JPH11289595A - 電気音響変換器用振動板およびその製造方法 - Google Patents

電気音響変換器用振動板およびその製造方法

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JPH11289595A
JPH11289595A JP9316898A JP9316898A JPH11289595A JP H11289595 A JPH11289595 A JP H11289595A JP 9316898 A JP9316898 A JP 9316898A JP 9316898 A JP9316898 A JP 9316898A JP H11289595 A JPH11289595 A JP H11289595A
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智春 石井
Akihiro Nonogaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板本体とエッジとの接着強度が向上する
電気音響変換器用振動板およびその製造方法を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 振動板本体12と、振動板本体12の外
周縁部に内周縁部が重なるように設けられ、振動板本体
の材質とは異なる材質であって、主成分のゴムに発泡剤
を混入した材質のエッジ14とからなる振動板(電気音
響変換器用振動板)10であって、振動板本体12の外
周縁部の厚さを外周縁部近傍の厚さより薄く形成し、エ
ッジ14の内周縁部の厚さを内周縁部近傍の厚さより薄
く形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動板本体と、該
振動板本体の外周縁部に内周縁部が重なるように設けら
れ、前記振動板本体の材質とは異なる材質であって、主
成分のゴムに発泡剤を混入した材質のエッジとからなる
電気音響変換器用振動板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気音響変換器用振動板(以下、本明細
書では振動板という)に求められる条件は、入力信号に
対してリニアリティが良いこと,逆共振現象を起しにく
いこと,充分な信頼性があること,製造が容易で安価なこ
と,軽量であること等が挙げられる。
【0003】又、振動板の構造は、振動板本体とエッジ
とを一体的に形成したフィックスドエッジ振動板,振動
板本体とエッジとが別部材のフリーエッジ振動板が提案
されている。
【0004】フィックスドエッジ振動板は、振動板本体
とエッジとを接着する工程が不要なため、製造工程は簡
素化される。しかし、エッジの材質が振動板本体の材質
と同じ比較的剛性の高い材質となるので、上述した振動
板に求められる条件を満足することが困難である。
【0005】一方、フリーエッジ振動板は、振動板本体
とエッジとを異なる材質とすることができるので、フィ
ックスドエッジ振動板に比べて上述した振動板に求めら
れる条件を比較的達成しやすいが、エッジを振動板本体
に接着する工程が必要であり、製造工程が増加する問題
点がある。
【0006】このフリーエッジ振動板の問題点を解決す
るために、インジェクション成形法を用い、金型内でエ
ッジを成形すると同時に、振動板本体とエッジとを一体
化する方法が提案されている。
【0007】しかし、従来のインジェクション成形法で
製造されるエッジの材質は、すべてソリッドな構造体
(例えば、各種加硫ゴム,熱可塑性エラストマー等)であ
るので、成形時にエッジが収縮することにより生じる残
留応力の緩和がうまく行われず、エッジに大きな変形を
起す問題点がある。
【0008】この問題点を解決するために、図10に示
すような手法が提案されている。即ち、先ず、(a)図に
示すように、予め成形した振動板本体1を合わせ金型の
一方の金型2にセットし、次に、(b)図に示すように、
主成分のゴムに発泡剤を混合したエッジ基材3を一方の
金型2にセットする。
【0009】そして、(c)図に示すように、合わせ金型
の一方の金型2と他方の金型4とを加熱すると、エッジ
基材3が溶融発泡し、エッジ5が形成されると共に、振
動板本体1とエッジ5とが一体化し、(d)図に示すよう
に振動板本体1の外周縁部にエッジ5が一体的に形成さ
れた振動板6が形成される。
【0010】この手法を用いてエッジ5を形成すること
により、音響特性に優れ、変形の少ない優れた振動板を
