JPH11288083A - 感光性組成物および感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性組成物および感光性平版印刷版

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JPH11288083A
JPH11288083A JP9317998A JP9317998A JPH11288083A JP H11288083 A JPH11288083 A JP H11288083A JP 9317998 A JP9317998 A JP 9317998A JP 9317998 A JP9317998 A JP 9317998A JP H11288083 A JPH11288083 A JP H11288083A
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photosensitive
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解性、感度特性に優れた(チオ)ピリリウ
ム色素を含む感光性組成物を提供する。 【解決手段】 (チオ)ピリリウム色素の特定位置に特
定範囲のアルキル基を導入したものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定な(チオ)ピリ
リウム色素を含む感光性組成物に関する。更に詳しく
は、YAG等の近赤外レーザーを用いた直接製版に好適
な感光性組成物および感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ画像処理技術の進歩に伴
い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出
力を行なわずに、レーザー光あるいはサーマルヘッド等
により、直接レジスト画像を形成する感光または感熱ダ
イレクト製版システムが注目されている。特に、高出力
の半導体レーザーやYAGリーザーを用いる、高解像度
のレーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製
版作業時の環境光や版材コストの面から、その実現が強
く望まれていた。
【0003】一方、従来より、レーザー感光または感熱
を利用した画像形成方法としては、昇華転写色素を利用
し色材画像を形成する方法ならびに平版を作成する方法
などが知られている。後者においては、例えば、ジアゾ
化合物の架橋反応を利用し、平版印刷版を作成する方法
(例えば、特開昭52−151024号、特公平2−5
1732号、特開昭50−15603号、特公平3−3
4051号、特公昭61−21831号、特公昭60−
12939号、米国特許第3664737号の公報また
は明細書等参照)、ニトロセルロースの分解反応を利用
し、平版印刷版を作製する方法(例えば、特開昭50−
102403号、特開昭50−102401号等の公報
参照)等が知られている。
【0004】近年、化学増幅型のフォトレジストに長波
長光線吸収色素を組み合せた技術が散見される様になっ
た。例えば特開平6−43633号明細書には特定なス
クアリリウム色素に光酸発生剤およびバインダー等を組
み合せた感光材料が開示されている。また、更にこれに
類する技法として赤外線吸収色素、潜伏性ブレンステッ
ド酸、レゾール樹脂およびノボラック樹脂を含む感光層
を半導体レーザー等により像状に露光し平版印刷版を作
製する技術が提案されており(特開平7−20629号
明細書)、更に、前記潜伏性ブレンステッド酸に代えs
−トリアジン化合物を用いる技術も開示されている(特
開平7−271029号明細書)。
【0005】また、特開平9−43847号明細書にお
いては赤外線の照射により加熱して感光材の結晶性を変
化させるレジスト材およびそれを利用したパターン形成
方法が開示されている。これらは主として波長830n
m付近またはそれ以下の半導体レーザーを光源に用いた
技術であるが、一方、これより長波長、例えば、106
4nmのYAGレーザー等に対応した好適な感光材料は
それの強い要請があるにもかかわらず余り報告がなされ
ていない。かような状況に鑑み、我々は既にいくつかの
提案を行なってきた(特願平9−13880号、特願平
9−205789号各明細書など)。
【0006】しかしながら、これらの技術に関し更に詳
細に検討を加えていく過程でいくつかの問題点、特にそ
の組成物の主要成分である(チオ)ピリリウム色素に関
する課題が見い出された。その第一点はこれらの色素は
