JPH11297189A - 電界放出冷陰極およびその製造方法 - Google Patents
電界放出冷陰極およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH11297189A JPH11297189A JP9939198A JP9939198A JPH11297189A JP H11297189 A JPH11297189 A JP H11297189A JP 9939198 A JP9939198 A JP 9939198A JP 9939198 A JP9939198 A JP 9939198A JP H11297189 A JPH11297189 A JP H11297189A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- emitter
- centered cubic
- tungsten
- cubic crystal
- coating film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】従来の電界放出冷陰極の有する各問題点を効果
的に解決する。 【解決手段】エミッタ−6は、bcc金属である単結晶
範囲が99.999%のタングステン単結晶(310)
またはbcc金属である単結晶範囲が99.999%の
タングステン単結晶(111)からなる基盤エミッタ−
7と、この基盤エミッタ−7の側面にめっき処理により
形成され、fcc金属被覆膜である単結晶範囲が99.
9%以上の純金薄膜8と、この純金薄膜8の表面にめっ
き処理により形成され、fcc金属被覆膜である単結晶
範囲が99.9%以上の純アルミニウム薄膜9と、基盤
エミッタ−7の先端面にめっき処理により形成され、タ
ングステン・金・アルミニウム三元合金被覆膜10と、
この三元合金被覆膜10の先端に形成され、エミッタ結
晶方位(310)またはエミッタ−結晶方位(111)
に延びた三元合金被覆膜付ナノエミッタ−11とから構
成されている。
的に解決する。 【解決手段】エミッタ−6は、bcc金属である単結晶
範囲が99.999%のタングステン単結晶(310)
またはbcc金属である単結晶範囲が99.999%の
タングステン単結晶(111)からなる基盤エミッタ−
7と、この基盤エミッタ−7の側面にめっき処理により
形成され、fcc金属被覆膜である単結晶範囲が99.
9%以上の純金薄膜8と、この純金薄膜8の表面にめっ
き処理により形成され、fcc金属被覆膜である単結晶
範囲が99.9%以上の純アルミニウム薄膜9と、基盤
エミッタ−7の先端面にめっき処理により形成され、タ
ングステン・金・アルミニウム三元合金被覆膜10と、
この三元合金被覆膜10の先端に形成され、エミッタ結
晶方位(310)またはエミッタ−結晶方位(111)
に延びた三元合金被覆膜付ナノエミッタ−11とから構
成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡等の電
子を放出する電子銃に用いられる電界放出冷陰極および
その製造方法の技術分野に属する。
子を放出する電子銃に用いられる電界放出冷陰極および
その製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子顕微鏡等においては、電子を
放出する電子銃に電界放出冷陰極を用いているものがあ
る。このような従来の電界放出冷陰極の一例として、図
6に示すような構成、形状を有する電界放出冷陰極があ
る。図6(a)および(b)に示すように、この電界放
出冷陰極1′は、多結晶タングステンからなるフィラメ
ント2′の中央部に、タングステン単結晶の針状のエミ
ッター3′を取り付け、最初電界研磨によりエミッター
3′の先端半径r=500オングストローム程度にし、
熱フラッシュにより先端加工し、引出電圧3.0〜5.5
kVで電界放出させるようになっている。
放出する電子銃に電界放出冷陰極を用いているものがあ
る。このような従来の電界放出冷陰極の一例として、図
6に示すような構成、形状を有する電界放出冷陰極があ
る。図6(a)および(b)に示すように、この電界放
出冷陰極1′は、多結晶タングステンからなるフィラメ
ント2′の中央部に、タングステン単結晶の針状のエミ
ッター3′を取り付け、最初電界研磨によりエミッター
3′の先端半径r=500オングストローム程度にし、
熱フラッシュにより先端加工し、引出電圧3.0〜5.5
kVで電界放出させるようになっている。
【0003】このような電界放出冷陰極1′において
は、熱フラッシュのみの場合、エミッター3′の先端は
半球となり、また電界と熱フラッシュとを併用した場合
は、エミッター3′の先端は多面体となり、それぞれそ
れらの頂点や稜線から電子を放出するようになってい
る。更に、タングステン単結晶エミッター(111)方
位については、エミッター3′として角錐や円錐の突起
を作る方法も既に報告されている。
は、熱フラッシュのみの場合、エミッター3′の先端は
半球となり、また電界と熱フラッシュとを併用した場合
は、エミッター3′の先端は多面体となり、それぞれそ
れらの頂点や稜線から電子を放出するようになってい
る。更に、タングステン単結晶エミッター(111)方
位については、エミッター3′として角錐や円錐の突起
を作る方法も既に報告されている。
【0004】針状のエミッター3′に強い電場を印加し
たとき放出される電子の電流J0と仕事関数φとの間
に、次の関係式が成立している。
たとき放出される電子の電流J0と仕事関数φとの間
に、次の関係式が成立している。
【0005】
【数1】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の電界放出冷陰極1′は、次のような問題がある。 (1) エミッター3′が、Zr−O/タングステン単結晶
チップのような熱拡散補給型ではないので、自己修復能
力がない。 (2) 100μA以上の大電流が安定してとれない。
従来の電界放出冷陰極1′は、次のような問題がある。 (1) エミッター3′が、Zr−O/タングステン単結晶
チップのような熱拡散補給型ではないので、自己修復能
力がない。 (2) 100μA以上の大電流が安定してとれない。
【0007】(3) 総電流は10μA程度に固定して使う
のが普通で、総電流を多くすると、見かけ上の電子源の
大きさが大きくなってしまう。 (4) 単結晶タングステン(310)方位の仕事関数は定
数なので下げることができない。 (5) エミッター3′は長さ1.2mm前後で、鋭い角度θ
=6.5゜であるが、熱フラッシュにより先端が太くな
り、初期性能の長期維持が難しい。
のが普通で、総電流を多くすると、見かけ上の電子源の
大きさが大きくなってしまう。 (4) 単結晶タングステン(310)方位の仕事関数は定
数なので下げることができない。 (5) エミッター3′は長さ1.2mm前後で、鋭い角度θ
=6.5゜であるが、熱フラッシュにより先端が太くな
り、初期性能の長期維持が難しい。
【0008】(6) エミッター3′の先端半径は使用時1
