JPH11293444A - コーティング層との密着性に優れた銅箔 - Google Patents

コーティング層との密着性に優れた銅箔

Info

Publication number
JPH11293444A
JPH11293444A JP10094764A JP9476498A JPH11293444A JP H11293444 A JPH11293444 A JP H11293444A JP 10094764 A JP10094764 A JP 10094764A JP 9476498 A JP9476498 A JP 9476498A JP H11293444 A JPH11293444 A JP H11293444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper foil
copper
adhesion
coating layer
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10094764A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiro Sato
文博 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP10094764A priority Critical patent/JPH11293444A/ja
Publication of JPH11293444A publication Critical patent/JPH11293444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素などの活物質に樹脂を加えたコーティン
グなどの、銅箔表面との親和力が元々乏しいコーティン
グと銅箔表面との密着性を向上させた銅箔を提供する。 【解決手段】 箔表面にコーティング層を設けて使用
される銅箔において、銅箔表面に銅の水酸化物と銅の酸
化物とを含む複合皮膜を有するとともに、この複合皮膜
をX 線光電子分光分析により測定した際のCu2p3 軌道の
狭域光電子スペクトルにおいて、該スペクトルのベース
ラインからスペクトルピークまでの長さをCu2p3 結合エ
ネルギー値とした時、Cu(OH)2 に相当するCu2p3 結合エ
ネルギー値A 、CuO に相当するCu2p3 結合エネルギー値
B 、Cu2Oに相当するCu2p3 結合エネルギー値C が、A/
(A +B +C)≧0.1 の関係となる皮膜組成を有する銅箔
とすることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にリチウムイオ
ン二次電池陰極などに使用される、炭素や樹脂など、銅
箔表面との親和力の低い物質をコーティングした銅箔に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】銅箔は、周知の通り、電池用など電気・
電子分野で広く使用されている。今、電池として、リチ
ウムイオン二次電池の場合を例にとると、この電池は、
その陰極に炭素などを表面にコーティングした銅箔を使
用している。より具体的には、人工的に製造された炭素
や天然産の炭素などの電極活物質粉末に、PVDF等のフッ
素系樹脂をバインダーとして加え、これらを有機溶剤で
混練したものを銅箔表面にコーティングして用いてい
る。
【0003】この炭素としては、人工的に製造された炭
素よりは、天然産の炭素の方が陰極性能が高い。このた
めに、リチウムイオン二次電池などの陰極としては、天
然産の炭素の方の必要性が高い。
【0004】しかし、炭素自体は銅などの金属表面との
親和力が乏しく、また人工的に製造された炭素よりは、
天然産の炭素の方がより親和力に乏しい。更に、前記炭
素のバインダーとして加えるフッ素系樹脂も銅などの金
属表面との親和力が乏しい。したがって、前記炭素など
の電極活物質に樹脂を加えたコーティングは、総合的に
も銅箔表面との親和力が乏しく、銅箔表面との密着性が
低い。このため、このコーティング層を設けた銅箔を陰
極用に巻回などの加工を施して使用した場合、あるいは
施さなくても、銅箔表面からコーティング層が剥離、欠
落して、初期に設定した陰極性能が出ないという問題が
ある。また、陰極としての耐久性や寿命にも問題があ