一般的に溶媒や感光層中での溶解性が不十分であった。
更に、光源レーザーとの波長的マッチングや調製収率等
も合わせ満足し得る色素が得にくかった点などである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は溶解特性に優れ近赤外光に好適に感応し得る
(チオ)ピリリウム色素を含む感光性組成物を見い出す
ことにあり、第2の目的は吸光度を充分有することによ
り高感度を与えしかもより容易に調製し得る前記色素を
含む感光性組成物を提供することにある。第3の目的は
特にYAGレーザーに好適に感応し得るポジ型感光性組
成物を供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は下
記の本発明の構成、即ち、一般式〔I〕で示される(チ
オ)ピリリウム色素を含有する感光性組成物。
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素
原子又はアルキル基であるが、このうち少なくとも2個
は独立にC1 〜C12のアルキル基を示し、R5 およびR
6 は水素原子又はアルキル基であるが、このうち少なく
とも1個はC1 〜C8 のアルキル基を示す。R7 および
8 は水素原子またはC1 〜C8 のアルキル基を示す
が、相互に結合してエチレンまたはプロピレン基を形成
していてもよい。R9 は水素原子またはハロゲン原子を
示し、Y1 およびY2 は酸素原子または硫黄原子を示
す。X- は対アニオンを表わす。〕により達成し得る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。一般に、(チオ)ピリリウム構造を有するポリメ
チン型色素〔以下(チオ)ピリリウム色素と呼ぶ〕はし
ばしば近赤外領域での効果的な光吸収能力を示し、感光
性組成物の成分として有用な化合物である。具体的なそ
れらの感光性組成物としては、例えば、近赤外光線を受
光した結果種々の機構、特に熱作用により画像を形成す
る種類のものが挙げられる。更に例えば、特願平9−1
3880号明細書に開示されている様なネガ型や特願平
9−205789号明細書に記載されている様なポジ型
の各感光性組成物は特に有用である。しかし、これらの
感光性組成物に配合される(チオ)ピリリウム色素に関
し、更に実用的見地から評価、検討を進めた結果、様々
な問題点が確認され、特に有用な(チオ)ピリリウム色
素は極く限定された範囲に限られる事が分った。第一の
問題点はそれら色素の溶解性である。特に塗布溶媒に対
する溶解性の不足に起因して、一般溶媒では溶解時に高
温加熱を要したり、溶解性の高い溶媒を選択した場合に
は乾燥ラインにおける廃ガス処理が困難であったり、溶
媒の沸点が高く感光層中に残留し易く膜物性の悪化を招
くなどの点が生じることが分った。第二の問題点はこれ
ら色素の不十分な合成収率や調製の難度の点である。第
三の問題点はそれの吸収波長の問題である。特に、最も
有用な波長であるYAGの1064nmに極大吸収をよ
り合致させた色素構造が感度面から有利であるがそれは
しばしば他の要求物性と両立し難い点である。以上の三
つの課題を同時にほぼ満たす(チオ)ピリリウム色素は
可なり限定された範囲の構造に限られる事が分った。そ
れらの構造は下記一般式〔I〕で示されるものである。
【0012】
【化3】
【0013】〔式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素
原子又はアルキル基であるが、このうち少なくとも2個
は独立にC1 〜C12のアルキル基を示し、R5 およびR
6 は水素原子又はアルキル基であるが、このうち少なく
とも1個はC1 〜C8 のアルキル基を示す。R7 および
8 は水素原子またはC1 〜C8 のアルキル基を示す
が、相互に結合してエチレンまたはプロピレン基を形成
していてもよい。R9 は水素原子またはハロゲン原子を
示し、Y1 およびY2 は酸素原子または硫黄原子を示
す。X- は対アニオンを表わす。〕
【0014】次に本式における各置換基についてより詳
細に説明する。先ず、R1 〜R4 に関してはそれらがア
ルコキシ基又はアルキル基の場合が調製し易いがそのア
ルコキシ基の場合、吸収波長が大幅に長波長シフトする
為極大吸収をYAGレーザーの波長に合致させにくい短
所を有している事が分った。また、それらがアルキル基
の場合、通常、C数の多い方が溶解性に有利な傾向を示
した。次に、R5 、R 6 の基がアルキル基である場合、
溶解性に有利であって特にC1 〜C4 の範囲ではC数の