000〜2000オングストロームで半球状のため、タ
ングステン単結晶(310)エミッターの場合は目的方
位以外の3〜4方位にも電子を放出してしまう。 (7) 熱処理した電子源半球の表面は、20ファセット以
上になって細分化されている。
000〜2000オングストロームで半球状のため、タ
ングステン単結晶(310)エミッターの場合は目的方
位以外の3〜4方位にも電子を放出してしまう。 (7) 熱処理した電子源半球の表面は、20ファセット以
上になって細分化されている。
【0009】(8) エネルギ幅は、0.3eV程度が限界
でより小さくはできない。 (9) 電界放出熱電極では電子放出角度を20度程度にで
きるが、電界放出冷電極では電子放出角度を60度以下
に実用的にはできない。 (10)近軸電流(ノイズキャンセラ−電流)/総電流が、
約1/1000(Vacc=15kV)と小さい。
でより小さくはできない。 (9) 電界放出熱電極では電子放出角度を20度程度にで
きるが、電界放出冷電極では電子放出角度を60度以下
に実用的にはできない。 (10)近軸電流(ノイズキャンセラ−電流)/総電流が、
約1/1000(Vacc=15kV)と小さい。
【0010】(11)引出電圧を低くするために、電極を引
出電極に近づけると、引出電極からの放出ガスのスパッ
タによるノイズが増える。 (12)リモルディングしたエミッターは、熱フラッシュに
耐えることができず、先端半径が小さすぎて放電しやす
い。
出電極に近づけると、引出電極からの放出ガスのスパッ
タによるノイズが増える。 (12)リモルディングしたエミッターは、熱フラッシュに
耐えることができず、先端半径が小さすぎて放電しやす
い。
【0011】(13)寿命は最長3年程度が限界であり、引
出電圧が5.5kVを超えると走査型電子顕微鏡の場
合、像の分解能や輝度が低下する。 (14)超高真空下(5×10-8Pa以上)でないと作動し
ない。 (15)引出電圧を低く作った、先端半径の小さいエミッタ
ーは引出電極とショートしやすい。
出電圧が5.5kVを超えると走査型電子顕微鏡の場
合、像の分解能や輝度が低下する。 (14)超高真空下(5×10-8Pa以上)でないと作動し
ない。 (15)引出電圧を低く作った、先端半径の小さいエミッタ
ーは引出電極とショートしやすい。
【0012】(16)リモルディングしたエミッターは、残
留ガスのスパッタや吸着ガスの拡散のため、エミッショ
ンノイズが多くなり、不安定となる。 (17)アーチ型の加熱フィラメントは、フラッシュ時に熱
勾配が逆転することがある。つまり、エミッター先端が
根元より低温となり、ガス吸着や不純物が濃縮される。
留ガスのスパッタや吸着ガスの拡散のため、エミッショ
ンノイズが多くなり、不安定となる。 (17)アーチ型の加熱フィラメントは、フラッシュ時に熱
勾配が逆転することがある。つまり、エミッター先端が
根元より低温となり、ガス吸着や不純物が濃縮される。
【0013】(18)緻密アルミナ碍子にコバールを銀ロウ
付けする台座は、しばしば銀による汚染が起こる。イオ
ンポンプ素子のチタニウムによる汚染、スポット溶接時
の銅による汚染も起こりやすい。 (19)電界放出冷陰極では熱フラッシュが必須である。 (20)減衰曲線がS字形になり4〜5時間後上昇し、減衰
しないエミッターは目的結晶方位に関し不良となってし
まう。
付けする台座は、しばしば銀による汚染が起こる。イオ
ンポンプ素子のチタニウムによる汚染、スポット溶接時
の銅による汚染も起こりやすい。 (19)電界放出冷陰極では熱フラッシュが必須である。 (20)減衰曲線がS字形になり4〜5時間後上昇し、減衰
しないエミッターは目的結晶方位に関し不良となってし
まう。
【0014】(21)S/N曲線の電流量は、2時間後初期
値の1/2程度になる。 (22)熱フラッシュ後の30分はノイズが多く、急速に放
出電流量が減少する。安定後残留ガスのスパッタにより
ノイズは次第に増加する。 (23)熱フラッシュ時のエミッター先端汚染に対し、配慮
がされていない。 (24)エミッターの先端半径、ファセット、結晶表面純度
の制御は再現性が良くなく歩留まりが65%程度に過ぎ
ない。
値の1/2程度になる。 (22)熱フラッシュ後の30分はノイズが多く、急速に放
出電流量が減少する。安定後残留ガスのスパッタにより
ノイズは次第に増加する。 (23)熱フラッシュ時のエミッター先端汚染に対し、配慮
がされていない。 (24)エミッターの先端半径、ファセット、結晶表面純度
の制御は再現性が良くなく歩留まりが65%程度に過ぎ
ない。
【0015】(25)チップ先端は熱フラッシュ毎に少しず
つ太くなる。その結果、最適引出電圧は次第に高くな
る。 (26)減圧下で運搬しなければエミッターが汚染してしま
う。 (27)エミッター先端のジュール熱による損傷が発生す
る。 (28)超高真空用新材料の利用や工夫が行われておらず、
安易に安価にできると考えられていることが多い。
つ太くなる。その結果、最適引出電圧は次第に高くな
る。 (26)減圧下で運搬しなければエミッターが汚染してしま
う。 (27)エミッター先端のジュール熱による損傷が発生す
る。 (28)超高真空用新材料の利用や工夫が行われておらず、
安易に安価にできると考えられていることが多い。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、前述の各問題点を効果的に
解決することのできる電界放出冷陰極およびその製造方
法を提供することである。
ものであって、その目的は、前述の各問題点を効果的に
解決することのできる電界放出冷陰極およびその製造方
法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明の電界放出冷陰極は、多結晶金属
フィラメントの中央部にエミッターを設け、このエミッ
ターに電界を印加することにより電子を放出させる電界
放出冷陰極において、前記エミッターが、体心立方結晶
金属と、この体心立方結晶金属の上にそれぞれ被覆され
た2つの面心立方結晶金属被覆膜とからなることを特徴
としている。
めに、請求項1の発明の電界放出冷陰極は、多結晶金属
フィラメントの中央部にエミッターを設け、このエミッ
ターに電界を印加することにより電子を放出させる電界
放出冷陰極において、前記エミッターが、体心立方結晶
金属と、この体心立方結晶金属の上にそれぞれ被覆され
た2つの面心立方結晶金属被覆膜とからなることを特徴
としている。
【0018】また、請求項2の発明の電界放出冷陰極
は、前記体心立方結晶金属はタングステンまたはモリブ
デンであり、前記2つの面心立方結晶金属被覆膜のうち
1つは金であり、他の1つはイリジウム、白金、アルミ
ニウムおよびニッケルのいずれか1つであることを特徴
としている。
は、前記体心立方結晶金属はタングステンまたはモリブ
デンであり、前記2つの面心立方結晶金属被覆膜のうち
1つは金であり、他の1つはイリジウム、白金、アルミ
ニウムおよびニッケルのいずれか1つであることを特徴
としている。
【0019】更に、請求項3の発明の電界放出冷陰極の
