JPH1131332A5 - - Google Patents
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- JPH1131332A5 JPH1131332A5 JP1997184092A JP18409297A JPH1131332A5 JP H1131332 A5 JPH1131332 A5 JP H1131332A5 JP 1997184092 A JP1997184092 A JP 1997184092A JP 18409297 A JP18409297 A JP 18409297A JP H1131332 A5 JPH1131332 A5 JP H1131332A5
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Description
【発明の名称】光ヘッド装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】出射波長の異なる2つの光源を有し、前記2つの光源から情報記録媒体に至る光路中に配設された波長選択性絞りにより開口径制御を行う光ヘッド装置において、前記波長選択性絞りが、体積ホログラムで構成され、かつ前記波長選択性絞りの光軸を含む中心部領域では2つの波長の光を透過し、光軸を含まない周辺部領域では、1つの波長の光を回折し光路を変える機能を有することを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項2】記体積ホログラムで構成された前記波長選択性絞りの前記中心部領域と前記周辺部領域とが同一のホログラム材料で形成されている請求項1記載の光ヘッド装置。
【請求項3】前記体積ホログラムが反射型である請求項1又は2記載の光ヘッド装置。
【請求項4】記体積ホログラムの回折波長の温度係数が0.05〜0.6nm/℃であり、回折波長が高温側で長波長側にシフトする請求項1、2又は3記載の光ヘッド装置。
【請求項5】前記体積ホログラムが、露光用の2つの光束のうち一方の光束として波面の乱れた拡散光を用いて作製されてなる請求項1、2、3又は4記載の光ヘッド装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置において情報の再生や記録等に使用できる光ヘッド装置、特にその波長選択性絞りの構成及び作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録媒体であるCD−R(追記型コンパクトディスク)などを含むCD(コンパクトディスク)系ディスクの記録再生のために、光源として波長が780nm帯の半導体レーザとNA(開口数)が0.45の対物レンズ及び厚さが1.2mmのディスクが使用されており、一方DVD(デジタルビデオディスク)系ディスクの記録再生には波長が650nm帯の半導体レーザとNAが0.6の対物レンズ及び厚さが0.6mmのディスクが使用されている。
【0003】
このため、1つの光ヘッド装置でCD及びDVD両方式のディスクの記録再生を実現するにはCD及びDVDに使用されるそれぞれの波長の半導体レーザを2個とそれぞれのNAの対物レンズを2個搭載してそれぞれを切換えることにより行えるが、この切り替え方式では光学系が2系統になるため形状が大きく、重量も重く、部品点数も多くなるため、組み立てが複雑となり、制御電力が大きくなり、高コストになるなどの欠点があった。
【0004】
そのため最近では、波長の異なる半導体レーザから出た光を波長選択性合成分離ミラーで合成分離し同一の対物レンズを使用する構成にすることにより、さらにコンパクトな光ヘッド装置を実現することが考えられている。しかし、前記のように、CD系とDVD系ではディスクの厚みが1.2mmと0.6mmと異なること及び対物レンズのNAがそれぞれ0.45と0.6と異なること及び光源の波長が780nm帯と650nm帯と異なることなどのため、CDとDVDで同一の対物レンズを使用して記録再生する場合、前記対物レンズのNAを波長に応じて変える必要がある。
【0005】
この波長に応じて対物レンズのNAを変える方法として、波長選択性絞りの光軸を含む中心部領域は前記2つの波長の光は直進透過させ、光軸を含まない周辺部領域は650nm帯の波長の光を直進透過させるが、780nm帯の波長の光は透過させない機能を有する波長選択性絞りを光源から情報記録媒体に至る光路中に配設する。
【0006】
従来、波長選択性絞りは中心部領域と周辺部領域にそれぞれ異なる光学多層膜を形成して波長選択性を実現しているが、中心部領域と周辺部領域の両領域で光学多層膜の構成が異なるため、前記両領域で光学長(屈折率×厚さ)を完全に一致させることが難しく、波長選択性絞りの前記両領域とも透過する波長が650nm帯の光は、前記両領域で光学多層膜の光学長が異なることになり、前記両領域で光学的な波面の位相差が生じるため、ディスク上に有効に集光することが難しい欠点があった。
【0007】
