JPH11293797A - コンクリートの止水用具 - Google Patents

コンクリートの止水用具

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JPH11293797A JP12181598A JP12181598A JPH11293797A JP H11293797 A JPH11293797 A JP H11293797A JP 12181598 A JP12181598 A JP 12181598A JP 12181598 A JP12181598 A JP 12181598A JP H11293797 A JPH11293797 A JP H11293797A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レイタンスの凹凸が激しい個所にも馴染み良く
密着し、降雨や溜まり水などに浸るも止水剤の流出する
おそれがないコンクリートの止水用具を提供する。 【解決手段】吸水ゲル化するベントナイトやセピオライ
ト、その他の粘土質乾燥粒子又は粉末から成る止水剤
(10)を、コンクリートのアルカリ水により溶解可能
な合成繊維の編布から成る包袋(11)の内部へ、ほぼ
満杯状態に封入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリートの止水
用具に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート成形用型枠のセパレーター
とその打設コンクリートとの境界部や、コンクリート打
継ぎ部などを閉塞するための止水用具については、特願
平7−115662号が提案されており、これが本発明
に最も近似すると考えられる。
【0003】この先願発明には、コンクリート打継ぎ部
の止水用具として高吸水性化合物の止水剤(21)(3
1)を、合成樹脂フィルムの細長い袋(20)(30)
により被覆した紐形態(図4、5参照)と、セパレータ
ー(4)の止水用具として同じ止水剤(11)を、合成
樹脂容器(10)内へ気密に充填したカプセル形態(図
1、2参照)との2種が記載されており、その袋(2
0)(30)と容器(10)の何れもアルカリ条件下に
おいて分解可能な合成樹脂材料から成る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記紐形態
の止水用具について言えば、その細長い袋(20)(3
0)が仮令アルカリ水により加水分解する脂肪族ポリエ
ステルなどの合成樹脂材料から成るとしても、このよう
な概念的な記載程度にとどまる構成要件からは、上記袋
(20)(30)がフィルムであることや、これとの相
関々係において止水剤(21)(31)の充填比が規定
されていないこととも相俟ち、その袋(20)(30)
内へ満杯状態に止水剤(21)(31)を充填した場合
には、自由自在に屈曲変形させることが困難である。殊
更、止水剤(31)をメッシュシート(32)と袋(3
0)によって、二重に被覆した剛性の高い止水用具(図
5参照)では、これを自由自在に屈曲変形させることが
不可能である。
【0005】そのため、例えばコンクリートに埋込むH
型鋼の屈曲した表面や、その他のレイタンスの凹凸が激
しい個所へ設置使用する場合、これらの個所へ馴染み良
く密着させることができず、散水によって柔軟化させな
い限り、上記袋(20)(30)の破れてしまうおそれ
がある。
【0006】そうすると、施工現場において次のコンク
リート打設までに長時間放置され、その間に降雨を受け
たり、溜まり水に浸漬されたりした場合には、止水剤
(21)(31)が早くも膨潤ゲル化して、止水を要す
る個所から流されてしまい、コンクリートとの付着度を
損なうことになるため、新らたな止水用具を設置し直さ
なければならない。
【0007】そして、上記袋(20)(30)の破損
は、その設置使用中現場での作業者に繰返し踏み付けら
れたり、或いは鉄鋼などの建築材料が衝当したりした場
合にも、同様に起ることとなり、何れにしてもその止水
効果が施工場所や施工時間、気象条件などによって、大
きく左右されるのである。
【0008】他方、上記カプセル形態の止水用具につい
て言えば、その合成樹脂容器(10)が固形品であるた
めに、運搬や保管上束ねると破損するおそれがあり、又
その容器(10)内には止水剤(11)がセパレーター
(4)と直かに触れる状態として充填されているため、
これをセパレーター(4)へすばやく通し込むことも困
難であって、このことは容器(10)とその蓋(10
1)に切込み(10a)を設けても解消されるものでは
なく、重労働の作業となる。
【0009】上記セパレーター(4)への通し込みを容
易化するためには、止水剤(11)の充填量を減らさざ
るを得ず、そうするとセパレーター(4)と打設コンク
リートとの境界部を不足なく止水することが不可能とな
り、その止水効果の安定・信頼性にも劣る問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような諸問
題の改良を企図しており、そのために役立つコンクリー
トの止水用具として、吸水ゲル化するベントナイトやセ
ピオライト、その他の粘土質乾燥粒子又は粉末から成る
止水剤を、コンクリートのアルカリ水により溶解可能な
合成繊維の編布から成る包袋の内部へ、ほぼ満杯状態に
封入したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の具体
的構成を詳述すると、図1、2はコンクリート打継ぎ部
の止水用にふさわしい本発明の第1実施形態を示してい
るが、その止水用具(A)は吸水ゲル化する粘土質乾燥
粒子又は粉末の止水剤(10)を、雨水や水道水などの
淡水には反応せず、コンクリートのアルカリ水に反応し
て、これにより溶解し得る合成繊維の編布から成る包袋
(11)の内部へ、ほぼ満杯状態に封入したものであ
る。
【0012】上記粘土質乾燥粒子又は粉末の止水剤(1
0)としては、ベントナイト(Bentonite)やセピオライ
ト(Sepiolite) をその各別の単独に、又はベントナイト
