JPH11314145A - 耐亀裂性に優れる連続鋳造ロ―ル - Google Patents
耐亀裂性に優れる連続鋳造ロ―ルInfo
- Publication number
- JPH11314145A JPH11314145A JP11055676A JP5567699A JPH11314145A JP H11314145 A JPH11314145 A JP H11314145A JP 11055676 A JP11055676 A JP 11055676A JP 5567699 A JP5567699 A JP 5567699A JP H11314145 A JPH11314145 A JP H11314145A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- cooling
- continuous casting
- heating
- crack
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は連続鋳造設備の連続鋳造ロールに関
し、特に溶接肉盛した後に、加熱・急冷熱処理を施すこ
とにより、耐亀裂性に優れる連続鋳造ロールおよびその
製造技術を提供する。 【解決手段】 C:0.04〜0.22%,Si:0.
10〜0.70%,Mn:0.25〜1.60%,C
r:10.0〜14.8%,Ni:0.3〜1.6%,
Mo:0.3〜1.8%を含むクロム系ステンレス鋼を
ロール胴部に溶接肉盛した後、ロール胴部のみを910
〜1180℃に加熱して3分以上保持し、次に常温まで
冷却した後、更にロール全体を560〜780℃に加熱
し30分以上保持した後、常温まで冷却して、組織を焼
き戻しソルバイトとし、室温シャルピー2mmVノッチ衝
撃値が5.5kgf ・m/cm2 以上である連続鋳造ロー
ル。
し、特に溶接肉盛した後に、加熱・急冷熱処理を施すこ
とにより、耐亀裂性に優れる連続鋳造ロールおよびその
製造技術を提供する。 【解決手段】 C:0.04〜0.22%,Si:0.
10〜0.70%,Mn:0.25〜1.60%,C
r:10.0〜14.8%,Ni:0.3〜1.6%,
Mo:0.3〜1.8%を含むクロム系ステンレス鋼を
ロール胴部に溶接肉盛した後、ロール胴部のみを910
〜1180℃に加熱して3分以上保持し、次に常温まで
冷却した後、更にロール全体を560〜780℃に加熱
し30分以上保持した後、常温まで冷却して、組織を焼
き戻しソルバイトとし、室温シャルピー2mmVノッチ衝
撃値が5.5kgf ・m/cm2 以上である連続鋳造ロー
ル。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続鋳造設備の連続
鋳造ロールに関し、特に溶接肉盛した後に、加熱・急冷
熱処理を施すことにより得られる、耐亀裂性に優れる連
続鋳造ロールおよびその製造技術に関する。
鋳造ロールに関し、特に溶接肉盛した後に、加熱・急冷
熱処理を施すことにより得られる、耐亀裂性に優れる連
続鋳造ロールおよびその製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄設備の連続鋳造装置は、図8に示す
ように、溶鋼をレードル10からタンディッシュ11を
経てモールド12に注入し、これを裏側内部が水冷され
ているモールド及び連続鋳造ロール1の間に設置されて
いる外部スプレー水で冷却し凝固させながら出側に引き
抜いていくことで、被鋳造材すなわち鋳片13を連続で
製造している。連続鋳造ロール1は、鋳片を約2m/m
in以下の低速で鉛直状態から徐々に後処理しやすい水
平状態に矯正しながら、引き抜き搬送していくと共に、
鋳片にロール圧力をかけて所定厚みに仕上げていく役割
を持つ。従って連続鋳造ロールは、1回転の中で高温の
鋳片と接触した後、冷却水スプレーによる急冷を受け
る、この繰り返しのための熱応力、及び機械的曲げ応力
を同時に受けながら、ロールの周方向に亀裂が入りそれ
が進展していく。
ように、溶鋼をレードル10からタンディッシュ11を
経てモールド12に注入し、これを裏側内部が水冷され
ているモールド及び連続鋳造ロール1の間に設置されて
いる外部スプレー水で冷却し凝固させながら出側に引き
抜いていくことで、被鋳造材すなわち鋳片13を連続で
製造している。連続鋳造ロール1は、鋳片を約2m/m
in以下の低速で鉛直状態から徐々に後処理しやすい水
平状態に矯正しながら、引き抜き搬送していくと共に、
鋳片にロール圧力をかけて所定厚みに仕上げていく役割
を持つ。従って連続鋳造ロールは、1回転の中で高温の
鋳片と接触した後、冷却水スプレーによる急冷を受け
る、この繰り返しのための熱応力、及び機械的曲げ応力
を同時に受けながら、ロールの周方向に亀裂が入りそれ
が進展していく。
【0003】特に近年、一杯のレードルの鋳造が終わっ
て、次の成分の異なるレードルの鋳造を行うときに、モ
ールド内において先行する鋳片の尾端の上に溶鋼を注い
でそのまま鋳造を続ける、連々鋳といわれる操業が主流
となっている。この場合、モールド内において異鋼種が
交じり合わないように、継ぎ目に仕切りの鉄板を敷く作
業があり、その際に鋳片を一定時間停止させなければな
らない。この条件はマシンストップと称されるが、この
マシンストップがあることで、熱応力がより一層厳しい
ものとなり、亀裂進展速度が速くなってきている。
て、次の成分の異なるレードルの鋳造を行うときに、モ
ールド内において先行する鋳片の尾端の上に溶鋼を注い
でそのまま鋳造を続ける、連々鋳といわれる操業が主流
となっている。この場合、モールド内において異鋼種が
交じり合わないように、継ぎ目に仕切りの鉄板を敷く作
業があり、その際に鋳片を一定時間停止させなければな
らない。この条件はマシンストップと称されるが、この
マシンストップがあることで、熱応力がより一層厳しい
ものとなり、亀裂進展速度が速くなってきている。
【0004】通常、連続鋳造ロールは、直径400mm
程度のロールで、亀裂の限界深さ40〜50mm程度で
管理されているが、亀裂がこの限界を超えると、ロール
の折損が発生し易くなるため、亀裂深さに応じてロール
取替えを行う必要がある。一般に、連続鋳造設備のロー
ル本数は1生産ラインで数百本にも上る為、このロール
取替え再生費用は莫大なものとなっており、当該ロール
の寿命延長は極めて重要な課題となっている。
程度のロールで、亀裂の限界深さ40〜50mm程度で
管理されているが、亀裂がこの限界を超えると、ロール
の折損が発生し易くなるため、亀裂深さに応じてロール
取替えを行う必要がある。一般に、連続鋳造設備のロー
ル本数は1生産ラインで数百本にも上る為、このロール
取替え再生費用は莫大なものとなっており、当該ロール
の寿命延長は極めて重要な課題となっている。
【0005】従来のロールの整備は、母材を含めて更新
するのはコスト的に不利であるため、補修の繰り返しを
行っているのが大半であり、その手順としては次の通り
である。すなわち、先ず胴部に生じた亀裂深さに応じて
亀裂部分を削除し、鍛造により成形された機械構造用合
金鋼ロール母材の上に母材相当の材料を溶接肉盛(下盛
り)した上で、数mm厚みの13クロム系ステンレス鋼
を溶接肉盛(上盛り)した後、650℃程度の温度で数
時間保持後徐冷する、いわゆる応力除去焼鈍を実施後、
機械加工により仕上加工して使用される。
するのはコスト的に不利であるため、補修の繰り返しを
行っているのが大半であり、その手順としては次の通り
である。すなわち、先ず胴部に生じた亀裂深さに応じて
亀裂部分を削除し、鍛造により成形された機械構造用合
金鋼ロール母材の上に母材相当の材料を溶接肉盛(下盛
り)した上で、数mm厚みの13クロム系ステンレス鋼
を溶接肉盛(上盛り)した後、650℃程度の温度で数
時間保持後徐冷する、いわゆる応力除去焼鈍を実施後、
機械加工により仕上加工して使用される。
【0006】別の方法として、特公昭59−14101
号公報に示される、クロム系ステンレス鋼溶接肉盛層の
上に0.05〜0.80mm厚みの自溶性合金溶射肉盛
を行うことで、最表層の硬い溶射肉盛層に生じた亀甲状
の微細な亀裂により、シャープな亀裂が進展していくこ
とを抑制する方法がある。また特公昭64−48650
号公報に示される、クロム系ステンレス鋼溶接肉盛後窒
化処理を行い、最表層に形成された硬い窒化層により、
溶射と同じ効果を狙う方法もある。更に特開昭63−4
7337号に示されるクロム系ステンレス鋼溶接肉盛
後、焼入れ熱処理を行い、表面の硬度を上げて耐亀裂性
・耐摩耗性を向上させようとする方法がある。
号公報に示される、クロム系ステンレス鋼溶接肉盛層の
上に0.05〜0.80mm厚みの自溶性合金溶射肉盛
を行うことで、最表層の硬い溶射肉盛層に生じた亀甲状
の微細な亀裂により、シャープな亀裂が進展していくこ
とを抑制する方法がある。また特公昭64−48650
号公報に示される、クロム系ステンレス鋼溶接肉盛後窒
化処理を行い、最表層に形成された硬い窒化層により、
