JPH11320588A - 樹脂成形体の成形方法 - Google Patents

樹脂成形体の成形方法

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JPH11320588A
JPH11320588A JP12798098A JP12798098A JPH11320588A JP H11320588 A JPH11320588 A JP H11320588A JP 12798098 A JP12798098 A JP 12798098A JP 12798098 A JP12798098 A JP 12798098A JP H11320588 A JPH11320588 A JP H11320588A
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resin molded
resin powder
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Yasunori Shiina
名 康 憲 椎
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Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
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Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型成形品であっても、既存の設備を使用で
き、短時間で、材料ロスも少なく、しかも品質の安定し
た樹脂成形品を製造することのできるアイソスタチック
成形法による樹脂成形体の成形方法および樹脂成形品の
製造方法を提供する。 【解決手段】 加圧用流体を収容した圧力容器内に、加
圧用流体とその内部が連通する圧縮成形用金型を配置
し、圧縮成形用金型の壁面に沿って膨張収縮自在な弾性
膜部材を配設し、弾性膜部材を介して加圧用流体との連
通側と反対側の圧縮成形用金型内の空隙に原料樹脂粉末
を充填して、加圧用流体を加圧することにより、圧縮成
形用金型内の弾性膜部材を均一に押圧して、原料樹脂粉
末を所定形状に圧縮成形する樹脂成形体の成形方法にお
いて、空隙内に原料樹脂粉末を予め予備圧縮成形した予
備成形ブロックを配置するとともに、空隙の残りの空隙
に原料樹脂粉末を充填して成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形体の成形
方法および当該方法で得られた樹脂成形体を用いて樹脂
成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、IC(集積回路)、LSI
(大規模集積回路)に用いられるシリコンウェハなどの
半導体ウェハや、液晶基板などの液晶を製造するプロセ
スにおいては、例えば、半導体ウェハの場合には、半導
体ウェハを半導体ウェハ用キャリアに複数枚収容して、
各種の化学薬液洗浄、純粋洗浄、乾燥等の処理が行なわ
れている。
【0003】このような薬液処理槽は、耐熱性、耐薬品
性およびクリーン性が要求されるため、これらの耐熱
性、耐薬品性およびクリーン性に優れたフッ素樹脂から
なるフッ素樹脂角槽、オーバーフロー槽が使用されてい
る。
【0004】ところで、フッ素樹脂には、PFA(ポリ
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体)、ETFE(四フッ化エチレン−エ
チレン共重合体)等の溶融成形が可能な樹脂と、PTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)の溶融成形が不可能
で、一般的なプレス設備と圧縮金型を用いた圧縮成形に
より押し固めて成形体を製造した後、焼成して成形品を
得る樹脂とがある。前者のPFA、ETFE等の溶融成
形が可能なフッ素樹脂は、成形性には優れるが、一般的
に耐熱性、耐薬品性等の特性で、後者のPTFEの溶融
成形が不可能なフッ素樹脂に劣るため、以前としてPT
FE製の薬液処理槽への要求が高まり広範に用いられて
いる。
