JPH11286655A - 水性被覆用組成物 - Google Patents

水性被覆用組成物

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JPH11286655A
JPH11286655A JP9012498A JP9012498A JPH11286655A JP H11286655 A JPH11286655 A JP H11286655A JP 9012498 A JP9012498 A JP 9012498A JP 9012498 A JP9012498 A JP 9012498A JP H11286655 A JPH11286655 A JP H11286655A
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aqueous
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Makoto Moriya
誠 守屋
Hidetaka Nakakawara
秀孝 中河原
Yasutaka Doi
康敬 土井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期硬度、柔軟性、耐アルカリ性のいずれも
優れる水性被覆用組成物を提供する。 【解決手段】 特定の組成、分子量および酸価を有する
ビニル系重合体[I]の水性溶解物と、特定分子量の重
合体[II]の水性分散物と、2個以上のヒドラジン残基
を有する有機ヒドラジン誘導体を特定の配合比で混合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性被覆用組成物で
あって、初期硬度、柔軟性および耐アルカリ性の3点を
並立し得る水性被覆用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】環境上の点から、近年、完全水系の水系
塗料およびインクのニーズは非常に高まっており、数多
くの品種が開発されている。しかし、その多くは、従来
の溶剤系に比べて初期硬度と柔軟性を両立させられるも
のが少ないのが現状であった。
【0003】水性分散体の場合は、柔軟性に優れるもの
が多いものの、初期硬度が不足するものがほとんどであ
った。初期硬度不足の状況としては、下記の2点が挙げ
られる。(1)重合体のTgが低い場合、造膜助剤等は
必要でないが、塗膜そのものの硬度が不足する。 (2)重合体のTgが高い場合、良好な塗膜を得るため
に、可塑剤や造膜助剤等の添加が必要となり、完全乾燥
後は高い硬度が発現するが、初期硬度は不足する。 水
性溶解体の場合は、高いTgでも可塑剤や造膜助剤等を
使用せずとも、良好な造膜性が得られるが、水への溶解
性を確保するため、低分子量化が必須となり、柔軟性が
不足する。
【0004】上記のように、水性分散体と水性溶解体に
は相補的な関係にあるため、両者をブレンドする検討は
これまでも多くなされてきた。
【0005】例えば、特公平7−1770号公報には、
物性と造膜性の両立を図るため、乳化重合法にて製造し
た酸価の高いビニル系分散体を酸価の低いビニル系分散
体とブレンドすることが記載されている。また、特開平
7−48537号公報では、有機溶剤を含まないビニル
系重合体水溶液を特定の重合体の水性分散液にブレンド
することにより、耐水性、耐汚染性、耐ブロッキング性
に優れ、強靱な塗膜を形成することができる水性被覆剤
組成物が提案されている。
【0006】しかしながら、水性溶解体の他の大きな欠
点として、耐アルカリ性の不足が挙げられる。これは、
ビニル系水性溶解体の水への溶解性を発現させるため、
カルボン酸がポリマー鎖に導入されていることに起因す
る。このカルボン酸を塩基により中和して塩とすること
により、水性溶解体の水への溶解性が発現するが、揮発
性塩基を用いた場合、乾燥時に塩基が揮発することによ
り、水性溶解体の水への不溶解性が発現することにな
る。したがって、再度アルカリ水に接触すると、再び水
への溶解性が発現してしまい、耐アルカリ性が大きく不
足することになる。
【0007】以上のように、柔軟性、初期硬度、耐アル
カリ性を並立できる技術は、現在まで確立されていなか
ったのが現状である。
【0008】そこで本発明の目的は、初期硬度、柔軟性
および耐アルカリ性の3点を並立し得る水性被覆用組成
物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく鋭
意検討を行った結果、水性媒体と、高分子量重合体水性
分散物と、ヒドラジン残基と反応し得るカルボニル基お
よび/またはアルデヒド基を導入した水性溶解物と、1
分子中にヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン誘導体