実現できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エッジの材質
として発泡剤を混合したゴムを用い、振動板本体の外周
縁部にエッジを一体的に形成する手法にも、以下のよう
な問題点がある。
【0012】(1) 振動板本体の材質によっては、振動板
本体とエッジとの接着強度が低下する。 (2) 接着剤を用いて振動板本体とエッジとを接着する旧
来のフリーエッジ振動板では、振動板本体とエッジとの
間に接着剤が介在し、この接着剤によりある程度の内部
損失が得られ、逆共振現象を防止したり、振動板本体と
エッジとの貼付ずれにより共振を分散するという効果が
得られる。
【0013】しかし、エッジの材質として発泡剤を混合
したゴムを用い、振動板本体の外周縁部にエッジを一体
的に形成する手法で製造された振動板では、図10(d)
に示すように、振動板本体1とエッジ5との間に介在す
るものがなく、振動板本体1とエッジ5とが直に接して
おり、又、寸法安定性にも優れているので、逆共振現象
が生じやすい。
【0014】(3) 金型形状が複雑となるためエッジと金
型との離型性が悪く、金型のメンテナンスがしずらく、
生産効率が低下する。例えば、図10(d)において、他
方の金型4の面4aには溶融したエッジ基材3が当接す
るが、アンダーカット面となっており、他方の金型4を
抜く際に、面4aとエッジ5との離型性が悪く、面4a
に汚れが溜まりやすくなる。
【0015】更に、この面4aの汚れは洗浄しにくく、
メンテナンスがしずらい。本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたもので、第1の目的は、振動板本体とエッジ
との接着強度が向上する電気音響変換器用振動板および
その製造方法を提供することにある。
【0016】第2の目的は、逆共振現象が発生しにくい
電気音響変換器用振動板およびその製造方法を提供する
ことにある。第3の目的は、エッジと金型との離型性が
良く、金型のメンテナンスが容易で、生産効率が向上す
る電気音響変換起用振動板およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、振動板本体と、該振動板本体の外周
縁部に内周縁部が重なるように設けられ、前記振動板本
体の材質とは異なる材質であって、主成分のゴムに発泡
剤を混入した材質のエッジとからなる電気音響変換器用
振動板であって、前記振動板本体の外周縁部の厚さを外
周縁部近傍の厚さより薄く形成し、前記エッジの内周縁
部の厚さを内周縁部近傍の厚さより薄く形成したことを
特徴とする電気音響変換器用振動板である。
【0018】振動板本体の外周縁部の厚さを外周縁部近
傍の厚さより薄く形成し、この振動板の外周部と重なる
エッジの内周縁部の厚さを内周縁部近傍の厚さより薄く
形成することにより、振動板本体の外周縁部とエッジの
内周縁部とが接触する面積が増え、振動板本体とエッジ
との接着強度が増加する。
【0019】又、振動板本体の外周縁部とエッジの内周
縁部とが重なる部分の剛性は、振動板本体の外周縁部近
傍の剛性と、エッジの内周縁部近傍の剛性との中間的な
剛性となり、逆共振現象が発生しにくい。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の前記振動板本体の外周縁部と前記エッジの内周縁部
とが重なる部分の厚さを前記エッジの他の部分の厚さと
略同じとしたことを特徴とする電気音響変換器用振動板
である。
【0021】振動板本体の外周縁部と前記エッジの内周
縁部とが重なる部分の厚さを前記エッジの他の部分の厚
さと略同じとしたことにより、金型のエッジを形成する
面にアンダーカット面がなくなり、エッジと金型との離
型性が良く、金型のメンテナンスが容易で、生産効率が
向上する。
【0022】請求項3記載の発明は、振動板本体と、該
振動板本体の外周縁部に内周縁部が重なるように設けら
れ、前記振動板本体の材質とは異なる材質であって、主
成分のゴムに発泡剤を混入した材質のエッジとからなる
電気音響変換器用振動板であって、前記振動板本体の外
周縁部に、外周縁部近傍の厚さと略同じ厚さの第1の段
部を設け、前記エッジの内周縁部に、内周縁部近傍の厚
さと略同じ厚さで、前記第1の段部と係合する第2の段
部を設けたことを特徴とする電気音響変換器用振動板で
ある。
【0023】振動板本体の外周縁部に、外周縁部近傍の
厚さと略同じ厚さの第1の段部を設け、前記エッジの内