製造方法は、請求項1または2記載の電界放出冷陰極を
製造する方法であって、前記エミッターの体心立方結晶
金属の上に前記1つの面心立方結晶金属被覆膜を形成
し、更にこの面心立方結晶金属被覆膜に前記他の面心立
方結晶金属被覆膜を形成することにより、三元合金被覆
膜付ナノエミッターを形成することを特徴としている。
製造方法は、請求項1または2記載の電界放出冷陰極を
製造する方法であって、前記エミッターの体心立方結晶
金属の上に前記1つの面心立方結晶金属被覆膜を形成
し、更にこの面心立方結晶金属被覆膜に前記他の面心立
方結晶金属被覆膜を形成することにより、三元合金被覆
膜付ナノエミッターを形成することを特徴としている。
【0020】更に、請求項4の発明の電界放出冷陰極の
製造方法は、前記体心立方結晶金属にタングステンまた
はモリブデンを用いるとともに、前記2つの面心立方結
晶金属被覆膜のうち1つに金を用い、他の1つにイリジ
ウム、白金、アルミニウムおよびニッケルのいずれか1
つを用いることを特徴としている。
製造方法は、前記体心立方結晶金属にタングステンまた
はモリブデンを用いるとともに、前記2つの面心立方結
晶金属被覆膜のうち1つに金を用い、他の1つにイリジ
ウム、白金、アルミニウムおよびニッケルのいずれか1
つを用いることを特徴としている。
【0021】
【作用】このような構成をした本発明の電界放出冷陰極
においては、体心立方結晶金属の上に2つの面心立方結
晶金属被覆膜がそれぞれ被覆されて、三元合金のエミッ
ターが形成される。そして、三元合金被覆膜により体心
立方結晶金属の表面の微量不純物を除去でき、単結晶の
純度が向上する。そして、この純度の向上により、大き
な結晶が作り易くなり、その結果ファセットが安定する
ようになる。
においては、体心立方結晶金属の上に2つの面心立方結
晶金属被覆膜がそれぞれ被覆されて、三元合金のエミッ
ターが形成される。そして、三元合金被覆膜により体心
立方結晶金属の表面の微量不純物を除去でき、単結晶の
純度が向上する。そして、この純度の向上により、大き
な結晶が作り易くなり、その結果ファセットが安定する
ようになる。
【0022】また、体心立方結晶金属の表面を2つの面
心立方結晶金属で合金化することにより、電界放出冷陰
極は金属の熱表面拡散による自己修復能力を有するよう
になる。
心立方結晶金属で合金化することにより、電界放出冷陰
極は金属の熱表面拡散による自己修復能力を有するよう
になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明にかかる電界放出冷
陰極の実施の形態の一例を示す図、図2は図1における
P部拡大図、図3は図2におけるQ部拡大図である。
の形態を説明する。図1は、本発明にかかる電界放出冷
陰極の実施の形態の一例を示す図、図2は図1における
P部拡大図、図3は図2におけるQ部拡大図である。
【0024】図1および図2に示すように、この例の電
界放出冷陰極1は、モリブデン、ステンレスなどの金属
あるいはセラミックスからなる台座2と、この台座2に
コバールガラス3を介して支持され、金メッキしたコバ
ールまたはニッケル・鉄52%合金からなる2本の電極
支持棒4と、これらの電極支持棒4の先端に接続された
三元合金被覆膜を施した多結晶タングステンフィラメン
ト5と、この多結晶タングステンフィラメント5の先端
に、エミッタ結晶方位(310)またはエミッタ−結晶
方位(111)に形成されたエミッタ−6とからなって
いる。台座2への電極支持棒4の取付は、安価なガラス
ロウやMo−Mn法によるAlロウ付け、Niロウ付
け、Auロウ付けでもよい。
界放出冷陰極1は、モリブデン、ステンレスなどの金属
あるいはセラミックスからなる台座2と、この台座2に
コバールガラス3を介して支持され、金メッキしたコバ
ールまたはニッケル・鉄52%合金からなる2本の電極
支持棒4と、これらの電極支持棒4の先端に接続された
三元合金被覆膜を施した多結晶タングステンフィラメン
ト5と、この多結晶タングステンフィラメント5の先端
に、エミッタ結晶方位(310)またはエミッタ−結晶
方位(111)に形成されたエミッタ−6とからなって
いる。台座2への電極支持棒4の取付は、安価なガラス
ロウやMo−Mn法によるAlロウ付け、Niロウ付
け、Auロウ付けでもよい。
【0025】多結晶タングステンフィラメント5は、金
属被膜の保護のため、温度勾配が大きく逆転しないよう
にV字形に形成されている。また、フィラメント5が合
金化され、(+−0)電界蒸発が行われるようになって
いる。
属被膜の保護のため、温度勾配が大きく逆転しないよう
にV字形に形成されている。また、フィラメント5が合
金化され、(+−0)電界蒸発が行われるようになって
いる。
【0026】本発明のエミッター6は、体心立方結晶
(以下、bbcともいう)金属(例えば、W,Mo)の
表面に2つの面心立方結晶(以下、fccともいう)金
属(例えば、Au,Pt,Al,Ni,Pd)被覆膜が重ね
合わされて三元合金として構成されている。このように
bcc金属の表面に2つのfcc金属被覆膜が形成され
ると、通常bbcの100面の上にはfccの111面
が重なるので、作図すると、図4に示すようになる。こ
の図4に基づいて、電子放出の程度を明暗で表すと、表
1のようになることが判明した。
(以下、bbcともいう)金属(例えば、W,Mo)の
表面に2つの面心立方結晶(以下、fccともいう)金
属(例えば、Au,Pt,Al,Ni,Pd)被覆膜が重ね
合わされて三元合金として構成されている。このように
bcc金属の表面に2つのfcc金属被覆膜が形成され
ると、通常bbcの100面の上にはfccの111面
が重なるので、作図すると、図4に示すようになる。こ
の図4に基づいて、電子放出の程度を明暗で表すと、表
1のようになることが判明した。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示すように、方位〈310〉と方位
〈111〉とで、明となり電子放出の程度が高く、この
方位のエミッター6が使用可能となることが判明した。
〈111〉とで、明となり電子放出の程度が高く、この
方位のエミッター6が使用可能となることが判明した。
【0029】bccおよびfccの各金属を具体的に選
択して形成したエミッター6について説明する。図3に
拡大かつ詳細に示すように、エミッタ−6は、bcc金
属純度99.999%以上のタングステン単結晶(31
0)またはbcc金属純度99.999%以上のタング
ステン単結晶(111)からなる基盤エミッタ−7と、
この基盤エミッタ−7の表面に蒸着により形成された、
fcc金属被覆膜である99.9%以上の純金薄膜8
と、この純金薄膜8の表面に蒸着により形成された、f
cc金属被覆膜99.9%以上の純アルミニウム薄膜9
と、基盤エミッタ−7の先端面に真空中加熱溶解により
形成された、タングステン・金・アルミニウム三元合金
被覆膜10と、この三元合金被覆膜10の先端に加熱強
電界処理で形成され、エミッタ結晶方位(310)また