とを存在させることにより、上記目的が達成可能である
ことを見い出した。
【0010】すなわち本発明は、(a)メチルメタクリ
レート単位20〜90重量%、(b)スチレン単位0〜
40重量%、(c)分子中に少なくとも1個のカルボニ
ル基および/またはアルデヒド基を有するビニル系単量
体単位0.5〜10重量%、(d)酸基を有するビニル
系単量体単位3〜40重量%、(e)その他のビニル系
単量体単位10〜70重量%から成り、二次転移温度が
0〜120℃、重量平均分子量が6,000〜60,0
00、酸価が30〜200mgKOH/gであるビニル
系重合体[I]を塩基により中和して水中に溶解して成
るビニル系重合体の水性溶解物[A]、重量平均分子量
が100,000以上である重合体[II]の水性分散物
[B]、及び2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒ
ドラジン誘導体[C]を含んで成り、前記重合体の混合
比[I]/[II]が1/99〜70/30、前記重合体
[I]が含有するカルボニル基および/またはアルデヒ
ド基1モルに対して前記有機ヒドラジン誘導体のヒドラ
ジン残基が0.1〜2モル、となるように配合されたこ
とを特徴とする水性被覆用組成物に関する。
【0011】また、上記組成物において、ビニル系重合
体[I]が懸濁重合法で製造されたものである場合は、
耐アルカリがより良好である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるビニル系重合体
[I]は、(a)メチルメタクリレート単位20〜90
重量%、(b)スチレン単位0〜40重量%、(c)分
子中に少なくとも1個のカルボニル基および/またはア
ルデヒド基を有するビニル系単量体単位0.5〜10重
量%、(d)酸基を有するビニル系単量体単位3〜40
重量%、(e)その他の共重合可能なビニル系単量体単
位10〜70重量%から成ることが必要である。
【0013】(a)成分のメチルメタクリレート単位が
20重量%未満の場合、水性分散物[B]をいかに選択
しても、初期硬度が不足する。一方、90重量%を超え
ると、水性分散物[B]をいかに選択しても、柔軟牲が
不足する。このメチルメタクリレート単位の含有量は、
好ましくは30〜80重量%、より好ましくは40〜7
0重量%の範囲である。
【0014】(b)成分のスチレン単位は、ビニル系重
合体[I]の水への溶解性を向上させることを目的とし
て必要に応じて導入できるものであり、ビニル系重合体
[I]の構成成分として40重量%までの範囲で含有さ
せることができるものである。(b)成分のスチレン単
位が40重量%を超えると、水性分散体[B]との相溶
性が不足する傾向にある。このスチレン単位の含有量
は、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは3〜2
5重量%の範囲である。
【0015】(c)成分の、分子中に少なくとも1個の
カルボニル基および/またはアルデヒド基を有するビニ
ル系単量体単位は、ヒドラジン残基を有する有機ヒドラ
ジン誘導体[C]との架橋反応を進行させる部位として
必須であり、0.5〜10重量%含まれていることが必
要である。0.5%未満であると、耐アルカリ性が不足
し、10重量%を超えると水性分散体[B]との相溶性
が不足してしまう。このビニル系単量体単位の含有量
は、好ましくは1〜5重量%の範囲である。
【0016】(c)成分である、分子中に少なくとも1
個のカルボニル基および/またはアルデヒド基を有する
ビニル系単量体単位とは、分子中に少なくとも1個のケ
ト基および/またはアルデヒド基、及び共重合可能な二
重結合を有する単量体から形成されるものであって、上
記「カルボニル基」には、カルボキシル基やエステル
基、アミド基に含まれるカルボニル基は含まない。例え
ば、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ビニル
メチルケトン、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデ
ヒド、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセ
チルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アク
リレート、ブタンジオール−1,4−アクリレート−ア
セチルアセテート、アクリルアミドメチルアニスアルデ
ヒド等が挙げられるが、中でもアクロレイン、ジアセト
ンアクリルアミド、ビニルメチルケトンが特に好まし
い。これらの単量体は用途に応じて単独で用いるか又は
併用できる。
