JPH11314310A - フッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製造方法

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JPH11314310A
JPH11314310A JP10125621A JP12562198A JPH11314310A JP H11314310 A JPH11314310 A JP H11314310A JP 10125621 A JP10125621 A JP 10125621A JP 12562198 A JP12562198 A JP 12562198A JP H11314310 A JPH11314310 A JP H11314310A
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Takanori Suzuki
孝典 鈴木
Kunihiro Inagaki
訓宏 稲垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素樹脂シートと金属薄膜との密着力が改善
された複合シートを容易に製造する方法を提供する。 【解決手段】フッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製造方
法は、フッ素樹脂シートの表面をリモート水素プラズマ
処理して親水化する工程、親水化したフッ素樹脂シート
の表面にパラジウム金属を付着させる工程、および表面
にパラジウム金属が付着したフッ素樹脂シートを無電解
めっき処理を行って金属薄膜を形成する工程を有する。
フッ素樹脂シートとしては、ポリテトラフルオロエチレ
ンシートが好ましく使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FPC板(フレキ
シブルプリント配線板)、TAB(テープ・オートメイ
ティッド・ボンディング)テープ、シールド付き電線被
覆材、導電性複合フィルム、発熱体用フィルム等に使用
することができるフッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高機能化、高集積化に伴い、コン
パクト化の一途をたどる電子技術において、例えば、F
PC板(フレキシブルプリント配線板)はより小さく、
より薄いことが要求され、導体の幅は狭く、厚さは薄く
することが必要になっている。ところで導体である銅に
も電気抵抗があり、これに電流を流せば当然熱が発生す
る。この発生熱量は放熱されなければ温度は無制限に上
昇し、素子あるいは絶縁を破壊するが、普通は放熱と発
熱がバランスしてある一定温度に保持される。例えば、
厚さ35μm、幅0.15mmの銅箔に400mAの電
流を流すと、温度は約75℃上昇する。これは単純な導
体の場合についてであるが、さらに細密な回路になると
かなり高温まで温度が上昇する。したがって、これら素
子あるいは絶縁材料に使用する材料に対しては、耐熱特
性がますます要求されることになっている。
【0003】従来、耐熱特性の優れた高分子としては種
々のものが提案されているが、中でもポリテトラフルオ
ロエチレン(以下、「PTFE」という。)は、その特
性として耐熱性、難燃性、耐薬品性、電気特性等の熱
的、化学的、電気的特性に優れており、さらに信頼性が
高いという特徴を有しているので好ましい材料である。
すなわち、PTFEは、疎水性であると同時に、耐熱
性、耐薬品性の最も安定したポリマーの1つであって、
上記のような卓越した特性に加えて、電気絶縁材料とし
て優れたものである。その体積抵抗は、大気圧下73゜
F(22.8℃)で1019Ω−cm、比較湿度100%
で1016Ω−cmであり、また、1MHz〜1GHzの
範囲において22.8℃における誘電率は2.1であ
り、誘電損率は1×10-4である。したがって、PTF
Eと銅との複合材は、GHz帯の高周波のための電気絶
縁材料、例えば集積回路のプリント配線基板および電線
被覆材等に最も適した材料である。
【0004】一般に、ポリマー材料に銅をメタライジン
グする方法には、無電解めっき、蒸着、スパッタリング
など多くの方法があり、これらの中でも無電解めっきは
ポリマー表面にメタライジングする最も単純な方法であ
り、特別な装置を必要としないという利点がある。とこ
ろで、無電解めっきのプロセスにおいて、銅イオンが銅
金属への還元反応をするためには、触媒となるパラジウ
ム金属の粒子をポリマー表面に付与する必要がある。表
面にパラジウム金属粒子の付着したポリマー材料を銅イ
オンを含む無電解めっき溶液の中に置けば、パラジウム
触媒によってホルムアルデヒドを持った銅イオンの還元
反応が生じ、還元された銅がパラジウム金属粒子の存在
するポリマー材料表面に堆積して、銅をメタライジング
することができる。したがって、メタライジングさせる
ために重要なことは、如何にポリマー材料表面にパラジ
ウム金属粒子を付けるか、さらにポリマー材料表面と無
電解めっきによって堆積させる銅薄膜との間の密着力を
如何に強くするかということである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ポリマー材
