JPH11305783A - 能動型雑音除去装置 - Google Patents

能動型雑音除去装置

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JPH11305783A
JPH11305783A JP10115707A JP11570798A JPH11305783A JP H11305783 A JPH11305783 A JP H11305783A JP 10115707 A JP10115707 A JP 10115707A JP 11570798 A JP11570798 A JP 11570798A JP H11305783 A JPH11305783 A JP H11305783A
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敏幸 橘
Kiyohiro Kurisu
清浩 栗栖
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陽治 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次音路(伝達関数)Cを同定する際に使用
する同定音が聴感上目立たないようにする。 【解決手段】 二次音路Cを同定する際、疑似信号発生
器15の発生する疑似信号m(k) を、レベル調整部18
によってレベル調整した後、これを二次音源スピーカ7
から同定音として二次音路Cに放出する。その際、この
同定音が放出されていないときのエラーマイクロホン1
1の出力信号e(k) をレベル検出部19で検出すること
によって、排気ダクト1内において完全に除去されずに
残っている雑音レベルを検出する。そして、この検出レ
ベルに基づいて、上記レベル調整部18を制御すること
によって、同定音の放出レベルを、二次音路Cを同定す
るのに必要かつ十分なレベル、即ち雑音レベルと略同等
にし、これによって、同定音が雑音よりも目立つのを防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送路内に存在す
る雑音に対して、これと実質的に等大で逆位相の信号を
干渉させることによってこの雑音を打ち消す能動型雑音
除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような能動型雑音除去装置とし
て、従来、例えば図7に示すようなアクティブ消音装置
が知られている。この消音装置は、騒音、例えば図示し
ないエンジン等の排気音に対して、これと実質的に等大
で逆位相の音波を干渉させることによって上記排気音を
打ち消すものである。なお、この消音装置が消音の対象
とする上記排気音は、同図において、例えば排気ダクト
1内を左側から右側に向かって伝搬するものとする。
【0003】この消音装置は、同図に示すように、排気
ダクト1の入口側(同図の左側)に、上記排気音を収音
するためのリファレンスマイクロホン2を備えている。
そして、このマイクロホン2の出力信号を、増幅器3で
増幅し、更にA/D変換器4によりディジタル化して得
た騒音信号x(k) (ただし、kは、時間を表すインデッ
クスである。)が入力されるFIR適応型ディジタルフ
ィルタ(以下、単に、適応フィルタと言う。)5を有し
ている。この適応フィルタ5は、これに入力される騒音
信号x(k) に対して、後述するLMS演算部6により設
定されるフィルタ係数を用いて所定のフィルタリング処
理、例えば次の数1で表されるような畳み込み和演算を
施し、その演算結果y(k) を出力する。
【0004】
【数1】
【0005】なお、この数1において、Nは、適応フィ
ルタ5のタップ数で、iは、タップの番号(順番)を表
すインデックスである。そして、Wk (i) が、上記適
応フィルタ5のフィルタ係数を表し、詳しくは、時刻k
におけるi番目のタップのフィルタ係数を表す。
【0006】一方、排気ダクト1における上記リファレ
ンスマイクロホン2よりも排気音の下流側には、排気ダ
クト1内に音を放出する状態に、二次音源スピーカ(以
下、単に、スピーカと言う。)7が設けられている。そ
して、このスピーカ7に、上記適応フィルタ5の出力信
号y(k) が、加算器8、D/A変換器9及び増幅器10
を介して入力される。スピーカ7は、上記信号y(k) に
応じた音波を排気ダクト1内に放出して、排気ダクト1
内を伝搬している排気音に干渉させることによって、こ
の排気音を打ち消す。
【0007】更に、排気ダクト1の出口側には、エラー
マイクロホン11が配置されており、このエラーマイク
ロホン11によって、上記排気音をスピーカ7の放出音
で打ち消した後の音、つまりは排気音のうちスピーカ7
の放出音によって完全に打ち消されずに残った所謂残留
成分を検出している。そして、このエラーマイクロホン
11の出力を、増幅器12で増幅し、更にA/D変換器
13によりディジタル化した後、このディジタル化して
得た信号を、エラー信号e(k) として、上述したLMS
演算部6に供給する。また、このLMS演算部6には、
上記エラー信号e(k) の他に、騒音信号x(k) を後述す
るFIRフィルタ14で処理した後の信号(以下、この
信号を、フィルタード・リファレンスと言う。)r(k)
も供給される。
【0008】LMS演算部6は、これに供給される上記
エラー信号e(k) とフィルタード・リファレンスr(k)
とに応じて、適応フィルタ5の伝達関数Wk と後述す
る二次音路(error path)の伝達関数(以下、単に、二
次音路と言う。)Cとの合成による伝達関数(即ち、両
者を掛けて得られる伝達関数[Wk ×C])が、排気
ダクト1内のリファレンスマイクロホン2からエラーマ
イクロホン11までの間に存在する一次音路(primary
path)の伝達関数(以下、単に、一次音路と言う。)P
と相補になるように、例えば次の数2で表されるLMS
アルゴリズムに従って、適応フィルタ5のフィルタ係数
Wk (i) を更新し、即ちWk+1 (i) を求める。
【0009】
【数2】
【0010】なお、この数2において、μw は、適応
フィルタ5のステップ・サイズ・パラメータである。
【0011】このように、この消音装置においては、適
応フィルタ5の伝達関数Wk と二次音路Cとの合成に
よる伝達関数[Wk ×C]を、一次音路Pと相補にす
ることによって初めて、排気ダクト1内の排気音をスピ
ーカ7の放射音で打ち消すことができる。また、排気ダ
クト1内の音響特性に例えば経時的な変化が生じ、これ
によって一次音路Pが変化しても、その変化に応じて上
記適応フィルタ5の伝達関数Wk も上記フィルタ係数
Wk (i) の更新により変化するので、常に安定した消
音効果を得ることができる。
【0012】ただし、このような消音効果を得るには、
この消音装置の制御系をFiltered-xLMSアルゴリズムの
構成とする必要があることが知られている。即ち、図7
に示す構成においては、適応フィルタ5の出力端子か
ら、加算器8、D/A変換器9、増幅器10、スピーカ
7及び排気ダクト1の一部(スピーカ7から騒音の下流
側)を経て、エラーマイクロホン11までの間に、上述
した二次音路Cが存在する。従って、LMS演算部6に
よる適応フィルタ5の適応動作によって、上記消音効果
を得る(即ち、適応フィルタ5の伝達関数Wk と二次
音路Cとの合成伝達関数〔Wk ×C〕を、一次音路P
と相補にする)ためには、上記二次音路Cを補償する必
要がある。そこで、この図7の構成では、上記二次音路
Cと等価な伝達関数Sek を有する上述したFIRフ
ィルタ14を、リファレンスマイクロホン2とLMS演
算部6との間(厳密には、A/D変換器4とLMS演算
部6との間)に設けている。そして、このFIRフィル
タ14で、騒音信号x(k) を処理した後の信号、即ちフ
ィルタード・リファレンスr(k) を、上記LMS演算部
6に供給することによって、上記二次音路Cを補償して
いる。なお、フィルタード・リファレンスr(k) は、次
の数3で表される。
【0013】
【数3】
【0014】ただし、この数3において、Nは、FIR
フィルタ14のタップ数で、ここでは、このタップ数N
を、適応フィルタ5のタップ数Nと同じにしてある。そ
して、Sek (i) は、時刻kにおけるFIRフィルタ
14のフィルタ係数を表す。
【0015】ところで、エンジンが動作して、その回転
数が変化すると、この回転数の変化に応じて上記排気ダ
クト1内の温度や流速が変化する。そして、この排気ダ
クト1内の温度や流速の変化、及びこの変化に伴うスピ
ーカ7の出力特性の変化等によって、上記二次音路C
が、経時的に変化することが知られている。従って、エ
ンジンの動作中において、常に安定した消音効果を得る
ためには、この二次音路Cの変化に応じて、上記FIR
フィルタ14の伝達関数Sek をも変化させるよう、
例えば定期的に、上記二次音路Cを同定し直す必要があ
る。そこで、この消音装置においては、上記二次音路C
を同定するために、例えば一般に知られているM系列信
号(MLS)の疑似信号(疑似ランダムノイズ)m(k)
を発生する疑似信号発生器15を設け、この疑似信号m
(k) を、図7に点線で示す経路で処理することによっ
て、上記二次音路Cを同定している。これについて、図
8を参照して説明する。
【0016】図8は、上記図7に点線で示す経路、即ち
二次音路Cの同定時の制御系について、その説明を判り
易くするために抜粋したものである。なお、この図8で
は、図7における加算器8、D/A変換器9、増幅器1
0、12、及びA/D変換器13の記載をも省略してあ
る。
【0017】図8に示すように、この制御系において
は、二次音路Cを同定するためのFIRフィルタ14
を、例えば上述したLMS演算部6とは異なる演算部1
6により例えばLMSアルゴリズムに従って適応制御さ
れる適応フィルタ構成としている。そして、疑似信号発
生器15の発生する疑似信号m(k) を、スピーカ7、F
IRフィルタ14及び上記LMS演算部16に供給する
と共に、エラーマイクロホン11の出力信号と、上記疑
似信号m(k) をFIRフィルタ14で処理した後の信号
とを、演算器17で比較して両者の誤差ε(k) を求め、
