JPH11310062A - 変速機を備えた車両の動力制御装置 - Google Patents

変速機を備えた車両の動力制御装置

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JPH11310062A
JPH11310062A JP10119770A JP11977098A JPH11310062A JP H11310062 A JPH11310062 A JP H11310062A JP 10119770 A JP10119770 A JP 10119770A JP 11977098 A JP11977098 A JP 11977098A JP H11310062 A JPH11310062 A JP H11310062A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の動力性能およびその車両に搭載された
変速機の耐久性を向上させる。 【解決手段】 原動機から変速機にトルクを伝達し、か
つその変速機で変速して出力する変速機を備えた車両の
動力制御装置であって、変速機に対する入力側の前記原
動機を含む回転部材の回転変化による慣性トルクを求め
る慣性トルク算定手段(ステップ3)と、変速機に許容
される入力トルクの上限値を前記慣性トルクで補正した
値を前記原動機の出力トルク上限値とする出力トルク上
限値設定手段(ステップ4)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無段変速機など
の変速機によってエンジンなどの原動機の出力を変速す
るように構成された車両の動力を制御する装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】車両の走行状態は、走行路の状況によっ
て多様に変化するうえに、車両に要求される駆動力も多
様である。これに対して車両に搭載されている原動機の
トルク特性は、その構造によって決まってしまい、走行
状態に応じた要求の全てを満たす特性にはなっていな
い。例えばガソリンエンジンなどの内燃機関は低回転数
では出力トルクが小さく、したがって発進時に要求され
るトルクを満たすことができず、また反対に高速走行時
には小さいトルクでよいにも関わらず、内燃機関の出力
トルクが大きくなる。このように車両に要求される駆動
力と原動機の出力とが一致しない場合があるので、一般
的な車両では原動機の出力トルクを変速機で増減するよ
うに構成している。
【0003】ところで変速機は多数の部品によって構成
されているが、その大きさには自ずと制限があるから、
その強度あるいは耐久性などの点から入力トルクが制限
される。一例として、ベルト式の無段変速機について説
明すると、この種の変速機では、多数の金属片(駒ある
いはブロックと称されることもある)を密着状態に環状
に並べ、これを金属ベルト(フープと称されることもあ
る)によって保持することよりベルトが構成されてい
る。このベルトをそれぞれ固定シーブと可動シーブとに
よって構成される入力側のプーリと出力側のプーリとに
巻き掛け、それぞれのプーリの溝幅を変化させることに
より、ベルトの巻き掛け半径を変化させ、これによって
変速比を変更するように構成されている。その場合のト
ルクの伝達は、互いに密着している金属片がプーリとの
接触面での摩擦力によってトルクを受け、隣接する金属
片を押すことによっておこなわれ、したがってフープに
は、伝達するトルクが張力として直接作用することはな
い。しかしながら、金属片とプーリとの接触圧力を維持
するための反力がフープに張力として作用し、これは、
伝達トルクが増大することによって前記接触圧力が増大
するから、トルクの増大に応じて大きくなる。またフー
プは、ベルトがプーリに巻き掛けられて湾曲することに
より曲げ応力を受け、その分、フープの張力が増大す
る。このようにしてフープに作用する張力がフープの許
容応力以下になるように伝達トルクが制約される。
【0004】この種のベルト式無段変速機におけるベル
トの耐久性を向上させるためにエンジン出力を制限する
装置が特開平4−357358号公報に記載されてい
る。この公報に記載された装置は、無段変速機に入力さ
れるトルクを、クラッチを滑らせることにより制限する
ことに替えて、エンジン出力を低下もしくは制限するこ
とを特徴とする装置である。具体的には、ベルトに過負
荷が掛かりそうな状態をエンジン回転数および入出力側
の各プーリの回転数から求め、ベルトに過負荷が掛かる
ことが判断された場合にエンジンの出力を低下させるよ
うに構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置に
おいては、エンジン回転数および入出力側の各プーリの
回転数に基づいて、ベルトに過負荷が掛かりそうな状態
を判断しているが、その回転数を検出した時点でのエン
ジンや変速機の動作状態が安定して継続する場合には、
