JPH11314036A - ルテニウム触媒、その製造方法及びそれを用いたシクロオレフィンの製造方法 - Google Patents

ルテニウム触媒、その製造方法及びそれを用いたシクロオレフィンの製造方法

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JPH11314036A
JPH11314036A JP10349695A JP34969598A JPH11314036A JP H11314036 A JPH11314036 A JP H11314036A JP 10349695 A JP10349695 A JP 10349695A JP 34969598 A JP34969598 A JP 34969598A JP H11314036 A JPH11314036 A JP H11314036A
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ruthenium
ruthenium catalyst
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catalyst
halogen
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Naoko Fujita
直子 藤田
Jun Takahara
潤 高原
Toru Setoyama
亨 瀬戸山
Masami Okuda
雅巳 奥田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素化反応、特に単環芳香族炭化水素を部分
水素化して対応するシクロオレフィンを製造する反応に
おいて目的とするシクロオレフィンが高い選択率で得ら
れる新規ルテニウム触媒を提供する。 【解決手段】 ルテニウム成分に関するX線吸収微細構
造におけるX線吸収端近傍構造(XANES)の分析に
おいて、(Ru−ハロゲン):(Ru−O)比が45:
55から25:75の範囲であるルテニウム触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化反応用ルテ
ニウム触媒に関するものである。特に、単環芳香族炭化
水素を部分水素化して対応するシクロオレフィン、とり
わけシクロヘキセンを製造する方法に有用な触媒に関す
るものである。シクロオレフィンは、ラクタム類、ジカ
ルボン酸等のポリアミド原料、リジン、医薬、農薬など
の重要な中間原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】水素化反応用ルテニウム触媒は多数知ら
れており、ルテニウム成分を水に難溶化させる方法とし
て、水素で還元する方法(特開昭57−130926な
ど)、液相で還元剤を使用する方法(特開昭54−94
491など)、アルカリを添加する方法(特開昭63−
243038など)が知られている。これらの方法は、
水溶性のルテニウム化合物を還元によりルテニウム金属
としたり、加水分解により水酸化ルテニウム等の不溶
性、難溶性のルテニウム化合物に変換している。一方、
シクロオレフィンの製造方法としては、従来より単環芳
香族炭化水素の部分水素化反応、シクロアルカノールの
脱水反応、及びシクロアルカンの脱水素反応、酸化脱水
素反応など多くの方法が知られている。なかでも、単環
芳香族炭化水素の部分水素化によりシクロオレフィンを
効率よく得ることができれば、最も簡略化された反応工
程となり、プロセス上好ましい。
【0003】単環芳香族炭化水素の部分水素化によるシ
クロオレフィンの製造方法としては、触媒として主にル
テニウム金属が使用され、水及び金属塩の存在下で水素
化反応を行う方法が一般的である。ルテニウム触媒とし
ては、ルテニウム微粒子を触媒とする方法(特開昭61
−50930など)、シリカ、アルミナ、硫酸バリウ
ム、ケイ酸ジルコニウムなどの担体にルテニウムを担持
させた触媒を用いた方法(特開昭57−130926、
特開昭59−155328、特開昭61−40226、
特開平4−74141)など多数の提案がなされてい
る。これらの触媒でも上記のような方法でルテニウムを
担体に固定化し、難溶化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、いずれも必ず、還元またはアルカリでルテニ
ウムを難溶化する過程が必要であるという問題がある。
難溶化は必須の工程であるが、難溶化を還元で行った場
合には還元剤が必要であり、水素を還元剤として用いる
場合には高温が必要となるためコスト高となる。また、