【0005】このようなPTFEを用いて、薬液処理
槽、例えば、角槽を製造するには、従来より、前述した
ような圧縮成形の他、予め、例えば、板状に成形された
部材を溶接して組立て所定の容器の形状に製作する溶接
法、圧縮成形の特殊なものとして静水圧の力を利用した
「アイソスタチック成形法」が用いられている。
【0006】このアイソスタチック成形法は、図13に
示したような成形装置を用いて圧縮成形を行っている。
すなわち、圧力容器101内に水などの加圧用流体10
2が収容され、加圧用流体とその内部が連通孔103を
介して連通する圧縮成形用金型104が圧力容器101
内に配置されている。この圧縮成形用金型101の外側
金型105の内壁面に沿って膨張収縮自在なゴムなどの
弾性膜部材106が配設されており、弾性膜部材106
の内側の圧縮成形用金型104内の空隙107にPTF
Eの原料樹脂粉末108を充填して、ポンプ109によ
り加圧用流体102を加圧することにより、連通孔10
3を介して圧縮成形用金型104内の弾性膜部材106
を多方向より均一に押圧して、原料樹脂粉末を所定形状
に圧縮成形して樹脂成形体を得る。そして、この樹脂成
形体を所定の温度で所定時間焼成して樹脂成形品を得
て、これを所定の容器形状に切削加工する方法である。
【0007】ところで、例えば、半導体ウェハは、外径
が6インチ(約φ150mm)のウェハから8インチ
(約φ200mm)のウェハが主流となりつつあるが、
昨今ではこれより大型の12インチ(約φ300mm)
の大口径の半導体ウェハが市場に出始め、また、液晶基
板にあっても大型化によって、生産性の効率化が図られ
ており、これに応じて薬液処理槽も大型化の要求が高ま
っている。
【0008】しかしながら、このような大型の薬液処理
槽を製造する場合に、従来の押し型により一方向から圧
縮する圧縮成形金型を用いて成形する方法では、金型自
体を大型化しなければならず、また、製造可能な成形体
は、ロット状、シート状などの単純な形状の成形品に限
定されてしまう。また、溶接法の場合には、溶接強度や
耐熱温度、特にヒートショックが生じる場合に、信頼性
に問題がある。
【0009】これに対して、アイソスタチック成形法で
は、例えば、角槽、オーバーフロー槽、配管、バルブの
ライニングなど複雑な形状の製造に使用できるため、薬
液処理槽を製造する場合には、できるだけアイソスタチ
ック成形法を用いて一体成形物を製造することが望まれ
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、PTFEの
アイソスタチック成形では、市販の原料粉末(造粒タイ
プ、嵩密度約0.7〜0.9)を、成形品の所定の密度
(2.15〜2.18)まで圧縮して押し固めて成形す
るため(圧縮比約2.7)、特に、大型成形品を成形す
る場合に、圧縮成形用金型101がかなり大型化してし
まう。そのため、従来のアイソスタチック成形設備、す
なわち、圧力容器101内に圧縮成形用金型101が入
らないために、大型設備の導入が必要となる。従って、
通常のプレス設備に比べて、複雑なアイソスタチック成
形の設備は高額であるため、既存設備を利用できないた
め、生産コストが高くなってしまう。
【0011】また、金型が大型化に比例して、原料樹脂
粉末を金型の空隙の隅々まで均一に充填するための充填
作業が増大し時間がかかるため、その結果、成形時間が
長くなってしまう。
【0012】さらに、従来のアイソスタチック成形法で
は、金型の空隙内に原料樹脂粉末が均一に行われても、
例えば、図14に示したように、オーバーフロー槽20
1のように槽部202が偏って存在する異形品の場合、
槽部202近傍の肉厚と槽部202が存在しない部分2
03の肉厚が不均一のために圧縮代が等しくないため、
弾性部材206を介して均等な圧力が伝達されても、成
形品の仕上がり形状が目的とする形状に比べて歪んでし
まう問題がある。このことは、成形品が大型化して圧縮
変形量が大きくなればなるほど、また複雑な形状になれ
ばなるほど顕著になり各部分における成形品の仕上がり
予定形状や寸法の正確さを低下させることになる。従っ
て、このような歪みなどを考慮して、多めの原料樹脂粉
末の投入が必要となり、その後の切削加工で削り取る量
が多くなり、製品の歩留まりが低下することとなる。