る。
【0005】このため、この銅箔と炭素等の電極活物質
と電極金属との密着性を向上させる技術が、従来から種
々提案されている。この内、例えば、特開昭51−136535
号、特開昭63−121263号、特開平06−140045号、特開平
06−260168号、特開平07−192767号公報には、液体ホー
ニング加工、丸穴加工、エメリー紙で擦る、エッチング
などの適宜の手段により、電極金属の表面を粗面化乃至
凹凸化して、電極活物質と電極金属との密着性を向上さ
せる技術が提案されている。
【0006】また、電池の電極分野や、電磁波シール
ド、フレキシブル印刷などで用いる銅箔表面の合成樹脂
フィルムの銅箔との密着性を向上させる技術も提案され
ている。例えば、特開平06−212375号公報などには、銅
箔を不活性ガス雰囲気下または真空下で180 ℃以上の温
度で加熱処理して、銅箔表面に付着している圧延油を除
去し、銅箔表面の水濡れ性を改善する技術が提案されて
いる。特開平06−299384号公報などには、銅箔を石油系
溶剤で洗浄して銅箔表面に付着している圧延油を除去
し、銅箔表面の水濡れ性を改善する技術が提案されてい
る。また、特開平07−201332号公報などには、銅箔表面
にアゾール系誘導体とソルピタン系誘導体の皮膜を設け
て、銅箔表面の水濡れ性を改善する技術が提案されてい
る。
【0007】更に、特開平07−109558号公報などには、
銅箔を酸素の存在下において80℃以上の温度で加熱し
て、銅箔表面に100 〜1500オングストロームの厚さの酸
化皮膜層を形成して、電池の電極分野や、電磁波シール
ド、フレキシブル印刷などで用いる銅箔表面の合成樹脂
フィルムの、銅箔との密着性を向上させる技術も提案さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開昭51
−136535号公報などのように、電極金属の表面を粗面化
乃至凹凸化する技術は、極く薄い厚みを有する銅箔表面
を、電極活物質との密着性が実質的に向上するだけ粗面
化乃至凹凸化する加工自体に困難や難しさがある。ま
た、粗面化乃至凹凸化の程度が大きくなるほど、銅箔に
対する他の要求特性として、特に折曲強度などの銅箔の
使用強度を低下させ、却って電極としての耐久性や寿命
を劣化させる。
【0009】また、前記特開平06−212375号公報などの
ように、銅箔を加熱乃至洗浄して、銅箔表面に付着して
いる圧延油を除去し、銅箔表面の水濡れ性を改善する技
術は、元々それなりの接着力を有する樹脂フィルムとの
密着性の向上には、それを妨害していた圧延油を除くた
めに効果があるかもしれない。しかし、本発明が特に問
題とする炭素などの活物質に樹脂を加えたコーティング
などの、銅箔表面との親和力が元々乏しいコーティング
に対しては、前記銅箔表面に付着している圧延油を除去
し、銅箔表面の水濡れ性を改善した程度では、銅箔表面
との密着性を向上させることはできない。
【0010】更に、本発明者らは、前記特開平07−1095
58号公報などのように、箔を酸素の存在下において80℃
以上の温度で加熱して、銅箔表面に100 〜1500オングス
トロームの厚さの酸化皮膜層を形成する方法では、この
従来技術が対象とする合成樹脂フィルムよりも、更に銅
箔表面との親和力が乏しく、銅箔表面との密着性が低
い、炭素などの電極活物質に樹脂を加えたコーティング
には効果が出ないことを知見した。即ち、銅箔に前記酸
化皮膜層を形成し、炭素などの電極活物質に樹脂を加え
たコーティング層を設けた銅箔を陰極用に巻回などの加
工を施して使用した場合、銅箔表面からコーティング層
が剥離、欠落する問題が生じた。
【0011】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、炭素などの活物質に樹脂を
加えたコーティングなどの、銅箔表面との親和力が元々
乏しいコーティングと銅箔表面との密着性を向上させた
銅箔を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明コーティング層との密着性に優れた銅箔の要
旨は、箔表面にコーティング層を設けて使用される銅箔
において、銅箔表面に銅の水酸化物と銅の酸化物とを含
む複合皮膜を有するとともに、この複合皮膜をX 線光電