【0017】ビニル系重合体[I]に酸価を付与するに
は、カルボン酸基やスルフォン酸基等の酸基を有するビ
ニル系単量体を共重合することにより行うが、カルボン
酸基を有するビニル系単量体を共重合した場合に水溶性
が良好であり、特にメタクリル酸またはアクリル酸を共
重合した場合に良好である。
【0018】(d)成分である、酸基を有するビニル系
単量体単位を形成する単量体の具体例としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの一塩基酸、又は
フマール酸、マレイン酸、イタコン酸などの二塩基酸若
しくはその部分エステル等が挙げられる。これらは単体
で又は混合して用いられる。酸基を有するビニル系単量
体単位の含有量は、3〜40重量%である必要があり、
好ましくは6〜25重量%の範囲である。
【0019】本発明における酸価は、フェノールフタレ
インの変色点を基準としてビニル系重合体水溶液へ、エ
タノールに溶解したKOHを滴下して滴定して決定した
ものである。ビニル系重合体[I]1gを中和するに必
要なKOH量をmg数で示した場合、酸価は30〜20
0mgKOH/gである必要があり、好ましくは40〜
130mgKOH/gである。30mgKOH/g未満
であるとビニル系重合体[I]は水への溶解性が不足
し、200mgKOH/gを超えると水性分散物[B]
との相溶性が不足する。
【0020】また、(e)成分のその他のビニル系単量
体単位を形成する単量体は、特に限定されるものではな
く、少なくとも一ケの重合可能なビニル基を有するもの
の中から目的に応じて任意に選ぶことができる。例え
ば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−
ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又はメタク
リル酸アルキルエステル、α−メチルスチレン、ベンジ
ル(メタ)アクリレート等の芳香族ビニル化合物、その
他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコール(メタ)
アクリレート等のグリコールジ(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレート、及びジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレートメチルクロライド塩、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、パラ
メチルスチレン等の公知の重合性ビニル単量体が挙げら
れる。
【0021】ビニル系重合体[I]の二次転移温度は、
DSC法による測定で0〜120℃である必要があり、
好ましくは35〜105℃である。0℃未満であると初
期硬度が不足する。また、120℃を超えると、水性分
散物[B]をどのように選択しても、柔軟性が不足して
しまう。
【0022】ビニル系重合体[I]の分子量は、GPC
法により測定される重量平均分子量が6,000〜6
0,000である必要があり、好ましくは8,000〜
30,000である。6,000未満では、水性分散体
[B]をどのように選択しても、柔軟性が不足してしま
う。また、60,000を超えると、水性分散体[B]
との相溶性が低下する。
【0023】(a)〜(e)成分を含有する単量体混合
物を重合する方法としては、特に限定されるものではな
いが、懸濁重合法が好ましい。懸濁重合法により得られ
た重合体は、水性分散物[B]との相溶性がより良好で
ある。
【0024】また、重合触媒としては、アゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサ
イド等の過酸化物系開始剤などの従来公知の開始剤を、
目的に応じて任意に使用することができる。
【0025】さらに、ビニル系重合体[I]の分子量調
節用として、必要に応じて、上記ビニル系単量体混合物
中に、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレン
ダイマー等の連鎖移動剤を添加していもよい。
【0026】懸濁重合における分散剤としては、70〜
100%の範囲のケン化度のポリビニルアルコール、ポ
リ(メタ)アクリル酸ソーダ塩等の公知の水溶性高分子
を用いることができる。
【0027】また、溶液重合を行う場合においては、用
いる溶剤は、本発明で用いる単量体および重合体を溶解
するものであれば特に制限を受けないが、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール
等のアルコール類、エチルセルソルブ、セルソルブアセ
