JPH11289149A - 薄型電子回路部品の製造装置及び薄型電子回路部品 - Google Patents

薄型電子回路部品の製造装置及び薄型電子回路部品

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JPH11289149A
JPH11289149A JP9213898A JP9213898A JPH11289149A JP H11289149 A JPH11289149 A JP H11289149A JP 9213898 A JP9213898 A JP 9213898A JP 9213898 A JP9213898 A JP 9213898A JP H11289149 A JPH11289149 A JP H11289149A
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laser
film
conductive paste
electronic circuit
heating
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JP9213898A
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Takashi Matsumoto
隆 松本
Takeoki Miyauchi
建興 宮内
Shinichi Wai
伸一 和井
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の第1の目的は、乾燥を短時間に行え、
生産性の向上した薄型電子回路部品の製造装置を提供す
ることにある。 【解決手段】フィルム10の表面に印刷された導電ペー
スト32は、レーザ装置40A,40B,40Cから照
射されるレーザ光によって乾燥されて電子回路を形成す
る。レーザ装置40Aは、レーザ波長が1.06μmの
YAGレーザであり、レーザ装置40B,40Cは、レ
ーザ波長が10.6μmのCO2レーザを用いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄型電子回路部品
の製造装置及び薄型電子回路部品に係り、特に、電子回
路を内蔵したICカードやメンブレンスイッチ等のフィ
ルム材に形成される薄型電子回路の製造装置及び薄型回
路部品に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、情報管理の1つの傾向として、小
型ICチップを内蔵したICカードの普及が急速に進み
つつある。ICカードの種類も、密着形,近接形,遠距
離形と多くなっている。また、ICカードは、高い信頼
性等を要求される分野(電話料金や定期などの料金の支
払に関わる分野,会社や学校などの個人の身分照明に関
わる分野)等用途も拡大する傾向がある。
【0003】このようなICカード等においては、IC
を実装する電子回路が形成され、使用過程において高い
信頼性が要求される。これらの電子回路は、フィルム材
上に導電ペーストをマスクを利用して印刷後、乾燥によ
って形成されるのが一般的である。このような電子回路
形成のための導電ペーストの乾燥方法としては、従来
は、温熱炉による乾燥や、赤外線を用いた方法がよく使
用されている。
【0004】また、ICカードの構造としては、フィル
ムの上下面に電子回路を形成し、上下の電子回路をスル
ーホールに充填した導電ペーストにより接続する構成の
ものが用いられつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィル
ム材上に回路を形成するために印刷される導電ペースト
は、導電用金属粒と有機溶剤、バインダー等が調合され
たものが一般に用いられ、乾燥すると、溶剤が蒸発し、
金属粒子間の結合が密となって、抵抗値が低下し、回路
が形成される。混入される溶剤は、印刷工程での蒸発を
防止する目的で、高沸点(沸点が100℃以上)で蒸発
速度が低い物が選ばれる。このような導電ペーストは、
温風や赤外線照射加熱で乾燥するのが一般的であるが、
乾燥時間が短いと、外見上は乾いていても、内部までは
完全に乾かず、金属粒子間の結合が密にならないので、
抵抗が無限大を示し、回路としての機能を果たさないこ
とになる。従って、従来の温風等による加熱乾燥方法で
は、短期間で乾燥させるのが難しいので、ペースト内部
まで完全に乾燥し、低い抵抗値にするには、時間がかか
り、カード生産時の生産性が低いという第1の問題があ
った。
【0006】また、フィルムの上下面の電子回路をスル
ーホールに充填したペーストにより接続する構成のもの
においては、フィルム材の厚さが薄いため、フィルム材