溶射と同じ効果を狙う方法もある。更に特開昭63−4
7337号に示されるクロム系ステンレス鋼溶接肉盛
後、焼入れ熱処理を行い、表面の硬度を上げて耐亀裂性
・耐摩耗性を向上させようとする方法がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のロールにおいて
は、耐亀裂性を確保する表層のクロム系ステンレス鋼溶
接肉盛層において、次に示す課題があった。先ず最も広
く用いられている、溶接肉盛後650℃程度の温度で応
力除去焼鈍して使用する方法であるが、耐亀裂性が十分
でなく特にマシンストップの多いラインにおいては亀裂
進展が早く、亀裂が寿命すなわち補修の律速条件となり
短周期でのロール取替えを余儀なくされている。
は、耐亀裂性を確保する表層のクロム系ステンレス鋼溶
接肉盛層において、次に示す課題があった。先ず最も広
く用いられている、溶接肉盛後650℃程度の温度で応
力除去焼鈍して使用する方法であるが、耐亀裂性が十分
でなく特にマシンストップの多いラインにおいては亀裂
進展が早く、亀裂が寿命すなわち補修の律速条件となり
短周期でのロール取替えを余儀なくされている。
【0008】溶接肉盛後、自溶性合金の溶射肉盛を行う
方法では、溶射層が極めて硬く、かつ熱伝導率もクロム
系ステンレス鋼より低いため、初期に亀甲状の微細割れ
が多数発生する。この微細亀甲状割れは溶接肉盛層に進
展し、ロール表層の亀裂先端の応力を分散低減させるの
で、以後の周方向に直線状に繋がったシャープな亀裂の
生成・進展を抑制する作用を持つ。しかしながら、溶射
層は厳しい熱応力により早期に剥離してしまう。剥離し
た後も、初期に生成し溶接肉盛層側に進展した亀裂の形
状が有利であるため、その亀裂がシャープな亀裂となっ
て成長・進展することは少なくなる。しかしながら、溶
射層が剥離するまでの寿命が短いため、発生確率は低い
が、剥離以降に新たに発生した亀裂が亀甲状亀裂に混じ
ってシャープな亀裂となって進展していく傾向にあり、
総合的に見た亀裂律速のラインにおける寿命延長代は
1.3倍程度であり、更なる向上が望まれる。
方法では、溶射層が極めて硬く、かつ熱伝導率もクロム
系ステンレス鋼より低いため、初期に亀甲状の微細割れ
が多数発生する。この微細亀甲状割れは溶接肉盛層に進
展し、ロール表層の亀裂先端の応力を分散低減させるの
で、以後の周方向に直線状に繋がったシャープな亀裂の
生成・進展を抑制する作用を持つ。しかしながら、溶射
層は厳しい熱応力により早期に剥離してしまう。剥離し
た後も、初期に生成し溶接肉盛層側に進展した亀裂の形
状が有利であるため、その亀裂がシャープな亀裂となっ
て成長・進展することは少なくなる。しかしながら、溶
射層が剥離するまでの寿命が短いため、発生確率は低い
が、剥離以降に新たに発生した亀裂が亀甲状亀裂に混じ
ってシャープな亀裂となって進展していく傾向にあり、
総合的に見た亀裂律速のラインにおける寿命延長代は
1.3倍程度であり、更なる向上が望まれる。
【0009】溶接肉盛後窒化処理を行う方法では、クロ
ム系ステンレス鋼の表面に窒化クロムが形成され硬くは
なるが、耐食性が低下し耐摩耗性が悪化してしまう。ま
た、腐食により亀裂進展速度も加速されるので、耐亀裂
性もそれほど向上しない。従って、クロム系ステンレス
鋼溶接肉盛層への窒化処理は実用的ではない。またクロ
ム系ステンレス鋼溶接肉盛後焼入れ熱処理を行う方法
は、硬くはなるが靱性は低下するので耐亀裂性はむしろ
悪化し、亀裂で決まる寿命は短くなってしまう。
ム系ステンレス鋼の表面に窒化クロムが形成され硬くは
なるが、耐食性が低下し耐摩耗性が悪化してしまう。ま
た、腐食により亀裂進展速度も加速されるので、耐亀裂
性もそれほど向上しない。従って、クロム系ステンレス
鋼溶接肉盛層への窒化処理は実用的ではない。またクロ
ム系ステンレス鋼溶接肉盛後焼入れ熱処理を行う方法
は、硬くはなるが靱性は低下するので耐亀裂性はむしろ
悪化し、亀裂で決まる寿命は短くなってしまう。
【0010】以上いずれのロールも現状では満足できる
ものではなく、より耐亀裂性の優れる連続鋳造ロールの
開発が望まれていた。本発明者等は上記の課題を解決す
べく取組み、亀裂が律速となっている実ラインでの寿命
において、同時に使用開始し同期間使用した複数のロー
ルにおいて、亀裂深さが大きくばらついていることに着
目した。そこで亀裂の浅かったロールと深かったロール
の差異を解明することが寿命延長の対策検討に重要と考
え、代表的ロールのミクロ組織等を解析した。なお、当
該ロールは、0.07C−13.8Cr−1Ni系のス
テンレス鋼を溶接肉盛した後、650℃×5時間保持後
徐冷を行う応力除去焼鈍を実施し実連続鋳造ラインに組
み込み、1年3ヶ月使用したものである。ロールの直径
400mm、長さ2300mm、下盛り溶接肉盛材はJ
IS SNCM415と同等の合金鋼材料である。な
お、マシンストップの回数は月間約250回のラインで
ある。
ものではなく、より耐亀裂性の優れる連続鋳造ロールの
開発が望まれていた。本発明者等は上記の課題を解決す
べく取組み、亀裂が律速となっている実ラインでの寿命
において、同時に使用開始し同期間使用した複数のロー
ルにおいて、亀裂深さが大きくばらついていることに着
目した。そこで亀裂の浅かったロールと深かったロール
の差異を解明することが寿命延長の対策検討に重要と考
え、代表的ロールのミクロ組織等を解析した。なお、当
該ロールは、0.07C−13.8Cr−1Ni系のス
テンレス鋼を溶接肉盛した後、650℃×5時間保持後
徐冷を行う応力除去焼鈍を実施し実連続鋳造ラインに組
み込み、1年3ヶ月使用したものである。ロールの直径
400mm、長さ2300mm、下盛り溶接肉盛材はJ
IS SNCM415と同等の合金鋼材料である。な
お、マシンストップの回数は月間約250回のラインで
ある。
【0011】本発明者等は解析の結果以下の知見を得
た。 長寿命ロールは組織の結晶粒が微細、かつ炭化物が微
細均一に析出している。(図1及び2に長寿命ロール及
び短寿命ロールのそれぞれの顕微鏡組織を示す) 長寿命ロールは結晶粒界へのCrの偏析が少ない。
(図3及び4に長寿命ロール及び短寿命ロールのそれぞ
れの偏析の程度を示す) 何故、同じ条件にて製造したロールにおいて、上記、
の如く組織が異なってくるのかについては、現在でも
完全に説明はできないが、おそらく何らかの製造条件の
ばらつきによるものと推定される。いずれにしても、こ
の寿命の長いロールの組織を製造時に安定的に造り込む
ことができれば、ロール長寿命化に繋がると結論づけ
た。
た。 長寿命ロールは組織の結晶粒が微細、かつ炭化物が微
細均一に析出している。(図1及び2に長寿命ロール及
び短寿命ロールのそれぞれの顕微鏡組織を示す) 長寿命ロールは結晶粒界へのCrの偏析が少ない。
(図3及び4に長寿命ロール及び短寿命ロールのそれぞ
れの偏析の程度を示す) 何故、同じ条件にて製造したロールにおいて、上記、
の如く組織が異なってくるのかについては、現在でも
完全に説明はできないが、おそらく何らかの製造条件の
ばらつきによるものと推定される。いずれにしても、こ
の寿命の長いロールの組織を製造時に安定的に造り込む
ことができれば、ロール長寿命化に繋がると結論づけ
た。
【0012】実ラインの長寿命ロールのごとく、結晶粒
が小さく炭化物が微細均一に析出していることは、靱性
を向上し耐亀裂性を改善する。その理由は次の通りであ
る。亀裂深さがある限界管理値まで達すると寿命となる
訳であるが、その亀裂で決まる寿命は大きく二つに分類
される。すなわち亀裂が発生するまでの寿命と、その後
亀裂が進展し限界に達するまでの寿命とに分けられる。
前者を亀裂発生寿命、後者を亀裂進展寿命と称すれば、
亀裂発生寿命は強度に依存し、亀裂進展寿命は靱性に依
存する。当該連続鋳造ロールでは作用する応力が極めて
大きいため、早期の亀裂発生が不可避であり、寿命は亀
裂進展寿命に支配される。従って、靱性が高いことが亀
裂で決まる寿命の延長に大きく寄与していると考えられ
る。
が小さく炭化物が微細均一に析出していることは、靱性
を向上し耐亀裂性を改善する。その理由は次の通りであ
る。亀裂深さがある限界管理値まで達すると寿命となる
訳であるが、その亀裂で決まる寿命は大きく二つに分類
される。すなわち亀裂が発生するまでの寿命と、その後
亀裂が進展し限界に達するまでの寿命とに分けられる。
前者を亀裂発生寿命、後者を亀裂進展寿命と称すれば、
亀裂発生寿命は強度に依存し、亀裂進展寿命は靱性に依
存する。当該連続鋳造ロールでは作用する応力が極めて
大きいため、早期の亀裂発生が不可避であり、寿命は亀
裂進展寿命に支配される。従って、靱性が高いことが亀
裂で決まる寿命の延長に大きく寄与していると考えられ
る。
【0013】一方、連鋳ロールは前述の如く大量の冷却
水のある環境下で使われているため、腐食が亀裂進展の
加速要因となっている。一般的に、純粋な応力による疲
労に加え、更に腐食因子が加わると亀裂進展速度は速く