はエミッタ−結晶方位(111)に延びた三元合金被覆
膜付ナノエミッタ−11とから構成されている。その場
合、純金被膜8および純アルミニウム薄膜9の加熱強電
界処理により、結晶が基盤エミッタ−7の表面をはい上
がってくるようにして進み、三元合金被覆膜付ナノエミ
ッタ−11が形成される。
択して形成したエミッター6について説明する。図3に
拡大かつ詳細に示すように、エミッタ−6は、bcc金
属純度99.999%以上のタングステン単結晶(31
0)またはbcc金属純度99.999%以上のタング
ステン単結晶(111)からなる基盤エミッタ−7と、
この基盤エミッタ−7の表面に蒸着により形成された、
fcc金属被覆膜である99.9%以上の純金薄膜8
と、この純金薄膜8の表面に蒸着により形成された、f
cc金属被覆膜99.9%以上の純アルミニウム薄膜9
と、基盤エミッタ−7の先端面に真空中加熱溶解により
形成された、タングステン・金・アルミニウム三元合金
被覆膜10と、この三元合金被覆膜10の先端に加熱強
電界処理で形成され、エミッタ結晶方位(310)また
はエミッタ−結晶方位(111)に延びた三元合金被覆
膜付ナノエミッタ−11とから構成されている。その場
合、純金被膜8および純アルミニウム薄膜9の加熱強電
界処理により、結晶が基盤エミッタ−7の表面をはい上
がってくるようにして進み、三元合金被覆膜付ナノエミ
ッタ−11が形成される。
【0030】タングステン単結晶(111)からなる基
盤エミッタ−7は、先端半径が2μm以下に設定される
のが望ましい。その理由は、あまり大きくなると、三元
合金被覆膜付ナノエミッター11の作成が困難になるか
らである。この例では、三元合金被覆膜付ナノエミッタ
ー11の底面の直径は100オングストロームφとなっ
ているとともに、高さが50オングストロームとなって
おり、この三元合金被覆膜付ナノエミッター11はトン
ネル電子の放出部となる。
盤エミッタ−7は、先端半径が2μm以下に設定される
のが望ましい。その理由は、あまり大きくなると、三元
合金被覆膜付ナノエミッター11の作成が困難になるか
らである。この例では、三元合金被覆膜付ナノエミッタ
ー11の底面の直径は100オングストロームφとなっ
ているとともに、高さが50オングストロームとなって
おり、この三元合金被覆膜付ナノエミッター11はトン
ネル電子の放出部となる。
【0031】タングステンエミッタ−結晶方位<310
>の場合、加熱強電界の下で99.9%以上の純アルミ
ニウム薄膜9はタングステン(100)ファセットの縮
小とタングステン中の不純物の除去に寄与し、酸化後に
は仕事関数(φ)が小さくなるので安定した電子放出部
を形成するようになる。
>の場合、加熱強電界の下で99.9%以上の純アルミ
ニウム薄膜9はタングステン(100)ファセットの縮
小とタングステン中の不純物の除去に寄与し、酸化後に
は仕事関数(φ)が小さくなるので安定した電子放出部
を形成するようになる。
【0032】また、99.9%以上の純金薄膜8は、ア
ルミニウムを介してタングステンと合金を作ってエミッ
タ−結晶方位<310>に付着し、その表面張力を下げ
て、安定した三元合金被覆膜付ナノエミッター11を形
成するようになる。その場合、99.9%以上の純金薄
膜8は、タングステンのゲッター効果をなくし、コバー
ルまたはニッケル・鉄52%合金ステムからの表面ガス
拡散を阻止する働きがあり、安定した大電流・高輝度冷
陰極電界放出電子銃のエミッターを作るために必須とな
っている。
ルミニウムを介してタングステンと合金を作ってエミッ
タ−結晶方位<310>に付着し、その表面張力を下げ
て、安定した三元合金被覆膜付ナノエミッター11を形
成するようになる。その場合、99.9%以上の純金薄
膜8は、タングステンのゲッター効果をなくし、コバー
ルまたはニッケル・鉄52%合金ステムからの表面ガス
拡散を阻止する働きがあり、安定した大電流・高輝度冷
陰極電界放出電子銃のエミッターを作るために必須とな
っている。
【0033】一方、タングステンエミッタ−結晶方位<
111>の場合、加熱強電界の下で99.9%以上の純
アルミニウム薄膜9はタングステン(111)ファセッ
トの形成とタングステン中の不純物の除去に寄与し、酸
化後には仕事関数(φ)が小さくなるので安定した電子
放出部を形成するようになる。
111>の場合、加熱強電界の下で99.9%以上の純
アルミニウム薄膜9はタングステン(111)ファセッ
トの形成とタングステン中の不純物の除去に寄与し、酸
化後には仕事関数(φ)が小さくなるので安定した電子
放出部を形成するようになる。
【0034】また、99.9%以上の純金薄膜8は、ア
ルミニウムを介してタングステンと合金を作ってエミッ
タ−結晶方位<111>に付着し、その表面張力を下げ
て、安定した三元合金被覆膜付ナノエミッター11を形
成するようになる。
ルミニウムを介してタングステンと合金を作ってエミッ
タ−結晶方位<111>に付着し、その表面張力を下げ
て、安定した三元合金被覆膜付ナノエミッター11を形
成するようになる。
【0035】タングステン・金・アルミニウム三元合金
被覆膜10は、スパッターによる凹凸およびガス吸着に
よる汚れをそれぞれ除去するために行うフラッシュによ
って失われる基盤エミッタ−7先端の金属を熱拡散によ
り補給するように機能している。
被覆膜10は、スパッターによる凹凸およびガス吸着に
よる汚れをそれぞれ除去するために行うフラッシュによ
って失われる基盤エミッタ−7先端の金属を熱拡散によ
り補給するように機能している。
【0036】次に、このエミッタ−6を製造する方法に
ついて説明する。まず、1200℃〜1400℃の予備
加熱処理で、タングステン・金・アルミニウムの三元合
金を作る。このように三元合金を作る理由は、多結晶タ
ングステンフィラメントのガス吸着および表面ガス拡散
を減少させるためには金が最も適しているが、タングス
テンが金と合金を作らないことおよび金の融点1063
℃が加熱したい温度に比べて低いので、金のみでは安定
して使用できないからである。そこで、安定して使用で
きる状態にするために、タングステンや金と合金を作る
金属を添加する必要がある。添加する金属としては、タ
ングステンと高融点の合金を作りかつガスを吸着し難い
性質のある金属で安価なものから選択するようにしてい
る。この例では、タングステン単結晶(310)のエミ
ッタ−の場合は、純金の外に添加する金属として純アル
ミニウムが用いられている。純アルミニウム以外の金属
としては、イリジウム、白金黒、純白金およびニッケル
などの前述の役目を担えるが、仕事関数(φ)が小さく
酸化物が安定なもので、開放管として使用可能なもの
は、アルミニウム、イリジウム、白金黒、純白金であ
り、特にアルミニウムが最適である。また、タングステ
ン単結晶(111)のエミッターの場合は、前述のタン
グステン単結晶(310)の場合と同様に純金の外に添
加する金属として純アルミニウムが用いられている。純
アルミニウム以外の金属としては、イリジウム、ニッケ
ルなども使用でき、あまり制限がなく、容易に作成でき
る。