子分光分析により測定した際のCu2p3 軌道の狭域光電子
スペクトルにおいて、該スペクトルのベースラインから
スペクトルピークまでの長さをCu2p3 結合エネルギー値
とした時、Cu(OH)2 に相当するCu2p3 結合エネルギー値
A 、CuOに相当するCu2p3 結合エネルギー値B 、Cu2Oに
相当するCu2p3 結合エネルギー値C が、A/ (A +B +C)
≧0.1 の関係となる皮膜組成を有することである。
【0013】本発明者は、極性の高い銅の水酸化物、即
ちCu(OH)2 を銅の酸化物皮膜中に特定量存在させること
により、炭素などの電極活物質や樹脂などの、銅箔表面
との親和力の乏しいコーティング層の、銅箔表面との密
着性の改善が著しく図れることを知見した。そして、こ
の効果は、銅箔表面の酸化物皮膜中に銅の水酸化物が特
定量未満乃至銅の水酸化物を含まない、銅の酸化物のみ
の皮膜では得られない効果であることも確認した。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における銅箔の各要件の意
義について、以下に説明する。
【0015】本発明において、銅箔にコーティングされ
る物質の種類は、特に銅箔表面との親和力が乏しいコー
ティングを対象とし、電池の陰極として、人工的に製
造された炭素や天然産の炭素などの炭素などの電極活物
質粉末に、PVDF等のフッ素系樹脂をバインダーとして加
えたコーティング層や、電磁波シールド、フレキシブ
ル印刷用の合成樹脂フィルムなどコーティング層などが
例示される。
【0016】また、本発明で達成すべきコーティング層
の銅箔との密着性とは、前記の用途では、電池の陰極
としてコーティング層を設けた銅箔を、陰極用に巻回な
どの加工を施して使用した場合、あるいは施さなくて
も、銅箔表面から前記炭素などが剥離、欠落しないレベ
ルである。即ち、このレベルの密着性向上が達成できた
場合、前記の炭素よりも銅箔表面との親和力が比較的
高い前記電磁波シールド、フレキシブル印刷用の合成樹
脂フィルムなどの密着性の向上は必然的に達成される。
【0017】このレベルの密着性を達成するために、本
発明では、銅箔表面に銅の水酸化物と銅の酸化物とを含
む皮膜を設けるとともに、この皮膜をX 線光電子分光分
析により測定した際のCu2p3 軌道の狭域光電子スペクト
ルが、該スペクトルのベースラインからスペクトルピー
クまでの長さをCu2p3 結合エネルギー値とした時、Cu(O
H)2 に相当するCu2p3 結合エネルギー値A 、CuO に相当
するCu2p3 結合エネルギー値B 、Cu2Oに相当するCu2p3
結合エネルギー値C が、A/ (A +B +C)≧0.1の関係と
なる皮膜組成とする。
【0018】銅の水酸化物、即ちCu(OH)2 は、銅の酸化
物に比して極性が高く、銅の酸化物皮膜中に銅の水酸化
物を一定量存在させることにより、炭素などの電極活物
質や樹脂などの、銅箔表面との親和力の乏しいコーティ
ング層の、銅箔表面との密着性の改善が著しく図れる。
【0019】この薄膜中における銅の水酸化物、即ちCu
(OH)2 や、銅の酸化物、即ち CuOやCu2Oは、X 線光電子
分光法[X-Ray Photoeiectron Spectroscopy:XPS 法、あ
るいはエスカ(ESCA)とも言う) により定量的に測定が可
能である。XPS 法により銅箔表面の皮膜にX 線を照射す
ると、光電効果により光電子が放出される。この光電子
の運動エネルギーは、入射X 線のエネルギーと、電子の
皮膜内での結合エネルギーの差になる。そこで、光電子
の運動エネルギーを測定することにより、結合エネルギ
ーが求められる。一方、結合エネルギーは原子の結合状
態により化学的にシフトするので、この結合エネルギー
の特定の光電子スペクトル (銅の水酸化物や銅の酸化物
のスペクトル) である、Cu2p3 軌道の狭域光電子スペク
トルを測定することにより銅の水酸化物や銅の酸化物が
定量できる。より具体的には、Cu 2p3 軌道の狭域光電子
スペクトルのベースラインからスペクトルピークまでの
長さをCu2p3 結合エネルギー値とし、Cu(OH)2 に相当す
るCu2p3 結合エネルギー値(A) 、CuO に相当するCu2p3
結合エネルギー値 (B)、Cu2Oに相当するCu2p3 結合エネ
ルギー値 (C)を測定することにより、前記A/ (A +B +
