JPH11302194A - レチノイン酸の活性増強剤 - Google Patents
レチノイン酸の活性増強剤Info
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- JPH11302194A JPH11302194A JP11637898A JP11637898A JPH11302194A JP H11302194 A JPH11302194 A JP H11302194A JP 11637898 A JP11637898 A JP 11637898A JP 11637898 A JP11637898 A JP 11637898A JP H11302194 A JPH11302194 A JP H11302194A
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Abstract
生理活性を増強する物質を提供する。 【解決手段】 ディファラニゾールA又は生理学的に許
容されるその塩を有効成分として含み、RXR リガンドの
生理活性を増強する作用を有する医薬。例えば白血病の
治療剤として有用である。
Description
のRXR リガンドの生理活性を増強することができ、例え
ば白血病の治療に有用な医薬に関するものである。
ンAの活性代謝産物であり、発生途上にある未熟な細胞
を特有な機能を有する成熟細胞へと分化させる作用や、
細胞の増殖制御作用や生命維持作用など極めて重要な生
理作用を有している。例えば、オールトランス(all-tra
ns)・レチノイン酸 (ATRA) は、脊椎発達における天然の
モルフォゲン(形態形成物質)であり、骨髄性白血病細
胞の分化を誘導することが知られている。レチノイン酸
及びレチノイン酸様の生物活性を有する上記化合物は
「レチノイド」と総称されている。
チノイン酸は、細胞核内に存在する核内レセプター・ス
ーパーファミリー (Evans, R.M., Science, 240, p.88
9, 1988) に属するレチノイン酸レセプター(RAR)にリ
ガンドとして結合して、動物細胞の増殖・分化あるいは
細胞死などを制御することが明らかにされている(Petko
vich, M., et al., Nature, 330, pp.444-450, 1987)。
オールトランスレチノイン酸を投与することによってほ
とんどの急性前骨髄球白血病(APL) 患者を完全寛解に導
くことができる。オールトランスレチノイン酸の立体異
性体である9-シス(9-cis)・レチノイン酸は、オールトラ
ンスレチノイン酸に比べてインビトロでの骨髄性白血病
細胞の増殖阻害及び分化誘導作用に優れるものの(Saka
shita, A.,et al., Blood, 81, pp.1009-1016, 1993)
、APL 患者に対する分化誘導療法ではオールトランス
・レチノイン酸よりも副作用の点で有効性に劣ることが
知られている。
ついてはほとんど報告がない。例えば、特開平8-59511
号公報には、レチノイドXレセプター(RXR) に対する特
異的リガンドである化合物が、RAR-αレセプターに対す
る特異的なリガンド化合物であるAm80の作用を増強する
作用を有することが示唆されている。この刊行物には、
4-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-5,5,8,8- テトラメチル-2-
ナフチル) カルボニル] 安息香酸- エチレンアセタール
が合成レチノイドであるAm80(4-[(5,6,7,8-tetrahydro
-5,5,8,8-tetramethyl-2-naphthalenyl)carbamoyl]benz
oic acid)の分化誘導作用を増強することが示唆されて
いる。また、4-[5H-2,3-(2,5- ジメチル-2,5- ヘキサ
ノ)-5-メチルジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン-11-イル]
安息香酸(HX600) などのベンゾジアゼピン化合物がレチ
ノイドの作用を増強することも知られている(Umemiya e
t al., Chem. Pharm. Bull., 43, pp.1827-1829, 199
5)。この化合物の作用は、RXR-RAR ヘテロダイマーを形
成する RXRを活性化するものと考えられている。
微生物の培養物中から、ディファラニゾールA(3,5-ジ
クロロ-2- ヒドロキシ-4- メトキシ-6-n- プロピル安息
香酸)が単離されている(特公平4-32816 号公報)。こ
の物質はマウスの赤血球性白血病細胞に対して分化誘導
作用を発揮し、正常細胞に誘導する作用を有することか
ら、抗腫瘍剤としての利用が期待されている。もっと
も、ディファラニゾールAは神経芽細胞腫 C-1300 細胞
を接種したマウスに対して抗腫瘍活性を示すものの、骨
髄性白血病細胞の分化誘導における活性は弱いという問
題がある (Suzuki, T., etal., J. Antibiotics, 39, p
p.869-871, 1986)。
の手段】本発明者らはヒト骨髄性白血病細胞に対して優
れた増殖阻害作用及び分化誘導作用を発揮できる医薬を