ついて説明する。まず、1200℃〜1400℃の予備
加熱処理で、タングステン・金・アルミニウムの三元合
金を作る。このように三元合金を作る理由は、多結晶タ
ングステンフィラメントのガス吸着および表面ガス拡散
を減少させるためには金が最も適しているが、タングス
テンが金と合金を作らないことおよび金の融点1063
℃が加熱したい温度に比べて低いので、金のみでは安定
して使用できないからである。そこで、安定して使用で
きる状態にするために、タングステンや金と合金を作る
金属を添加する必要がある。添加する金属としては、タ
ングステンと高融点の合金を作りかつガスを吸着し難い
性質のある金属で安価なものから選択するようにしてい
る。この例では、タングステン単結晶(310)のエミ
ッタ−の場合は、純金の外に添加する金属として純アル
ミニウムが用いられている。純アルミニウム以外の金属
としては、イリジウム、白金黒、純白金およびニッケル
などの前述の役目を担えるが、仕事関数(φ)が小さく
酸化物が安定なもので、開放管として使用可能なもの
は、アルミニウム、イリジウム、白金黒、純白金であ
り、特にアルミニウムが最適である。また、タングステ
ン単結晶(111)のエミッターの場合は、前述のタン
グステン単結晶(310)の場合と同様に純金の外に添
加する金属として純アルミニウムが用いられている。純
アルミニウム以外の金属としては、イリジウム、ニッケ
ルなども使用でき、あまり制限がなく、容易に作成でき
る。
【0037】そして、強電界の下、数秒の加熱冷却を繰
り返し、余分な金とアルミニウムとを蒸発させる。この
とき、先端半径が急速に増大する。また、電界を一定の
値から段階的に強めたりまたは弱めたりすることにより
目的方位の突起の成長を促すようにする。電界を一定の
値から段階的に強める場合は、タングステン単結晶(3
10)の突起が成長すると、タングステン単結晶(11
1)の突起は衰退していき、最後には消滅する。目的方
位のこの突起の成長につれて、引出電位は次第に低下し
て1kV以下でも電子を放出するようになる。条件が適
切でないと多方向に電子が放出されるようになるので、
条件設定は高精度で行うようにする。
り返し、余分な金とアルミニウムとを蒸発させる。この
とき、先端半径が急速に増大する。また、電界を一定の
値から段階的に強めたりまたは弱めたりすることにより
目的方位の突起の成長を促すようにする。電界を一定の
値から段階的に強める場合は、タングステン単結晶(3
10)の突起が成長すると、タングステン単結晶(11
1)の突起は衰退していき、最後には消滅する。目的方
位のこの突起の成長につれて、引出電位は次第に低下し
て1kV以下でも電子を放出するようになる。条件が適
切でないと多方向に電子が放出されるようになるので、
条件設定は高精度で行うようにする。
【0038】エミッター6は、長さがより短く角度が鋭
いものがよく、長さが0.6〜1.2mmで角度θ5.0〜
15.0゜程度のものが長寿命であり、望ましい。ま
た、先端半径が2μmまでの範囲で太くてもよいが、こ
のエミッターの場合は先端半径よりその頂角とその高さ
とにより、エミッタ性能すなわち引出電圧、取出角度、
輝度、エネルギ幅等の性能が決定される。
いものがよく、長さが0.6〜1.2mmで角度θ5.0〜
15.0゜程度のものが長寿命であり、望ましい。ま
た、先端半径が2μmまでの範囲で太くてもよいが、こ
のエミッターの場合は先端半径よりその頂角とその高さ
とにより、エミッタ性能すなわち引出電圧、取出角度、
輝度、エネルギ幅等の性能が決定される。
【0039】このように形成された電界放出冷陰極1に
よれば、従来の熱陰極電界放出電子銃と同等あるいはそ
れ以上の大きな線放出電流がとれるようになる。この大
きな線放出電流は図5に示すように6cm離れたガラス
が解ける程度の大きさとなっており、顕微鏡用電子銃と
してはそのような大電流・高輝度は必要ではないが、顕
微鏡用電子銃として十分に機能を発揮できるものとな
る。
よれば、従来の熱陰極電界放出電子銃と同等あるいはそ
れ以上の大きな線放出電流がとれるようになる。この大
きな線放出電流は図5に示すように6cm離れたガラス
が解ける程度の大きさとなっており、顕微鏡用電子銃と
してはそのような大電流・高輝度は必要ではないが、顕
微鏡用電子銃として十分に機能を発揮できるものとな
る。
【0040】また、タングステンの表面を合金化するこ
とにより、電界放出冷陰極は金属の熱表面拡散による自
己修復能力を有するようになる。更に、低加速電圧時は
総放出電流を多く、高加速時には総放出電流を少なくす
ることにより、総放出電流の適正範囲で電子源が小さく
なるので、プローブ性能が向上するようになる。
とにより、電界放出冷陰極は金属の熱表面拡散による自
己修復能力を有するようになる。更に、低加速電圧時は
総放出電流を多く、高加速時には総放出電流を少なくす
ることにより、総放出電流の適正範囲で電子源が小さく
なるので、プローブ性能が向上するようになる。
【0041】更に、低仕事関数金属被覆膜により、仕事
関数がタングステン単結晶(310)の仕事関数より低
くなる。更に、タングステン単結晶(310)の中心1
ファセットを利用することになり、従来法の1/20以
下の大きさとなった。更に、同一輝度であれば、比抵
抗、電気伝導率、熱伝導率を改良することにより、エネ
ルギ幅を0.3eV以下にできる。
関数がタングステン単結晶(310)の仕事関数より低
くなる。更に、タングステン単結晶(310)の中心1
ファセットを利用することになり、従来法の1/20以
下の大きさとなった。更に、同一輝度であれば、比抵
抗、電気伝導率、熱伝導率を改良することにより、エネ
ルギ幅を0.3eV以下にできる。
【0042】更に、三元合金被膜はタングステンの表面
のごみをきれいにする役目を有しているので、単結晶の
純度が向上する。この純度の向上により、大きな結晶を
作り易くするので、ファセットを安定させることができ
る。なお、合金を作ると加熱しても金属はタングステン
の表面に残るようになる。例えば、アルミニウムおよび
白金黒は単原子層ないし数原子層程度残る。
のごみをきれいにする役目を有しているので、単結晶の
純度が向上する。この純度の向上により、大きな結晶を
作り易くするので、ファセットを安定させることができ
る。なお、合金を作ると加熱しても金属はタングステン
の表面に残るようになる。例えば、アルミニウムおよび
白金黒は単原子層ないし数原子層程度残る。
【0043】更に、タングステン単結晶エミッター(1
11)は、透過型電子顕微鏡・電子描画装置のような大
電流型(照明・分析・露光用)に、タングステン単結晶
エミッター(310)は走査電子顕微鏡(SEM)・ウ
ェハープロセス検査用走査電子顕微鏡のような高輝度型
(プローブ用)に仕立てることにより、それぞれ応用範
囲の広い理想的な電子線源になる。
11)は、透過型電子顕微鏡・電子描画装置のような大
電流型(照明・分析・露光用)に、タングステン単結晶
エミッター(310)は走査電子顕微鏡(SEM)・ウ
ェハープロセス検査用走査電子顕微鏡のような高輝度型
