JPH11304796A - 血液凝固促進剤及び血液検査用容器 - Google Patents

血液凝固促進剤及び血液検査用容器

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JPH11304796A
JPH11304796A JP10115330A JP11533098A JPH11304796A JP H11304796 A JPH11304796 A JP H11304796A JP 10115330 A JP10115330 A JP 10115330A JP 11533098 A JP11533098 A JP 11533098A JP H11304796 A JPH11304796 A JP H11304796A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液を短時間で凝固させる血液凝固促進剤、
及びそれを用いた血液検査用容器を提供する。 【解決手段】 ペプチド鎖のアルギニンと任意のアミノ
酸残基との結合及び/又はリジンと任意のアミノ酸残基
との結合を加水分解し得る加水分解酵素(例、トロンビ
ン)が、微粒子(例、ポリスチレン微粒子)の表面に担
持されている血液凝固促進剤。上記の血液凝固促進剤
が、有底の管状容器の内壁面に存在せしめられている血
液検査用容器。上記の血液凝固促進剤が、有底の管状容
器の内壁面に、水溶性バインダーとともに存在せしめら
れている血液検査用容器。水溶性バインダーに血餅付着
防止成分が含まれている上記の血液検査用容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清生化学検査及
び血清免疫学検査などの臨床検査分野において用いられ
る血液凝固促進剤及び血液検査用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】病気の予防や診断の目的で血液検査が広
く行われているが、血液検査の多くは血清生化学検査、
血清免疫学検査、血清内分泌物質検査、血清腫瘍マーカ
ー検査及び血清薬物濃度検査などの血清検査である。そ
の検査に供される血清は、通常、血液検査用容器に採取
された血液が凝固された後、遠心分離によって比重の異
なる血餅から分離され、ピペットを用いることにより、
又はデカンテーションにより採取されている。
【0003】血液の採取に使用される血液検査用容器
は、従来から、ガラス製やポリスチレン、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート等の合成樹脂製のものが使用されているが、血液の
凝固時間については、最も短いとされるガラス製容器で
も40〜60分を必要とし、合成樹脂製容器では4時間
以上かかってしまう。そこで、従来より血液凝固を短時
間で行える血液凝固促進剤の検討がなされてきた。
【0004】血液の凝固は、血液凝固第XII 因子の活性
化により開始し、その後、数多くの反応段階を経て、最
終的にフィブリノーゲンがフィブリンに転化した時点で
終了する複雑な経路を有することがわかっている。
【0005】特開平5−157747号公報には、血液
の凝固を促進する成分として、血液の凝固反応系の最終
段階であるフィブリノーゲンがフィブリンに転化する反
応を促進するトロンビンや蛇毒酵素等の酵素系薬剤を用
いることが記載されている。
【0006】ところで、近年、検査機器の進歩に伴っ
て、より迅速な検査が望まれている。従来は採血後、検
査結果が得られるまでに数時間以上を必要とするのが通
常であったが、診察の待ち時間の30〜60分程度の間
に採血、検査をし、結果が得られることが望まれてい
る。その理由は、診察に際して重要な情報が得られるだ
けでなく、早期に、より有効な治療を行えるからであ
る。
【0007】上記公報の方法によると、トロンビンや蛇
毒酵素等の酵素系薬剤は、不織布、濾紙、布等の支持体
に含浸されて血液検査用容器の管内中央部に収容されて
いる。この方法において血液検査用容器として合成樹脂
製容器を用いた場合、凝固時間は大幅に短縮され、5分
程度で大部分の血液が凝固するものの、実際に完全に凝
固するには10分程度必要である。ところが、上記のよ