に形成されたスルーホールにペーストを充填してもプリ
ント板のように保持が困難であり、印刷時に下へ抜ける
確率が高いため、フィルムのような薄い材料に安定した
スルーホールを形成することが困難であり、電子回路部
品の信頼性が低下するという第2の問題があった。
【0007】本発明の第1の目的は、乾燥を短時間に行
え、生産性の向上した薄型電子回路部品の製造装置を提
供することにある。また、本発明の第2の目的は、安定
したスルーホールを形成することができ、信頼性の向上
した薄型電子回路部品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の薄型電子回路部品の製造装置は、フ
ィルムの導電ペーストが印刷された面にレーザ光を照射
するレーザ照射手段と、上記フィルムの導電ペーストが
印刷された面と反対面から上記フィルム及び上記導電ペ
ーストを加熱する加熱手段とを用いて、フィルムの表面
に印刷された導電ペーストを乾燥させて電子回路を形成
するようにしたものであり、レーザ光による局部加熱を
行うことにより、乾燥を短時間に行え、生産性が向上し
得るものとなる。
【0009】また、上記加熱手段としては、レーザ光を
照射する第2のレーザ照射手段とすることにより、フィ
ルムの下面からも局部加熱を行え、乾燥を短時間に行
え、生産性が向上し得るものとなる。
【0010】さらに、上記レーザ照射手段としては、複
数回に分けて上記導電ペースト上にレーザ光を照射する
ことにより、導電ペーストを乾燥して形成される回路の
抵抗を小さくし得るものとなる。
【0011】また、さらに、上記レーザ照射手段は、波
長選択形のグレーティングレーザとしたものであり、フ
ィルムをあまり加熱することなく、導電ペーストだけを
選択的に加熱可能なレーザ光を導電ペーストに照射し
て、フィルムの変形をもたらすことなく、導電ペースト
の乾燥を行い得るものとなる。
【0012】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の薄型電子回路部品は、上記導電ペーストを充填
するスルーホールは、テーパ形状の穴とし、そのテーパ
角θは45゜以上であり、下穴径R2とフィルムの厚さ
Tの比率(R2/T)を1.7以下とすることにより、
スルーホールへの導電ペーストの充填率を向上して、安
定したスルーホールを形成することができ、信頼性を向
上し得るものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を用いて、本発
明の一実施形態による薄型電子回路部品の製造装置の構
成について説明する。最初に、図1を用いて、本発明の
一実施形態による薄型電子回路部品の製造装置の構成に
ついて説明する。
【0014】本実施形態による薄型電子回路部品の製造
装置は、フィルムの上に導電ペーストを印刷した後、導
電ペーストを乾燥させることにより、電子回路を形成す
るものである。フィルム10は、ロールフィーダ20
A,20Bによって搬送され、ペースト回路印刷機30
に送られる。フィルム10の材質としては、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)を用いている。ペースト回
路印刷機30は、フィルム10の上に、スクリーンマス
ク等を用いて、導電ペースト32を所定のパターンに印
刷する。印刷されたペースト32は、有機溶剤,バイン
ダ等の中に銀等の金属粒が点在している状態で導通がな
く、抵抗値は無限大である。その状態で、ロールフィー
ダ20A,20Bによって、次の乾燥工程へ搬送され
る。
【0015】乾燥工程においては、加熱源として、3個
のレーザ装置40A,40B,40Cを用いる。レーザ
装置40A,40Bは、導電ペースト32の上面に配置
され、レーザ装置40Cは、フィルム10の下面に配置
される。なお、レーザ装置40A,40Bの配置につい
ては、図2を用いて後述する。
【0016】レーザ装置40Aは、レーザ波長が1.0
6μmのYAGレーザを用いている。レーザ装置40A
の出力は、30Wである。また、レーザ装置40Bは、
レーザ波長が10.6μmのCO2レーザを用いてい
る。レーザ装置40Bの出力は、40Wである。2つの
レーザ装置40A,40Bから出射した2種類の波長を
有するレーザ光は、重ね合わされて、フィルム10の上
に印刷された導電ペースト32に照射される。レーザ装
置40Cは、レーザ波長が10.6μmのCO2レーザ
を用いている。フィルム10の搬送速度は20mm/s
であり、一定としている。
【0017】フィルム10として、ポリエチレン系のP
ET(ポリエチレンテレフタレート)を用いる場合、
1.06μm(YAGレーザ)の波長の光に対する吸収
率は、1.3%程度であり、10.6μm(CO2レー