テート、ブチルカルビトール、プロピレングリコールメ
チルエーテル等のグリコール類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
【0028】以上のようにして得られたビニル系重合体
[I]の水への溶解方法は、塩基によりビニル系重合体
の酸の30〜100%を中和して塩を形成し、水溶性を
付与することにより行われる。
【0029】塩基の例としては、アンモニア、トリエチ
ルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミ
ノオクタン、エタノールアミン、ジメチルアミノエタノ
ール、エチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノ
ール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1
−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−
ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミ
ノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、
2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミ
ン、アミノベンジルアルコール、アミノフェノール、ア
ミノチオフェノール、3−ジエチルアミノ−1,2−プ
ロパンジオール、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、アミノアセトフェノン、モルホリン等の揮発性
塩基が挙げられる。
【0030】水性分散物[B]を構成する重合体[II]
は、重量平均分子量が100,000以上であれば特に
制限されるものではないが、アクリル系、アルキッド
系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、塩化ビ
ニル、酢酸ビニル等のビニル系、ニトロセルロース、セ
ルロースアセテートブチレート等のセルロース系などの
樹脂材料が挙げられる。重量平均分子量が100,00
0未満であると柔軟性が不足する。 重合体[II]の水
性分散物[B]の製造手法は、特に制限されるものでは
ないが、乳化重合による手法、カルボン酸等の酸を含む
重合体を親水性有機溶剤中に溶解する、若しくは親水性
有機溶剤中にて溶液重合するなどして調製した重合体有
機溶剤溶液を塩基にて中和し、水に分散化させる手法、
重合体を親水性有機溶剤中に溶解後界面活性剤を含む水
中に高剪断力をかけ分散化させる手法等の種々の工業的
に用いられている製造手法を用いることができる。
【0031】本発明において使用されるビニル系重合体
[I]の水性溶解物[A]と重合体[II]の水性分散物
[B]のブレンド比率は、重合体比率(重量比)[I]
/[II]が1/99〜70/30である必要があり、特
に、[I]/[II]が5/95〜40/60である場合
が好ましい。重合体比率[I]/[II]が1/99未満
であると、初期硬度が不足する。また重合体比率[I]
/[II]が70/30を超えると、柔軟性が不足する。
【0032】水性溶解物[A]と水性分散物[B]のブ
レンド方法には特に制限は無いが、室温で両者をブレン
ドする方法や、加温しながら両者をブレンドする方法等
が挙げられる。
【0033】2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒ
ドラジン誘導体[C]は、重合体[I]に含まれるカル
ボニル基および/またはアルデヒド基1モルに対して
0.1〜2モルとなるように配合される。0.1モル未
満であると、耐アルカリ性が不足し、2モルを超えると
水性分散体[B]との相溶牲が不足する。
【0034】有機ヒドラジン誘導体[C]としては、2
〜10個、特に4〜6個の炭素原子を有するジカルボン
酸ジヒドラジド、例えば蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジ
ヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒド
ラジド、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒド
ラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラ
ジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド
が挙げられる。また、2〜4個の炭素原子を有する脂肪
族の水溶牲ジヒドラジンには、例えばエチレン−1,2