料としてフッ素樹脂、例えばPTFEよりなるシートを
用いて複合材料を形成する場合、フッ素樹脂シート表面
が不活性、かつ疎水性であるため、付着するパラジウム
金属粒子が少なく、したがって無電解めっき処理を施し
ても、十分な接着力を有する銅薄膜を形成することがで
きなかった。
【0006】また、PTFEシートを、金属蒸着やスパ
ッタリング等によってメタライジングして複合材料を作
製する場合には、PTFEシートの表面が不活性であっ
て、他の素材との接着力が弱いため、表面を前処理する
ことが必要不可欠である。従来、複合材料を作製する場
合の前処理の方法としては、アンカー効果によって密着
力を強くするためにPTFEシートの表面を粗面化する
方法が知られている。例えば、KrFおよびArFのエ
キシマレーザーによる照射、あるいはkeVないしMe
Vのエネルギー範囲のイオン照射等が、前処理方法とし
てしばしば採用されている。しかしながら、これらの前
処理方法は、処理面積が狭いという問題がある。またこ
れらの前処理方法は、PTFEシート表面のモルフォロ
ジーを変えたアンカー効果によって、PTFEシートと
銅金属間の密着力を改良するものであるが、PTFEシ
ート表面の材料に劣化が生じるという問題があり、未だ
十分に実用化するまでには至っていない。
【0007】本発明は、従来の技術における上記のよう
な問題点を解決することを目的としてなされたものであ
って、その目的は、フッ素樹脂シートと金属薄膜の密着
力が改善された、機器や部品の高機能化、高集積化に対
処できるPTFE・金属薄膜複合シート材料を容易に製
造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、簡易な無
電解めっきにより銅をメタライジングすることについて
検討した結果、PTFEシート表面のメタライジングで
重要なことは、まず、PTFEを表面改質して親水化
し、無電解めっき液でPTFEシート表面がよく濡れる
ようにするための表面改質には、被処理サンプルがプラ
ズマゾーンから離れた位置にあるリモートプラズマ処理
が有効であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】本発明のフッ素樹脂・金属薄膜複合シート
の製造方法は、フッ素樹脂シートの表面をリモート水素
プラズマ処理して親水化する工程、親水化したフッ素樹
脂シートの表面にパラジウム金属を付着させる工程、お
よび表面にパラジウム金属が付着したフッ素樹脂シート
を無電解めっき処理を行って金属薄膜を形成する工程を
有することを特徴とする。フッ素樹脂シートとしては、
PTFEシートが好ましく使用される。また、無電解め
っき処理を行った後、さらに電解めっき処理を施しても
よい。
【0010】
【発明の実施の形態】まず第1の工程であるフッ素樹脂
シートの表面をリモート水素プラズマ処理して親水化す
る工程について説明する。この工程は、無電解メッキに
よって金属薄膜を形成させる場合の触媒となるパラジウ
ム金属を付着させるために必要な工程であって、リモー
ト水素プラズマ処理を施すことによって、脱フッ素およ
び酸化が生じてフッ素樹脂シートの表面が改質され、親
水化される。本発明における表面改質のために用いるリ
モート水素プラズマ処理は、プラズマゾーンから離れた
位置にサンプルをおいてプラズマ処理を行うものであっ
て、プラズマゾーンにサンプルをおいて処理するダイレ
クト水素プラズマ処理とは本質的に異なるものである。
【0011】プラズマ処理におけるプラズマは、電子、
イオン、ラジカルからなるが、ラジカルは、ポリマー表
面に化学反応を促し、電子やイオンよりも寿命は長い。
そこで、通常のプラズマゾーンから離れた位置にフッ素
樹脂シートを置いてリモート水素プラズマ処理すれば、
ラジカル反応が支配的に生じ、電子やイオンによる反応
は殆ど生じない。すなわち、リモート水素プラズマにお
いては、電子や水素イオンよりもむしろ水素ラジカルが
支配的であり、この水素ラジカルは主に親水化処理反応
を促進する。これに対して、ダイレクト水素プラズマで
は、水素ラジカルと共に電子、水素イオンが共存する。
すなわち、水素ラジカルによる改質反応だけでなく、電
子や水素イオンによる反応が同時に起こる。電子、水素
イオンによる反応は、主に電子・イオン衝撃によってエ
ッチングや侵食(degradation) 反応によって引き起こさ
れ、その結果、これらの反応によってフッ素樹脂シート
表面上で低分子量の反応生成物が生成し、いわゆるWB
L(Weak Boundary Layer)で表面が覆われる。銅めっ
き等はWBL表面に施されるために、ピール強度は低下
し、良好な結果が得られない。
【0012】本発明において、リモート水素プラズマ処
理の好ましい条件は、次の通りである。すなわち、高周
波(例えば、13.56MHz)電源の出力は、10W
〜400Wの範囲、より好ましくは50W〜300Wの
範囲に設定する。出力が400Wより大きいとリモート
水素プラズマ処理の出力が強すぎてフッ素樹脂シートが
劣化し、一方10W未満である場合には、プラズマが発
生しない。また、リモート水素プラズマ処理圧力は1.