アルカリで難溶化する場合にはアルカリが必要なためコ
スト高になるほか、例えば担体にシリカ等アルカリによ
り溶解する成分を含む場合には好ましくない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ルテニウム原
子に隣接するハロゲン原子の比率あるいは触媒中のハロ
ゲン量が特定範囲にある場合、或いは触媒中のハロゲン
量を制御して製造した特定の触媒を用いれば、上記課題
を解決できることを見いだし、本発明に到達した。即ち
本発明の要旨は、ルテニウム成分に関するX線吸収微細
構造におけるX線吸収端近傍構造(XANES)の分析
において、(Ru−ハロゲン):(Ru−O)比が4
5:55から25:75の範囲であるルテニウム触媒、
並びに、ハロゲン化ルテニウムを原料として用い、ハロ
ゲン含有量が仕込みに対して0.9重量倍以下になるま
で50℃以上の温度で非還元雰囲気下で加熱することを
特徴とするルテニウム触媒の製造方法に存する。ここで
XANESの分析における、「(Ru−ハロゲン):
(Ru−O)比」とは、ルテニウム原子に隣接する元素
が、それぞれ「ハロゲン」、「酸素」であるもののモル
比を示したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において「触媒」とは、反応系内等で活性化して
触媒作用を示すようになる触媒前駆体をも含むものとす
る。本発明において使用されるルテニウム触媒は、ルテ
ニウム単独、ルテニウムに他の金属を加えたルテニウム
を主成分とするもの、あるいはこれらを担体に担持させ
て用いることができるが、担体に担持させることがより
好ましい。ルテニウム触媒中のルテニウム成分の結合状
態は、ルテニウムのX線吸収微細構造(XAFS:X−
ray Absorption Fine Struc
ture)におけるX線吸収端近傍構造(XANES:
X−ray Absorption Near−Edg
e Structure)を分析することにより評価す
ることができる。XAFS分析の基本的な原理及び解析
法は例えば「日本分光学測定法シリーズ26 X線吸収
微細構造 宇田川康夫編」などの書籍を参考とすること
ができる。具体的には、XANESの標準スペクトルの
重ね合わせにより、ルテニウムに隣接する元素の比を求
めることができる。
【0007】本発明において使用される触媒の担体は、
無機担体であれば特に限定されないが、特に好ましくは
ジルコニア、ジルコニアで修飾したシリカ及び市販のZr
SiO4(ジルコン)である。本発明で用いるジルコニア
は、市販のジルコニアをそのまま用いても良く、或いは
例えば水酸化ジルコニルを所望の温度で焼成して得るこ
ともできる。水酸化ジルコニルとは例えば市販の硝酸ジ
ルコニルをアンモニアで中和、水洗することにより得ら
れる。 ジルコニアで修飾したシリカ担体としては、例
えばシリカにジルコニアが高分散に担持されたシリカ担
体があげられる。高分散担持とは、担持されたジルコニ
アの粒子径が比較的小さい状態であって、シリカに均一
に分散されている状態をいう。この場合のジルコニアの
平均粒子径は、通常20nm以下、好ましくは1〜10
nmである。ここでの平均結晶子径とは、例えば、粉末
X線回折法により、ジルコニアの回折角(2θ)が30度
付近の回折幅の広がりからScherrerの式により
算出されるものである。
【0008】シリカの種類は特に限定はないが通常、球
状シリカが用いられる。球状シリカの粒径は、得られた
触媒を使用する反応の型式に対する取扱いなどから適当
な大きさのものを選ぶことができる。例えば、懸濁床の
場合は、通常5〜200ミクロン程度が好ましい。ま
た、ジルコニアの修飾量は、ジルコニアがシリカに高分
散に担持されていれば特に限定されるものではないが、
通常、シリカに対して0.1〜20重量%、好ましくは
0.5〜10重量%である。ジルコニアの修飾量が少な
過ぎると反応への効果が充分に表われず、また、ジルコ
ニアの修飾量が多過ぎても、シクロオレフィンの選択率
がむしろ低下する場合があるほか、さらには担体の価格
が高くなるという経済的な不利益も生じる。
【0009】調製方法は、シリカに上述したようにジル
コニアが分散担持された状態になるような方法であれば
どのような方法でもよい。但し、一般的に、単にシリカ
とジルコニアを物理混合する方法ではそのような状態を
得にくく、通常、ジルコニウム化合物を水または有機溶
媒に溶解させた溶液、あるいはジルコニウム化合物を溶
解後、一部あるいは全部をアルカリ等で加水分解させた