とセピオライトとの比率が約50:50〜約70:30
のもとに混合して使用する。
【0013】その使用するベントナイトの物性と化学分
析値は下記表1と表2に示す通りであり、これによれば
水分を吸収して膨潤ゲル化するため、水路を確実に閉塞
し、安定な止水効果を達成することができる。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】又、セピオライト(例えば水澤化学工業株
式会社の商品名「エードプラス」)の物性と化学分析値
は下記表3と表4に示す通りであり、これを止水剤(1
0)として使用すれば、上記ベントナイトの吸収する淡
水や雨水のみならず、その三次元的な鎖状のトンネル構
造(結晶構造)によって、海水(塩分)や油分なども吸
収ゲル化し、乾燥固結するため、やはり水路を塞ぐこと
ができ、殊更海辺の埋立地に使用する止水剤(10)と
して有益である。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】他方、上記包袋(11)の材料に用いる合
成繊維としては、PH7の中性の水分では未だ溶解せ
ず、PH11以上の強いアルカリ性の水分により溶解さ
れる生分解性のポリ乳酸繊維(例えばカネボウ合繊株式
会社の商品名「ラクトロン」)、就中主成分の澱粉に天
然高分子多糖類と可塑剤を配合した熱融着性のポリ乳酸
繊維が好適である。
【0020】そして、そのポリ乳酸繊維の編糸から約1
0〜17mmの直径(D)に筒編み(たて編み・メリヤ
ス編み)した後、約2〜5mの長さ(L)にカットする
ことにより、チューブ形態のシームレスな包袋(11)
として、その包袋(11)の開口一端部(12a)を先
に封止した上、同じく開口他端部(12b)から上記止
水剤(10)をほぼ満杯状態(約90%以上)に充填
し、最後にその開口他端部(12b)を封止するのであ
る。
【0021】上記包袋(11)の封止手段としては熱融
着のほか、接着剤や結束線、止め金などの別個な固定具
(13)を採用することができ、又上記止水剤(10)
の充填方法としては自由に選定し得るが、これが乾燥状
態の粒子又は粉末であることに基き、例えばブロアーな
どの風力により包袋(11)の内部へ吹き入れること
が、量産上効果的であると言える。
【0022】何れにしても、上記包袋(11)は編布か
ら成るため、これを形作る編糸のループが自由自在に変
形作用し、その伸縮性や可撓性に富む結果、例えばコン
クリートに埋込むH型鋼の屈曲した表面や、その他のレ
イタンスの凹凸が激しい個所に対しても、これらに追従
する如く、本発明の止水用具を馴染み良く密着させるこ
とができ、止水効果の安定性や信頼性に優れる。このこ
とには、上記止水剤(10)が乾燥状態での粒子又は粉
末であることも役立つ。
【0023】この点、同じポリ乳酸繊維から成ると雖
も、その織物としての包袋では縦糸と横糸とが交錯する
ため、伸縮性や可撓性に劣り、殊更その包袋の内部へ上
記止水剤を満杯状態に封入した場合、全体的な硬い棒状
態となって、自由自在に屈曲変形させることができず、
破れてしまうおそれがある。
【0024】又、同じポリ乳酸繊維の不織布から成る包
袋では、その厚みや強さを全体の均一に仕上げることが
困難であるため、無理に屈曲変形させたり、凹凸の激し
い個所に繰返し踏み付けたり、或いは鉄鋼などの建築材
料に衝当したりした場合、その薄く弱い部分から破裂し
てしまい、止水剤が洩れ出すことになる。
【0025】本発明の上記包袋(11)は伸縮性に富む
編布から成り、その内部へ止水剤(10)がほぼ満杯状
態に封入されているため、又その止水剤(10)の洩れ
出し減量するおそれもないため、これを約10〜17m
mの直径(D)として、比較的細く形成することができ
るが、その約10mmよりも径小であると、万一止水効
果の不足するおそれがあり、逆に約17mmよりも径大
であると、コンクリートに埋込む過大な異物(不純物)
と看做され、その使用に抵抗感を与えるからである。
【0026】更に、同じく包袋(11)の長さ(L)を
約2〜5mにカットした理由は、コンクリート打継ぎ部
の止水用として最大公約数的に使えるようにするためで
あり、その長さ(L)が約2mよりも短いと、頻繁に継
ぎ足さなければならず、逆に約5mよりも長いと、施工
現場での取扱いや運搬などを便利良く行なえないからで
ある。
【0027】次に、図3は先の図1と対応する本発明の
第2実施形態を示しており、これもコンクリート打継ぎ
部にふさわしい止水用具(A)であるが、その図3から
明白なように、上記包袋(11)をポリ乳酸繊維の編糸
により、丸底部(14a)を備えた試験管の形態に編ん
で、開口端部(14b)から上記止水剤(10)をほぼ
満杯状態に充填した後、その開口端部(14b)をやは
り熱融着や別個な固定具(13)によって封止しても良
い。尚、その包袋(11)の直径(D)並びに長さ
(L)は上記第1実施形態のそれと実質的に同一寸法で
ある。
【0028】更に、図4、5はコンクリート成形用型枠
(M)のセパレーター(15)と、その打設コンクリー
ト(C)との境界部を止水するにふさわしい本発明の第
3実施形態に係り、これでは上記第1実施形態の止水用
具(A)をセパレーター(15)への通し込み可能なド
ーナツ形態に捲き曲げてある。
【0029】つまり、この第3実施形態の止水用具
(B)はその構成上、上記ポリ乳酸繊維から一定の直径
(D)と長さ(L)を備えたチューブ形態に筒編みした
包袋(11)の内部へ、上記止水剤(10)をやはりほ
ぼ満杯状態に充填した後、その包袋(11)の開口一端
部(12a)と開口他端部(12b)とを突き合わせ又
は重ね合わせて、熱融着又は接着することにより、中心
が上記セパレーター(15)への通し込み口(16)と
して開放することとなるドーナツ形態を呈している。
【0030】このようなドーナツ形態の止水用具(B)
では、その開口一端部(12a)と開口他端部(12
b)との内部連通状態にあるが、図3に示した上記第2
実施形態の止水用具(A)を、その丸底部(14a)に
対する開口端部(14b)の熱融着や接着により、言わ
ば内部の仕切られたドーナツ形態に捲き曲げても良い。
【0031】何れにしても、上記通し込み口(16)の