多い方が有利であった。Y1 、Y2 に関しては調製し易
さの点から硫黄原子より酸素原子の方が反応工程が少な
く有利であった。R1 〜R6 のより好ましいもの、特
に、溶解性のより有利なものはR5 、R6 が異なってい
ても良いC 1 〜C6 、特に、C2 〜C6 のアルキル基で
ありR1 〜R4 の内少なくとも3個が独立にC1
8 、特に、C2 〜C8 のアルキル基であるものであっ
た。対アニオンとしては無機酸アニオン、例えば、Cl
- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、BF4 - 、PF6 -
より有機酸アニオン、例えば、スルホン酸類、硫酸モノ
エステル類、テトラフェニルボレート、リン酸エステル
類、高級脂肪酸類、トリハロ酢酸類等のアニオンの方が
溶解性において有利であり、中でも、有機スルホン酸も
しくは硫黄モノエステルのアニオンが好ましい。
【0015】ここにおいて、有機スルホン酸は脂肪族ま
たは芳香族炭化水素のスルホン酸を意味しており、特に
置換基を有していても良い芳香族炭化水素、例えばナフ
タレンのスルホン酸が好ましい。また硫酸モノエステル
はアルキル硫酸モノエステルが好ましく、更に、ポリオ
キシエチレン構造を含むものがより好ましい。中央鎖部
のR7 〜R9 が水素原子の場合、YAGレーザー波長に
吸収がほぼ合致して有利であった。一方、R7 とR8
相互に結合しエチレンまたはプロピレン基を形成した場
合、合成収率と溶解性の点において若干有利であるが光
吸収率は不利であった。これらの本発明の(チオ)ピリ
リウム色素を具体的に例示するに、一般式〔I〕におい
て表1に記載した例が挙げられる。同表中および以下の
表においては、下記の略号を用いている。ポリメチン鎖
【0016】
【化4】
【0017】の部分を示しており、
【0018】
【化5】 を示す。Naph- :ナフタリンスルホン酸アニオン Dode- :ドデシルベンゼンスルホン酸アニオン Q1 −SO3 - :アルキルナフタレンスルホン酸アニ
オン〔ペレックスNBL(花王社製)より誘導〕 Q2 −OSO3 - :アルキルフェノールポリオキシエチ
レン硫酸エステルアニオン〔レベノールWZ(花王社
製)より誘導〕 Q3 −OSO3 - :アルキルポリオキシエチレン硫酸エ
ステルアニオン〔サンノールDM1470(ライオン社
製)より誘導〕
【0019】
【化6】
【0020】
【表1】
【0021】これらの(チオ)ピリリウム色素は常法に
従って調製し得る。また、これらは単独でも二種以上を
併用して用いる事もできるが溶解性、溶解安定性の面か
らは二種以上の併用の方が好ましい。また他の基本構造
の色素を混合使用する事も可能である。本発明の感光性
組成物中における本(チオ)ピリリウム色素の含有量は
その用途により異なるが、通常、全固型分中、好ましく
は0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重
量%、特に好ましくは1〜20重量%である。
【0022】次に、前記(チオ)ピリリウム色素を含む
本発明の感光性組成物について説明する。これに関して
は既に一部述べた様にそれに含まれる(チオ)ピリリウ
ム色素が照射された近赤外光線を吸収しそれの熱作用か
つ/または光化学反応を誘起し、その結果生ずる組成物
の変化を利用して画像等を形成し得るものであればその
形式や形態は特に限定されない。それには、例えば、ア
ブレーション、ピット形成、熱溶解転写、昇華転写が含
まれる。かような感光性組成物の別の例を具体的に例示
するに、先ず、特願平9−13880号明細書に記載さ
れている様なネガ型でいわゆる化学増幅型類似の組成物
が挙げられる。この感光性の反応機構は明確ではない
が、露光された光線を吸収した(チオ)ピリリウム色素
が光酸発生剤と何らかの反応を引き起こし触媒量の酸を
発生させる。次いで加熱工程を加えることによりその酸
の作用で架橋剤と樹脂とが結合、硬化するものと推定さ
れる。この引例特許に於てはその実施例に記載されてい
る様に(チオ)ピリリウム色素の低溶解性の為塗布溶媒
として止むを得ずクロロホルムを混合使用しているがこ
の溶媒は実ラインでは極めて扱い難い。これに対し本発
明による(チオ)ピリリウム色素は実ラインに適用し得
る一般溶媒単独で可能であり実用上非常に有効であるこ
とが分った。
【0023】次に、本発明の感光性組成物の別の具体例
としては前記の感光系よりもより高感度を示す新規なポ
ジ型感光性組成物が挙げられる。これについては本発明
の一般式[I]で示される特定の(チオ)ピリリウム色
素を除き、特願平9−205789号明細書等に詳細が