開発すべく鋭意研究を行ったところ、ディファラニゾー
ルAと例えば9-シス・レチノイン酸などのRXR に対して
親和性をしめす化合物又はその塩とを組み合わせると、
RXR リガンドの生理作用が顕著に増強されることを見出
した。また、両者を組み合わせて用いると、白血病細胞
に対して相乗的な増殖抑制作用及び分化誘導作用を達成
できること、並びにこれらの物質を有効成分として含む
医薬が白血病の治療に高い有効性を発揮できることを見
出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたも
のである。
又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む
RXR リガンド(好ましくは9-シス・レチノイン酸又は生
理学的に許容されるその塩)の生理活性増強剤を提供す
るものである。また、本発明により、ディファラニゾー
ルA又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として
含み、RXR リガンド(好ましくは9-シス・レチノイン酸
又は生理学的に許容されるその塩)を有効成分として含
む医薬、好ましくは白血病の治療剤の作用増強のために
用いられる医薬が提供される。
ファラニゾールA又は生理学的に許容されるその塩とRX
R リガンド(好ましくは9-シス・レチノイン酸又は生理
学的に許容されるその塩)とを有効成分として含み、好
ましくは骨髄性白血病の治療に用いる医薬の製造のため
のディファラニゾールA又は生理学的に許容されるその
塩の使用;並びに、骨髄性白血病の治療方法であって、
ディファラニゾールA又は生理学的に許容されるその塩
の治療有効量とRXR リガンド(好ましくは9-シス・レチ
ノイン酸又は生理学的に許容されるその塩)の治療有効
量とを患者に投与する工程を含む方法が提供される。さ
らに別の観点からは、ディファラニゾールA又は生理学
的に許容されるその塩とRXR リガンド(好ましくは9-シ
ス・レチノイン酸又は生理学的に許容されるその塩)と
を有効成分として含む医薬が提供される。この医薬は、
骨髄性白血病などの種々の白血病の治療に有用である。
ば、特公平4-32816 号公報に記載された方法により製造
することができる。生理学的に許容されるディファラニ
ゾールAの塩の種類は特に限定されないが、例えば、ナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩などの金属塩;アンモニウム塩:トリエチルアミン
塩、モルホリン塩などの有機アミン塩:アルギニン塩、
リジン塩などのアミノ酸塩などの塩基付加塩を用いるこ
とができる。
ド」という用語は、レチノイドXレセプター (RXR)に対
してリガンドとしての親和性を示し、レチノイドの代表
的生物活性(例えば、細胞分化作用、細胞増殖制御作
用、及び生命維持作用など)を発揮できる化合物又はそ
の塩(一般的に「RXR ・アゴニスト」と呼ばれる場合も
ある)を意味しているが、RXR に対する特異的リガンド
のほか、RXR 及びRAR に対して親和性を示す化合物また
はその塩も包含されることを理解すべきである。例え
ば、RXR に対する特異的リガンドとして Ro47-5944 (Ap
fel, C.M. et al.,J. Biol. Chem., 270, pp.30765-307
72, 1995)を挙げることができる。RAR 及びRXRの両方に
親和性を示すリガンドとしては9-シス・レチノイン酸を
挙げることができる (Levin, A.A., et al., Nature, 3
55, pp.359-361, 1992; Zhang, X.K., etal., Nature,
358, pp.587-591, 1992)。
実質的に RARにのみ結合するリガンドとして知られてい
るが(上掲 Levinら及びZhanら)、この化合物は生体内
での代謝過程で9-シス・レチノイン酸を生成する場合が
あり、生体内で RXRリガンドとして作用することができ
る。本発明におけるRXR リガンドには、このように生体
内でRXR リガンドとして作用可能な化合物またはその塩
も包含されることを理解すべきである。なお、ある化合
物またはその塩が RXR及び/又はRAR に対するリガンド
として作用するか否かは、上掲 Levinら及びZhanらの文
献に記載された方法に従って容易に検定可能である。RX
R リガンドとしては遊離形態の化合物のほか、生理学的
に許容されるその塩を用いてもよい。例えば、生理学的
に許容される9-シス・レチノイン酸の塩として上記に例
示した塩基付加塩を用いることができる。
自体が白血病細胞に対する増殖抑制作用及び分化誘導作
用を有しているが、RXR リガンドの代表的生物活性(例
えば、細胞分化作用、細胞増殖制御作用、及び生命維持
作用など)を増強する作用を有している。より具体的に
は、ディファラニゾールA又はその塩は、9-シス・レチ
ノイン酸又はその塩の白血病細胞に対する増殖抑制作用
及び分化誘導作用を増強する作用を有しており、その増
強作用は相乗的である。
は、RXR リガンドをビタミンA欠乏症;上皮組織の角化