口径(S)はセパレーター(15)の直径と同じか、又
はその包袋(11)の伸縮する分だけ径小な寸法とし
て、例えば約8mmであり、上記セパレーター(15)
の円周面へ可及的に密着し得るようになっている。
【0032】上記第3実施形態の止水用具(B)によれ
ば、その包袋(11)がやはり伸縮性に富む編布から成
るため、コンクリート成形用型枠(M)のセパレーター
(15)へ無理なく軽快に通し込み使用することがで
き、又その通し込み作業中には勿論のこと、運搬や保管
上束ねたとしても、決して破損するおそれがない。
【0033】上記第1〜3実施形態の止水用具(A)
(B)において、その包袋(11)が強いアルカリ水を
受けることにより、万一早く溶解し過ぎる場合には、そ
の編布中にポリエステルやナイロン、ビニロン、その他
のアルカリ水による溶解不能な合成繊維を適当に混入さ
せて、上記包袋(11)を編み上げることにより、その
溶解速度を調整すれば良い。その混入比率としては、上
記ポリ乳酸繊維の編布に対する約10分の1程度に定め
ることが好ましい。
【0034】尚、図1〜5には断面円形の包袋(11)
を示しているが、その断面の楕円形や多角形などに編み
上げても良く、又その編糸に着色カラーを与えることも
可能である。更に、上記したシームレスの筒編みに代え
て、その包袋(11)の長手方向に沿うシームが発生す
る編み方を採用してもさしつかえない。
【0035】上記第1、2実施形態の止水用具(A)を
使用するに当っては、図6〜9の各種使用例から明白な
ように、これをコンクリート(C1)(C2)の打継ぎ
部に沿って設置し、その既設コンクリート(C1)の補
強鉄筋(17)へ結束線(18)などにより縛り付け固
定して、引続き打設されるコンクリート(C2)との継
ぎ目(P)へ、挟み込まれる結果となるように保つ。
【0036】上記コンクリート(C1)(C2)の打継
ぎ部が図7〜9のような垂直面や天井面をなす場合に
は、その補強鉄筋(17)に対する止水用具(A)の結
束などに加えて、その垂直面や天井面へスピンドル鋲
(19)を固定設置すると共に、そのスピンドル鋲(1
9)の針に止水用具(A)を差し込み又は結束したり、
同じく垂直面や天井面へ別個なサドルバンド(20)に
より押え付けたり、或いは接着剤により貼り付けたりし
て、上記止水用具(A)を安定良く位置決め固定する。
【0037】上記止水用具(A)を設置使用する際、そ
の長さ(L)に万一不足が生じたならば、これを継ぎ足
して、その隣り合う複数の継ぎ足し部(X)を結束線や
止め金、咬合子を有する面ファスナー(所謂マジックテ
ープ又はベルクロファスナー)、その他の適当な締結具
(21)により固定する。
【0038】特に、その締結具(21)として上記面フ
ァスナーを採用すると共に、これも上記ポリ乳酸繊維や
その他の生分解性合成繊維から作成して、上記包袋(1
1)の一端部又は両端部へ予じめ付属一体化させておく
ことが望ましい。
【0039】上記止水用具(A)は既設コンクリート
(C1)と、引続き打設されたコンクリート(C2)と
の継ぎ目(P)に介在する使用状態において、その包袋
(11)がコンクリート(C1)(C2)に含まれてい
る強いアルカリ水に反応して、経時的に溶解すると共
に、その水分を吸収した止水剤(ベントナイト)(1
0)が、当初の乾燥粒子状態から約20倍以上に大きく
膨潤ゲル化することとなり、上記継ぎ目(P)を図1
0、11のように閉塞して、その確実な止水作用を果す
のである。
【0040】しかも、その止水用具(A)の包袋(1
1)は伸縮性と可撓性に富む編布から成るため、図12
のようなコンクリートに埋込まれるH型鋼(22)の屈
曲した表面に対しても、その自由自在に捲き付け使用す
ることができ、レイタンスの凹凸が激しい個所にも追従
して、馴染み良く密着するため、上記包袋(11)の内
部へほぼ満杯状態に封入された止水剤(10)とも相俟
って、完全な止水効果を達成することができる。
【0041】他方、上記第3実施形態の止水用具(B)
を使用する場合には、コンクリート成形用型枠(M)の
組立に先立って、図13、14に示す通り、そのセパレ
ーター(15)へ止水用具(B)を通し込めば良い。
【0042】そうすれば、その型枠(M)内へ打設され
たコンクリート(C)の強いアルカリ水により、やはり
止水用具(B)の包袋(11)が経時的に溶解すると共
に、その水分を吸収した止水剤(ベントナイト)(1
0)が大きく膨潤ゲル化することとなり、上記セパレー
ター(15)と打設コンクリート(C)との境界部を閉
塞して、その止水作用を完遂するのである。尚、図13
の符号(23)は上記型枠(M)を形作る向かい合う一
対の堰板、(24)はセパレーター(15)の両端ネジ
部に締結されたフォームタイ、(25)はコーンを示し
ている。
【0043】上記第1〜3実施形態の止水用具(A)
(B)がその設置使用中、万一長時間施工現場で放置さ
れることによって、その間に降雨を受けたり、溜まり水
に浸漬されたりした場合に、これを吸収した止水剤(ベ
ントナイト)(10)が膨潤ゲル化し初めたとしても、
これを封入した包袋(11)は伸縮性に富む編布から成
るため、上記止水剤(10)の円滑な膨潤ゲル化を阻止
することなく、これに応じて360度の方向へ自由自在
に伸張し得る。
【0044】しかも、その包袋(11)は雨水や水道水
などの淡水によって溶解されず、又弱いアルカリ水によ
っても溶解困難であるため、上記止水剤(10)の洩れ
出し減量するおそれがなく、更には上記放置中現場作業
者により繰返し踏み付けられたり、鉄鋼などの建築材料
が衝当したりしても、伸縮作用して容易に破れないの
で、その止水用具(A)(B)を設置し直す必要も起ら
ない。
【0045】要するに、本発明の止水用具(A)(B)
は施工現場において、コンクリートの打設までに長時間
放置されたとしても、一切の支障がなく、その止水効果
が施工場所や施工時間、気象条件などによって、全然左
右されないのである。
【0046】殊更、海辺の埋立地にコンクリート構造物
を建設するような場合には、止水用具(A)(B)の止
水剤(10)としてセピオライトを採用するのであり、
