JPH1129768A - 防錆剤 - Google Patents

防錆剤

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JPH1129768A
JPH1129768A JP18609197A JP18609197A JPH1129768A JP H1129768 A JPH1129768 A JP H1129768A JP 18609197 A JP18609197 A JP 18609197A JP 18609197 A JP18609197 A JP 18609197A JP H1129768 A JPH1129768 A JP H1129768A
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Tatsuya Matsui
龍也 松井
Akinori Ito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水溶性または油溶性を有し、水系および油系と
もに低濃度で優れた防錆性を発揮する防錆剤を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】(a)特定のポリオキシアルキレン化合物
と(b)無水マレイン酸、マレイン酸またはマレイン酸
塩からなるマレイン酸系化合物の単位を必須単量体とし
て有し、(a)と(b)の組成比がモル比で(a):
(b)=3:7〜7:3であり、かつ重量平均分子量が
500〜100,000である共重合体からなる防錆
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属の防錆剤に関
し、詳しくは水溶性または油溶性を有し、水系および油
系ともに低濃度で優れた防錆性を発揮する防錆剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、錆の発生を防止するために、水系
防錆剤としてクロム酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩等の無機
系の防錆剤やオキシカルボン酸塩、カルボン酸塩、アミ
ン塩等の有機系の防錆剤が使用されている。また、油系
防錆剤として長鎖脂肪酸とアルキルアミンあるいはアル
カノールアミンとの塩が石油製品、油脂、有機溶剤など
に使用されている。
【0003】しかしながら、無機系の水系防錆剤は、一
般に安全性および環境保護の観点から好ましくない。例
えば、クロム酸塩は毒性が強く、亜硝酸塩は人体に有害
なニトロソアミン生成の危険性があり、リン酸塩は河川
や内海等に排水された場合、富栄養化をもたらす原因と
なる。また、有機系の水系防錆剤では、オキシカルボン
酸塩が比較的低濃度で防錆効果を発揮するが、単独で使
用する場合には溶存塩類、特に塩素イオンや硫酸イオン
等の腐食性イオンの濃度および温度の影響を受けやす
く、上記腐食性イオンの濃度が高くなるほど、また温度
が高くなるほど防錆効果は低下するため、その利用は好
ましくない。これらの問題点を解決するために、例え
ば、特公昭57−59309号公報に示されるようなカ
ルボン酸塩、特公平7−794号公報に示されるような
長鎖アルキル基を有するアミン塩等の有機系防錆剤が提
案されている。
【0004】カルボン酸塩は、無機系防錆剤で問題にな
っている安全性に関しては改良がなされているが、反
面、金属表面に対する吸着性または親和性が小さいため
に、特に低濃度での防錆性が十分とはいえない。また、
長鎖アルキル基を有するアミン塩は用途によってはかな
りの防錆性が得られるものの、防錆性に関与するアミン
塩部分に対するアルキル基部分の分子量の比率が大きく
なるため、十分な防錆性を引き出すためには比較的高濃
度で使用する必要があり、低濃度での防錆性は必ずしも
十分とはいえない。
【0005】一方、油系の防錆剤として使用されている
長鎖脂肪酸とアルキルアミンとの塩の場合、長鎖アルキ
ル第一アミン基がとくに優れた防錆性を示す。しかしな
がら、この塩は石油製品、油脂、有機溶剤などに溶解し
にくい欠点を有している。また、米国特許第3,57
3,333号明細書および特開昭63−117097号
公報にはヒドロキシアリール脂肪酸とアミンとの塩が提
案されている。しかし、これは用途によってはかなりの
防錆性が得られるが、この場合もアミン塩部分に対する
アルキル基部分の分子量の比率が大きいため、低濃度で
の防錆性は必ずしも十分とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオキシ
アルキレン化合物とマレイン酸系化合物との共重合体か
らなり、水溶性または油溶性を有し、水系および油系と
もに低濃度で優れた防錆性を発揮する防錆剤を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は(a)下記の一
般式[I]で示されるポリオキシアルキレン化合物と
(b)無水マレイン酸、マレイン酸またはマレイン酸塩
からなるマレイン酸系化合物の単位を必須単量体として
有し、(a)と(b)の組成比がモル比で(a):
(b)=3:7〜7:3であり、かつ重量平均分子量が
500〜100,000である共重合体からなる防錆剤
である。 R1O(EO)m(AO)n2 [I] (ただし、式中、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、
2は炭素数1〜40の炭化水素基、EOはオキシエチ
レン基、AOは炭素数3〜18のオキシアルキレン基で
あり、EOおよびAOが2種類以上の場合ブロック状ま
たはランダム状のどのように結合していてもよく、mは
オキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシアルキ
レン基の平均付加モル数を示し、0≦m≦n、m+n=
1〜50を満たす。)
【0008】
【発明の実施の形態】一般式[I]においてR1で示さ
れる炭素数2〜5のアルケニル基としては、ビニル基、
アリル基、メタリル基、1,1−ジメチル−2−プロペ
ニル基、3−メチル−3−ブテニル基等があり、好まし
くはアリル基、メタリル基である。R1の炭素数が5よ
り大きいと重合性が低くなるので好ましくない。
【0009】一般式[I]においてR2で示される炭素