症、乾癬などの皮膚疾患;アレルギー疾患;リウマチな
どの免疫性疾患;骨粗鬆症、骨折などの骨疾患;アルツ
ハイマー;ハンチントン舞踏病;白血病やその他の癌な
どの疾患の予防及び/又は治療のための医薬として投与
する場合に、該RXR リガンドの作用増強剤として用いる
ことができる。また、ディファラニゾールA又はその塩
は生体内に既に存在するRXR リガンド(例えばレチノイ
ン酸)の作用を増強するので、RXR リガンドを上記疾患
の治療及び/又は予防のために投与しない場合において
も、生体内RXR リガンドの作用を増強することによって
上記疾患の治療及び/又は予防を達成することができ
る。典型的には、ディファラニゾールA又はその塩とRX
R リガンド(好ましくは9-シス・レチノイン酸又はその
塩)とを有効成分として含む、いわゆる合剤の形態の医
薬組成物として用いることができる。この合剤は、骨髄
性白血病、リンパ性白血病のいずれの白血病に対しても
治療剤として適用できる。
例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液
剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与
に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴
剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、軟膏剤、クリーム
剤、及び貼付剤等を挙げることができる。上記の医薬組
成物の製造に用いられる薬理学的及び製剤学的に許容し
うる製剤用添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤な
いし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色
素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化
剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げ
ることができる。
は特に限定されないが、RXR リガンドと組み合わせて投
与する場合には、ディファラニゾールA又はその塩を成
人一日あたり 0.01 〜1,000 mg程度の範囲で投与し、RX
R リガンドの投与量を通常の投与量よりも適宜減じるこ
とが望ましい。上記の投与形態での投与量を参照するこ
とによって、いわゆる合剤として投与する場合にもディ
ファラニゾールA又はその塩とRXR リガンドとの配合比
を適宜選択可能である。
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 (1) 材料と方法 (a) 試薬等 ディファラニゾールA(3,5-ジクロロ -2-ヒドロキシ -
4-メトキシ -6-n-プロピル安息香酸:「Dif 」と略する
場合がある。)は文献記載の方法により調製した (Iimu
ra, Y. et al., Acta Cryst., C40, pp.2058-2061, 198
4; Mori, K. etal., Liebigs Ann. Chem., pp.303-305,
1989; Oka et al., J. Antibiotics, 38, pp.1100-110
2, 1985)。オールトランスレチノイン酸(以下、「ATR
A」と略する場合がある。)及びニトロブルー・テトラ
ゾリウム(NBT) はシグマ・ケミカルズ(セントルイス、
MO) から購入した。 1α,25-ジヒドロキシビタミンD3
(以下、 「VD3」と略する場合がある。) 及び 9-cisレチ
ノイン酸(以下、「9cisRA」と略する場合がある。)
は、それぞれ和光純薬工業株式会社及び BIOMOL リサー
チ・ラボラトリーズ(プリマウス・ミーティング、PA、
USA)から入手した。
ンド Am80 (4-[(5,6,7,8-tetrahydro-5,5,8,8-tetramet
hyl-2-naphthalenyl)carbamoyl]benzoic acid; Hashimo
to,Y., et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 16
6, pp.1300-1307, 1990)は首藤教授(東京大学)から寄
贈されたものを用い、レチノイド Xレセプター(RXR)リ
ガンド Ro47-5944 (Apfel, C.M. et al., J. Biol. Che
m., 270, pp.30765-30772, 1995)は F. ホフマン−ラロ
シュ社から寄贈されたものを用いた。
RPMI-1640培地に懸濁して 5% CO2 を含む37℃の加湿空
気中で培養した。t(15;17)- 陽性 APL(仏米英委員会が
提案した基準による M3 変異体)患者の28歳の男性から
治療開始前にインフォームドコンセントを行って末梢血
液を採取した。白血病細胞を精製するために、ヘパリン
処理した血液細胞を等容量の RPMI-1640培地と混合し、
フィコール−ハイパック(ファルマシア)で遠心した。
イ 細胞数は ZM 型コウルター・カウンター(コウルター・