【0013】本発明はこのような実情に鑑み、大型成形
品であっても、既存の設備を使用でき、短時間で、材料
ロスも少なく、しかも品質の安定した樹脂成形品を製造
することのできるアイソスタチック成形法による樹脂成
形体の成形方法および樹脂成形品の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題及び目的を達成するために発明
なされたものであって、本発明の樹脂成形体の成形方法
は、加圧用流体を収容した圧力容器内に、前記加圧用流
体とその内部が連通する圧縮成形用金型を配置し、前記
圧縮成形用金型の壁面に沿って膨張収縮自在な弾性膜部
材を配設し、前記弾性膜部材を介して加圧用流体との連
通側と反対側の圧縮成形用金型内の空隙に原料樹脂粉末
を充填して、前記加圧用流体を加圧することにより、圧
縮成形用金型内の弾性膜部材を均一に押圧して、原料樹
脂粉末を所定形状に圧縮成形する樹脂成形体の成形方法
において、前記空隙内に原料樹脂粉末を予め予備圧縮成
形した予備成形ブロックを配置するとともに、前記空隙
の残りの空隙に原料樹脂粉末を充填して成形することを
特徴とする。
【0015】すなわち、アイソスタチック成形におい
て、原料樹脂の圧縮成形用金型内への充填を、原料樹脂
粉末のみで行うのではなく、予め原料樹脂粉末を所定密
度に予備圧縮成形した予備成形ブロックを配置して、残
りの空隙に原料樹脂粉末を充填して行う方法である。
【0016】これにより、予備成形ブロックが予め所定
密度まで圧縮成形されているので、成形時の圧縮変形量
が小さくなるため、大型成形品の製造においても、コン
パクトな圧縮成形用金型を使用でき、原料充填作業が容
易となり、充填作業に要する時間を短縮することができ
る。また、予備成形ブロックが予め所定密度まで圧縮成
形されているので、成形時の圧縮変形量が小さくなるた
め、異形品であっても成形品の変形(歪み)が少なくな
り、部分的寸法欠損による成形不良が生じにくく、その
ため、その後の切削加工における材料ロスを低減するこ
とができる。
【0017】また、本発明の樹脂成形体の成形方法は、
前記加圧用流体の加圧が、前記予備成形ブロックの成形
圧力まで昇圧する一次昇圧行程と、前記圧力を所定時間
保持する一次圧力保持行程と、再び昇圧を実施して所定
の圧縮成形圧力まで昇圧する二次昇圧行程と、前記圧縮
成形圧力を所定時間保持する二次圧力保持行程と、前記
二次圧力保持行程の後除圧する除圧行程とを含むことを
特徴とする。
【0018】すなわち、予備成形ブロックの成形圧力に
所定時間保持することによって、予備成形ブロック同士
を原料樹脂粉末で粘着(固着)することができるため、
その後の本圧縮である二次圧力によって圧縮成形するこ
とによって、ブロックとブロック、ならびにブロックと
粉末が一体化して押し固められるため、得られる成形体
の品質を安定化することが可能となる。
【0019】さらに、本発明の樹脂成形体の成形方法で
は、前記予備成形ブロックが、その表面部分を除去した
予備成形ブロックであることを特徴とする。すなわち、
予備成形ブロックを従来の押し型を有する金型で圧縮成
形した際には、ブロック外皮が金型の壁面の抵抗によっ
て圧縮圧力以上の圧力を生じているため、その部分の密
度が高くなっており、表面を除去することによって粗面
処理を行い、ブロック−粉末−ブロックとの間の固着性
を高めるようにしている。
【0020】また、本発明の樹脂成形体の成形方法は、
前記予備成形ブロックが、圧縮成形用金型内に配置した
際に隣接する予備成形ブロックとの隣接面が、圧縮方向
に対して傾斜した隣接面を形成するようにテーパ面とな
っていることを特徴とする。
【0021】このように構成することによって、予備成
形ブロック同士が圧縮した際に強固に境界面で接触して
押圧力を受けることになるので、ブロック−粉末−ブロ
ックとの間の固着性が高められ、一体化して押し固めら
れるため、得られる成形体の品質を安定化することが可
能となる。
【0022】さらに、本発明の樹脂成形体の成形方法で
は、前記予備成形ブロックに、加熱した際に造孔する造
孔剤が添加されていることを特徴とする。これによっ
て、成形後の焼成の際の加熱によって、予備成形ブロッ
クに含まれている造孔剤が作用して予備成形ブロックが