これをLMS演算部16に供給している。LMS演算部
16は、これに供給される上記疑似信号m(k) と誤差信
号ε(k) とに応じて、上記誤差信号ε(k) が小さくなる
ように、即ち疑似信号m(k) を二次音路Cを通過させた
後の信号と、疑似信号m(k) をFIRフィルタ14で処
理した後の信号とが互いに等しくなるように、例えば次
の数4で表されるLMSアルゴリズムに従って、FIR
フィルタ14のフィルタ係数Sek (i) を更新し、即
ちSek+1 (i) を求める。
【0018】
【数4】
【0019】ここで、μS は、FIRフィルタ14の
ステップ・サイズ・パラメータである。
【0020】この数4に基づいて、FIRフィルタ14
のフィルタ係数Sek (i) を更新することによって、
FIRフィルタ14の伝達関数Sek と二次音路Cと
が略等価となり、FIRフィルタ14による二次音路C
の同定を実現でき、ひいては高い消音効果が得られる。
【0021】ただし、FIRフィルタ14は、上記二次
音路Cの同定動作時には、疑似信号m(k) を処理する
が、上述した排気音を消音するための適応動作時(LM
S演算部6による適応フィルタ5の適応制御時)には、
騒音信号x(k) を処理する。従って、図7の構成では、
上記二次音路Cの同定動作と、消音のための適応動作と
を、同時に実行することはできない。そこで、この消音
装置では、二次音路Cの同定動作と、消音のための適応
動作とを、交互に行っている。
【0022】即ち、適応フィルタ5には、ある程度の消
音効果を得ることのできる伝達関数Wk (厳密には、
フィルタ係数Wk (i) )が、予め設定されている。ま
た、FIRフィルタ14にも、上記二次音路Cをある程
度の精度で同定できている伝達関数Sek (厳密に
は、フィルタ係数Sek (i) )が、予め設定されてい
る。
【0023】この状態で、例えば、最初に、LMS演算
部6による適応フィルタ5の適応動作を停止して、この
適応フィルタ5を、その伝達関数Wk が固定の単なる
例えばFIRフィルタとして機能させる。そして、疑似
信号発生器15から疑似信号m(k) を発生させると共
に、LMS演算部16によるFIRフィルタ14の適応
動作を実行し、これによって、二次音路Cを正確に同定
する。
【0024】次に、FIRフィルタ14の適応動作を停
止して、このFIRフィルタ14を、その伝達関数Se
k が固定の単なるFIRフィルタとして機能させる。
なお、このときのFIRフィルタ14の伝達関数Se
k は、上記適応動作を停止した時点での伝達関数Se
k とする。これと同時に、上記疑似信号m(k) の発生
を停止して、今度は、LMS演算部6による適応フィル
タ5の適応動作を実行し、これによって、消音装置の消
音効果をより高める。
【0025】そして、これ以降、上記と同様に、LMS
演算部16によりFIRフィルタ14を適応制御すると
いう二次音路Cの同定動作と、LMS演算部6により適
応フィルタ5を適応制御するという消音のための適応動
作とを、交互に実行すれば、二次音路Cが変化しても、
常に安定した消音効果が得られる。
【0026】なお、上記適応フィルタ5、LMS演算部
6、加算器8、FIRフィルタ14、LMS演算部1
6、演算器17は、例えばDSP(ディジタル信号処理
装置)やCPU(中央演算処理装置)等によって構成さ
れている。そして、これらのDSPやCPU等は、図示
しないメモリ等の記憶部に記憶されたプログラムに従っ
て、それぞれ上記消音のための適応動作や二次音路Cの
同定動作等を実行する。
【0027】また、上記のように、エンジンが動作して
いる状態、即ちエンジンの排気音が存在する環境の下
で、上記疑似信号m(k) を使用して二次音路Cを同定す
る場合、この疑似信号m(k) に基づいてスピーカ7から
放出させる音(以下、この音を同定音と言う。)が、排
気音に比べて小さいと、上記同定音が排気音に埋もれて
しまい、二次音路Cを正確に同定できないという不具合
が生じる。従って、上記同定音を用いて二次音路Cを正
確に同定するには、この同定音のレベルを、少なくとも
排気音のレベルと略同等、若しくはそれ以上とする必要
がある。そこで、従来は、上記同定音のレベルを、予想
される排気音の最大レベルよりも若干大きめに設定して
いた。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
技術によれば、同定音が排気音に埋もれることのないよ
うに、同定音のレベルを、予想される排気音の最大レベ
ルよりも若干大きめに設定しているので、二次音路Cを
正確に同定でき、ひいては安定した消音効果が得られ
る。しかし、この消音効果が向上するに従って、排気ダ
クト1から出力される排気音は小さくなるものの、上記
同定音のレベルは常に一定とされているので、この同定
音が排気音に比べて相対的に大きくなってしまい、聴感
上、同定音が目立ってしまうという問題がある。そし
て、この同定音、即ち疑似信号m(k) が目立つという問
題は、上記図7(及び図8)と同様の構成であれば、例
えばエコーキャンセラ等の他の能動型雑音除去装置にお
いても、同様に発生する。
【0029】なお、上記同定音等の疑似信号m(k) を用
いて二次音路Cと同様の伝達関数を正確に同定するに
は、この疑似信号m(k) の信号レベルを、上記従来技術
のように常に一定とする必要はない。疑似信号m(k) の
信号レベルは、少なくとも、この能動型雑音除去装置に
よって除去した後の雑音(言い換えれば、完全に除去し
得ずに残った所謂雑音の残留成分)のレベルと略同等で
あれば、上記同定を正確に実現でき、即ちこの同定を正
確に実現するのに必要かつ十分である。そこで、本発明
は、この点に着目し、除去後の雑音レベルに応じて、疑
似信号m(k) のレベルを、上記同定を正確に実現するの
に必要かつ十分なレベルに変化させることによって、上
記同定を正確に実現しながらも、かつ、疑似信号m(k)
が目立たないようにすることのできる能動型雑音除去装
置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、第1の伝達関数を有する
伝送路に入力される信号を検出する第1の検出手段と、
上記伝送路から出力される信号を検出する第2の検出手
段と、上記第1の検出手段の出力信号を処理してこれを
上記伝送路へ放出する適応型フィルタ手段と、上記第1
及び第2の検出手段の各出力信号が入力され、これらに
応じて、上記適応型フィルタ手段の伝達関数と、この適
応型フィルタ手段の出力側から上記伝送路の一部を経て
上記第2の検出手段までの間に存在する第2の伝達関数
と、の合成による第1の合成伝達関数が、上記第1の伝
達関数と相補する状態に、上記適応型フィルタ手段の伝
達関数を制御する適応フィルタ制御手段と、疑似信号を
生成する疑似信号生成手段と、上記疑似信号の信号レベ
ルをレベル調整指令に従って調整した後、これを上記第
2の伝達関数に入力するレベル調整手段と、上記疑似信
号が上記第2の伝達関数に対して非入力状態にあるとき
の上記第2の検出手段の出力信号の信号レベルを検出
し、この検出して得た信号レベルに対応する上記第2の
検出手段による検出位置での上記伝送路内の信号のレベ
ルと、上記疑似信号が上記レベル調整手段を介して上記
第2の伝達関数に入力されるときの上記第2の検出手段
による検出位置での該疑似信号の信号レベルとが、略同
等となる状態に、上記レベル調整指令を生成するレベル
制御手段と、上記第1の検出手段と上記適応フィルタ制
御手段との間に介在して上記第2の伝達関数を同定する
ディジタルフィルタ手段を含み、上記疑似信号またはこ
の疑似信号を上記レベル調整手段によってレベル調整し
た後の信号と、この疑似信号が上記レベル調整手段を介
して上記第2の伝達関数に入力されている状態にあると
きの上記第2の検出手段の出力信号とが入力され、これ
らに応じて、上記第2の伝達関数と上記ディジタルフィ
ルタ手段の伝達関数とが近似するように、上記ディジタ
ルフィルタ手段の伝達関数を制御する同定フィルタ制御
手段と、を具備するものである。
【0031】本請求項1に記載の発明によれば、第1の
検出手段が、伝送路に入力される信号、例えば雑音除去
の対象としている雑音を検出し、第2の検出手段が、第
1の伝達関数を有する伝送路を経て出力される信号を検
出する。そして、伝送路には、適応型フィルタ手段によ
って上記第1の検出手段の出力信号を処理した後の信号
が放出される。なお、適応フィルタ手段の出力側から伝
送路の一部を経て第2の検出手段までの間には、第2の
伝達関数が存在している。そして、適応フィルタ制御手
段が、第1及び第2の検出手段の各出力信号に応じて、
適応型フィルタ手段の伝達関数と上記第2の伝達関数と
の合成による第1の合成伝達関数が、上記第1の伝達関
数と相補するように、適応型フィルタ手段の伝達関数
を、例えばLMSアルゴリズム等の演算式に基づいて制
御する。このように第1の合成伝達関数と第1の伝達関
数とを互いに相補することによって、適応型フィルタ手
段から伝送路内に放出される信号により上記雑音を打ち
消すことができる。更に、第1の検出手段と適応フィル
タ制御手段との間に、上記第2の伝達関数を同定するた
めのディジタルフィルタ手段を設けており、これによっ
て、この能動型雑音除去装置全体の制御系をFiltered-x
LMSアルゴリズム構成としている。
【0032】ところで、本請求項1に記載の発明におい
ては、ディジタルフィルタ手段によって上記第2の伝達
関数を同定するのに、疑似信号を用いている。即ち、疑
似信号を生成するための疑似信号生成手段を設け、この
疑似信号を、レベル調整手段によってレベル調整した
後、第2の伝達関数に入力し、これを第2の検出手段で
検出している。従って、この第2の伝達関数の同定時に
おいては、第2の検出手段は、レベル調整手段によって
レベル調整した後の疑似信号と、上記雑音のうち適応型
フィルタ手段から伝送路内に放出される信号によって完
全に打ち消されずに残った所謂残留成分とを、同時に検
出する。そして、同定フィルタ制御手段が、上記疑似信
号、若しくはこの疑似信号をレベル調整手段によってレ
ベル調整した後の信号と、この疑似信号がレベル調整手
段を介して第2の伝達関数に入力されているときの第2