33Pa〜133Paの範囲、好ましくは6.7Pa〜
26.6Paの範囲に設定する。処理圧力が1.33P
a未満および133Paより大きい場合には、プラズマ
処理効果が薄くなる。また、プラズマ照射時間は10秒
〜300秒の範囲に設定する。照射時間が10秒未満の
場合には、処理効果が薄く、一方、300秒より長い場
合にはフッ素樹脂シートが劣化する。
【0013】本発明において使用するフッ素樹脂シート
(フィルム)としては、PTFE、ポリビニリデンフル
オライド、ポリビニルフルオライド、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエ
チレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロ
エチレン−エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチ
レン−エチレン共重合体等のシートがあげられる。これ
らの中でも特にPTFEシートが好ましく、具体的に
は、フィルム状のシートおよび多孔質シート(例えば、
(株)巴川製紙所製、トミーファイレックスF)等が使
用される。その厚みは、一般に25〜150μmの範囲
が好ましい。
【0014】本発明におけるリモート水素プラズマ処理
は、例えば、図1に示す装置を用いて行うことができ
る。図1において、反応器は、円筒状のパイレックスガ
ラス管1(例えば、直径45mm、長さ1,000m
m)、および円筒型ステンレス製チャンバー2(例え
ば、直径300mm、高さ300mm)からなる。パイ
レックスガラス管1には、アルゴンガスおよび水素ガス
を導入するためのガス導入口3a,3bが設けられてお
り、それぞれマスフローコントローラー4a,4bを介
してアルゴンシリンダー5aおよび水素シリンダー5b
に連結されている。またパイレックスガラス管の外側に
はコイル状に銅管6が巻き付けられており(例えば、9
回巻き)、高周波(RF)電源7(例えば、13.56
MHz)に接続されている。ステンレス製チャンバー2
には圧力計8が設けられ、排気口9はロータリーポン
プ、拡散ポンプよりなる真空系に繋がっている。パイレ
ックスガラス管と円筒型ステンレス製チャンバーとはバ
イトンOリング10を用いたフランジで繋いである。な
お、11はPTFEシート、Aはダイレクトプラズマ処
理位置、Bはリモートプラズマ処理位置を示す。
【0015】この装置によって処理する場合を一例をあ
げて説明する。PTFEシート11をコイル状に巻いた
銅管6の中心から800mm程度離れた位置(B)に置
いて、水素プラズマに曝す。次いで、反応系内の空気を
アルゴンに置換し、その後、円筒型ステンレス製チャン
バー内を約1.3×10-2Paまで排気する。次に、水
素をマスフローコントローラーで流量を10cm3 (室
温、大気圧下)/minに調節してパイレックスガラス
管内に導入する。リモート水素プラズマ処理は、13.