ザ)の波長の光に対する吸収率は、34%程度である。
導電ペースト32として、銀ペーストを用いる場合、
1.06μm(YAGレーザ)及び10.6μm(CO
2レーザ)の波長の光に対する吸収率は、55%程度で
ある。従って、導電ペースト32の上面からレーザ装置
40Aによって1.06μmの波長の光(YAGレー
ザ)を照射することにより、専ら、導電ペースト32を
加熱乾燥することができる。また、導電ペースト32の
上面からレーザ装置40Aによって10.6μmの波長
の光(CO2レーザ)を照射することにより、導電ペー
スト32及びフィルム10を加熱して、フィルム10が
加熱されることにより、裏面(フィルム10と導電ペー
スト32の接触面)から導電ペースト32の加熱乾燥す
ることができる。
【0018】さらに、フィルム10の下面から照射する
光としては、CO2レーザであるレーザ装置40Cを用
いることにより、導電ペースト32及びフィルム10が
加熱され、フィルム10が加熱されることにより、フィ
ルム10と導電ペースト32の接触面から導電ペースト
32の加熱乾燥することができる。導電ペースト32が
乾燥すると、電子回路34が形成される。
【0019】即ち、本実施形態においては、加熱源とし
てレーザ光を用いることにより、局部加熱が可能であ
り、導電ペーストを短時間で加熱乾燥することができ
る。また、このとき、導電ペースト32の上面から照射
する光として、YAGレーザだけでなく、CO2レーザ
を用いることにより、フィルム10自体も加熱して、フ
ィルム10の加熱により、導電ペースト32をより短時
間で乾燥することができる。また、さらに、フィルム1
0の下面からも、CO2レーザにより照射することによ
り、フィルム10自体も加熱して、フィルム10の加熱
により、導電ペースト32をより短時間で乾燥すること
ができる。
【0020】さらに、レーザ装置40A,40Bからの
レーザ光の照射により導電ペースト32が加熱乾燥され
る位置には、窒素や温風等のホットガスを吹き付けるノ
ズル50が配置されている。ホットガスの温度は、例え
ば、フィルム10の変質温度(120℃)よりは低い8
0℃としている。このような高温のガスを吹き付けるこ
とにより、レーザ光の照射位置において加熱蒸発した有
機溶剤等を吹き飛ばし易くして、乾燥時間をさらに短縮
することができる。
【0021】また、フィルム10の上下面には、それぞ
れ、放射温度計測器60A,60Bが配置されている。
放射温度計測器60Aは、フィルム10の上面の導電ペ
ースト32の加熱温度を検出する。放射温度計測器60
Aによって検出された温度は、制御装置70Aに入力
し、制御装置70Aは、導電ペースト32の温度が所定
の温度となるように、レーザ装置40A,40Bの出力
を制御する。また、放射温度計測器60Bは、フィルム
10の下面の加熱温度を検出する。放射温度計測器60
Bによって検出された温度は、制御装置70Bに入力
し、制御装置70Bは、導電ペースト32の温度が所定
の温度となるように、レーザ装置40Cの出力を制御す
る。導電ペースト32の加熱温度をほぼ一定となるよう
に制御することによって、乾燥して形成された電子回路
34の抵抗値をほぼ一定にすることができ、電子回路3
4の品質を向上することができる。
【0022】次に、図2を用いて、レーザ装置40A,
40Bの配置について説明する。図2は、図1の側面方
向から見た図である。図2に示されるフィルム10は、
図1に示したように、ロールフィーダ20A,20Bに
よって搬送されるロール状のフィルム10を、幅方向か
ら見た図である。従って、フィルム10は、紙面の手前
側から奥方向に搬送される。フィルム10の幅は、例え
ば、25cmである。
【0023】図2(A)に示されるように、レーザ装置
40A,40Bは、フィルム10を幅方向に挟んで対称
位置に配置されている。レーザ装置40Aから出射され
るレーザ光の光軸と、レーザ装置40Bから出射される
レーザ光の光軸は、フィルム10の幅方向において僅か
にずれるように配置されている。レーザ装置40A,4
0Bから出射されるレーザビームの出力分布は、中心の
出力が高いガウス分布となっている。そこで、フィルム
10の幅方向の左右の2方向から斜めに出射したレーザ
光を、フィルム10の中央表面で光軸を僅かにずらして
重ね合わせるようにすることにより、重ね合わされたレ
ーザ光の強度(W)は、図2(B)に示すように、フィ
ルム10の幅方向においてほぼ一定となる。従って、フ
ィルム10の上の導電ペースト32をほぼ均一に加熱乾
燥することができる。
【0024】なお、CO2レーザであるレーザ装置40
B,40Cとしては、波長選択形のグレーティングCO
