JPH11293179A - 塗料用ワニス及びその製造方法並びに塗料組成物 - Google Patents

塗料用ワニス及びその製造方法並びに塗料組成物

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JPH11293179A
JPH11293179A JP10104728A JP10472898A JPH11293179A JP H11293179 A JPH11293179 A JP H11293179A JP 10104728 A JP10104728 A JP 10104728A JP 10472898 A JP10472898 A JP 10472898A JP H11293179 A JPH11293179 A JP H11293179A
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polymerization
varnish
coating
acrylate
meth
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JP10104728A
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English (en)
Inventor
Hideyo Ishigaki
秀世 石垣
Hiroyuki Nagai
浩幸 長井
Toru Nishikawa
徹 西川
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Original Assignee
NOF Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度にすることができるとともに、得られ
る塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐候性などの物性を向上さ
せることができ、かつ重合速度を大きくすることができ
る塗料用ワニス及びその製造方法並びに塗料組成物を提
供する。 【解決手段】 塗料用ワニスは、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルと官能基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルとからなる重合用モノマーを溶媒中に混合し、重合開
始剤としてジ−t−ヘキシルペルオキシドを配合して重
合させることにより得られる。ジ−t−ヘキシルペルオ
キシドとしては、ジ(1,1−ジメチルブチル)ペルオ
キシド又はジ(1,1,2−トリメチルプロピル)ペル
オキシドが用いられる。この塗料用ワニスにメラミン樹
脂、ポリイソシアネート化合物等の硬化剤を配合するこ
とにより、塗料組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、塗料用ワニス及
びその製造方法並びに塗料組成物に関するものである。
さらに詳しくは、低粘度のワニスを比較的短時間で重合
でき、かつ塗膜としたときの物性、すなわち耐水性、耐
溶剤性及び耐候性に優れた塗料組成物及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、塗料用ワニスの製造方法にお
いては、例えば特開昭61−152772号公報などに
記載されているように、重合開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリル又はt−ブチルペルオキシ−2−エチル
ヘキサノエートが一般的に使用されている。
【0003】さらに最近では、特開昭63−16841
5号公報に、ハイソリッド塗料の用途に適した低い分子
量及び狭い分子量分布を有する塗料用ワニスを得る目的
で、重合開始剤として少なくとも5個の炭素原子を有す
るt−アミルヒドロペルオキシドの誘導体、特にジ−t
−アミルペルオキシドを用いる方法が開示されている。
【0004】一般に、塗料用ワニスの製造において、そ
の生産性を高めるため比較的短い重合時間で重合させる
方法が要望されている。その際、製造されるワニスは高
濃度で比較的低粘度であることが望ましい。
【0005】また、一般に塗料用ワニスには、得られる
塗膜について耐水性、耐溶剤性、耐候性などという種々
の性能が要求されており、特に最近ではその要求レベル
はますます高くなってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の従来
の重合開始剤では、このように高度化した要求を十分満
足させる物性が得られないため、物性の良好な塗料用ワ
ニスを得ることができる重合開始剤が強く望まれてい
た。
【0007】前記特開昭63−168415号公報に開
示された方法では、ジ−t−アミルペルオキシドがジt
−ブチルペルオキシドとの比較において分子量分布や重
合体溶液の色を改善できることについて開示されてい
る。しかしながら、重合速度を大きくすることや、得ら
れるワニスを用いた塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐候性な
どの物性を著しく改良できることについては何ら示唆さ
れていないのである。
【0008】この発明は、以上のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、低粘度にすることができるとともに、得
られる塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐候性などの物性を向
上させることができ、かつ重合速度を大きくすることが
できる塗料用ワニス及びその製造方法並びに塗料組成物