また、波長選択性絞りの前記両領域のそれぞれでは光学多層膜の構成を変える構造であるため、蒸着のためのマスクを使用して2回の真空蒸着プロセスやエッチングを行うことが必要であり、製造プロセスが複雑になり、高コストになる欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の欠点を解決し、光学特性に優れ、小型軽量化に適した低コストの光ヘッド装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、出射波長の異なる2つの光源を有し、前記2つの光源から情報記録媒体に至る光路中に配設された波長選択性絞りにより開口径制御を行う光ヘッド装置において、前記波長選択性絞りが、体積ホログラムで構成され、かつ前記波長選択性絞りの光軸を含む中心部領域では2つの波長の光を透過し、光軸を含まない周辺部領域では、1つの波長の光を回折し光路を変える機能を有することを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
【0010】
さらに、前記体積ホログラムで構成された前記波長選択性絞りの前記中心部領域と前記周辺部領域が同一のホログラム材料で形成されている上記光ヘッド装置、前記体積ホログラムが反射型である上記光ヘッド装置、前記体積ホログラムの回折波長の温度係数が0.05〜0.6nm/℃であり、回折波長が高温側で長波長側にシフトする上記光ヘッド装置、及び、前記体積ホログラムが、露光用の2つの光束のうち一方の光束として波面の乱れた拡散光を用いて作製されてなる上記光ヘッド装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、DVD用の半導体レーザとCD用の半導体レーザの2種類の光源を有し、対物レンズと前記光源との間で、かつ対物レンズの近くに体積ホログラムで構成した波長選択性絞りを配置し、体積ホログラムの光軸を含む中心部領域では2つの波長の光を透過し、体積ホログラムの光軸を含まない周辺部領域では1つの波長の光を回折して光路を変える性質を有することにより、前記DVD用の半導体レーザとCD用の半導体レーザの2種類の光源より発せられた波長の異なる光を、光の波長に応じて対物レンズのNAを制御してディスクに集光させているので、厚さの異なるディスクでも1つの光学系で高い集光能力を実現している。
【0012】
また、本発明ではこの波長選択性絞りを、表面が平滑で透明な2枚の板の間にホログラム用感光性フィルムを挟み込み、光軸を含まない周辺部領域に露光用のレーザ光の干渉により干渉縞を形成した体積ホログラムで構成することにより、波長選択性絞りの製造工程が簡単になるとともに、取扱いも簡単になる。
【0013】
前記ホログラム用感光性フィルムは、中心部領域と周辺部領域などの位置に関係なく同一の材料で一体に形成されたものを使用すると、中心部領域と周辺部領域で厚さ及び平均屈折率がほぼ同じになり、光学長をほぼ同じにできる。
【0014】
これらの体積ホログラムは、通常は数百μm〜数mm角の面積で、数μm〜数10μmの厚さであり、光回折機能を持つ。このホログラムとしては、リップマンタイプ等の体積ホログラムと呼ばれるものを広く使用できる。また、ホログラム材料としては、ポリビニルカルバゾール、重クロム酸ゼラチン、光レジスト、フォトポリマー、銀塩など種々の感光材料を使用できる。
【0015】
この体積ホログラムとしては、ホログラム面に垂直に近い角度でホログラム中に回折格子を形成した透過型ホログラムと、ホログラム面に平行に近い角度でホログラム中に回折格子を形成した反射型ホログラムが使用できる。
【0016】
この透過型ホログラムを用いる場合には、ホログラムの周辺部領域(光軸を含まない周辺部領域)に入射した波長780nm帯の光を回折して光の進行方向を変えることにより、周辺部領域に入射した波長780nm帯の光をディスク上に有効に集光させることを阻害し、実質的に絞りがあるのと同じ効果が得られる。また、反射型ホログラムを用いる場合には、ホログラムの周辺部領域に入射した波長780nm帯の光を反射回折することにより、ディスクに光が到達しないようになしうるのでディスクからの不要な反射光が迷光とならず、より好ましい。
【0017】
前記体積ホログラムは表面が平滑で透明な2枚の基板間にホログラム用感光性フィルムを挟み込んだ構成にすることによって、表面が平滑であるため、透過させたい波長の光が波長選択性絞りの表面で受ける乱反射等の悪影響を低減できるので好ましく、また、挟み込んだ構成のために信頼性の向上も同時に図れる。
【0018】
この表面基板の材料としては、ガラスやプラスチック等が平坦性に優れるので好ましく、プラスチックとしてはポリカーボネート、ポリオレフィン、アクリル等を使用できる。また、基板とホログラム用感光性フィルムを接着層により貼り付けて製作してもよく、さらに保護コートを基板又はホログラム用感光性フィルム上に形成して製作してもよい。このホログラムと基板等はできるだけ近い屈折率の材料を使用することが、不要な回折格子を低減させるうえで好ましい。また、前記基板の表面に無反射コート層を形成すると透過効率を上げうるとともに、表面反射による戻り光を低減できるので好ましい。
【0019】
この体積ホログラムの波長選択性絞りを製造する場合、大きな基板に数mm角の体積ホログラムを複数個形成しておき、これを切断することにより一時に複数個作成でき、生産性が上がり、大量生産が可能となって、さらに低コストを実現できて好ましい。
【0020】