そうすればこれが海水(塩分)や油分を吸収ゲル化し、
乾燥固結性を有するため、上記と同じくコンクリート
(C1)(C2)の打継ぎ部を初め、コンクリート成形
用型枠(M)のセパレーター(15)とその打設コンク
リート(C)との境界部などを、やはり確実に止水作用
することができ、脱臭効果までも期待し得る。
【0047】尚、コンクリート構造物の建設場所次第で
は、上記ベントナイトとセピオライトとを混合した止水
剤(10)を使用しても良い旨は、既に述べた通りであ
る。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るコンクリー
トの止水用具(A)(B)は、吸水ゲル化するベントナ
イトやセピオライト、その他の粘土質乾燥粒子又は粉末
から成る止水剤(10)を、コンクリートのアルカリ水
により溶解可能な合成繊維の編布から成る包袋(11)
の内部へ、ほぼ満杯状態に封入してあるため、冒頭に述
べた従来技術の諸問題を悉く改良できる効果がある。
【0049】即ち、本発明の上記構成によれば、その止
水用具(A)(B)の包袋(11)がコンクリートのア
ルカリ水により溶解し得る合成繊維の編布から成り、伸
縮性や可撓性に富むため、止水剤(10)がベントナイ
トやセピオライトなどの粘土質乾燥粒子又は粉末から成
ることとも相俟って、その止水剤(10)をほぼ満杯状
態に封入したとしても、自由自在に無理なく屈曲変形さ
せることができる。
【0050】その結果、コンクリートにおけるレイタン
スの凹凸が激しい個所や、そのコンクリートに埋込むH
型鋼の屈曲した表面などに対しても、これらに常時追従
する如く、その止水用具(A)(B)を安定な密着状態
に設置使用することができ、別途な下地均らし作業を行
なう必要もなく、優れた止水効果を達成し得るのであ
る。
【0051】又、上記止水用具(A)(B)の設置使用
中、その包袋(11)がコンクリートのアルカリ水に反
応して、経時的に溶解するため、その水分を吸収した止
水剤(10)は、制約なく自由にゲル化し得ることとな
り、これによって硬化後のコンクリートに発生する空隙
を閉塞し、確実に止水することができるのであり、その
止水効果の安定・信頼性に富む。
【0052】他方、上記止水用具(A)(B)が万一次
のコンクリート打設までに、長時間施工現場で放置さ
れ、その間に降雨を受けたり、或いは溜まり水に浸漬さ
れたりした場合に、これを吸収した止水剤(10)がゲ
ル化し初めたとしても、その止水剤(10)を封入した
包袋(11)は、雨水や溜まり水などの淡水に反応せ
ず、これにより溶解されないばかりでなく、伸縮性に富
む編布から成るため、上記止水剤(10)の円滑な吸水
ゲル化を阻止しないことは勿論、その洩れ出し減量する
おそれもない。その結果、上記止水効果が施工場所や施
工時間、気象条件などに全然左右されず、便利良く使え
るのである。
【0053】特に、請求項2や請求項3の構成を採用す
るならば、包袋(11)の作成とこれに対する止水剤
(10)の充填を容易に行なえ、止水用具(A)(B)
の量産効果に優れるばかりでなく、その包袋(11)が
ポリ乳酸繊維から成るものとして、生分解性を有するた
め、環境問題の解決にも役立つ。
【0054】更に、請求項4の構成を採用するならば、
そのドーナツ形態の中心に開放する通し込み口(16)
によって、止水用具(B)をコンクリート成形用型枠
(M)のセパレーター(15)へ、割れなどのおそれな
く軽快・円滑に通し込むことができ、その通し込み状態
での使用により、上記セパレーター(15)と打設コン
クリート(C)との境界部を確実に安定良く止水し得る
ほか、施工現場での取扱いや運搬などの利便性も昂ま
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略側面図であ
る。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す概略側面図であ
る。
【図4】本発明の第3実施形態を示す概略正面図であ
る。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】第1、2実施形態の止水用具をコンクリート打
継ぎ部(平面)に設置使用した状態の断面図である。
【図7】同じくコンクリート打継ぎ部(垂直面)に設置
使用した状態の断面図である。
【図8】同じくコンクリート打継ぎ部(直角面)に設置
使用した状態の断面図である。
【図9】同じくコンクリート打継ぎ部(天井面)に設置
使用した状態の断面図である。
【図10】第1、2実施形態の止水用具によるコンクリ
ート打継ぎ部の止水状態を示す拡大断面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】第1、2実施形態の止水用具をH型鋼に捲き
付けた使用状態の斜面図である。
【図13】第3実施形態の止水用具をセパレーターに通
し込んだ使用状態の断面図である。
【図14】図13の14−14線に沿う拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
(10)・止水剤 (11)・包袋 (12a)・開口一端部 (12b)・開口他端部 (13)・固定具 (14a)・丸底部 (14b)・開口端部 (A)・止水用具 (B)・止水用具 (D)・直径 (L)・長さ
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 コンクリートの止水用具
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリートの止水
用具に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート成形用型枠のセパレーター
とその打設コンクリートとの境界部や、コンクリート打
継ぎ部などを閉塞するための止水用具については、特願
平7−115662号が提案されており、これが本発明
に最も近似すると考えられる。
【0003】この先願発明には、コンクリート打継ぎ部
の止水用具として高吸水性化合物の止水剤(21)(3
1)を、合成樹脂フィルムの細長い袋(20)(30)