なる。粒界に偏析したCrはクロムカーバイドの形で存
在するはずであるが、粒界のクロムカーバイドの偏析
は、組織の粒内と粒界で電位差を生じ局部電池腐食作用
を起こすので、耐食性を低下させる。従って、Crの偏
析が少ないことが耐食性を向上させ、腐食疲労強度向上
に寄与していると考えられる。
水のある環境下で使われているため、腐食が亀裂進展の
加速要因となっている。一般的に、純粋な応力による疲
労に加え、更に腐食因子が加わると亀裂進展速度は速く
なる。粒界に偏析したCrはクロムカーバイドの形で存
在するはずであるが、粒界のクロムカーバイドの偏析
は、組織の粒内と粒界で電位差を生じ局部電池腐食作用
を起こすので、耐食性を低下させる。従って、Crの偏
析が少ないことが耐食性を向上させ、腐食疲労強度向上
に寄与していると考えられる。
【0014】本発明が解決しようとする課題は、ロール
の耐亀裂性を向上し寿命延長を図るための、溶接肉盛層
の組織微細化・均質化と粒界のCr偏析低減を安定的に
実現する連続鋳造ロールを提供することにある。
の耐亀裂性を向上し寿命延長を図るための、溶接肉盛層
の組織微細化・均質化と粒界のCr偏析低減を安定的に
実現する連続鋳造ロールを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の耐亀裂性に優れ
る連続鋳造ロールの要旨は次の通りである。すなわち、
被鋳造材と接するロール胴部表面に、焼入れ性と溶接性
を考慮した化学成分を持つクロム系ステンレス鋼を溶接
肉盛した後、焼入れ・焼き戻し熱処理を行う。
る連続鋳造ロールの要旨は次の通りである。すなわち、
被鋳造材と接するロール胴部表面に、焼入れ性と溶接性
を考慮した化学成分を持つクロム系ステンレス鋼を溶接
肉盛した後、焼入れ・焼き戻し熱処理を行う。
【0016】従来の溶接肉盛後応力除去焼鈍して製造す
る方法では、応力除去焼鈍650℃程度では結晶構造が
オーステナイトに変わる変態点以下のレベルであり、残
留応力の軽減効果はあっても組織・結晶構造を制御する
効果は持たない。従って、溶接肉盛層の組織は、溶接肉
盛作業時の冷却条件によって決まってしまう。溶接肉盛
作業は溶接ビードを連続で置きながら、通常厚み方向に
2層以上の多層盛りを行うが、先行・後続ビードの熱影
響を受けてビードの境界とビード内部で、また更に1層
目・2層目…で、組織が異なってくる。従来の溶接肉盛
層では、化学成分、溶接肉盛時の予熱条件にもよるが、
通常、組織はフェライト及び、炭化物とフェライトの混
合相であるパーライトまたはベイナイトの部分とに明瞭
に分かれてしまう。かつ前記の溶接肉盛層の中の各部の
温度差の影響によるばらつきもあって、組織は全体とし
て不均質なものとなる。その結果、靱性・強度・耐食性
の不十分な組織となり、耐亀裂性が劣っている。
る方法では、応力除去焼鈍650℃程度では結晶構造が
オーステナイトに変わる変態点以下のレベルであり、残
留応力の軽減効果はあっても組織・結晶構造を制御する
効果は持たない。従って、溶接肉盛層の組織は、溶接肉
盛作業時の冷却条件によって決まってしまう。溶接肉盛
作業は溶接ビードを連続で置きながら、通常厚み方向に
2層以上の多層盛りを行うが、先行・後続ビードの熱影
響を受けてビードの境界とビード内部で、また更に1層
目・2層目…で、組織が異なってくる。従来の溶接肉盛
層では、化学成分、溶接肉盛時の予熱条件にもよるが、
通常、組織はフェライト及び、炭化物とフェライトの混
合相であるパーライトまたはベイナイトの部分とに明瞭
に分かれてしまう。かつ前記の溶接肉盛層の中の各部の
温度差の影響によるばらつきもあって、組織は全体とし
て不均質なものとなる。その結果、靱性・強度・耐食性
の不十分な組織となり、耐亀裂性が劣っている。
【0017】そこで、本発明のロールは溶接性と焼入性
を両立させた化学成分を持つクロム系ステンレス鋼材料
を溶接肉盛し、加熱温度・冷却条件をコントロールして
焼入れ・焼き戻しを行うことにより、組織を緻密で粒界
のクロムカーバイド偏析のないものとして、靱性・耐食
性を向上させ、耐亀裂性を大幅に改善する。その特徴は
次の通りである。
を両立させた化学成分を持つクロム系ステンレス鋼材料
を溶接肉盛し、加熱温度・冷却条件をコントロールして
焼入れ・焼き戻しを行うことにより、組織を緻密で粒界
のクロムカーバイド偏析のないものとして、靱性・耐食
性を向上させ、耐亀裂性を大幅に改善する。その特徴は
次の通りである。
【0018】先ず、クロム系ステンレス鋼を溶接肉盛し
たロールに焼入れ熱処理を行う。これは結晶構造をオー
ステナイトに変態する領域の適当な温度まで加熱するこ
とで再結晶による結晶の微細化を図ると共に、炭化物形
成元素をオーステナイト中に十分固溶させるためであ
る。その状態から常温まで急冷することでオーステナイ
ト状態での微細な結晶状態を確保し、C等の炭化物形成
元素が過飽和に固溶した極めて硬いマルテンサイト組織
にする。その後焼き戻しにおいて、温度をオーステナイ
ト変態点温度以下の適切な温度まで上げて保持し、過飽
和に固溶した炭化物形成元素を緻密な粒状炭化物として
組織内に一様に析出させ、いわゆるソルバイト組織にす
ることで、高くなり過ぎた硬度(強度)を適切なレベル
まで下げ、靱性を大幅に向上させる。
たロールに焼入れ熱処理を行う。これは結晶構造をオー
ステナイトに変態する領域の適当な温度まで加熱するこ
とで再結晶による結晶の微細化を図ると共に、炭化物形
成元素をオーステナイト中に十分固溶させるためであ
る。その状態から常温まで急冷することでオーステナイ
ト状態での微細な結晶状態を確保し、C等の炭化物形成
元素が過飽和に固溶した極めて硬いマルテンサイト組織
にする。その後焼き戻しにおいて、温度をオーステナイ
ト変態点温度以下の適切な温度まで上げて保持し、過飽
和に固溶した炭化物形成元素を緻密な粒状炭化物として
組織内に一様に析出させ、いわゆるソルバイト組織にす
ることで、高くなり過ぎた硬度(強度)を適切なレベル
まで下げ、靱性を大幅に向上させる。
【0019】なお、Cの含有量が多い等、化学成分組成
によっては、溶接残留応力による焼割れあるいは歪の発
生を防止するために焼入れ・焼き戻し熱処理を応力除去
焼鈍実施後に行うようにした方が良い場合もある。
によっては、溶接残留応力による焼割れあるいは歪の発
生を防止するために焼入れ・焼き戻し熱処理を応力除去
焼鈍実施後に行うようにした方が良い場合もある。
【0020】焼入れの方法としては、通常行われる炉内
で全体加熱した後、冷却媒体の入った槽へ浸漬する方法
では、ロール全体が酸化すると共に変形が大きくなるの
で、熱処理後の変形・酸化層を修正加工するために、ロ
ールの両端のベアリングの嵌まる軸部も含めて溶接肉盛
せざるを得なくなり、補修コストが大幅にアップしてし
まう。そこで、ロールの変形を極小にしながら焼入れを
行う方法として、大気中でロール胴部表層のみを火炎ま
たは誘導加熱コイルで加熱した後冷媒で冷却する方法を
発明した。
で全体加熱した後、冷却媒体の入った槽へ浸漬する方法
では、ロール全体が酸化すると共に変形が大きくなるの
で、熱処理後の変形・酸化層を修正加工するために、ロ
ールの両端のベアリングの嵌まる軸部も含めて溶接肉盛
せざるを得なくなり、補修コストが大幅にアップしてし
まう。そこで、ロールの変形を極小にしながら焼入れを
行う方法として、大気中でロール胴部表層のみを火炎ま
たは誘導加熱コイルで加熱した後冷媒で冷却する方法を
発明した。
【0021】以上の結果として、ロール全体が殆ど変形
することなく、クロム系ステンレス鋼溶接肉盛層が適正
な焼入れ・焼き戻し熱処理を受けて焼き戻しソルバイト
組織となって、組織が緻密化し靱性が大幅に向上する。
しかも粒界のCrの偏析を低減したことで、腐食が関与
した亀裂進展促進を大幅に減らすことができる。以上の
本発明の技術的特徴について、その要旨は下記の通りで
ある。 (1) 重量%で、C:0.04〜0.22%、Si:0.
10〜0.70%、Mn:0.25〜1.60%、C
r:10.0〜14.8%、Ni:0.3〜1.6%、
Mo:0.3〜1.8%を含み、残部Fe及び不可避不
純物成分からなるクロム系ステンレス鋼をロール胴部に
溶接肉盛した後、ロール胴部のみを910〜1180℃
に加熱して3分以上保持し、次に常温まで冷却した後、
更にロール全体を560〜780℃に加熱し30分以上
保持した後、常温まで冷却して、フェライト及び粒状炭
化物が微細一様に分布した組織である焼き戻しソルバイ
ト組織としたことを特徴とする室温シャルピー2mmV
ノッチ衝撃値が5.5kgf ・m/cm2 以上である耐亀裂
性に優れる連続鋳造ロール。 (2) (1) 記載のロールの肉盛材料が、更にNb:0.5
〜2.0%を含有するクロム系ステンレス鋼であること
を特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造ロール。 (3) (1) または(2) 記載のロールの肉盛材料が、更に
V、TiまたはAlの1種または2種以上を合計で0.
