低い突出部の全
部又は一部を形成せしめた後に、深い方の底面を移動さ
せて、深い方の底面で形成される高い突出部を形成した
り、或いは反対に、始めに深い方の底面を移動させて高
い突出部を完成させた後に、浅い方の底面を移動させて
低い突出部を形成することが可能である。このような時
間差をもった底面の移動方法を採用すれば、高さの異な
る突出部を、欠肉等を生ずることなく一層安定して形成
することが出来るのである。
【0021】また、本発明方法に従う鍛造は、鍛造素材
への加熱の有無や、加熱温度等に拘わらず、各種の条件
下で行うことが可能である。即ち、本発明方法は、熱間
鍛造や温間鍛造だけでなく、鍛造素材の成形用孔への塑
性流動を冷間で行う冷間鍛造に対しても、有利に適用さ
れ得るのであり、冷間鍛造によっても、高さの異なる突
出部を、欠肉等を生ずることなく安定して形成すること
が可能となるのである。そして、冷間鍛造を採用すれ
ば、温間や熱間での鍛造に比べて、目的とする製品形状
の寸法精度を一層有利に確保することが出来る。
【0022】さらに、本発明方法に従う鍛造に際して、
加圧速度等の成形条件は、素材の材質や鍛造温度等の各
種条件を考慮して適宜に設定されるものであって、何
等、限定されるものでないが、例えば、前記鍛造素材の
歪み速度(加圧速度):Ssを、10〜50mm/sとす
ると共に、該歪み速度:Ssに対する前記深い底面の移
動速度:Svの比:Sv/Ssを、2〜8とする鍛造条
件が、好適に採用され得る。このような鍛造条件を採用
することによって、例えば圧縮機用スクロールのように
薄肉の突出部を有する製品も、欠肉等の欠陥の発生を一
層効果的に防止しつつ安定して製造することが出来るの
である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0024】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としての鍛造用金型を備えた鍛造装置が示されている。
この鍛造装置は、図2に示されている如き、円板形状の
フランジ部38の一方の面に突出部としての渦巻板状の
羽根40が突設されてなる圧縮機用スクロール42の鍛
造に用いられるものであって、ダイ44と、移動金型と
しての押出金型46とを含んで構成された鍛造用金型を
備えており、ダイ44内に画成された素材セット空間4
8に対して成形パンチ50が進入せしめられるようにな
っている。そして、成形パンチ50で、素材セット空間
48に収容セットされた鍛造素材52に対して圧縮力を
加え、ダイ44に形成された成形用孔54に鍛造素材5
2を塑性流動させることによって、目的とする製品42
を鍛造するようになっている。
【0025】より詳細には、鍛造用金型を構成するダイ
44は、ダイプレート56とダイ本体58によって構成
されている。ダイプレート56は、厚肉平板形状を有し
ており、中央部分には円形の透孔60が設けられてい
る。そして、この透孔60によって素材セット空間48
の周壁面が構成されて、該透孔60に成形パンチ50が
嵌め込まれて進入せしめられるようになっている。ま
た、ダイ本体58は、図3にも示されているように、厚
肉平板形状を有しており、中央部分には、製品(圧縮機
用スクロール)42の突出部としての羽根40の形状に
対応した渦巻状の成形用孔54が、板厚方向に貫通して
形成されている。そして、ダイ本体58が、ダイプレー
ト56と板厚方向で重ね合わされて固定されており、ダ
イプレート56の透孔60の一方の開口部がダイ本体5
8で覆蓋されることによって素材セット空間48が形成
されていると共に、ダイ本体58の成形用孔54が、か
かる素材セット空間48に開口せしめられている。
【0026】一方、ダイ44と協働して鍛造用金型を構
成する移動金型としての押出金型46は、図4にも示さ
れているように、製品42の突出部としての羽根40に
対応した渦巻板形状を有している。換言すれば、この押
出金型46は、ダイ本体58に形成された成形用孔54
に対応した形状を有している。そして、押出金型46
は、ダイ本体58の成形用孔54に嵌め込まれており、
且つ成形用孔54に対して出入り可能とされている。そ
うして、ダイ本体58の成形用孔54から押出金型46
が下方(素材セット空間48と反対側)に所定量だけ抜