多孔質となるため、例えば、オーバフロー槽部などのよ
うに切削加工の際にくり抜かれる部分に用いれば、高価
なフッ素樹脂の使用量を少なくすることができるため、
製造コストを低減することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(実施例)について説明する。図1は、本
発明の樹脂成形体の成形方法に用いる成形装置の概略断
面図である。
【0024】図1に示したように、圧力容器1内に水な
どの加圧用流体2が収容されており、圧力容器1内に
は、図示しない固定部材を介して、圧縮成形用金型3が
ほぼその中央部分に配置されている。なお、圧力容器1
はその上部の蓋部1aが開閉可能に構成されており、こ
れにより、圧縮成形用金型3内に原料樹脂粉末を充填し
たり、圧縮成形用金型3を交換する等の保守作業などが
できるようになっている。
【0025】圧縮成形用金型3は、本実施例の場合に
は、角槽を形成するように、筺形状の外側金型4と、そ
の中央部に配置される内側金型5とから構成されてい
る。内側金型5は、内側金型保持部材6に保持されてお
り、この内側金型保持部材6は、外側金型4の上部フラ
ンジ部4aに脱着自在に固定できるようになっている。
なお、内側金型保持部材6には、内側金型5と外側金型
4との間の側部の空隙Sに相当する位置に開口部6aが
設けられており、この開口部6aから空隙Sに原料を充
填できるようになっている。また、内側金型保持部材6
の上部には、開閉可能な上蓋部材9が設けられており、
この上蓋部材9を閉蓋することにより充填した原料が圧
縮成形用金型3内より逸脱しないようになっている。
【0026】外側金型4の内壁面4bに沿って膨張収縮
自在なゴムなどからなる筺形状の弾性膜部材7が配設さ
れており、外側金型4の上部フランジ部4aと内側金型
保持部材6との間で挟着固定されている。また、外側金
型4には、複数の連通孔8が設けられており、加圧用流
体2をポンプ9によって加圧した際に、連通孔8を通し
て加圧用流体2が圧縮成形用金型3内に入り、弾性膜部
材7を均等に押圧するようになっている。なお、弾性膜
部材7の内側の底部には、金属板などからなる底板部材
11が配設されており、圧縮する際に底部分がこの底板
部材11によって均一に押し固められ平坦になるように
なっている。
【0027】また、内側金型5には脱気管10が配設さ
れており、この脱気管10に接続された真空ポンプ12
によって、上記加圧の際に同時に圧縮成型用金型3内を
減圧にすることにより加圧用流体2の加圧による圧縮に
より原料の押し固めが容易となるようになっている。
【0028】このように構成される成形装置を用いて、
本発明の樹脂成形体の成形方法について以下に説明す
る。本発明で用いる原料樹脂粉末は、PTFE樹脂であ
る。また、PTFEと同様の圧縮成形法により成形され
る原料にも応用可能である。しかしながら、半導体ウェ
ハや、液晶基板などの液晶を製造するプロセスにおいて
各種の化学薬液洗浄処理を行なう角槽、オーバーフロー
槽などの薬液処理槽を製造する場合には、耐熱性、耐薬
品性およびクリーン性が要求されるため、耐熱性、耐薬
品性およびクリーン性に優れたフッ素樹脂であるPTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)を用いるのが好まし
い。なお、以下の説明については、便宜上、このPTF
Eを用いた本発明の樹脂成型体の成形方法について説明
する。
【0029】この場合、用いられるPTFE樹脂粉末と
しては、微粉タイプと造粒タイプとも用いることができ
るが、金型内に充填し易いように、造粒タイプのもの
で、その密度が0.7〜0.9のものを用いるのが成形
加工上は有利である。このようなPTFE樹脂粉末とし
ては、例えば、「ポリフロンM−137」(ダイキン工
業株式会社製)、「800J」(三井デュポン株式会社
製)、「フルオンG−340」(旭硝子株式会社製)な
どが使用可能である。
【0030】このPTFE樹脂粉末32を、予め、図2
に示したように、圧縮金型20内に充填して、押し型2
1によって押圧して、得られた予備成形ブロック30の
密度が、1.2〜1.6、好ましくは、1.45となる