−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、
ブチレン−1,4−ジヒドラジンがある。これらの中で
もアジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ
ド、セバシン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジドが
耐アルカリ性の面から好ましい。
【0035】水性溶解物[A]と水性分散物[B]と2
個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン誘導体
[C]のブレンド後に種々の顔料を分散させることが可
能である。
【0036】また、塗料およびインクとしての高度の性
能を発現させるために、消泡剤、顔料分散剤、防腐剤等
の添加剤を添加することも可能である。さらに、乾燥性
を高めるために、有機溶剤を適宜加えてもよい。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ
「重量部」及び「重量%」を示す。
【0038】<ビニル系重合体の製造> ビニル系重合体(1)の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備え、加温と冷却がいず
れも可能である重合装置中へ、脱イオン水200部およ
びポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度17
00)0.6部を加え、撹拌を行いポリビニルアルコー
ルを完全に溶解した。その後、一度撹拌を停止し、メチ
ルメタクリレート66部、スチレン10部、n−ブチル
アクリレート10部、ジアセトンアクリルアミド4部、
メタクリル酸10部を加え再度撹拌を開始した。次い
で、アゾビスイソブチロニトリル0.5部およびn−ド
デシルメルカプタン4部を加え75℃に昇温し、反応温
度を75〜80℃を維持するように3時間反応させ、そ
の後95℃に昇温し1時間維持し反応を終了させた。得
られた重合体は分子量12,000、酸価65mgKO
H/g、二次転移温度84℃であった。
【0039】ビニル系重合体(2)〜(27)の製造 上記ビニル系重合体(1)の製造方法と同様の操作で、
表1に示す組成のビニル系単量体を、表1に示すラジカ
ル開始剤および連鎖移動剤を用いてそれぞれ重合した。
得られた重合体の特性値を表2に示す。なお、表1中の
数値の単位は重量部である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】 ビニル系重合体(28)の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備え、加温と冷却がいず
れも可能である重合装置中へ、イソロピルアルコール1
00部、メチルメタクリレート64部、スチレン10
部、n−ブチルアクリレート11部、アセトアセトキシ
エチルメタクリレート2部、メタクリル酸13部、アゾ
ビスイソブチロニトリル2部およびn−ドデシルメルカ
プタン3部を加え、撹拌を行い、80℃に昇温して重合
を開始した。次いで、1時間おきにアゾビスイソブチル
ニトリル0.2部を添加し、9時間温度を維持して重合
を終了した。固形分51%、粘度10,000cpsの
ビニル系重合体のイソプロパノール溶液を得た。その
後、この溶液をバットに入れ、50℃に加熱した乾燥機
中にてイソプロパノールを蒸発させ、固形分99.5%
のビニル系重合体の固形物を得た。得られた重合体は、
分子量13,000、酸価85.5mgKOH/g、二
次転移温度84℃であった。
【0042】ビニル系重合体(29)の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備え、加温と冷却がいず
れも可能である重合装置中へ、イソロピルアルコール1
00部を加え、撹拌を開始して80℃に昇温し、メチル
メタクリレート64部、スチレン9部、n−ブチルアク
リレート11部、ジアセトンアクリルアミド3部、メタ
クリル酸13部、アゾビスイソブチロニトリル3部の混
合物を4時間かけて滴下した。その後、1時間おきにア
ゾビスイソブチルニトリルを0.1部を添加し、4時間
温度を維持して重合を終了した。その後、この溶液をバ
ットに入れ、50℃に加熱した乾操機中にてイソプロパ
ノールを蒸発させ、固形分99.5%のビニル系重合体
の固形物を得た。得られた重合体は分子量11,00
0、酸価85.5mgKOH/g、二次転移温度84℃
であった。
【0043】<ビニル系重合体水溶液の製造>攪拌機、
温度計、還流凝縮器を備え、加温と冷却がいずれも可能
である300mLフラスコ中へ、ビニル系重合体(1)