き出されることにより、押出金型46が抜かれて中空と
された成形用孔54によって、目的とする製品42の羽
根40の成形キャビティが形成されるようになってい
る。
【0027】さらに、ダイ本体58における押出金型4
6が抜き出される側には、シリンダブロック64が重ね
合わされて固定されており、このシリンダブロック64
とダイ本体58の重ね合わせ面間において、押出金型4
6が抜き出される抜出空間66が画成されている。ま
た、抜出空間66には、平板形状の支持プレート68が
収容されており、上下方向(ダイ本体58に対する離間
/接近方向)に移動可能に配設されている。そして、こ
の支持プレート68によって、ダイ本体58の成形用孔
54から抜き出された押出金型46の端面が支持される
ようになっている。
【0028】また、シリンダブロック64には、抜出空
間66の下方(ダイ44と反対側)に離間位置して、油
圧シリンダ機構70が形成されており、この油圧シリン
ダ機構70のピストン72が、シリンダブロック64内
を貫通して配設されたピストンロッド73によって、抜
出空間66内の支持プレート68に連結されている。こ
れにより、支持プレート68が油圧シリンダ機構70に
よって上下方向に駆動され、且つ位置決めされ得るよう
になっており、ひいては押出金型46の成形用孔54か
らの抜出し量が制御され得るようになっている。
【0029】このような構造とされた鍛造装置において
は、前述の如く、素材セット空間48に鍛造素材52を
セットした後、成形パンチ50を素材セット空間48に
進入させて鍛造素材52を圧縮し、成形用孔54内に塑
性流動せしめて目的とする圧縮機用スクロール42を鍛
造するに際し、油圧シリンダ機構70の油圧を制御し
て、支持プレート68を介し、押出金型46に対して適
当な抜出し抵抗力を及ぼしつつ、押出金型46を成形用
孔54から抜出方向に移動せしめることによって、成形
用孔54内に塑性流動せしめられて羽根40を形成する
鍛造素材52に対して、押出金型46の端面で形成され
た底面74によって有効な背圧を形成することが出来る
のである。
【0030】そこにおいて、本実施形態において目的と
する圧縮機用スクロール42の羽根40は、図2に示さ
れているように、外周側端部が所定長さに亘って切り欠
かれて突出高さが低くされている。即ち、かかる羽根4
0は、外周端部分が突出高さの低い低突部76とされて
いると共に、その他の部分が突出高さが高い高突部78
とされているのであり、それら低突部76と高突部78
の境界部には、高さ方向に延びる段差面80が形成され
ている。
【0031】そして、このように段差状の羽根40を、
切削等の後加工を必要とすることなく鍛造と同時に形成
するために、ダイ本体58と押出金型46で形成される
成形キャビティも、段差状の構造を有している。具体的
には、先ず、ダイ44においては、その成形用孔54の
外周端部分における抜出空間66側が、周方向の所定長
さに亘って、ダイ本体58に一体形成された第一の底面
形成金型としての固定底部84によって板厚方向の中間
部分で封止されており、この固定底部84によって、成
形用孔54の外周端部分の底面82が形成され、該成形
用孔54が板厚方向に貫通しない有底溝構造とされてい
る。一方、成形用孔54において、固定底部84が設け
られた外周端部分を除く他の部分は、ダイ本体58の板
厚方向に貫通して形成されていると共に、この貫通部分
に対応する周方向長さをもって押出金型46が形成され
ており、押出金型46が成形用孔54に嵌め込まれるこ
とにより、貫通部分の全部が押出金型46によって覆蓋
され、以て、押出金具46の軸方向端面により、成形用
孔54の貫通部分に全体に亘って底面74が形成される
ようになっている。要するに、本実施形態では、押出金
型46によって、成形用孔54の貫通部分における底面
74を全体に亘って形成する第二の底面形成金型が構成
されているのである。そして、鍛造終了時には、押出金
型46が成形用孔54から所定量だけ抜き出されること
により、該押出金型46で形成された底面74が、ダイ
本体58に固設された底面82よりも下方(素材セット
空間48から離間する方)に位置せしめられ、以て、ダ
イ本体58と押出金型46で形成される成形キャビティ
が、底面74を有する深底部86と底面82を有する浅