C)が求められる。
【0020】図1 に、本発明の銅の水酸化物と銅の酸化
物の複合皮膜のCu2p3 軌道の狭域光電子スペクトルを測
定した例を示す。図1 において、A がCu(OH)2 に相当す
るCu 2p3 結合エネルギー値、B がCuO に相当するCu2p3
結合エネルギー値、C がCu2Oに相当するCu2p3 結合エネ
ルギー値であり、各々のCu2p3 軌道の狭域光電子スペク
トルのベースラインからスペクトルピークまでの長さ
h1、h2、h3を結合エネルギー値( 銅の水酸化物と銅の酸
化物の複合皮膜中の存在量) とする。
【0021】これらCu(OH)2 、CuO 、Cu2Oに各々相当す
るCu2p3 結合エネルギーのスペクトルピークは、Cu(OH)
2: 935.1 eV 、CuO: 933.7 eV 、Cu2O: 932eV の部分に
代表的に発現するが、測定機器や条件によって多少変化
するため、この値に拘泥せず、測定機器に付随した標準
値により適宜補正することが好ましい。また、光電子の
運動エネルギーを正確に測定するためには、X 線の固有
幅が小さいために通常用いられるAlK αやMgK αが望ま
しく、エネルギー分析器としては静電半球型のものが良
い。
【0022】本発明における、銅箔表面の銅の水酸化物
と銅の酸化物との複合皮膜において、前記A/ (A +B +
C)が0.1 未満である場合、複合皮膜中の銅の水酸化物の
量乃至割合が少なすぎ、酸化物のみの皮膜と大差ない組
成となる。この結果、特に銅箔表面との親和力が低い、
炭素などの電極活物質に樹脂を加えたコーティング層の
銅箔との密着性向上を達成することができない。したが
って、電池の陰極として炭素などのコーティング層を設
けた銅箔を、陰極用に巻回などの加工を施して使用した
場合、あるいは施さなくても、銅箔表面から前記炭素な
どが剥離、欠落して、初期に設定した陰極性能が出ず、
また、陰極としての耐久性や寿命も低下することにな
る。
【0023】一方、前記A/ (A +B +C)が0.4 を越える
と、複合皮膜中の銅の水酸化物の割合が多すぎて、却っ
て炭素などの電極活物質に樹脂を加えたコーティング層
の銅箔との密着性を低下させる場合がある。また、後述
する通り、複合皮膜中の銅の水酸化物の割合をこれ以上
高くすることには、複合皮膜形成方法の制約があるとと
もに、経済的でもない。したがって、好ましくは、前記
A/ (A +B +C)は0.4以下とする。
【0024】なお、前記特開平07−109558号公報などの
ように、箔を酸素の存在下において80℃以上の温度で加
熱して、銅箔表面に100 〜1500オングストロームの厚さ
の酸化皮膜層を形成する方法では、加熱処理条件が100
℃までは1 〜25時間、100 〜200 ℃では5 〜50分など
と、比較的高温で長時間の加熱を行っている。このた
め、得られる酸化皮膜層は、必然的に銅の酸化物のみ乃
至銅の水酸化物が少なすぎる組成となる。このため、本
発明における前記A/ (A +B +C)が、必然的に0.1未満
の酸化皮膜しか得られない。
【0025】このため、前記従来技術が対象とする合成
樹脂フィルムに対する銅箔の密着性は改善されるかもし
れないが、この合成樹脂フィルムよりも銅箔表面との親
和力が乏しく、銅箔表面との密着性が低い、炭素などの
電極活物質に樹脂を加えたコーティングとの密着性改善
の効果は出ない。即ち、銅箔に前記酸化皮膜層を形成
し、炭素などの電極活物質に樹脂を加えたコーティング
層を設けた銅箔を陰極用に巻回などの加工を施して使用
した場合、銅箔表面からコーティング層が剥離、欠落す
る問題が生じる。
【0026】本発明における、銅箔表面の前記A/ (A +
B +C)が0.1 以上の、銅の水酸化物と銅の酸化物との複
合皮膜を得る方法としては、銅箔を大気中などの空気
乃至酸素と水分の存在下で加熱する方法、硫酸水溶液
に浸漬処理後、大気中で加熱酸化する方法、加湿大気
中や飽和水蒸気中で加熱酸化する方法、NaOHなどのア
ルカリ水溶液に浸漬する方法、硝酸ソーダなどの中性
水溶液に浸漬する方法、等が適宜選択される。この内、
やなどの浸漬方法は、銅箔製造コストの面で、加熱
する方法に比して有利である。なお、硫酸などの酸水溶
液に浸漬する乃至大気中に銅箔を放置して自然酸化させ
るのみの処理では、本発明複合皮膜は得にくい。