3Paの一定で圧力の下に、RF出力および照射時間を
変えて操作する。
【0016】本発明において、リモート水素プラズマ処
理による親水化のメカニズムについて考察する。リモー
ト水素プラズマ処理によって、フッ素樹脂シート表面上
に脱フッ素と酸化が生じ、酸素をもった基が形成される
が、これらの酸素をもった基の形成についてのメカニズ
ムは次のように推測される。リモート水素プラズマ中の
水素ラジカルは、フッ素樹脂シート表面からフッ素原子
を引き抜き、カーボンラジカルを作る。カーボンラジカ
ルは、水素プラズマ中の他の水素ラジカルと再結合し、
C−H結合を形成する。これがリモート水素プラズマに
よる脱フッ素のメカニズムである。しかし、フッ素引き
抜きによって形成された全てのカーボンラジカルが水素
ラジカルと再結合するのではなく、リモート水素プラズ
マ処理が終わった後でも、カーボンラジカルの一部がフ
ッ素樹脂シート表面に残る。残ったラジカルは、フッ素
樹脂シートをプラズマ反応器から取り出すと直ちに、空
気中の酸素や水分と反応してパーオキサイド基を形成す
る。パーオキサイド基はヒドロキシル、C−Oあるいは
カルボニル基のような酸素を持った基に改質される。こ
れが酸素を持った基の形成メカニズムである。なお、本
発明において、リモート水素プラズマ処理によってフッ
素樹脂シート表面の脱フッ素化および酸化が生じるが、
脱フッ素化の反応率は25%〜39%であり(CF2
分の濃度およびF/C元素比から推算)、そして、リモ
ート水素プラズマ処理後におけるカーボンラジカルの酸
化によって形成されたC−OおよびC=Oのような酸素
を持った基が、コロイダルパラジウム金属を捕捉するサ
イトの役割を持つ。
【0017】リモート水素プラズマ処理されたフッ素樹
脂シートは、所望によりアセトン等の溶剤で洗浄処理し
た後、次の工程において、表面にパラジウム金属を付着
させる。この工程において付着したパラジウム金属は、
次の無電解めっきのプロセスにおいて、金属イオン還元
して金属にするための触媒として作用するものであっ
て、無電解めっきによって金属薄膜を形成するために必
須のものである。具体的には、リモート水素プラズマに
よって親水化処理したフッ素樹脂シートを、パラジウム
コロイド、例えば、コロイド状のパラジウム−錫合金粒
子を含むコロイド溶液に浸漬し、その後、硫酸溶液中で
錫成分を溶解除去して活性化したコロイド状パラジウム
リッチな表面を有するフッ素樹脂シートを作製する。使
用するコロイド溶液におけるパラジウム−錫合金粒子の
粒径は、10〜400オングストロームが好ましい。ま
た、硫酸水溶液中に浸漬して錫成分だけを溶解除去する
には、適宜の条件、例えば、40℃、5分間濃度3.6
m/lの条件で行うことができる。
【0018】パラジウム金属が表面に付着したフッ素樹
脂シートには、次いで無電解めっき液を用いて金属めっ
き処理が施される。無電解めっき液としては、公知のも
のならば如何なるものでも使用することができ、金属薄
膜を形成する金属としては、銅、金、ニッケル、コバル
ト等があげられる。具体的には、無電解めっき液として
奥野製薬工業(株)製のTMP等があげられる。また、
無電解めっき条件は、例えば、室温で5分間程度実施す
ればよい。
【0019】無電解めっき処理によって、一般には膜厚
が0.1〜2.5μmの金属薄膜が形成されるが、さら
に膜厚の厚い金属薄膜、例えば膜厚5〜30μmの金属
薄膜を形成することが望まれる場合には、無電解めっき
処理を行った後、さらに電解めっき処理を施してもよ
い。電解めっき処理は、公知の電解めっき液を用い、公
知の方法で実施することができる。例えば、ピール強度
試験には、30μm程度の銅薄膜の厚みが必要であり、
一般には硫酸銅めっき法が使用される。シート表面に、
均一に且つ良質の銅をめっきするためには、めっき液
(例えば、硫酸水溶液+硫酸銅+添加剤)を電解めっき
槽内で撹拌して流動状態をよくすること、また電流密度
を向上させるために小径で且つ多量の空気をバブリング
すること、あるいはシートをめっき液の水流に逆らって
良好に固定すること等が重要である。一般に、液温20
℃において陰極電流密度は100〜500A/m2 の範
囲で行うのが好ましい。
【0020】
【実施例】実施例1 PTFEフィルム(ニチアス社製:Teflon 90
01、幅300mm、厚み50μm)を10mm×30
mmのサイズに切断して表面改質用のサンプルとした。
このPTFEフィルムをアセトン中で超音波洗浄し、室
温で真空乾燥した後、図1に示す装置を用いてリモート
水素プラズマ処理を行った。すなわち、PTFEフィル
ムをコイル状に巻いた銅管の中心から約800mm離れ
た位置に置いて、水素プラズマに曝した。次いで、反応
系内の空気をアルゴンに置換し、その後、円筒型ステン
レス製チャンバー内を約1.3×10-2Paまで排気し
た。次に、水素をマスフローコントローラーで流量を1
0cm3 (室温、大気圧下)/minに調節してパイレ
ックスガラス管内に導入した。リモート水素プラズマ処
理は、13.3Paの圧力下に、RF出力100W、照
射時間10秒の条件下で行った。なお、水素およびアル
ゴンとしては、純度99.995%の高純度タイプのガ
スを用いた。