前記体積ホログラム、特に反射型体積ホログラムの作製方法について説明する。前記感光性フィルムを2枚の透明基板に挟みこみ、2波長の光とも透過させたい感光性フィルムの中心部領域に紫外線(UV光)等を照射して感光させた後、1つの波長の光を回折する周辺部領域に、反射させたい波長のレーザ光で基板の一方の面を照射し、この光と基板の他方の面側に設置した反射ミラーにより反射された光とを干渉させ、この干渉縞をホログラム用感光性フィルム上に記録することによって反射型ホログラムを形成する。
【0021】
このとき、露光に用いるレーザ光波長としては選択的に反射させたい波長と同じ波長を使用すると容易にホログラムを作成できるが、反射させたい波長とは異なった波長を用いるときには、ブラッグ条件を満足するように露光時のレーザ光入射角を変えて作成すればよい。
【0022】
ここで説明した方法で露光したホログラムは正反射型となるが、正反射型の波長選択性絞りを用いると、光源である半導体レーザから出た光がホログラムで回折反射されて半導体レーザに戻り、ノイズの原因となることもある。このノイズ対策として、露光方法を変えた非正反射型ホログラムや、レンズ効果を付加した非正反射型ホログラムを用いることにより、開口径制御部(前記ホログラム周辺部)からの回折反射光が半導体レーザに戻ることを防げるので好ましい。
【0023】
また、前記露光時に用いたミラーとして、表面に微小な凹凸を設け露光中のレーザ光の一方を波面の乱れた散乱拡散光として露光できる。こうした露光方法で作製したホログラムの領域では入射光は散乱回折されるので、ホログラムに記録された拡散性の格子の状態にもよるが、正反射のミラーを使用する露光方法で作製したホログラムに比べ半導体レーザへの戻り光は半分以下にでき好ましい。
【0024】
さらに、光ヘッド装置に用いられる半導体レーザの波長は個体バラツキ(例えば±20nm)があるために、その波長域に対して全て回折させる必要がある。このため、回折する波長の半値幅が重要になる。この半値幅を広げる方法としても、前記散乱拡散光による露光方法は非常に有効である。
【0025】
また、半導体レーザの波長は温度を上げると長波長側にシフトする。この波長温度シフト量と体積ホログラムの熱膨張等による回折波長の温度シフト量を合わせることで、広い温度範囲で半導体レーザ光が回折可能になり好ましい。この波長シフト量としては0.05〜0.6nm/℃が好ましく、0.2〜0.3nm/℃が特に好ましい。この波長シフト量の温度特性を実現するには、体積ホログラムの材料として、例えばアクリル系フォトポリマーなどを選択すればよい。
【0026】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例における波長選択性絞りの構成図であり、図1の(1)は波長選択制絞りを光軸に対して横方向からみた断面図、(2)は光軸方向からみた平面図である。
【0027】
図1において、1は体積ホログラムであり、光軸を含み、かつ波長650nmと波長780nmの2つの波長の光に対して高い直線透過率を示す中心部領域1bと、光軸を含まない周辺部において波長650nmの光に対しては高い直線透過率を示し、波長780nmの光に対しては低い直線透過率を示す波長選択性を有する絞り部である周辺部領域1aで構成されている。2は基板であり、前記体積ホログラムを挟みこみ、体積ホログラムと一体に組み立てて波長選択性絞りを構成することにより、表面平坦性を上げるとともに取扱い及び光ヘッド装置の組立てを容易にした。
【0028】
この体積ホログラムを含む波長選択性絞りの製作工程の断面図を図3に示す。図3の(1)において、体積ホログラム用感光性フィルム14を基板2に挟み込み、2波長とも透過させたい領域1bにのみ開口したUV露光用マスク10をのせ、UV光12をUV露光用マスク10の方向からこの体積ホログラム用感光性フィルム14に照射した。この照射によりUV光の照射された領域1bは均一に感光され、光は直進透過するようになった。
【0029】
次に、図3の(2)において、前記UV露光用マスク10を取り去った状態で、体積ホログラム用感光性フィルム14の周辺部領域において反射させたい波長と同じ波長のレーザ光13を照射した。このときレーザ光13に対して体積ホログラム用感光性フィルム14の反対側にレーザ光13を反射する反射ミラー11を置き、照射したレーザ光13とこの反射ミラー11により反射された光を干渉させ、体積ホログラム用感光性フィルム14の波長選択性を有する領域1aに反射型ホログラムを形成した。また、露光に用いるレーザ光の波長として選択的に反射させたい波長と異なる波長を用いるときには、ブラッグ条件を満足するように露光入射角を変えて露光することにより、同様の反射型ホログラムを形成できる。
【0030】
さらに、図3の(2)において、反射ミラー11として、例えば、表面を粒度がJIS#2000の研磨材で仕上げた擦りガラスミラーにメタルコートを行ったものを使用した場合、レーザ光13は反射ミラー11の表面で拡散反射され、体積ホログラム用感光性フィルム14の周辺部領域1aは波面の乱れた拡散光で露光される。このように一方の露光用の光として波面の乱れた拡散光を用いて形成された反射型ホログラム領域(前記周辺部領域1a)では入射した光は散乱回折されるので、このように拡散光で露光する方法で作成された反射型ホログラムを図2の構成の光ヘッド装置装置の波長選択性絞り7として使用した場合、反射ミラー11として正反射ミラーを使用して作製した反射型ホログラムを使用した場合に比べて、半導体レーザへの戻り光を50%以下に低減できた。