【0027】また、前記〜などの加熱酸化により複
合皮膜を形成する際には、好ましくは、60〜150 ℃の温
度で3 分以下の加熱時間とする。この加熱条件は、通常
の銅箔の酸化条件 (酸化皮膜形成条件) に比して、比較
的低い加熱温度と比較的短い加熱時間とすべきである。
前記好ましい加熱条件よりも加熱温度が高いおよび加熱
時間が長いと、皮膜中の銅の酸化物の割合が高くなると
ともに、銅の水酸化物の割合が低くなって、前記A/ (A
+B +C)が0.1 以上を満足することができない。一方、
前記好ましい加熱条件よりも加熱温度があまり低い乃至
加熱時間が短いと、複合皮膜自体の形成が困難となる可
能性がある。
【0028】しかし、いずれの方法をとるにせよ、温度
や時間などの基本的な条件を同じとしても、他の具体的
な条件によって、銅箔表面に生成する銅の水酸化物と銅
の酸化物との複合皮膜の、前記A/ (A +B +C)が異なっ
てくる場合があり、本発明要件を外れる場合があるの
で、前記A/ (A +B +C)が0.1 以上となるように、具体
的な処理条件を選択する必要がある。
【0029】また、本発明における複合皮膜を形成すべ
き銅箔に圧延油等が付着している場合など、複合皮膜を
形成する前には、必要により公知の脱脂や洗浄方法など
の前処理を行う。
【0030】なお、因みに、前記特開平07−109558号公
報では、その実施例において、箔を大気中などの空気乃
至酸素と水分の存在下で加熱しているものの、元々酸化
皮膜層を形成する目的で、その実施例の加熱条件は、80
℃×25時間、100 ℃×10時間、150 ℃×5 分、200 ℃×
5 分、300 ℃×30秒と、加熱温度が高い乃至加熱時間が
長く、皮膜中の銅の酸化物の割合が高くなるとともに、
銅の水酸化物の割合が低くなって、前記A/ (A +B +C)
が0.1 以上を満足することができない。
【0031】また、本発明における銅箔表面の銅の水酸
化物と銅の酸化物との複合皮膜の膜厚は、20〜2000オン
グストロームの厚さとするのが好ましい。膜厚が20オン
グストローム未満では、コーティング層の銅箔表面との
密着性向上効果が低くなる。一方、前記好ましい加熱条
件の範囲では、2000オングストローム (Å) を越える膜
厚の皮膜を形成すること自体が難しく、またこれ以上膜
厚を厚くしても密着性の向上効果に変わりは無く、逆に
電気抵抗が大きくなる乃至皮膜自体の箔表面との密着性
が低下するなどの問題を生じる可能性がある。
【0032】本発明に用いる銅箔の種類は、用途によっ
て適宜選択され公知の銅箔が適宜使用される。例えば、
リチウムイオン二次電池陰極用には、銅箔として、他に
曲げ性などの特性が必要であるため、タフピッチ銅、電
解銅などを使用することが好ましい。
【0033】
【実施例1】次に、本発明成形方法の実施例を説明す
る。冷間圧延によって得た、15μm 厚みのタフピッチ銅
箔から、幅が5cm で長さが7cm の長方形の銅箔試験片を
製作した。この銅箔試験片を、市販の炭化水素系有機溶
剤で洗浄して圧延油などの汚れを除去し、表1 に示す条
件にて加熱処理を行い、種々の複合皮膜を銅箔表面に設
けた密着性評価用試験片とした。
【0034】そして、これら密着性評価用試験片の皮膜
最表面組成を、X 線光電子分光分析により測定し、Cu2p
3 軌道の狭域光電子スペクトルを求め、該スペクトルの
ベースラインからスペクトルピークまでの長さをCu2p3
結合エネルギー値として、Cu(OH)2 に相当するCu2p3
合エネルギー値をA 、CuO に相当するCu2p3 結合エネル
ギー値をB 、Cu2Oに相当するCu2p3 結合エネルギー値を
C として求め、A/ (A+B +C)を算出した。この結果も
表1 に示す。なお、X 線光電子分光分析の測定は、パー
キン・エルマー社製のPHI 5400MCを使用し、X 線源とし
てMg Kα(400W)分析エリア1.1mm φ、検出器と試料面の
なす角45°にて行った。
【0035】また、市販のリチウムイオン二次電池陰極
用炭素 (天然黒鉛、サイズ: 10〜40μm)を、バインダー
として市販のPVDF樹脂と、炭素:PVDF=9:1(wt比) を混合
して、溶剤である市販のn −メチルピロリドンを更に混
ぜて混練した。そしてこの混練液をバーコーターにて、