エレクトロニクス、ルートン、UK)で計数した。分化誘
導能をアッセイするために、白血病細胞(5×104 細胞/m
l)を所定期間、試験化合物の存在下又は非存在下に培養
した。細胞に 12-O-テトラデカノイルホルボル-13-アセ
テート(TPA) を与えた際に NBTを還元する能力を指標と
してスーパーオキシドを発生させるオキシダーゼを測定
した。NBT 還元能は、 NBT (1mg/ml) 及び TPA (100 ng
/ml)を含む 1 ml の RPMI 1640培地中で 1×106 個の細
胞を 37 ℃で 60 分インキュベートすることによりアッ
セイした。細胞内ブルー−ブラック・フォルマザン沈殿
を含む細胞のパーセンテージを顕微鏡下で測定し、少な
くとも 200細胞を計数した。
ムザ (May-Grunwald-Giemsa)で染色した細胞スメアで調
べた。CD11b の発現は間接的免疫蛍光染色及びフロー・
サイトメトリーにより分析した (Kanatani Y. et al.,
Cell Growth Differ. 7, pp.187-196, 1996)。簡単に述
べると、白血病細胞(2×106)をリン酸緩衝生理食塩水(P
BS)で洗浄し、 0.1% ウシ血清アルブミンを含む PBS中
のマウス抗-CD11b(Mac-1; ニチレイ株式会社)50μl
中、4℃で 30 分間インキュベートした。細胞をPBSで
洗浄し、 0.1 %ウシ血清アルブミンを含む PBS中の FIT
C-共役抗マウスIgG (タゴ社)50μl 中で 30 分間イン
キュベートし PBSで洗浄した後、エピックス XL フロー
・サイトメトリー(コウルター・エレクトロニクス)で
分析した。細胞周期は前述のようにヨウ化プロピジウム
で染色した核を用いて蛍光活性化細胞選別器で分析し
た。
ティベイションアッセイ CV-1細胞をリポフェクチン試薬(GIBCO BRL 、ガイサー
ズバーグ、MD)を用いてレセプタープラスミド (pCMX-h
RAR-α, pCMX-hRXR-α) 200 ng、レセプタープラスミド
500 ng 及び pCMX-β-gal 300 ng でトランスフェクト
した (Umesono,K., et al., Cell, 65, pp.1255-1266,
1991)。使用したレセプターは RARについては TK-TREpx
2-LUC(Umesono, K., et al., Cell, 65, pp.1255-1266,
1991)及び RXRについては TK-CRBPII-LUC (Mangelsdor
f, D.J., et al., Cell, 66, pp.555-561, 1991)であっ
た。細胞を18時間トランスフェクトし、DNA を含む培地
を除去した後、 10%樹脂−チャコール−ストリプト・ウ
シ胎児血清を含む培地中で試験化合物と共に24時間イン
キュベートした。ルシフェラーゼ及びβ−ガラクトシダ
ーゼ活性をそれぞれ発光測定装置 (BLR-201;アロカ)及
び分光光度計(日立)を用いて分析した。トランスフェ
クションデータは全て内部β−ガラクトシダーゼマーカ
ーを用いて標準化し、3回の実験の平均値で表した。
ラニゾールAの効果 ディファラニゾールAは用量依存的に骨髄性白血病細胞
の増殖を阻害した。細胞を5日間処理した場合、ML-1、
HL-60 、NB4 、THP-1 、U937、及び KU812細胞では IC
50 は 89 〜130 μM であった。ついで、種々の濃度の
ディファラニゾールAで 24-72時間処理したHL-60 細胞
の細胞周期分布の変化を測定した。結果を表1に示す
(表中の結果は3回の測定の平均値±SDを示す)。
胞の DNAヒストグラムに著しい変化はなかったが、120
μM で処理した培養物には G1 期の細胞数が蓄積してい
た。HL-60 細胞(5×104/ml) をディファラニゾールAで
7日間処理した場合には、細胞はわずかながら有意の形
態学的分化を受けていた(表2:3回の別個の実験の平
均値±SDを示す)。ディファラニゾールAにより機能的
分化 (NBT 還元能) も惹起されたが、ディファラニゾー
ルAの分化誘導能は弱かった。また、ディファラニゾー
ルAは、単球白血病 U937 細胞及び赤白血病 K562 細胞
についても弱い分化誘導活性を示した。
質の併用効果 ATRA、9cisRA、又はVD3 の存在下におけるディファラニ
ゾールAの白血病細胞の増殖及び分化に対する効果を検
討した。ディファラニゾールAはこれらの物質によって
誘導されるHL-60 細胞の増殖阻害及び NBT還元能の誘導
を増進し、その作用は相乗的であり、9cisRAについては
特に顕著な相乗効果が認めらた(図1)。また、別の骨
髄単球様分化マーカーである CD11b表面抗原の発現につ
いても同様の結果が得られた(図2)。ディファラニゾ
ールAと 9cisRA による(15;17)染色体転座を伴う前骨
髄球白血病 NB4細胞の増殖抑制及び分化誘導活性を相乗
的に誘導した(図3)。
作用(NBT 還元能)におけるディファラニゾールAと 9
cisRA の時間的効果を検討した。NB4 細胞をディファラ
ニゾールAと24時間プレインキュベートしても 9cisRA