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
法の問題点を長期にわたって研究した結果、特定の重合
開始剤を用いることによって、それらの問題点をすべて
解決した塗料用ワニスが得られることを見い出し、この
発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、第1の発明の塗料用ワニスは、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能基含有(メ
タ)アクリル酸エステルとからなる重合用モノマーの混
合物を、溶媒中にて、重合開始剤としてジ−t−ヘキシ
ルペルオキシドを使用して重合させてなるものである。
【0011】第2の発明の塗料用ワニスの製造方法は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能基含有(メ
タ)アクリル酸エステルとからなる重合用モノマーを溶
媒中に混合し、重合開始剤としてジ−t−ヘキシルペル
オキシドを配合して重合させるものである。
【0012】第3の発明の塗料組成物は、第1の発明の
塗料用ワニスに硬化剤を配合したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。塗料用ワニスは、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルと官能基含有(メタ)アクリル酸エ
ステルとからなる重合用モノマーの混合物を、溶媒中に
て、重合開始剤としてジ−t−ヘキシルペルオキシドを
使用して重合させてなるものである。この塗料用ワニス
に硬化剤が配合されることにより塗料組成物が得られ
る。硬化剤は、前記官能基含有(メタ)アクリル酸エス
テルの官能基と反応して塗料組成物を硬化させるもので
ある。塗料用ワニス又は塗料組成物を基材表面に被覆す
ることにより、所望とする塗膜が得られる。また、塗料
組成物には必要に応じて顔料や塗膜の安定剤等が配合さ
れる。
【0014】前記重合用モノマーとしての(メタ)アク
リル酸アルキルエステルは、アクリル酸アルキルエステ
ルとメタクリル酸アルキルエステルの総称である。アク
リル酸エステルの具体例として、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸sec−ブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸ステアリル等が挙げられる。
【0015】また、メタクリル酸アルキルエステルの具
体例として、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸s
ec−ブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸ステアリル等が挙げられる。
【0016】これらの(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルのうち、炭素数4〜15の直鎖アルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。この
種の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、得られる
塗膜の衝撃強度を高めることができるからである。
【0017】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
は、得られる塗膜の耐衝撃性、引張強度、耐候性等のバ
ランスを考慮して1種以上が適宜選択して使用される。
官能基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、官能
基としてヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ
基、アミノ基、チオール基又はシラノール基を有する
(メタ)アクリル酸エステルである。具体的には、例え
ばアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、グリシジルメタ
クリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド等が挙げられる。
【0018】これらの官能基含有(メタ)アクリル酸エ
ステルのうち、ヒドロキシル基、カルボキシル基又はエ
ポキシ基を有するモノマー、例えばアクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチル、グリシジルメタクリレート、メタクリ
ル酸等が好ましい。この種の官能基含有(メタ)アクリ
ル酸エステルは、得られる塗膜物性が優れているからで
ある。
【0019】上記官能基含有(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルは、得られる塗膜の耐衝撃性、引張強度、耐
候性等のバランスを考慮して1種以上が適宜選択して使
用される。
【0020】前記の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルに加え、さらにそれらと共重合可能なその他のビニル
モノマーを添加しても差し支えない。そのようなビニル
モノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、ブタジエン、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメ
チルアクリルアミド等が挙げられる。
【0021】前記重合用モノマーは、塗料用ワニスに対
する要求物性、硬化に用いられる硬化剤の種類、塗膜と
した場合の塗膜に対する要求物性などに応じて適宜組み
合わせて使用される。