0.02g/1.69cm2(乾燥後重量) の量を密着性評価用試験片
表面に塗り、130 ℃で3 分間乾燥して、コーティング箔
を得た。なお、表1 の発明例No.15 のみは人工炭素を同
じ条件で付着させた。
【0036】そして、リチウムイオン二次電池陰極用途
に要求される密着性のレベルを模擬して、このコーティ
ング箔のコーティング表面にセロハンテープを貼りつけ
た後、テープ上よりテフロンロールで圧着したのち、テ
ープを剥離した。コーティングと銅箔表面の密着性評価
は、テープを剥離した領域内において、単位面積(13×1
3mm=1.69cm2) 当たりの炭素残量( テープにて剥離せず
銅箔表面に残留している炭素量) を測定した。この試験
は、各々の例について10サンプルを行い、これらの銅箔
表面の炭素残量の平均が0.002g以上のものを◎、0.001
〜0.002gのものを○、0.001g未満のものを×として評価
した。これらの結果も表1 に示す。なお本剥離試験は、
リチウムイオン二次電池陰極用途の実際の使用中の剥離
性のレベルに比較して、約10倍厳しい条件であるため、
通常では付着した炭素の概ね90%以上 (0.018g/1.69cm2
以上) が剥離する。したがって、銅箔表面の炭素残量の
平均が0.002g以上であれば、炭素の耐剥離性 (密着性)
が非常に優れていると言える。
【0037】表1 から分かる通り、前記A/ (A +B +C)
が0.1 以上を満足する発明例No.1〜8 、15は、炭素残量
が多く、密着性が良いのに対し、前記A/ (A +B +C)が
0.1未満である比較例No.9〜12、中でも前記A/ (A +B
+C)の下限値に近い比較例No.13 、14は炭素残量が少な
く密着性が劣る。また、発明例同士の比較において、前
記A/ (A +B +C)が比較的小さい発明例No.3、あるいは
前記A/ (A +B +C)が大きい発明例No.9は、他の発明例
に比して密着性のレベルが低くなっている。したがっ
て、これらの事実から、本発明要件の臨界的な意義や好
ましい条件の意義が裏付けられる。
【0038】また、表1 の結果から、複合皮膜の形成方
法について、銅箔をNaOHなどのアルカリ水溶液に浸漬す
る方法 (発明例No.1) 、銅箔を大気中などの空気乃至酸
素と水分の存在下で加熱する方法 (発明例No.4、5 、
6)、銅箔を硫酸水溶液に浸漬処理後、大気中で加熱酸化
する方法( 発明例No.2) 、銅箔を加湿大気中や飽和水蒸
気中で加熱酸化する方法 (発明例No.7、8)では、前記A/
(A +B +C)が0.1 以上を満足する複合皮膜が比較的で
きやすいことが分かる。
【0039】これに対し、銅箔を硝酸ソーダなどの中性
水溶液に浸漬する方法 (発明例No.3) では、前記A/ (A
+B +C)が他の方法による発明例に比して低く、本発明
複合皮膜が得にくいことが分かる。また、硫酸などの酸
水溶液に浸漬する方法 (比較例No.11)、あるいは大気中
に銅箔を放置して自然酸化させるのみの処理 (比較例N
o.10)では、本発明複合皮膜は得られないことが分か
る。更に、同じく銅箔を大気中で加熱する方法でも、加
熱温度が低い乃至加熱時間が短すぎる比較例No.13、14
や、逆に加熱温度が高い乃至加熱時間が長すぎる比較例
No.15 でも本発明複合皮膜が得られておらず、加熱酸化
にて本発明複合皮膜を得るためには、最適条件を選択す
る必要性があることが分かる。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、炭素などの活物質に樹
脂を加えたコーティングなどの、銅箔表面との親和力が
元々乏しいコーティングと銅箔表面との密着性を向上さ
せた銅箔を提供することができる。銅箔との親和力が乏
しいコーティングを施した銅箔の用途を拡げることがで
きる点で、多大な工業的価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明銅箔表面の皮膜のX 線光電子分光分析に
より測定した際のCu2p3 軌道の狭域光電子スペクトルの
一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A …Cu(OH)2 に相当するCu2p3 結合エネルギー値 B …CuO に相当するCu2p3 結合エネルギー値 C …Cu2Oに相当するCu2p3 結合エネルギー値 h1、h2、h3…Cu2p3 軌道の狭域光電子スペクトルのベー