周縁部に、内周縁部近傍の厚さと略同じ厚さで、前記第
1の段部と係合する第2の段部を設けたことにより、振
動板本体の外周縁部とエッジの内周縁部とが接触する面
積が増え、振動板本体とエッジとの接着強度が増加す
る。
【0024】又、振動板本体の第1の段部と、エッジの
第2の段部とが係合することで、金型のエッジを形成す
る面にアンダーカット面がなくなり、エッジと金型との
離型性が良く、金型のメンテナンスが容易で、生産効率
が向上する。
【0025】請求項4記載の発明は、振動板本体と、該
振動板本体の外周縁部に内周縁部が重なるように設けら
れ、前記振動板本体の材質とは異なる材質であって、主
成分のゴムに発泡剤を混入した材質のエッジとからなる
電気音響変換器用振動板の製造方法であって、外周縁部
の厚さが外周縁部近傍の厚さより薄い振動板本体を形成
し、該振動板本体と、主成分のゴムに発泡剤を混合した
基材とを合わせ型の一方の金型に配置し、前記合わせ型
の他方の金型を用いて型締めした後、前記合わせ型を加
熱し、内周縁部の厚さが内周縁部近傍の厚さより薄いエ
ッジを成形すると同時に、前記振動板の外周縁部に前記
エッジの内周縁部を一体化することを特徴とする電気音
響変換器用振動板の製造方法である。
【0026】振動板本体の外周縁部の厚さを外周縁部近
傍の厚さより薄く形成し、この振動板の外周部と重なる
エッジの内周縁部の厚さを内周縁部近傍の厚さより薄く
形成することにより、振動板本体の外周縁部とエッジの
内周縁部とが接触する面積が増え、振動板本体とエッジ
との接着強度が増加する。
【0027】又、振動板本体の外周縁部とエッジの内周
縁部とが重なる部分の剛性は、振動板本体の外周縁部近
傍の剛性と、エッジの内周縁部近傍の剛性との中間的な
剛性となり、逆共振現象が発生しにくい。
【0028】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明の前記振動板本体の外周縁部と前記エッジの内周縁部
とが重なる部分の厚さを前記エッジの他の部分の厚さと
略同じとしたことを特徴とする電気音響変換器用振動板
の製造方法である。
【0029】振動板本体の外周縁部と前記エッジの内周
縁部とが重なる部分の厚さを前記エッジの他の部分の厚
さと略同じとしたことにより、金型のエッジを形成する
面にアンダーカット面がなくなり、エッジと金型との離
型性が良く、金型のメンテナンスが容易で、生産効率が
向上する。
【0030】請求項6記載の発明は、振動板本体と、該
振動板本体の外周縁部に内周縁部が重なるように設けら
れ、前記振動板本体の材質とは異なる材質であって、主
成分のゴムに発泡剤を混入した材質のエッジとからなる
電気音響変換器用振動板の製造方法であって、外周縁部
に外周縁部近傍の厚さと略同じ厚さの第1の段部を有す
る振動板本体を形成し、該振動板本体と、主成分のゴム
に発泡剤を混合した基材とを合わせ型の一方の金型に配
置し、前記合わせ型の他方の金型を用いて型締めした
後、前記合わせ型を加熱し、内周部に前記第1の段部と
係合し、厚さが内周部近傍と略同じ厚さの第2の段部を
有するエッジを成形すると同時に、前記振動板の外周縁
部に前記エッジの内周縁部を一体化することを特徴とす
る電気音響変換器用振動板の製造方法である。
【0031】振動板本体の外周縁部に、外周縁部近傍の
厚さと略同じ厚さの第1の段部を設け、前記エッジの内
周縁部に、内周縁部近傍の厚さと略同じ厚さで、前記第
1の段部と係合する第2の段部を設けたことにより、振
動板本体の外周縁部とエッジの内周縁部とが接触する面
積が増え、振動板本体とエッジとの接着強度が増加す
る。
【0032】又、振動板本体の第1の段部と、エッジの
第2の段部とが係合することで、金型のエッジを形成す
る面にアンダーカット面がなくなり、エッジと金型との
離型性が良く、金型のメンテナンスが容易で、生産効率
が向上する。
【0033】尚、請求項1乃至6のいずれかに記載の発
明において、エッジの主成分であるゴムの例としては、
加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーがある。ここで、加
硫ゴムとしては、スチレン-ブタジエンゴム,ニトリル-
ブタジエンゴム,エチレン-プロピレン-タ-ポリマーゴ
ム,イソプレンゴム,クロロプレンゴム,イソブチレン-イ
ソプレンゴム,エチレン-プロピレンゴム,シリコーンゴ
ムからなる群から選ばれたものがある。
【0034】又、熱可塑性エラストマーとしては、ポリ
スチレン系,ポリオレフィン系,ポリウレタン系,ポリエ