【0031】
このようにして作製した体積ホログラムによる波長選択性絞りの特性のグラフを図4に示す。縦軸は直線透過率、横軸は波長を示す。
図4の(1)は中心部領域1bの直線透過率を示す。中心部領域1bにおいては、波長がおよそ500〜900nmの範囲で高い直線透過率を示している。図4の(2)は周辺部領域1aの直線透過率を示す。周辺部領域1aでは波長がおよそ750〜820nmの範囲で低い直線透過率を示し、他の波長領域では高い直線透過率を示している。
【0032】
このような体積ホログラムを用いることにより、周辺部領域で780nmの波長の光を回折し透過率を減少させることができた。このとき、中心部領域では780nm、650nm両波長ともおよそ96%の直線透過率であり、周辺部領域の直線透過率は780nmの波長で5%以下であり、650nmの波長に対してはおよそ96%であった。また、周辺部領域の透過率が10%以下となる波長域は780nm±30nmを確保できた。
【0033】
また、波長選択性絞りの周辺部領域、中心部領域とも同じ材料で構成されているため、周辺部領域、中心部領域とも厚さも平均屈折率もほぼ同じであることにより、光学長(屈折率×厚さ)がほぼ同じ値となりディスク上の集光特性は良好であった。このときの光学長の差(透過波面収差)は有効面内のRMS(二乗平均の平方根)は0.01λ以下であり、P−V(Peak to Valley)値も0.05λ以下であった(λ=633nm)。
【0034】
また、半導体レーザの波長は温度が上がると長波長側にシフトするが、その温度係数は0.3nm/℃であった。この半導体レーザの温度特性を補償するため、体積ホログラムの材料として、例えばアクリル系フォトポリマーを選択することにより、体積ホログラムの回折波長の温度係数をほぼ0.3nm/℃とすることができ、熱膨張等による回折波長の温度シフトを合わせることができて、広い温度範囲で半導体レーザ光を回折できた。
【0035】
次に、本発明による波長選択性絞りを用いた光ヘッド装置装置の光学系の構成の模式図を図2に示す。
光学系は、波長650nmの半導体レーザ3及び波長780nmの半導体レーザ4の2つの光源を有し、それぞれの光源から出た光を集光して平行光線に変換するコリメータレンズ5a、5bの2つの波長を合成分離する波長選択性合成分離ミラー6、体積ホログラムを用いた波長選択性絞り7、対物レンズ8から構成されている。9はディスクである。図の簡略化のため、ディスク9からの信号を含んだ光の受光部などについては省略してある。
【0036】
この波長選択性絞り7は波長780nmの光に対してはNAが0.45、波長650nmの光に対してはNAが0.6である。また、波長選択性絞り7はその機能上及び光ヘッド装置の制御の容易化のため、対物レンズ8と一体に移動させるような位置に配置されている。
【0037】
以上のように構成された光ヘッド装置をCDに使用した場合は、半導体レーザ4から出射した波長780nmのレーザ光はコリメータレンズ5bでほぼ平行光に変換され、波長選択性ミラー6により進行方向を90度変えるように反射されて波長選択性絞り7に入射する。この波長選択性絞り7は、前述のように波長が780nmの光に対してはNAが0. 45であるので、厚さが1. 2mmのCDディスクに記録された情報を収差の影響も少なく良好に再生できた。
【0038】
同様にこの構成の光ヘッド装置をDVDに使用した場合は、半導体レーザ3から出射した波長650nmのレーザ光はコリメータレンズ5aでほぼ平行光に変換され、波長選択性ミラー6を透過して波長選択性絞り7に入射する。波長選択性絞り7は650nmの波長の光に対してはNAが0. 6であるので厚さが0.6mmのDVDディスクも良好に再生できた。
【0039】
なお、本発明は上記実施例のみに限定されず、例えば波長選択性絞り7は対物レンズから離して配置してもよく、また2つ以上の光源の配置位置も波長選択性合成分離ミラー6との組み合わせで変更可能である。また、ディスクに記録された情報の検出方法及び検出信号の処理方法、光ヘッド装置の制御方法などとの組み合わせで本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、同一の対物レンズで波長の異なる光を厚さの異なるディスク上に集光させうる。
さらに前記体積ホログラムが波長選択性絞りの光軸を含む中心部領域と光軸を含まない周辺部領域が同一の材料で構成されているため、両領域で光学長がほぼ同じとなり、光学的な波面の位相差を生じることなくディスクに集光できる。
【0041】
したがって、CD、DVDの両方の情報記録再生を光学系が1系統である(対物レンズが1個搭載されている)光ヘッド装置で行うことができ、小型化、薄型化を実現でき、製造工程が簡単になり、低コストを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における体積ホログラム波長選択性絞りの構成を示し、(1)は断面図、(2)は平面図。
【図2】本発明の光ヘッド装置装置の構成を示す模式図。
【図3】本発明における体積ホログラムの2つの製作工程を示す断面図。(1)はUV光露光の工程、(2)はレーザ光露光の工程。
【図4】本発明における波長選択性絞りの直線透過率の波長特性の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