の検出手段の出力信号とに応じて、上記第2の伝達関数
とディジタルフィルタ手段の伝達関数とが近似するよう
にディジタルフィルタ手段の伝達関数を制御し、これに
よって、ディジタルフィルタ手段による第2の伝達関数
の正確な同定を実現する。
【0033】なお、このように疑似信号を用いて第2の
伝達関数を正確に同定するには、上述したように、この
同定の対象である第2の伝達関数に入力する疑似信号の
信号レベルを、この第2の伝達関数内に打ち消されずに
残っている雑音のレベルと、少なくとも略同等とする必
要がある。そして、これら各レベルを略同等とすれば、
上記第2の伝達関数を十分正確に同定できる。
【0034】そこで、本請求項1に記載の発明によれ
ば、レベル制御手段により、疑似信号が第2の伝達関数
に入力されていないときの第2の検出手段の出力信号の
信号レベルを検出することにより、第2の伝達関数内に
打ち消されずに残っている雑音を検出する。そして、レ
ベル制御手段は、この検出して得た残留雑音レベルと、
上記疑似信号がレベル調整手段を介して第2の伝達関数
に入力されるときの第2の検出手段による検出位置での
上記疑似信号の信号レベル(言い換えれば、疑似信号を
第2の伝達関数に入力したときに第2の検出手段によっ
て検出される疑似信号の信号レベル)と、が略同等にな
るように、上記レベル調整手段を制御するレベル調整指
令を生成する。これによって、第2の伝達関数に入力さ
れる疑似信号の信号レベルは、第2の伝達関数を同定す
るのに必要かつ十分なレベルに自動的に調整される。
【0035】なお、実験により、上記第2の検出手段に
よる検出位置での疑似信号の信号レベルが、上記第2の
検出手段による検出位置での残留雑音の信号レベルより
も僅かに小さい場合でも、上記第2の伝達関数を正確に
同定できるという結果が得られた。従って、ここで言う
上記略同等とは、第2の検出手段による検出位置での疑
似信号の信号レベルが、第2の検出手段による検出位置
での残留雑音の信号レベルに比べて、僅かに小さい場
合、及び等価な場合、更には僅かに大きい場合を含む。
【0036】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の能動型雑音除去装置において、上記ディジタル
フィルタ手段が、これに上記第1の検出手段の出力信号
のみが入力され、この第1の検出手段の出力信号のみを
処理して、その処理後の信号を上記適応フィルタ制御手
段に入力する状態に構成され、上記同定フィルタ制御手
段が、上記ディジタルフィルタ手段とは別に、上記疑似
信号またはこの疑似信号を上記レベル調整手段によって
レベル調整した後の信号と、この疑似信号が上記第2の
伝達関数に入力されている状態にあるときの上記第2の
検出手段の出力信号とが入力され、これらに応じて上記
第2の伝達関数と略等価な伝達関数を導出する第1の伝
達関数導出手段を備え、この第1の伝達関数導出手段に
よって導出して得た伝達関数を上記ディジタルフィルタ
手段の伝達関数として設定する第1の設定手段を備えた
ものである。
【0037】上述した請求項1に記載の発明によれば、
同定フィルタ制御手段の構成として、例えば、ディジタ
ルフィルタ手段に疑似信号を入力し、この疑似信号をデ
ィジタルフィルタ手段で処理した後の信号と、上記第2
の伝達関数に入力された疑似信号を第2の検出手段によ
って検出して得た信号と、が略同等となるように、上記
ディジタルフィルタ手段の伝達関数を制御することによ
って、このディジタルフィルタ手段の伝達関数と第2の
伝達関数とを近似させる、即ちディジタルフィルタ手段
により第2の伝達関数を正確に同定するという構成も考
えられる。しかし、この場合、ディジタルフィルタ手段
は、第1の検出手段と適応フィルタ制御手段との間に介
在して上述したFiltered-x LMSアルゴリズム構成の制御
系を形成するというそれ本来の機能の他に、上記第2の
伝達関数を正確に同定するための伝達関数を導出すると
いう機能をも奏することになる。そして、ディジタルフ
ィルタ手段は、上記Filtered-x LMSアルゴリズム構成の
制御系を形成するというそれ本来の機能を奏する場合に
は、第1の検出手段の出力信号を処理し、上記第2の伝
達関数を正確に同定するための伝達関数を導出するとい
う機能を奏する場合には、疑似信号を処理することにな
る。従って、これらの各機能を、同時に実現することは
困難で、即ち、適応フィルタ制御手段によって適応型フ
ィルタ手段を適応制御するという雑音除去のための適応
動作と、上記第2の伝達関数を正確に同定するという同
定動作とを、同時に実行することは困難である。
【0038】これに対して、本請求項2に記載の発明に
よれば、ディジタルフィルタ手段は、第1の検出手段の
出力信号を処理して、その処理後の信号を適応フィルタ
制御手段に入力するという、上記Filtered-x LMSアルゴ
リズム構成の制御系を形成するための機能のみを有す
る。そして、このディジタルフィルタ手段とは別に、上
記第2の伝達関数と略等価な伝達関数を導出する第1の
伝達関数導出手段と、この第1の伝達関数導出手段によ
って導出して得た伝達関数をディジタルフィルタ手段に
設定する第1の設定手段とを備えている。従って、適応
フィルタ制御手段によって適応型フィルタ手段を適応制
御するという雑音除去のための適応動作と、第2の伝達
関数を正確に同定するという同定動作とを、同時に実行
するという所謂オンライン同定(またはリアルタイム同
定、若しくはバックグラウンド同定とも言う)を実現で
きる。
【0039】請求項3に記載の発明は、第1の伝達関数
を有する伝送路に入力される信号を検出する第1の検出
手段と、上記伝送路から出力される信号を検出する第2
の検出手段と、上記第1の検出手段の出力信号を処理し
て出力する適応型フィルタ手段と、この適応型フィルタ
手段の出力をレベル調整指令に従ってレベル調整した
後、これを上記伝送路へ放出するレベル調整手段と、上
記第1及び第2の検出手段の各出力信号が入力され、こ
れらに応じて、上記適応型フィルタ手段の伝達関数と、
上記レベル調整手段の伝達関数と、このレベル調整手段
の出力側から上記伝送路の一部を経て上記第2の検出手
段までの間に存在する第2の伝達関数と、の合成による
第2の合成伝達関数が、上記第1の伝達関数と相補する
状態に、上記適応型フィルタ手段の伝達関数を制御する
適応フィルタ制御手段と、疑似信号を生成してこれを上
記レベル調整手段によってレベル調整した後上記第2の
伝達関数に入力する疑似信号生成手段と、上記疑似信号
が上記第2の伝達関数に対して非入力状態にあるときの
上記第2の検出手段の出力信号の信号レベルを検出し、
この検出して得た信号レベルに対応する上記第2の検出
手段による検出位置での上記伝送路内の信号のレベル
と、上記疑似信号が上記レベル調整手段を介して上記第
2の伝達関数に入力されるときの上記第2の検出手段に
よる検出位置での該疑似信号の信号レベルとが、略同等
となる状態に、上記レベル調整指令を生成するレベル制
御手段と、上記第1の検出手段と上記適応フィルタ制御
手段との間に介在して上記レベル調整手段の伝達関数と
上記第2の伝達関数との合成による第3の合成伝達関数
を同定するディジタルフィルタ手段を含み、上記疑似信
号と、この疑似信号が上記レベル調整手段を介して上記
第2の伝達関数に入力されている状態にあるときの上記
第2の検出手段の出力信号とが入力され、これらに応じ
て、上記第3の合成伝達関数と上記ディジタルフィルタ
手段の伝達関数とが近似する状態に、上記ディジタルフ
ィルタ手段の伝達関数を制御する同定フィルタ制御手段
と、を具備するものである。
【0040】即ち、本請求項3に記載の発明の能動型雑
音除去装置も、上述した請求項1に記載の発明の能動型
雑音除去装置と同様に、装置全体の制御系をFiltered-x
LMSアルゴリズム構成としている。ただし、本請求項3
に記載の発明においては、適応型フィルタ手段の出力を
レベル調整手段を介して伝送路に放出しており、この点
が、適応型フィルタ手段の出力をレベル調整手段を介さ
ずに直接伝送路に放出するという上述の請求項1に記載
の発明と異なる点である。そして、この点に伴い、上記
請求項1に記載の発明では、第2の伝達関数のみをディ
ジタルフィルタ手段による同定対象としているのに対し
て、本請求項3に記載の発明では、レベル調整手段の伝
達関数と第2の伝達関数との合成による第3の合成伝達
関数を、ディジタルフィルタ手段による同定対象として
いる。
【0041】なお、第2の伝達関数を含む第3の合成伝
達関数を同定する際、レベル制御手段が、レベル調整手
段を介して第2の伝達関数に入力する疑似信号の信号レ
ベル(詳しくは、第2の検出手段による検出位置での疑
似信号の信号レベル)を、第3の合成伝達関数、特に第
2の伝達関数を同定するのに必要かつ十分なレベルに自
動的に調整するという点については、上記請求項1に記
載の発明と同様である。
【0042】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明の能動型雑音除去装置において、上記ディジタル
フィルタ手段が、これに上記第1の検出手段の出力信号
のみが入力され、この第1の検出手段の出力信号のみを
処理して、その処理後の信号を上記適応フィルタ制御手
段に入力する状態に構成され、上記同定フィルタ制御手
段が、上記ディジタルフィルタ手段とは別に、上記疑似
信号と、この疑似信号が上記レベル調整手段を介して上
記第2の伝達関数に入力されている状態にあるときの上
記第2の検出手段の出力信号とが入力され、これらに応
じて上記第3の合成伝達関数と略等価な伝達関数を導出
する第2の伝達関数導出手段を備え、この第2の伝達関
数導出手段によって導出して得た伝達関数を上記ディジ
タルフィルタ手段の伝達関数として設定する第2の設定
手段を備えた請求項3に記載の能動型雑音除去装置。
【0043】即ち、本請求項4に記載の発明の能動型雑
音除去装置も、上述した請求項2に記載の発明の能動型
雑音除去装置と同様に、ディジタルフィルタ手段とは別
に、このディジタルフィルタ手段が同定の対象とする第
3の合成伝達関数と略等価な伝達関数を導出する第2の
伝達関数導出手段と、この第2の伝達関数導出手段によ