01〜0.30%含有するクロム系ステンレス鋼である
ことを特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造ロール。 (4) (1) における910〜1180℃への加熱を、ロー
ル外径よりやや大きいリング状のホルダーにロールの半
径方向に向けた複数個のトーチを配設した構造の1基又
は複数基の火炎バーナーでロールを囲い、当該火炎リン
グバーナーをロール軸方向に移動していくことで行い、
その後引き続いて行われる冷却を、火炎リングバーナー
の後方に、リング状ヘッダー管にロール半径方向に向け
たスリットまたは複数個のノズルを設けた構造の冷却装
置を1基又は複数基設置し、当該スリット又はノズルか
ら水、またはエアを噴射しながら、火炎リングバーナー
と同時に移動していくか、または自然放冷することで処
理し、更にその後の560〜780℃への加熱を、ロー
ル全体を加熱炉に入れて昇温し、その後引き続いて行わ
れる冷却を、ファンを使って強制空冷するか、自然放冷
するか又は炉内冷却して処理することを特徴とする耐亀
裂性に優れる連続鋳造ロールの製造方法。 (5) (4) における910〜1180℃への加熱を、火炎
バーナー加熱に代えて、ロール外径よりやや大きいリン
グ状のホルダーに誘導加熱コイルを設けてロールを囲
い、当該誘導加熱リングコイルをロール軸方向に移動し
て処理することを特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造
ロールの製造方法。
することなく、クロム系ステンレス鋼溶接肉盛層が適正
な焼入れ・焼き戻し熱処理を受けて焼き戻しソルバイト
組織となって、組織が緻密化し靱性が大幅に向上する。
しかも粒界のCrの偏析を低減したことで、腐食が関与
した亀裂進展促進を大幅に減らすことができる。以上の
本発明の技術的特徴について、その要旨は下記の通りで
ある。 (1) 重量%で、C:0.04〜0.22%、Si:0.
10〜0.70%、Mn:0.25〜1.60%、C
r:10.0〜14.8%、Ni:0.3〜1.6%、
Mo:0.3〜1.8%を含み、残部Fe及び不可避不
純物成分からなるクロム系ステンレス鋼をロール胴部に
溶接肉盛した後、ロール胴部のみを910〜1180℃
に加熱して3分以上保持し、次に常温まで冷却した後、
更にロール全体を560〜780℃に加熱し30分以上
保持した後、常温まで冷却して、フェライト及び粒状炭
化物が微細一様に分布した組織である焼き戻しソルバイ
ト組織としたことを特徴とする室温シャルピー2mmV
ノッチ衝撃値が5.5kgf ・m/cm2 以上である耐亀裂
性に優れる連続鋳造ロール。 (2) (1) 記載のロールの肉盛材料が、更にNb:0.5
〜2.0%を含有するクロム系ステンレス鋼であること
を特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造ロール。 (3) (1) または(2) 記載のロールの肉盛材料が、更に
V、TiまたはAlの1種または2種以上を合計で0.
01〜0.30%含有するクロム系ステンレス鋼である
ことを特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造ロール。 (4) (1) における910〜1180℃への加熱を、ロー
ル外径よりやや大きいリング状のホルダーにロールの半
径方向に向けた複数個のトーチを配設した構造の1基又
は複数基の火炎バーナーでロールを囲い、当該火炎リン
グバーナーをロール軸方向に移動していくことで行い、
その後引き続いて行われる冷却を、火炎リングバーナー
の後方に、リング状ヘッダー管にロール半径方向に向け
たスリットまたは複数個のノズルを設けた構造の冷却装
置を1基又は複数基設置し、当該スリット又はノズルか
ら水、またはエアを噴射しながら、火炎リングバーナー
と同時に移動していくか、または自然放冷することで処
理し、更にその後の560〜780℃への加熱を、ロー
ル全体を加熱炉に入れて昇温し、その後引き続いて行わ
れる冷却を、ファンを使って強制空冷するか、自然放冷
するか又は炉内冷却して処理することを特徴とする耐亀
裂性に優れる連続鋳造ロールの製造方法。 (5) (4) における910〜1180℃への加熱を、火炎
バーナー加熱に代えて、ロール外径よりやや大きいリン
グ状のホルダーに誘導加熱コイルを設けてロールを囲
い、当該誘導加熱リングコイルをロール軸方向に移動し
て処理することを特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造
ロールの製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の特徴及び数値範囲限定根
拠を以下に説明する。溶接肉盛材としては焼入れが可能
なステンレス鋼として、成分を重量%で、C:0.04
〜0.22%、Si:0.10〜0.70%、Mn:
0.25〜1.60%、Cr:10.0〜14.8%、
Ni:0.3〜1.6%、Mo:0.3〜1.8%を含
み、残部Fe及び不可避不純物成分からなることに限定
した。成分限定根拠は次の通りである。
拠を以下に説明する。溶接肉盛材としては焼入れが可能
なステンレス鋼として、成分を重量%で、C:0.04
〜0.22%、Si:0.10〜0.70%、Mn:
0.25〜1.60%、Cr:10.0〜14.8%、
Ni:0.3〜1.6%、Mo:0.3〜1.8%を含
み、残部Fe及び不可避不純物成分からなることに限定
した。成分限定根拠は次の通りである。
【0023】C:0.04〜0.22% Cは焼入れ性を支配する元素であり、強度等機械的性質
に重要な役割を果たす。Cは焼入れ温度域でのオーステ
ナイト領域を拡大し、焼き入れ後の完全なマルテンサイ
ト組織を得易くする。Cが0.04%未満だと焼入れ完
了状態でマルテンサイトの割合が低くなり、いわゆる完
全な焼きが入らなくなってくる。0.22%を超えると
溶接割れが起こる可能性が高くなると共に、焼き入れ加
熱温度に加熱してもオーステナイトにCが固溶しきれな
くなり、粒界に炭化物が残存し、靱性及び耐食性が低下
する。従って、Cの含有量は0.04〜0.22%とす
る。
に重要な役割を果たす。Cは焼入れ温度域でのオーステ
ナイト領域を拡大し、焼き入れ後の完全なマルテンサイ
ト組織を得易くする。Cが0.04%未満だと焼入れ完
了状態でマルテンサイトの割合が低くなり、いわゆる完
全な焼きが入らなくなってくる。0.22%を超えると
溶接割れが起こる可能性が高くなると共に、焼き入れ加
熱温度に加熱してもオーステナイトにCが固溶しきれな
くなり、粒界に炭化物が残存し、靱性及び耐食性が低下
する。従って、Cの含有量は0.04〜0.22%とす
る。
【0024】Si:0.10〜0.70% Siは溶接金属の脱酸剤の役割を持つと共に、強度を高
める効果を持ち、その効果を出すためには少なくとも
0.10%以上の添加が必要である。一方、含有量増加
と共に焼き入れ温度域でのオーステナイト領域をやや狭
くし、焼入性を損なう。また、溶接割れも出易くなる。
これは0.70%を超えると顕著になってくる。従っ
て、Siの含有量は0.10〜0.70%とする。
める効果を持ち、その効果を出すためには少なくとも
0.10%以上の添加が必要である。一方、含有量増加
と共に焼き入れ温度域でのオーステナイト領域をやや狭
くし、焼入性を損なう。また、溶接割れも出易くなる。
これは0.70%を超えると顕著になってくる。従っ
て、Siの含有量は0.10〜0.70%とする。
【0025】Mn:0.25〜1.60% Mnは不可避不純物であるSをMnSとして固定しその
害を除くと共に強度を高める。しかし含有量が多くなり
過ぎると靱性が低下する。0.25%未満では強度向上
が望めず、1.60%を超えると靱性低下が顕著とな
る。従ってMnの含有量は0.25〜1.60%とす
る。
害を除くと共に強度を高める。しかし含有量が多くなり
過ぎると靱性が低下する。0.25%未満では強度向上
が望めず、1.60%を超えると靱性低下が顕著とな
る。従ってMnの含有量は0.25〜1.60%とす
る。
【0026】Cr:10.0〜14.8% Crは組織に均質に溶け込んで、酸素と接するロール表
面が酸化クロムとなることで耐食性を向上し、かつステ
ンレス鋼が含有するCの含有量及び他の炭化物形成元素
の含有量・炭素親和力に見合った範囲で、クロムカーバ
イドとなってそれが組織内に一様に析出することで強
度、特に高温強度を高くする。Crが10.0%未満だ
と耐食性及び強度が確保できず、耐摩耗性・耐亀裂性共
に低下する。含有量の増加と共に耐食性・強度が向上す
るが、14.8%を超えると焼入れ温度域でのオーステ
ナイト領域が狭くなるため、やはり焼きが入りにくくな
ってくる。従って、Crの含有量は10.0〜14.8
%とする。
面が酸化クロムとなることで耐食性を向上し、かつステ
ンレス鋼が含有するCの含有量及び他の炭化物形成元素
の含有量・炭素親和力に見合った範囲で、クロムカーバ
イドとなってそれが組織内に一様に析出することで強
度、特に高温強度を高くする。Crが10.0%未満だ
と耐食性及び強度が確保できず、耐摩耗性・耐亀裂性共
に低下する。含有量の増加と共に耐食性・強度が向上す
るが、14.8%を超えると焼入れ温度域でのオーステ
ナイト領域が狭くなるため、やはり焼きが入りにくくな
ってくる。従って、Crの含有量は10.0〜14.8
%とする。
【0027】Ni:0.3〜1.6% Niは焼入れ温度域のオーステナイト領域を広げる元素
であり、焼入れ性を向上させる。また耐食性も向上させ
る。Niが0.3%以下だとこの効果が期待できない。
1.6%を超えると焼入性が良くなり過ぎ、マルテンサ
イト変態終了温度が下がり、焼き入れで冷却して常温に
なっても残留オーステナイトが残る不完全な焼き入れと
なってしまう。この残留オーステナイトは焼き割れの原
因ともなるので好ましくない。従って、Niの含有量は
0.3〜1.6%とする。
であり、焼入れ性を向上させる。また耐食性も向上させ
る。Niが0.3%以下だとこの効果が期待できない。
1.6%を超えると焼入性が良くなり過ぎ、マルテンサ
イト変態終了温度が下がり、焼き入れで冷却して常温に
なっても残留オーステナイトが残る不完全な焼き入れと
なってしまう。この残留オーステナイトは焼き割れの原
因ともなるので好ましくない。従って、Niの含有量は
0.3〜1.6%とする。
【0028】Mo:0.3〜1.8% Moは焼入性を向上させる元素であり、マルテンサイト
変態を容易にすると共に、焼き入れ・焼き戻し後組織の
粒界に炭化物を偏析させることなく、一様にモリブデン
カーバイドとして析出することで焼き戻し脆化防止に寄
与し、強度、特に高温強度を向上させる。この効果を確
保するためには少なくとも0.3%以上を要する。1.