記載されている。即ち、本発明のポジ型感光性組成物
は、前記一般式[I]で示される(チオ)ピリリウム色
素およびアルカリ可溶性の高分子化合物を含むものであ
りその露光部において主として化学変化以外の変化によ
ってアルカリ現像液に対する溶解性が増大するポジ型感
光性組成物である。
【0024】上記の露光部において主として化学変化以
外の変化によってアルカリ現像液に対する溶解性が増大
することは、例えば一旦光照射を行なった本発明の感光
性組成物を50℃付近で24時間加温した場合、露光直
後には増加した露光部のアルカリ可溶性が、しばしば露
光前に近い状態へ戻るという可逆現象がみられることか
らも推察できる。
【0025】従って、上記の主として化学変化以外の変
化は、ポジ型感光性組成物の露光部に於けるアルカリ現
像液に対する溶解性(A)と、該露光部の加温後のアル
カリ現像液に対する溶解性(B)とがB<Aとなる性質
を有することにより確認できる。本発明のポジ型感光性
組成物が主として化学変化以外の変化によりポジ画像を
形成するメカニズムは必ずしも明らかではないが、光熱
変換分解物質によって吸収された光エネルギーが、熱に
変換され、その熱を受けた部分のアルカリ可溶性樹脂が
コンフォメーション変化等の何らかの化学変化以外の変
化を起こし、その部分のアルカリ可溶性が高まることに
よって、アルカリ現像液により画像が形成されるものと
考えられる。本発明のアルカリ可溶性高分子化合物とし
てはノボラック樹脂やポリビニルフェノール樹脂が好適
であり、具体的には、特願平9−205789号明細書
に記載のものが挙げられ、そのGPC測定によるポリス
チレン換算重量平均分子量は通常1,000〜50,0
00、好ましくは2,000〜20,000である。
【0026】感光系には更に(c)溶解抑止剤を添加す
ることができる。この(b)高分子化合物、(c)溶解
抑止剤成分及びその他の添加剤に関しては特願平9−2
05789号明細書において記載されているものをその
まま本発明組成物で好適に使用することができる。本感
光性組成物の機構に関してはなお不明確であるが、(チ
オ)ピリリウム色素が吸収した光線が熱に変換され高分
子の分子官能基の再配置がなされ、可溶化するものと推
定される。なお、ポジ型に関する上記特願平9−205
789号の実施例においても前記ネガ型に関する上記特
願平9−13880号のそれと同様の理由により、クロ
ロホルム混合溶媒が採用されている。
【0027】本発明の感光性組成物としては具体的に前
記したネガ型およびポジ型の感光性組成物が好ましい例
であるがこれらは更に、支持体上に塗布する事により得
られる、支持体上に上記感光性組成物からなる層を設け
てなる感光性平版印刷版として利用することができる。
これらは実用上、高い有用性、例えば、レーザー直接製
版に好適に適用し得る。
【0028】本発明に使用する感光性組成物は、通常、
上記各成分を適当な溶媒に溶解して用いられる。溶媒と
しては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な
塗膜性を与える溶媒であれば特に制限はないが、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ
系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール
ジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶媒、
酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジ
エチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−
ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸
メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル
などのエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、
ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなどのア
ルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケト
ンなどのケトン系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、さ
らにはこれらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙
げられる。クロロホルムの様な含ハロゲン溶媒は実ライ
ンでは廃ガス処理困難で好ましくない。溶媒の使用割合
は、感光性組成物の総量に対して通常重量比として1〜
20倍程度の範囲である。
【0029】本発明の感光性組成物を支持体表面に設け
る際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例え
ば、回転方法、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エア
ーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン
塗布等を用いることが可能である。その乾燥温度または
加熱温度としては、例えば20〜170℃、好ましくは
30〜150℃が採用される。
【0030】本発明の感光性組成物を用いた感光層を支
持体上に設ける場合、支持体としては、アルミニウム、
亜鉛、鋼、銅等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニ
ッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金
属板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が
塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、
親水化処理したプラスチックフィルム等のシート等が挙
げられる。このうち好ましいのはアルミニウム板であ
る。本発明の感光性平版印刷版の支持体としては、塩酸
または硝酸溶液中での電解エッチングまたはブラシ研磨
による砂目立て処理、硫酸溶媒中での陽極酸化処理およ
び必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されているア
ルミニウム板を用いることがより好ましい。
【0031】支持体表面の粗面度に関しては、一般的
に、表面粗さRaの値で示される。これは表面粗度計を
用いて測定することができる。本発明において用いられ
る支持体としてはその平均粗さRaとして0.3〜1.
0μmのアルミニウム板が好ましく、更に、0.4〜
0.8μmのものがより好ましい。本支持体は、必要に
応じ表面処理を施して用いることができる。
【0032】本発明の感光性組成物を画像露光する光源
としては本発明の(チオ)ピリリウム色素が所期の目的
を達成しうるものであれば良いが900〜1300nm
の近赤外レーザーの光線を発生する光源が好ましく、例
えばルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザ
ー、LED、その他の固体レーザー等を挙げることがで
き、特にYAGレーザーが好ましい。これらのレーザー
光源により、通常、走査露光後、現像液にて現像し画像
を有する平版印刷版等を得ることができる。
【0033】また、レーザー光源は、通常、レンズによ
り集光された高強度の光線(ビーム)として感光材表面
を走査するが、それに感応する本発明の平版印刷版等の
感度特性(mJ/cm2 )は感光材表面で受光するレー
ザービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存するこ
とがある。ここで、レーザービームの光強度(mJ/s
・cm2 )は、版面上でのレーザービームの単位時間当
たりのエネルギー量(mJ/s)を光パワーメーターに
より測定し、また感光材表面におけるビーム径(照射面
積;cm2 )を測定し、単位時間当たりのエネルギー量
を照射面積で除することにより求めることができる。レ
ーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度
の1/e2 強度を超える部分の面積で定義されるが、簡
易的には相反則を示す感光材を感光させて測定すること
もできる。本発明に用いられる光源の光強度としては、
2.0×106 mJ/s・cm2以上であることが好ま
しく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上であること
が更に好ましい。光強度が上記の範囲であれば、本発明
の平版印刷版等の感度特性が向上し、走査露光時間が短
くすることができ実用的に大きな利点が得られる。
【0034】本発明の感光性平版印刷版の現像に用いる
現像液としては特にアルカリ水溶液を主体とするアルカ