って導出して得た伝達関数をディジタルフィルタ手段に
設定する第2の設定手段とを備えている。従って、適応
フィルタ制御手段によって適応型フィルタ手段を適応制
御するという雑音除去のための適応動作と、ディジタル
フィルタ手段により第3の合成伝達関数を正確に同定す
るという同定動作とを、同時に実行するという所謂オン
ライン同定を実現できる。
【0044】請求項5に記載の発明は、請求項1、2、
3または4に記載の発明の能動型雑音除去装置におい
て、上記伝送路に入力される信号が、音波であって、上
記能動型雑音除去装置が、上記音波を除去する能動型消
音装置であることを特徴とするものである。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明に係る能動型雑音除去装置
を例えばアクティブ消音装置に応用した場合について、
その第1の実施の形態を、図1及び図2を参照して説明
する。
【0046】図1は、本第1の実施の形態の概略構成図
である。同図に示すように、本第1の実施の形態は、上
述した図7に示す従来の消音装置において、疑似信号発
生器15の出力側に、この疑似信号発生器15の発生す
る疑似信号m(k) のレベルを調整するレベル調整部18
を設けたものである。即ち、このレベル調整部18は、
疑似信号発生器15の発生する疑似信号m(k) のレベル
を、後述するレベル検出部19から供給されるレベル調
整信号に従って調整し、この調整後の信号を、加算器8
(最終的にはスピーカ7)、FIRフィルタ14及びL
MS演算部16に、それぞれ供給する。
【0047】一方、上記レベル検出部19は、エラーマ
イクロホン11から増幅器12及びA/D変換器13を
介して出力されるエラー信号e(k) を取り込んで、その
信号レベルを検出すると共に、この検出して得た信号レ
ベルに応じて、上記レベル調整信号を生成する。ただ
し、このレベル検出部19は、疑似信号発生器15が上
記疑似信号m(k) を発生していないとき、即ちこの疑似
信号m(k) に基づく音波(即ち同定音)がスピーカ7か
ら放出されていないときにのみ、上記エラー信号e(k)
の信号レベルを検出するように構成されている。従っ
て、このレベル検出部19は、排気ダクト1内を伝搬す
る騒音のうち、適応フィルタ5の出力y(k)に基づいて
スピーカ7から放出される音波によって完全に打ち消さ
れずに残った所謂雑音の残留成分を検出することにな
る。そして、この検出して得た信号レベルに基づいて、
エラーマイクロホン11の設置位置における上記雑音の
残留成分のレベルと、スピーカ7から同定音を放出させ
たときのエラーマイクロホン11の設置位置における同
定音のレベルとが、略同等となるように、上記レベル調
整部18を制御するレベル調整信号を生成する。なお、
スピーカ7から上記同定音を放出させているとき、即ち
LMS演算部16によるFIRフィルタ14の適応動作
を実行して二次音路Cを同定しているときには、レベル
検出部19は、上記エラー信号e(k) の信号レベルを検
出しない。
【0048】なお、本第1の実施の形態における上記以
外の構成については、図7の従来の消音装置と同様であ
るので、これら同等部分には図7と同一符号を付して、
その詳細な説明を省略する。
【0049】上記のように構成された消音装置におい
て、例えば、今、図示しないエンジンの排気音が、図1
における左側から右側に向かって伝搬しているものとす
る。そして、適応フィルタ5には、ある程度の消音効果
を得ることのできる伝達関数W k (厳密には、フィル
タ係数Wk (i) )が、予め設定されており、FIRフ
ィルタ14には、二次音路Cをある程度の精度で同定す
ることのできる伝達関数Sek (厳密には、フィルタ
係数Sek (i) )が、予め設定されているものとす
る。また、レベル調整部18は、その伝達関数(増幅
率)LがL=1の所謂スルー状態にあるとする。
【0050】この状態で、例えば、最初に、疑似信号発
生器15から疑似信号m(k) を発生させないようにする
と共に、FIRフィルタ14を、その伝達関数Sek
が上記予め設定された値に固定された単なるFIRフィ
ルタとして機能させる。そして、LMS演算部6による
適応フィルタ5の適応動作を実行する。これによって、
この消音装置自体の消音効果が向上し、排気ダクト1内
の騒音が次第に小さくなる。また、このときのエラー信
号e(k) の信号レベルをレベル検出部19で検出するこ
とによって、消音された後の雑音レベルを検出する。レ
ベル検出部19は、この検出して得た雑音レベルと、こ
れからスピーカ7から放出させようとする同定音のレベ
ル(詳しくは、スピーカ7から同定音を放出したときの
エラーマイクロホン11の設置位置における同定音のレ
ベル)とが、略同等となるように、レベル調整部18を
制御するレベル調整信号を生成する。
【0051】次に、上記LMS演算部6による適応フィ
ルタ5の適応動作を停止して、このFIRフィルタ5
を、その伝達関数Wk が固定の単なるFIRフィルタ
として機能させる。なお、このときの適応フィルタ5の
伝達関数Wk は、これ自体の適応動作を停止した時点
での伝達関数Wk とする。これと同時に、疑似信号発
生器15から疑似信号m(k) を発生させると共に、今度
は、LMS演算部16によるFIRフィルタ14の適応
動作を実行することによって、二次音路Cを正確に同定
する。
【0052】ただし、このとき、疑似信号m(k) は、こ
れに基づいてスピーカ7から放出される同定音のレベル
(詳しくは、スピーカ7から同定音を放出したときのエ
ラーマイクロホン11の設置位置における同定音のレベ
ル)が、排気ダクト1内に残っている雑音レベルと、略
同等になるように、その信号レベルが、上記レベル調整
信号に従って制御されるレベル調整部18によって調整
される。なお、エラーマイクロホン11の設置位置にお
ける同定音のレベルが、エラーマイクロホン11の設置
位置における残留雑音のレベルと、少なくとも略同等以
上、厳密には上記同定音のレベルが少なくとも上記残留
雑音レベルよりも僅かに小さい程度であれば、二次音路
Cを十分正確に同定できるということは、上述した通り
である。従って、排気ダクト1内の雑音レベルが小さく
なるに従って、二次音路Cの同定時にスピーカ7から放
出させる同定音も自動的に小さくなる。
【0053】そして、これ以降、上記と同様に、LMS
演算部6により適応フィルタ5を適応制御しながら、レ
ベル検出部19により排気ダクト1内に残っている雑音
レベルを検出するという動作と、このレベル検出部19
によって検出して得た雑音レベルに応じて疑似信号m
(k) の信号レベルを調整しながら、LMS演算部16に
よりFIRフィルタ14を適応制御するという動作と
を、交互に実行する。これによって、二次音路Cが変化
しても、常に安定した消音効果が得られるだけでなく、
排気ダクト1内の雑音レベルに応じて、同定時が、二次
音路Cを正確に同定するのに必要かつ十分なレベルに自
動的に調整される。従って、上述した従来技術とは異な
り、二次音路Cを同定する際に、同定音が目立つのを防
止できる。
【0054】また、このように、同定音のレベルを、二
次音路Cを同定するのに最低限必要なレベルに抑えてい
るので、比較的にレベルの大きい同定音を常に出力する
という上記従来技術に比べて、増幅器10やスピーカ7
等の音波出力系に対する負担を軽減できる。
【0055】なお、本第1の実施の形態において新たに
設けた上記レベル調整部18及びレベル検出部19は、
例えばDSPやCPU等によって構成されている。これ
らは、排気ダクト1内に残っている雑音レベルを検出
し、この検出レベルに応じて、疑似信号m(k) の信号レ
ベルを調整するという極めて簡単な処理を実行するだけ
なので、例えば比較的に安価なDSPやCPU等を用い
ても、処理の高速化を実現できる。そして、このように
安価なDSPやCPU等により上記レベル調整部18及
びレベル検出部19を構成できるので、本第1の実施の
形態を低コストで実現できる。なお、これらレベル調整
部18及びレベル検出部19を構成する上記DSPやC
PU等の動作は、図示しない記憶部に記憶されたプログ
ラムに従って制御される。
【0056】ところで、図1においては、スピーカ7
(加算器8)、FIRフィルタ14及びLMS演算部1
6のそれぞれに対して、レベル調整部18でレベル調整
した後の疑似信号m(k) を供給するよう構成したが、こ
れに限らない。即ち、スピーカ7から放出させる同定音
のレベルを排気ダクト1内に残っている雑音レベルと略
等価にするという本発明の主旨を鑑みると、疑似信号m
(k) のレベルを調整する必要があるのは、厳密にはスピ
ーカ7に対してのみである。従って、図2に示すよう
に、スピーカ7に対してのみ、レベル調整部18でレベ
ル調整した後の疑似信号m(k) を供給し、FIRフィル
タ14及びLMS演算部16に対しては、疑似信号発生
器15から疑似信号m(k) を直接供給するよう構成して
もよい。
【0057】ただし、図2の構成においては、同図に点
線で示す経路により二次音路Cを同定する際、この二次
音路Cを同定するFIRフィルタ14の伝達関数Se
k を求めるLMS演算部16は、二次音路Cだけでは
なく、レベル調整部18の伝達関数Lをも含んだ伝達関
数、つまりはレベル調整部18の伝達関数Lと二次音路
Cとの合成の伝達関数[L×C]を、求めることにな
る。従って、この場合、上記合成伝達関数[L×C]か
ら二次音路Cのみを求め、この求めた二次音路CをFI
Rフィルタ14の伝達関数Sek として設定する必要
がある。そこで、この図2の構成においては、レベル検
出部19の持つレベル調整部18の伝達関数Lの情報
(レベル調整部18の伝達関数Lは、レベル検出部19
の生成するレベル調整信号によって制御されるので、レ
ベル検出部19は、レベル調整部18の伝達関数Lを認
識している)を、同図に一点鎖線で示すように、LMS
演算部16に供給する。そして、LMS演算部16にお
いて、それ自体が求めた上記合成伝達関数[L×C]
を、次の数5に示すように、上記伝達関数Lで除算する
ことによって、二次音路Cを求め、これをFIRフィル
タ14の伝達関数Sek として設定する。
【0058】
【数5】Se=(L×C)’/L≒C