により被覆した紐形態(図4、5参照)と、セパレータ
ー(4)の止水用具として同じ止水剤(11)を、合成
樹脂容器(10)内へ気密に充填したカプセル形態(図
1、2参照)との2種が記載されており、その袋(2
0)(30)と容器(10)の何れもアルカリ条件下に
おいて分解可能な合成樹脂材料から成る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記紐形態
の止水用具について言えば、その細長い袋(20)(3
0)が仮令アルカリ水により加水分解する脂肪族ポリエ
ステルなどの合成樹脂材料から成るとしても、このよう
な概念的な記載程度にとどまる構成要件からは、上記袋
(20)(30)がフィルムであることや、これとの相
関々係において止水剤(21)(31)の充填比が規定
されていないこととも相俟ち、その袋(20)(30)
内へ満杯状態に止水剤(21)(31)を充填した場合
には、自由自在に屈曲変形させることが困難である。殊
更、止水剤(31)をメッシュシート(32)と袋(3
0)によって、二重に被覆した剛性の高い止水用具(図
5参照)では、これを自由自在に屈曲変形させることが
不可能である。
【0005】そのため、例えばコンクリートに埋込むH
型鋼の屈曲した表面や、その他のレイタンスの凹凸が激
しい個所へ設置使用する場合、これらの個所へ馴染み良
く密着させることができず、散水によって柔軟化させな
い限り、上記袋(20)(30)の破れてしまうおそれ
がある。
【0006】その袋(20)(30)が破れてしまう
、施工現場において後付けコンクリート打設までに
長時間放置され、その間に降雨を受けたり、溜まり水に
浸漬されたりした場合には、止水剤(21)(31)が
早くも膨潤ゲル化して、止水を要する個所から流されて
しまい、コンクリート表面との付着度を損なうことにな
るため、新らたな止水用具を設置し直さなければならな
い。
【0007】そして、上記袋(20)(30)の破損
は、その設置使用中現場での作業者に繰返し踏み付けら
れたり、或いは鉄鋼などの建築材料が衝当したりした場
合にも、同様に起ることとなり、何れにしてもその止水
効果が施工場所や施工時間、気象条件などによって、大
きく左右されるのである。
【0008】他方、上記カプセル形態の止水用具につい
て言えば、その合成樹脂容器(10)が固形品であるた
めに、運搬や保管上束ねると破損するおそれがあり、又
その容器(10)内には止水剤(11)がセパレーター
(4)と直かに触れる状態として充填されているため、
これをセパレーター(4)へすばやく通し込むことも困
難であって、このことは容器(10)とその蓋(10
1)に切込み(10a)を設けても解消されるものでは
なく、重労働の作業となる。
【0009】上記セパレーター(4)への通し込みを容
易化するためには、止水剤(11)の充填量を減らさざ
るを得ず、そうするとセパレーター(4)と打設コンク
リートとの境界部を不足なく止水することが不可能とな
り、その止水効果の安定・信頼性にも劣る問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような諸問
題の改良を企図しており、そのために役立つコンクリー
トの止水用具として、吸水により膨潤ゲル化するベント
ナイトやセピオライト、その他の粘土質乾燥粒子又は粉
末から成る止水剤を、コンクリートにおけるPH11以
上の強いアルカリ水により溶解可能な生分解性ポリ乳酸
繊維の編糸から、上記止水剤の膨潤ゲル化に応じて自由
に伸張し得る可撓なチューブ形態に筒編みされた包袋の
内部へ、ほぼ満杯状態に封入したことを特徴とするもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の具体
的構成を詳述すると、図1、2はコンクリート打継ぎ部
の止水用にふさわしい本発明の第1実施形態を示してい
るが、その止水用具(A)は吸水ゲル化する粘土質乾燥
粒子又は粉末の止水剤(10)を、雨水や水道水などの
淡水には反応せず、コンクリートの強いアルカリ水に反
応して、これにより溶解し得る生分解性合成繊維の編布
から成る包袋(11)の内部へ、ほぼ満杯状態に封入し
たものである。
【0012】上記粘土質乾燥粒子又は粉末の止水剤(1
0)としては、ベントナイト(Bentonite)やセピオライ
ト(Sepiolite) をその各別の単独に、又はベントナイト
とセピオライトとの比率が約50:50〜約70:30
のもとに混合して使用する。
【0013】その使用するベントナイトの物性と化学分
析値は下記表1と表2に示す通りであり、これによれば
水分を吸収して膨潤ゲル化するため、水路を確実に閉塞
し、安定な止水効果を達成することができる。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】又、セピオライト(例えば水澤化学工業株
式会社の商品名「エードプラス」)の物性と化学分析値
は下記表3と表4に示す通りであり、これを止水剤(1
0)として使用すれば、上記ベントナイトの吸収する淡
水や雨水のみならず、その三次元的な鎖状のトンネル構
造(結晶構造)によって、海水(塩分)や油分なども吸
収ゲル化し、乾燥固結するため、やはり水路を塞ぐこと
ができ、殊更海辺の埋立地に使用する止水剤(10)と
して有益である。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】他方、上記包袋(11)の材料に用いる合
成繊維としては、PH7の中性の水分では未だ溶解せ
ず、PH11以上の強いアルカリ性の水分により溶解さ
れる生分解性のポリ乳酸繊維(例えばカネボウ合繊株式
会社の商品名「ラクトロン」)、就中主成分の澱粉に天
然高分子多糖類と可塑剤を配合した熱融着性のポリ乳酸
繊維が好適である。
【0020】そして、その生分解性ポリ乳酸繊維の編糸
から約10〜17mmの直径(D)に筒編み(たて編み
・メリヤス編み)した後、約2〜5mの長さ(L)にカ
ットすることにより、チューブ形態のシームレスな包袋
(11)として、その包袋(11)の開口一端部(12
a)を先に封止した上、同じく開口他端部(12b)か