8%を超えると、靱性が低下する。従って、Moの含有
量は0.3〜1.8%とする。
変態を容易にすると共に、焼き入れ・焼き戻し後組織の
粒界に炭化物を偏析させることなく、一様にモリブデン
カーバイドとして析出することで焼き戻し脆化防止に寄
与し、強度、特に高温強度を向上させる。この効果を確
保するためには少なくとも0.3%以上を要する。1.
8%を超えると、靱性が低下する。従って、Moの含有
量は0.3〜1.8%とする。
【0029】上記溶接肉盛材料に、更にNb:0.2〜
2.0%を含む、クロム系ステンレス鋼とすれば、より
一層の耐亀裂性向上が可能となる。以下Nbの添加目的
と数値範囲限定根拠を述べる。 Nb:0.5〜2.0% NbはCrその他の炭化物形成元素以上に、Cとの結合
力の強い元素である。従って溶接肉盛中ビードの冷却途
中でニオブカーバイドとなって析出しCを固定する。そ
の結果、溶接後にマルテンサイト相が生成することを完
全に抑えて、他の炭化物形成元素が固溶した微細なフェ
ライト相及びニオブカーバイドの相からなる組織にし
て、溶接割れを防止する。またその後の焼き入れ・焼き
戻しによって再びオーステナイトに溶け込んだ後、微細
に析出したニオブカーバイドは強度、特に高温強度を向
上する。また、粒界及び粒内へのクロムカーバイドの析
出を抑制し、金属Cr減少による耐食性の低下、及び靱
性の低下を防止する。Nbが0.5%未満だとこの効果
が現れにくい。2.0%まであればその効果を十分発揮
する。従って、Nbの含有量は0.5〜2.0%とす
る。
2.0%を含む、クロム系ステンレス鋼とすれば、より
一層の耐亀裂性向上が可能となる。以下Nbの添加目的
と数値範囲限定根拠を述べる。 Nb:0.5〜2.0% NbはCrその他の炭化物形成元素以上に、Cとの結合
力の強い元素である。従って溶接肉盛中ビードの冷却途
中でニオブカーバイドとなって析出しCを固定する。そ
の結果、溶接後にマルテンサイト相が生成することを完
全に抑えて、他の炭化物形成元素が固溶した微細なフェ
ライト相及びニオブカーバイドの相からなる組織にし
て、溶接割れを防止する。またその後の焼き入れ・焼き
戻しによって再びオーステナイトに溶け込んだ後、微細
に析出したニオブカーバイドは強度、特に高温強度を向
上する。また、粒界及び粒内へのクロムカーバイドの析
出を抑制し、金属Cr減少による耐食性の低下、及び靱
性の低下を防止する。Nbが0.5%未満だとこの効果
が現れにくい。2.0%まであればその効果を十分発揮
する。従って、Nbの含有量は0.5〜2.0%とす
る。
【0030】上記溶接肉盛材料に、更にV、Tiまたは
Alの1種または2種以上を合計で0.01〜0.30
%含有するクロム系ステンレス鋼とすれば、更なる耐亀
裂性向上が期待できる。焼き入れの加熱の際にオーステ
ナイト変態温度直上で再結晶して微細化した結晶粒は、
温度上昇と共に再び凝集粗大化しようとする。Vを微量
添加すると、微細なバナジウムカーバイドが組織に一様
に析出し、これが焼き入れの加熱の途上でオーステナイ
ト変態時のオーステナイト粒の核になり、多数のオース
テナイト粒が生ずるため、結晶粒が小さくなる。初期の
再結晶粒が小さいため、オーステナイト域で更に温度が
上昇し結晶粒が凝集したとしても、その結果としての結
晶粒は通常よりずっと小さい。一方、完全な焼き入れを
行うためには、オーステナイト粒へ炭化物形成元素を十
分固溶させる必要があり、変態点直上より上方の温度に
まで加熱する必要がある。従って、結晶がある程度凝集
してもまだ小さいことは、焼き入れ・焼き戻し後の微細
組織を得るのに好ましい。
Alの1種または2種以上を合計で0.01〜0.30
%含有するクロム系ステンレス鋼とすれば、更なる耐亀
裂性向上が期待できる。焼き入れの加熱の際にオーステ
ナイト変態温度直上で再結晶して微細化した結晶粒は、
温度上昇と共に再び凝集粗大化しようとする。Vを微量
添加すると、微細なバナジウムカーバイドが組織に一様
に析出し、これが焼き入れの加熱の途上でオーステナイ
ト変態時のオーステナイト粒の核になり、多数のオース
テナイト粒が生ずるため、結晶粒が小さくなる。初期の
再結晶粒が小さいため、オーステナイト域で更に温度が
上昇し結晶粒が凝集したとしても、その結果としての結
晶粒は通常よりずっと小さい。一方、完全な焼き入れを
行うためには、オーステナイト粒へ炭化物形成元素を十
分固溶させる必要があり、変態点直上より上方の温度に
まで加熱する必要がある。従って、結晶がある程度凝集
してもまだ小さいことは、焼き入れ・焼き戻し後の微細
組織を得るのに好ましい。
【0031】Vと同様の原理でTiも微細なチタンカー
バイド、もしくは溶接金属中に微量存在する窒素・酸素
と結びついて、チタン窒化物及びチタン酸化物を作り、
再結晶の核となり結晶を微細化する。またAlもアルミ
窒化物及びアルミ酸化物となって結晶を微細化する。含
有量は再結晶の核とするためには、1種または2種以上
を合計した添加量として、最低0.01%以上必要であ
る。0.30%を超えると靱性が低下し、溶接欠陥も出
易くなる。従って、Vの含有量は0.01〜0.30%
とする。
バイド、もしくは溶接金属中に微量存在する窒素・酸素
と結びついて、チタン窒化物及びチタン酸化物を作り、
再結晶の核となり結晶を微細化する。またAlもアルミ
窒化物及びアルミ酸化物となって結晶を微細化する。含
有量は再結晶の核とするためには、1種または2種以上
を合計した添加量として、最低0.01%以上必要であ
る。0.30%を超えると靱性が低下し、溶接欠陥も出
易くなる。従って、Vの含有量は0.01〜0.30%
とする。
【0032】また、本発明者等は、前記クロム系ステン
レス鋼溶接肉盛層の耐亀裂性向上のために必要な靱性
を、室温シャルピー2mmVノッチ衝撃値で評価するこ
とが可能であり、それが5.5kgf ・m/cm2 以上あれ
ば、従来の代表的な溶接肉盛ロールの亀裂寿命の2倍以
上の寿命が期待できることを、シミュレーター試験及び
実ライン試験により確認した。そこで同衝撃値を5.5
kgf ・m/cm2 以上とした。
レス鋼溶接肉盛層の耐亀裂性向上のために必要な靱性
を、室温シャルピー2mmVノッチ衝撃値で評価するこ
とが可能であり、それが5.5kgf ・m/cm2 以上あれ
ば、従来の代表的な溶接肉盛ロールの亀裂寿命の2倍以
上の寿命が期待できることを、シミュレーター試験及び
実ライン試験により確認した。そこで同衝撃値を5.5
kgf ・m/cm2 以上とした。
【0033】前記化学成分を有するクロム系ステンレス
鋼溶接肉盛層の厚みは3〜15mmとするのがよい。当
該クロム系ステンレス鋼溶接肉盛層の厚みは厚いほど靱
性・強度・耐食性に優れた層が厚くなることになり、亀
裂に対する寿命が伸びるが、経済性及び、火炎バーナー
による焼入能力上の制約から3〜15mmの厚み範囲が
好ましい。
鋼溶接肉盛層の厚みは3〜15mmとするのがよい。当
該クロム系ステンレス鋼溶接肉盛層の厚みは厚いほど靱
性・強度・耐食性に優れた層が厚くなることになり、亀
裂に対する寿命が伸びるが、経済性及び、火炎バーナー
による焼入能力上の制約から3〜15mmの厚み範囲が
好ましい。
【0034】焼入れの加熱温度は910℃以下では炭化
物形成元素がオーステナイト相中に固溶せず、結晶粒も
微細化しない。逆に1180℃以上になると一旦微細化
した結晶粒が成長し粗大化してしまう。焼入れ温度での
保持時間は、クロム系ステンレス溶接肉盛層の厚み方向
最深部が所定温度に達した状態で3分以上保持すればよ
い。
物形成元素がオーステナイト相中に固溶せず、結晶粒も
微細化しない。逆に1180℃以上になると一旦微細化
した結晶粒が成長し粗大化してしまう。焼入れ温度での
保持時間は、クロム系ステンレス溶接肉盛層の厚み方向
最深部が所定温度に達した状態で3分以上保持すればよ
い。
【0035】焼入れの具体的な加熱手段としては、ロー
ル外径よりやや大きいリング状のホルダーにロールの半
径方向に向けたトーチを複数配設した構造の火炎バーナ
ーを1基ないし火力により複数基準備する。これでロー
ルを囲い、当該火炎リングバーナーをロール軸方向に移
動していく方法か、あるいは、ロール外径よりやや大き
いリング状のホルダーに誘導加熱コイルを設けてこれで
ロールを囲い、ロール軸方向に移動していく。製造コス
トの点では前者の方が有利である。
ル外径よりやや大きいリング状のホルダーにロールの半
径方向に向けたトーチを複数配設した構造の火炎バーナ
ーを1基ないし火力により複数基準備する。これでロー
ルを囲い、当該火炎リングバーナーをロール軸方向に移
動していく方法か、あるいは、ロール外径よりやや大き
いリング状のホルダーに誘導加熱コイルを設けてこれで
ロールを囲い、ロール軸方向に移動していく。製造コス
トの点では前者の方が有利である。
【0036】次に、焼入れにおいてロール全体を炉内に
入れて加熱する方法は、現実的には困難である。これ
は、高温域での加熱によりロール全体が変形・酸化を起
こすため、ベアリングをセットする軸部も含めて肉盛し
ておき、全体を機械加工しなければならなくなり、製造
コストが大幅にアップしてしまうからである。焼入れの
冷却は、液体または気体、通常は水、またはエアを用い
て強制冷却を行う方法か、自然大気放冷により行う。冷
却方法は組織を完全にマルテンサイトにする事を前提
に、化学成分から決まる焼入性に応じて、空冷か水冷
か、更にその流量の流速を適切に選択する。
入れて加熱する方法は、現実的には困難である。これ
は、高温域での加熱によりロール全体が変形・酸化を起
こすため、ベアリングをセットする軸部も含めて肉盛し
ておき、全体を機械加工しなければならなくなり、製造
コストが大幅にアップしてしまうからである。焼入れの
冷却は、液体または気体、通常は水、またはエアを用い
て強制冷却を行う方法か、自然大気放冷により行う。冷
却方法は組織を完全にマルテンサイトにする事を前提
に、化学成分から決まる焼入性に応じて、空冷か水冷