ステル系,ポリアミド系,ポリブタジエン系,エチレン-酢
酸ビニル系,ポリ塩化ビニル系からなる群から選ばれた
ものがある。
【0035】更に、発泡剤としては、熱分解によるガス
発生形のものがあり、発泡したエッジの比重は、0.07〜
1.2の範囲が好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の
形態を説明する。1.請求項1,2,4,5記載の発明に対
応する第1の実施の形態例図1は本発明の第1の実施の
形態例の振動板の断面図で、(a)図は全体の断面図、(b)
図は(a)図のA部分の拡大図である。
【0037】(a)図において、振動板10は、振動板本
体12と、振動板本体12の外周縁部に内周縁部が重な
るように設けられ、振動板本体12の材質とは異なる材
質であって、主成分のゴムに発泡剤を混入した材質のエ
ッジ14とからなっている。
【0038】そして、(b)図に示すように、振動板本体
12の外周縁部の裏面側には第1の段部16が、エッジ
14の内周縁部の表面側には、振動板本体12の第1の
段部16に係合する第2の段部18が形成されている。
【0039】振動板本体12の外周縁部に形成された第
1の段部16の厚さT′は、外周縁部近傍の厚さTより薄
くなるように形成されている。又、エッジ14の内周縁
部に形成された第2の段部18の厚さt′は、内周縁部
近傍の厚さtより薄くなるように形成されている。
【0040】更に、振動板12の外周縁部とエッジ14
の内周縁部とが重なる部分の厚さ(T′+t′)は、エッジ
14の他の部分の厚さ(t)と略同じになるように設定さ
れている。
【0041】次に、上記構成の振動板10の製造方法を
図2および図3を用いて説明する。 振動板本体の製造(図2参照) (1) 木材繊維100%のパルプを所定の形状に抄き上げ
て、振動板本体素材12′を得る((a)図参照)。
【0042】(2) 振動板本体素材12′を金型21,2
2を用いて、約100秒間加熱(200℃)圧縮して乾燥し(図
(b)参照)、(c)図に示すように、第1の段部16が形成
された振動板本体素材12″を得る。
【0043】(3) 振動板本体素材12″の中央部分12
a″および外周部分12b″を除去し、外周縁部に第1
の段部16が形成された振動板本体12とする(図(d)参
照)。
【0044】尚、(2)と(3)との間で、金型21,22を
用いて、約5秒間再加熱(200℃)再圧縮してもよい。 振動板本体とエッジとの一体成形(図3参照) (1) 合わせ型の一方の金型31に、外周縁部に第1の段
部16が形成された第1の振動板本体12をセットする
((a)図参照)。
【0045】(2) 合わせ型の一方の金型31に主成分の
ゴムに発泡剤を混入した材質のエッジ基材33をセット
する((b)図参照)。このエッジ基材33の主成分である
ゴムの例としては、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマー
がある。
【0046】ここで、加硫ゴムとしては、スチレン-ブ
タジエンゴム,ニトリル-ブタジエンゴム,エチレン-プロ
ピレン-タ-ポリマーゴム,イソプレンゴム,クロロプレン
ゴム,イソブチレン-イソプレンゴム,エチレン-プロピレ
ンゴム,シリコーンゴムからなる群から選ばれたものが
ある。
【0047】又、熱可塑性エラストマーとしては、ポリ
スチレン系,ポリオレフィン系,ポリウレタン系,ポリエ
ステル系,ポリアミド系,ポリブタジエン系,エチレン-酢
酸ビニル系,ポリ塩化ビニル系からなる群から選ばれた
ものがある。
【0048】更に、発泡剤としては、熱分解によるガス
発生形のものがあり、発泡したエッジの比重は、0.07〜
1.2の範囲が好ましい。(3) 合わせ型の他方の金型35
を用いて型締めした後、合わせ型37を加熱する。する
と、エッジ基材33の粘度が低下すると共に、発泡し、
一方の金型31と他方の金型35との間に形成された空
間に内周縁部に第2の段部18が形成されたエッジ14
が形成される。この時、エッジ基材33が有する自己接
着力によりエッジ14の内周縁部と、振動板本体12の
外周縁部とは接着され、一体化する((c)図参照)。
【0049】尚、本実施の形態例では、一方の金型31
と、他方の金型35とからなる合わせ型37を用いて一
体的に形成された振動板本体12とエッジ14とは、振
動板本体12の外周縁部とエッジ14の内周縁部とが重
なる部分の厚さ(T′+t′)がエッジ14の他の部分の厚