1:体積ホログラム
2:基板
3:半導体レーザ(λ=650nm帯)
4:半導体レーザ(λ=780nm帯)
5a:コリメータレンズ
5b:コリメータレンズ
6:波長選択性合成分離ミラー
7:波長選択性絞り
8:対物レンズ
9:ディスク
10:UV露光用マスク
11:反射ミラー
12:UV光
13:レーザ光
14:体積ホログラム用感光性フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】出射波長の異なる2つの光源を有し、前記2つの光源から情報記録媒体に至る光路中に配設された波長選択性絞りにより開口径制御を行う光ヘッド装置において、前記波長選択性絞りが、体積ホログラムで構成され、かつ前記波長選択性絞りの光軸を含む中心部領域では2つの波長の光を透過し、光軸を含まない周辺部領域では、1つの波長の光を回折し光路を変える機能を有することを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項2】記体積ホログラムで構成された前記波長選択性絞りの前記中心部領域と前記周辺部領域とが同一のホログラム材料で形成されている請求項1記載の光ヘッド装置。
【請求項3】前記体積ホログラムが反射型である請求項1又は2記載の光ヘッド装置。
【請求項4】記体積ホログラムの回折波長の温度係数が0.05〜0.6nm/℃であり、回折波長が高温側で長波長側にシフトする請求項1、2又は3記載の光ヘッド装置。
【請求項5】前記体積ホログラムが、露光用の2つの光束のうち一方の光束として波面の乱れた拡散光を用いて作製されてなる請求項1、2、3又は4記載の光ヘッド装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置において情報の再生や記録等に使用できる光ヘッド装置、特にその波長選択性絞りの構成及び作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録媒体であるCD−R(追記型コンパクトディスク)などを含むCD(コンパクトディスク)系ディスクの記録再生のために、光源として波長が780nm帯の半導体レーザとNA(開口数)が0.45の対物レンズ及び厚さが1.2mmのディスクが使用されており、一方DVD(デジタルビデオディスク)系ディスクの記録再生には波長が650nm帯の半導体レーザとNAが0.6の対物レンズ及び厚さが0.6mmのディスクが使用されている。
【0003】
このため、1つの光ヘッド装置でCD及びDVD両方式のディスクの記録再生を実現するにはCD及びDVDに使用されるそれぞれの波長の半導体レーザを2個とそれぞれのNAの対物レンズを2個搭載してそれぞれを切換えることにより行えるが、この切り替え方式では光学系が2系統になるため形状が大きく、重量も重く、部品点数も多くなるため、組み立てが複雑となり、制御電力が大きくなり、高コストになるなどの欠点があった。
【0004】
そのため最近では、波長の異なる半導体レーザから出た光を波長選択性合成分離ミラーで合成分離し同一の対物レンズを使用する構成にすることにより、さらにコンパクトな光ヘッド装置を実現することが考えられている。しかし、前記のように、CD系とDVD系ではディスクの厚みが1.2mmと0.6mmと異なること及び対物レンズのNAがそれぞれ0.45と0.6と異なること及び光源の波長が780nm帯と650nm帯と異なることなどのため、CDとDVDで同一の対物レンズを使用して記録再生する場合、前記対物レンズのNAを波長に応じて変える必要がある。
【0005】
この波長に応じて対物レンズのNAを変える方法として、波長選択性絞りの光軸を含む中心部領域は前記2つの波長の光は直進透過させ、光軸を含まない周辺部領域は650nm帯の波長の光を直進透過させるが、780nm帯の波長の光は透過させない機能を有する波長選択性絞りを光源から情報記録媒体に至る光路中に配設する。
【0006】
従来、波長選択性絞りは中心部領域と周辺部領域にそれぞれ異なる光学多層膜を形成して波長選択性を実現しているが、中心部領域と周辺部領域の両領域で光学多層膜の構成が異なるため、前記両領域で光学長(屈折率×厚さ)を完全に一致させることが難しく、波長選択性絞りの前記両領域とも透過する波長が650nm帯の光は、前記両領域で光学多層膜の光学長が異なることになり、前記両領域で光学的な波面の位相差が生じるため、ディスク上に有効に集光することが難しい欠点があった。
【0007】
また、波長選択性絞りの前記両領域のそれぞれでは光学多層膜の構成を変える構造であるため、蒸着のためのマスクを使用して2回の真空蒸着プロセスやエッチングを行うことが必要であり、製造プロセスが複雑になり、高コストになる欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の欠点を解決し、光学特性に優れ、小型軽量化に適した低コストの光ヘッド装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、出射波長の異なる2つの光源を有し、前記2つの光源から情報記録媒体に至る光路中に配設された波長選択性絞りにより開口径制御を行う光ヘッド装置において、前記波長選択性絞りが、体積ホログラムで構成され、かつ前記波長選択性絞りの光軸を含む中心部領域では2つの波長の光を透過し、光軸を含まない周辺部領域では、1つの波長の光を回折し光路を変える機能を有することを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