溶液を用いて、公知の含浸担持法やディップコーティン
グ法を好適に用いることによりシリカに担持し、その
後、乾燥、焼成する方法が用いられる。ここで用いられ
るジルコニウム化合物としては、ジルコニウムのハロゲ
ン化物、オキシハロゲン化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、
水酸化物、さらにジルコニウムのアセチルアセトナト錯
体などの錯体化合物やジルコニウムアルコキシド等が用
いられる。また、ここでの焼成温度は、用いたジルコニ
ウム化合物がジルコニアになる温度以上であればよく、
通常600 ℃以上であるが、1200℃よりも高温にするとシ
リカの結晶化が著しくなり、あまり好ましくない。
【0010】触媒の活性成分は、ルテニウム単独で使用
することもよいが、他の金属成分を混合してもよい。ル
テニウムと混合使用する成分としては、亜鉛、鉄、コバ
ルト、マンガン、金、ランタン、銅などが有効であり、
特に亜鉛が好ましい。触媒活性成分のルテニウムの原料
としては、ルテニウムのハロゲン化物が使用される。特
に塩化ルテニウムが好適である。ルテニウムと混合す
る、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、金、ランタン、銅
等の化合物としては、各金属のハロゲン化物、硝酸塩、
酢酸塩、硫酸塩、各金属を含む錯体化合物などが使用さ
れる。また、これらの混合成分は、ルテニウム原料と同
時に混合してもよいし、予めルテニウムを難溶化させた
後に混合してもよいし、あるいは先にこれらの金属を難
溶化させた後でルテニウムを混合してもよい。なお、触
媒調製時の活性成分を担持させる際に使用する溶媒とし
ては、水、またはアルコール、アセトン、テトラヒドロ
フランなどの有機溶媒を含んだ水が使用される。ルテニ
ウムの担持量は、担体に対して、通常0.001〜10
重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。共担持
成分である亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、金、ランタ
ン、銅等を用いる場合は、ルテニウムに対する原子比で
0.01〜20、好ましくは0.05〜10の範囲に選
択される。
【0011】触媒成分の接触、担持方法は、一般的に用
いられる通常の担持金属触媒の方法が採用される。すな
わち、触媒成分液に担体を浸漬後、撹拌しながら溶媒を
蒸発させる蒸発乾固法、担体を乾燥状態に保ちながら触
媒活性成分液を噴霧するスプレー法、あるいは、触媒活
性成分液に担体を浸漬後、ろ過する方法等の公知の担持
法が好適に用いられる。
【0012】ルテニウム成分或いは、担体に担持させた
ルテニウム成分を水に難溶化させる方法は、例えばルテ
ニウム成分或いは担体に担持させたルテニウム成分を、
非還元雰囲気下で加熱することにより行われる。加熱の
温度は、50℃以上であり、好ましくは60℃以上30
0℃以下、さらに好ましくは80℃以上150℃以下で
ある。加熱の方法は特に限定されない。例えば、ガラス
製の容器に密閉して所定の温度に加熱する方法、蒸発皿
等の開放した容器に入れ一般の乾燥機、恒温槽で所定の
温度に加熱する方法、石英管等に入れ所定の温度に加熱
しながら微量の水分を含んだガスを流通させるか、もし
くは所定の温度に加熱した微量の水分を含んだガスを流
通させる方法などを用いることができる。
【0013】加熱によりルテニウム成分が難溶化される
理由は定かではないが、おそらく、加熱処理により触媒
中や空気中もしくは流通させるガスの水分により触媒成
分が加水分解される速度が大きくなり、原料のハロゲン
化ルテニウムから、水酸化ルテニウム、ジハロヒドロキ
シルテニウム及びその脱水縮合物、ハロジヒドロキシル
テニウム及びその脱水縮合物からなる混合物が生じてい
るものと考えている。
【0014】加熱雰囲気は、還元性のガスが存在しなけ
ればなんでもよく、空気、窒素、アルゴンなどが用いら
れる。ガス中の水分は、製法としてルテニウム水溶液を
接触、担持させるため加熱前の触媒には水が含まれてい
るので、必ずしも必要ではないが、高温のガスを流通さ
せるなど触媒中の水分量で充分でない場合は、10pp
m以上の水を含んだガスを用いる方が好ましい。加熱後
のハロゲン量は、仕込み量に対して0.9重量倍より多
いとルテニウム成分の難溶化が不十分となり、発明の効
果がでない。またその量については、実際上実用に耐え
得る加熱時間でハロゲンをなくしてしまうことは難し
く、また、その必要性もない。好ましくは仕込み量に対
して0.9〜0.1重量倍、より好ましくは0.9〜