の増殖阻害作用及び分化誘導活性に対して本質的な影響
は及ぼさず、また 9cisRA をプレインキュベートしても
ディファラニゾールAの増殖阻害作用は促進されなかっ
た(表3)。72時間前処理した場合にも同様の結果が得
られた。一方、4 nM 9cisRA 及び60μM ディファラニゾ
ールAで同時処理した場合には著しく高い増殖抑制作用
及び分化誘導活性が認められた。実験は、 NB4細胞を 6
0 μM ディファラニゾールA又は 4 nM9cisRAで1日間
処理し、60μM ディファラニゾールA又は 4 nM 9cisRA
を含む新しい培地中でさらに5日間培養することにより
行い、表3には3回の実験の平均値±SDを示した。
リガンドとの組み合わせ効果 9cisRAは RAR及び RXRの両方に対するリガンドであり、
ATRAは RARのみに結合するリガンドである(Levin, A.
A., et al., Nature, 355, pp.359-361, 1992; Zhang,
X.K., et al., Nature, 358, pp.587-591, 1992)。もっ
とも、ATRAは代謝によってある程度 9cisRA に変化する
場合がある。ディファラニゾールAの性質を理解するた
めに、RAR-特異的又はRXR-特異的リガンドとディファラ
ニゾールAの協力作用を調べた。RAR-特異的リガンドと
してAm80を用い、RXR-特異的リガンドとして Ro47-5944
を用いた。HL-60 細胞をディファラニゾールAの存在下
で種々の濃度の Am80 又は Ro47-5944で処理した結果を
図4に示す。この結果から、Am80 及びディファラニゾ
ールAの増殖阻害作用は相加的であり、一方、 Ro47-59
44及びディファラニゾールAの効果は相乗的であること
が明らかである。ATRAも Ro47-5944の存在下でHL-60 細
胞の増殖を相乗的に阻害した。
球)を APL患者から単離した(20,000/ μl の白血球
数)。この白血病細胞は ATRA 及び 9cisRA に対しては
反応したが、ディファラニゾールAに対しては反応しな
かった(図5)。しかしながら、ディファラニゾールA
は、この細胞のレチノイド誘導による NBT還元能を著し
く促進した(0.4 nM 9cisRA プラス 60 μM ディファラ
ニゾールAでは 88%が NBT陽性であり、0.4 nM 9cisRA
単独では 40%であった)。ディファラニゾールAの促進
作用は 9cisRA で処理した細胞の形態学的変化において
も観察された。
ティベイションにおけるディファラニゾールAの効果 ディファラニゾールAが部分的に RARアゴニストとして
作用しうる可能性がある。そこで、 CV-1 細胞をレセプ
ター・プラスミド(pCMX-hRARα及び pCMX-hRXR- α) 及
びルシフェラーゼレポーター・プラスミドでトランスフ
ェクトし、レセプター介在トランスアクティベーション
におけるディファラニゾールAの効果を調べた。プラス
ミドでトランスフェクトした CV-1 細胞を無添加、又は
10-4M ディファラニゾールA (DIF)、10-6 M ATRA 、若
しくは10-7 M 9cisRA の存在下で24時間インキュベート
した。 RARα及び RXRαの遺伝子をpCMXベクター中に導
入した。結果を表4に示す(表中の値は刺激を与えてい
ない細胞におけるルシフェラーゼ活性に対する比を示
し、3回の平均値として示した。NTは試験していないこ
とを示す。)。ディファラニゾールAは TK-TREpx2-LUC
レポーターにおける RARαのトランスアクティベイティ
ング活性を刺激しなかったが、ATRAは著しく増大させ
た。また、ディファラニゾールAは RXRについても効果
を示さなかった。これらの結果はディファラニゾールA
が RARまたは RXRに対するアゴニストとして作用しない
ことを示している。
イイン酸、又は 1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の存在
下におけるディファラニゾールAの白血病細胞HL-60 の
増殖及び分化に対する効果(5日間培養)を示した図で
ある。図中、(a)は0(○)、3(□)、及び30(▲)n
Mの 1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(VD3) 存在下での
結果を示し;(b) は1(△)、4(□)、8(●)、及
び10(■)nMのオールトランスレチノイン酸(ATRA)存在
下での結果を示し;(c) は1(△)、4(□)、8
(●)、及び10(■)nMの9-シスレチノイイン酸(9cisR
A)存在下での結果を示す。結果は4回の独立の実験の平
均値として示した。
イイン酸、又は 1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(VD3)
の存在下におけるディファラニゾールAの白血病細胞HL
-60 の分化に対する効果を、骨髄単球様分化マーカーで
ある CD11b表面抗原の発現について示した図である。図
中、(a) は 3 nM の 1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(V