ように、例えば、15〜50kgf/cm2の成形圧
力、例えば、密度1.45の場合には、30kgf/c
2の成形圧力で成形して予備成形ブロック30を成形
する。
【0031】なお、予備成形ブロック30は、その表面
部分を除去するのが好ましい。これは、予備成形ブロッ
ク30を押し型21を有する金型20で圧縮成形した際
には、ブロック外皮は、金型の壁面の抵抗によって圧縮
圧力以上(例えば、30kgf/cm2以上)の圧力を
生じているため、その部分の密度が高くなっており(例
えば、密度1.45以上)、表面を除去することによっ
て粗面処理を行い、ブロック−粉末−ブロックとの間の
固着性を高めるようにするためである。
【0032】そして、図3に示したように、圧縮成形用
金型3の外側金型4の内壁面4bに沿って弾性膜部材7
を配設して、その底部に底板部材11を配設し、底部部
分に原料樹脂粉末40を充填する。
【0033】次に、図4に示したように、内側金型保持
部材6を外側金型4の上部フランジ部4aに固定するこ
とによって、内側金型5を外側金型4のほぼ中央部に配
置するとともに、外側金型4の上部フランジ部4aと内
側金型保持部材6との間で弾性膜部材7を挟着固定す
る。
【0034】そして、内側金型保持部材6の開口部6a
を介して、内側金型5と外側金型4との間の側部の空隙
Sに、図5及び図6に示したように、予備成形ブロック
30を配置するとともに、予備成形ブロック30同士の
間の間隙に原料樹脂粉末40を充填する。
【0035】なお、この場合、予備成型ブロック30の
形状としては、特に限定されるものではなく、煉瓦状の
他種々の形状とすることが可能であるが、図5、6に示
したように、圧縮成形用金型3内に配置した際に、隣接
する予備成形ブロック30との隣接面31が、圧縮方向
に対して傾斜した隣接面31を形成するようにテーパ面
となっているのが好ましい。このように構成することに
よって、予備成形ブロック30同士が圧縮した際に強固
に境界面31で接触して押圧力を受けることになるの
で、ブロック−粉末−ブロックとの間の固着性が高めら
れ、一体化して押し固められるため、得られる成形体の
品質を安定化することが可能となる。
【0036】また、予備成形ブロック30の配置は、図
5、図6に示したような配置に限定されるものではな
く、種々の配置が可能であり、その配置数は、できるだ
け少なくするのが好ましく、また、極力圧縮変形を生じ
させたくない部分、例えば、図14に示した、オーバー
フロー槽201のように槽部202が存在しない部分2
03の部分に配置するのが望ましい。
【0037】さらに、予備成形ブロック30同士の間の
間隙は、3〜10mm、好ましくは、5mmとするのが
望ましい。これは、間隙が、3mmより小さければ、ブ
ロック間に原料樹脂粉末が入り込みにくく、ブリッジを
形成し、逆に、間隙が10mmより大きければ、密度の
差が大きくなり、成形上問題が生じるからである。
【0038】このように、内側金型5と外側金型4との
間の側部の空隙Sに予備成形ブロック30を配置すると
ともに、予備成形ブロック30同士の間の間隙に原料樹
脂粉末を充填した後、上蓋部材9を閉じて、圧力容器1
内に圧縮成形用金型3をほぼその中央部分に配置する。
そして、脱気管10を真空ポンプ12に接続した後、そ
の上部の蓋部1aを閉じる。
【0039】そして、加圧用流体2をポンプ9によって
加圧するとともに、真空ポンプ12によって脱気管10
を介して、圧縮成型用金型3内を減圧しつつ、弾性膜部
材7を加圧用流体2によって均等に押圧することによ
り、圧縮成型用金型3内部の原料樹脂粉末40と予備成
形ブロック30とを圧縮により一体化して原料の押し固
めを行い樹脂成形体を成形する。
【0040】この場合、加圧条件としては、図7に示し
たように、予備成形ブロックの成形圧力、例えば、30
kgf/cm2まで、一定の加圧速度で遅い程良いが、
通常、5kgf/cm2・minで昇圧する一次昇圧行
程を行い、その後、この成形圧力を所定時間、例えば、
30分間保持する一次圧力保持行程を実施する。つづい
て、再び昇圧を実施して所定の圧縮成形圧力、例えば、
目標とする密度である2.14になる圧縮成形圧力であ
る200kgf/cm2まで昇圧する二次昇圧行程を実
施する。そして、この圧縮成形圧力を所定時間、およそ