【0022】(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使
用量は、重合用モノマー全量の50〜95重量%が用い
られる。その使用量が50重量%未満では得られる塗膜
の耐候性が不十分となり、95重量%を越えると塗膜の
強度が低下するため何れも好ましくない。
【0023】官能基含有(メタ)アクリル酸エステルの
使用量は、重合用モノマー全量の5〜50重量%が用い
られる。その使用量が5重量%未満では、硬化剤を配合
した場合に得られる塗膜の強度が不十分となる。一方、
使用量が50重量%を越えると塗料用ワニスの粘度が増
大し、また硬化が進みすぎて何れも好ましくない。
【0024】共重合可能なその他のビニルモノマーの使
用量は、重合用モノマー全量の0〜30重量%が用いら
れる。その使用量が30重量%を越えると、得られる塗
膜の耐候性が不十分となり好ましくない。
【0025】さらに、これら重合用モノマーの総使用量
の割合は、重合用モノマー、重合開始剤及び溶剤の総量
に対して、40〜80重量%の範囲が好ましい。その割
合が40重量%未満では相対的に塗料用ワニス中の溶媒
の使用量が多くなり、経済的に不利な上、揮散有機溶剤
が増加して環境問題上好ましくない。逆に、80重量%
を越えると、得られる重合後における塗料用ワニスの粘
度が高くなりすぎるため好ましくない。
【0026】次に、重合開始剤として用いられるジ−t
−ヘキシルペルオキシドは、通常ジ(1,1−ジメチル
ブチル)ペルオキシド又はジ(1,1,2−トリメチル
プロピル)ペルオキシドを表すが、ジ(1−メチル−1
−エチルプロピル)ペルオキシド、ジ(1−メチル−2
−エチルプロピル)ペルオキシド等も含まれる。これら
のペルオキシドは、相当するt−アルコールのヒドロペ
ルオキシ化(酸化反応)によって得られる。すなわち、
前記ペルオキシドは、相当するt−アルコールと硫酸及
び過酸化水素の存在下で、−20℃〜30℃にて1〜5
時間反応させることにより得られる。
【0027】ジ−t−ヘキシルペルオキシドの使用量
は、得られる塗料用ワニスについて所望される分子量な
どに従って適宜決定されるが、通常重合用モノマー総量
に対し、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好まし
くは1〜5重量%である。この使用量が0.5重量%未
満では重合が完結せず、15重量%を越えても添加量に
見合う効果がないばかりか、重合開始剤の分解生成物が
得られる塗膜の物性を低下させる傾向にあり好ましくな
い。
【0028】次に、塗料用ワニスの製造方法について説
明する。塗料用ワニスは、前述した(メタ)アクリル酸
アルキルエステルと官能基含有(メタ)アクリル酸エス
テルとからなる重合用モノマーを溶媒中に混合し、重合
開始剤としてジ−t−ヘキシルペルオキシドを配合して
重合させることにより製造される。塗料用ワニスの製造
に際し、重合の後半において重合を完結させる目的でそ
の他の重合開始剤を使用することもできる。そのような
重合開始剤としては、例えばt−ブチルペルオキシ−2
−エチルヘキサノエート、ベンゾイルペルオキシド、
1,1−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキベンゾエート、
2,2−アゾビスイドブチロニトリル等が挙げられる。
【0029】重合方法としては、溶媒の存在下で重合を
行う溶液重合法が採用される。溶液重合法における溶媒
の具体例としては、シクロヘキサン、イソオクタン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフ
サ、テトラリン、テレビン油、ソルベッソ100(エク
ソン化学(株)登録商標)、ソルベッソ150(エクソ
ン化学(株)登録商標)、n−ブタノール、イソブタノ
ール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−
エチルヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、メトキシブタノー
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、酢酸エチル、
酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸メトキシブチル、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、
シクロヘキサノン、イソホロン、メチルイソアミルケト
ン、メチル−n−ブチルケトン、エチルアミルケトン、
ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、ジエチル
ケトン、ジブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、
ジイソブチルケトン等が挙げられる。
【0030】上記の溶媒のうち、キシレン、エチルベン
ゼン等の芳香族化合物、n−ブタノール、シクロヘキサ
ノール等のアルコール類、メチルイソブチルケトン、メ
チルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類が好
ましい。これらの溶媒は、塗料用ワニスの溶解性及び乾
燥性に優れているからである。
【0031】また、塗料用ワニスに硬化剤を配合して塗
料組成物を製造するに際して、使用に適した濃度に調製
するために希釈溶剤を用いても良い。その希釈溶剤は、
上記溶液重合法における溶媒の中から適宜選択される。
希釈に使用される溶剤の種類とワニスの製造に使用され
る溶剤の種類は、同じでも良く、異なっていても良い。
【0032】具体的な重合方法としては、上記の重合用