【0059】ここで、記号’(ダッシュ)は、合成伝達
関数[L×C]の推定値であることを示す。
【0060】なお、上記図1及び図2に示す本第1の実
施の形態の構成が、特許請求の範囲の請求項1(及び
5)に記載の発明に対応する。そして、本第1の実施の
形態における一次音路P及び二次音路Cが、それぞれ、
請求項1に記載の発明の第1及び第2の伝達関数に対応
し、適応フィルタ5の伝達関数Wk と二次音路Cとの
合成による伝達関数[Wk ×C]が、第1の合成伝達
関数に対応する。
【0061】そして、リファレンスマイクロホン2及び
エラーマイクロホン11が、それぞれ請求項1に記載の
発明の第1及び第2の検出手段に対応し、適応フィルタ
5及びこれを制御するLMS演算部6が、それぞれ適応
型フィルタ手段及び適応フィルタ制御手段に対応する。
そして、FIRフィルタ14が、請求項1に記載の発明
のディジタルフィルタ手段に対応し、このFIRフィル
タ14及びこれを制御するLMS演算部16と、演算部
17との組み合わせによる構成が、同定フィルタ制御手
段に対応する。
【0062】また、疑似信号発生器15が、請求項1に
記載の発明の疑似信号生成手段に対応し、レベル調整部
18が、レベル調整手段に対応する。そして、レベル検
出部19が、請求項1に記載の発明のレベル制御手段に
対応し、このレベル検出部19から上記レベル調整部1
8に与えられるレベル調整信号が、レベル調整指令に対
応する。
【0063】そして、本第1の実施の形態では、本発明
を消音装置に応用する場合について説明したが、この技
術は、例えばエコーキャンセラ等のような他の用途にも
応用できる。
【0064】また、FIRフィルタ14によって二次音
路Cを同定するのにLMSアルゴリズムを用いたが、こ
れ以外のアルゴリズムを用いてもよいし、これらのアル
ゴリズムを用いない他の方法によって、上記二次音路C
を同定してもよい。例えば、疑似信号m(k) と誤差信号
ε(k) との相関によって二次音路Cを同定(推定)す
る、所謂M系列信号を用いた相関法により上記二次音路
Cを同定してもよい。また、二次音路Cの出力(二次音
路Cを通過させた後の疑似信号m(k) )を、この二次音
路Cの入力信号(即ち疑似信号m(k) )で除算する(詳
しくは、これら各入出力信号を周波数領域に変換した上
で上記除算を行う)ことによっても、上記二次音路Cを
求めることができる。更に、一般に知られているクロス
スペクトル法を用いて、上記二次音路Cを求めてもよ
い。
【0065】更に、レベル検出部19によって、エラー
信号e(k) (排気ダクト1内に残留している雑音成分)
のレベルを検出する際、このエラー信号e(k) を積分す
る等、時間的に平均化したものに基づいて、レベル検出
を行ってもよい。即ち、エラー信号e(k) は、時間的に
変動の激しい信号であるので、これを時間的に平均化す
ることによって、上記変動をある程度抑えることがで
き、この方が、雑音レベルを検出するのに都合の良い場
合がある。
【0066】そして、本第1の実施の形態においては、
疑似信号m(k) としてM系列信号(MLS)を用いた
が、このM系列信号については、その周期を、FIRフ
ィルタ14(LMS演算部16)による二次音路Cの同
定動作時間よりも長くするのが望ましい。即ち、正確な
同定を行うには、一般に、疑似信号m(k) が完全なラン
ダム信号でなければならないことが知られているが、こ
れに対して、M系列信号は、厳密には疑似的なランダム
信号である。しかし、このM系列信号は、その一周期内
においては略完全にランダムな信号であることが知られ
ているので、このM系列信号の周期を上記同定動作より
も十分に長く設定して、このM系列信号の一周期内に上
記同定動作を終了させることによって、二次音路Cの同
定精度を向上させることができる。
【0067】なお、上記疑似信号m(k) については、ラ
ンダムな信号であれば、例えばホワイトノイズ等の他の
信号を用いてもよい。
【0068】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図3及び図4を参照して説明する。
【0069】図3及び図4に示すように、本第2の実施
の形態は、上記図1及び図2に示す第1の実施の形態に
おけるFIRフィルタ14に代えて、これとは別のFI
Rフィルタ20を、リファレンスマイクロホン2(厳密
にはA/D変換器4の出力側)とLMS演算部6の入力
側との間に設けたものである。そして、FIRフィルタ
14については、これを純粋に二次音路Cの同定(推
定)用としてのみ機能させ、このFIRフィルタ14で
二次音路Cを同定して得た伝達関数Seを、上記FIR
フィルタ20に設定し、このFIRフィルタ20を、二
次音路Cの補償用としてのみ機能させる。なお、このF
IRフィルタ20も、適応フィルタ5等と同様に、例え
ばDSPやCPU等によって構成されており、その動作
を制御するプログラムは、図示しない記憶部に記憶され
ている。これ以外の構成については、上記図1及び図2
と同様であるので、同等部分には同一符号を付して、そ
の詳細な説明を省略する。
【0070】このように、本第2の実施の形態によれ
ば、二次音路Cを同定(推定)するためのFIRフィル
タ14を、消音効果を得る上で二次音路Cを補償するた
めのFIRフィルタ20とは、別個に設けている。従っ
て、LMS演算部6によって適応フィルタ5を適応制御
するという消音のための適応動作と、LMS演算部16
によりFIRフィルタ14を適応制御することによって
二次音路Cを正確に同定するという同定動作とを、同時
に実行することができ、即ち上述したオンライン同定を
実現できる。よって、上述した第1の実施の形態とは異
なり、消音のための適応動作を停止させることなく、二
次音路Cの同定動作を実行できるので、上記第1の実施
の形態に比べて、より安定した消音効果を得ることがで
きる。
【0071】ただし、本第2の実施の形態においては、
排気ダクト1内に残留している雑音レベルを検出するた
めに、二次音路Cの同定動作、即ち疑似信号m(k) の発
生(同定音の放出)を、例えば定期的に停止させる。そ
して、このときのエラー信号e(k) の信号レベルをレベ
ル検出部19で検出することによって、排気ダクト1内
に残留している雑音レベルを検出し、この検出レベルに
応じて、レベル調整部18を制御するためのレベル調整
信号を生成する。
【0072】なお、本第2の実施の形態の構成が、特許
請求の範囲の請求項2(及び5)に記載の発明に対応す
る。そして、本第2の実施の形態におけるFIRフィル
タ20が、請求項2に記載の発明のディジタルフィルタ
手段に対応し、FIRフィルタ14及びこれを制御する
LMS演算部16と、演算部17との組み合わせによる
構成が、第1の伝達関数算出手段及び第1の設定手段に
対応する。
【0073】次に、本発明の第3の実施の形態につい
て、図5を参照して説明する。
【0074】同図に示すように、本第3の実施の形態
は、上述した図1におけるレベル調整部18を、加算器
8の出力側とD/A変換器9の入力側との間に設けたも
のである。なお、これ以外の構成については、上記図1
と同様であるので、同等部分には、図1と同一符号を付
して、その詳細な説明を省略する。
【0075】ただし、この図5の構成においては、同図
に点線で示す経路により二次音路Cを同定する際、この
二次音路Cを同定するFIRフィルタ14の伝達関数S
ek を求めるLMS演算部16は、上述した図2に示す
構成と同様に、二次音路Cだけではなく、レベル調整部
18の伝達関数Lをも含んだ伝達関数、つまりはレベル
調整部18の伝達関数Lと二次音路Cとの合成の伝達関
数[L×C]を、求めることになる。しかし、この図5
の構成によれば、レベル調整部18は、疑似信号m(k)
のみならず、適応フィルタ5の出力y(k) のレベルをも
調整して、これをスピーカ7に供給することになる。従
って、消音動作時に、上記FIRフィルタ14が同定
(補償)の対象とするのは、レベル調整部18の伝達関
数Lと二次音路Cとの合成による合成伝達関数[L×
C]となる。よって、この図5の構成においては、上記
図2の構成とは異なり、上記合成伝達関数〔L×C〕か
ら二次音路Cのみを求める必要はない。
【0076】また、この図5の構成によれば、レベル調
整部18も、上述したFiltered-x LMSアルゴリズムの制
御系を構成する一つの構成要素となる。従って、このFi
ltered-x LMSアルゴリズムに基づいて適応フィルタ5を
適応制御するLMS演算部6は、適応フィルタ5の伝達
関数Wk とレベル調整部18の伝達関数Lと二次音路
Cとの合成による伝達関数[Wk ×L×C]が、一次
音路Pと相補になるように、上記伝達関数Wk を制御
する。
【0077】なお、本第3の実施の形態の構成が、特許
請求の範囲の請求項3(及び5)に記載の発明に対応す
る。そして、本第3の実施の形態における上記合成伝達
関数[Wk ×L×C]が、請求項3に記載の発明の第
2の合成伝達関数に対応し、FIRフィルタ14が同定
(補償)の対象とする合成伝達関数[L×C]が、第3
の合成伝達関数に対応する。
【0078】次に、本発明の第4の実施の形態につい
て、図6を参照して説明する。
【0079】同図に示すように、本第4の実施の形態
は、上記図5に示す第3の実施の形態において、FIR
フィルタ14に代えて、これとは別のFIRフィルタ2
0を、リファレンスマイクロホン2(厳密にはA/D変
換器4の出力側)とLMS演算部6の入力側との間に設
けたものである。即ち、上述した図3及び図4に示す第
2の実施の形態と同様に、二次音路Cを同定(推定)す
るためのFIRフィルタ14を、消音効果を得る上で二
次音路Cを補償するためのFIRフィルタ20とは、別
個に設け、これによって、上述したオンライン同定を可
能にしたものである。従って、消音のための適応動作を
停止させることなく、二次音路Cの同定動作を実行でき
るので、より安定した消音効果を得ることができる。な
お、本第4の実施の形態においても、上記第2の実施の
形態と同様に、排気ダクト1内に残留している雑音レベ
ルを検出する際に、疑似信号m(k) の発生(同定音の放
出)を、例えば定期的に停止させる必要があることは言
うまでもない。