0.5重量倍である。なお、仕込み量とは原料のハロゲ
ン化ルテニウム及び共担持成分がハロゲンを含む場合
は、その量を加えたものである。
【0015】ハロゲンの分析は例えば蛍光X線分析装置
により測定することができる。加熱時間は、加熱途中で
サンプリングし、上記の方法でハロゲン量を分析すれば
適宜決めることができ、例えば、120℃で加熱する場
合は、一般の恒温槽で10時間から40時間程度とな
る。このように調製された触媒を芳香族化合物の部分水
素化に使用する場合は、通常、更に金属塩の水溶液また
は水と接触させて、活性化させて用いる。
【0016】水との接触処理は触媒に対して通常0.0
1〜100重量倍、好ましくは0.1〜10重量倍の水
に浸漬するなどして実施される。処理条件としては通
常、圧力は常圧から加圧下、温度は室温〜250℃、好
ましくは室温〜200℃で、処理時間は10分以上、好
ましくは1〜20時間である。接触処理の雰囲気は、通
常、不活性ガス雰囲気下あるいは水素ガス雰囲気下であ
り、好ましくは水素ガス雰囲気下である。
【0017】また、以上の接触処理に用いる水としては
純水の他に金属塩の水溶液でもよい。金属塩としては、
例えば硫酸亜鉛が好ましく使用される。水溶液中の金属
塩の濃度としては水に対して通常1×10-5〜1重量
倍、好ましくは1×10-4〜0.2重量倍である。接触
処理後の触媒は通常金属塩水溶液をろ別し、純水で洗浄
し、乾燥して使用する。いずれの接触処理後の触媒も、
通常、乾燥後、水素ガス雰囲気下などで還元処理し、さ
らに触媒性能を高めることができる。
【0018】なお、この活性化処理、水素ガス雰囲気下
などでの還元をしなくても、反応系中で触媒の還元を行
わせ、反応に用いることもできる。本発明により得られ
たルテニウム触媒は、水素化反応、特に芳香族化合物の
部分水素化反応の触媒として好適である。本発明触媒の
使用対象とする基質は特に限定はないが、例えば単環芳
香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、および、炭素数1〜4程度の低級アルキル基置換ベ
ンゼン類などが挙げられる。
【0019】水素化反応の条件としては、例えば単環芳
香族炭化水素の場合には、反応温度は、通常50〜25
0℃、好ましくは100〜220℃の範囲から選択され
る。250℃以上ではシクロオレフィンの選択率が低下
し、50℃以下では反応速度が著しく低下し好ましくな
い。また、反応時の水素の圧力は、通常0.1〜20M
Pa、好ましくは0.5〜10MPaの範囲から選ばれ
る。通常20MPaを超えると工業的に不利であり、一
方、0.1MPa未満では反応速度が著しく低下し設備
上不経済である。反応は気相反応、液相反応のいずれも
実施することができるが、好ましくは液相反応である。
反応型式としては、一槽または二槽以上の反応槽を用い
て、回分式に行うこともできるし、連続的に行うことも
可能であり、特に限定されない。また、水を反応系へ添
加するが、水の添加量は芳香族炭化水素による容量比で
通常0.01〜10倍、好ましくは0.1〜5倍の範囲
で行われる。かかる範囲において高い反応成績を達成す
ることができる。なお、金属塩などの添加剤を反応系に
添加して高い反応成績を得ることも可能である。
【0020】
【実施例】次に実施例によって本発明について更に詳し
く説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の
実施例に限定されるものではない。
【0021】(XAFS分析)以下の実施例及び比較例
で行ったXAFS分析のルテニウムのK吸収端XAFS
スペクトルの測定は、高エネルギー加速器研究機構物質
構造科学研究所放射光研究施設ビームライン10B(B
L10B)のXAFS測定装置で実施した。測定モード
は透過法を用いた。分光結晶はSi(311)チャンネ
ルカットタイプを用い、入射X線強度I0 は、アルゴン
ガスを封入した17cmのイオンチェンバーを、試料を
透過したX線強度Iはクリプトンガスを封入した31c
mのイオンチェンバーを用いて測定した。各触媒につい
ては、窓部分にカプトン膜を貼った厚さ15mmのガラ
ス製円筒型セルに封入したものを測定に用いた。標品に
ついては、大気による変質を防ぐため窓部分にカプトン
膜を貼ったもので、窓の大きさ10mmφ、厚さ1mm
のAl製の板型セルに封入したものを測定に用いた。
【0022】各試料の測定は常温下で実施した。また、
この際の測定領域、測定点の間隔および測定点1点あた
りの積算時間の設定は以下のとおりである。θが10.