【0010】
さらに、前記体積ホログラムで構成された前記波長選択性絞りの前記中心部領域と前記周辺部領域が同一のホログラム材料で形成されている上記光ヘッド装置、前記体積ホログラムが反射型である上記光ヘッド装置、前記体積ホログラムの回折波長の温度係数が0.05〜0.6nm/℃であり、回折波長が高温側で長波長側にシフトする上記光ヘッド装置、及び、前記体積ホログラムが、露光用の2つの光束のうち一方の光束として波面の乱れた拡散光を用いて作製されてなる上記光ヘッド装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、DVD用の半導体レーザとCD用の半導体レーザの2種類の光源を有し、対物レンズと前記光源との間で、かつ対物レンズの近くに体積ホログラムで構成した波長選択性絞りを配置し、体積ホログラムの光軸を含む中心部領域では2つの波長の光を透過し、体積ホログラムの光軸を含まない周辺部領域では1つの波長の光を回折して光路を変える性質を有することにより、前記DVD用の半導体レーザとCD用の半導体レーザの2種類の光源より発せられた波長の異なる光を、光の波長に応じて対物レンズのNAを制御してディスクに集光させているので、厚さの異なるディスクでも1つの光学系で高い集光能力を実現している。
【0012】
また、本発明ではこの波長選択性絞りを、表面が平滑で透明な2枚の板の間にホログラム用感光性フィルムを挟み込み、光軸を含まない周辺部領域に露光用のレーザ光の干渉により干渉縞を形成した体積ホログラムで構成することにより、波長選択性絞りの製造工程が簡単になるとともに、取扱いも簡単になる。
【0013】
前記ホログラム用感光性フィルムは、中心部領域と周辺部領域などの位置に関係なく同一の材料で一体に形成されたものを使用すると、中心部領域と周辺部領域で厚さ及び平均屈折率がほぼ同じになり、光学長をほぼ同じにできる。
【0014】
これらの体積ホログラムは、通常は数百μm〜数mm角の面積で、数μm〜数10μmの厚さであり、光回折機能を持つ。このホログラムとしては、リップマンタイプ等の体積ホログラムと呼ばれるものを広く使用できる。また、ホログラム材料としては、ポリビニルカルバゾール、重クロム酸ゼラチン、光レジスト、フォトポリマー、銀塩など種々の感光材料を使用できる。
【0015】
この体積ホログラムとしては、ホログラム面に垂直に近い角度でホログラム中に回折格子を形成した透過型ホログラムと、ホログラム面に平行に近い角度でホログラム中に回折格子を形成した反射型ホログラムが使用できる。
【0016】
この透過型ホログラムを用いる場合には、ホログラムの周辺部領域(光軸を含まない周辺部領域)に入射した波長780nm帯の光を回折して光の進行方向を変えることにより、周辺部領域に入射した波長780nm帯の光をディスク上に有効に集光させることを阻害し、実質的に絞りがあるのと同じ効果が得られる。また、反射型ホログラムを用いる場合には、ホログラムの周辺部領域に入射した波長780nm帯の光を反射回折することにより、ディスクに光が到達しないようになしうるのでディスクからの不要な反射光が迷光とならず、より好ましい。
【0017】
前記体積ホログラムは表面が平滑で透明な2枚の基板間にホログラム用感光性フィルムを挟み込んだ構成にすることによって、表面が平滑であるため、透過させたい波長の光が波長選択性絞りの表面で受ける乱反射等の悪影響を低減できるので好ましく、また、挟み込んだ構成のために信頼性の向上も同時に図れる。
【0018】
この表面基板の材料としては、ガラスやプラスチック等が平坦性に優れるので好ましく、プラスチックとしてはポリカーボネート、ポリオレフィン、アクリル等を使用できる。また、基板とホログラム用感光性フィルムを接着層により貼り付けて製作してもよく、さらに保護コートを基板又はホログラム用感光性フィルム上に形成して製作してもよい。このホログラムと基板等はできるだけ近い屈折率の材料を使用することが、不要な回折格子を低減させるうえで好ましい。また、前記基板の表面に無反射コート層を形成すると透過効率を上げうるとともに、表面反射による戻り光を低減できるので好ましい。
【0019】
この体積ホログラムの波長選択性絞りを製造する場合、大きな基板に数mm角の体積ホログラムを複数個形成しておき、これを切断することにより一時に複数個作成でき、生産性が上がり、大量生産が可能となって、さらに低コストを実現できて好ましい。
【0020】
前記体積ホログラム、特に反射型体積ホログラムの作製方法について説明する。前記感光性フィルムを2枚の透明基板に挟みこみ、2波長の光とも透過させたい感光性フィルムの中心部領域に紫外線(UV光)等を照射して感光させた後、1つの波長の光を回折する周辺部領域に、反射させたい波長のレーザ光で基板の一方の面を照射し、この光と基板の他方の面側に設置した反射ミラーにより反射された光とを干渉させ、この干渉縞をホログラム用感光性フィルム上に記録することによって反射型ホログラムを形成する。
【0021】
このとき、露光に用いるレーザ光波長としては選択的に反射させたい波長と同じ波長を使用すると容易にホログラムを作成できるが、反射させたい波長とは異なった波長を用いるときには、ブラッグ条件を満足するように露光時のレーザ光入射角を変えて作成すればよい。