モノマー、重合開始剤及び溶媒を混合した後、通常、重
合温度について好ましくは100〜200℃、さらに好
ましくは120〜150℃で、重合時間について好まし
くは2〜10時間、さらに好ましくは3〜7時間という
重合条件で行われる。重合温度が100℃未満では重合
速度が遅く、得られた重合物の平均分子量が大きくな
り、200℃を越えると重合速度が速すぎ、オリゴマー
の副生を伴うので、いずれも好ましくない。また、重合
時間が2時間未満であると重合熱の制御が困難であり、
逆に10時間を越えても特に利点がないばかりか生産性
が低くなり、経済的に不利である。
【0033】以上のような製造方法で製造された塗料用
ワニスを用いて塗料組成物を調製する場合、硬化剤が配
合される。この硬化剤は、前記塗料用ワニスを調製する
際に使用された官能基含有(メタ)アクリル酸アルキル
エステル中の官能基と反応する。一般的には、官能基と
してのヒドロキシル基と硬化剤としてのイソシアネート
化合物との反応(ウレタン硬化)と、同じくヒドロキシ
ル基と硬化剤としてのメラミン系化合物との反応(メラ
ミン硬化)が用いられる。その他、官能基としてのヒド
ロキシル基、カルボキシル基、チオール基又はシラノー
ル基と硬化剤としてのエポキシ基との反応、官能基とし
てのエポキシ基と硬化剤としてのカルボキシル基との反
応等が挙げられる。
【0034】硬化剤の具体例としては、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂等のアミノプラスト樹脂、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイシシアネート、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイシシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシ
ルメタン−4,4’−ジイシシアネート等のポリイソシ
アネート化合物、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環
式エポキシ樹脂、グリシジルアクリレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルメタなどの単独重合体又は
共重合体、グリシジルアリルエーテルとフッ化ビニリデ
ン及びビニルエーテルからなる共重合体、ポリカルボン
酸あるいはポリオールとエピクロルヒドリンとの反応に
より得られるポリグリシジル化合物及びエポキシ基含有
シリコーンオイル、例えばKF−101,KF−10
3,KF−105,X−22−169AS(何れも商品
名、信越化学工業(株)製)等のエポキシド化合物、コ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカ
メチレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びポリオ
ール類と酸無水物との付加反応により得られるポリカル
ボン酸化合物等が挙げられる。
【0035】これらの硬化剤のうち、メラミン樹脂及び
ポリイソシアネート化合物が、得られる塗膜の物性のバ
ランスがよいため特に好ましい。前記硬化剤は、1種以
上が適宜選択してされる。
【0036】その硬化剤の使用量は、塗料用組成物10
0重量部に対して通常5〜100重量部、好ましくは1
0〜80重量部が用いられる。硬化剤の使用量が100
重量部を越えると過度に架橋が起き、そのため衝撃性あ
るいは加工性が低下し、逆に5重量部未満では架橋が不
足し、硬度が低下するため何れも好ましくない。
【0037】塗料組成物の調製に際し、前記塗料用ワニ
ス及び硬化剤の他にも、必要に応じて、硬化促進用触
媒、顔料、流動調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫
外線安定剤等の成分を併用できる。
【0038】以上のような実施形態により発揮される効
果について以下に記載する。 ・ 実施形態の塗料用ワニスによれば、重合開始剤とし
て使用するジ−t−ヘキシルペルオキシドのラジカル開
始速度及び開始効率が高いことから、得られる塗料用ワ
ニスを低粘度のものにすることができる。
【0039】・ 実施形態の塗料用ワニスによれば、特
定の重合用モノマー及び重合開始剤を用いて溶液重合を
行うことから、得られる塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐候
性などの物性を向上させることができる。
【0040】・ 実施形態の塗料用ワニスの製造方法に
よれば、重合開始剤として使用するジ−t−ヘキシルペ
ルオキシドのラジカル開始速度及び開始効率が高いこと
から、重合速度を大きくすることができる。
【0041】・ 実施形態の塗料組成物によれば、重合
開始剤として用いるジ−t−ヘキシルペルオキシドのラ
ジカル開始速度及び開始効率が高いため、塗料組成物を
低粘度にすることができる。
【0042】・ 実施形態の塗料組成物によれば、塗料
用ワニスに硬化剤を配合することから、得られる塗膜の
耐水性、耐溶剤性、耐候性などの物性をさらに向上させ
ることができ、塗料として好適なものにすることができ
る。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、前記実施形
態をさらに具体的に説明する。なお、各例において、重
合開始剤及び重合用モノマーの略号は以下のとおりであ
る。 H1D:ジ(1、1−ジメチルブチル)ペルオキシド H2D:ジ(1、1、2−トリメチルプロピル)ペルオ
キシド AmD:ジ−t−アミルペルオキシド OcD:ジ(1、1、3、3−テトラメチルブチル)ペ