085137°から9.877414°まで区間を0.
002967°間隔(測定点数は70点)で、標品及び
標品を混合した標準試料は各点1秒積算、触媒は1秒積
算。θが9.877414°から9.810071°間
での区間を0.000449°間隔(測定点数は150
点)で、標品及び標品を混合した標準試料は各点1秒積
算、触媒は4秒積算。θが9.810071°から9.
634921°間での区間を0.001095°間隔
(測定点数は160点)で、標品は各点1秒積算、標品
を混合した標準試料は各点3秒積算、触媒は8秒積算。
θが9.634921°から9.481628°間での
区間を0.002513°間隔(測定点数は62点)
で、標品は各点1秒積算、標品を混合した標準試料は各
点3秒積算、触媒は8秒積算。ここで述べるθとは、X
線が分光結晶へ入射するときの入射角である。
【0023】(XANES解析)上記で得られたデータ
の解析は以下のようにして実施した。ルテニウムのK吸
収端のXAFSスペクトルの校正は、ルテニウム金属の
0が22129.0eVになるように行った。なお、
ここにE0 とは、X線吸収端付近(入力X線エネルギー
値が22070から22220eV)領域のスペクトル
において、その一階微分係数が最大値となるエネルギー
値のことである。まず、各試料のスペクトルからルテニ
ウム以外の吸収の影響を取り除くため、生スペクトルか
らバックグラウンドを差し引いた。バックグラウンド
は、21620から22050eVの範囲で生スペクト
ルとフィッティングさせたMcMasterの式(A*
-2.75 +B、A,Bは任意の定数)を用いて決定し
た。次に、各試料のスペクトルから試料のルテニウム濃
度による吸収端のjumpの高さの違いを取り除くた
め、バックグラウンドを除去したスペクトルμ(E)を
規格化定数Nで除した。ここにNとは22500から2
2980eVの範囲におけるμ(E)の値を平均して求
められた値である。
【0024】最後に、各触媒のスペクトル2種類の標品
の合成スペクトル「aμA (E)+bμB (E)」によ
り最小二乗法を用いてフィッティング計算を行い、係数
aおよびbを算出した。フィッティング計算の範囲は2
2135から22250eVである。各触媒中のルテニ
ウムに隣接するハロゲン元素と酸素の成分比は係数a:
bをもって見積もった。なお、μA (E)は標品Aのス
ペクトル、μB (E)は標品Bのスペクトル、標品Aは
ルテニウムに隣接する元素がハロゲンのみである標品、
標品Bはルテニウムに隣接する元素が酸素のみである標
品とする。
【0025】以下の実施例において、標品Aはキシダ化
学の塩化ルテニウム(III)99.9%、標品BはKOC
H−LIGHT LIMITED社のRutheniu
m(IV)Oxide anhydrous99.8%を
使用した。標品のスペクトル測定に必要な量は標品Aが
27mg、標品Bが17.4mgである。尚、これらの
必要量をAl製10mmφ、1mm厚のセルにすきまな
く充填するために、高密度ポリエチレン粉を希釈剤とし
て用いた。また、標品AおよびBの混合物を調製し、本
解析方法の信頼性を確認した。標品A:標品Bのモル比
で1:2、2:1の標準試料を解析した。標準試料の必
要量は、 (標品A):(標品B)=2:1では標品A 18.1mg、標品B 5.9mg (標品A):(標品B)=1:2では標品A 9.0mg、標品B 11.6mg であり、これらを標品と同様のセルに、同様の方法で充
填した。この結果、十分に信頼できる数値を得ることが
できた。
【0026】(蛍光X線分析)以下の実施例及び比較例
で行ったハロゲンの濃度は、「全自動蛍光X線分析装置
(理学電気(株)RIX-3001)」により分析を行った。試
料は触媒0.5gと東洋濾紙(株)製セルロースパウダ
ー(種類B:200ー300メッシュ)2gを60℃で
4時間乾燥したものを混合し、錠剤成型器で30kg/cm2
で成型した(試料厚1.8mm。)。既知のハロゲン濃
度の試料を用いて検量線をつくり、未知の試料のハロゲ
ンの濃度を算出した。各元素のX線強度はネット強度か