D3) 存在下での結果を示し;(b) は 4 nM のオールトラ
ンスレチノイン酸(RA)存在下での結果を示し;(c) は 4
nM の9-シスレチノイイン酸(9cisRA)存在下での結果を
示す。実線は60μM のディファラニゾールA存在下で3
日間培養を行った結果を示し、鎖線はディファラニゾー
ルA非存在下での結果を示す。マーカーの発現は抗CD11
b 抗体を用いた免疫蛍光染色法で行った。図中、細線は
無処理の対照を示し、点線は免疫蛍光測定用の陰性対照
を示す。
イン酸、又は 1α,25-ジヒドロキシビタミンD3の存在下
におけるディファラニゾールAの前骨髄球白血病NB4細
胞の増殖及び分化に対する効果(5日間培養)を示した
図である。図中、(a) は0(○)、3(△)、及び30
(▲) nM の 1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(VD3) 存
在下での結果を示し;(b) は4(□)及び40(■) nM
のオールトランスレチノイン酸(ATRA)存在下での結果を
示し;(c) は4(□)及び40(■) nM の9-シスレチノ
イイン酸(9cisRA)存在下での結果を示す。結果は4回の
独立の実験の平均値として示した。
種々の濃度の Am80 又はRo47-5944で5日間処理した結
果を示した図である。図中、(a) は0(○)、30
(△)、60(□)、及び90(■)μM のディファラニゾ
ールA存在下でのAm80の影響を示し;(b)は0(○)、
30(△)、60(□)、及び90(■)μM のディファラニ
ゾールA存在下でのRo47-5944 の影響を示し;(c) は0
(○)、40(▲)、及び 400(◆) nM のオールトラン
スレチノイン酸存在下でのRo47-5944 の影響を示す。結
果は4回の独立の実験の平均値として示した。
培養系におけるディファラニゾールA及びレチノイドの
作用を示した図である。図中、(a) は0(○)、30
(△)、及び60(□)μM のディファラニゾールAの存
在下でのオールトランスレチノイン酸(ATRA)の作用を示
し;(b) は0(○)、30(△)、及び60(□)μM のデ
ィファラニゾールAの存在下での9-シスレチノイイン酸
(9cisRA)の作用を示す。培養は7日間行った。結果は3
回の実験の平均値として示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 ディファラニゾールA又は生理学的に許
容されるその塩を有効成分として含むRXR リガンドの生
理活性増強剤。 - 【請求項2】 ディファラニゾールA又は生理学的に許
容されるその塩を有効成分として含み、RXR リガンドを
有効成分として含む医薬の作用増強のために用いる医
薬。 - 【請求項3】 RXR リガンドが9-シス・レチノイン酸で
ある請求項2に記載の医薬。 - 【請求項4】 ディファラニゾールA又は生理学的に許
容されるその塩とRXR リガンドとを有効成分として含む
白血病の治療剤。 - 【請求項5】 RXR リガンドが9-シス・レチノイン酸で
ある請求項4に記載の治療剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11637898A JP3824422B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | レチノイン酸の活性増強剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11637898A JP3824422B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | レチノイン酸の活性増強剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11302194A true JPH11302194A (ja) | 1999-11-02 |
| JP3824422B2 JP3824422B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=14685525
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11637898A Expired - Fee Related JP3824422B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | レチノイン酸の活性増強剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3824422B2 (ja) |
-
1998
- 1998-04-27 JP JP11637898A patent/JP3824422B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP3824422B2 (ja) | 2006-09-20 |
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