数1〜40の炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、第2ブチル基、第3ブチル基、ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキ
サデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステ
アリル基、オクチルドデシル基、ドコシル基、デシルテ
トラデシル基等の脂肪族飽和炭化水素基;オレイル基等
の脂肪族不飽和炭化水素基;シクロヘキシル基、メチル
シクロヘキシル基等の脂環式飽和炭化水素基;シクロペ
ンテニル基、シクロヘキセニル基等の脂環式不飽和炭化
水素基;フェニル基、ベンジル基、クレジル基、ブチル
フェニル基、ジブチルフェニル基、オクチルフェニル
基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基、ジオクチ
ルフェニル基、ジノニルフェニル基、α−メチルベンジ
ルフェニル基等の芳香族炭化水素基または置換芳香族炭
化水素基があり、1種類または2種類以上を混合して用
いてもよい。R2で示される炭化水素基は、炭素数が4
0より大きいと製造が困難であり、入手性も困難である
ため好ましくなく、防錆剤の用途別により、水系に用い
られるものは炭素数1〜6が好ましく、油系に用いられ
るものは炭素数4〜18が好ましい。
【0010】一般式[I]において、AOとしてはオキ
シプロピレン基、オキシトリメチレン基、1,2−オキ
シブチレン基、1,3−オキシブチレン基、2,3−オ
キシブチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシスチ
レン基、オキシドデシレン基、オキシテトラデシレン
基、オキシヘキサデシレン基、オキシオクタデシレン基
等があるが、水系に用いられるものは炭素数3〜4のオ
キシアルキレン基が好ましい。AOで示されるオキシア
ルキレン基は、炭素数が18より大きいと製造が困難で
あり好ましくなく、1種または2種以上であってもよ
い。EOで示されるオキシエチレン基およびAOで示さ
れるオキシアルキレン基が2種類以上の場合ブロック状
またはランダム状のどのように結合していてもよい。
【0011】オキシエチレン基またはオキシアルキレン
基の付加モル数は、0≦m≦n、m+n=1〜50を満
たし、m+n=1〜15を満たすことがより好ましく、
油系で用いられるものはとくに0≦2m≦nが好まし
い。m+nが50より大きくなると一般式[I]で示さ
れるポリオキシアルキレン化合物の粘度が高くなり、製
造が困難となるため好ましくない。0≦m≦nと限定さ
れるのは、m>nとなると、すなわち、オキシエチレン
基が多いと金属部分への吸着部位であるカルボン酸塩部
位の近傍の親水性が大きくなり、防錆性が低減するから
である。
【0012】(b)のマレイン酸系化合物としては、無
水マレイン酸、マレイン酸およびマレイン酸塩などがあ
り、マレイン酸塩としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、メチルア
ミン、ジメチルアミン、エチルアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
メチルエタノールアミン等のアミン塩が挙げられる。水
系に用いられるものは溶解性の点からマレイン酸塩が好
ましく、油系に用いられるものは無水マレイン酸が好ま
しい。
【0013】また防錆剤として用いる共重合体は、ほか
にスチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリルアミド、メタクリルアミド等、他の共重合可能
な単量体を共重合したものでもよい。
【0014】本発明の防錆剤において、一般式[1]で
表されるポリオキシアルキレン化合物の単位(a)とマ
レイン酸系化合物の単位(b)との組成比は、モル比で
(a):(b)=3:7〜7:3であり、この範囲外で
は共重合体の防錆性が低下するので好ましくない。
【0015】本発明の防錆剤において、共重合体の重量
平均分子量は、500〜100,000であり、5,0
00から50,000であることがより好ましく、さら
に好ましくは10,000から40,000である。重
量平均分子量が100,000を超えると製造が困難で
ある。本発明の防錆剤に使用する共重合体は水に溶解す
るが油には溶解しないもの、油には溶解するが水には溶
解しないもの、油と水の両者に溶解あるいは分散するも
のがあり、ポリオキシアルキレン化合物およびマレイン
酸系化合物の構造を選択することで、種々の性質を示す
ものが得られ、広範囲の用途に使用することができる。
【0016】本発明の防錆剤は、カルボン酸塩と水溶液
中に溶解性の低い塩を作りやすいカルシウム、マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属を含有している場合でも、
その効果を十分に発揮することができる。水系防錆剤と
して使用される場合の防錆剤濃度は通常0.2〜10重
量%、好ましくは0.5〜5重量%である。また、本発
明の防錆剤は圧延油、切削油、プレス油、鍛造油、研削
油、引き抜き油等の加工油に添加する場合でも、その効
果を十分に発揮することができる。その場合の防錆剤濃
度は通常1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%で
ある。
【0017】
【発明の効果】本発明の防錆剤は、ポリオキシアルキレ
ン化合物とマレイン酸系化合物との共重合体についてそ
の構造を選択することにより水溶性または油溶性を有
し、水系および油系ともに低濃度で優れた防錆性を発揮
する。
【0018】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
説明する。 合成例1 かきまぜ機、窒素ガス導入管、還流冷却器および温度計
を付した2リットルの四つ口フラスコに、第1表のaで
表されるポリオキシアルキレン化合物520g(1.0
モル)、無水マレイン酸98g(1.0モル)およびト
ルエン200mlを入れ、窒素ガス雰囲気下で混合物を
50℃まで昇温し、第3ブチルペルオキシー2―エチル
ヘキサノエート5.0 g(0.023モル)を加え、さ
らに70℃まで昇温して10時間共重合反応を行った。
その後、減圧下、50℃でトルエンを除去し、水400
gおよび30%水酸化ナトリウム水溶液270g(2.