【0022】
ここで説明した方法で露光したホログラムは正反射型となるが、正反射型の波長選択性絞りを用いると、光源である半導体レーザから出た光がホログラムで回折反射されて半導体レーザに戻り、ノイズの原因となることもある。このノイズ対策として、露光方法を変えた非正反射型ホログラムや、レンズ効果を付加した非正反射型ホログラムを用いることにより、開口径制御部(前記ホログラム周辺部)からの回折反射光が半導体レーザに戻ることを防げるので好ましい。
【0023】
また、前記露光時に用いたミラーとして、表面に微小な凹凸を設け露光中のレーザ光の一方を波面の乱れた散乱拡散光として露光できる。こうした露光方法で作製したホログラムの領域では入射光は散乱回折されるので、ホログラムに記録された拡散性の格子の状態にもよるが、正反射のミラーを使用する露光方法で作製したホログラムに比べ半導体レーザへの戻り光は半分以下にでき好ましい。
【0024】
さらに、光ヘッド装置に用いられる半導体レーザの波長は個体バラツキ(例えば±20nm)があるために、その波長域に対して全て回折させる必要がある。このため、回折する波長の半値幅が重要になる。この半値幅を広げる方法としても、前記散乱拡散光による露光方法は非常に有効である。
【0025】
また、半導体レーザの波長は温度を上げると長波長側にシフトする。この波長温度シフト量と体積ホログラムの熱膨張等による回折波長の温度シフト量を合わせることで、広い温度範囲で半導体レーザ光が回折可能になり好ましい。この波長シフト量としては0.05〜0.6nm/℃が好ましく、0.2〜0.3nm/℃が特に好ましい。この波長シフト量の温度特性を実現するには、体積ホログラムの材料として、例えばアクリル系フォトポリマーなどを選択すればよい。
【0026】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例における波長選択性絞りの構成図であり、図1の(1)は波長選択制絞りを光軸に対して横方向からみた断面図、(2)は光軸方向からみた平面図である。
【0027】
図1において、1は体積ホログラムであり、光軸を含み、かつ波長650nmと波長780nmの2つの波長の光に対して高い直線透過率を示す中心部領域1bと、光軸を含まない周辺部において波長650nmの光に対しては高い直線透過率を示し、波長780nmの光に対しては低い直線透過率を示す波長選択性を有する絞り部である周辺部領域1aで構成されている。2は基板であり、前記体積ホログラムを挟みこみ、体積ホログラムと一体に組み立てて波長選択性絞りを構成することにより、表面平坦性を上げるとともに取扱い及び光ヘッド装置の組立てを容易にした。
【0028】
この体積ホログラムを含む波長選択性絞りの製作工程の断面図を図3に示す。図3の(1)において、体積ホログラム用感光性フィルム14を基板2に挟み込み、2波長とも透過させたい領域1bにのみ開口したUV露光用マスク10をのせ、UV光12をUV露光用マスク10の方向からこの体積ホログラム用感光性フィルム14に照射した。この照射によりUV光の照射された領域1bは均一に感光され、光は直進透過するようになった。
【0029】
次に、図3の(2)において、前記UV露光用マスク10を取り去った状態で、体積ホログラム用感光性フィルム14の周辺部領域において反射させたい波長と同じ波長のレーザ光13を照射した。このときレーザ光13に対して体積ホログラム用感光性フィルム14の反対側にレーザ光13を反射する反射ミラー11を置き、照射したレーザ光13とこの反射ミラー11により反射された光を干渉させ、体積ホログラム用感光性フィルム14の波長選択性を有する領域1aに反射型ホログラムを形成した。また、露光に用いるレーザ光の波長として選択的に反射させたい波長と異なる波長を用いるときには、ブラッグ条件を満足するように露光入射角を変えて露光することにより、同様の反射型ホログラムを形成できる。
【0030】
さらに、図3の(2)において、反射ミラー11として、例えば、表面を粒度がJIS#2000の研磨材で仕上げた擦りガラスミラーにメタルコートを行ったものを使用した場合、レーザ光13は反射ミラー11の表面で拡散反射され、体積ホログラム用感光性フィルム14の周辺部領域1aは波面の乱れた拡散光で露光される。このように一方の露光用の光として波面の乱れた拡散光を用いて形成された反射型ホログラム領域(前記周辺部領域1a)では入射した光は散乱回折されるので、このように拡散光で露光する方法で作成された反射型ホログラムを図2の構成の光ヘッド装置装置の波長選択性絞り7として使用した場合、反射ミラー11として正反射ミラーを使用して作製した反射型ホログラムを使用した場合に比べて、半導体レーザへの戻り光を50%以下に低減できた。
【0031】
このようにして作製した体積ホログラムによる波長選択性絞りの特性のグラフを図4に示す。縦軸は直線透過率、横軸は波長を示す。
図4の(1)は中心部領域1bの直線透過率を示す。中心部領域1bにおいては、波長がおよそ500〜900nmの範囲で高い直線透過率を示している。図4の(2)は周辺部領域1aの直線透過率を示す。周辺部領域1aでは波長がおよそ750〜820nmの範囲で低い直線透過率を示し、他の波長領域では高い直線透過率を示している。
【0032】