【0080】なお、本第4の実施の形態の構成が、特許
請求の範囲の請求項4(及び5)に記載の発明に対応す
る。そして、本第4の実施の形態におけるFIRフィル
タ20が、請求項4に記載の発明のディジタルフィルタ
手段に対応し、FIRフィルタ14及びこれを制御する
LMS演算部16と、演算部17との組み合わせによる
構成が、第2の伝達関数算出手段及び第2の設定手段に
対応する。
【0081】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明の
能動型雑音除去装置によれば、この能動型雑音除去装置
によって完全に除去されずに残っている雑音のレベルに
応じて、疑似信号の信号レベルも、第2の伝達関数を同
定するのに必要かつ十分なレベルに自動的に調整され
る。従って、この能動型雑音除去装置の雑音除去効果が
向上して、雑音が小さくなると、この雑音レベルの変化
に応じて、上記疑似信号も小さくなるので、疑似信号
(同定音)が目立ってしまうという上述した従来技術の
問題点を解決できる。
【0082】また、本請求項1に記載の発明の能動型雑
音除去装置では、上記雑音の残留成分のレベルを検出
し、このレベルに応じて、疑似信号の信号レベルを調整
するという極めて簡単な処理によって、上記従来技術の
問題点を解決している。従って、これらの処理を実行す
るレベル制御手段及びレベル調整手段を、簡単かつ安価
に構成できるので、低コストで本請求項1に記載の発明
の能動型雑音除去装置を実現できるという効果がある。
また、このように、レベル制御手段及びレベル調整手段
を簡単かつ安価な構成としても、それぞれの処理内容が
極めて簡単であるので、処理の高速性を確保できる。
【0083】請求項2に記載の発明の能動型雑音除去装
置によれば、適応フィルタ制御手段によって適応型フィ
ルタ手段を適応制御するという雑音除去のための適応動
作と、第2の伝達関数を正確に同定するという同定動作
とを、同時に実行するという所謂オンライン同定を実現
できる。即ち、雑音除去のための適応動作を停止するこ
となく、第2の伝達関数の同定動作を実行できるので、
より安定した消音効果を得ることができるという効果が
ある。
【0084】請求項3に記載の発明の能動型雑音除去装
置は、レベル調整手段の伝達関数と第2の伝達関数との
合成による第3の合成伝達関数を、ディジタルフィルタ
手段による同定対象としており、この点が、第2の伝達
関数のみをディジタルフィルタ手段による同定対象とす
る上記請求項1に記載の発明と異なる。そして、上記第
2の伝達関数を含む第3の合成伝達関数を同定する際、
上記疑似信号の信号レベルを、第3の合成伝達関数、特
に第2の伝達関数を同定するのに必要かつ十分なレベル
に自動的に調整するという点については、上記請求項1
に記載の発明と同様である。従って、上記請求項1に記
載の発明と、同様の効果を奏する。
【0085】請求項4に記載の発明の能動型雑音除去装
置も、上記請求項2に記載の発明と同様に、適応フィル
タ制御手段によって適応型フィルタ手段を適応制御する
という雑音除去のための適応動作と、ディジタルフィル
タ手段により第2の伝達関数を含む第3の合成伝達関数
を同定するという同定動作とを、同時に実行するという
オンライン同定を実現する。従って、常に安定した消音
装置が得られるという上記請求項1に記載の発明と同様
の効果を奏する。
【0086】請求項5に記載の発明の能動型雑音除去装
置によれば、アクティブ消音装置等の音波を除去するこ
とを目的とする装置において、上記請求項1、2、3及
び4に記載の発明と同様の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る能動型雑音除去装置をアクティブ
消音装置に応用した場合の第1の実施の形態を示す概略
構成図である。
【図2】図2とは別の例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す概略構成図で
ある。
【図4】図3とは別の例を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す概略構成図で
ある。
【図6】本発明の第4の実施の形態を示す概略構成図で
ある。
【図7】従来のアクティブ消音装置の概略構成図であ
る。
【図8】図7の一部分を抜粋した図である。
【符号の説明】
1 排気ダクト 2 リファレンスマイクロホン 5 適応フィルタ 6 LMS演算部 7 二次音源スピーカ 11 エラーマイクロホン 14 FIRディジタルフィルタ 15 疑似信号発生器 16 LMS演算部 18 レベル調整部 19 レベル検出部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、第1の伝達関数を有する
伝送路に入力される信号を検出する第1の検出手段と、
上記伝送路から出力される信号を検出する第2の検出手
段と、上記第1の検出手段の出力信号を処理してこれを
上記伝送路へ放出する適応型フィルタ手段と、上記第1
及び第2の検出手段の各出力信号が入力され、これらに
応じて、上記適応型フィルタ手段の伝達関数と、この適
応型フィルタ手段の出力側から上記伝送路の一部を経て
上記第2の検出手段までの間に存在する第2の伝達関数
と、の合成による第1の合成伝達関数が、上記第1の伝
達関数と相補する状態に、上記適応型フィルタ手段の伝
達関数を制御する適応フィルタ制御手段と、疑似信号を
生成する疑似信号生成手段と、上記疑似信号の信号レベ
ルをレベル調整指令に従って調整した後、これを上記第
2の伝達関数に入力するレベル調整手段と、上記疑似信
号が上記第2の伝達関数に対して非入力状態にあるとき
の上記第2の検出手段の出力信号の信号レベルを検出
し、この検出して得た信号レベルに対応する上記第2の
検出手段による検出位置での上記伝送路内の信号のレベ
ルと、上記疑似信号が上記レベル調整手段を介して上記
第2の伝達関数に入力されるときの上記第2の検出手段
による検出位置での該疑似信号の信号レベルとが、略同
等となる状態に、上記レベル調整指令を生成するレベル
制御手段と、上記第1の検出手段と上記適応フィルタ制
御手段との間に介在して上記第2の伝達関数を同定する
ディジタルフィルタ手段を含み、上記疑似信号が上記第
2の伝達関数に対して非入力状態にあるとき、上記ディ
ジタルフィルタ手段の伝達関数を固定すると共に、該デ
ィジタルフィルタ手段により上記第1の検出手段の出力
信号を処理した後の信号を上記適応フィルタ制御手段に
入力して該適応フィルタ制御手段による上記適応型フィ
ルタ手段の伝達関数の制御を実行し、上記疑似信号が上
記レベル調整手段を介して上記第2の伝達関数に入力さ
れている状態にあるとき、上記適応フィルタ制御手段に
よる上記適応型フィルタ手段の伝達関数の制御を停止し
て該適応型フィルタ手段の伝達関数を固定すると共に、
上記疑似信号またはこの疑似信号を上記レベル調整手段
によってレベル調整した後の信号を上記ディジタルフィ
ルタ手段に入力し、このディジタルフィルタ手段による
処理後の信号と上記第2の検出手段の出力信号とが略同
等となる状態に、上記ディジタルフィルタ手段の伝達関
数を制御する同定フィルタ制御手段と、を具備するもの
である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】ところで、本請求項1に記載の発明におい
ては、ディジタルフィルタ手段によって上記第2の伝達
関数を同定するのに、疑似信号を用いている。即ち、疑
似信号を生成するための疑似信号生成手段を設け、この
疑似信号を、レベル調整手段によってレベル調整した
後、第2の伝達関数に入力し、これを第2の検出手段で
検出している。従って、この第2の伝達関数の同定時に
おいては、第2の検出手段は、レベル調整手段によって
レベル調整した後の疑似信号と、上記雑音のうち適応型
フィルタ手段から伝送路内に放出される信号によって完
全に打ち消されずに残った所謂残留成分とを、同時に検
出する。そして、同定フィルタ制御手段が、上記疑似信
号、若しくはこの疑似信号をレベル調整手段によってレ
ベル調整した後の信号をディジタルフィルタ手段に入力
し、このディジタルフィルタ手段による処理後の信号
と、上記疑似信号がレベル調整手段を介して第2の伝達
関数に入力されているときの第2の検出手段の出力信号
と、が略同等になるように、ディジタルフィルタ手段の
伝達関数を制御する。これによって、ディジタルフィル
タ手段による第2の伝達関数の正確な同定を実現する。
この構成によれば、ディジタルフィルタ手段は、第1の
検出手段と適応フィルタ制御手段との間に介在して上記
Filtered-x LMSアルゴリズム構成の制御系を形成すると
いうそれ本来の機能の他に、上記第2の伝達関数を正確
に同定するための伝達関数を導出するという機能をも奏
することになる。そして、ディジタルフィルタ手段は、
上記Filtered-x LMSアルゴリズム構成の制御系を形成す
るというそれ本来の機能を奏する場合には、第1の検出
手段の出力信号を処理し、上記第2の伝達関数を正確に
同定するための伝達関数を導出するという機能を奏する
場合には、疑似信号、若しくはこの疑似信号をレベル調
整手段によってレベル調整した後の信号を処理する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】請求項2に記載の発明は、第1の伝達関数
を有する伝送路に入力される信号を検出する第1の検出
手段と、上記伝送路から出力される信号を検出する第2
の検出手段と、上記第1の検出手段の出力信号を処理し
てこれを上記伝送路へ放出する適応型フィルタ手段と、
上記第1及び第2の検出手段の各出力信号が入力され、
これらに応じて、上記適応型フィルタ手段の伝達関数
と、この適応型フィルタ手段の出力側から上記伝送路の
一部を経て上記第2の検出手段までの間に存在する第2
の伝達関数と、の合成による第1の合成伝達関数が、上
記第1の伝達関数と相補する状態に、上記適応型フィル
タ手段の伝達関数を制御する適応フィルタ制御手段と、
M系列信号から成る疑似信号を生成する疑似信号生成手
段と、上記疑似信号の信号レベルをレベル調整指令に従
って調整した後、これを上記第2の伝達関数に入力する