底部88からなる段差付形態をもって形成されるように
なっている。
【0032】すなわち、このような鍛造装置を用いて圧
縮機用スクロール42を製造するには、図5(a)〜
(d)にモデル図が示されているように、先ず、鍛造の
開始時には、(a)の如く、押出金型46を成形用孔5
4の上端部まで差し込み、押出金型46で形成された底
面74を、ダイ本体58の上面(素材セット空間48の
形成面)と略面一となるように位置決めする。それによ
って、成形用孔54内において、深底部86の底面74
を、浅底部88の底面82よりも浅い位置に位置せしめ
る。その後、成形パンチ50を素材セット空間48に進
入させて鍛造素材52に圧縮力:Pcを及ぼすことによ
り、鍛造素材52を成形用孔54内に塑性流動せしめ
る。その際、油圧シリンダ機構70の油圧力を押出金型
46に及ぼすことにより、深底部86の開口部に位置せ
しめた底面74によって、鍛造素材52に対して背圧:
Pbを作用せしめる。それ故、(b)の如く、内部応力
が高められた鍛造素材52は、自由表面となる浅底部8
8の開口部から、該浅底部88内に塑性流動して入り込
む。その後、成形パンチ50の進入が進んで鍛造素材5
2の内部応力が高められると、(c)の如く、深底部8
6の底面74に及ぼされる圧力が増大し、次第に、押出
金型46が、背圧:Pbに抗して、押し下げられること
により、深底部86の底面74が下降する。更に、鍛造
素材52の内部応力が高められると、先ず、鍛造素材5
2が背圧の作用しない浅底部88に優先的に流入充填せ
しめられることとなり、その後、更なる鍛造素材52の
内部応力の増大によって、(d)の如く、深底部86の
底面74に作用する内部応力が高まり、鍛造素材52が
深底部86の底面74を押し下げつつ、深さの増大する
深底部86に流入充填せしめられる。そして、成形パン
チ50の進入量が一定量に達した時点で、或いは深底部
86の底面74を形成する押出金型46の抜出量が一定
量に達した時点で、鍛造が終了し、成形パンチ50を素
材セット空間48から抜き出した後、油圧シリンダ機構
70等によって押出金型46を上昇させて成形品を離型
させることによって、目的とする低突部76と高突部7
8からなる段差状の羽根40を有する圧縮機用スクロー
ル42を得ることが出来るのである。
【0033】従って、上述の如くして圧縮機用スクロー
ル42を鍛造すれば、先ず、成形キャビティの浅底部8
8に鍛造素材52が充填された後に、押出金型46の抜
出しに伴って深底部86に鍛造素材52が充填されるこ
とから、浅底部88によって、目的とする低突部76
を、欠肉等の欠陥を防止しつつ、安定して形成すること
が出来るのであり、しかも、深底部86の底面74は、
鍛造素材52に対して有効な背圧:Pbを及ぼしつつ、
即ち鍛造素材52の深底部86への充填状態を確保しつ
つ、目的位置まで下降することによって高突部78が形
成されることから、目的とする高突部78も、欠肉等の
欠陥を防止しつつ、安定して形成することが出来るので
ある。
【0034】なお、鍛造の終了時には、油圧シリンダ機
構70によって、或いは他の位置決め機構によって、押
出金型46の形成用孔54からの抜出しを規制し、深底
部86を位置決めすることが望ましく、それによって、
形成される圧縮機用スクロール42における羽根40の
高突部78の寸法精度の更なる向上が図られ得る。
【0035】以上、本発明の第一の実施形態について詳
述してきたが、本発明は、その他にも各種の実施形態を
採り得るものであり、その具体例が、図6〜11に概略
的に示されている。なお、図6〜11においては、その
理解を容易とするために、第一の実施形態と同様な構造
とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中に、
第一の実施形態と同一の符号を付しておく。
【0036】即ち、図6に示された、本発明の第二の実
施形態としての鍛造装置においては、鍛造製品における
突出部90が、互いに高さの異なる三つ以上(図面で
は、四つ)の突部92,94,96,98を有してい
る。そして、それら第一〜四の突部92〜98の成形キ
ャビティの各底面100〜106のうち、最も突出高さ
の高い第四の突部98の成形キャビティの底面106だ