さ(t)と略同じとなるように形成されている。
【0050】上述した構成の振動板10および振動板1
0の製造方法によれば、以下のような効果を得ることが
できる。(1) 図4(b)に示すように、従来の振動板で
は、振動板本体1の外周縁部の裏面とエッジ5の内周縁
部の表面が当接し、接着されている。
【0051】一方、本実施の形態例では、図4(a)に示
すように、振動板本体12の外周縁部の裏面側に第1の
段部16を設けて、振動板本体12の外周縁部の厚さを
外周縁部近傍の厚さより薄くし、又、振動板本体12の
外周縁部と重なるエッジ14の内周縁部の表面側に第2
の段部18を設けて、エッジ14の内周縁部の厚さを内
周縁部近傍の厚さより薄くすることにより、振動板本体
12の外周縁部裏面とエッジ14の外周縁部表面のみな
らず、振動板本体12の端面がエッジ14に、又、エッ
ジ14の端面が振動板本体12にそれぞれ当接してい
る。
【0052】よって、従来の振動板に比べて、振動板本
体12の外周縁部とエッジ14の内周縁部とが接触する
面積が増え、振動板本体12とエッジ14との接着強度
が増加する。
【0053】(2) 図4(b)に示すように、従来の振動板
では、振動板本体1内周縁部とエッジ5の外周縁部とが
重なる部分で、剛性が急激に変化する。一方、図4(a)
に示すように、本実施の形態例では、振動板本体12の
外周縁部とエッジ14の内周縁部重なる部分の剛性は、
振動板本体12の外周縁部近傍の剛性と、エッジ14の
内周縁部近傍の剛性との中間的な剛性となり、逆共振現
象が発生しにくい。
【0054】(3) 振動板本体12の外周縁部とエッジ1
4の内周縁部とが重なる部分の厚さをエッジ14の他の
部分の厚さと略同じとしたことにより、合わせ型37の
金型31,35のエッジ14を形成する面にアンダーカ
ット面がなくなり、エッジ14と金型31,35との離
型性が良く、金型31,35のメンテナンスが容易で、
生産効率が向上する尚、本発明は上記実施の形態例に限
定するものではない。
【0055】例えば、図5(a)に示すように、振動板本
体12の外周縁部に、実施の形態例と逆の面側、即ち、
表面側に第1の段部41を設けて、振動板本体12の外
周縁部の厚さを外周縁部近傍の厚さより薄く形成し、
又、エッジ14の内周縁部に実施の形態例と逆の面側、
即ち、裏面側に第2の段部43を設けて、エッジ14の
内周縁部の厚さを内周縁部近傍の厚さより薄く形成し、
振動板本体12の外周縁部とエッジ14の内周縁部とを
重ね合わせてもよい。
【0056】図5(b)に示すように、振動板本体12の
外周縁部の厚さを階段状に減少させ、エッジ14の内周
縁部の厚さをステップ状に減少させ、振動板本体12の
外周縁部とエッジ14の内周縁部とを重ね合わせてもよ
い。
【0057】図5(c)に示すように、振動板本体12の
外周縁部の厚さを波線状に減少させ、エッジ14の内周
縁部の厚さを波線状状に減少させ、振動板本体12の外
周縁部とエッジ14の内周縁部とを重ね合わせてもよ
い。
【0058】図5(d)に示すように、振動板本体12の
外周縁部の厚さを漸次的に減少させ、エッジ14の内周
縁部の厚さを漸次的に減少させ、振動板本体12の外周
縁部とエッジ14の内周縁部とを重ね合わせてもよい。
【0059】図5(e)に示すように、振動板本体12の
外周縁部の表面側に第1の段部45を、裏面側に第2の
段部47を形成し、振動板本体12の外周側端面に凸部
49を設けると共に、エッジ14の内周側端面に振動板
本体12の凸部49が係合する凹部51を形成してもよ
い。
【0060】2. 請求項3,6記載の発明に対応する第2
の実施の形態例次に、図6を用いて、第2の実施の形態
例を説明する。
【0061】(a)図において、振動板本体12の外周縁
部には、裏面側へ突出し、外周縁部近傍の厚さと略同じ
の第1の段部61が形成され、エッジ14の内周縁部に
は、表面側へ突出し、内周縁部近傍の厚さと略同じで、
振動板本体12の第1の段部61に係合する第2の段部
63が形成されている。
【0062】このような形状の振動板は、合わせ型の一
方の金型65および他方の金型67を用いて製造され、
製造方法は第1の実施の形態例と同様であるので、説明
は省略する。
【0063】上記構成の振動板および振動板の製造方法
によれば、以下のような効果を得ることができる。 (1) 第1の実施の形態例と同様に、振動板本体12とエ
ッジ14との接触面積が振動板本体12とエッジ14と
の接着強度が増加する。
【0064】(2) 振動板本体12の第1の段部61と、