うな迅速検査を目的とする場合は、5分以内で完全に血
液を凝固させる必要があり、この公報の方法では不十分
であった。
【0008】血液が完全に凝固しないうちに遠心分離を
行うと、遠心分離の間に凝固反応が進行し、生成したフ
ィブリンが血清中に残ってしまい、血清がゲル化して検
査用容器から取り出すことができず、検査に供すること
ができなくなる。従って、凝固後の遠心分離操作を含め
ると、従来の方法では10分以内で血清検体を得ること
は不可能であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するものであり、その目的は、血液を短時間で凝固
させる血液凝固促進剤、及びそれを用いた血液検査用容
器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の血液凝固
促進剤(以下、本発明1という)は、ペプチド鎖のアル
ギニンと任意のアミノ酸残基との結合及び/又はリジン
と任意のアミノ酸残基との結合を加水分解し得る加水分
解酵素が、微粒子の表面に担持されていることを特徴と
する。
【0011】請求項2記載の血液検査用容器(以下、本
発明2という)は、請求項1記載の血液凝固促進剤が、
有底の管状容器の内壁面に存在せしめられていることを
特徴とする。
【0012】請求項3記載の血液検査用容器(以下、本
発明3という)は、請求項1記載の血液凝固促進剤が、
有底の管状容器の内壁面に、水溶性バインダーとともに
存在せしめられていることを特徴とする。
【0013】請求項4記載の血液検査用容器(以下、本
発明4という)は、水溶性バインダーに血餅付着防止成
分が含まれていることを特徴とする請求項3記載の血液
検査用容器である。
【0014】請求項5記載の血液検査用容器(以下、本
発明5という)は、あらかじめ血餅付着防止成分が内壁
面に存在せしめられている有底の管状容器の内壁面に、
請求項1記載の血液凝固促進剤が水溶性バインダーとと
もに存在せしめられていることを特徴とする。
【0015】以下、本発明の血液凝固促進剤について詳
しく説明する。本発明の血液凝固促進剤は、加水分解酵
素が微粒子の表面に担持されていることを特徴とする。
【0016】上記加水分解酵素はプロテアーゼであり、
ペプチド鎖のアルギニンと任意のアミノ酸残基との結合
及び/又はリジンと任意のアミノ酸残基との結合を加水
分解し得るものに限定される。上記加水分解酵素として
は、例えば、トリプシン、トロンビン、蛇毒トロンビン
様酵素等のセリンプロテアーゼ;カテプシンB、フィシ
ン等のチオールプロテアーゼ;キニナーゼI等の金属プ
ロテアーゼ等が挙げられ、特にセリンプロテアーゼが好
ましい。
【0017】上記加水分解酵素の使用量は、少なくなる
と血液凝固の時間が長くなったり、凝固が不完全になる
ことがあり、多くなると検査値に悪影響を及ぼす恐れが
あるので、血液1mLあたり0.1〜100単位が好ま
しく、0.5〜50単位がより好ましい。
【0018】上記微粒子の比重は1.03g/cm3
上であることが好ましい。これを下回ると、遠心分離操
作の後も血清検体中に該微粒子が浮遊する恐れがある。
【0019】上記微粒子の平均粒径は0.1〜50μm
の範囲であることが好ましい。0.1μm未満では微粒
子を安定的に生産することが困難となったり、上記加水
分解酵素を均一に担持できなかったりする恐れがある。
50μmを超えると血液の凝固が始まるまでに微粒子が
沈降してしまい、凝固が部分的に進行する恐れがある。
【0020】上記微粒子の素材は上記加水分解酵素を安
定的に担持、特に物理吸着させ得るものであり、かつ比
重が1.03g/cm3 以上であれば特に限定されない
が、例えばガラス;金属;ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアク
リロニトリル、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、エポキシ−アクリレート樹脂等の合成樹脂が挙げら
れる。これらの中でも上記加水分解酵素をより安定的に
担持、特に物理吸着させ得る点から合成樹脂が好まし
い。
【0021】本発明の血液凝固促進剤を製造するには、