けが、押出金型46によって構成されており、他の突部
92〜96の成形キャビティの底面100〜104は、
何れも、ダイ本体58に一体形成された固定面にて構成
されている。このような構造とされた鍛造装置において
も、第四の突部98については、その成形時に、背圧を
かけながら底面106を下降させることが出来るのであ
り、それ故、かかる背圧を適当に調節することによっ
て、全ての突部92〜98を、欠肉等の欠陥を防止しつ
つ、高精度に且つ安定して形成することが出来るのであ
る。
【0037】また、図7に示された、本発明の第三の実
施形態としての鍛造装置においては、第二の実施形態と
同様、鍛造製品における突出部90が、互いに高さの異
なる複数(図面では四つ)の突部92,94,96,9
8を有している。そして、それら第一〜四の突部92〜
98の成形キャビティの各底面100〜106のうち、
最も突出高さの高い第四の突部98と二番目に高い第三
の突部96の各成形キャビティの底面106,104
が、第一及び第二の押出金型46a、46bによって構
成されており、他の突部92,94の成形キャビティの
底面100,102は、何れも、ダイ本体58に一体形
成された固定面にて構成されている。ここにおいて、第
一の押出金型46aと第二の押出金型46bは、一体形
成されていても良いが、特に本実施形態では、別体構造
とされており、各別の油圧シリンダ機構を備えること等
によって、互いに独立して上下移動可能で、且つ独立し
て背圧荷重の制御が可能とされている。このような構造
とされた鍛造装置においては、第三及び第四の突部9
6,98の成形時に、各底面104,106に適当な背
圧荷重をかけることが出来るのであり、それ故、各底面
104,106の背圧荷重を適当に調節することによっ
て、各突部92〜98への鍛造素材52の流入充填を一
層高度に制御することが出来、それらの突部92〜98
を、第二の実施形態の鍛造装置よりも一層優れた精度と
安定性をもって形成することが可能となるのである。
【0038】更にまた、図8に示された本発明の第四の
実施形態としての鍛造装置においては、鍛造製品におけ
る突出部90が、互いに高さの異なる複数(図面では、
二つ)の突部92,94を有しており、その低突部とし
ての第一の突部92の成形キャビティの底面100がダ
イ本体58に一体形成されている一方、高突部としての
第二の突部94の成形キャビティの底面102が、押出
金型46によって構成されているが、そこにおいて、第
一の底面100が、突部90の突出方向に傾斜した傾斜
面とされている。即ち、このように先端面が傾斜面等と
された突部の形成に際しても、本発明に係る鍛造装置
は、有利に適用され得るのである。
【0039】また、図9に示された本発明の第五の実施
形態としての鍛造装置においては、鍛造製品における突
出部90が、互いに高さの異なる複数(図面では、三
つ)の突部92,94,96を有しており、そのうちの
第一の突部92の成形キャビティの底面100がダイ本
体58に一体形成されている一方、互いに離間して位置
せしめられた第二の突部94と第三の突部96の各成形
キャビティの底面102,104が、第一及び第二の押
出金型46a、46bによって構成されている。なお、
第一の押出金型46aと第二の押出金型46bは、前記
第三の実施形態に係る鍛造装置と同様、一体構造とされ
ていても良いが、特に本実施形態では、別体構造とされ
ており、各別の油圧シリンダ機構を備えること等によっ
て、互いに独立して上下移動可能で、且つ独立して背圧
荷重の制御が可能とされている。即ち、このように互い
に隣接することなく離間して突設された突部94,96
においても、それらの成形キャビティの底面をそれぞれ
押出金型46で構成し、各突部94,96の成形時に適
当な背圧荷重をかけることも出来るのである。
【0040】さらに、図10及び図11に示された本発
明の第六及び第七の実施形態としての鍛造装置は、異な
る高さの突出部の成形キャビティの各底面に対して、互
いに異なる背圧を及ぼし得る油圧シリンダ機構を備えた
ものの具体例を示すものである。先ず、図10に示され
た第六の実施形態としての鍛造装置は、互いに独立した
若しくは連続した第一及び第二の押出金型46a,46
bと、それら第一及び第二の押出金型46a,46bか
