JPH11311521A - 慣性量センサ - Google Patents

慣性量センサ

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JPH11311521A
JPH11311521A JP10134424A JP13442498A JPH11311521A JP H11311521 A JPH11311521 A JP H11311521A JP 10134424 A JP10134424 A JP 10134424A JP 13442498 A JP13442498 A JP 13442498A JP H11311521 A JPH11311521 A JP H11311521A
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JP
Japan
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mass body
amount sensor
drive electrode
inertial
inertial amount
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JP10134424A
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English (en)
Inventor
Kenta Hatano
健太 波多野
Kazusuke Maenaka
一介 前中
Muneo Maeda
宗雄 前田
Takio Kojima
多喜男 小島
Takuya Mizuno
卓也 水野
Toshiyuki Matsuoka
俊幸 松岡
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロマシニング技術を用いて一体的に作
製することができ、角速度及び加速度の検出が可能な、
多軸タイプの慣性量センサを提供する。 【解決手段】 本慣性量センサ1はデバイス部2と基板
部3とからなる。デバイス部2はシリコン単結晶体製で
あり、質量体21、弾性体22、及び駆動電極23とを
備える。この駆動電極23は櫛歯状電極であり、交流電
圧を印加して静電気力を生じさせることにより、質量体
21を回転振動させる。基板部3は、基台31と検出電
極32とを備える。この基台31はパイレックスガラス
製で、質量体21及び駆動電極23を自由に回動できる
ように支持する。このような慣性量センサは角速度を検
出する検出電極32を用いて回転中心軸方向の加速度も
検出することができ、多軸方向の複数の慣性量を同時に
求めることができる。また、デバイス部2の一体成型を
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の角速度を
測定するための振動型で多軸検知型の角速度が測定で
き、加えて、移動体の加速度も測定できる加速度センサ
の機能も合わせ持った慣性量センサに関する。本発明の
慣性量センサは、例えば、衝撃の検出、姿勢制御、ビデ
オカメラの手振れ検出や、車軸の制動の検出等に利用さ
れる。
【0002】
【従来の技術】シリコンマイクロマシニング技術を利用
したマイクロ振動型角速度センサとして、特開平7−
239339号公報や、特開平9−325032号公
報に開示されている振動型ジャイロセンサがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開平
7−239339号公報に開示の角速度センサでは、振
動や加速度といった外部からの外乱に対して、角速度を
受けたときの信号と同一の出力が出てしまうため、実際
の使用状態において誤差の成分が大きくなってしまう場
合があった。また、特開平9−325032号公報の
角速度センサでは参照振動源に、別に機械加工して得ら
れる圧電素子を使用しており、センサ全体をマイクロマ
シニング技術で製作することはできなかった。また、振
動板が複数個存在していたために、それら振動板の共振
周波数を高精度で一致させることは困難であり、センサ
感度の向上が難しかった。
【0004】更に、これらの角速度センサは角速度を検
出することができるが、加速度等の検出には、使用して