リ現像液が好ましい。上記アルカリ現像液としては、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ
酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリ
ウム等のアルカリ金属塩の水溶液が挙げられる。アルカ
リ金属塩の濃度は0.1〜20重量%が好ましい。又、
該現像液中に必要に応じアニオン性界面活性剤、両性界
面活性剤等やアルコール等の有機溶媒を加えることがで
きる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を参考例、実施例により更に具
体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
これらの実施例に限定されるものではない。 参考例(P−23の調製)10%水酸化ナトリウム水溶
液30gにエタノール80mlを混合、撹拌し、更に、
4′−n−ブチルアセトフェノン10.6gを加える。
これに4−iso−ブチルベンズアルデヒド10.3g
を添加混合した。室温下、4時間撹拌後、トルエン/水
を加えて分液し有機層より置換カルコン20g(微黄オ
イル)を得た。次に、前記カルコン全量のTHF25g
中の溶液を氷冷下撹拌し、これに過塩素酸(70%)2
5gを滴下、次いで無水酢酸40ccをゆっくり滴下、
氷冷下の撹拌を30分間継続した。これに4−tert
−ブチルシクロヘキサノン10.3g/THF6gの溶
液を加えて、反応温度を室温に戻し、数時間撹拌した
後、トルエン/水を加え分液し、有機層より相当するピ
リリウム過塩素酸塩中間体29.5gを赤色粘性オイル
状の粗生成物として得た。この粗ピリリウム中間体の5
gをグルタコアルデヒドジアニール塩酸塩0.43g、
酢酸ナトリウム0.8g、氷酢酸8g及び無水酢酸10
gと撹拌しつつ105℃浴中で30分間縮合反応を行な
った。室温に戻した後濾過してピリリウム色素過塩素酸
塩0.85gを得た。この全量をN−メチルピロリドン
16g中に加温溶解し、1−ナフタリンスルホン酸ナト
リウムを用いてアニオン交換処理を行ない、目的のピリ
リウム色素塩0.83gを黒色固体として得た。
【0036】次に具体的な実施例を示す。実施例中にお
いて試料作成の為に用いたアルミニウム支持体は特願平
9−205789号明細書において用いたものとほぼ同
一の砂目を共通して用いた。また実施例中の評価項目は
感度とそれに用いた(チオ)ピリリウム色素の溶解性で
あるが、前者は感光性平版印刷版試料に関し、後者は汎
用溶媒であるシクロヘキサノンに対する前記色素のそれ
を各々下記の方法により評価した。
【0037】〔溶解性評価方法〕各実施例中で用いたも
のと同一の(チオ)ピリリウム色素を各々50mg秤量
しこれにシクロヘキサノンの特定量を加えて撹拌を継続
し、全量が溶解するまで同溶媒を追加的に添加する。溶
解に要した総溶媒量により評価a〜eのランクを与え
た。 a…溶媒量3g未満 b…溶媒量3g以上4g未満 c…溶媒量4g以上6g未満 d…溶媒量6g以上10g未満 e…溶媒量10g以上 一方、感光性平版印刷版試料の感度測定は下記方法Aま
たはBで行なった。
【0038】〔感度測定方法〕 (方法−A)感光性平版印刷版試料を回転ドラム上に取
り付け、YAGレーザー(アプライドテクノ社製、10
64nm)をレンズで30μmのビーム径に絞ったレー
ザー光(120mW)により走査露光を行なった。次い
でアルカリ性現像液SDR−1(コニカ社製、ポジ平版
用)を5倍に希釈し25℃にて現像を行なった。得られ
たポジ画線が30μm幅を与えるドラム回転数より感度
をエネルギー値として求めた。
【0039】(方法−B)上記方法−Aと同様の走査露
光後、100℃にて3分間の加熱工程を挿入、以下同様
に現像した。得られたネガ画線が30μm幅を与えるド
ラム回転数より感度を求めた。尚、比較例中で用いた
(チオ)ピリリウム色素試料の略号の示す化学構造式
は、一般式〔I〕における置換基が表2に示すものであ
る化合物を表わす。
【0040】
【表2】
【0041】実施例1〜15 比較例1〜5 下記ポジ型感光液組成の各成分を混合、撹拌し、得られ
た感光液を砂目立ておよび陽極酸化処理を施したアルミ
ニウムシート上にホワラーにて乾燥膜厚2.5μmに塗
布し、85℃で2分間乾燥した後55℃オーブン中で安
定化させた。 〔ポジ型感光液〕 高分子化合物:ノボラック樹脂 1.0g (SK−135 住友ジュレス社製) (チオ)ピリリウム色素:表3記載の化合物 0.04g 色材:クリスタルバイオレットラクトン 0.07g 溶媒:シクロヘキサノン 9g 得られた感光性平版印刷版試料を前述の方法−Aにより