ら独立形成されて、成形用孔54に独立して出入可能と
された第三の押出金型46cを備えている。そして、第
一及び第二の押出金型46a,46bにより、互いに独
立した若しくは連続した第一及び第二の低突部76a,
76bの成形キャビティの底面82a,82bが形成さ
れると共に、第三の押出金型46cにより、高突部78
の成形キャビティの底面74が形成されるようになって
いる。更に、シリンダブロック64には、第一の支持プ
レート68aが移動可能に収容配置された第一の抜出空
間66aと、第二の支持プレート68bが移動可能に収
容配置された第二の抜出空間66bが、上下方向に離間
して独立形成されており、第一及び第二の押出金型46
a,46bが第一の支持プレート68aで支持されてい
ると共に、第三の押出金型46cが第二の支持プレート
68bで支持されている。また、第一及び第二の抜出空
間66a,66bの下方には、二つの第一の油圧シリン
ダ機構70a,70aと、一つの第二の油圧シリンダ機
構70bが並列的に形成されており、第一の支持プレー
ト68aひいては第一及び第二の押出金型46a,46
aが、第一の油圧シリンダ機構70a,70aによって
駆動,位置決めされると共に、第二の支持プレート68
bひいては第三の押出金型46cが、第二の油圧シリン
ダ機構70bによって駆動,位置決めされるようになっ
ている。
【0041】更に、図11に示された本発明の第七の実
施形態に係る鍛造装置においては、上記第六の実施形態
に係る鍛造装置に比べて、第一の押出金型46aと第二
の押出金型46bが、互いに独立形成され、成形用孔5
4に独立して出入可能とされている一方、シリンダブロ
ック64には、第一の抜出空間66aと第二の抜出空間
66bの間に位置して、第三の支持プレート68cが移
動可能に収容配置された第三の抜出空間66cが形成さ
れており、この第三の支持プレート68cで第二の押出
金型46bが支持されている。更に、第三の抜出空間6
6cの下方には、該第三の支持プレート68ひいては第
二の押出金型46bを駆動,位置決めする第三の油圧シ
リンダ機構70cが形成されている。
【0042】このような構造とされた第六および第七の
実施形態に係る鍛造装置によれば、少なくとも二つの高
さの異なる突部の成形キャビティの底面を形成する、互
いに独立形成された二つ或いは三つの押出金型46に対
して、それぞれ、異なる背圧荷重を及ぼすことが出来る
のであり、それによって、互いに異なる高さの各突部の
成形キャビティへの鍛造素材52の塑性流動を、より高
度に制御することが可能となり、以て、欠肉等の不良の
防止がより有効に実現され得ると共に、一層複雑な形状
の製品の鍛造にも有利に対処可能となるのである。
【0043】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
上述の実施形態に関する具体的に記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0044】例えば、本発明は、高さが一定でない突出
部を有する各種製品の鍛造用金型や鍛造方法について、
何れも適用可能であり、前記実施形態で示した圧縮機用
スクロールによって、その適用範囲が限定的に解釈され
ることはない。具体的には、例えば、図12に示されて
いるように、一つの平板形状のベースプレート118に
対して、その一方の面上に、突出部としての互いに独立
した複数本の突起120が突設されてなるヒートシンク
122であって、複数本の突起120の突出高さが複数
種類あるような製品の鍛造用金型や鍛造方法にも、有利
に適用され得る。
【0045】また、移動金型(押出金型)に背圧荷重を
及ぼす機構としても、例示の如き油圧シリンダ機構の
他、空気圧機構や電動機構等の各種の荷重作用機構が採
用され得る。
【0046】更にまた、移動金型に及ぼす背圧荷重も、
一定に保つ必要はなく、鍛造の進行に伴って増減させて
制御することも可能であり、それによって、鍛造素材の
塑性流動の調整等を行うことが出来る。
【0047】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0048】
【実施例】図1に示された、前記第一の実施形態に従う
構造とされた鍛造装置を用い、図2に示されている如き