2レーザを用いることもできる。一般のCO2レーザの発
振波長は、10.6μm付近を中心として、波長9.2
μm〜10.8μmの範囲で、多波長のマルチ発振とな
っている。それに対して、波長選択形のグレーティング
CO2レーザを用いることにより、単一波長を選択して
導電ペーストに照射することが可能となる。ここで、波
長選択形のグレーティングCO2レーザを用いる場合、
本実施形態においては、選択照射する波長を、10.6
7μmに選定するようにしている。
【0025】ここで、図3を用いて、フィルム材である
PETと導電ペーストである銀ペーストの吸収率の波長
特性について説明する。CO2レーザは、発振波長は、
10.6μm付近を中心として、9.2〜10.8μm
の範囲で多波長のマルチ発振となっている。この範囲に
おけるPETおよび銀ペーストの吸収率曲線は、図6に
示すようになっている。PETの特性は、実線で示すよ
うに、10.3μm付近に吸収ピークを持ち、10.6
μm前後では、20〜80%に急変化する吸収特性を有
している。これに対し、銀ペーストの吸収率特性は、一
点鎖線で示すように、若干の変化は有るものの、60%
前後で一定である。PETは、高分子物質が赤外領域に
おいて、分子の振動・回転による吸収変化が波長に対し
て微細な構造を持つことによる。
【0026】波長選択形のグレーティングCO2レーザ
は、CO2レーザの発振器の反射ミラーにグレーティン
グ(回析格子)を用い、ある特定の単一波長のみを選定
することが可能なものである。
【0027】そこで、例えば、波長選択形のグレーティ
ングCO2レーザの出射波長を10.27μmを選定す
ると、PETの吸収率は80%であり、導電ペーストの
吸収律は58%となり、導電ペーストが乾燥する条件で
は、PETの温度が過剰に上がり、変色・そり変化が発
生する恐れがある。
【0028】それに対して、選択した波長を10.6μ
mとすると、PETの吸収率は33.2%であり、導電
ペーストの吸収率は64%となり、PETの変質を低減
できるものの、完全には除去できない。
【0029】そこで、選択した波長を10.67μmと
することにより、PETの吸収率は27%と低減して、
導電ペーストの吸収率を64.2%を高くすることによ
り、PETの変質の発生しない温度条件で加熱すると同
時に、導電ペーストを乾燥・形成できる。このように、
CO2レーザにおいて、最適波長を選定することによっ
て、最適形成条件を設定することが可能となる。
【0030】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、加熱源としてレーザ光を用いることにより、局部加
熱が可能であり、導電ペーストを短時間で加熱乾燥する
ことができる。従って、薄型電子回路部品の生産性の向
上することができる。また、レーザ装置として、CO2
レーザを用いることにより、フィルム自体も加熱して、
導電ペースト32をより短時間で乾燥することができ
る。また、さらに、フィルムの下面からも、CO2レー
ザにより照射することにより、フィルム自体の加熱と、
導電ペーストの加熱により、導電ペーストをより短時間
で乾燥することができる。また、フィルムの上面の導電
ペーストの加熱温度を検出して、この温度が所定の温度
となるように、レーザ装置の出力を制御することによ
り、乾燥して形成された電子回路の抵抗値をほぼ一定に
することができ、電子回路の品質を向上することができ
る。また、さらに、2つのレーザ光を重ね合わせること
により、重ね合わされたレーザ光の強度をフィルムの幅
方向においてほぼ一定にすることができ、フィルムの上
の導電ペーストをほぼ均一に加熱乾燥することができ
る。また、CO2レーザであるレーザ装置としては、波
長選択形のグレーティングCO2レーザを用いて、波長
を10.67μmに選定することにより、フィルムの吸
収率を低減して、導電ペーストの吸収率を高くすること
により、PETの変質の発生しない温度条件で加熱する
と同時に、導電ペーストを乾燥・形成できる。
【0031】次に、図4〜図6を用いて、本発明の第2
の実施形態による薄型電子回路部品の製造装置の構成に
ついて説明する。最初に、図4を用いて、本発明の第2
の実施形態による薄型電子回路部品の製造装置の構成に
ついて説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を
示している。
【0032】フィルム10は、ロールフィーダ20A,
20Bによって搬送され、ペースト回路印刷機30に送
られる。フィルム10の材質としては、PET(ポリエ
チレンテレフタレート)を用いている。ペースト回路印
刷機30は、フィルム10の上に、スクリーンマスク等
を用いて、導電ペースト32を所定のパターンに印刷す