例えば、水又は緩衝液に上記微粒子を懸濁させた後、上
記加水分解酵素を所定量添加し、これを所定時間穏やか
に振とうさせる方法が挙げられる。また、別の方法とし
ては、水又は緩衝液に上記加水分解酵素を所定量溶解さ
せ、この溶液を、薄膜状に展延した上記微粒子に所定量
噴霧した後、乾燥させる方法が挙げられる。
【0022】本発明の血液検査用容器は、有底の管状容
器の内壁面に本発明の血液凝固促進剤が存在せしめられ
ている。
【0023】上記管状容器の素材としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロ
ニトリル等の熱可塑性樹脂;不飽和ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、エポキシ−アクリレート樹脂等の熱硬化
性樹脂;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、エ
チルセルロース、エチルキチン等の変性天然樹脂;ソー
ダ石英ガラス、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス等
のケイ酸塩ガラス、石英ガラスなどのガラス;及びこれ
らを主成分とするもののいずれもが用いられる。
【0024】上記管状容器は、識別のために外面の一部
が着色されていてもよく、また、採血量を計量するため
の目盛りが設けられていてもよい。
【0025】上記血液検査用容器を製造するには、例え
ば、本発明の血液凝固促進剤の水懸濁液の所定量を、上
記管状容器の内壁面にスプレー装置により噴霧した後、
乾燥させる方法が挙げられる。
【0026】本発明の血液検査用容器は、本発明3のよ
うに、本発明の血液凝固促進剤が、有底の管状容器の内
壁面に、水溶性バインダーとともに存在せしめられてい
てもよい。
【0027】上記水溶性バインダーとしては、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリ
ル酸系共重合体、ポリオキシアルキレンブロック共重合
体等が挙げられる。
【0028】本発明3の血液検査用容器を製造するに
は、例えば、本発明の血液凝固促進剤の水懸濁液に上記
水溶性バインダーを所定量溶解させ、この所定量を、有
底の管状容器の内壁面にスプレー装置により噴霧した
後、乾燥させる方法が挙げられる。また、別の方法とし
ては、上記水溶性バインダーの水溶液を予め調製し、こ
の所定量を、有底の管状容器の内壁面にスプレー装置に
より噴霧した後、この上に本発明の血液凝固促進剤の水
懸濁液の所定量を、スプレー装置により噴霧した後、乾
燥させる方法が挙げられる。
【0029】本発明の血液検査用容器は、本発明4のよ
うに、本発明の血液凝固促進剤が、有底の管状容器の内
壁面に、血餅付着防止成分が含まれている水溶性バイン
ダーとともに存在せしめられていてもよい。
【0030】本発明4の血液検査用容器においては、血
餅付着防止成分が管内壁面に存在することにより、血液
が凝固した後の血餅成分が容器内壁面に付着することが
防止され、遠心分離時に血餅の移動が制限されることが
なく血餅と血清とが良好に分離される。
【0031】上記血餅付着防止成分としては、水に対し
て難溶又は不溶の親水性物質が挙げられ、例えば、脂肪
族変性シリコーンオイル(例えば、ジメチルポリシロキ
サン等)、芳香族変性シリコーンオイル(例えば、メチ
ルフェニルポリシロキサン等)、部分ケン化ポリビニル
アルコール、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体
などが挙げられる。
【0032】本発明4の血液検査用容器を製造するに
は、例えば、本発明の血液凝固促進剤の水懸濁液に上記
水溶性バインダー及び上記血餅付着成分をそれぞれ所定
量溶解させ、この所定量を、有底の管状容器の内壁面に
スプレー装置により噴霧した後、乾燥させる方法が挙げ
られる。また、別の方法としては、上記水溶性バインダ
ー及び上記血餅付着防止成分のそれぞれ所定量を溶解さ
せた水溶液を予め調製し、この所定量を、有底の管状容
器の内壁面にスプレー装置により噴霧した後、この上に
本発明の血液凝固促進剤の水懸濁液の所定量を、スプレ