ら求めることができるが、より正確な分析値を求めるた
めに試料中に多く含まれ、測定中の濃度が不変の元素と
の比をとった(ハロゲン/Siなど)。以下に測定条件
を示す。
【0027】
【表1】 Heガス雰囲気下 測定径30mm (励起条件)ターゲット:Rh 管電圧(KV):50 管電流(mA):50 一次フィルタ:out (光学系条件)アッテネーター:1/10(Si 、Zrの場合) 、1/1(Clの場合) 分光結晶:PET(Siの場合) 、GE(Cl の場合) 、LIF1(Zr の場合) 検出器:プロポーショナル カウンター(Si,Clの場合) シンチレーション カウンター(Zr の場合) スリット:course (2θ及び測定時間) Si Cl Zr 2θ(deg) 109.010 92.845 22.550 測定時間(sec) 20 100 20
【0028】実施例1 (触媒の調製)オキシ硝酸ジルコニウム2水和物0.8
7gを20mlの脱塩水に溶解させた水溶液にシリカ
(富士シリシア化学社製、商品名:CARIACT50 、平均粒
径:50μm、比表面積:70m2 /g)8.0gを加
え、室温にて浸漬後、ロータリーエバポレーターにて水
を留去し、乾燥させた。次に、これを石英ガラス反応管
に仕込み、空気流通下、1000℃にて4時間焼成し、
5重量%のジルコニア修飾シリカ担体を調製した。
【0029】塩化ルテニウム3水和物0.104g及び
塩化亜鉛0.084gを含有した水溶液109mlに、
上記のジルコニア修飾シリカ担体8gを加え、60℃で
1時間、攪拌した後、温度を80℃に上げ、減圧し攪拌
しながら少しづつ水を留去させた。さらに水を少量加
え、減圧下80℃で攪拌しながら水を留去させた。この
ようにしてルテニウム(Ru)、亜鉛(Zn)を担体に
対してそれぞれ0.5重量%担持させた。このときRu
に隣接する元素の比は、(Ru−Cl):(Ru−O)
=61:39であった。このもの8gを蒸発皿に入れ、
120℃の恒温槽に入れ、60時間静置した。この触媒
のRuに隣接する元素の比は(Ru−Cl):(Ru−
O)=35:65であった。また触媒に含まれるCl量
は1.1重量%であった。なお、仕込んだClの揮発が
ない場合にはClの濃度は1.4重量%である。従っ
て、得られた触媒の塩素含有量は、仕込量の0.79重
量倍である。
【0030】(芳香族炭化水素の部分水素化反応)この
方法で調製、加熱した触媒2.5gを6重量%硫酸亜鉛
水溶液15mlと共にミクロオートクレーブに仕込み、
水素圧5MPa、150℃で5時間撹拌し、還元、活性
化した。触媒をろ別した後、150mlの水に懸濁させ
1時間撹拌する。触媒をろ別後水洗し、常温で乾燥し
た。このような処理を行った触媒6gを水素気流下20
0℃2時間気相還元し、水素気流下で室温まで冷却した
後、脱気した6重量%硫酸亜鉛水溶液134.4gとベ
ンゼン69gが入っている500mlの撹拌翼を備えた
オートクレーブに入れた。
【0031】窒素置換後、水素を導入し、温度を150
℃にした後、撹拌を開始した。反応中は水素圧を5MP
aに保つようにした。反応終了後、得られた反応溶液の
油相部分をガスクロマトグラフィーにより分析した。反
応時間38分で、ベンゼンの転化率は56%、得られた
生成物はシクロヘキサン及びシクロヘキセンであり、生
成物に占めるシクロヘキセンの割合は83%であった。
(特に断りがない限り、%で示される値はすべて「モル
%」である。以下同じ。)
【0032】比較例1 (触媒の調製)実施例1と同様の5重量%のジルコニア
修飾シリカ担体120gに20重量%塩化ルテニウム水
溶液7.39gと、20重量%塩化亜鉛水溶液6.24
gに水61.61gを加えた溶液を一般に用いられるス
プレー装置を用いて噴霧した。ロータリーエバポレータ
ーにて水を留去し、乾燥させた後、再びスプレー装置に
て4.2重量%水酸化ナトリウム水溶液を噴霧した。こ
れを500mlの水に懸濁させ、濾過した。この懸濁濾
過を3回繰り返して洗浄した。このようにしてルテニウ
ム(Ru)、亜鉛(Zn)を担体に対してそれぞれ0.