る。印刷されたペースト32は、有機溶剤,バインダ等
の中に銀等の金属粒が点在している状態で導通がなく、
抵抗値は無限大である。その状態で、ロールフィーダ2
0A,20Bによって、次の乾燥工程へ搬送される。
【0033】乾燥工程においては、加熱源として、レー
ザ装置40A及び加熱されたコンベア80を用いてい
る。レーザ装置40Aは、導電ペースト32の上面に配
置され、コンベア80は、フィルム10の下面に配置さ
れる。
【0034】レーザ装置40Aは、レーザ波長が1.0
6μmのYAGレーザを用いている。レーザ装置40A
の出力は、80Wである。なお、図1において説明した
ように、単一のレーザ装置40Aに替えて、レーザ波長
が1.06μmで出力が30WののYAGレーザからな
るレーザ装置40Aと、レーザ波長が10.6μmで出
力が40WのCO2レーザからなるレーザ装置40Bを
も用いるようにしてもよいものである。
【0035】レーザ装置40Aから出射したレーザ光
は、ハーフミラー42A,42B,42C及びミラー4
4によって光路を分岐される。YAGレーザであるレー
ザ装置40Aの出力が80Wの場合、ハーフミラー42
A,42B,42Cによってそれぞれ反射され、フィル
ム10の上に印刷された導電ペースト32に照射される
レーザのビームのパワーを、それぞれ20Wとする。ま
た、ミラー44によってそれぞれ反射され、フィルム1
0の上に印刷された導電ペースト32に照射されるレー
ザのビームのパワーを、15Wとする。
【0036】ミラー44に反射されたレーザ光は、プリ
ヒートビームとして用いられる。導電ペースト32をプ
リヒートすることにより、導電ペースト32の表面を乾
燥させるように指触乾燥させる。さらに、導電ペースト
32の本乾燥は、ハーフミラー42A,42B,42C
によってレーザビームを3分割することにより、3回照
射により行われる。導電ペースト32が乾燥すると、電
子回路34が形成される。フィルム10の搬送速度は2
0mm/sであり、一定としているため、本乾燥は、3
回に分けての間欠乾燥となる。この3回照射乾燥の理由
については、図5を用いて後述する。
【0037】さらに、本実施形態においては、フィルム
10の下面に、加熱されたコンベア80を配置して、予
備加熱を行うようにしている。コンベア80は、ヒータ
82によって加熱される。コンベア80を加熱するヒー
タ82の温度は、温度コントローラ84によって制御さ
れる。ヒータ82の設定温度は、熱源をYAGレーザと
した場合は50〜60゜Cとし、YAGレーザとCO2
レーザを重ね照射する場合は50゜C前後とする。CO
2レーザを併用する場合には、CO2レーザによるフィル
ム10の加熱が行われるため、コンベア80の設定温度
は、YAGレーザ単体の場合に比べて低めにしている。
フィルム10は、熱容量断面積が低いので、コンベア8
0との接触後、レーザ照射前に、十分昇温できる。
【0038】即ち、本実施形態においては、加熱源とし
てレーザ光を用いることにより、局部加熱が可能であ
り、導電ペーストを短時間で加熱乾燥することができ
る。また、加熱されたコンベアを用いて予備加熱を行う
ことにより、予めフィルムを昇温した上で、レーザ光を
照射することにより、本乾燥を短時間で行うことができ
る。また、ミラー44を用いて、導電ペースト32をプ
リヒートすることにより、本乾燥を短時間で行うことが
できる。また、このとき、導電ペースト32の上面から
照射する光として、YAGレーザだけでなく、CO2レ
ーザを用いることにより、フィルム10自体も加熱し
て、フィルム10の加熱により、導電ペースト32をよ
り短時間で乾燥することができる。
【0039】さらに、レーザ装置40Aからのレーザ光
の照射により導電ペースト32が加熱乾燥される位置に
は、窒素や温風等のホットガスを吹き付けるノズル50
A,50B,50C,50Dが配置されている。ホット
ガスの温度は、例えば、フィルム10の変質温度(12
0℃)よりは低い80℃としている。このような高温の
ガスを吹き付けることにより、レーザ光の照射位置にお
いて加熱蒸発した有機溶剤等を吹き飛ばし易くして、乾
燥時間をさらに短縮することができる。
【0040】なお、本実施形態において図示は省略して
いるが、図1において説明したように、フィルム10の
上面に放射温度計測器を配置して、放射温度計測器によ
って検出された温度が一定となるように、制御装置によ
ってレーザ装置40Aの出力を制御するようにすること
もできる。導電ペースト32の加熱温度をほぼ一定とな
るように制御することによって、乾燥して形成された電
子回路34の抵抗値をほぼ一定にすることができ、電子
回路34の品質を向上することができる。
【0041】次に、図5及び図6を用いて、複数回照射
