JPH11320765A5 - - Google Patents

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JPH11320765A5
JPH11320765A5 JP1998127230A JP12723098A JPH11320765A5 JP H11320765 A5 JPH11320765 A5 JP H11320765A5 JP 1998127230 A JP1998127230 A JP 1998127230A JP 12723098 A JP12723098 A JP 12723098A JP H11320765 A5 JPH11320765 A5 JP H11320765A5
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変形回復性の優れるものとして、種々の熱可塑性エラストマーを主成分とする層の両面にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を積層した多層ストレッチ包装用フィルムが多く提案されている。例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加物層の両面にEVAを積層し、特定の粘弾性挙動を有する非塩ビ系ストレッチフィルムが提案されている。しかし変形に対する弾性回復性が良いという利点はあるものの、粘着層としてEVAを使用しているためわずかながら酢酸臭が発生し、食品へ臭気が移行する可能性がある点で十分とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、適当な滑り性、自己粘着性を有し、充分な熱融着性、透明性を有することは勿論のこと、引張伸展性、柔軟性、変形回復性、自動包装適性などの包装適性に優れたストレッチ包装用フィルムとして好適に用いることができるフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、プロピレン系重合体と特定の水添共役ジエン系重合体を主成分とする中間層の両面にエチレン系重合体と特定の水添ジエン系重合体を主成分とする表面層を積層した多層フィルムが上記目的を達成することを見出し本発明を完成するに至った。即ち本発明によれば、下記の多層フィルムが提供されて、上記目的が達成される。
(A)(イ)プロピレン系重合体と、(ロ)共役ジエン成分から主として構成され、該共役ジエン成分のビニル結合含量が50〜90%であるジエン系重合体の水添物であり、且つ該共役ジエン成分の二重結合の80%以上が飽和されている水添ジエン系重合体を主成分とする中間層、および(B)該中間層の両面に積層された、(ハ)エチレン系重合体と上記(ロ)を主成分とする表面層を具備していることを特徴とする多層フィルム。以下本発明を詳述するが、それにより本発明の他の目的、利点および効果が明らかとなるであろう。
(A)中間層について詳細に説明する。
上記(A)中間層の(イ)成分であるプロピレン系重合体は、プロピレンを主体とする重合体であり、他の共重合可能なオレフィンや極性モノマーが共重合されていてもよい。共重合成分としては、例えばエチレンをはじめ、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの直鎖状α−オレフィン;4−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−1、3−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1などの分岐状α−オレフィン;アクリル酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸やそのモノエステル;メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル;酢酸ビニルなどの飽和カルボン酸のビニルエステル;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;無水マレイン酸などの酸無水物;アクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどのジエンモノマー;さらにアクリルアミド、メタクリルアミドなどを挙げることができる。
これら共重合可能なモノマーの内、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の直鎖状α−オレフィン、特にエチレン、ブテン−1が物性バランスの点で好ましい。
これらの共重合可能なモノマーは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら共重合成分の量としては好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。30重量%を越えた場合、(イ)プロピレン系重合体の特長である耐熱性が損なわれる場合がある。
上記水添前重合体として、例えば共役ジエン化合物(本明細書中において「共役ジエン」と略すことがある。)の単独重合体、共役ジエンと芳香族ビニル化合物のランダム共重合体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるブロック共重合体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン/芳香族ビニル化合物のランダム共重合体ブロックからなるブロック共重合体、共役ジエン化合物の重合体ブロックと共役ジエン/芳香族ビニル化合物の共重合体ブロックからなるブロック共重合体、共役ジエン化合物の重合体ブロックと芳香族ビニル化合物と共役ジエンからなり芳香族ビニル化合物が漸増するテーパー状ブロックからなるブロック共重合体、共役ジエン/芳香族ビニル化合物のランダム共重合体ブロックと芳香族ビニル化合物と共役ジエンからなり芳香族ビニル化合物が漸増するテーパー状ブロックからなるブロック共重合体、1,2−および3,4−ビニル結合が30%以下のポリブタジエンブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるブロック共重合体などのジエン系重合体などがあげられる。