ルオキシド MMA:メタクリル酸メチル BMA:メタクリル酸n−ブチル HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル GMA:グリシジルメタクリレート EHMA:2−エチルヘキシルメタクレート LMA:ラウリルメタクリレート AA:アクリル酸 MIBK:メチルイソブチルケトン (実施例1)撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導
入管及び滴下ロートを備えた1000mlの4つ口フラス
コに、溶剤としてキシレン300gを入れ、窒素ガスを
導入しながら溶剤の還流温度に昇温した後、滴下ロート
から重合用モノマーとしてのSt/MMA/BMA/H
EMA/AA〔20/20/43/15/2(重量
比)〕の混合物400gと重合開始剤としてのH1D
12gとの混合物を3時間かけて均一速度で滴下した。
【0044】滴下終了後、さらに還流条件で60分反応
を続けた後冷却して、塗料用ワニス707gを得た。得
られた溶液について、GPC(ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー)により重量平均分子量(Mw)を求
め、さらにこの溶液中の重合物含有量を測定するため1
10℃、3時間かけて乾燥させて固形分量を求めた。
【0045】次いで、得られた塗料用ワニス50gに、
ウレタン硬化剤〔商品名:スミジュールN−100(住
友化学(株)製)〕12g、触媒としてジブチルチンラ
ウレート0.2g、チヌビン900(チバガイギー社
製、紫外線吸収剤)を0.6g,、チヌビン292(ヒ
ンダードアミン系酸化防止剤)0.2g、BYK−35
8(ビックケミー社製、レベリング剤)1.0g、Na
cure4054(キングインダストリー社製、リン酸
系硬化触媒)0.4g及びキシレン20g、さらに芳香
族炭化水素系溶剤(商品名:ソルベッソ100(エッソ
社製))を添加して、スプレー塗装に適した粘度(フォ
ードカップNo.4、20℃で25秒)に希釈すること
によってクリヤーコート用塗料を得た。
【0046】この塗料を、あらかじめポリウレタン樹脂
系白色エナメル塗料(商品名:ハイウレタンNo.50
00(日本油脂(株)製)を下塗りしたABS樹脂製の
プレート上に、乾燥膜厚が50μmとなるようにスプレ
ー塗布した後、75℃で30分間焼き付け、さらに室温
で一週間放置した後硬化させて試験片とした。この試験
片について、次に示す塗膜性能試験を行ない、その結果
をまとめて表1に示した。 [耐水性試験]40℃の温水に240時間浸漬した後水
洗して、塗膜面を目視により観察した。塗膜面のつやに
全く変化の無いものを◎、わずかにツヤ引けするものを
○、つや引けの著しいものを△とした。 [耐溶剤性試験]キシレンを染み込ませたガーゼで、塗
膜面を30回払拭した後、塗膜面を目視により観察し
た。塗膜面の白化の痕跡の全く無いものを◎、わずかに
白化しているものを○、白化の著しいものを△とした。 [初期光沢度試験]JIS K−5400 6.7に従
って塗膜の60゜鏡面光沢度を測定した。 [促進耐候性試験]サンシャインウエザオメータ(スガ
試験機(株)製)による1000時間照射の後の試験片
ついて、以下の評価を行なった。
【0047】 光沢度: 60゜鏡面光沢度 光沢保持率: 初期光沢度を100とした場合の試験後
の60゜鏡面光沢度 黄変度: 色差計による測定における試験前後でのb値
の変化度 (実施例2)実施例1において、H1Dの代りに表1に
示される重合開始剤を用いる以外は、実施例1に準じて
重合を行った。その結果を表1に示した。 (比較例1及び2)実施例1において、H1Dの代りに
表2に示される従来の重合開始剤を用いる以外は、実施
例1に準じて重合を行った。その結果を表2に示した。 (実施例3)実施例1と同じ装置にキシレン300gを
仕込み、還流温度に加温し、そこへGMA200g、E
HMA230g、LMA20g、H1D20gの混合物
を2時間で滴下し、その後還流温度で2時間重合を続け
た。
【0048】得られた樹脂溶液50g、硬化剤としてト
リメチロールプロパン1モルに3−メチル水添フタル酸
3モルを付加させたて得た3官能カルボン酸のシクロヘ
キサノン50%溶液を24g、添加剤としてチヌビン9
00を0.8g,、チヌビン292を0.2g、BYK
−358を1.0g、Nacure4054を0.5
g、さらにキシレンでスプレー塗装に適した粘度(フォ
ードカップNo.4、20℃で25秒)に希釈すること
によってクリヤーコート用塗料を得た。
【0049】リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料
アクアNO.4200(登録商標、日本油脂(株)製)
を軟燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して、175℃
で25分間焼き付け、さらに中塗り塗料エピコNO.1
500cpシーラー(登録商標、日本油脂(株)製)を
軟燥膜厚40μmとなるようにエアスプレー塗装し、1
40℃で30分間焼き付けた。
【0050】次いで、前記クリヤーコート用塗料をキシ
レンで塗装粘度(フォードカップNO.4、20℃で2
5秒)に希釈したものをエアスプレーにて塗装し、14
0℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を得た。
その試験片について実施例1と同じ試験を行った。その
結果を表1に示した。 (比較例3及び4)実施例3においてH1D20gの代
わりに表2に示すペルオキシド20gを用いた他は、実
施例3に準じて実施した。その結果を表2に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】 表1及び表2に示したように、実施例1〜3では、従来