変速機に入力されるトルクを、ベルトの耐久性が低下し
ないように抑制することができる。しかしながら、エン
ジンなどの回転部材の回転変化が生じている状態では、
変速機に対する入力トルクが連続的に変化するうえに、
回転数変化に伴うトルクが変速機の入力トルクに影響す
るので、エンジンや各プーリの回転数のみに基づいて変
速機の入力トルクを制限するとすれば、変速機に過剰な
トルクが入力されたり、あるいは反対にエンジン出力が
不必要に抑制されて車両の動力性能が低下する可能性が
ある。
【0006】この発明は、上記の事情を背景にしてなさ
れたものであり、変速機の耐久性を向上させることがで
き、しかも車両の動力性能を向上させることのできる動
力制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、変速機の入力側の回
転部材の回転変化に伴う慣性トルクをエンジントルクに
加味して変速機の入力トルクとして把握し、その慣性ト
ルクを含む入力トルクが、変速機の許容最大トルクを超
えないようにエンジントルクの最大値を制限するように
構成したことを特徴とするものである。
【0008】より具体的には、この発明は、原動機から
変速機にトルクを伝達し、かつその変速機で変速して出
力する変速機を備えた車両の動力制御装置において、前
記変速機に対する入力側の前記原動機を含む回転部材の
回転変化による慣性トルクを求める慣性トルク算定手段
と、前記変速機に許容される入力トルクの上限値を前記
慣性トルクで補正した値を前記原動機の出力トルク上限
値とする出力トルク上限値設定手段とを備えていること
を特徴とするものである。
【0009】この発明の装置では、原動機の出力の増大
要求あるいは低下要求などの走行状態に対する要求があ
って、変速機の入力側の原動機を含む回転部材の回転変
動があると、その回転数変化に伴う慣性トルクが算出さ
れる。回転数が増大する場合には、慣性トルクがいわゆ
る抵抗として作用するから、その慣性トルクを変速機に
許容される入力トルクの上限値に加えた値が、原動機の
出力トルク上限値とされる。また反対に、回転数が低下
する場合には、その際の慣性トルクが変速機の入力トル
クを増大させることになり、したがってこの場合は、そ
の慣性トルクを変速機に許容される入力トルクの上限値
から減算した値が、原動機の出力トルク上限値とされ
る。その結果、車両の加速時には、原動機の出力トルク
上限値が従来に比較して増大させられ、車両としての動
力性能が向上する。また減速時には、慣性トルクに応じ
て原動機の出力トルク上限値を低下させるので、変速機
に過剰なトルクが入力されることがなく、その耐久性を
向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ずこの発明が対象とする車両の駆動機構
の一例を説明すると、図2において、原動機1の出力軸
2が伝動装置3に連結されている。ここで、原動機1
は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃
機関あるいはモータなどの電動機、さらにはこれら内燃
機関と電動機とを組み合わせた装置など、車両に使用可
能な種々の動力源を含む。
【0011】この原動機1は電気的に制御できるように
構成されており、その制御のためのマイクロコンピュー
タを主体とする電子制御装置(ECU)4が設けられて
いる。この制御装置4は、少なくとも原動機1の出力を
制御するように構成されており、その制御のためのデー
タとして出力軸回転数Ne とアクセル開度Accなどの出
力要求信号とが入力されている。この出力要求信号は、
要は、原動機1の出力の増大・減少のための信号であ
り、運転者が操作するアクセルペダル(図示せず)の操
作量信号Acc以外に、電子スロットルバルブを備えた原
動機1の場合には、その電子スロットルバルブの開度制
御信号や、車速を設定車速に維持するためのクルーズコ
ントロールシステム(図示せず)などからの出力制御信
号を含む。
【0012】また、伝動装置3は、車両が停止している
状態であっても原動機1を回転させておくことができる
ようにするためのものであり、摩擦板を圧接することに
よりトルクを伝達する一般的なクラッチや流体継手(フ
ルードカップリング)や流体式のトルクコンバータある
いはロックアップクラッチを内蔵したトルクコンバー
タ、電磁クラッチ、パウダークラッチなどの必要に応じ
て種々のものを採用することができる。
【0013】この伝動装置3が変速機5の入力軸6に連
結されている。この変速機5は、要は、入力軸6と出力
軸7との回転数の比率を変更するための機構である。そ
してこの変速機5としては、有段式の変速機、無段変速
機(ベルト式あるいはトロイダル式など)、手動変速機
あるいは自動変速機、常時噛み合い式あるいは選択噛み
合い式の変速機など、必要に応じて各種の形式・構成の
ものを採用することができる。この変速機5として無段