エッジ14の第2の段部63とが係合することで、金型
65,67のエッジ14を形成する面にアンダーカット
面がなくなり、エッジ14と金型65,67との離型性
が良く、金型65,67のメンテナンスが容易で、生産
効率が向上する。
【0065】尚、本発明は、上記実施の形態例に限定す
るものではない。例えば、図6(b)に示すように、振動
板本体12の外周縁部に、表面側へ突出し、外周縁部近
傍の厚さと略同じの第1の段部71を形成し、エッジ1
4の内周縁部に、裏面側へ突出し、内周縁部近傍の厚さ
と略同じで、振動板本体12の第1の段部71に係合す
る第2の段部73を形成しても、上述の構成の振動板お
よび振動板の製造方法と同様な効果を得ることができ
る。
【0066】
【実施例】本願発明者は、本発明の効果を確認するため
に、以下のような実験を行った。 実験1. 振動板とエッジとの接着強度 従来の製造方法と、第1の実施の形態例の製造方法と
で、径160mmの振動板をそれぞれ5枚づつ製造し、図7に
示すように、90°分割で15mm幅の試料を切り出した。
【0067】従って、従来の振動板の試料数が20、本発
明の振動板の試料数が20となる。これらすべての試料の
引っ張り強度を調査した。尚、使用した引張試験機は、
STOROGRAPH R(東洋精機製)であり、引っ張り速度を50mm
/minとした。
【0068】この結果を示す図8から解るように、振動
板とエッジとの接着強度が向上していることが確認でき
た。 実験.2 周波数音圧特性 実験1.で製造した従来の振動板と本発明の振動板の周波
数音圧特性を調べた。本発明の振動板の方が、従来の振
動板に比べて、特性がなだらかで、逆共振現象が発生し
ていないことが確認された。
【0069】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
の電気音響変換器用振動板、および請求項4記載の電気
音響変換器用振動板の製造方法によれば、振動板本体の
外周縁部の厚さを外周縁部近傍の厚さより薄く形成し、
この振動板の外周部と重なるエッジの内周縁部の厚さを
内周縁部近傍の厚さより薄く形成することにより、振動
板本体の外周縁部とエッジの内周縁部とが接触する面積
が増え、振動板本体とエッジとの接着強度が増加する。
【0070】又、振動板本体の外周縁部とエッジの内周
縁部とが重なる部分の剛性は、振動板本体の外周縁部近
傍の剛性と、エッジの内周縁部近傍の剛性との中間的な
剛性となり、逆共振現象が発生しにくい。
【0071】請求項2記載の発明の電気音響変換器用振
動板、および、請求項5記載の電気音響変換器用振動板
の製造方法によれば、振動板本体の外周縁部と前記エッ
ジの内周縁部とが重なる部分の厚さを前記エッジの他の
部分の厚さと略同じとしたことにより、金型のエッジを
形成する面にアンダーカット面がなくなり、エッジと金
型との離型性が良く、金型のメンテナンスが容易で、生
産効率が向上する。
【0072】請求項3記載の発明の電気音響変換器用振
動板、および、請求項6記載の電気音響変換器用振動板
の製造方法によれば、振動板本体の外周縁部に、外周縁
部近傍の厚さと略同じ厚さの第1の段部を設け、前記エ
ッジの内周縁部に、内周縁部近傍の厚さと略同じ厚さ
で、前記第1の段部と係合する第2の段部を設けたこと
により、振動板本体の外周縁部とエッジの内周縁部とが
接触する面積が増え、振動板本体とエッジとの接着強度
が増加する。
【0073】又、振動板本体の第1の段部と、エッジの
第2の段部とが係合することで、金型のエッジを形成す
る面にアンダーカット面がなくなり、エッジと金型との
離型性が良く、金型のメンテナンスが容易で、生産効率
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例の振動板の断面図で、
(a)図は全体の断面図、(b)図は(a)図のA部分の拡大図で
ある。
【図2】図1に示す振動板本体の製造方法を説明する図
である。
【図3】図1に示す振動板本体とエッジとを一体成形す
る方法を説明する図である。
【図4】第1の実施の形態例の効果を説明する図であ
る。
【図5】第1の実施の形態例の他の形態例を説明する図
である。
【図6】第2の実施の形態例を説明する図である。
【図7】実施例の実験1で用いた試料の説明図である。
【図8】実施例の実験1の結果を示す図である。
【図9】実施例の実験2の結果を示す図である。
【図10】従来例を説明する図である。
【符号の説明】