いなかった。本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、マイクロマシニング技術を用い
て一体的に作製することができ、角速度の検出だけでな
く加速度の検出も可能な、多軸タイプの慣性量センサを
提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本第1発明の慣性量セン
サは駆動電極23、該駆動電極により発生する静電気力
により中心軸回りに回転振動する質量体21、及び該質
量体を支持する少なくとも4本の弾性体22とを備える
単結晶シリコンからなるデバイス部2と、該デバイス部
を支持する基台31及び該基台上に設けられる検出電極
32とを備える基板部3と、からなる慣性量センサであ
って、上記基板部が上記デバイス部と平行に配置され、
上記検出電極が回転中心軸に垂直な面上で互いに直交す
る2本の軸上にそれぞれ2ヶ所ずつ、上記中心軸に対向
する位置に形成され、デバイス部及び該基板部が接合さ
れていることを特徴とする。
【0006】上記「デバイス部」の製作には、SOI
(Silicon On Insulator)ウエハ
等も使用することができる。更に、上記「基台部」の材
質についても、微細加工ができる絶縁材料であれば任意
に選択することができ、パイレックスガラス等を例とし
て挙げることができる。また、上記「質量体」の形状に
おいても容易に回転振動することができれば任意に選択
することができ、例えば、円盤や多角形盤(四角形盤、
五角形盤等を挙げることができる)等を挙げることがで
きる。更に、上記弾性体は上記質量体が容易に回転振動
できればその構成を任意に選択することができ、例えば
容易に伸縮できるバネ状体を挙げることができる。
【0007】本第2発明による慣性量センサは、上記直
交する2本の軸における一本の軸上にある2ヶ所の上記
検出電極により検出される静電容量の差から角速度を求
めるようにした慣性量センサであって、該2本の軸上で
検出される各々の上記角速度から直交する2軸回りの角
速度を求めることができる。このような慣性量センサは
2本の軸のそれぞれに、一本の軸上で対向する2枚の上
記「検出電極」を備えることにより、検出される各々の
角速度から直交する2軸回りの角速度を測定することが
できる。
【0008】本第3発明による慣性量センサは、上記基
台上に形成された全ての上記検出電極からそれぞれ検出
される静電容量の和から、上記質量体の回転中心軸方向
の加速度を求めることができる。本第4発明の慣性量セ
ンサは、上記質量体は円盤形状であり、上記駆動電極は
櫛歯形状に形成されており、この櫛歯状駆動電極が該質
量体の外周辺と平行な円弧形状に形成され、かつ上記回
転中心軸と対向する位置で少なくとも2ヶ所形成するこ
とができる。
【0009】本第5発明の慣性量センサは、上記駆動電
極はスリット形状に形成されており、一組のこのスリッ
ト状駆動電極の一方が上記質量体に形成され、他方が上
記基台部に形成することができる。この「スリット状駆
動電極」は、上記駆動電極がスリット形状に形成されて
いる。このような電極は例えば、一組のスリット状駆動
電極のうち、一方の電極が上記質量体に形成され、他方
の電極が基台部に形成することができる。また、本第6
発明の慣性量センサに示すように、上記駆動電極として
第4発明の櫛歯状駆動電極及び第5発明のスリット状駆
動電極を共に備えることができる。
【0010】本第7発明の慣性量センサは、上記質量体
の一部分を切り欠き、該質量体を該質量体の内部で上記
弾性体により支持することができる。このような弾性体
は、形状を直線状やジグザグ状等の任意の形状にするこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜14に示すように、
本発明の慣性量センサーを実施例によって詳細に説明す
る。 (1)慣性量センサの製造 以下に、本発明の慣性量センサの製造方法について説明
する。 (3−1)基板部の作製 始めに、基板部3を図7に示す加工プロセスにより作製
した。まず、厚さ1mmの平板状パイレックスガラスに
フォトリングフィを用いてパターニングを行い、バッフ
ァードフッ酸によるエッチングによって、図7(a)に
示すような基台31を作製した。このエッチング深さは
3μmである。その後、エッチング部にクロム及び金を
それぞれ500Å及び4000Å厚でスパッタリングを