【0021】次に、上記のようにリモート水素プラズマ
によって親水化処理したPTFEフィルムをコロイド状
のパラジウム−錫合金粒子を含むコロイド溶液(奥野製
薬工業(株)製のOPC−80とOPC−SALの混合
物)に25℃で5分間浸漬し、撹拌して、PTFEフィ
ルム表面にコロイド状パラジウム−錫合金粒子を付着さ
せた。次いで、このPTFEフィルムを希硫酸溶液
(3.6M/l)に40℃で5分間浸漬し、錫成分を溶
解除去して、コロイド状パラジウム粒子が付着した表面
を有するPTFEフィルムを得た。
【0022】次いで、PTFEフィルム表面に銅をメタ
ライジングするために、無電解めっきと電解めっきの2
つのプロセスを組み合わせて処理を行った。まず、上記
のPTFEフィルムを無電解めっき液(奥野製薬工業
(株)製、TMP)中に室温で5分間浸漬して表面に銅
を堆積させて、膜厚0.2μmの無電解銅めっき層を形
成した。次いで、上記無電解めっきによって電気電導性
が得られたPTFEフィルムに、電解めっき処理を行っ
て、膜厚30μmの電解銅めっき層を形成した。電解め
っきは、電解めっき液として、硫酸溶液(190g/
l)に硫酸銅(75g/l)、塩酸(50ppm)およ
び添加剤(Nippon RironalCo.Lt
d、PCM,5ml)を加えて得られた溶液を使用し、
電流10A(電流密度300A/m2 )、電圧8Vの条
件で20℃において行った。最後に、80℃において1
2時間真空乾燥して、PTFEフィルム−銅薄膜よりな
る複合フィルムを得た。
【0023】実施例2 リモート水素プラズマ処理における照射時間を60秒に
代えた以外は、実施例1と同様にして表面処理を施して
PTFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フィルムを作製
した。 実施例3 リモート水素プラズマ処理における照射時間を90秒に
代えた以外は、実施例1と同様にして表面処理を施して
PTFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フィルムを作製
した。 実施例4 リモート水素プラズマ処理における照射時間を120秒
に代えた以外は、実施例1と同様にして表面処理を施し
てPTFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フィルムを作
製した。
【0024】実施例5 リモート水素プラズマ処理における照射時間を150秒
に代えた以外は、実施例1と同様にして表面処理を施し
てPTFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フィルムを作
製した。 実施例6 リモート水素プラズマ処理における照射時間を300秒
に代えた以外は、実施例1と同様にして表面処理を施し
てPTFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フィルムを作
製した。 実施例7 リモート水素プラズマのRF出力を50W、照射時間を
150秒に代えた以外は、実施例1と同様にして表面処
理を施してPTFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フィ
ルムを作製した。
【0025】比較例1 リモート水素プラズマ処理を行わない以外は、実施例1
と同様にしてPTFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フ
ィルムを作製した。 比較例2 実施例1におけるリモート水素プラズマ処理の代わり
に、ダイレクトプラズマ処理を照射時間120秒で行っ
た以外は、実施例1と同様にして表面処理を施して、P
TFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フィルムを作製し
た。なお、ダイレクトプラズマ処理は、図1に示す装置
を用い、PTFEフィルムをプラズマゾーン、すなわち
コイル状に巻いた銅管の中心位置に置いて行った。
【0026】以上の実施例1〜7、比較例1および2に
おけるリモート水素プラズマで処理を施したPTFEフ
ィルムおよびPTFEフィルム−銅薄膜よりなる複合フ
ィルムについて下記の特性を評価した。
【0027】(1)水に対する接触角 リモート水素プラズマで処理したPTFEフィルム表面
上の水に対する接触角を、処理後2〜3分以内に20℃
の環境下でゴニオメーター(エルマ製モデルG−1)を
用いて測定した。実験値のばらつきが3〜4°程度の測
定を10回行い、その平均値を求めた。
【0028】(2)PTFEフィルムと銅薄膜との間の
ピール強度 PTFEフィルムと銅薄膜との密着力について、T字ピ
ール強度(5mm幅)をInstron型の引っ張り試
験機(島津社製:AGS100−A)を用いて10mm
/minの速度で剥離強度を測定して評価した。10回
測定した剥離強度の平均値をピール強度とした。
【0029】これらの測定結果を、プラズマ照射時間お
よび高周波出力と共に表1に示す。
【表1】 実施例1〜6と比較例1との比較から、プラズマ照射時
間が10秒という短時間内で、接触角が118゜から8
8゜まで減少し、そして接触角の減少はプラズマ照射時