(プローブ用)に仕立てることにより、それぞれ応用範
囲の広い理想的な電子線源になる。
【0044】更に、エミッター6は、コヒ−レントな電
子線源となり、電子放出角度が1度以下に設定されるよ
うになるとともに、近軸電流(ノイズキャンセラ−電
流)/総電流が1/150以上(Acc=1.0kV)
に設定されるようになる。
子線源となり、電子放出角度が1度以下に設定されるよ
うになるとともに、近軸電流(ノイズキャンセラ−電
流)/総電流が1/150以上(Acc=1.0kV)
に設定されるようになる。
【0045】更に、エミッター6においては、仕事関数
(φ)と先端形状制御とにより、電極が10mm程度離さ
れるようになるとともに、低温電界脱離法と高温電界蒸
発法とにより、エミッター6が熱フラッシュに耐えられ
るようになる。更に、エミッター6は、その寿命が10
年以上の半永久のものとなる。
(φ)と先端形状制御とにより、電極が10mm程度離さ
れるようになるとともに、低温電界脱離法と高温電界蒸
発法とにより、エミッター6が熱フラッシュに耐えられ
るようになる。更に、エミッター6は、その寿命が10
年以上の半永久のものとなる。
【0046】更に、エミッター6は合金化することによ
り、タングステンの清浄表面のガス吸着能力が低減され
るようになる。更に、引出電極のガス放出量が改善され
ることにより、引出電極とエミッターとの間の最適距離
が設定されるようになる。
り、タングステンの清浄表面のガス吸着能力が低減され
るようになる。更に、引出電極のガス放出量が改善され
ることにより、引出電極とエミッターとの間の最適距離
が設定されるようになる。
【0047】更に、エミッターのガス吸着が1/10〜
1/50になることにより、エミッションノイズが大幅
に低減するようになる。更に、金属被覆膜により、エミ
ッター6が保護されて汚染金属が阻止されるため、品質
が安定するようになるとともに、歩留まりが向上するよ
うになる。
1/50になることにより、エミッションノイズが大幅
に低減するようになる。更に、金属被覆膜により、エミ
ッター6が保護されて汚染金属が阻止されるため、品質
が安定するようになるとともに、歩留まりが向上するよ
うになる。
【0048】更に、このエミッター6では、電界脱離、
電界蒸発により、瞬時に熱フラッシュと同じ効果が得ら
れるようになる。更に、減衰曲線が、次第に伸びSから
∫になり、更に|となり、初期はほとんど減少しないで
むしろ増加傾向にあるが、1〜2時間後にはわずかずつ
減衰し始めるようになる。
電界蒸発により、瞬時に熱フラッシュと同じ効果が得ら
れるようになる。更に、減衰曲線が、次第に伸びSから
∫になり、更に|となり、初期はほとんど減少しないで
むしろ増加傾向にあるが、1〜2時間後にはわずかずつ
減衰し始めるようになる。
【0049】更に、S/N曲線が、2時間後に初期値の
10%減程度に抑えられるようになり、ノイズが0.5
%以下に持続されるとともに、ドリフトが従来法の1/
10程度になる。
10%減程度に抑えられるようになり、ノイズが0.5
%以下に持続されるとともに、ドリフトが従来法の1/
10程度になる。
【0050】更に、フィールドエミッション顕微鏡(F
EM)の観察から総電流と近軸電流との比の改善を目安
にして改善することにより、ファセットや突起の制御が
可能となる。
EM)の観察から総電流と近軸電流との比の改善を目安
にして改善することにより、ファセットや突起の制御が
可能となる。
【0051】更に、タングステン単結晶(310)以外
のファセットから原子を移動させることにより、先端形
状が維持されるようになる。その場合、電界を放出させ
る引出電圧は1.0〜4.0kVで使用される。
のファセットから原子を移動させることにより、先端形
状が維持されるようになる。その場合、電界を放出させ
る引出電圧は1.0〜4.0kVで使用される。
【0052】更に、貴金属被覆膜付台座2でエミッター
6の先端が保護され、大気圧下で扱えるようになった。
更に、電気伝導性のよい金属被覆膜で構成することによ
り、ジュール熱の発生が少なくなり、エミッター先端の
温度上昇が抑えられるようになる。
6の先端が保護され、大気圧下で扱えるようになった。
更に、電気伝導性のよい金属被覆膜で構成することによ
り、ジュール熱の発生が少なくなり、エミッター先端の
温度上昇が抑えられるようになる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電界放出冷陰極およびその製造方法によれば、体心立
方結晶金属の上に2つの面心立方結晶金属被覆膜をそれ
ぞれ被覆して三元合金のエミッターを形成しているの
で、三元合金被覆膜により体心立方結晶金属の表面の不
純物やごみをきれいにでき、単結晶の純度を向上でき
る。そして、この純度の向上により、大きな結晶を作り
易くなり、その結果ファセットを安定させることができ
る。
の電界放出冷陰極およびその製造方法によれば、体心立
方結晶金属の上に2つの面心立方結晶金属被覆膜をそれ
ぞれ被覆して三元合金のエミッターを形成しているの
で、三元合金被覆膜により体心立方結晶金属の表面の不
純物やごみをきれいにでき、単結晶の純度を向上でき
る。そして、この純度の向上により、大きな結晶を作り
易くなり、その結果ファセットを安定させることができ
る。
【0054】また、体心立方結晶金属としてタングステ
ン単結晶(111)を用いて本発明のエミッターを形成
し、このエミッターを透過型電子顕微鏡・電子描画装置
のような大電流型(照明・分析・露光用)に仕立てるこ
とにより、応用範囲の広い理想的な電子線源を得ること
ができる。また、タングステン単結晶(310)を用い
て本発明のエミッターを形成し、このエミッターを走査
電子顕微鏡(SEM)・ウェハープロセス検査用走査電
子顕微鏡のような高輝度型(プローブ用)に仕立てるこ
とにより、応用範囲の広い理想的な電子線源を得ること
ができる。
ン単結晶(111)を用いて本発明のエミッターを形成
し、このエミッターを透過型電子顕微鏡・電子描画装置
のような大電流型(照明・分析・露光用)に仕立てるこ
とにより、応用範囲の広い理想的な電子線源を得ること
ができる。また、タングステン単結晶(310)を用い
て本発明のエミッターを形成し、このエミッターを走査
電子顕微鏡(SEM)・ウェハープロセス検査用走査電
子顕微鏡のような高輝度型(プローブ用)に仕立てるこ
とにより、応用範囲の広い理想的な電子線源を得ること
ができる。
【0055】更に、体心立方結晶金属の表面を2つの面
心立方結晶金属で合金化することにより、電界放出冷陰
極に金属の熱表面拡散による自己修復能力を持たすこと
ができる。特に、体心立方結晶金属にタングステンを用
い、2つの面心立方結晶金属に金とアルミニウムとを用
いることにより、自己修復能力をより一層確実に持たす
ことができる。また、アルミニウムを用いることによ
り、比較的低融点の金を用いても、融点を純金以上に高
くすることができ、タングステンと金とを確実に組み合
わせることができるようになる。しかも、アルミニウム
が単結晶の方位〈100〉のファセットを縮小し、つぶ