ら上記止水剤(10)をほぼ満杯状態(約90%以上)
に充填し、最後にその開口他端部(12b)を封止する
のである。
【0021】上記包袋(11)の封止手段としては熱融
着のほか、接着剤や結束線、止め金などの別個な固定具
(13)を採用することができ、又上記止水剤(10)
の充填方法としては自由に選定し得るが、これが乾燥状
態の粒子又は粉末であることに基き、例えばブロアーな
どの風力により包袋(11)の内部へ吹き入れること
が、量産上効果的であると言える。
【0022】何れにしても、上記包袋(11)は編布か
ら成るため、これを形作る編糸のループが自由自在に変
形作用し、その伸縮性と可撓性に富む結果、例えばコン
クリートに埋込むH型鋼の屈曲した表面や、その他のレ
イタンスの凹凸が激しい個所に対しても、これらに追従
する如く、本発明の止水用具を馴染み良く密着させるこ
とができ、止水効果の安定性や信頼性に優れる。このこ
とには、上記止水剤(10)が乾燥状態での粒子又は粉
末であることも役立つ。
【0023】この点、同じポリ乳酸繊維から成ると雖
も、その織物としての包袋では縦糸と横糸とが交錯する
ため、伸縮性や可撓性に劣り、殊更その包袋の内部へ上
記止水剤を満杯状態に封入した場合、全体的な硬い棒状
態となって、自由自在に屈曲変形させることができず、
破れてしまうおそれがあるほか、止水剤の膨潤ゲル化に
応じて伸張しないため、その膨潤ゲル化を阻止してしま
う結果になる。
【0024】又、同じポリ乳酸繊維の不織布から成る包
袋では、その厚みや強さを全体の均一に仕上げることが
困難であるため、無理に屈曲変形させたり、凹凸の激し
い個所に繰返し踏み付けたり、或いは鉄鋼などの建築材
料に衝当したりした場合、その薄く弱い部分から破裂し
てしまい、止水剤が洩れ出すことになる。
【0025】本発明の上記包袋(11)は伸縮性に富む
編布から成り、その内部へ止水剤(10)がほぼ満杯状
態に封入されているため、又その止水剤(10)の洩れ
出し減量するおそれもないため、これを約10〜17m
mの直径(D)として、比較的細く形成することができ
るが、その約10mmよりも径小であると、仮令止水剤
(10)の膨潤ゲル化により太くなるも、未だ止水効果
の不足を生じるおそれがあり、逆に約17mmよりも径
大であると、やはり止水剤(10)の膨潤作用を受けて
ますます太くなるため、コンクリートに埋込む過大な異
物(不純物)と看做され、その使用に抵抗感を与えるか
らである。
【0026】更に、同じく包袋(11)の長さ(L)を
約2〜5mにカットした理由は、コンクリート打継ぎ部
の止水用具(A)として最大公約数的又は汎用的に使え
るようにするためであり、その長さ(L)が約2mより
も短いと、頻繁に継ぎ足し使用しなければならず、逆に
約5mよりも長いと、1人の作業者では施工現場での取
扱いや運搬などを便利良く行なえないからである。
【0027】次に、図3、4はコンクリート成形用型枠
(M)のセパレーター(15)と、その打設コンクリー
ト(C)との境界部を止水するにふさわしい本発明の第
2実施形態に係り、これでは上記第1実施形態の止水用
具(A)をセパレーター(15)への通し込み可能なド
ーナツ形態に捲き曲げてある。
【0028】つまり、この第2実施形態の止水用具
(B)はその構成上、上記生分解性ポリ乳酸繊維の編糸
から一定の直径(D)と長さ(L)を備えたチューブ形
態に筒編みした包袋(11)の内部へ、上記止水剤(1
0)をやはりほぼ満杯状態に充填した後、その包袋(1
1)の開口一端部(12a)と開口他端部(12b)と
を突き合わせ又は重ね合わせて、熱融着又は接着するこ
とにより、中心が上記セパレーター(15)への通し込
み口(16)として開放することとなるドーナツ形態を
呈している。
【0029】このようなドーナツ形態の止水用具(B)
では、その開口一端部(12a)と開口他端部(12
b)との内部連通状態にある。上記通し込み口(16)
の口径(S)はセパレーター(15)の直径と同じか、
又はその包袋(11)の伸縮する分だけ径小な寸法とし
て、例えば約8mmであり、上記セパレーター(15)
の円周面へ可及的に密着し得るようになっている。
【0030】上記第2実施形態の止水用具(B)によれ
ば、その包袋(11)がやはり伸縮性と可撓性に富む編
布から成るため、コンクリート成形用型枠(M)のセパ
レーター(15)へ無理なく軽快に通し込み使用するこ
とができ、又その通し込み作業中には勿論のこと、運搬
や保管上束ねたとしても、決して破損するおそれがな
い。
【0031】上記第1、2実施形態の止水用具(A)
(B)において、その包袋(11)が強いアルカリ水を
受けることにより、万一早く溶解し過ぎる場合には、そ
の編布中にポリエステルやナイロン、ビニロン、その他
のアルカリ水による溶解不能な合成繊維を適当に混入さ
せて、上記包袋(11)を編み上げることにより、その
溶解速度を調整すれば良い。その混入比率としては、上
記ポリ乳酸繊維の編布に対する約10分の1程度に定め
ることが好ましい。
【0032】上記第1、2実施形態の止水用具(A)を
使用するに当っては、図5〜8の各種使用例から明白な
ように、これをコンクリート(C1)(C2)の打継ぎ
部に沿って設置し、その既設コンクリート(C1)の補
強鉄筋(17)へ結束線(18)などにより縛り付け固
定して、引続き打設される後付けコンクリート(C2)
との継ぎ目(P)へ、挟み込まれる結果となるように保
つ。
【0033】上記コンクリート(C1)(C2)の打継
ぎ部が図6〜8のような垂直面や天井面をなす場合に
は、その補強鉄筋(17)に対する止水用具(A)の結
束などに加えて、その垂直面や天井面へスピンドル鋲
(19)を固定設置すると共に、そのスピンドル鋲(1
9)の針に止水用具(A)を差し込み又は結束したり、
同じく垂直面や天井面へ別個なサドルバンド(20)に
より押え付けたり、或いは接着剤により貼り付けたりし
て、上記止水用具(A)を安定良く位置決め固定する。
【0034】上記止水用具(A)を設置使用する際、そ
の長さ(L)に万一不足が生じたならば、これを継ぎ足
して、その隣り合う複数の継ぎ足し部(X)を結束線や
止め金、咬合子を有する面ファスナー(所謂マジックテ