レベル調整手段と、上記疑似信号が上記第2の伝達関数
に対して非入力状態にあるときの上記第2の検出手段の
出力信号の信号レベルを検出し、この検出して得た信号
レベルに対応する上記第2の検出手段による検出位置で
の上記伝送路内の信号のレベルと、上記疑似信号が上記
レベル調整手段を介して上記第2の伝達関数に入力され
るときの上記第2の検出手段による検出位置での該疑似
信号の信号レベルとが、略同等となる状態に、上記レベ
ル調整指令を生成するレベル制御手段と、上記第1の検
出手段と上記適応フィルタ制御手段との間に介在して上
記第2の伝達関数を同定するディジタルフィルタ手段を
含み、上記疑似信号またはこの疑似信号を上記レベル調
整手段によってレベル調整した後の信号と、この疑似信
号が上記レベル調整手段を介して上記第2の伝達関数に
入力されている状態にあるときの上記第2の検出手段の
出力信号とが入力され、これらの相関によって上記第2
の伝達関数を推定し、この推定して得た伝達関数を上記
ディジタルフィルタ手段の伝達関数として設定する、と
いう所謂M系列信号を用いた相関法により上記第2の伝
達関数を同定する同定フィルタ制御手段と、を具備する
ものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】なお、上記ディジタルフィルタ手段は、例
えば、これに上記第1の検出手段の出力信号のみを入力
し、この第1の検出手段の出力信号のみを処理させて、
その処理後の信号を上記適応フィルタ制御手段に入力さ
せる構成としてもよい。そして、上記同定フィルタ制御
手段の構成として、上記ディジタルフィルタ手段とは別
に、疑似信号またはこの疑似信号を上記レベル調整手段
によってレベル調整した後の信号と、この疑似信号がレ
ベル調整手段を介して第2の伝達関数に入力されている
状態にあるときの上記第2の検出手段の出力信号とが入
力され、これらの相関によって第2の伝達関数を推定す
る手段と、この推定して得た伝達関数を上記ディジタル
フィルタ手段の伝達関数として設定する手段と、を設け
る。このようにすれば、上記適応フィルタ制御手段によ
って適応型フィルタ手段を適応制御するという雑音除去
のための適応動作と、第2の伝達関数を正確に同定する
という同定動作とを、同時に実行するという所謂オンラ
イン同定(またはリアルタイム同定、若しくはバックグ
ラウンド同定とも言う)を実現できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】請求項3に記載の発明は、第1の伝達関数
を有する伝送路に入力される信号を検出する第1の検出
手段と、上記伝送路から出力される信号を検出する第2
の検出手段と、上記第1の検出手段の出力信号を処理し
て出力する適応型フィルタ手段と、この適応型フィルタ
手段の出力をレベル調整指令に従ってレベル調整した
後、これを上記伝送路へ放出するレベル調整手段と、上
記第1及び第2の検出手段の各出力信号が入力され、こ
れらに応じて、上記適応型フィルタ手段の伝達関数と、
上記レベル調整手段の伝達関数と、このレベル調整手段
の出力側から上記伝送路の一部を経て上記第2の検出手
段までの間に存在する第2の伝達関数と、の合成による
第2の合成伝達関数が、上記第1の伝達関数と相補する
状態に、上記適応型フィルタ手段の伝達関数を制御する
適応フィルタ制御手段と、疑似信号を生成してこれを上
記レベル調整手段によってレベル調整した後上記第2の
伝達関数に入力する疑似信号生成手段と、上記疑似信号
が上記第2の伝達関数に対して非入力状態にあるときの
上記第2の検出手段の出力信号の信号レベルを検出し、
この検出して得た信号レベルに対応する上記第2の検出
手段による検出位置での上記伝送路内の信号のレベル
と、上記疑似信号が上記レベル調整手段を介して上記第
2の伝達関数に入力されるときの上記第2の検出手段に
よる検出位置での該疑似信号の信号レベルとが、略同等
となる状態に、上記レベル調整指令を生成するレベル制
御手段と、上記第1の検出手段と上記適応フィルタ制御
手段との間に介在して上記レベル調整手段の伝達関数と
上記第2の伝達関数との合成による第3の合成伝達関数
を同定するディジタルフィルタ手段を含み、上記疑似信
号が上記第2の伝達関数に対して非入力状態にあると
き、上記ディジタルフィルタ手段の伝達関数を固定する
と共に、該ディジタルフィルタ手段により上記第1の検
出手段の出力信号を処理した後の信号を上記適応フィル
タ制御手段に入力して該適応フィルタ制御手段による上
記適応型フィルタ手段の伝達関数の制御を実行し、上記
疑似信号が上記レベル調整手段を介して上記第2の伝達
関数に入力されている状態にあるとき、上記適応フィル
タ制御手段による上記適応型フィルタ手段の伝達関数の
制御を停止して該適応型フィルタ手段の伝達関数を固定
すると共に、上記疑似信号を上記ディジタルフィルタ手
段に入力し、このディジタルフィルタ手段による処理後
の信号と上記第2の検出手段の出力信号とが略同等とな
る状態に、上記ディジタルフィルタ手段の伝達関数を制
御する同定フィルタ制御手段と、を具備するものであ
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】請求項4に記載の発明は、第1の伝達関数
を有する伝送路に入力される信号を検出する第1の検出
手段と、上記伝送路から出力される信号を検出する第2
の検出手段と、上記第1の検出手段の出力信号を処理し
て出力する適応型フィルタ手段と、この適応型フィルタ
手段の出力をレベル調整指令に従ってレベル調整した
後、これを上記伝送路へ放出するレベル調整手段と、上
記第1及び第2の検出手段の各出力信号が入力され、こ
れらに応じて、上記適応型フィルタ手段の伝達関数と、
上記レベル調整手段の伝達関数と、このレベル調整手段
の出力側から上記伝送路の一部を経て上記第2の検出手
段までの間に存在する第2の伝達関数と、の合成による
第2の合成伝達関数が、上記第1の伝達関数と相補する
状態に、上記適応型フィルタ手段の伝達関数を制御する
適応フィルタ制御手段と、M系列信号から成る疑似信号
を生成してこれを上記レベル調整手段によってレベル調
整した後上記第2の伝達関数に入力する疑似信号生成手
段と、上記疑似信号が上記第2の伝達関数に対して非入
力状態にあるときの上記第2の検出手段の出力信号の信
号レベルを検出し、この検出して得た信号レベルに対応
する上記第2の検出手段による検出位置での上記伝送路
内の信号のレベルと、上記疑似信号が上記レベル調整手
段を介して上記第2の伝達関数に入力されるときの上記
第2の検出手段による検出位置での該疑似信号の信号レ
ベルとが、略同等となる状態に、上記レベル調整指令を
生成するレベル制御手段と、上記第1の検出手段と上記
適応フィルタ制御手段との間に介在して上記レベル調整
手段の伝達関数と上記第2の伝達関数との合成による第
3の合成伝達関数を同定するディジタルフィルタ手段を
含み、上記疑似信号と、この疑似信号が上記レベル調整
手段を介して上記第2の伝達関数に入力されている状態
にあるときの上記第2の検出手段の出力信号とが入力さ
れ、これらの相関によって上記第3の合成伝達関数を推
定し、この推定して得た伝達関数を上記ディジタルフィ
ルタ手段の伝達関数として設定する同定フィルタ制御手
段と、を具備するものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】即ち、本請求項4に記載の発明の能動型雑
音除去装置も、上記請求項3に記載の発明の能動型雑音
除去装置と同様に、適応型フィルタ手段の出力をレベル
調整手段を介して伝送路に放出すると共に、レベル調整
手段の伝達関数と第2の伝達関数との合成による第3の
合成伝達関数を、ディジタルフィルタ手段による同定対
象とするものである。そして、この第3の合成伝達関数
を同定する際、上述した請求項2に記載の発明の能動型
雑音除去装置と同様に、疑似信号と上記第2の検出手段
の出力信号との相関によって上記第3の合成伝達関数を
同定する、という所謂M系列信号を用いた相関法を利用
する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】次に、上記LMS演算部6による適応フィ
ルタ5の適応動作を停止して、この適応フィルタ5を、
その伝達関数Wk が固定の単なるFIRフィルタとして
機能させる。なお、このときの適応フィルタ5の伝達関
数Wk は、これ自体の適応動作を停止した時点での伝達
関数Wk とする。これと同時に、疑似信号発生器15か
ら疑似信号m(k) を発生させると共に、今度は、LMS
演算部16によるFIRフィルタ14の適応動作を実行
することによって、二次音路Cを正確に同定する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】また、FIRフィルタ14によって二次音
路Cを同定するのにLMSアルゴリズムを用いたが、こ
れ以外のアルゴリズムを用いてもよいし、これらのアル
ゴリズムを用いない他の方法によって、上記二次音路C
を同定してもよい。例えば、疑似信号m(k) と誤差信号
ε(k) との相関によって二次音路Cを同定(推定)す
る、所謂M系列信号を用いた相関法により上記二次音路
Cを同定してもよい。このようにM系列信号を用いた相
関法により上記二次音路Cを同定する態様が、特許請求
の範囲の請求項2に記載の発明に対応する。また、二次
音路Cの出力(二次音路Cを通過させた後の疑似信号m
(k) )を、この二次音路Cの入力信号(即ち疑似信号m
(k) )で除算する(詳しくは、これら各入出力信号を周
波数領域に変換した上で上記除算を行う)ことによって
も、上記二次音路Cを求めることができる。更に、一般
に知られているクロススペクトル法を用いて、上記二次
音路Cを求めてもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】なお、本第2の実施の形態においても、上
記二次音路Cを同定(推定)するのに、上述した相関法
を用いてもよい。このように、本第2の実施の形態にお
いて、上記相関法により二次音路Cを同定する態様もま
た、特許請求の範囲の請求項2(及び5)に記載の発明