スラインからスペクトルピークまでの長さ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箔表面にコーティング層を設けて使用さ
    れる銅箔において、銅箔表面に銅の水酸化物と銅の酸化
    物とを含む複合皮膜を有するとともに、この複合皮膜を
    X 線光電子分光分析により測定した際のCu2p3 軌道の狭
    域光電子スペクトルにおいて、該スペクトルのベースラ
    インからスペクトルピークまでの長さをCu2p3 結合エネ
    ルギー値とした時、Cu(OH)2 に相当するCu2p3 結合エネ
    ルギー値A 、CuO に相当するCu2p3 結合エネルギー値B
    、Cu2Oに相当するCu2p3 結合エネルギー値C が、A/ (A
    +B +C)≧0.1 の関係となる皮膜組成を有することを
    特徴とするコーティング層との密着性に優れた銅箔。
  2. 【請求項2】 前記A/ (A +B +C)が0.4 以下である請
    求項1に記載のコーティング層との密着性に優れた銅
    箔。
  3. 【請求項3】 前記皮膜の厚さが20〜2000オングストロ
    ームである請求項1または2に記載のコーティング層と
    の密着性に優れた銅箔。
  4. 【請求項4】 前記コーティング層が電極活物質を含む
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコーティング層
    との密着性に優れた銅箔。
  5. 【請求項5】 前記電極活物質が炭素粉を含む請求項4
    に記載のコーティング層との密着性に優れた銅箔。
  6. 【請求項6】 前記炭素粉が天然炭素である請求項5に
    記載のコーティング層との密着性に優れた銅箔。
  7. 【請求項7】 前記銅箔の用途が電池用である請求項1
    乃至6のいずれか1項に記載のコーティング層との密着
    性に優れた銅箔。
  8. 【請求項8】 前記銅箔の用途がリチウムイオン二次電
    池陰極用である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
    コーティング層との密着性に優れた銅箔。
  9. 【請求項9】 前記皮膜が、銅箔を空気乃至酸素と水分
    の存在下で、60〜150 ℃の温度で3 分以下加熱して得ら
    れるものである請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    コーティング層との密着性に優れた銅箔。
JP10094764A 1998-04-07 1998-04-07 コーティング層との密着性に優れた銅箔 Pending JPH11293444A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10094764A JPH11293444A (ja) 1998-04-07 1998-04-07 コーティング層との密着性に優れた銅箔

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10094764A JPH11293444A (ja) 1998-04-07 1998-04-07 コーティング層との密着性に優れた銅箔

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11293444A true JPH11293444A (ja) 1999-10-26

Family

ID=14119176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10094764A Pending JPH11293444A (ja) 1998-04-07 1998-04-07 コーティング層との密着性に優れた銅箔

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11293444A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9412995B2 (en) 2007-03-29 2016-08-09 Tdk Corporation Electrode and electrochemical device