行い、更にパターニングすることによって、図7(b)
に示すように基台31上に検出用電極32を形成し、基
板部3とした。
【0012】(3−2)加工ウエハの作製 次に、最終的にはデバイス部1となる加工ウエハ42を
作製した。まず、図8(c)に示すように単結晶シリコ
ンウエハ41(N型、膜厚525μm)表面に酸化膜を
形成し、フォトリソグラフィによるパターンニングによ
って、図8(d)に示すように質量体及び弾性体等の形
状に酸化膜を加工した。その後、図8(e)に示すよう
に単結晶シリコンウエハ41をデバイス部2の厚さ(5
5μm)まで反応性イオンエッチング(RIEともい
う)を行い、単結晶シリコンウエハ41上に質量体及び
弾性体等のパターンを形成した。更に、図8(f)に示
すようにマスクとして使用した酸化膜をバッファードフ
ッ酸で除去して、再度、単結晶シリコンウエハ41の全
面を酸化し、加工ウエハ42とした。
【0013】(3−3)フローティング構造の作製 これら作製した基板部2及び加工ウエハ42を元に、フ
ローティング構造を作製した。まず、図9(g)に示す
ように基板部3と加工ウエハ42とを、加工ウエハ42
の質量体及び弾性体等の形成面が基板部3の検出電極形
成面と対向する向きで接合した。その後、図9(h)に
示すように加工ウエハ42裏面(つまりパターンを形成
していない面)の酸化膜を除去し、露出した単結晶シリ
コンを水酸化テトラメチルアンモニウムによりエッチン
グを行った。このとき、パターン部分が露出する手前ま
で単結晶シリコンのエッチングを行う。このエッチング
後の乾燥では、加工ウエハ42のパターン面と基板部3
上に形成された電極との間隔が微小であることによっ
て、乾燥途中で互いに張りついてしまう可能性があるた
めに、凍結乾燥によって乾燥処理を行った。その後、図
9(i)に示すように加工ウエハ42裏面からパターン
を露出するまで、RIEによりエッチングを行った。エ
ッチング後、バッファードフッ酸によりパターン面に形
成した酸化膜を除去し、前述した凍結乾燥処理を再び行
う。尚、駆動電極や検出電極の信号線は、パッド上及び
基台上にワイヤーボンディングを行うことよって取り出
される。このように作製された図1に示す慣性量センサ
1の大きさは縦横それぞれ5mmであり、厚さが1.0
5mmである。
【0014】(2)慣性量センサの構成 本発明の慣性量センサ1は図1〜3に示すように、デバ
イス部2と基板部3とからなる。このデバイス部2は、
シリコン単結晶体の平板をフォトリソグラフィやエッチ
ング等のマイクロマシニング技術を用いて成型すること
によって得られるものであり、図1及び図2に示すよう
に質量体21、弾性体22、及び駆動電極23とを備え
る。
【0015】質量体21は、円盤状であり、円盤の中心
を中心軸Cとして回転振動させるものである。また、波
形であって4本の弾性体22a、22b、22c、22
dの一端により4隅を支持されることによって、容易に
回転可能な状態となる(フローティング構造とい
う。)。尚、これら弾性体22a、22b、22c、2
2dのもう一端は、パッド25に固定されている。ま
た、図1及び図2に示すように、駆動電極23は一対の
質量体21の外周辺と平行な円弧状の櫛歯電極であり、
質量体21の外周に沿って等間隔に4対設けられてい
る。この駆動電極23を構成する1対の電極のうち、一
方の駆動電極231は駆動端子24に設けられ、他方の
駆動電極232は質量体と一体化して形成されている。
この駆動電極23に交流電圧を印加し、駆動電極23
1、232間に静電気力を生じさせることにより、質量
体21を回転振動させる。
【0016】基板部3は図1及び図3に示すように、基
台31と検出電極32とを備える。この基台31はパイ
レックスガラス製であり、支持部34によりデバイス部
2のパッド25を支え、質量体21及び駆動電極23を
自由に回動できるようにする。また、検出電極32は4
つの扇型の検出電極32a、32b、32c、32dと
からなり、また、質量体21の回転の中心軸Cに垂直な
面上で互いに直交する2本の軸上にそれぞれ2ヶ所ず
つ、中心軸Cを中心に対向する位置に配置されている。
この検出電極32は、質量体21の位置の変位を静電容
量の変化として検出する。
【0017】(3)慣性量センサの動作 本発明の慣性量センサ1の動作を図4〜図6に基づいて