圧縮機用スクロール42を、各種寸法において実際に鍛
造し、それぞれについて、欠肉の発生の程度と羽根40
の形成高さのばらつきの程度を測定することによって、
本発明の効果の確認試験を行った。なお、圧縮機用スク
ロール42の設定寸法は、羽根40における低突部76
の周方向長さ:Lと、段差面80の高さ(低突部76と
高突部78の高さ寸法の差):Hを異ならせて行い、下
記〔表1〕に示される如く、形状番号1〜9の寸法設定
を行った場合について、それぞれ、試験を実施した。ま
た、比較例として、ダイ本体58に対して固定底部84
を設けることなく、成形用孔54を全長に亘って貫通形
成し、代わりに、図13に示されているように、外周側
端部において、低突部76を形成するための突起部12
4を形成してなる押出金型126を採用して、同様な寸
法設定の下に各種の圧縮機用スクロールを鍛造した場合
について、寸法ばらつきの測定を行った。得られた結果
を、下記〔表2〕に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】上記〔表2〕に示された試験結果からも明
らかなように、本発明に従う構造とされた鍛造装置を用
いることによって、欠肉の大きさも高さ寸法のばらつき
も、何れも、1.0mmより小さく抑えることが可能であ
り、実用上、問題のない寸法精度を有する圧縮機用スク
ロールを、鍛造によって直接に且つ安定して製造するこ
とが可能であることが確認され得た。
【0052】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた鍛造装置においては、突出部の成形
用孔を構成する深さの異なる底面のうち、深い底面を移
動金型で構成することによって、深い底面でも鍛造素材
に有効な背圧を及ぼすことが出来ることから、該深い底
面によって形成される高い突出部においても、欠肉等の
不良発生が防止されると共に、高さ寸法精度が有利に確
保されるのである。
【0053】また、本発明方法に従えば、浅い底面を位
置決めすることによって、低い突出部に鍛造素材が有利
に充填されると共に、深い底面で鍛造素材に有効な背圧
を及ぼすことによって、高い突出部にも鍛造素材が有利
に充填されるのであり、その結果、異なる高さ部分を有
する突出部を、欠肉等の不良を伴うことなく、良好なる
寸法精度をもって安定して鍛造形成することが出来るの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての鍛造用金型を
備えた鍛造装置を概略的に示す縦断面図である。
【図2】図1に示された鍛造装置によって製造される製
品としての圧縮機用スクロールを示す斜視図である。
【図3】図1に示された鍛造装置を構成するダイ本体を
示す斜視図である。
【図4】図1に示された鍛造装置を構成する押出金型を
示す斜視図である。
【図5】図1に示された鍛造装置による鍛造工程を説明
するためのモデル図である。
【図6】本発明の第二の実施形態としての鍛造用金型を
備えた鍛造装置を示すモデル図である。
【図7】本発明の第三の実施形態としての鍛造用金型を
備えた鍛造装置を示すモデル図である。
【図8】本発明の第四の実施形態としての鍛造用金型を
備えた鍛造装置を示すモデル図である。
【図9】本発明の第五の実施形態としての鍛造用金型を
備えた鍛造装置を示すモデル図である。
【図10】本発明の第六の実施形態としての鍛造用金型
を備えた鍛造装置を示すモデル図である。
【図11】本発明の第七の実施形態としての鍛造用金型
を備えた鍛造装置を示すモデル図である。
【図12】本発明が好適に適用され得る高さの異なる突
出部を有する製品の別の具体例としてのヒートシンクを
示す斜視図である。
【図13】比較実験に際して採用した押出金型を示す斜
視図である。
【図14】本発明の前提技術としての鍛造方法を説明す
るためのモデル図である。
【符号の説明】
10 ダイプレート 12 ダイ本体 42 圧縮機用スクロール 44 ダイ 46 押出金型 48 素材セット空間 50 成形パンチ 52 鍛造素材 54 成形用孔 56 ダイプレート 58 ダイ本体 74 深底面 76 低突部 78 高突部 82 浅底面 86 深底部 88 浅底部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍛造素材がセットされて、該鍛造素材に