3分間程度保持する二次圧力保持行程を実施した後、除
圧する除圧行程を実施する。
【0041】このように段階的な圧縮を行うことによっ
て、予備成形ブロックの成形圧力に所定時間保持するこ
とによって、予備成形ブロック同士を原料樹脂粉末で粘
着(固着)することができるため、その後の本圧縮であ
る二次圧力によって圧縮成形することによって、ブロッ
クとブロック、ならびにブロックと粉末が一体化して押
し固められるため、得られる成形体の品質を安定化する
ことが可能となる。
【0042】なお、この場合、除圧速度は、昇圧速度と
同じ速度で行うのが好ましい。すなわち、いっきに除圧
を実施した場合には、クラックが発生しやすいからであ
る。このような圧縮成形によって、樹脂成形体を成形し
た後、圧縮成形用金型3から取り出して、別途用意した
焼成炉中で、所定温度、所定時間、原料樹脂の種類にも
よるが、例えば、370℃、20時間放置して焼成し
て、成形品を得た後、横かなぐり盤、マシニングセンタ
ーなどで、所定の寸法形状に切削加工を行い、例えば、
図8に示したように、槽部本体51の周側部にオーバフ
ロー槽部52が形成されたオーバーフロー槽50を製造
する。
【0043】なお、予備成形ブロックに、焼成時に造孔
する造孔剤を添加した部分61を有する予備成形ブロッ
ク60を用いて、成形後の焼成の際の加熱によって、予
備成形ブロック60に含まれている造孔剤が作用するよ
うにして、予備成形ブロック60を多孔質とし、例え
ば、図9および図10に示したように、オーバフロー槽
部などのように切削加工の際にくり抜かれる部分に用い
れば、高価なフッ素樹脂の使用量が少なくすることがで
きるため、製造コストを低減することが可能となる。
【0044】このような造孔剤としては、炭酸水素アン
モニウムなどの造孔剤が使用可能であり、その配合量
は、多いほどコスト低減になるが、最高90wt%まで
配合可能である。
【0045】また、本実施例の場合には、弾性膜部材7
を圧縮成形用金型3の外側金型4の内壁面4bに沿って
配設して、弾性膜部材7の外側から加圧用流体2の加圧
により圧縮を実施したが、図示しないが、内側金型5側
に弾性膜部材7を配設して、弾性膜部材7を内側から圧
縮するようにすることも勿論可能である。
【0046】さらに、薬液処理槽の場合には、少なくと
も薬液と接触する部分に、耐薬品性、耐透過性、耐クリ
ープ性などに優れ、しかも表面平滑性に優れた変成PT
FE樹脂粉末を用いるのが好ましく、耐汚染性に優れて
おり、洗浄回数の低減により工程が簡単になるので望ま
しい。このような変成PTFE樹脂粉末としては、特公
平3−39105号公報、国際公開番号WO93/16
126に開示されているように、ポリテトラフルオロエ
チレンが、パーフルオロビニルエーテル単位を0.01
〜1重量%含むフッ素樹脂粉末、又は、ベルフルオル化
ビニルエーテルの共重合単位ならびにテトラフルオロエ
チレンの共重合単位を0.001〜1重量%含むフッ素
樹脂粉末を用いればよい。このような変成PTFE樹脂
粉末としては、ダイキン工業株式会社製のポリフロンM
111,M112,M137などが使用可能である。
【0047】また、本実施例では、薬液処理槽について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
例えば、配管、バルブのライニングなどその他の複雑な
形状の成形品にも適用可能であることは勿論である。
【0048】
【実施例】
【0049】
【実施例1】図2に示したような従来の圧縮金型20を
用いて、30kgf/cm2の成形圧力で成形して、寸
法500×290×高さ150mm、密度1.45の直
方体形状の予備成形ブロックを成形した。なお、この
際、その表面を切削して取り除き、粗面処理を行った。
【0050】その後、図5及び図6に示したように、圧
縮成型用金型3内に予備成形ブロック30を、ブロック
同士の間隙が約5mmとなるように配置するとともに、
予備成形ブロック30同士の間の間隙に原料樹脂粉末4
0を充填した。
【0051】そして、この圧縮成形用金型3の上蓋部材
9を閉じて、圧力容器1内に圧縮成形用金型3をほぼそ
の中央部分に配置し、脱気管10を真空ポンプ12に接