か、更にその流量の流速を適切に選択する。
【0037】焼入れの具体的な冷却手段としては、図
5、図6に示すように、前記の火炎リングバーナー2ま
たは誘導加熱コイルリング8の後方に、リング状ヘッダ
ー管にロールの半径方向に向けたスリットまたは複数個
のノズルを設けた構造の冷却装置3を用意する。当該冷
却装置のスリット又はノズルから液体または気体、具体
的には水、またはエアを噴射するか、もしくは、図7の
ように、別にエアファン9を設置して強制空冷するか、
または自然放冷する。
5、図6に示すように、前記の火炎リングバーナー2ま
たは誘導加熱コイルリング8の後方に、リング状ヘッダ
ー管にロールの半径方向に向けたスリットまたは複数個
のノズルを設けた構造の冷却装置3を用意する。当該冷
却装置のスリット又はノズルから液体または気体、具体
的には水、またはエアを噴射するか、もしくは、図7の
ように、別にエアファン9を設置して強制空冷するか、
または自然放冷する。
【0038】次に、焼き戻しの加熱温度は560℃未満
では、焼き戻し脆性域にかかるため好ましくない。また
実製造ラインにおけるロール表面温度は600℃程度に
なるので、この温度レベル以上の焼き戻し温度が必要で
ある。焼き戻し温度が780℃を超えると析出炭化物の
凝集による軟化が進み、硬度が低下し過ぎてしまう。な
お通常ロール母材である機械構造用合金鋼は製造時に6
50℃程度で焼き戻しされており、これ以上に加熱する
と母材が軟化してロール全体としての曲げ強度を低下さ
せることになる。従って、焼き戻しの加熱温度は600
℃からロール母材の焼き戻し温度までの範囲、すなわち
実質600〜650℃の範囲で行うことが好ましい。焼
き戻しの保持時間は炭化物を必要十分に析出させるため
に、30分以上とする必要がある。
では、焼き戻し脆性域にかかるため好ましくない。また
実製造ラインにおけるロール表面温度は600℃程度に
なるので、この温度レベル以上の焼き戻し温度が必要で
ある。焼き戻し温度が780℃を超えると析出炭化物の
凝集による軟化が進み、硬度が低下し過ぎてしまう。な
お通常ロール母材である機械構造用合金鋼は製造時に6
50℃程度で焼き戻しされており、これ以上に加熱する
と母材が軟化してロール全体としての曲げ強度を低下さ
せることになる。従って、焼き戻しの加熱温度は600
℃からロール母材の焼き戻し温度までの範囲、すなわち
実質600〜650℃の範囲で行うことが好ましい。焼
き戻しの保持時間は炭化物を必要十分に析出させるため
に、30分以上とする必要がある。
【0039】焼き戻しの具体的な加熱手段としては、炉
内にロール全体を入れて昇温する方法が好ましい。それ
は加熱温度が焼入れのように高くないので前記の焼き入
れの加熱のときの心配がないこと、及びこの方が経済的
に有利だからである。更に、焼き戻しの冷却は、エアフ
ァンで強制冷却するか、自然大気放冷又は炉内冷却によ
って行う。なお、焼入れ熱処理においてはロールの曲が
り変形を防止するために、ロールをゆっくり回転させな
がら加熱・冷却処理することが好ましい。以下本発明に
ついて、実施例に基づいて更に詳述する。
内にロール全体を入れて昇温する方法が好ましい。それ
は加熱温度が焼入れのように高くないので前記の焼き入
れの加熱のときの心配がないこと、及びこの方が経済的
に有利だからである。更に、焼き戻しの冷却は、エアフ
ァンで強制冷却するか、自然大気放冷又は炉内冷却によ
って行う。なお、焼入れ熱処理においてはロールの曲が
り変形を防止するために、ロールをゆっくり回転させな
がら加熱・冷却処理することが好ましい。以下本発明に
ついて、実施例に基づいて更に詳述する。
【0040】
【実施例】従来の連続鋳造ロールの代表的肉盛材料、及
び本発明技術を適用し肉盛製造したロールに関して、そ
の機械的性質確認試験、シミュレーターによる耐亀裂性
評価試験、及び実ラインでの比較テストを行い、強度、
靱性、及び耐亀裂性を調査してみた。表1は調査に供し
た肉盛材料の製造諸元、すなわち溶接肉盛金属及び溶射
肉盛金属の化学成分及び熱処理の方法を示し、表2はそ
れら材料の機械的性質ならびにシミュレーター及び実ラ
インでの耐亀裂性評価の結果を示す。
び本発明技術を適用し肉盛製造したロールに関して、そ
の機械的性質確認試験、シミュレーターによる耐亀裂性
評価試験、及び実ラインでの比較テストを行い、強度、
靱性、及び耐亀裂性を調査してみた。表1は調査に供し
た肉盛材料の製造諸元、すなわち溶接肉盛金属及び溶射
肉盛金属の化学成分及び熱処理の方法を示し、表2はそ
れら材料の機械的性質ならびにシミュレーター及び実ラ
インでの耐亀裂性評価の結果を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表1において10種類の材料を示している
が、 No.1〜4が従来技術による材料で、 No.1がクロ
ム系ステンレス鋼溶接肉盛後、応力除去焼鈍を行ったも
の、No.2がクロム系ステンレス鋼溶接肉盛後、応力除
去焼鈍を行った上で、ニッケル系自溶性合金を溶射・溶
融処理を行ったもの、 No.3がクロム系ステンレス鋼溶
接肉盛後、応力除去焼鈍を行った上で、塩浴窒化処理を
行ったもの、 No.4がクロム系ステンレス鋼溶接肉盛
後、応力除去焼鈍を行った上で、焼入れ熱処理を行った
ものである。また本発明技術を No.5から10に示し、
クロム系ステンレス鋼溶接肉盛後、応力除去焼鈍実施の
上、表に記載の方法で焼入れ・焼き戻し熱処理を行った
ものである。なお、焼入れの具体的方法を“参照図”の
欄に記した図5、6、7に示す。
が、 No.1〜4が従来技術による材料で、 No.1がクロ
ム系ステンレス鋼溶接肉盛後、応力除去焼鈍を行ったも
の、No.2がクロム系ステンレス鋼溶接肉盛後、応力除
去焼鈍を行った上で、ニッケル系自溶性合金を溶射・溶
融処理を行ったもの、 No.3がクロム系ステンレス鋼溶
接肉盛後、応力除去焼鈍を行った上で、塩浴窒化処理を
行ったもの、 No.4がクロム系ステンレス鋼溶接肉盛
後、応力除去焼鈍を行った上で、焼入れ熱処理を行った
ものである。また本発明技術を No.5から10に示し、
クロム系ステンレス鋼溶接肉盛後、応力除去焼鈍実施の
上、表に記載の方法で焼入れ・焼き戻し熱処理を行った
ものである。なお、焼入れの具体的方法を“参照図”の
欄に記した図5、6、7に示す。
【0044】表2において、機械的性質の確認は、J
ISに定められている機械試験により硬度、降伏点及び
シャルピー衝撃値の確認を行った。試験N数としては3
項目とも、5回(点)行いその平均値を示した。なお、
硬度は表面から1mm深さの点を起点にして深さ方向に
1mmピッチで5点測定した。また、溶射及び窒化処理
を行っている No.2及び No.3について、硬度は最表面
近傍の値を表面に沿って5点測定した平均値を括弧外
に、溶射または窒化層との界面から2mm溶接肉盛層側
に入った点を起点に、深さ方向に1mmピッチで5点測定
した値の平均値を括弧内に示した。降伏点を求めるため
の引張試験片及び衝撃値測定用シャルピー試験片は表面
から2mm深さの位置を試験片表面として、更に深い側
から試験片を切出した。なお、 No.2の溶射肉盛層の厚
みは0.5mmである。
ISに定められている機械試験により硬度、降伏点及び
シャルピー衝撃値の確認を行った。試験N数としては3
項目とも、5回(点)行いその平均値を示した。なお、
硬度は表面から1mm深さの点を起点にして深さ方向に
1mmピッチで5点測定した。また、溶射及び窒化処理
を行っている No.2及び No.3について、硬度は最表面
近傍の値を表面に沿って5点測定した平均値を括弧外
に、溶射または窒化層との界面から2mm溶接肉盛層側
に入った点を起点に、深さ方向に1mmピッチで5点測定
した値の平均値を括弧内に示した。降伏点を求めるため
の引張試験片及び衝撃値測定用シャルピー試験片は表面
から2mm深さの位置を試験片表面として、更に深い側
から試験片を切出した。なお、 No.2の溶射肉盛層の厚
みは0.5mmである。
【0045】次にのシミュレーターによる耐亀裂性評
価試験は図9に示す実ラインのロールを模擬した試験装
置により実施した。この試験機は特定部Aを加熱した
後、180度回転して停止しA部を水冷するとともに、
対向する特定部Bを加熱する。そして一定時間経過後、
再び同じ方向に180度回転しA部を加熱する。以上の
様な180 度毎の回転・停止を周期的に繰り返して、対向
する特定部A及びBの部分に熱応力を加える。また同時
に、曲げ荷重を作用させるための油圧シリンダー及び固
定部(反力受けコロ)が設置され、ロールに曲げ応力が
付加される。なお、試験ロールの中央には冷却孔があり
内部水冷されている。以下、試験条件の詳細を示す。 (1) 試験ロール: 直径:120mm、ロール母材材質:JIS:S45
C、下盛材:なし、溶接肉盛層厚み:10mm、溶射肉
盛層厚み:(No.2)0.5mm (2) 試験片の加熱・冷却方法: 高周波誘導加熱コイルにより加熱、下部の水槽に浸漬し
て冷却 (3) 加熱温度・サイクル: 700℃×40秒、4rpmの回転速度で180度回転 (4) 曲げ応力: 22kgf/mm2 (5) 温度監視: サーモビュワーにて確認 評価は亀裂発生までのサイクル数(N1)、及び亀裂深さ
10mmに達するまでのサイクル数(N2)で行った。亀
裂発生タイミングはカラーチェックを一定サイクル数間
隔で実施し確認した。亀裂深さは電位差測定方式の亀裂
深さ測定器であるクラックメーターで一定サイクル数間
隔で測定し、亀裂深さ10mm時点で試験を終了し、試
験後ロール亀裂部を切断し深さを実測して、サイクル数
を補正した。なお、試験は各ロール肉盛材料に対し3回
行い、それらの平均値を表に記載した。
価試験は図9に示す実ラインのロールを模擬した試験装
置により実施した。この試験機は特定部Aを加熱した
後、180度回転して停止しA部を水冷するとともに、
対向する特定部Bを加熱する。そして一定時間経過後、