ープ又はベルクロファスナー)、その他の適当な締結具
(21)により固定する。
【0035】特に、その締結具(21)として上記面フ
ァスナーを採用すると共に、これも上記生分解性のポリ
乳酸繊維から作成して、上記包袋(11)の一端部又は
両端部へ予じめ付属一体化させておくことが望ましい。
【0036】上記止水用具(A)は既設コンクリート
(C1)と、引続き打設される後付けコンクリート(C
2)との継ぎ目(P)に介在する使用状態において、そ
の包袋(11)がコンクリート(C1)(C2)に含ま
れている強いアルカリ水に反応して、経時的に溶解する
と共に、その水分を吸収した止水剤(ベントナイト)
(10)が、当初の乾燥粒子状態から約20倍以上に大
きく膨潤ゲル化することとなり、上記継ぎ目(P)を図
9、10のように閉塞して、その確実な止水作用を果す
のである。
【0037】しかも、その止水用具(A)の包袋(1
1)は伸縮性と可撓性に富む編布から成るため、図11
のようなコンクリートに埋込まれるH型鋼(22)の屈
曲した表面に対しても、その自由自在に捲き付け使用す
ることができ、レイタンスの凹凸が激しい個所にも追従
して、馴染み良く密着するため、上記包袋(11)の内
部へほぼ満杯状態に封入された止水剤(10)とも相俟
って、完全な止水効果を達成することができる。
【0038】他方、上記第2実施形態の止水用具(B)
を使用する場合には、コンクリート成形用型枠(M)の
組立に先立って、図12、13に示す通り、そのセパレ
ーター(15)へ止水用具(B)を通し込めば良い。
【0039】そうすれば、その型枠(M)内へ打設され
たコンクリート(C)の強いアルカリ水により、やはり
止水用具(B)の包袋(11)が経時的に溶解すると共
に、その水分を吸収した止水剤(ベントナイト)(1
0)が大きく膨潤ゲル化することとなり、上記セパレー
ター(15)と打設コンクリート(C)との境界部を閉
塞して、その止水作用を完遂するのである。尚、図12
の符号(23)は上記型枠(M)を形作る向かい合う一
対の堰板、(24)はセパレーター(15)の両端ネジ
部に締結されたフォームタイ、(25)はコーンを示し
ている。
【0040】上記第1実施形態の止水用具(A)がその
既設コンクリート(C1)への設置使用中、万一後付け
コンクリート(C2)の打設までに長時間施工現場で放
置されることによって、その間に降雨を受けたり、溜ま
り水に浸漬されたりした場合に、これを吸収した止水剤
(ベントナイト)(10)が膨潤ゲル化し初めたとして
も、これを封入した包袋(11)は伸縮性に富む編布か
ら成るため、上記止水剤(10)の円滑な膨潤ゲル化を
阻止することなく、これに順応して360度の方向へ自
由自在に伸張し得るのであり、既設コンクリート(C
1)の表面と密着した一次止水作用を果すことができ
る。
【0041】しかも、その包袋(11)は雨水や水道水
などの淡水によって溶解されず、又弱いアルカリ水によ
っても溶解困難であるため、上記止水剤(10)の洩れ
出し流失するおそれがなく、更には上記放置中現場作業
者により繰返し踏み付けられたり、鉄鋼などの建築材料
が衝当したりしても、伸縮作用して容易に破れないの
で、その止水用具(A)(B)を設置し直す必要も起ら
ない。
【0042】要するに、本発明の止水用具(A)(B)
は施工現場において、コンクリートの打設までに長時間
放置されたとしても、一切の支障がなく、その止水効果
が施工場所や施工時間、気象条件などによって、全然左
右されないのである。
【0043】そして、上記既設コンクリート(C1)へ
引続き後付けコンクリート(C2)が打設されると、そ
の打設コンクリート(C2)は経時的に硬化し始めるた
め、既設コンクリート(C1)との継ぎ目(P)から水
の浸透するおそれがあるが、そのコンクリート(C2)
の強いアルカリ水を受けた包袋(11)は経時的に溶解
する結果、上記止水剤(10)は言わば裸状態となっ
て、ますます自由に太く膨潤ゲル化し、既設コンクリー
ト(C1)と後付けコンクリート(C2)との継ぎ目
(P)を完全に閉塞して、その安定・確実な二次止水効
果を達成し得るのである。
【0044】殊更、海辺の埋立地にコンクリート構造物
を建設するような場合には、止水用具(A)(B)の止
水剤(10)としてセピオライトを採用するのであり、
そうすればこれが海水(塩分)や油分を吸収ゲル化し、
乾燥固結性を有するため、上記と同じくコンクリート
(C1)(C2)の打継ぎ部を初め、コンクリート成形
用型枠(M)のセパレーター(15)とその打設コンク
リート(C)との境界部などを、やはり確実に止水作用
することができ、脱臭効果までも期待し得る。
【0045】尚、コンクリート構造物の建設場所次第で
は、上記ベントナイトとセピオライトとを混合した止水
剤(10)を使用しても良い旨は、既に述べた通りであ
る。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るコンクリー
トの止水用具(A)(B)では、吸水により膨潤ゲル化
するベントナイトやセピオライト、その他の粘土質乾燥
粒子又は粉末から成る止水剤(10)を、コンクリート
におけるPH11以上の強いアルカリ水により溶解可能
な生分解性ポリ乳酸繊維の編糸から、上記止水剤(1
0)の膨潤ゲル化に応じて自由に伸張し得る可撓なチュ
ーブ形態に筒編みされた包袋(11)の内部へ、ほぼ満
杯状態に封入してあるため、冒頭に述べた従来技術の諸
問題を悉く改良できる効果がある。
【0047】即ち、本発明の上記構成によれば、その止
水用具(A)(B)の止水剤(10)が吸水ゲル化する
ベントナイトやセピオライト、その他の粘土質乾燥粒子
又は粉末から成り、しかもこれを封入した包袋(11)
は生分解性ポリ乳酸繊維の編糸から、その止水剤(1
0)の膨潤ゲル化に応じて自由自在に伸張し得る可撓な
チューブ形態に筒編みされたものであるため、その包袋
(11)に上記止水剤(10)をほぼ満杯状態に封入す
るも、自由自在に屈曲変形させることができる。
【0048】その結果、コンクリートにおけるレイタン
スの凹凸が激しい個所には勿論、そのコンクリートに埋