ー装置により噴霧した後、乾燥させる方法が挙げられ
る。
【0033】本発明の血液検査用容器は、本発明5のよ
うに、あらかじめ血餅付着防止成分が内壁面に存在せし
められている有底の管状容器の内壁面に、本発明の血液
凝固促進剤が水溶性バインダーとともに存在せしめられ
ていてもよい。
【0034】本発明5の血液検査用容器を製造するに
は、例えば、上記血餅付着防止成分の水溶液を調製し、
その所定量を、有底の管状容器の内壁面にスプレー装置
により噴霧した後、本発明の血液凝固促進剤を、本発明
3の血液検査用容器の製造方法で説明した方法で、上記
水溶性バインダーとともに存在させる方法が挙げられ
る。
【0035】本発明2〜5の血液検査用容器には、さら
に血清分離剤が収容されていてもよい。血清分離剤は、
通常、容器の底部に収容される。この場合は、血液検査
用容器に採血された血液が凝固した後、遠心分離を行う
と、血清分離剤が血餅と血清の間に移動して隔壁を形成
することにより血清が血餅と分離される。
【0036】上記血清分離剤としては、公知の、チクソ
トロピー性を有するゲル状物が挙げられ、例えば、常温
で流動性を有する合成樹脂等に、チクソトロピー性付与
剤、比重調整剤、及び粘度調整剤等の添加物を添加し混
合することにより得られる。
【0037】上記合成樹脂としては、例えば、ジシクロ
ペンタジエンのオリゴマー、シクロペンタジエンのオリ
ゴマーなどが、上記チクソトロピー性付与剤としては、
例えば、ソルビトールと芳香族アルデヒドとの縮合物な
どが、上記比重調整剤としては、例えば、シリカ、塩化
パラフィンなどが、上記粘度調整剤としては、例えば、
フタル酸エステル、エポキシ化大豆油などがそれぞれ挙
げられる。
【0038】本発明の血液検査用容器は、通常の血液検
査用容器のほか、真空採血管としても使用できる。この
真空採血管は、上記管状容器の内壁面に上記のいずれか
の方法により本発明の血液凝固促進剤を存在させ、必要
に応じて上記血清分離剤を該容器底部に収容した後、排
気して、ブチルゴム、熱可塑性エラストマー又は合成樹
脂などを素材とする密封性の優れた栓で密封することに
より得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を説明す
る。以下の実施例及び比較例において、試薬、容器等と
しては以下のものを用いた。 ・加水分解酵素・・・トロンビン(商品名:トロンビン
持田、持田製薬社製) ・微粒子・・・ポリスチレン微粒子(積水化学工業社
製) ・水溶性バインダー・・・ ポリビニルピロリドン(商
品名:PVPK−30、和光純薬社製) ・血餅付着防止成分・・・シリコンオイル(商品名:S
F8427、東レダウコーニング社製) ・有底管状容器・・・ガラス製(商品名:ニプロクリー
ンチューブCT−10、ニプロ社製)。ポリエチレンテ
レフタレート製(16mm径×100mm、積水化学工
業社製)
【0040】(実施例1)平均粒径1μmのポリスチレ
ン微粒子の10重量%蒸留水懸濁液5gに、トロンビン
10000単位を溶解した後、37℃で穏やかに24時
間振とうしてトロンビンをポリスチレン微粒子の表面に
物理吸着させた。この懸濁液の0.04gを、ガラス製
の管状容器の内壁面に均一にスプレー塗布し、風乾して
血液検査用容器を作製した。この容器に血液を8mL採
取したときのトロンビンの量は血液1mLあたり10単
位となる。
【0041】健常人の血液8mLを上記血液検査用容器
に採取し、採取終了時点から血液が凝固するのに要する
時間(血液凝固時間)を測定した。凝固の判定は、血液
検査用容器を転倒しても血液が流れ出ない時点とした。
次いで凝固した血液を25℃、1300G(2500r
pm)で5分間遠心分離し、分離された血清中のフィブ
リンの有無を目視観察した。以上の結果を表1に示し
た。
【0042】(実施例2)平均粒径1μmのポリスチレ
ン微粒子の10重量%蒸留水懸濁液5gに、トロンビン
10000単位を溶解した後、37℃で穏やかに24時
間振とうしてトロンビンをポリスチレン微粒子の表面に
物理吸着させた。次いでポリビニルピロリドン0.02
gを溶解した後、この懸濁液の0.04gを、ガラス製
の管状容器の内壁面に均一にスプレー塗布し、風乾して
血液検査用容器を作製した。この容器に血液を8mL採