説明する。尚、x軸とは図面における左右方向であり、
右向きを正とする。また、y軸とは図面における上下方
向であり、上向きを正とするとする。更に、z軸とは図
面における表裏方向であり、表向きを正とする。本慣性
量センサ1は図4に示すように、デバイス部2に形成さ
れた4対の駆動電極231、232によって発生する静
電気力により、質量体21に中心軸Cを軸としてz軸回
りの回転振動が励振され、コリオリ力の発生に必要な初
期回転振動が与えられる。この振動のある瞬間に注目し
た場合、質量体のa部はy軸の正方向、b部はx軸負方
向、c部はy軸負方向、d部はx軸正方向に変位してい
る。
【0018】このような状態で例えば、x軸まわりの角
速度が慣性量センサ1に加わると、図5に示すように、
角速度に比例したコリオリ力がa側にはz軸負方向、c
側にはz軸正方向に発生し、基台31に対して質量体2
1が質量体21’の位置に変位する。従って、基板部3
に設けられた検出電極32a、32cと質量体21との
距離が変化する(検出電極32aは質量体21に離れ、
検出電極32cは接近する)ため、質量体21と検出電
極32a間の静電容量と、質量体21と検出電極32c
間の静電容量との差が変化する。従って、角速度の大き
さに比例してこの静電容量差が変化するため、この静電
容量差を検出することで、慣性量センサ1に加わった回
転力の角速度が求められる。このように一対の検出電極
の静電容量の差を用いて検出することで、他の振動や加
速度といった別の因子の影響を低減することができる。
また、本発明の慣性量センサ1では、基台31上の4つ
の検出電極32a、32b、32c、32dが、互いに
直交する2本の軸上に形成されているため、2軸の角速
度を同時に且つ各々独立して測定することができる。
【0019】また、図4に示した振動状態でz軸正方向
に力が加わった場合、図6に示すように慣性力により質
量体21が基台31側へ接近するように質量体21’の
位置に変位し、質量体21と検出電極32a、32b、
32c、32dとの間の静電容量の和が変化する。この
とき、加速度の大きさに比例してこの静電容量の和が変
化するため、慣性量センサ1に加えられた力の加速度を
換算して求めることができる。
【0020】(4)慣性量センサの特性の評価 質量体21の中心軸C周りの共振特性を図10に示す。
デバイス部2に作製した質量体21を、図4に示すよう
に駆動電極23により発生する静電気力により中心軸C
周りに回動させ、駆動電極23の振動変位による一対の
駆動電極231、232間の静電容量変化を測定するこ
とにより、図10に示す共振特性が得られた。このとき
の共振周波数は2.134kHzであり、真空中での機
械的Q値は約8000であった。また、質量体21の回
転振動の共振状態を走査電子顕微鏡下で観察することに
より、30Vの交流駆動電圧の印加時に、真空中での質
量体21外周部での振動振幅が約30μmであることが
確認できた。
【0021】本慣性量センサ1の角速度検出特性を図1
1に示す。慣性量センサ1をターンテーブル上に載置し
て、図5に示すようなx軸周りの角速度を加えたときの
質量体21と検出電極32間の静電容量変化を測定する
ことにより、図11に示す結果が得られた。出力感度は
0.1mV/(rad/s)であった。本慣性量センサ
1に加えられた加速度に対する出力電気特性を図12に
示す。これは慣性量センサ1を加振機上に載置してか
ら、図6に示すようなz軸方向の加速度を加え、質量体
21と検出電極32間の静電容量変化を測定することに
よって求めた。本慣性量センサ1の出力感度は2mV/
Gであった。
【0022】また、慣性量センサに加えられた角速度を
検出するための電気回路系を図13に示す。検出電極3
2a、32b、32c、32dには、周波数がfaで位
相がそれぞれ順に90°異なる交流電圧が印加されてい
る。今、Ca、Cb、Cc、Cdをそれぞれ質量体と検
出電極32a、32b、32c、32dとの間の静電容
量とすると、出力V0には、周波数faで変化する、C
aとCcの差に比例した出力信号及びその出力信号とは
位相が90°ずれたCbとCdの差に比例した出力信号
が足し合わされて出力される。従って、この出力V0か
らCaとCcの差成分を取りだすには、この差成分と同
期した信号を参照信号として同期検波を行えばよく、そ