変速機を採用した場合には、その出力軸7が前後進切換
機構8に連結される。この前後進切換機構8としては、
歯車の噛合状態を変更することによって前進・後進を切
り換える構成のものや遊星歯車機構を主体に構成したも
のなどを用いることができる。
【0014】上記の駆動機構では、アクセル開度Accな
どの出力要求信号が変化することにより、原動機1の出
力が増減され、前記伝動機構3がトルクを伝達する状態
になっていれば、これら原動機1や伝動機構3などの入
力側の回転部材の回転数が変化し、同時に変速機5に対
する入力トルクが変化する。これに対して変速機5に許
容される入力トルクは、機械的な強度や耐久性の点で制
約されているから、原動機1を制御することに伴って変
化する変速機5の入力トルクが許容値を超えないように
制御される。図1に示す制御ルーチンは原動機1として
エンジン(内燃機関)を使用した場合のその出力最大値
を設定するためのものである。
【0015】エンジンの出力トルクは、その排気量など
の仕様ごとにアクセル開度Accあるいはスロットル開度
などの出力要求量および回転数Ne によって決まり、し
たがって図1に示す制御ルーチンでは、ステップ1にお
いて、予め用意したマップおよびマップ値を補間する関
数を用いて、アクセル開度Accおよび回転数Ne からエ
ンジントルクTe を求める。
【0016】また一方、エンジン回転数変化速度ΔNtr
anを読み込む(ステップ2)。このエンジン回転数変化
速度ΔNtranは、一定時間毎にエンジン回転数を検出す
るとともに、その検出値の差から単位時間当たりの回転
数変化量を算出することにより求まる。なお、前記伝動
装置3がいわゆる完全係合状態であって原動機1と変速
機5の入力軸6とが実質的に一体化されている場合に
は、エンジン回転数変化速度ΔNtranは、変速機5の入
力側の回転部材の回転数の変化速度になる。
【0017】つぎに上記の回転数変化速度ΔNtranから
変速機5の入力側の慣性トルクTiを算出する(ステッ
プ3)。その演算式はTi =I×2π×ΔNtran/60
である。ここでIは、変速機5の入力側のエンジンを含
む回転部材の慣性モーメントであり、これは予め求めて
おくことができる。したがってこのステップ3の機能が
この発明における慣性トルク算定手段に相当する。
【0018】以上のようにして算定された慣性トルクT
i を変速機5の最大許容入力トルクTmmaxに加え、これ
をエンジン上限トルクTemaxとする(ステップ4)。こ
こで変速機5の最大許容入力トルクTmmaxは変速機5の
構造に応じて予め決められており、例えばベルト式の無
段変速機においては、ベルトの強度によってほぼ決定さ
れる。また前記慣性トルクTi は、回転数が増大するこ
とにより回転数変化速度ΔNtranが正であれば正の値に
なり、反対に回転数が減少する場合には回転数変化速度
ΔNtranが負になる。したがってエンジン上限トルクT
emaxの値は、回転数が増大する場合の方が回転数が減少
する場合より大きくなる。このステップ4がこの発明に
おける出力トルク上限値設定手段に相当する。
【0019】前述したステップ1で求められたエンジン
トルクTe が上記のエンジン上限トルクTemaxより小さ
いか否かが判断される(ステップ5)。このステップ5
で肯定判断されれば、エンジンのその時点の出力によっ
て変速機5に対する入力トルクが最大許容値を超えるこ
とがないので、リターンする。これとは反対にステップ
5で否定判断されれば、慣性トルクを含む変速機5の入
力トルクが最大許容値を超えることになるので、エンジ
ントルクTe がステップ4で算出された上限トルクTem
axに設定される(ステップ6)。すなわちアクセル開度
Accおよび回転数Ne に基づいて定まるトルクTe が上
限トルクTemaxに制限され、ステップ6がエンジントル
ク制限手段として機能する。
【0020】図3は、上記の制御をおこなった場合のタ
イムチャートを示している。所定の車速で走行中のt0
時点にアクセルペダルが踏み込まれ、アクセル開度Acc
が例えば全開もしくは全開に近い大きい開度になると、
その開度に応じたエンジンの目標回転数Netが設定され
る。その目標回転数Netは、到達するべき最終的な回転
数とその回転数に所定時間内に到達するまでの途中の回
転数もしくは回転数の増大勾配として設定され、したが
って図3で斜めの線として示されている。
【0021】エンジンを含む入力側の回転部材の回転数
がその目標回転数に向けて増大する場合、前述した慣性
モーメントに基づく慣性トルクTi が正の値として現
れ、それに応じてエンジン上限トルクTemaxが、慣性ト
ルクを考慮しない値(図3においてt0 時点以前の値)
より大きくなる。したがってアクセルペダルが最大限に
踏み込まれている場合には、エンジントルクTe が上限
トルクTemaxまで増大させられる。その出力は、変速機
5に対して過負荷とならない範囲で、回転変化に伴う慣
性トルクを考慮した過渡的な大きいトルクであり、慣性