の効果について説明する。本実施形態においては、図4
において説明したように、レーザ装置40Aから出射し
たレーザ光は、ハーフミラー42A,42B,42Cに
よって4つの光路に分割され、内、ハーフミラー42
A,42B,42Cによって反射された3つのレーザ光
によって、3回の間欠加熱を行うようにしている。
【0042】印刷された導電ペーストは、乾いていない
状態では導通が無く、抵抗は無限大を示す。次に加熱・
乾燥を行うと、導通性が、抵抗値低下に伴い、増加す
る。ここで、図6は、炉によって連続加熱の場合を示し
ているが、図6は、回路幅約1mm×長さ400mm程
度の印刷ペースト回路を乾燥・形成した場合の抵抗変化
を示している。即ち、炉による乾燥の場合、150℃で
加熱すると、5分程度で40〜50Ωまで低下し、後は
加熱してもその抵抗は下がらず、ほぼ一定となる。
【0043】それに対して、図5は、本実施形態による
レーザ光の3回間欠照射加熱の場合の抵抗変化を示して
いる。即ち、図5に示すように、レーザ光の照射回数を
重ねるに従い、段階的に抵抗を低下させることができ
る。これは、抵抗値の低減に対しては、加熱時間よりも
加熱回数に大きく依存することを利用したものであっ
て、レーザの局部加熱による急熱・急冷が可能な特質を
生かせば短時間で可能となる。
【0044】図5に示す例では、最初に、コンベア80
による予備加熱及びミラー44によて反射されたレーザ
光によるプリヒート時点では、抵抗値は無限大のままで
あるが、その後、コンベア80によるフィルム10の下
面からの加熱を行いながら、YAGレーザ40Aにより
3回の間欠加熱を行ったところ、3回目の加熱で20Ω
まで抵抗値を低下させることが可能であった。しかも、
加熱に要する時間は、3回間欠照射の合計時間で約1分
と、炉加熱の1/5と短縮でき、しかも、抵抗値が半分
以下の回路形成が可能となる。
【0045】なお、以上の説明では、レーザ装置として
は、YAGレーザ単体、若しくは、YAGレーザとCO
2レーザとの組合せを用いるものとして説明したが、C
O2レーザ単体で実施することもでき、この場合には、
コンベア加熱を不要とすることができる。即ち、PET
フィルムの吸収率は、1.06μm(YAGレーザ)で
は1.3%程度であるのに対し、10.6μm(CO2
レーザ)では34%と25倍も高い。また、Agペース
トの吸収率は両波長ともに55%程度であるので、1
0.6μmの波長(CO2レーザ)を用いれば、導電ペ
ーストの加熱と同時にPETの加熱を実施できる。フィ
ルムの下部を空間とすれば、熱の保持性を向上できるの
で、コンベアによる予備加熱と同等の効果が得られる。
また、コンベアによる予備加熱の温度を100℃とする
ことにより、アニール効果も同時に実施できる。
【0046】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、レーザによる複数回加熱・乾燥によって電子回路部
品を形成することにより、低抵抗化した品質の高い回路
部品を形成できる。また、加熱源としてレーザ光を用い
ることにより、局部加熱が可能であり、導電ペーストを
短時間で加熱乾燥することができる。従って、薄型電子
回路部品の生産性の向上することができる。また、レー
ザ装置として、CO2レーザを用いることにより、フィ
ルム自体も加熱して、導電ペースト32をより短時間で
乾燥することができる。また、さらに、フィルムの下面
からコンベアにより加熱することにより、導電ペースト
をより短時間で乾燥することができる。
【0047】次に、図7〜図10を用いて、本発明の他
の実施形態による薄型電子回路部品の構成について説明
する。最初に、図7を用いて、本実施形態によるフィル
ムに形成されるスルーホールの形状について説明する。
【0048】ICカード等においては、フィルムの上下
面に導電ペーストの印刷乾燥により電子回路を形成する
場合があるが、フィルムの上下面の電子回路をスルーホ
ールに充填したペーストにより接続する構成のものにお
いては、フィルム材の厚さが薄いため、フィルム材に形
成されたスルーホールにペーストを充填してもプリント
板のように保持が困難であり、印刷時に下へ抜ける確率
が高いものである。プリント基板の厚さは、数百μmあ
るのに対して、フィルムの厚さは、100μm以下、例
えば、50μmであるので、スルーホールの側壁と充填
された導電ペーストの接触面積が小さいため、フィルム
のスルーホールに導電ペーストを印刷した後、フィルム
をチャックから外すと、スルーホール中の導電ペースト
が下部のチャックに付着して、スルーホールから抜け落
ちることになる。、従来のフィルムに形成されたスルー
ホールは、円筒形状をしており、フィルムの上面のスル