間120秒で接触角77゜になるまで続き、その後は接
触角の減少傾向は無視し得るものとなることが分かっ
た。また、実施例4と実施例7との比較から、RF出力
を変えて処理した場合の、PTFEフィルム表面の水に
対する接触角は、RF出力の増加と共に直線的に減少す
ることが分かった。これらの事実は、リモート水素プラ
ズマ処理を120秒以下という短い照射時間で行うこと
により、PTFEフィルム表面を改質することができる
ことを示している。
【0030】また、ピール強度の測定結果から、リモー
ト水素プラズマによる表面改質効果が分かった。すなわ
ち、比較例1の場合は、未処理のPTFEと銅薄膜との
間のピール強度は、7.5mN/5mmであって、めっ
きされた銅薄膜は指で擦るのみで容易に剥がれる状態で
あったが、一方、プラズマ処理済みシートと銅薄膜との
間のピール強度は、プラズマ処理時間が増すとともに増
加し、プラズマ照射時間120秒で92mN/5mmの
最大値に達した。この値は比較例1の場合の12倍であ
った。なお、照射時間120秒を越えると、ピール強度
は上昇しなかった。一方、ダイレクト水素プラズマ処理
を行った比較例2の場合は、ピール強度15N/5mm
に増加したにとどまり、実施例4の場合と比較して、著
しく低い密着度を示した。
【0031】
【発明の効果】本発明の複合シートの製造方法において
は、フッ素樹脂シート表面をリモート水素プラズマ処理
により改質するので、改質により脱フッ素と酸化が起こ
り、エッチングすることなく表面の親水化を行うことが
でき、フッ素樹脂シートと金属薄膜との密着力が向上す
る。したがって、本発明によれば、無電解めっき処理に
よってフッ素樹脂シートと金属薄膜との密着力の向上し
た優れた複合材料を容易に製造することが可能である。
【0032】また、本発明によって製造された複合材料
は、宇宙・航空機産業用として、また民生用機器とし
て、種々の用途に使用することが可能であり、特に銅薄
膜を用いているプリント基板として使用した場合、
(1)さらに高温での使用が可能である、(2)ショー
トトラブルが少ない、(3)スルーホール形成が容易に
なる、(4)回路が小型化できる、等の利点を有してい
る。また、回路の小型化に伴った製品のコストダウン、
接着剤を使用しないことによる材料費の節約、溶剤を用
いないために環境汚染防止装置が不要になる等の利点も
ある。また、本発明による複合材シートは、導電性複合
フィルムとして、特に透明電極フィルム、発熱体フィル
ム等のエレクトロニクス・情報産業分野において、ま
た、熱線遮断フィルム、断熱フィルム等の建設産業分野
において、有用な材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラズマ処理装置の一例の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1…パイレックスガラス管、2…チャンバー、3a,3
b…ガス導入口、4a,4b…マスフローコントローラ
ー、5a…アルゴンシリンダー、5b…水素シリンダ
ー、6…銅管(電極)、7…高周波電源、8…圧力計、
9…排気口、10…バイトンOリング、11…PTFE
シート、A…ダイレクトプラズマ処理位置、B…リモー
トプラズマ処理位置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂シートの表面をリモート水素
    プラズマ処理して親水化する工程、親水化したフッ素樹
    脂シートの表面にパラジウム金属を付着させる工程、お
    よび表面にパラジウム金属が付着したフッ素樹脂シート
    を無電解めっき処理を行って金属薄膜を形成する工程を
    有することを特徴とするフッ素樹脂・金属薄膜複合シー
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂シートがポリテトラフルオロ
    エチレンシートである請求項1記載のフッ素樹脂・金属
    薄膜複合シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 無電解めっき処理を行った後、さらに電
    解めっき処理を行って金属薄膜を形成する請求項1記載
    のフッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 リモート水素プラズマ処理を、周波数1
    3.56MHzの高周波を用い、出力50Wないし30
    0Wの範囲、圧力6.7Paないし26.6Paの範
    囲、照射時間10秒ないし300秒の範囲で行うことを
    特徴とする請求項1記載のフッ素樹脂・金属薄膜複合シ
    ートの製造方法。
  5. 【請求項5】 パラジウム金属を付着させる工程におい
    て、パラジウムコロイドを用いることを特徴とする請求
    項1記載のフッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 金属薄膜が、銅薄膜である請求項1記載
    のフッ素樹脂・金属薄膜複合シートの製造方法。
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