続した後、その上部の蓋部1aを閉じる。真空ポンプ1
2によって脱気管10を介して、圧縮成型用金型3内を
減圧しつつ、加圧用流体2をポンプ9によって加圧す
る。
【0052】この際の加圧条件は、水圧を初期0とし
て、予備成形ブロックの成形圧力30kgf/cm2
で加圧速度5kgf/cm2・minで昇圧し、この圧
力を30分間保持した。その後、加圧速度5kgf/c
2・minで再び昇圧し、成形圧力200kgf/c
2まで加圧し、3分間保持した後、圧力を除圧速度5
kgf/cm2・minで解放して樹脂成形体を取り出
した。
【0053】そして、この樹脂成形体を別途用意した焼
成炉中で370℃、20時間放置して焼成して、成形品
を得た後、横かなぐり盤、マシニングセンターなどで、
内寸450×500×高さ650mm、外寸650×5
50×高さ690mmの寸法形状に切削加工を行い角槽
を得た。
【0054】この角槽について、引っ張り強さ、伸び率
を測定したところ、図11および図12に示したよう
に、JIS6888規格よりもよく、樹脂粉末のみを用
いた従来の方法で得られた角槽に比較しても遜色なく、
強度的にも十分であることがわかった。
【0055】また、本発明の方法と、樹脂粉末のみを用
いた従来の方法とを比較した下記の表1のように、本発
明の方法は、従来の方法に比較して、原料充填作業、成
形時間などの作業時間が大幅に改善され、使用原料の歩
留まりも良好であることがわかる。
【0056】すなわち、従来法では、6hr×3人必要
であったのに対し、本発明の方法によれば、本成形に2
hr×2人、予備ブロック成形に6hr×1人で良くな
った。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、予備成形ブロックが予
め所定密度まで圧縮成形されているので、成形時の圧縮
変形量が小さくなるため、大型成形品の製造において
も、コンパクトな圧縮成形用金型を使用でき、原料充填
作業が容易となり、充填作業に要する時間を短縮するこ
とができる。
【0059】また、予備成形ブロックが予め所定密度ま
で圧縮成形されているので、成形時の圧縮変形量が小さ
くなるため、異形品であっても成形品の変形(歪み)が
少なくなり、部分的寸法欠損による成形不良が生じにく
く、そのため、その後の切削加工における材料ロスを低
減することができる。
【0060】従って、本発明によれば、大型成形品であ
っても、既存の設備を使用でき、短時間で、材料ロスも
少なく、しかも品質の安定した樹脂成形品を製造するこ
とができるなど幾多の作用効果を奏する極めて優れた発
明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の樹脂成形体の成形方法に用い
る成形装置の概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の樹脂成形体の成形方法に用い
る予備成形ブロックの成形方法を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明の樹脂成形体の成形方法を説明
する概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の樹脂成形体の成形方法を説明
する概略断面図である。
【図5】図5は、本発明の樹脂成形体の成形方法を説明
する圧縮成型用金型の上面図である。
【図6】図6は、本発明の樹脂成形体の成形方法を説明
する圧縮成型用金型の断面図である。
【図7】図7は、本発明の樹脂成形体の成形方法の圧縮
条件を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の樹脂成形体の成形方法を用い
て得られるオーバフロー槽の概略斜視図である。
【図9】図9は、本発明の樹脂成形体の成形方法の別の
実施例を説明する圧縮成型用金型の上面図である。
【図10】図10は、本発明の樹脂成形体の成形方法の
別の実施例を説明する圧縮成型用金型の断面図である。
【図11】図11は、本発明で得られた成形品の引っ張
り強さを従来の方法で得られた成形品と比較したグラフ
である。
【図12】図12は、本発明で得られた成形品の伸び率
を従来の方法で得られた成形品と比較したグラフであ
る。