取したときのトロンビンの量は血液1mLあたり10単
位となる。この血液検査用容器を用いて、実施例1と同
様にして血液凝固時間の測定とフィブリンの有無の目視
観察を行った。結果を表1に示した。
【0043】(実施例3)平均粒径1μmのポリスチレ
ン微粒子の10重量%蒸留水懸濁液5gに、トロンビン
10000単位を溶解した後、37℃で穏やかに24時
間振とうしてトロンビンをポリスチレン微粒子の表面に
物理吸着させた。次いでポリビニルピロリドン0.02
g及びシリコンオイル0.02gを溶解した後、この懸
濁液の0.04gを、ポリエチレンテレフタレート製の
管状容器の内壁面に均一にスプレー塗布し、風乾して血
液検査用容器を作製した。この容器に血液を8mL採取
したときのトロンビンの量は血液1mLあたり10単位
となる。この血液検査用容器を用いて、実施例1と同様
にして血液凝固時間の測定とフィブリンの有無の目視観
察を行った。結果を表1に示した。
【0044】(実施例4)シリコンオイルの0.4重量
%の水溶液0.04gを、ポリエチレンテレフタレート
製の管状容器の内壁面に均一にスプレー塗布し、風乾し
たものを管状容器としたこと以外は実施例2と同様にし
て血液検査用容器を作製した。この容器に血液を8mL
採取したときのトロンビンの量は血液1mLあたり10
単位となる。この血液検査用容器を用いて、実施例1と
同様にして血液凝固時間の測定とフィブリンの有無の目
視観察を行った。結果を表1に示した。
【0045】(実施例5)平均粒径1μmのポリスチレ
ン微粒子の10重量%蒸留水懸濁液10gを用いたこと
以外は実施例1と同様にして血液検査用容器を作製し
た。この容器に血液を8mL採取したときのトロンビン
の量は血液1mLあたり5単位となる。この血液検査用
容器を用いて、実施例1と同様にして血液凝固時間の測
定とフィブリンの有無の目視観察を行った。結果を表1
に示した。
【0046】(実施例6)平均粒径1μmのポリスチレ
ン微粒子の10重量%蒸留水懸濁液1gを用いたこと以
外は実施例1と同様にして血液検査用容器を作製した。
この容器に血液を8mL採取したときのトロンビンの量
は血液1mLあたり50単位となる。この血液検査用容
器を用いて、実施例1と同様にして血液凝固時間の測定
とフィブリンの有無の目視観察を行った。結果を表1に
示した。
【0047】(実施例7)平均粒径10μmのポリスチ
レン微粒子を用いたこと以外は実施例3と同様にして血
液検査用容器を作製した。この容器に血液を8mL採取
したときのトロンビンの量は血液1mLあたり10単位
となる。この血液検査用容器を用いて、実施例1と同様
にして血液凝固時間の測定とフィブリンの有無の目視観
察を行った。結果を表1に示した。
【0048】(実施例8)平均粒径40μmのポリスチ
レン微粒子を用いたこと以外は実施例3と同様にして血
液検査用容器を作製した。この容器に血液を8mL採取
したときのトロンビンの量は血液1mLあたり10単位
となる。この血液検査用容器を用いて、実施例1と同様
にして血液凝固時間の測定とフィブリンの有無の目視観
察を行った。結果を表1に示した。
【0049】(比較例1)蒸留水5gに、トロンビン1
0000単位を溶解した液の0.04gを、直径16m
m、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート製のフ
ィルムの片面に均一に塗布し、風乾したものを、ガラス
製の管状容器の内部中央部に係止させて血液検査用容器
を作製した。この容器に血液を8mL採取したときのト
ロンビンの量は血液1mLあたり10単位となる。この
血液検査用容器を用いて、実施例1と同様にして血液凝
固時間の測定とフィブリンの有無の目視観察を行った。
結果を表1に示した。
【0050】(比較例2)比較例1と同様にして血液検
査用容器を作製した。健常人の血液8mLを上記血液検
査用容器に採取し、採取終了時点から5分後に血液を2
5℃、1300G(2500rpm)で5分間遠心分離
し、分離された血清中のフィブリンの有無を目視観察し
た。結果を表1に示した。
【0051】(比較例3)蒸留水5gに、トロンビン1
0000単位を溶解した後、ポリビニルピロリドン0.