のためには容量Caに印加していた信号を参照信号に用
いればよい。この同期検波により出力V1が得られる。
【0023】同様に、出力V0から容量CbとCdとの
差成分を取り出すには、参照信号でCbに印加していた
信号を用いて同期検波すればよく、これにより、出力V
2が得られる。ここで、角速度が加えられていないとき
には、CaとCcあるいはCbとCdの間に差がないの
でV0の出力電圧は0であるが、角速度が加えられる
と、角速度に比例して発生するコリオリ力により容量に
差が生じて出力があらわれる。尚、このコリオリ力は質
量体の初期回転振動に同期して発生するので、CaとC
cの差及びCbとCdの差は初期回転振動に同期して変
化する。したがって、出力V1及びV2に対して、更に初
期回転振動を励振した駆動電圧信号を参照信号にして同
期検波を行うことにより、加えられた角速度に比例した
最終出力を得ることができる。
【0024】また、加えられた角速度と加速度とを同時
に検出するための電気回路系を図14に示す。検出電極
32a、32b、32c、32dには図13に示した交
流電圧に更に周波数がfbの交流電圧が重畳されて印加
される。ここで、周波数faと周波数fbとは、異なる
周波数である。周波数fbの信号は、検出電極32a、
32b、32c、32dに同位相に印加されているた
め、出力V3には、周波数fbで変化するCa、Cb、
Cc及びCdの和に比例した出力信号が、前述のV0に
あらわれた出力に足し合わされて発生する。この出力信
号V3から加えられた加速度に比例した出力を得るに
は、Ca、Cb、Cc及びCdの和成分に同期した参照
信号により同期検波をすればよく、そのためには、これ
らの検出電極に対して同相で印加した周波数fbの信号
を用いればよい。
【0025】尚、加えられた加速度により発生する慣性
力は、初期回転振動には同期して変化しないため、この
出力が加速度に比例した最終出力となる。一方、角速度
を検知する方法は、図13に示した方法と全く同様であ
り、したがって、図14に示した電気回路系で、角速度
と加速度の同時検知が可能となる。
【0026】(5)実施例の効果 本実施例の慣性量センサ1によれば、唯一の振動体であ
る質量体21を回転振動させているため、複数個の振動
体の場合に必要な共振周波数の合わせ込みといった複雑
な工程を必要としない。また、質量体21、弾性体22
及び駆動電極23は基台31と接触しないフローティン
グ構造となっているので、それぞれの動きを妨げられな
く、回転振動をさせることができる。
【0027】更に、角速度や加速度を検出する全ての検
出電極32を基台31上に設けたので、振動体である質
量体を簡素なものとすることができ、2軸回りの角速度
を検出することができる。また、角速度を検出する検出
電極32を用いて回転中心軸方向の加速度も検出するこ
とができ、多軸方向の複数の慣性量を同時に求めること
ができる。また、対向する対となった検出電極32から
測定される静電容量の差から角速度を検知するため、振
動や加速度、温度変化といった外乱からの影響を抑制す
ることができる。更に、駆動電極23を質量体21と一
体成型することができるため、慣性量センサ1の製造工
程を簡素なものとすることができる。
【0028】尚、本発明においては、上記実施例に限ら
ず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した
実施例とすることができる。即ち、上記の実施例では単
結晶シリコンウエハを用いて製作したが、これに限定さ
れるものではなくSOI(Silicon On In
sulator)ウエハを使用してもよく、この場合は
デバイス部の厚みを高精度で均一に形成することが可能
であり、更に、真空封止構造にも適している。
【0029】更に、慣性量センサ上の質量体を回転振動
させる駆動電極は任意の構成とすることができる。例え
ば図15に示すように、質量体21に回転振動を与える
手段として、基台31及び質量体21にスリット状駆動
電極231’、232’を形成し、このスリット状駆動
電極231’、232’間に交流電圧を印加すること
で、静電気力により質量体21を回転振動させることが
できる。このようなスリット状駆動電極231’、23
2’は、基板部3の基台31上とデバイス部2の質量体