0モル)を加え、共重合体Aの水溶液を得た。ゲルパー
ミエイションクロマトグラフィーにより得られた共重合
体の重量平均分子量は22,500であった。重合体の
合成に使用した単量体、使用モル数および得られた共重
合体の重量平均分子量を他の合成例とともに第2表に示
す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】合成例2〜10 合成例1と同様の方法で、第2表に示す単量体を使用し
て、同じ第2表に示す重量平均分子量の共重合体B〜J
を得た。
【0022】実施例1〜5 水道水中に、防錆剤として合成例1〜5で得られた共重
合体A〜Eをそれぞれ0.5重量%および2重量%にな
るように添加し、防錆剤水溶液を調製した。この水溶液
に脱脂した3cm×5cmの冷間圧延鋼板試験片(JI
S G 3141適合品)の全体を1分間浸漬したの
ち、試験片の上部半分を空気中に引き上げて20℃に保
持し、4日後、15日後、30日後および45日後の錆
の発生状況を目視により観察した。また、試験片の下部
半分についても、防錆剤水溶液中で20℃に保持し、4
8時間放置後の錆の発生状況を目視により観察した。防
錆性は、試験片の全体の面積に対する錆の面積の比率に
応じて次の基準を用いて表現し、第3表に示した。 ◎ : 錆が認められない。 ○ : 錆の面積比率が10%未満 △ : 錆の面積比率が10%以上30%未満 × : 錆の面積比率が30%以上50%未満 ××: 錆の面積比率が50%以上
【0023】
【表3】
【0024】比較例1〜4 実施例1〜5の共重合体の代わりに、第3表に示す比較
例1〜3の防錆剤をそれぞれ用い、比較例4では防錆剤
を用いない以外は、実施例1〜5と同様にして防錆性の
試験を行い、結果を第3表に示した。
【0025】実施例6〜10 油系防錆剤の防錆性試験を湿潤試験(JISK224
6)により行った。すなわち、1号スピンドル油中に、
防錆剤として合成例6〜10で得られた共重合体をそれ
ぞれ1重量%および5重量%になるように添加して防錆
剤溶液を調製した。この溶液を脱脂した3cm×5cm
の冷間圧延鋼板試験片(JIS G 3141適合品)
に塗布し、これを湿度90%、温度50℃の恒温恒湿器
中に480時間放置して、錆の発生状況を目視により観
察した。防錆性は試験片の周囲5mm巾を除いた部分に
ついて全体に対する錆の面積の比率に応じて、実施例1
〜5と同様の基準を用いて表現した結果を第4表に示し
た。
【0026】
【表4】
【0027】比較例5〜8 実施例6の共重合体Fの代わりに、第4表に示す比較例
5〜7の防錆剤をそれぞれ用い、比較例8では防錆剤を
添加しなかった以外は、実施例6〜10と同様にして防
錆性の試験を行い、結果を第4表に示した。
【0028】第3表および第4表からも明らかなよう
に、本発明の防錆剤は水系および油系ともに低濃度にお
いても優れた防錆性を示し、比較例1〜3の水系防錆剤
および比較例5〜7の油系防錆剤に比べて、特に低濃度
における防錆性が優れていることがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)下記の一般式[I]で示されるポリ
    オキシアルキレン化合物と(b)無水マレイン酸、マレ
    イン酸またはマレイン酸塩からなるマレイン酸系化合物
    の単位を必須単量体として有し、(a)と(b)の組成
    比がモル比で(a):(b)=3:7〜7:3であり、
    かつ重量平均分子量が500〜100,000である共
    重合体からなる防錆剤。 R1O(EO)m(AO)n2 [I] (ただし、式中、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、
    2は炭素数1〜40の炭化水素基、EOはオキシエチ
    レン基、AOは炭素数3〜18のオキシアルキレン基で
    あり、EOおよびAOが2種類以上の場合ブロック状ま
    たはランダム状のどのように結合していてもよく、mは
    オキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシアルキ
    レン基の平均付加モル数を示し、0≦m≦nおよびm+
    n=1〜50を満たす。)
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