【図13】図13は、従来のアイソスタチック成形法を
説明する概略図である。
【図14】図14は、オーバフロー槽を有する異形品の
製造を説明する概略図である。
【符号の説明】
1・・・・圧力容器 2・・・・加圧用流体 3・・・・圧縮成形用金型 4・・・・外側金型 5・・・・内側金型 7・・・・弾性膜部材 8・・・・連通孔 9・・・・ポンプ 11・・・・底板部材 20・・・・圧縮金型 30・・・・予備成形ブロック 40・・・・原料樹脂粉末

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧用流体を収容した圧力容器内に、前
    記加圧用流体とその内部が連通する圧縮成形用金型を配
    置し、 前記圧縮成形用金型の壁面に沿って膨張収縮自在な弾性
    膜部材を配設し、 前記弾性膜部材を介して加圧用流体との連通側と反対側
    の圧縮成形用金型内の空隙に原料樹脂粉末を充填して、 前記加圧用流体を加圧することにより、圧縮成形用金型
    内の弾性膜部材を均一に押圧して、原料樹脂粉末を所定
    形状に圧縮成形する樹脂成形体の成形方法において、 前記空隙内に原料樹脂粉末を予め予備圧縮成形した予備
    成形ブロックを配置するとともに、前記空隙の残りの空
    隙に原料樹脂粉末を充填して成形することを特徴とする
    樹脂成形体の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記加圧用流体の加圧が、 前記予備成形ブロックの成形圧力まで昇圧する一次昇圧
    行程と、 前記圧力を所定時間保持する一次圧力保持行程と、 再び昇圧を実施して所定の圧縮成形圧力まで昇圧する二
    次昇圧行程と、 前記圧縮成形圧力を所定時間保持する二次圧力保持行程
    と、 前記二次圧力保持行程の後除圧する除圧行程とを含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形体の成形方
    法。
  3. 【請求項3】 前記予備成形ブロックが、その表面部分
    を除去した予備成形ブロックであることを特徴とする請
    求項1又は2にのいずれかに記載の樹脂のの成形方法。
  4. 【請求項4】 前記予備成形ブロックが、圧縮成形用金
    型内に配置した際に隣接する予備成形ブロックとの隣接
    面が、圧縮方向に対して傾斜した隣接面を形成するよう
    にテーパ面となっていることを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の樹脂成形体の成形方法。
  5. 【請求項5】 前記予備成形ブロックに、加熱した際に
    造孔する造孔剤が添加されていることを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載の樹脂成形体の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記原料樹脂粉末が、ポリテトラフルオ
    ロエチレン樹脂粉末であることを特徴とする請求項1か
    ら5のいずれかに記載の樹脂成形体の成形方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の樹脂
    成形体の成形方法で得られた樹脂成形体を焼成し、得ら
    れた樹脂成形体を所定寸法に切削加工を行うことを特徴
    とする樹脂成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010221679A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Bridgestone Corp 免震装置用の免震プラグの製造方法及びその製造装置
JP2018008532A (ja) * 2017-10-12 2018-01-18 中興化成工業株式会社 フッ素樹脂成形品
CN116162279A (zh) * 2023-02-16 2023-05-26 罗摩材料(深圳)有限公司 一种多孔聚烯烃及其制备方法与应用

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