の有機過酸化物を用いた比較例1〜4に比較して、重合
速度が大きく、残存モノマーが減少して重合転化率が高
くなる。このため、得られた塗料用ワニス中の重合物の
含有量(固形分量)が高く、重量平均分子量が低くなっ
た。さらに、得られた塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐候性
(光沢度、光沢度保持率、黄変度)に優れていることが
解った。
【0053】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、炭素
数4〜15の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル
酸アルキルエステルである請求項1に記載の塗料用ワニ
ス。
【0054】このように構成した場合、塗料用ワニスか
ら得られる塗膜の衝撃強度を高めることができる。 ・ 前記官能基含有(メタ)アクリル酸エステルは、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基又はエポキシ基を有する
(メタ)アクリル酸エステルである請求項1に記載の塗
料用ワニス。
【0055】このように構成した場合、塗料用ワニスか
ら得られる塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐候性などの物性
を向上させることができる。 ・ 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量
は、重合用モノマー全量の50〜95重量%である請求
項1に記載の塗料用ワニス。
【0056】このように構成した場合、塗膜の耐候性を
維持しつつ、塗膜の強度を向上させることができる。 ・ 前記官能基含有(メタ)アクリル酸エステルの使用
量は、重合用モノマー全量の5〜50重量%である請求
項1に記載の塗料用ワニス。
【0057】このように構成した場合、粘度を低く維持
して、硬化剤を配合した場合に得られる塗膜の強度を高
めることができる。 ・ 前記重合開始剤は、ジ(1,1−ジメチルブチル)
ペルオキシド又はジ(1,1,2−トリメチルプロピ
ル)ペルオキシドである請求項1に記載の塗料用ワニ
ス。
【0058】このように構成した場合、塗料用ワニスを
低粘度にすることができるとともに、得られる塗膜の耐
水性、耐溶剤性、耐候性などの物性を確実に向上させる
ことができる。
【0059】・ 前記硬化剤は、メラミン樹脂又はポリ
イソシアネート化合物である請求項3に記載の塗料組成
物。このように構成した場合、得られる塗膜の耐水性、
耐溶剤性、耐候性などの物性をバランス良く発揮させる
ことができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
次のような効果を奏する。第1の発明の塗料用ワニスに
よれば、低粘度にすることができるとともに、得られる
塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐候性などの物性を向上させ
ることができる。
【0061】第2の発明の塗料用ワニスの製造方法によ
れば、重合速度を大きくすることができるとともに、得
られる塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐候性などの物性を向
上させることができる。
【0062】第3の発明の塗料組成物によれば、低粘度
にすることができるとともに、得られる塗膜の耐水性、
耐溶剤性、耐候性などの物性をさらに向上させることが
でき、塗料として好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08F 2/06 C08F 2/06 4/34 4/34 220/10 220/10 (C08F 220/10 220:26) (C08F 220/10 220:06) (C08F 220/10 220:32)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルと
    官能基含有(メタ)アクリル酸エステルとからなる重合
    用モノマーの混合物を、溶媒中にて、重合開始剤として
    ジ−t−ヘキシルペルオキシドを使用して重合させてな
    る塗料用ワニス。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルと
    官能基含有(メタ)アクリル酸エステルとからなる重合
    用モノマーを溶媒中に混合し、重合開始剤としてジ−t
    −ヘキシルペルオキシドを配合して重合させる塗料用ワ
    ニスの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の塗料用ワニスに硬化剤
    を配合した塗料組成物。
JP10104728A 1998-04-15 1998-04-15 塗料用ワニス及びその製造方法並びに塗料組成物 Pending JPH11293179A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017159817A1 (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 日油株式会社 (メタ)アクリル酸エステル系塗料用ワニスの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017159817A1 (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 日油株式会社 (メタ)アクリル酸エステル系塗料用ワニスの製造方法
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