    圧縮力を及ぼす成形パンチが進入せしめられる素材セッ
    ト空間を有すると共に、該素材セット空間に開口する成
    形用孔が設けられたダイと、該ダイの成形用孔内に配さ
    れて該成形用孔の底面を構成する底面形成金型とを備
    え、前記ダイの成形用孔内に塑性流動せしめられた鍛造
    素材に対して、該底面形成金型で背圧を及ぼしつつ鍛造
    を行うことによって、突出部を有する製品を製造する鍛
    造用金型において、 前記底面形成金型を分割構造とし、それら複数の底面形
    成金型によって少なくとも二つの異なる深さの底面を形
    成すると共に、少なくとも最も浅い底面以外の一つの底
    面を形成する該底面形成金型を、他の底面形成金型およ
    び前記ダイに対して前記成形用孔の深さ方向に相対移動
    可能な移動金型とすると共に、該移動金型で形成された
    底面に背圧を及ぼし得るようにしたことを特徴とする高
    さの異なる突出部を有する部品の鍛造用金型。
  2. 【請求項2】 前記底面形成金型のうち、前記移動金型
    を除く少なくとも一つが、前記ダイに対して一体または
    別体で形成されて固設されている請求項1に記載の鍛造
    用金型。
  3. 【請求項3】 前記底面形成金型が、前記成形用孔の深
    さ方向に相対移動可能とされた複数の移動金型を含んで
    構成されており、それら複数の移動金型によって、該成
    形用孔における互いに異なる深さの底面が構成されてい
    る請求項1又は2に記載の鍛造用金型。
  4. 【請求項4】 前記成形用孔における深さの異なる底面
    が、段差面を挟んで連続して位置せしめられており、且
    つ少なくとも深い方の底面が、前記移動金型によって形
    成されている請求項1乃至3の何れかに記載の鍛造用金
    型。
  5. 【請求項5】 前記移動金型の少なくとも一つが、鍛造
    後に成形品を離型させるカウンターパンチとされている
    請求項1乃至4の何れかに記載の鍛造用金型。
  6. 【請求項6】 成形空間にセットされた鍛造素材に成形
    パンチで圧縮力を及ぼして、該鍛造素材を、少なくとも
    二つの異なる深さの底面をもって該成形空間に開口する
    成形用孔に塑性流動させて充填することにより、高さの
    異なる突出部を有する製品を鍛造するに際して、 前記成形用孔における浅い底面の位置を予め設定された
    規定位置に位置決めしつつ、それよりも深い底面を、該
    成形用孔に充填される前記鍛造素材に対して背圧を及ぼ
    しながら深さ方向に移動させることを特徴とする高さの
    異なる突出部を有する製品の鍛造方法。
  7. 【請求項7】 前記深い底面を、前記浅い底面の規定位
    置と同じ深さとなる位置を通過して深さ方向に移動せし
    めると共に、該深い底面が該浅い底面の規定位置よりも
    深くなる前に、該深い底面に対して背圧荷重を作用せし
    める請求項6に記載の鍛造方法。
  8. 【請求項8】 前記浅い底面と前記深い底面を、何れ
    も、前記成形用孔の深さ方向に移動させると共に、該浅
    い底面が規定位置まで移動して位置決めされるまで、該
    深い底面に対して、該浅い底面よりも大きな背圧荷重を
    作用せしめる請求項6又は7に記載の鍛造方法。
  9. 【請求項9】 前記成形用孔における複数の底面を、相
    互に時間差をもって、前記成形用孔の深さ方向に移動さ
    せる請求項6乃至8の何れかに記載の鍛造方法。
  10. 【請求項10】 前記鍛造素材の前記成形用孔への塑性
    流動を冷間で行う請求項6乃至9の何れかに記載の鍛造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記鍛造素材の歪み速度:Ssを、1
    0〜50mm/sとすると共に、該歪み速度:Ssに対す
    る前記深い底面の移動速度:Svの比:Sv/Ssを、
    2〜8とする請求項6乃至10の何れかに記載の鍛造方
    法。
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