5重量%担持させた。この触媒のRuに隣接する元素の
比は、(Ru−Cl):(Ru−O)=20:80であ
った。また触媒に含まれるCl量は0.03重量%であ
った。
【0033】(芳香族炭化水素の部分水素化反応)この
触媒2.5gを6重量%硫酸亜鉛水溶液15mlと共にミクロオ
ートクレーブに仕込み、水素圧5MPa、150 ℃で5時間撹
拌し、還元、活性化した。触媒をろ別した後、150ml の
水に懸濁させ1時間撹拌する。触媒をろ別後水洗し、常
温で乾燥した。このような処理をした触媒6gを水素気
流下200℃2時間気相還元し、水素気流下で室温まで
冷却した後、脱気した6重量%硫酸亜鉛水溶液134.
4gとベンゼン69gが入っている500mlの撹拌翼
を備えたオートクレーブに入れた。窒素置換後水素を導
入し、温度を150℃にした後、撹拌を開始した。反応
中は水素圧を5MPaに保つようにした。
【0034】反応終了後、得られた反応溶液の油相部分
をガスクロマトグラフィーにより分析した。反応時間2
0分で、ベンゼンの転化率は57%、得られた生成物は
シクロヘキサン及びシクロヘキセンであり、生成物に占
めるシクロヘキセンの割合は73%であった。
【0035】比較例2 実施例1と同様にしてRu及びZnをそれぞれ0.5重
量%担体に担持させ、但し、120℃の恒温槽で60時
間静置する代わりに、石英ガラス管中で、水素気流下、
200℃で3時間加熱して触媒を調製した。この処理に
より、ルテニウムは金属状態に還元されている。この触
媒に含まれるCl量は0.55重量%であった。この触
媒を実施例1と同様にミクロオートクレーブでの活性化
処理、気相還元を行った後、ベンゼンの部分水素化反応
をおこなった。反応時間44分で、ベンゼンの転化率は
59%、得られた生成物はシクロヘキサン及びシクロヘ
キセンであり、生成物に占めるシクロヘキセンの割合は
77%であった。
【0036】実施例2 実施例1の方法で調製、加熱した触媒2.5gを6重量
%硫酸亜鉛水溶液15mlと共にミクロオートクレーブ
に仕込み、水素圧5MPa、150℃で5時間撹拌し、
還元、活性化した。触媒をろ別した後、150mlの水
に懸濁させ1時間撹拌した。触媒をろ別後水洗し、常温
で乾燥した。これを2g、水素気流下200℃2時間気
相還元し、水素気流下で室温まで冷却した後、脱気した
0.1重量%硫酸コバルト水溶液120gとベンゼン6
9gが入っている500mlの撹拌翼を備えたオートク
レーブに入れた。窒素置換後、水素を導入し、温度を1
50℃にした後、撹拌を開始した。反応中は水素圧を5
MPaに保つようにした。
【0037】反応終了後、得られた反応溶液の油相部分
をガスクロマトグラフィーにより分析した。反応時間3
3分で、ベンゼンの転化率は60%、得られた生成物は
シクロヘキサン及びシクロヘキセンであり、生成物に占
めるシクロヘキセンの割合は68%であった。
【0038】参考例 実施例1で得られた、120℃の恒温槽で60時間静置
した触媒2gをそのまま、脱気した0.1重量%硫酸コ
バルト水溶液120gとベンゼン69gが入っている5
00mlの撹拌翼を備えたオートクレーブに入れた。窒
素置換後、水素を導入し、温度を150℃にした後、撹
拌を開始した。反応中は水素圧を5MPaに保つように
した。
【0039】反応終了後、得られた反応溶液の油相部分
をガスクロマトグラフィーにより分析した。反応時間1
0分で、ベンゼンの転化率は63%、得られた生成物は
シクロヘキサン及びシクロヘキセンであり、生成物に占
めるシクロヘキセンの割合は44%であった。このよう
に、ルテニウムを担体担持後加熱により難溶化した触媒
をそのまま水素化反応の系中に入れて、触媒の活性化と
反応を同時に進行させることも可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ルテニウム原子に隣接
するハロゲン原子の比率もしくは触媒中のハロゲン量を
制御することにより、高選択率の触媒を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 雅巳 新潟県上越市福田町1番地 三菱化学株式 会社直江津事業所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルテニウム成分に関するX線吸収微細構
    造におけるX線吸収端近傍構造(XANES)の分析に
    おいて、(Ru−ハロゲン):(Ru−O)比が45:
    55から25:75の範囲であるルテニウム触媒。
  2. 【請求項2】 ルテニウム成分に関するX線吸収微細構
    造におけるX線吸収端近傍構造(XANES)の分析に
    おいて、(Ru−ハロゲン):(Ru−O)比が45:
    55から25:75の範囲であり、且つ、酸化物に担持
    されてなるルテニウム触媒。
  3. 【請求項3】 担体が、ジルコン、ジルコニア、及びジ
    ルコニアで修飾したシリカから選ばれることを特徴とす
    る請求項2記載のルテニウム触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載のルテニ
    ウム触媒を還元して得られる金属ルテニウム触媒。
  5. 【請求項5】 ハロゲンを含むルテニウム含有成分を、
    50℃以上の温度で非還元雰囲気下で加熱することを特
    徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のルテニウム触
    媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化ルテニウムを原料として用
    い、ハロゲン含有量が仕込みハロゲン量に対して0.9
    重量倍以下になるまで、50℃以上の温度で非還元雰囲
    気下で加熱することを特徴とするルテニウム触媒の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 担体にハロゲン化ルテニウムを接触担持
    させ、ついでハロゲン含有量が仕込み量に対して0.9
    重量倍以下になるまで、50℃以上の温度で非還元雰囲
    気下で加熱することを特徴とするルテニウム触媒の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 原料のハロゲン化ルテニウムとして、実
    質的にハロゲン化ルテニウム水溶液、もしくはハロゲン
    化ルテニウム水溶液と亜鉛化合物水溶液の混合物を用い
    ることを特徴とする請求項6又は7に記載のルテニウム
    触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 担体が、ジルコン、ジルコニア、及びジ
    ルコニアで修飾したシリカから選ばれることを特徴とす
    る請求項7又は8記載のルテニウム触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】 加熱雰囲気が、非還元性で、かつ10
    ppm以上の水を含んだガス中であることを特徴とする
    請求項5乃至9の何れかに記載のルテニウム触媒の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 加熱温度が50〜200℃である請求
    項5乃至10の何れかに記載のルテニウム触媒の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項6乃至11の何れかに記載の製
    造方法を用いて得られるルテニウム触媒。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のルテニウム触媒を
    還元して得られる金属ルテニウム触媒。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至4、請求項12及び請求
    項13の何れかに記載の触媒の存在下、芳香族化合物を
    部分水素化することを特徴とするシクロオレフィン類の
    製造方法。
JP10349695A 1998-03-02 1998-12-09 ルテニウム触媒、その製造方法及びそれを用いたシクロオレフィンの製造方法 Pending JPH11314036A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005103411A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Asahi Kasei Chemicals Corp シクロオレフィン製造用触媒及び、シクロオレフィンの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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