JP2017154970A (ja) * 2009-08-03 2017-09-07 ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッドPPG Industries Ohio,Inc. ガラス組成物およびガラス組成物から作製された繊維
JP2019032966A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 日立金属株式会社 二次電池負極集電体用材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9412995B2 (en) 2007-03-29 2016-08-09 Tdk Corporation Electrode and electrochemical device
JP2017154970A (ja) * 2009-08-03 2017-09-07 ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッドPPG Industries Ohio,Inc. ガラス組成物およびガラス組成物から作製された繊維
JP2019032966A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 日立金属株式会社 二次電池負極集電体用材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5625141B1 (ja) リチウムイオン二次電池負極集電体用銅箔
EP0935300B1 (en) Method for manufacturing electrode for battery
US7095603B2 (en) Electrode for an energy storage device
JP2004207117A (ja) 集電体用アルミニウム箔、集電体および二次電池
KR101631838B1 (ko) 도전물 피복 알루미늄재와 그 제조 방법
JP5081481B2 (ja) 濡れ性に優れた銅箔及びその製造方法
TWI668903B (zh) 具有改進的黏附力的銅箔、包含其之電極、包含其之二次電池及其製造方法
KR101828880B1 (ko) 리튬 이온 2차 전지용 표면 처리 전해 동박, 이것을 이용한 리튬 이온 2차 전지용 전극 및 리튬 이온 2차 전지
JPH11310864A (ja) コーティング層との密着性に優れた銅箔
JP2010168605A (ja) 水濡れ性に優れた銅箔及びその製造方法
JP2000045059A (ja) 水濡れ性に優れた銅箔
JPH11293444A (ja) コーティング層との密着性に優れた銅箔
JP7680519B2 (ja) 銅箔の表面処理方法、酸化防止銅箔、及びリチウム電池の負極
JPH11302822A (ja) コーティング層との密着性に優れた銅箔
JP4156293B2 (ja) 導電性プレコートアルミニウム合金板
JPH11158652A (ja) 二次電池用電極材料の製造方法
JP2012043747A (ja) 二次電池用電極とその製造方法
WO2020090195A1 (ja) リチウムイオン電池集電体用圧延銅箔及びリチウムイオン電池
JP5554455B1 (ja) 表面処理銅箔とその製造方法、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池
JP7248514B2 (ja) 燃料電池用セパレータ材の製造方法
US4389459A (en) Conductive coatings for metal substrates
US4331487A (en) Conductive coatings for metal substrates
JPH11176422A (ja) 電池用電極の製造方法
JPH07109558A (ja) 水ぬれ性の良い銅箔の製造方法
JP7794209B2 (ja) リード線および電力貯蔵デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061205