感度を測定し、更に用いたピリリウム色素の溶解性評価
を前述の方法に従って行なった。得られた結果を表3に
記した。
【0042】
【表3】 *表中の感度測定不能とは感光層中の不溶結晶が多数存
在し正確な測定が不可の意味
【0043】実施例−16下記成分よりなるネガ型感光
液を実施例−1と同一のアルミニウムシート上に同様の
方法で塗布、乾燥し、乾燥膜厚23mg/dm2 の感光
性平版印刷版を得た。 〔ネガ型感光液〕 高分子化合物:ノボラック樹脂 0.5g (SK−188 住友ジュレズ社製) アミノ化合物架橋剤:サイメル−300 0.1g (三井サイアナミッド社製) (チオ)ピリリウム色素:P−13 0.02g 光酸発生剤:トリストリクロルメチルs−トリアジン 0.015g 色材:ビクトリアピニアブルーBOH 0.005g 塗布溶媒:シクロヘキサノン 6.5g
【0044】得られた感光性平版印刷版に関し前記の方
法−Bによりネガ画像の感度を測定し、更に用いたピリ
リウム色素の溶解性を調べた。その結果、感度1100
mJ/cm2 で溶解性はaであった。 比較例−5 実施例−15における(チオ)ピリリウム色素をR−3
に代えた以外は同様に評価を行なった結果、溶解性はe
であり、感度測定は不溶結晶が多い為困難であった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、溶解性、感度特性に優れ
た近赤外線レーザー光用感光性組成物および感光性平版
印刷版を提供することができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕で示される(チオ)ピリリ
    ウム色素を含有する感光性組成物。 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素原子又はアル
    キル基であるが、このうち少なくとも2個は独立にC1
    〜C12のアルキル基を示し、R5 およびR6 は水素原子
    又はアルキル基であるが、このうち少なくとも1個はC
    1 〜C8 のアルキル基を示す。R7 およびR8 は水素原
    子またはC1 〜C8 のアルキル基を示すが、相互に結合
    してエチレンまたはプロピレン基を形成していてもよ
    い。R9 は水素原子またはハロゲン原子を示し、Y1
    よびY2 は酸素原子または硫黄原子を示す。X- は対ア
    ニオンを表わす。〕
  2. 【請求項2】 対アニオンX- が有機酸アニオンである
    請求項1記載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】 感光性組成物がアルカリ可溶性の高分子
    化合物を含むものであり、その露光部において主として
    化学変化以外の変化によってアルカリ現像液に対する溶
    解性が増大するポジ型感光性組成物である請求項1また
    は2に記載の感光性組成物。
  4. 【請求項4】 一般式〔I〕におけるY1 およびY2
    酸素原子である請求項1〜3に記載の感光性組成物。
  5. 【請求項5】 一般式〔I〕におけるR7 、R8 および
    9 が水素原子である請求項1〜4に記載の感光性組成
    物。
  6. 【請求項6】 一般式〔I〕におけるR5 およびR6
    異なっていても良いC1 〜C6 のアルキル基であり、R
    1 〜R4 の内少なくとも3個が独立にC1 〜C8 のアル
    キル基である請求項1〜5に記載の感光性組成物。
  7. 【請求項7】 有機酸アニオンが有機スルホン酸もしく
    は硫酸モノエステルのアニオンである請求項2に記載の
    感光性組成物。
  8. 【請求項8】 有機スルホン酸がナフタレン環を含むも
    のである請求項7に記載の感光性組成物。
  9. 【請求項9】 硫酸モノエステルがポリオキシエチレン
    構造を含むものである請求項7に記載の感光性組成物。
  10. 【請求項10】 一般式〔I〕におけるR1 〜R4 の内
    少なくとも3個がC 2 〜C8 のアルキル基であり、R5
    およびR6 が異なっていても良いC2 〜C6のアルキル
    基である請求項1〜9に記載の感光性組成物。
  11. 【請求項11】 支持体上に請求項1〜10に記載の感
    光性組成物からなる層を設けてなる感光性平版印刷版。
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