21とにそれぞれ設けたものである。このデバイス部2
側スリット状駆動電極232’は、質量体21に中心軸
Cを軸として放射状の貫通孔211を設けることによっ
て形成される。また、基板部3側のスリット状駆動電極
231’は、質量体21の中心軸Cに垂直な面に対して
質量体21に形成した電極と対向となるように形成す
る。このような手段で質量体21を回転振動させる場
合、櫛歯形状の駆動電極による回転振動を行った場合に
発生する恐れのある、空気中の微小な塵により櫛歯状駆
動電極間の短絡や、櫛歯状駆動電極の加工精度不足によ
る回転振動時のこの櫛歯電極間の接触の問題を解決する
ことができる。また、この構成の慣性量センサにおける
角速度及び加速度の検出は、実施例における櫛歯状駆動
電極を用いた慣性量センサと同様に行うことができる。
【0030】更に、図16に示すように、慣性量センサ
に櫛歯状駆動電極23とスリット状駆動電極231’、
232’を同時に設けてもよい。このような回転振動を
与える方式としては、櫛歯状駆動電極23による静電気
力とスリット状駆動電極231’、232’による静電
気力の効果が足し合わされ、回転振動振幅が増大され
る。したがって櫛歯状駆動電極23あるいはスリット状
駆動電極231’、232’の一方のみで励振させる場
合よりも、角速度の検出感度を向上させることができ
る。
【0031】また、質量体21を支持する別の手段とし
て図17に示すように、弾性体22の長手方向に質量体
21の一部分を切り欠いた部位212を設け、質量体2
1をより中心寄りから支持するようすることができる。
このように質量体21を支持することによって、図4に
示すような回転運動における回転振動モードにおける共
振周波数が約30%減少し、更に図5に示すような角速
度が加えられたときに発生する検出振動モードの共振周
波数が約10%減少する。同時に弾性体が長くなること
によって弾性体の全体の剛性が減少して振動振幅量が約
3倍に増加する。これらの効果によって角速度の検出感
度を向上させることができる。
【0032】
【発明の効果】第1発明による慣性量センサによれば、
角速度や加速度を検出するための検出電極を基台上に設
けたので、振動体である質量体を簡素なものとすること
ができる。また、唯一の振動体である質量体を回転振動
させているため、複数個の振動体の共振周波数の合わせ
込みといった複雑な工程を必要としない。また、対向す
る2ヶ所の検出電極から測定される静電容量の差から角
速度を検知するため、振動や加速度、温度変化といった
外乱からの影響を抑制することができる。更に、直交す
るように配置した検出電極によって、第2発明に示すよ
うに2軸回りの角速度を求めることができるし、第3発
明に示すように回転軸方向の加速度も求めることができ
る。
【0033】第4発明に示す櫛歯状駆動電極を質量体と
一体成型することができるため、慣性量センサの製造工
程を簡素なものとすることができる。また、櫛歯電極を
質量体と平行、且つ円弧状に作製することによって、十
分な回転振動を容易に得ることができる。第5発明に示
すスリット状駆動電極を質量体の駆動電極とすること
で、空気中の微小な塵によって短絡することがなく、加
工精度が低くても使用に耐えるものとすることができ
る。第6発明に示すように櫛歯状駆動電極及びスリット
状駆動電極を共に用いることで、回転振動振幅が増大さ
れ、角速度の検出感度を向上させることができる。
【0034】第7発明に示すように質量体21をより中
心寄りから支持することによって、各モードにおける共
振周波数が減少し、角速度の検出感度を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における慣性量センサの外観を示す説明
斜視図である。
【図2】実施例における慣性量センサを構成するデバイ
ス部を説明するための平面図である。
【図3】実施例における慣性量センサを構成する基板部
を説明するための平面図である。
【図4】デバイス部において、質量体の初期回転振動状
態を説明するため平面図である。
【図5】本発明の慣性量センサにx軸回りの角速度が加
わった場合において、質量体の変位の様子を説明するた
めの模式図である。
【図6】本発明の慣性量センサにz軸方向の加速度が加
わった場合において、質量体の変位の様子を説明するた
めの模式図である。