ーホールの直径と、下面のスルーホールの直径が等しい
ものを用いていた。それに対して、本実施形態において
は、図7(A)に示すように、フィルム10に形成され
るスルーホール12の断面形状がテーパ状、即ち、図示
するように、テーパ角度θを有しており、スルーホール
の上面の直径R1が、下面の直径R2に比べて大きくな
るようにしている。なお、同図(B)は、(A)の平面
図である。
【0049】次に、図8を用いて、テーパ状のスルーホ
ールの形成方法について説明する。短パルスCO2レー
ザからのレーザ光Lを、フィルム10に対し、フィルム
10の下面が焦点位置となるようにレンズ46により集
光して、穴開けする。レンズ46の焦点距離は、ビーム
集光角と対応し、短い程、穴テーパ角度θが大きくな
る。
【0050】下穴径R2は、集光用パルスCO2レーザ
で最小20μm程度にすることができる。上穴径R1
は、テーパ角度と、下穴径によって決まる。テーパ角が
50゜で下穴径R2が20μmの場合、フィルムの厚さ
Tを50μmとすると、上穴径R1は、140μmとな
る。加工速度は、最近の高性能CO2パルスレーザによ
れば、1パルス加工の再現性も優れているので、300
HZ程度で行うと、ガルバノスキャン方式で、1秒あた
り300穴の高速加工が可能である。
【0051】次に、図9を用いて、本実施形態によって
形成されたスルーホールを用いて、薄型電子回路部品を
形成する方法について説明する。図9(A)において、
フィルム10には、図8に示した方法により、テーパ状
スルーホール12が形成されている。フィルム10の上
面に、開口部36Aを有するマスク36を密着させ、ス
キージ38を用いて、開口部36Aに導電ペースト32
を充填して、電子回路を印刷する。また、このとき、ス
ルーホール12内にも導電ペースト32が充填される。
【0052】次に、図9(B)に示すように、フィルム
10の上面からマスク36を剥すことにより、電子回路
のパターンに沿った形状の導電ペースト32が印刷され
る。ここで、フィルム10の下のチャックからフィルム
10を持ち上げても、スルーホール12内の導電ペース
ト32は、下に抜け落ちることなく、スルーホール12
内に保持されている。この後、導電ペースト32を乾燥
して、電子回路を形成される。
【0053】さらに、図9(C)に示すように、フィル
ム10を下面にもマスクを用いて導電ペースト32Aを
印刷し、乾燥させることにより、電子回路を形成する。
フィルム10の上面の電子回路と、下面の電子回路は、
スルーホール12を介して電気的に接続される。
【0054】次に、図10を用いて、スルーホールのテ
ーパ角と穴径の関係について説明する。本発明者らは、
実際にCO2レーザによって、加工条件(焦点位置、パ
ルス条件)を変えて穴加工し、そのフィルムに実際にペ
ースト印刷を行い、充填率の調査をした。図10は、そ
のデータを示している。
【0055】図10の縦軸は下穴径を示し、横軸はテー
パ角を示し、充填率を図中に示している。図中の1記号
当たりのデータは、いずれも50〜150個の穴につい
て調査した。なお、フィルムとしてはPETを用い、そ
の厚さは、実際に使用する50μmのものとしている。
【0056】図10から理解されるように、テーパ角θ
が45゜以上で、下穴径がφ90μm以下のスルーホー
ルについては、導電ペーストの不保持による不良の発生
は極めて少なく、充填率は90%以上であった。ここ
で、充填率とは、例えば、100個のスルーホールに導
電ペーストを充填して、マスクを剥し、チャックから剥
した状態でスルーホール中に保持されている割合であ
る。特に、テーパ角θが45゜以上で、下穴径がφ50
μm以下のスルーホールについては、導電ペーストの不
保持による不良の発生は全くなく、充填率は100%で
あり、歩留まり100%を示した。
【0057】例えば、下穴径がφ50μmのときの上穴
径はφ170μmであり、テーパ角は50゜であった。
このときの穴加工条件は、CO2パルスレーザ、平均出
力45W,300HZの条件である。
【0058】図10に示した結果から理解されるよう
に、充填率を高めるには、テーパ角は45゜以上とする
必要がある。また、下穴径については、フィルムの厚さ
との相関があることから、下穴径R2をフィルムの厚さ
T(本例では、50μm)で規格化することにより、
(下穴径R2/フィルムの厚さT)を1.7(=85/
50)以下とし、さらに、好適には、1.0(=50/
50)以下とすることにより、スルーホールへの導電ペ
ーストの充填率を高めて、ペースト充填不良を防止する
ことができることが判明した。導電ペーストの充填不良
を改善できる結果、フィルムの上下面に形成される2層
構造の電子回路部品の信頼性を向上することができる。