再び同じ方向に180度回転しA部を加熱する。以上の
様な180 度毎の回転・停止を周期的に繰り返して、対向
する特定部A及びBの部分に熱応力を加える。また同時
に、曲げ荷重を作用させるための油圧シリンダー及び固
定部(反力受けコロ)が設置され、ロールに曲げ応力が
付加される。なお、試験ロールの中央には冷却孔があり
内部水冷されている。以下、試験条件の詳細を示す。 (1) 試験ロール: 直径:120mm、ロール母材材質:JIS:S45
C、下盛材:なし、溶接肉盛層厚み:10mm、溶射肉
盛層厚み:(No.2)0.5mm (2) 試験片の加熱・冷却方法: 高周波誘導加熱コイルにより加熱、下部の水槽に浸漬し
て冷却 (3) 加熱温度・サイクル: 700℃×40秒、4rpmの回転速度で180度回転 (4) 曲げ応力: 22kgf/mm2 (5) 温度監視: サーモビュワーにて確認 評価は亀裂発生までのサイクル数(N1)、及び亀裂深さ
10mmに達するまでのサイクル数(N2)で行った。亀
裂発生タイミングはカラーチェックを一定サイクル数間
隔で実施し確認した。亀裂深さは電位差測定方式の亀裂
深さ測定器であるクラックメーターで一定サイクル数間
隔で測定し、亀裂深さ10mm時点で試験を終了し、試
験後ロール亀裂部を切断し深さを実測して、サイクル数
を補正した。なお、試験は各ロール肉盛材料に対し3回
行い、それらの平均値を表に記載した。
【0046】また、亀裂寿命の比較として、 No.1を基
準すなわち1.0としてN2の相対比を計算し、評価し
た。最後に、実ラインでの比較テストの概要を説明す
る。実ラインでの試用に供したロールは下記の条件にて
製造した。 ・ロール母材材質:JIS,SNCM415相当材(鍛
造にて製造) ・ロール寸法:直径400mm、長さ2300mm ・下盛:ロール母材相当成分の溶接肉盛、厚み20mm ・肉盛層(上盛)厚み: ・溶接肉盛層:10mm ・溶射肉盛層:(No.2)0.5mm なお、 No.5〜10の肉盛材料の焼入れの際のロール変
形防止対策として、ロールを5rpmに回転しながら焼
入れを実施した。
準すなわち1.0としてN2の相対比を計算し、評価し
た。最後に、実ラインでの比較テストの概要を説明す
る。実ラインでの試用に供したロールは下記の条件にて
製造した。 ・ロール母材材質:JIS,SNCM415相当材(鍛
造にて製造) ・ロール寸法:直径400mm、長さ2300mm ・下盛:ロール母材相当成分の溶接肉盛、厚み20mm ・肉盛層(上盛)厚み: ・溶接肉盛層:10mm ・溶射肉盛層:(No.2)0.5mm なお、 No.5〜10の肉盛材料の焼入れの際のロール変
形防止対策として、ロールを5rpmに回転しながら焼
入れを実施した。
【0047】以上の条件にてロールを各3本製造し、実
ラインに組み込んで試用した。確認期間は約6ヵ月間、
レードルの杯数として5000杯(チャージ)である。
評価は、5000チャージ使用後のロールの亀裂深さの
最大値を測定し、各3本のロールの平均値を計算し表2
に記載した。そして、亀裂寿命の比較として、No.1を
基準、すなわち1.0として亀裂深さの比の逆数を計算
し、亀裂寿命の相対比として評価した。亀裂深さの測定
はクラックメーターを用いた。
ラインに組み込んで試用した。確認期間は約6ヵ月間、
レードルの杯数として5000杯(チャージ)である。
評価は、5000チャージ使用後のロールの亀裂深さの
最大値を測定し、各3本のロールの平均値を計算し表2
に記載した。そして、亀裂寿命の比較として、No.1を
基準、すなわち1.0として亀裂深さの比の逆数を計算
し、亀裂寿命の相対比として評価した。亀裂深さの測定
はクラックメーターを用いた。
【0048】図10は表2中ののシャルピー衝撃値と
の亀裂寿命の比の相関を示したものである。この図よ
りシャルピー2mmVノッチ衝撃値が5.5kgf・m
/cm 2 を超えれば、従来の通常材料である13クロム系
ステンレス鋼を溶接肉盛後応力除去焼鈍したロールに比
べ、2倍以上の亀裂寿命が期待できることが分かる。本
発明技術により製造したロールのステンレス溶接肉盛層
組織の写真を図11に示す。これは表1、2における N
o.5のものである。白く見える部分がフェライト、黒く
見える部分が焼き戻しにより析出した微細な粒状炭化物
であり、全体として極めて緻密・均質な組織となってい
る。この組織のCrの面分布を調べたところ、粒界への
Crの偏析は見られなかった。
の亀裂寿命の比の相関を示したものである。この図よ
りシャルピー2mmVノッチ衝撃値が5.5kgf・m
/cm 2 を超えれば、従来の通常材料である13クロム系
ステンレス鋼を溶接肉盛後応力除去焼鈍したロールに比
べ、2倍以上の亀裂寿命が期待できることが分かる。本
発明技術により製造したロールのステンレス溶接肉盛層
組織の写真を図11に示す。これは表1、2における N
o.5のものである。白く見える部分がフェライト、黒く
見える部分が焼き戻しにより析出した微細な粒状炭化物
であり、全体として極めて緻密・均質な組織となってい
る。この組織のCrの面分布を調べたところ、粒界への
Crの偏析は見られなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明技術にて製造したロールは、従来
のもの以上に緻密・均質な組織が得られ、かつ粒界のク
ロム偏析のない耐亀裂性に優れるものとなり、亀裂寿命
の比に示すごとく、従来ロールの2.4倍から3.6倍
の大幅な寿命延長効果を得ることができた。
のもの以上に緻密・均質な組織が得られ、かつ粒界のク
ロム偏析のない耐亀裂性に優れるものとなり、亀裂寿命
の比に示すごとく、従来ロールの2.4倍から3.6倍
の大幅な寿命延長効果を得ることができた。
【図1】実製造ラインで使用したロールで亀裂深さの浅
かった長寿命ロールの組織を示し、(a)亀裂部近傍の
マクロ写真、(b)ミクロ組織写真、(c)サンプル採
取位置、を示す図である。
かった長寿命ロールの組織を示し、(a)亀裂部近傍の
マクロ写真、(b)ミクロ組織写真、(c)サンプル採
取位置、を示す図である。
【図2】実製造ラインで使用したロールで亀裂深さの深
かった短寿命ロールの組織を示し、(a)亀裂部近傍の
マクロ写真、(b)ミクロ組織写真、を示す図である。
かった短寿命ロールの組織を示し、(a)亀裂部近傍の
マクロ写真、(b)ミクロ組織写真、を示す図である。
【図3】実製造ラインで使用したロールで、亀裂深さの
浅かった長寿命ロールの組織のEPMAによるCr元素
の面分布マップ写真を示す図である。
浅かった長寿命ロールの組織のEPMAによるCr元素
の面分布マップ写真を示す図である。
【図4】実製造ラインで使用したロールで、亀裂深さの
深かった短寿命ロールの組織のEPMAによるCr元素
の面分布マップ写真を示す図である。
深かった短寿命ロールの組織のEPMAによるCr元素
の面分布マップ写真を示す図である。
【図5】火炎リングバーナー及び冷却装置で加熱・冷却
している状態を示す概要図である。
している状態を示す概要図である。
【図6】誘導加熱コイルリング及び冷却装置で加熱・冷
却している状態を示す概要図である。
却している状態を示す概要図である。
【図7】火炎リングバーナーまたは誘導加熱リングコイ
ルで加熱し、一方ファンで冷却している状態を示す概要
図である。
ルで加熱し、一方ファンで冷却している状態を示す概要
図である。
【図8】連続鋳造装置の構成を示す図である。
【図9】耐亀裂性評価シミュレーターを示す概要図であ
る。
る。
【図10】実ライン試験による耐亀裂性とシャルピー衝
撃値との相関を示す図である。
撃値との相関を示す図である。
【図11】本発明技術により製造したロールのステンレ
ス溶接肉盛層の組織写真である。
ス溶接肉盛層の組織写真である。
1…連続鋳造ロール 2…火炎リングバーナー 3…冷却装置 4…燃料パイプ 5…冷媒パイプ 6…移動方向 7…通電用ワイヤー 8…誘導加熱コイルリング 9…冷却ファン 10…レードル 11…タンディッシュ 12…モールド 13…鋳片 14…試験ロール 15…誘導加熱コイル
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/58 C22C 38/58
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.04〜0.22%、
Si:0.10〜0.70%、Mn:0.25〜1.6
0%、Cr:10.0〜14.8%、Ni:0.3〜
1.6%、Mo:0.3〜1.8%を含み、残部Fe及
び不可避不純物成分からなるクロム系ステンレス鋼をロ
ール胴部に溶接肉盛した後、ロール胴部のみを910〜
1180℃に加熱して3分以上保持し、次に常温まで冷
却した後、更にロール全体を560〜780℃に加熱し
30分以上保持した後、常温まで冷却して、フェライト
及び粒状炭化物が微細一様に分布した組織である焼き戻
しソルバイト組織としたことを特徴とする室温シャルピ
ー2mmVノッチ衝撃値が5.5kgf ・m/cm2 以上で
ある耐亀裂性に優れる連続鋳造ロール。 - 【請求項2】 請求項1記載のロールの肉盛材料が、更
にNb:0.5〜2.0%を含有するクロム系ステンレ
ス鋼であることを特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造
ロール。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のロールの肉盛材
料が、更にV、TiまたはAlの1種または2種以上を
合計で0.01〜0.30%含有するクロム系ステンレ
ス鋼であることを特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造
ロール。 - 【請求項4】 請求項1における910〜1180℃へ
の加熱を、ロール外径よりやや大きいリング状のホルダ