すことができるので、最も理想的な方位〈310〉の突
起を用いることが可能となる。
心立方結晶金属で合金化することにより、電界放出冷陰
極に金属の熱表面拡散による自己修復能力を持たすこと
ができる。特に、体心立方結晶金属にタングステンを用
い、2つの面心立方結晶金属に金とアルミニウムとを用
いることにより、自己修復能力をより一層確実に持たす
ことができる。また、アルミニウムを用いることによ
り、比較的低融点の金を用いても、融点を純金以上に高
くすることができ、タングステンと金とを確実に組み合
わせることができるようになる。しかも、アルミニウム
が単結晶の方位〈100〉のファセットを縮小し、つぶ
すことができるので、最も理想的な方位〈310〉の突
起を用いることが可能となる。
【0056】更に、低加速電圧時は総放出電流を多く、
高加速時には総放出電流を少なくすることにより、総放
出電流の適正範囲内で電子源を小さくできるので、プロ
ーブ性能を向上できる。
高加速時には総放出電流を少なくすることにより、総放
出電流の適正範囲内で電子源を小さくできるので、プロ
ーブ性能を向上できる。
【0057】更に、面心立方結晶金属のうち、低仕事関
数金属の被覆膜を形成することにより、仕事関数を体心
立方結晶金属に最も適切なタングステン単結晶(31
0)の仕事関数より低くできるとともに、タングステン
単結晶(310)の中心1ファセットを利用することに
なり、エミッターを所定以下の大きさにできる。
数金属の被覆膜を形成することにより、仕事関数を体心
立方結晶金属に最も適切なタングステン単結晶(31
0)の仕事関数より低くできるとともに、タングステン
単結晶(310)の中心1ファセットを利用することに
なり、エミッターを所定以下の大きさにできる。
【0058】更に、同一輝度であれば、比抵抗、電気伝
導率、熱伝導率を改良することにより、エネルギ幅を大
幅に小さくできる。更に、エミッターはコヒ−レントな
電子線源となり、電子放出角度をより小さくすることが
可能となる。
導率、熱伝導率を改良することにより、エネルギ幅を大
幅に小さくできる。更に、エミッターはコヒ−レントな
電子線源となり、電子放出角度をより小さくすることが
可能となる。
【0059】更に、近軸電流(ノイズキャンセラ−電
流)/総電流の値をより大きくすることができる。更
に、仕事関数(φ)と先端形状制御とにより、電界放出
冷陰極は電極を所定距離離すことができるようになる。
流)/総電流の値をより大きくすることができる。更
に、仕事関数(φ)と先端形状制御とにより、電界放出
冷陰極は電極を所定距離離すことができるようになる。
【0060】更に、低温電界蒸発法と高温電界蒸発法と
を用いることにより、熱フラッシュに耐えるエミッター
を得ることができるようになる。更に、エミッターの寿
命を半永久(10年以上)とすることができる。更に、
エミッターを合金化することにより、タングステン等の
体心立方結晶金属の清浄表面のガス吸着能力を低減させ
ることができる。
を用いることにより、熱フラッシュに耐えるエミッター
を得ることができるようになる。更に、エミッターの寿
命を半永久(10年以上)とすることができる。更に、
エミッターを合金化することにより、タングステン等の
体心立方結晶金属の清浄表面のガス吸着能力を低減させ
ることができる。
【0061】更に、引出電極のガス放出量を改善するこ
とにより、引出電極とエミッターとの間の最適距離を設
定することができるようになる。更に、エミッターのガ
ス吸着が低減することになり、エミッションノイズを大
幅に減らすことができる。
とにより、引出電極とエミッターとの間の最適距離を設
定することができるようになる。更に、エミッターのガ
ス吸着が低減することになり、エミッションノイズを大
幅に減らすことができる。
【0062】更に、金属被覆膜によりエミッターが保護
されて汚染金属を阻止するため、品質の安定および歩留
まりの向上をもたらすことができる。更に、電界脱離、
電界蒸発により、瞬時に熱フラッシュと同じ効果が得ら
れる。 更に、S/N曲線を、所定時間経過後に初期値
の所定割合に抑えることができるようになる。
されて汚染金属を阻止するため、品質の安定および歩留
まりの向上をもたらすことができる。更に、電界脱離、
電界蒸発により、瞬時に熱フラッシュと同じ効果が得ら
れる。 更に、S/N曲線を、所定時間経過後に初期値
の所定割合に抑えることができるようになる。
【0063】更に、ノイズを所定位置以下に持続するこ
とができるとともに、ドリフトを小さくすることができ
る。更に、フィールドエミッション顕微鏡(FEM)の
観察から総電流と近軸電流との比の改善を目安にして改
善することにより、ファセットや突起の制御が可能とな
る。
とができるとともに、ドリフトを小さくすることができ
る。更に、フィールドエミッション顕微鏡(FEM)の
観察から総電流と近軸電流との比の改善を目安にして改
善することにより、ファセットや突起の制御が可能とな
る。
【0064】更に、貴金属被覆膜付台座でエミッター先
端を保護しているので、大気圧下で扱うことができるよ
うになる。更に、電気伝導性のよい金属被覆膜で構成す
ることにより、ジュール熱の発生を少なくできるので、
エミッター先端の温度上昇を抑えることができる。
端を保護しているので、大気圧下で扱うことができるよ
うになる。更に、電気伝導性のよい金属被覆膜で構成す
ることにより、ジュール熱の発生を少なくできるので、
エミッター先端の温度上昇を抑えることができる。
【図1】 図1は、本発明にかかる電界放出冷電極の実
施の形態の一例を示す図である。
施の形態の一例を示す図である。
【図2】 図1におけるP部の部分拡大図である。
【図3】 図2におけるQ部の部分拡大図である。
【図4】 体心立方結晶金属と面心立方結晶金属被覆膜
との重ね合わせを説明し、(a)体心立方結晶金属を示
す図、(b)は面心立方結晶金属被覆膜を示す図、
(c)は体心立方結晶金属と面心立方結晶金属被覆膜と
を重ね合わせた状態を示す図である。
との重ね合わせを説明し、(a)体心立方結晶金属を示
す図、(b)は面心立方結晶金属被覆膜を示す図、
(c)は体心立方結晶金属と面心立方結晶金属被覆膜と
を重ね合わせた状態を示す図である。
【図5】 本発明による電界放出冷電極から放出される
線放出電流により、ガラスが解けた状態を示す図であ
る。
線放出電流により、ガラスが解けた状態を示す図であ
る。
【図6】 従来の電界放出冷電極の一例を示し、(a)
は正面図、(b)は(a)におけるP′部の部分拡大図
である。
は正面図、(b)は(a)におけるP′部の部分拡大図
である。
1…電界放出冷陰極、2…台座、3…コバールガラス、
4…電極支持棒、5…多結晶タングステンフィラメン
ト、6…エミッタ−、7…基盤エミッタ−、8…純金薄
膜、9…純アルミニウム薄膜、10…タングステン・金
・アルミニウム三元合金被覆膜、11…三元合金被覆膜
付ナノエミッタ−
4…電極支持棒、5…多結晶タングステンフィラメン
ト、6…エミッタ−、7…基盤エミッタ−、8…純金薄
膜、9…純アルミニウム薄膜、10…タングステン・金