このような体積ホログラムを用いることにより、周辺部領域で780nmの波長の光を回折し透過率を減少させることができた。このとき、中心部領域では780nm、650nm両波長ともおよそ96%の直線透過率であり、周辺部領域の直線透過率は780nmの波長で5%以下であり、650nmの波長に対してはおよそ96%であった。また、周辺部領域の透過率が10%以下となる波長域は780nm±30nmを確保できた。
【0033】
また、波長選択性絞りの周辺部領域、中心部領域とも同じ材料で構成されているため、周辺部領域、中心部領域とも厚さも平均屈折率もほぼ同じであることにより、光学長(屈折率×厚さ)がほぼ同じ値となりディスク上の集光特性は良好であった。このときの光学長の差(透過波面収差)は有効面内のRMS(二乗平均の平方根)は0.01λ以下であり、P−V(Peak to Valley)値も0.05λ以下であった(λ=633nm)。
【0034】
また、半導体レーザの波長は温度が上がると長波長側にシフトするが、その温度係数は0.3nm/℃であった。この半導体レーザの温度特性を補償するため、体積ホログラムの材料として、例えばアクリル系フォトポリマーを選択することにより、体積ホログラムの回折波長の温度係数をほぼ0.3nm/℃とすることができ、熱膨張等による回折波長の温度シフトを合わせることができて、広い温度範囲で半導体レーザ光を回折できた。
【0035】
次に、本発明による波長選択性絞りを用いた光ヘッド装置装置の光学系の構成の模式図を図2に示す。
光学系は、波長650nmの半導体レーザ3及び波長780nmの半導体レーザ4の2つの光源を有し、それぞれの光源から出た光を集光して平行光線に変換するコリメータレンズ5a、5bの2つの波長を合成分離する波長選択性合成分離ミラー6、体積ホログラムを用いた波長選択性絞り7、対物レンズ8から構成されている。9はディスクである。図の簡略化のため、ディスク9からの信号を含んだ光の受光部などについては省略してある。
【0036】
この波長選択性絞り7は波長780nmの光に対してはNAが0.45、波長650nmの光に対してはNAが0.6である。また、波長選択性絞り7はその機能上及び光ヘッド装置の制御の容易化のため、対物レンズ8と一体に移動させるような位置に配置されている。
【0037】
以上のように構成された光ヘッド装置をCDに使用した場合は、半導体レーザ4から出射した波長780nmのレーザ光はコリメータレンズ5bでほぼ平行光に変換され、波長選択性ミラー6により進行方向を90度変えるように反射されて波長選択性絞り7に入射する。この波長選択性絞り7は、前述のように波長が780nmの光に対してはNAが0. 45であるので、厚さが1. 2mmのCDディスクに記録された情報を収差の影響も少なく良好に再生できた。
【0038】
同様にこの構成の光ヘッド装置をDVDに使用した場合は、半導体レーザ3から出射した波長650nmのレーザ光はコリメータレンズ5aでほぼ平行光に変換され、波長選択性ミラー6を透過して波長選択性絞り7に入射する。波長選択性絞り7は650nmの波長の光に対してはNAが0. 6であるので厚さが0.6mmのDVDディスクも良好に再生できた。
【0039】
なお、本発明は上記実施例のみに限定されず、例えば波長選択性絞り7は対物レンズから離して配置してもよく、また2つ以上の光源の配置位置も波長選択性合成分離ミラー6との組み合わせで変更可能である。また、ディスクに記録された情報の検出方法及び検出信号の処理方法、光ヘッド装置の制御方法などとの組み合わせで本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、同一の対物レンズで波長の異なる光を厚さの異なるディスク上に集光させうる。
さらに前記体積ホログラムが波長選択性絞りの光軸を含む中心部領域と光軸を含まない周辺部領域が同一の材料で構成されているため、両領域で光学長がほぼ同じとなり、光学的な波面の位相差を生じることなくディスクに集光できる。
【0041】
したがって、CD、DVDの両方の情報記録再生を光学系が1系統である(対物レンズが1個搭載されている)光ヘッド装置で行うことができ、小型化、薄型化を実現でき、製造工程が簡単になり、低コストを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における体積ホログラム波長選択性絞りの構成を示し、(1)は断面図、(2)は平面図。
【図2】本発明の光ヘッド装置装置の構成を示す模式図。
【図3】本発明における体積ホログラムの2つの製作工程を示す断面図。(1)はUV光露光の工程、(2)はレーザ光露光の工程。
【図4】本発明における波長選択性絞りの直線透過率の波長特性の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
1:体積ホログラム
2:基板
3:半導体レーザ(λ=650nm帯)
4:半導体レーザ(λ=780nm帯)
5a:コリメータレンズ
5b:コリメータレンズ
6:波長選択性合成分離ミラー
7:波長選択性絞り
8:対物レンズ
9:ディスク
10:UV露光用マスク
11:反射ミラー
12:UV光
13:レーザ光
14:体積ホログラム用感光性フィルム
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