【図7】実施例の慣性量センサを製造する各工程におい
て、基板部を作製する説明するための模式図である。
【図8】実施例の慣性量センサを製造する各工程におい
て、デバイス部となる加工ウエハを作製する説明するた
めの模式図である。
【図9】実施例の慣性量センサを製造する各工程におい
て、加工ウエハ及び基板部より慣性量センサを作製する
説明するための模式図である。
【図10】実施例の慣性量センサにおける回転駆動時の
共振特性を示すグラフである。
【図11】実施例の慣性量センサにおける角速度の検出
特性を示すグラフである。
【図12】実施例の慣性量センサにおける加速度の検出
特性を示すグラフである。
【図13】本発明の慣性量センサを用いて2軸角速度の
検出を行うための電気回路系の説明図である。
【図14】本発明の慣性量センサを用いて2軸角速度及
びz軸方向加速度の検出を行うための電気回路系の説明
図である。
【図15】他の実施例の慣性量センサの構成を示す説明
図である。
【図16】他の実施例の慣性量センサの構成を示す説明
図である。
【図17】他の実施例の慣性量センサの構成を示す説明
図である。
【符号の説明】
1;慣性量センサ、2;デバイス部、21;質量体、2
2;弾性体、23、23a〜23d;駆動電極、24;
駆動端子、25;パッド、3;基板部、31;基台、3
2;検出電極、33;検出端子、34;支持部、41、
単結晶シリコンウエハ、42;加工ウエハ、C;中心
軸。
フロントページの続き (72)発明者 水野 卓也 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 松岡 俊幸 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 大島 崇文 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動電極23、該駆動電極により発生す
    る静電気力により中心軸回りに回転振動する質量体2
    1、及び該質量体を支持する少なくとも4本の弾性体2
    2とを備える単結晶シリコンからなるデバイス部2と、
    該デバイス部を支持する基台31及び該基台上に設けら
    れる検出電極32とを備える基板部3と、からなる慣性
    量センサであって、 上記基板部が上記デバイス部と平行に配置され、上記検
    出電極が回転中心軸に垂直な面上で互いに直交する2本
    の軸上にそれぞれ2ヶ所ずつ、上記中心軸に対向する位
    置に形成され、デバイス部及び該基板部が接合されてい
    ることを特徴とする慣性量センサ。
  2. 【請求項2】 上記直交する2本の軸における一本の軸
    上にある2ヶ所の上記検出電極により検出される静電容
    量の差から角速度を求めるようにした慣性量センサであ
    って、該2本の軸上で検出される各々の上記角速度から
    直交する2軸回りの角速度を求める請求項1記載の慣性
    量センサ。
  3. 【請求項3】 上記基台上に形成された全ての上記検出
    電極からそれぞれ検出される静電容量の和から、上記質
    量体の回転中心軸方向の加速度を求める請求項1又は2
    記載の慣性量センサ。
  4. 【請求項4】 上記質量体は円盤形状であり、上記駆動
    電極は櫛歯形状に形成されており、この櫛歯状駆動電極
    が該質量体の外周辺と平行な円弧形状に形成され、かつ
    上記回転中心軸と対向する位置で少なくとも2ヶ所形成
    されている請求項1、2又は3記載の慣性量センサ。
  5. 【請求項5】 上記駆動電極はスリット形状に形成され
    ており、一組のこのスリット状駆動電極の一方が上記質
    量体に形成され、他方が上記基台部に形成されている請
    求項1、2又は3記載の慣性量センサ。
  6. 【請求項6】 上記駆動電極として請求項4記載の櫛歯
    状駆動電極及び請求項5記載のスリット状駆動電極を共
    に備える請求項1、2又は3記載の慣性量センサ。
  7. 【請求項7】 上記質量体の一部分を切り欠き、該質量
    体を該質量体の内部で上記弾性体により支持する請求項
    1、2、3又は4記載の慣性量センサ。
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