に対応する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】なお、本第3の実施の形態の構成が、特許
請求の範囲の請求項3(及び5)に記載の発明に対応す
る。そして、本第3の実施の形態における上記合成伝達
関数[Wk ×L×C]が、請求項3に記載の発明の第2
の合成伝達関数に対応し、FIRフィルタ14が同定
(補償)の対象とする合成伝達関数[L×C]が、第3
の合成伝達関数に対応する。また、本第3の実施の形態
においても、上記合成伝達関数[L×C]を同定(推
定)するのに、上述した相関法を用いてもよい。このよ
うに、本第3の実施の形態において、上記相関法により
合成伝達関数[L×C]を同定する態様が、特許請求の
範囲の請求項4(及び5)に記載の発明に対応する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】なお、本第4の実施の形態においても、上
記二次音路Cを同定(推定)するのに、上述した相関法
を用いてもよい。このように、本第4の実施の形態にお
いて、上記相関法により二次音路Cを同定する態様もま
た、特許請求の範囲の請求項4(及び5)に記載の発明
に対応する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明の能動型雑音除去
装置によれば、この能動型雑音除去装置によって完全に
除去されずに残っている雑音のレベルに応じて、疑似信
号の信号レベルも、第2の伝達関数を同定するのに必要
かつ十分なレベルに自動的に調整される。従って、この
能動型雑音除去装置の雑音除去効果が向上して、雑音が
小さくなると、この雑音レベルの変化に応じて、上記疑
似信号も小さくなるので、疑似信号(同定音)が目立っ
てしまうという上述した従来技術の問題点を解決でき
る。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】また、本発明の能動型雑音除去装置では、
上記雑音の残留成分のレベルを検出し、このレベルに応
じて、疑似信号の信号レベルを調整するという極めて簡
単な処理によって、上記従来技術の問題点を解決してい
る。従って、これらの処理を実行するレベル制御手段及
びレベル調整手段を、簡単かつ安価に構成できるので、
低コストで本発明の能動型雑音除去装置を実現できると
いう効果がある。また、このように、レベル制御手段及
びレベル調整手段を簡単かつ安価な構成としても、それ
ぞれの処理内容が極めて簡単であるので、処理の高速性
を確保できる。これらの効果は、アクティブ消音装置等
の音波を除去することを目的とする装置においても得ら
れる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】削除
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】削除
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】削除
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03H 21/00 G10K 11/16 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の伝達関数を有する伝送路に入力さ
    れる信号を検出する第1の検出手段と、 上記伝送路から出力される信号を検出する第2の検出手
    段と、 上記第1の検出手段の出力信号を処理してこれを上記伝
    送路へ放出する適応型フィルタ手段と、 上記第1及び第2の検出手段の各出力信号が入力され、
    これらに応じて、上記適応型フィルタ手段の伝達関数
    と、この適応型フィルタ手段の出力側から上記伝送路を
    経て上記第2の検出手段までの間に存在する第2の伝達
    関数と、の合成による第1の合成伝達関数が、上記第1
    の伝達関数と相補する状態に、上記適応型フィルタ手段
    の伝達関数を制御する適応フィルタ制御手段と、 疑似信号を生成する疑似信号生成手段と、 上記疑似信号の信号レベルをレベル調整指令に従って調
    整した後、これを上記第2の伝達関数に入力するレベル
    調整手段と、 上記疑似信号が上記第2の伝達関数に対して非入力状態
    にあるときの上記第2の検出手段の出力信号の信号レベ
    ルを検出し、この検出して得た信号レベルに対応する上
    記第2の検出手段による検出位置での上記伝送路内の信
    号のレベルと、上記疑似信号が上記レベル調整手段を介
    して上記第2の伝達関数に入力されるときの上記第2の
    検出手段による検出位置での該疑似信号の信号レベルと
    が、略同等となる状態に、上記レベル調整指令を生成す
    るレベル制御手段と、 上記第1の検出手段と上記適応フィルタ制御手段との間
    に介在して上記第2の伝達関数を同定するディジタルフ
    ィルタ手段を含み、上記疑似信号またはこの疑似信号を
    上記レベル調整手段によってレベル調整した後の信号
    と、この疑似信号が上記レベル調整手段を介して上記第
    2の伝達関数に入力されている状態にあるときの上記第
    2の検出手段の出力信号とが入力され、これらに応じ
    て、上記第2の伝達関数と上記ディジタルフィルタ手段
    の伝達関数とが近似する状態に、上記ディジタルフィル
    タ手段の伝達関数を制御する同定フィルタ制御手段と、
    を具備する能動型雑音除去装置。
  2. 【請求項2】 上記ディジタルフィルタ手段が、これに
    上記第1の検出手段の出力信号のみが入力され、この第
    1の検出手段の出力信号のみを処理して、その処理後の
    信号を上記適応フィルタ制御手段に入力する状態に構成
    され、 上記同定フィルタ制御手段が、上記ディジタルフィルタ
    手段とは別に、上記疑似信号またはこの疑似信号を上記
    レベル調整手段によってレベル調整した後の信号と、こ
    の疑似信号が上記第2の伝達関数に入力されている状態
    にあるときの上記第2の検出手段の出力信号とが入力さ
    れ、これらに応じて上記第2の伝達関数と略等価な伝達
    関数を導出する第1の伝達関数導出手段を備え、この第
    1の伝達関数導出手段によって導出して得た伝達関数を
    上記ディジタルフィルタ手段の伝達関数として設定する
    第1の設定手段を備えた請求項1に記載の能動型雑音除
    去装置。
  3. 【請求項3】 第1の伝達関数を有する伝送路に入力さ
    れる信号を検出する第1の検出手段と、 上記伝送路から出力される信号を検出する第2の検出手
    段と、 上記第1の検出手段の出力信号を処理して出力する適応
    型フィルタ手段と、 この適応型フィルタ手段の出力をレベル調整指令に従っ
    てレベル調整した後、これを上記伝送路へ放出するレベ
    ル調整手段と、 上記第1及び第2の検出手段の各出力信号が入力され、
    これらに応じて、上記適応型フィルタ手段の伝達関数
    と、上記レベル調整手段の伝達関数と、このレベル調整
    手段の出力側から上記伝送路を経て上記第2の検出手段
    までの間に存在する第2の伝達関数と、の合成による第
    2の合成伝達関数が、上記第1の伝達関数と相補する状
    態に、上記適応型フィルタ手段の伝達関数を制御する適
    応フィルタ制御手段と、 疑似信号を生成してこれを上記レベル調整手段によって
    レベル調整した後上記第2の伝達関数に入力する疑似信
    号生成手段と、 上記疑似信号が上記第2の伝達関数に対して非入力状態
    にあるときの上記第2の検出手段の出力信号の信号レベ
    ルを検出し、この検出して得た信号レベルに対応する上
    記第2の検出手段による検出位置での上記伝送路内の信
    号のレベルと、上記疑似信号が上記レベル調整手段を介
    して上記第2の伝達関数に入力されるときの上記第2の
    検出手段による検出位置での該疑似信号の信号レベルと
    が、略同等となる状態に、上記レベル調整指令を生成す
    るレベル制御手段と、 上記第1の検出手段と上記適応フィルタ制御手段との間
    に介在して上記レベル調整手段の伝達関数と上記第2の
    伝達関数との合成による第3の合成伝達関数を同定する
    ディジタルフィルタ手段を含み、上記疑似信号と、この
    疑似信号が上記レベル調整手段を介して上記第2の伝達
    関数に入力されている状態にあるときの上記第2の検出
    手段の出力信号とが入力され、これらに応じて、上記第
    3の合成伝達関数と上記ディジタルフィルタ手段の伝達
    関数とが近似する状態に、上記ディジタルフィルタ手段
    の伝達関数を制御する同定フィルタ制御手段と、を具備
    する能動型雑音除去装置。
  4. 【請求項4】 上記ディジタルフィルタ手段が、これに
    上記第1の検出手段の出力信号のみが入力され、この第
    1の検出手段の出力信号のみを処理して、その処理後の
    信号を上記適応フィルタ制御手段に入力する状態に構成
    され、 上記同定フィルタ制御手段が、上記ディジタルフィルタ
    手段とは別に、上記疑似信号と、この疑似信号が上記レ
    ベル調整手段を介して上記第2の伝達関数に入力されて
    いる状態にあるときの上記第2の検出手段の出力信号と
    が入力され、これらに応じて上記第3の合成伝達関数と
    略等価な伝達関数を導出する第2の伝達関数導出手段を
    備え、この第2の伝達関数導出手段によって導出して得
    た伝達関数を上記ディジタルフィルタ手段の伝達関数と
    して設定する第2の設定手段を備えた請求項3に記載の
    能動型雑音除去装置。
  5. 【請求項5】 上記伝送路に入力される信号が、音波で
    あって、上記能動型雑音除去装置が、上記音波を除去す
    る能動型消音装置であることを特徴とする請求項1、
    2、3または4に記載の能動型雑音除去装置。
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