50gおよび脱イオン水148gを投入して撹拌を開始
し、28%アンモニア水3.5gを徐々に添加した。そ
の後、50℃に昇温し、2時間温度を維持して溶解を完
了した。固形分25%、粘度500cpsの溶液を得
た。
【0044】ビニル系重合体(2)〜(29)について
も、下記の計算方法に従って28%アンモニア水と脱イ
オン水の添加量を計算し、同様の方法で溶解操作を行っ
た。しかし、ビニル系重合体(21)は溶解できなかっ
た。
【0045】必要アンモニア水(g)=A÷56.1÷
1000×50×17÷0.28 A:重合体の酸価(mgKOH/g) 必要脱イオン水(g)=150−アンモニア水(g)×
0.72 <重合体水性分散物の製造> 重合体水性分散物(a)の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備え、加温と冷却がいず
れも可能である重合装置中へ、脱イオン水100部、オ
キシエチレン単位を35個有するポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル2部、ラウリル硫酸ナトリウム1
部および過硫酸カリウム0.5部を溶解し、撹拌を開始
して70℃に昇温した。次いで、メチルメタクリレート
57部、n−ブチルメタアクリレート25部、n−ブチ
ルアクリレート15部、メタクリル酸3部の混合物を4
時間かけて滴下し、その後80℃に昇温し、2時間温度
を維持して反応を終了させ、重合体水性分散物を得た。
生成した重合体は、二次転移温度52℃、重量平均分子
量1,000,000であり、その水性分散物は、固形
分50%、粘度3,000cpsであった。
【0046】重合体水性分散物(b)の製造 上記の重合体水性分散物(a)と同様な製造方法で、ス
チレン85部、エチルヘキシルアクリレート14部、メ
タクリル酸1部のビニル系単量体の混合物を重合したと
ころ、二次転移温度67℃、重量平均分子量500,0
00の重合体が得られ、その水性分散物は、固形分50
%、粘度800cpsであった。
【0047】重合体水性分散物(c)の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備え、加温と冷却がいず
れも可能である重合装置中へ、イソプロピルアルコール
25部、メチルメタクリレート42部、スチレン23
部、n−ブチルメタクリレート28部、及びアクリル酸
7部のビニル系単量体混合物、並びにアゾビスイソブチ
ロニトリル0.1部を投入した。その後、80℃に昇温
し、1時間おきにアゾビスイソブチロニトリル0.1部
ずつ投入しながら温度を7時間維持し、その後50℃ま
で冷却した。次いで、28%アンモニア水3.1部およ
び脱イオン水150部を徐々に投入し、次いで95℃ま
で3時間かけて昇温し、イソプロピルアルコールを初期
投入量の1%程度まで蒸留除去し、重合体水性分散物を
得た。得られた重合体は、二次転移温度76℃、重量平
均分子量350,000であり、その水性分散物は、固
形分40%、粘度200cpsであった。 重合体分散
物(d)の製造 攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた1000mLの
反応容器へ、ジメチロールプロピオン酸13部、N−メ
チル−2−ピロリドン80部、ポリテトラメチレングリ
コール100部、トリメチロールプロパン5部を加え、
90℃に加熱溶解させた。次に、イソホロンジイソシア
ネート48部を加え、10分間攪拌後、ジブチル錫ジラ
ウレート0.1部を加え、95℃まで昇温し、1時間反
応させた。
【0048】上記の親水性基含有オリゴマーをトリエチ
ルアミン5部で中和した後、脱イオン水300部を加
え、1時間攪拌を行い、水性分散物を得た。得られた重
合体は、二次転移温度40℃、重量平均分子量220,
000であり、その水性分散物は、固形分29%、粘度
8000cpsであった。
【0049】重合体分散物(e)の製造 攪拌機、温度計、コンデンサーを備えて、加温と冷却が
いずれも可能である重合装置中へ、イソプロピルアルコ
ール25部とメチルメタクリレート42部、スチレン2
3部、n−ブチルメタアクリレート28部、アクリル酸
7部のビニル系単量体混合物、およびアゾビスイソブチ
ロニトリル2部を投入し、次いで80℃に昇温し、1時
間おきにアゾビスイソブチロニトリルを0.1部ずつ投
入しながら温度を7時間維持した。その後50℃まで冷
却し、28%アンモニア水3.1部および脱イオン水1
50部を徐々に投入した。続いて95℃まで3時間かけ
て昇温し、イソプロピルアルコールを初期投入量の1%
程度まで蒸留除去し、重合体の水性分散体を得た。得ら
れた重合体の二次転移温度は76℃、重量平均分子量は
80,000であり、水性分散体は固形分50%、粘度