トルクを考慮しない場合より大きいトルクであるから、
車両を加速する駆動トルクも充分大きくなり、車両の動
力性能が向上する。
【0022】エンジンを含む入力側の回転部材の回転数
が目標回転数Netに達すると、そのt1 時点以降では、
回転変化がないために慣性トルクTi がゼロになる。そ
のためエンジン上限トルクTemaxが従前の慣性トルクT
i 分小さくなり、それに伴ってエンジントルクTe が下
げられる。これは、変速機5に許容される最大入力トル
クに対応したトルクであるから、変速機5に過剰な負荷
が掛かったり耐久性が低下することはない。
【0023】そしてt2 時点にアクセルペダルが戻され
てアクセル開度Accが低下すると、その開度に対応した
目標回転数Netおよび所定時間内にその目標回転数に到
達する回転数の変化勾配が設定される。その際のエンジ
ンを含む入力側の回転部材の回転数変化および慣性モー
メントに基づいて慣性トルクTi が算定され、慣性トル
クTi に応じてエンジン上限トルクTemaxが低下させら
れる。したがってアクセル開度Accに基づいたエンジン
トルクTe が上限トルクを超えていれば、実際に出力さ
れるトルクは上限トルクTemaxに制限される。これは、
目標回転数Netに達するt3 時点まで、すなわち回転数
変化が生じている間、継続される。そのため、エンジン
トルクが慣性トルクを考慮しない場合よりも低下させら
れ、それに伴って変速機5の入力トルクが許容される最
大値に維持されるから、変速機5に過剰なトルクが入力
されたり、それに伴って耐久性が低下したりすることが
防止される。
【0024】なお、上記の具体的な例では、アクセルペ
ダルの操作に伴う信号に基づいて回転数変化が生じる場
合を説明したが、例えばクルーズコントロールなどの電
気的にスロットル開度や原動機の出力を制御する場合に
も変速機の入力側の回転数変化が生じるので、このよう
な車両でも上述の具体例と同様に制御することとしても
よい。また上記の具体例では、アクセル開度の変化に伴
う変速およびそれに起因する入力側の回転数の変化があ
った場合の制御として説明したが、これ以外に例えば手
動で変速操作をおこなって変速比を変化させ、それに伴
って変速機の入力側の回転数が増大もしくは減少させら
れる場合にも、この発明を適用することができる。すな
わちこの発明における入力側の回転数の変化は、原動機
に対する出力の変更要求によるものに限定されない。さ
らに、この発明は、内燃機関と電動機とを備えた車両に
おける動力の制御装置にも適用することができるのであ
り、その場合、内燃機関の出力を一定に維持して電動機
の出力で駆動力をアシストすることもあるので、このい
わゆるアシスト走行モードの場合には、電動機と内燃機
関との少なくとも一方の出力トルクを制御することとす
ればよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、変速機の入力側の回転部材の回転数が変化すること
によって変速機の入力トルクが増減することに鑑み、そ
の回転部材の回転数変化に起因する慣性トルクに応じて
原動機の出力トルクの上限値を増減することとしたか
ら、その慣性トルクを考慮しない場合に比較して、原動
機の出力トルクを不必要に制限したり、また反対に過剰
に大きくしたりすることが防止され、その結果、車両の
加速力などの動力性能を向上させることができるととも
に、変速機の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装置によるエンジン上限トルクの
制御例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明で対象とすることのできる駆動機構
の一例を模式的に示すブロック図である。
【図3】 図1に示す制御をおこなった場合のタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
1…原動機、 3…伝動機構、 5…変速機。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機から変速機にトルクを伝達し、か
    つその変速機で変速して出力する変速機を備えた車両の
    動力制御装置において、 前記変速機に対する入力側の前記原動機を含む回転部材
    の回転変化による慣性トルクを求める慣性トルク算定手
    段と、 前記変速機に許容される入力トルクの上限値を前記慣性
    トルクで補正した値を前記原動機の出力トルク上限値と
    する出力トルク上限値設定手段とを備えていることを特
    徴とする変速機を備えた車両の動力制御装置。
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Cited By (7)

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