込むH型鋼(22)の屈曲した表面などに対しても、こ
れらに無理なく追従する如く、その止水用具(A)
(B)を常時安定な密着状態に設置使用することができ
るのであり、その設置使用上コンクリート表面の特別な
下地均らし作業を行なう必要もない。
【0049】又、上記包袋(11)はコンクリートにお
けるPH11以上の強いアルカリ水を受けて溶解し得る
生分解性ポリ乳酸繊維の編糸から、止水剤(10)の膨
潤ゲル化に順応して自由自在に伸張し得る可撓なチュー
ブ形態に筒編みされているため、既設コンクリート(C
1)への設置使用状態において、後付けコンクリート
(C2)が打設されままでの長時間、施工現場で放置中
に繰返し降雨を受けたり、その溜まり水に浸漬されたり
した場合には、上記包袋(11)を通じて吸水した止水
剤(10)が膨潤ゲル化することになるが、これを封入
している包袋(11)は上記雨水や溜まり水などの淡水
に反応せず、これにより溶解されないため、止水剤(1
0)の洩れ出し流失するおそれがなく、しかも包袋(1
1)は止水剤(10)の膨潤ゲル化に応じて伸張する結
果、その自由に太く膨潤ゲル化した止水剤(10)は、
既設コンクリート(C1)の表面と密着した一次止水作
用を果すことができ、その意味から施工現場や施工時
間、気象条件などに全然左右されず、水中にさえも設置
使用し得る利便性がある。
【0050】そして、上記既設コンクリート(C1)へ
の設置使用状態において、引続き後付けコンクリート
(C2)が打設されると、その打設コンクリート(C
2)の強いアルカリ水を受けた包袋(11)が経時的に
溶解し、止水剤(10)は言わば裸状態となって自由自
在に、且つますます太く膨潤作用することになるため、
既設コンクリート(C1)と後付けコンクリート(C
2)との継ぎ目(P)を確実に閉塞し、その安定な二次
止水効果を達成できるのである。
【0051】上記包袋(11)が生分解性ポリ乳酸繊維
の編糸から形成されたことは、その溶解に必要な強いア
ルカリ水が万一不足し、これに起因して包袋(11)が
コンクリート中に埋没残留した場合にも、その生分解さ
せ得ることに役立つ。
【0052】又、請求項2の構成を採用するならば、1
人の作業者でも施工現場において便利良く取扱うことが
でき、止水効果の不足や使用上の抵抗感を与えない効果
がある。
【0053】更に、請求項3の構成を採用するならば、
そのドーナツ形態の中心に開放する通し込み口(16)
によって、止水用具(B)をコンクリート成形用型枠
(M)のセパレーター(15)へ、無理なく軽快に通し
込むことができ、その通し込み状態での使用により、上
記セパレーター(15)と打設コンクリート(C)との
境界部をやはり確実に安定良く止水し得るほか、施工現
場での取扱いや携帯などの利便性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略側面図であ
る。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す概略正面図であ
る。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】第1実施形態の止水用具をコンクリート打継ぎ
部(平面)に設置使用した状態の断面図である。
【図6】同じくコンクリート打継ぎ部(垂直面)に設置
使用した状態の断面図である。
【図7】同じくコンクリート打継ぎ部(直角面)に設置
使用した状態の断面図である。
【図8】同じくコンクリート打継ぎ部(天井面)に設置
使用した状態の断面図である。
【図9】第1実施形態の止水用具によるコンクリート打
継ぎ部の止水状態を示す拡大断面図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】第1実施形態の止水用具をH型鋼に捲き付け
た使用状態の斜面図である。
【図12】第2実施形態の止水用具をセパレーターに通
し込んだ使用状態の断面図である。
【図13】図12の13−13線に沿う拡大断面図であ
る。
【符号の説明】 (10)・止水剤 (11)・包袋 (12a)・開口一端部 (12b)・開口他端部 (13)・固定具 (A)・止水用具 (B)・止水用具 (D)・直径 (L)・長さ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】削除

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水ゲル化するベントナイトやセピオライ
    ト、その他の粘土質乾燥粒子又は粉末から成る止水剤
    (10)を、コンクリートのアルカリ水により溶解可能
    な合成繊維の編布から成る包袋(11)の内部へ、ほぼ
    満杯状態に封入したことを特徴とするコンクリートの止
    水用具。
  2. 【請求項2】ポリ乳酸繊維から一定の直径(D)と長さ
    (L)を備えたチューブ形態に筒編みした包袋(11)
    の内部へ、止水剤(10)を充填すると共に、その包袋
    (11)の開口両端部(12a)(12b)を熱融着や
    別個な固定具(13)により封止したことを特徴とする
    請求項1記載のコンクリートの止水用具。
  3. 【請求項3】ポリ乳酸繊維から一定の直径(D)と長さ
    (L)を備えた試験管形態に編んだ包袋(11)の内部
    へ、止水剤(10)を充填すると共に、その包袋(1
    1)の開口端部(14b)を熱融着や別個な固定具(1
    3)により封止したことを特徴とする請求項1記載のコ
    ンクリートの止水用具。
  4. 【請求項4】ポリ乳酸繊維から一定の直径(D)と長さ
    (L)に筒編みした包袋(11)の内部へ、止水剤(1
    0)を充填すると共に、その包袋(11)の開口一端部
    (12a)と開口他端部(12b)とを熱融着又は接着
    することにより、中心が通し込み口(16)として開放
    することとなるドーナツ形態に捲き曲げたことを特徴と
    する請求項1記載のコンクリートの止水用具。
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