02g及びシリコンオイル0.02gを溶解した後、こ
の懸濁液の0.04gを、ポリエチレンテレフタレート
製の管状容器の内壁面に均一にスプレー塗布し、風乾し
て血液検査用容器を作製した。この容器に血液を8mL
採取したときのトロンビンの量は血液1mLあたり10
単位となる。この血液検査用容器を用いて、実施例1と
同様にして血液凝固時間の測定とフィブリンの有無の目
視観察を行った。結果を表1に示した。
【0052】(比較例4)比較例3と同様にして血液検
査用容器を作製した。健常人の血液8mLを上記血液検
査用容器に採取し、採取終了時点から5分後に血液を2
5℃、1300G(2500rpm)で5分間遠心分離
し、分離された血清中のフィブリンの有無を目視観察し
た。結果を表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】実施例1〜8の血液検査用容器において
は、比較例1、3の血液検査用容器に比較し血液凝固時
間がはるかに短い。すなわち、本発明の血液凝固促進剤
が管状容器の内壁面に存在せしめられている血液検査用
容器は、トロンビンがプラスチックフィルムに塗布され
て容器内に収容されている血液検査用容器、又はトロン
ビンが水溶性バインダー及び血餅付着防止成分とともに
容器内壁面に存在せしめられている血液検査用容器に比
較し血液凝固時間がはるかに短い。
【0055】
【発明の効果】本発明1の血液凝固促進剤は、上述の通
りであり、微粒子の表面に特定の加水分解酵素が担持さ
れているので、これを管状容器の内壁面に存在せしめて
血液検査用容器とし、該容器に血液を採取すると、上記
血液凝固促進剤が速やかに血液中に分散され、その分散
した各微粒子に担持された酵素部分から血液凝固が起こ
るので、血液を短時間のうちに凝固させることができ
る。さらに、凝固状態が安定に保たれ、血清と血餅の分
離が容易となるため、分離採取された血清中にフィブリ
ンや血餅成分が混在することもない。また、血餅成分の
収縮度合いも十分であるため、血清の収率も高くなる。
【0056】本発明2の血液検査用容器は、上述の通り
であり、本発明1の血液凝固促進剤が、有底の管状容器
の内壁面に存在せしめられていることにより、該容器に
血液を採取すると、上記血液凝固促進剤が速やかに血液
中に分散され、その分散した各微粒子に担持された酵素
部分から血液凝固が起こるので、血液が短時間のうちに
凝固する。さらに、凝固状態が安定に保たれ、血清と血
餅の分離が容易となるため、分離採取された血清中にフ
ィブリンや血餅成分が混在することもない。また、血餅
成分の収縮度合いも十分であるため、血清収率も高くな
る。
【0057】本発明3の血液検査用容器は、上述の通り
であり、本発明1の血液凝固促進剤が、有底の管状容器
の内壁面に水溶性バインダーとともに存在せしめられて
いるので、血液凝固促進剤が管状容器の内壁面に安定的
に存在されている。従って、血液検査用容器の保存中や
運搬中に血液凝固促進剤が内壁面から剥離する恐れが少
なくなり、上記本発明2と同様の効果がより確実に奏さ
れる。
【0058】本発明4の血液検査用容器は、上述の通り
であり、本発明3と同様の効果の全てが奏されるととも
に、更に、血餅付着防止成分が管状容器の内壁面に存在
することにより、血液が凝固した後の血餅成分が管状容
器の内壁面に付着することが防止され、遠心分離時に血
餅の移動が制限されることがなく血餅と血清とが良好に
分離される。
【0059】本発明5の血液検査用容器は、上述の通り
であり、本発明3と同様の効果の全てが奏されるととも
に、更に、あらかじめ血餅付着防止成分が管状容器の内
壁面に存在せしめられているので、血液が凝固した後の
血餅成分が管状容器の内壁面に付着することが確実に防
止され、遠心分離時に血餅の移動が制限されることがな
く血餅と血清とが良好に分離される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプチド鎖のアルギニンと任意のアミノ
    酸残基との結合及び/又はリジンと任意のアミノ酸残基
    との結合を加水分解し得る加水分解酵素が、微粒子の表
    面に担持されていることを特徴とする血液凝固促進剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の血液凝固促進剤が、有底
    の管状容器の内壁面に存在せしめられていることを特徴
    とする血液検査用容器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の血液凝固促進剤が、有底
    の管状容器の内壁面に、水溶性バインダーとともに存在
    せしめられていることを特徴とする血液検査用容器。
  4. 【請求項4】 水溶性バインダーに血餅付着防止成分が
    含まれていることを特徴とする請求項3記載の血液検査
    用容器。
  5. 【請求項5】 あらかじめ血餅付着防止成分が内壁面に
    存在せしめられている有底の管状容器の内壁面に、請求
    項1記載の血液凝固促進剤が水溶性バインダーとともに
    存在せしめられていることを特徴とする血液検査用容
    器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001322926A (ja) * 2000-05-12 2001-11-20 Sekisui Chem Co Ltd 血液凝固促進剤組成物噴霧器
JP2007304004A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Sekisui Chem Co Ltd 血液検査用容器
JP2008304207A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Sekisui Chem Co Ltd 血液凝固促進剤含有組成物及び血液検査用容器

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