・アルミニウム三元合金被覆膜、11…三元合金被覆膜
付ナノエミッタ−
Claims (4)
- 【請求項1】 多結晶金属フィラメントの中央部にエミ
ッターを設け、このエミッターに電界を印加することに
より電子を放出させる電界放出冷陰極において、 前記エミッターは、体心立方結晶金属と、この体心立方
結晶金属の上にそれぞれ被覆された2つの面心立方結晶
金属被覆膜とからなることを特徴とする電界放出冷陰
極。 - 【請求項2】 前記体心立方結晶金属はタングステンま
たはモリブデンであり、前記2つの面心立方結晶金属被
覆膜のうち1つは金であり、他の1つはイリジウム、白
金、アルミニウムおよびニッケルのいずれか1つである
ことを特徴とする請求項1記載の電界放出冷陰極。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の電界放出冷陰極
を製造する方法であって、 前記エミッターの体心立方結晶金属の上に前記1つの面
心立方結晶金属被覆膜を形成し、更にこの面心立方結晶
金属被覆膜に前記他の面心立方結晶金属被覆膜を形成す
ることにより、三元合金被覆膜付ナノエミッターを形成
することを特徴とする電界放出冷陰極の製造方法。 - 【請求項4】 前記体心立方結晶金属にタングステンま
たはモリブデンを用いるとともに、前記2つの面心立方
結晶金属被覆膜のうち1つに金を用い、他の1つにイリ
ジウム、白金、アルミニウムおよびニッケルのいずれか
1つを用いることを特徴とする請求項3記載の電界放出
冷陰極の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9939198A JPH11297189A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 電界放出冷陰極およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9939198A JPH11297189A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 電界放出冷陰極およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11297189A true JPH11297189A (ja) | 1999-10-29 |
Family
ID=14246207
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9939198A Withdrawn JPH11297189A (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 電界放出冷陰極およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11297189A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8405294B2 (en) | 2007-12-26 | 2013-03-26 | Stanley Electric Co., Ltd. | Field emission electron source |
-
1998
- 1998-04-10 JP JP9939198A patent/JPH11297189A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8405294B2 (en) | 2007-12-26 | 2013-03-26 | Stanley Electric Co., Ltd. | Field emission electron source |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6930313B2 (en) | Emission source having carbon nanotube, electron microscope using this emission source, and electron beam drawing device | |
| US5536193A (en) | Method of making wide band gap field emitter | |
| JP5301168B2 (ja) | 冷電界エミッタ | |
| EP1564774B1 (en) | High brightness thermionic cathode | |
| JP2001503912A (ja) | 炭素コーン及び炭素ホイスカーの電界エミッター | |
| JPWO2012017789A1 (ja) | ガス電解電離イオン源及びその使用方法、並びに、イオンビーム装置、並びに、エミッタチップ及びその製造方法 | |
| JPS585496B2 (ja) | 安定な熱電界放出陰極を再生可能に製造する方法 | |
| JPH063326A (ja) | 液体金属イオン源及びそのエミッタとリザーバの加熱洗浄装置 | |
| KR102843050B1 (ko) | 쇼트 아크형 방전 램프 | |
| JPH0817373A (ja) | 熱電界放射電子銃 | |
| US9793085B2 (en) | Focused ion beam apparatus | |
| US10593505B1 (en) | Low temperature, high-brightness, cathode | |
| JPH11297189A (ja) | 電界放出冷陰極およびその製造方法 | |
| JP2002260520A (ja) | 金属陰極およびこれを備えた放熱型陰極構造体 | |
| JP4038218B2 (ja) | イオン源となるエミッタ、及びその生産方法 | |
| CN87106151A (zh) | 浸渍式阴极及其制造方法 | |
| US20040032194A1 (en) | Field-emission electron source element and image display apparatus | |
| JP3260204B2 (ja) | 熱電界放射陰極 | |
| JPWO2019107113A1 (ja) | エミッタ、それを用いた電子銃、それを用いた電子機器、および、その製造方法 | |
| JP5173516B2 (ja) | 電子源及び電子源の製造方法 | |
| JPH10255703A (ja) | 電子放射陰極 | |
| JP7168269B2 (ja) | エミッタ、それを用いた電子銃、それを用いた電子機器、および、その製造方法 | |
| JP2011044254A (ja) | 電子放出素子、及び、電子放出素子の作製方法 | |
| JPH1021821A (ja) | フィールドエミッタ | |
| JPS607335B2 (ja) | 熱電子放射陰極 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050705 |