【0059】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、安定したスルーホールを形成することができ、薄型
電子回路部品の信頼性を向上することができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、フィルム上に印刷され
た導電ペーストの乾燥を短時間に行え、薄型電子回路部
品の生産性を向上することができる。
【0061】また、フィルムに安定したスルーホールを
形成することができ、薄型電子回路部品の信頼性を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による薄型電子回路部品の
製造装置の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による薄型電子回路部品の
製造装置の加熱源であるレーザ装置の配置を示す図であ
る。
【図3】本発明の一実施形態による薄型電子回路部品の
製造装置に用いるフィルム材であるPETと導電ペース
トである銀ペーストの吸収率の波長特性図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による薄型電子回路部
品の製造装置の全体構成を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施形態による薄型電子回路部品の
製造装置における複数回照射時の抵抗値の変化を示す説
明図である。
【図6】1回照射時の抵抗値の変化を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の他の実施形態による薄型電子回路部品
に用いるフィルムに形成されるスルーホールの形状の説
明図であり、(A)は断面図を示し、(B)は平面図を
示している。
【図8】本発明の他の実施形態による薄型電子回路部品
に用いるフィルムにテーパ状のスルーホールを形成する
方法の説明図である。
【図9】本発明の他の実施形態による薄型電子回路部品
の形成方法を示す工程図である。
【図10】本発明の他の実施形態による薄型電子回路部
品のスルーホールのテーパ角と穴径の関係の実験結果を
示す図である。
【符号の説明】
10…フィルム 12…スルーホール 20A,20B ロールフィーダ 30…印刷機 32…導電ペースト 34…形成回路 36…マスク 38…スキージ 40…レーザ装置 42…ハーフミラー 44…反射ミラー 50…ノズル 60…温度計測器 70…温度制御器 80…コンベア 82…ヒータ 84…温度コントローラ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムの表面に印刷された導電ペースト
    を乾燥させて電子回路を形成する薄型電子回路部品の製
    造装置において、 上記フィルムの導電ペーストが印刷された面にレーザ光
    を照射するレーザ照射手段と、 上記フィルムの導電ペーストが印刷された面と反対面か
    ら上記フィルム及び上記導電ペーストを加熱する加熱手
    段とを備えたことを特徴とする薄型電子回路部品の製造
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の薄型電子回路部品の製造装
    置において、 上記加熱手段は、レーザ光を照射する第2のレーザ照射
    手段であることを特徴とする薄型電子回路部品の製造装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の薄型電子回路部品の製造装
    置において、 上記レーザ照射手段は、複数回に分けて上記導電ペース
    ト上にレーザ光を照射することを特徴とする薄型電子回
    路部品の製造装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の薄型電子回路部品の製造装
    置において、 上記レーザ照射手段は、波長選択形のグレーティングレ
    ーザであることを特徴とする薄型電子回路部品の製造装
    置。
  5. 【請求項5】フィルムの上下面に印刷された導電ペース
    トをスルーホールに充填された導電ペーストで接続し、
    導電ペーストを乾燥させて電子回路が形成された薄型電
    子回路部品において、 上記スルーホールは、テーパ形状の穴とし、そのテーパ
    角θは45゜以上であり、下穴径R2とフィルムの厚さ
    Tの比率(R2/T)を1.7以下としたことを特徴と
    する薄型電子回路部品。
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