200cpsであった。
【0050】<実施例1>ビニル系重合体(1)の固形
分25%水溶液60g、重合体水性分散物(a)120
g、及びアジピン酸ジヒドラジド0.3gをビーカー内
に投入し、棒で軽く混合し、ブレンド物を作製した。こ
の場合、ビニル系重合体(1)と重合体水性分散物
(a)の重合体比率は20対80になる。また、ビニル
系重合体(1)の中のカルボニル基1モルに対して1モ
ルのヒドラジン残基の比率となる。
【0051】ブレンドした直後に析出物が見られず、溶
液としての相溶性が非常に良好であった。
【0052】また、ブレンド物を燐酸亜鉛処理鋼板(日
本テストパネル製ボンデライト#144)にソリッド膜
厚25μmになるよう塗布し、25℃かつ60%RHの
環境下で6時間乾燥後に鉛筆硬度を測定すると、3Bと
良好な初期硬度であった。
【0053】この状態にて塗膜を7日間乾燥後、pH1
1のアンモニア水溶液を含ませたガーゼにて30回ラビ
ング試験を実施したが、塗膜に傷、すり減り等のダメー
ジが見られず、良好であった。また、0Tベンド試験を
実施したが、クラックの発生はなく、良好であった。
【0054】<実施例2〜20、比較例1〜15>実施
例1と同様にして試験を行った結果を表3〜表8に示
す。なお、各試験の評価結果は下記の内容を示す。 ○相溶性 良好:ブレンド初期から析出物が見られない やや良好:ブレンド初期は析出物が見られるものの、一
日後に消滅 不良:析出物有り ○耐アルカリ性 良好:30回以上のラビングで、塗膜に傷、すり減り等
のダメージが見られない やや良好:15回以上のラビ
ングで、塗膜にダメージが発生しないものの、30回以
上のラビングではダメージを受ける 不良:15回未満のラビングでダメージが発生する ○柔軟性 良好:クラックの発生が無い 不良:クラックの発生が見られる ○初期硬度 良好:4B及び4Bより硬い 不良:5B又は5Bより柔らかい
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の水性被覆用
組成物は、初期硬度、柔軟性および耐アルカリ性のいず
れも優れる。
【0062】また、本発明の水性被覆用組成物は、特定
のビニル系重合体を含有し、このビニル系重合体の水性
溶解物は種々の重合体水性分散物と良好に相溶する。そ
のため、本発明によれば、このように優れた性能を有す
る水性被覆用組成物を、ビニル系重合体の水性溶解物と
種々の重合体水性分散物との単純なブレンドにより提供
することができる。これは、両者のハイブリッド化が望
まれていた当該技術分野において画期的なことである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)メチルメタクリレート単位20〜
    90重量%、(b)スチレン単位0〜40重量%、
    (c)分子中に少なくとも1個のカルボニル基および/
    またはアルデヒド基を有するビニル系単量体単位0.5
    〜10重量%、(d)酸基を有するビニル系単量体単位
    3〜40重量%、(e)その他のビニル系単量体単位1
    0〜70重量%から成り、二次転移温度が0〜120
    ℃、重量平均分子量が6,000〜60,000、酸価
    が30〜200mgKOH/gであるビニル系重合体
    [I]を塩基により中和して水中に溶解して成るビニル
    系重合体の水性溶解物[A]、 重量平均分子量が100,000以上である重合体[I
    I]の水性分散物[B]、及び2個以上のヒドラジン残
    基を有する有機ヒドラジン誘導体[C]を含んで成り、
    前記重合体の混合比[I]/[II]が1/99〜70
    /30、 前記重合体[I]が含有するカルボニル基および/また
    はアルデヒド基1モルに対して前記有機ヒドラジン誘導
    体のヒドラジン残基が0.1〜2モル、となるように配
    合されたことを特徴とする水性被覆用組成物。
  2. 【請求項2】 前記ビニル系重合体[I]が、懸濁重合
    法により製造されたものである請求項1記載の水性被覆
    用組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004323538A (ja) * 2003-04-21 2004-11-18 Dainippon Ink & Chem Inc 水溶性共重合体の製造法
JP2012052026A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Sekisui Plastics Co Ltd プレス成形体用重合体粒子及びその製造方法

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