10 振動板(電気音響変換器用振動板) 12 振動板本体 14 エッジ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板本体と、該振動板本体の外周縁部
    に内周縁部が重なるように設けられ、前記振動板本体の
    材質とは異なる材質であって、主成分のゴムに発泡剤を
    混入した材質のエッジとからなる電気音響変換器用振動
    板であって、 前記振動板本体の外周縁部の厚さを外周縁部近傍の厚さ
    より薄く形成し、 前記エッジの内周縁部の厚さを内周縁部近傍の厚さより
    薄く形成したことを特徴とする電気音響変換器用振動
    板。
  2. 【請求項2】 前記振動板本体の外周縁部と前記エッジ
    の内周縁部とが重なる部分の厚さを前記エッジの他の部
    分の厚さと略同じとしたことを特徴とする請求項1記載
    の電気音響変換器用振動板。
  3. 【請求項3】 振動板本体と、該振動板本体の外周縁部
    に内周縁部が重なるように設けられ、前記振動板本体の
    材質とは異なる材質であって、主成分のゴムに発泡剤を
    混入した材質のエッジとからなる電気音響変換器用振動
    板であって、 前記振動板本体の外周縁部に、外周縁部近傍の厚さと略
    同じ厚さの第1の段部を設け、 前記エッジの内周縁部に、内周縁部近傍の厚さと略同じ
    厚さで、前記第1の段部と係合する第2の段部を設けた
    ことを特徴とする電気音響変換器用振動板。
  4. 【請求項4】 振動板本体と、該振動板本体の外周縁部
    に内周縁部が重なるように設けられ、前記振動板本体の
    材質とは異なる材質であって、主成分のゴムに発泡剤を
    混入した材質のエッジとからなる電気音響変換器用振動
    板の製造方法であって、 外周縁部の厚さが外周縁部近傍の厚さより薄い振動板本
    体を形成し、 該振動板本体と、主成分のゴムに発泡剤を混合した基材
    とを合わせ型の一方の金型に配置し、 前記合わせ型の他方の金型を用いて型締めした後、 前記合わせ型を加熱し、内周縁部の厚さが内周縁部近傍
    の厚さより薄いエッジを成形すると同時に、前記振動板
    の外周縁部に前記エッジの内周縁部を一体化することを
    特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記振動板本体の外周縁部と前記エッジ
    の内周縁部とが重なる部分の厚さを前記エッジの他の部
    分の厚さと略同じとしたことを特徴とする請求項4記載
    の電気音響変換器用振動板の製造方法。
  6. 【請求項6】 振動板本体と、該振動板本体の外周縁部
    に内周縁部が重なるように設けられ、前記振動板本体の
    材質とは異なる材質であって、主成分のゴムに発泡剤を
    混入した材質のエッジとからなる電気音響変換器用振動
    板の製造方法であって、 外周縁部に外周縁部近傍の厚さと略同じ厚さの第1の段
    部を有する振動板本体を形成し、 該振動板本体と、主成分のゴムに発泡剤を混合した基材
    とを合わせ型の一方の金型に配置し、 前記合わせ型の他方の金型を用いて型締めした後、 前記合わせ型を加熱し、内周部に前記第1の段部と係合
    し、厚さが内周部近傍と略同じ厚さの第2の段部を有す
    るエッジを成形すると同時に、前記振動板の外周縁部に
    前記エッジの内周縁部を一体化することを特徴とする電
    気音響変換器用振動板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002125291A (ja) * 2000-10-18 2002-04-26 Foster Electric Co Ltd 電気音響変換器用エッジ
WO2008064313A1 (en) * 2006-11-22 2008-05-29 Bose Corporation Surround attachment
KR101139877B1 (ko) * 2011-11-04 2012-05-02 한일화학고무공업(주) 사출성형으로 콘지와 에지가 일체화된 스피커용 진동판
JP2021164045A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 スピーカ用振動板、スピーカ、スピーカ用振動板の製造方法、電子機器および、移動体装置

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