ーにロールの半径方向に向けた複数個のトーチを配設し
た構造の1基又は複数基の火炎バーナーでロールを囲
い、当該火炎リングバーナーをロール軸方向に移動して
いくことで行い、その後引き続いて行われる冷却を、火
炎リングバーナーの後方に、リング状ヘッダー管にロー
ル半径方向に向けたスリットまたは複数個のノズルを設
けた構造の冷却装置を1基又は複数基設置し、当該スリ
ット又はノズルから水、またはエアを噴射しながら、火
炎リングバーナーと同時に移動していくか、または自然
放冷することで処理し、更にその後の560〜780℃
への加熱を、ロール全体を加熱炉に入れて昇温し、その
後引き続いて行われる冷却を、ファンを使って強制空冷
するか、自然放冷するか又は炉内冷却して処理すること
を特徴とする耐亀裂性に優れる連続鋳造ロールの製造方
法。 - 【請求項5】 請求項4における910〜1180℃へ
の加熱を、火炎バーナー加熱に代えて、ロール外径より
やや大きいリング状のホルダーに誘導加熱コイルを設け
てロールを囲い、当該誘導加熱リングコイルをロール軸
方向に移動して処理することを特徴とする耐亀裂性に優
れる連続鋳造ロールの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11055676A JPH11314145A (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | 耐亀裂性に優れる連続鋳造ロ―ル |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6605698 | 1998-03-03 | ||
| JP10-66056 | 1998-03-03 | ||
| JP11055676A JPH11314145A (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | 耐亀裂性に優れる連続鋳造ロ―ル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11314145A true JPH11314145A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=26396578
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11055676A Pending JPH11314145A (ja) | 1998-03-03 | 1999-03-03 | 耐亀裂性に優れる連続鋳造ロ―ル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11314145A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007327105A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Jtekt Corp | レーザ熱処理方法及びその装置 |
| CN106756520A (zh) * | 2017-03-04 | 2017-05-31 | 蒋培丽 | 一种高耐缝隙腐蚀钢筋及其制备方法 |
| JP2020517826A (ja) * | 2017-04-26 | 2020-06-18 | エクスパナイト テクノロジー アグシャセルスガーッブExpanite Technology A/S | 組立部品 |
| CN112730121A (zh) * | 2020-12-24 | 2021-04-30 | 江苏徐工工程机械研究院有限公司 | 销轴加工和质量检测装置及方法 |
| JP2022142811A (ja) * | 2021-03-17 | 2022-10-03 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | 溶接部の焼鈍装置及び焼鈍方法 |
| CN115354242A (zh) * | 2022-08-02 | 2022-11-18 | 杰森能源技术有限公司 | 不锈钢连续油管及其制备方法 |
| CN115807193A (zh) * | 2022-12-23 | 2023-03-17 | 安徽马钢重型机械制造有限公司 | 一种“素化”连铸辊辊坯材料体系及其制备方法 |
| CN117947356A (zh) * | 2024-01-31 | 2024-04-30 | 湖南华菱涟源钢铁有限公司 | 调质钢板及其生产方法 |
-
1999
- 1999-03-03 JP JP11055676A patent/JPH11314145A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007327105A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Jtekt Corp | レーザ熱処理方法及びその装置 |
| CN106756520A (zh) * | 2017-03-04 | 2017-05-31 | 蒋培丽 | 一种高耐缝隙腐蚀钢筋及其制备方法 |
| JP2020517826A (ja) * | 2017-04-26 | 2020-06-18 | エクスパナイト テクノロジー アグシャセルスガーッブExpanite Technology A/S | 組立部品 |
| CN112730121A (zh) * | 2020-12-24 | 2021-04-30 | 江苏徐工工程机械研究院有限公司 | 销轴加工和质量检测装置及方法 |
| CN112730121B (zh) * | 2020-12-24 | 2024-04-02 | 江苏徐工工程机械研究院有限公司 | 销轴加工和质量检测装置及方法 |
| JP2022142811A (ja) * | 2021-03-17 | 2022-10-03 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | 溶接部の焼鈍装置及び焼鈍方法 |
| CN115354242A (zh) * | 2022-08-02 | 2022-11-18 | 杰森能源技术有限公司 | 不锈钢连续油管及其制备方法 |
| CN115807193A (zh) * | 2022-12-23 | 2023-03-17 | 安徽马钢重型机械制造有限公司 | 一种“素化”连铸辊辊坯材料体系及其制备方法 |
| CN115807193B (zh) * | 2022-12-23 | 2024-02-06 | 安徽马钢重型机械制造有限公司 | 一种“素化”连铸辊辊坯材料体系及其制备方法 |
| CN117947356A (zh) * | 2024-01-31 | 2024-04-30 | 湖南华菱涟源钢铁有限公司 | 调质钢板及其生产方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US11001916B2 (en) | Method for manufacturing a martensitic stainless steel part from a sheet | |
| CN104250705B (zh) | 一种具有高温烘烤硬化性的搪瓷用钢及其制造方法 | |
| JP4808828B2 (ja) | 高周波焼入れ用鋼及び高周波焼入れ鋼部品の製造方法 | |
| JP6950821B2 (ja) | 機械部品とその製造方法 | |
| WO1994022606A1 (fr) | Cylindre de laminage a chaud resistant a l'usure et au grippage | |
| JP3812168B2 (ja) | 強度の均一性と靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管の製造方法 | |
| CN114875308B (zh) | 一种薄规格高强度核反应堆安全壳用钢及其制造方法 | |
| WO2019244503A1 (ja) | 機械部品 | |
| JP5326343B2 (ja) | 高内部硬度レールの製造方法 | |
| JP4688727B2 (ja) | 浸炭部品およびその製造方法 | |
| JP4264177B2 (ja) | 表層に粗粒フェライト層を有する鋼材の製造方法 | |
| CN114807744A (zh) | 一种挖掘机引导轮外轮圈用钢及其制造方法 | |
| CN104532139B (zh) | 高强韧性钢球及其生产方法 | |
| JPH11314145A (ja) | 耐亀裂性に優れる連続鋳造ロ―ル | |
| JP3257339B2 (ja) | 耐磨耗性の優れた高炭素電縫鋼管の製造方法 | |
| JP3206367B2 (ja) | 耐磨耗性の優れた高炭素電縫鋼管の製造方法 | |
| JPH04198455A (ja) | 耐食合金、熱間圧延用ロール及びその製造方法、並びに熱間圧延機 | |
| CN119304421A (zh) | 铝基或铝硅基镀层热冲压钢用焊丝及其制备、使用方法 | |
| CN108130492A (zh) | 悬臂辊及其制造方法 | |
| JPH09287027A (ja) | 高強度高靱性継目無鋼管の製造方法 | |
| JP6680406B1 (ja) | 機械部品及び機械部品の製造方法 | |
| JPH0649914B2 (ja) | 圧延用焼入ロール及び圧延機 | |
| CN114990425B (zh) | 一种废钢破碎用刀具及其制备、修复方法 | |
| JP2001049393A (ja) | 耐摩耗性に優れた焼戻しマルテンサイト系レールおよびその製造法 | |
| CN108690935B (zh) | 一种高品质合金工具钢板及生产方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040120 |