(A)中間層の成分である(ロ)水添ジエン系重合体は、上述したように、水添前重合体、即ち共役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加したものである。該重合体は、上記(イ)プロピレン系重合体との相溶性を向上させる観点から、共役ジエン成分の二重結合が80%以上、好ましくは90%以上飽和されている。また、(ロ)水添ジエン系重合体の数平均分子量は、成形性およびフィルム強度のバランスから、好ましくは1万〜70万、より好ましくは5万〜60万である。また、(ロ)水添ジエン系重合体の、芳香族ビニル化合物と共役ジエンからなり芳香族ビニル化合物が漸増するテーパー状ブロック、および、1,2−および3,4−ビニル結合が30%以下のポリブタジエンブロックを除く部分の、共役ジエン成分中のビニル結合含量、即ち1,2−および3,4−ビニル結合の合計含量は、50〜90%、好ましくは60〜90%、さらに好ましくは65〜85%である。(ロ)水添ジエン系重合体の、芳香族ビニル化合物と共役ジエンからなり芳香族ビニル化合物が漸増するテーパー状ブロック、および、1,2−および3,4−ビニル結合が30%以下のポリブタジエンブロックを除く部分の、共役ジエン成分中のビニル結合含量が上記範囲にあることにより、本発明の多層フィルムの柔軟性が維持され、且つ上記(イ)プロピレン系重合体との相溶性が良好となる。
(A)中間層中の(イ)プロピレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体との重量割合は、本発明の多層フィルムの柔軟性および強度等のバランスから、(イ)/(ロ)が90/10〜10/90であることが好ましく、70/30〜30/70であることがさらに好ましい。
次に、(B)表面層について説明する。
(B)表面層は、上述したように、(A)中間層の両面に積層された層であり、(ハ)エチレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体を主成分とする。具体的には、上記エチレン系重合体としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(例えば、エチレン−オクテン共重合体)、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、低密度ポリエチレン等のアイオノマなどが好適である。
(B)表面層は、これら(ハ)エチレン系重合体を1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて含有していてもよい。(ハ)エチレン系重合体を表面層に使用することにより、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)を用いた場合と比較して臭気の少ない多層フィルムが得られ、ストレッチ包装用フィルムとして好適である。また(ロ)成分としては(A)中間層のところで詳述したものを全て使用することができる。(ロ)成分は(ハ)エチレン系重合体にラップフィルムとして必要な粘着性を付与する。(B)表面層で使用する(ロ)成分として好ましいのは共役ジエン/芳香族ビニル化合物のランダム共重合体ブロックを主体とする水添ジエン系重合体である。(B)表面層における(ロ)水添ジエン系重合体の添加量は30重量%以下であることが好ましい。30重量%以下であれば(ハ)エチレン系重合体の特徴である易成形性を損なうことなくラップフィルムとして必要な粘着性を付与することが出来るので好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価は、次のようにして測定した値および評価である。
(1)結合ビニル芳香族化合物含量
679cm-1のフェニル基の吸収をもとに、赤外分析法により測定した。
(2)共役ジエンのビニル結合含量
赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。
(3)水添率
四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1H―NMRスペクトルから算出した。
(4)水添ジエン系重合体の数平均分子量
トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めた。
(5)伸展性
市販のハンドラッパーを用いて発泡スチロール製トレーに乗せた食品を包装した時の伸びの状態、伸ばし易さを肉眼観察で以下のように判定した。
○:不均一な伸びがなく、極めて伸ばし易い。
×:不均一な伸びが発生し、極めて伸ばしにくい。
(6)変形回復性
市販のハンドラッパーを用いて発泡スチロール製トレーに乗せた食品を包装して、手指でフィルム面に変形を加えた時の回復性を肉眼観察で以下のように判定した。
○:極めて回復性良好である。
△:回復性良好。
×:回復性に劣る。
(7)自動包装適性
市販の自動包装機を用いて発泡スチロール製トレーに乗せた食品を包装して、自己粘着性、シワ、破れ、トレー変形等を以下のように判定した。
○:シワ、破れ、トレー変形などなく極めて良好である。
×:シワ、破れ、トレー変形が見られる。
(8)臭気
得られたラップ包装用フィルムをガラス容器に入れて密封し、100℃で30分放置後、室温まで冷却した後、官能評価し以下のように判定した。
○:酢酸臭がしない。
×:酢酸臭がする。
実施例、比較例、および評価の配合処方に用いられる各種の成分は、以下の通りである。
(イ)プロピレン系重合体成分
イ−1 ポリプロピレン(チッソ石油化学(株)製、F8577)
イ−2 ポリプロピレン(三菱化学(株)製、FB3C)
(ロ)水添ジエン系重合体成分
表1および2に示す水添ジエン系重合体(ロ−1) 〜(ロ−6)を合成した。なお、表1および2における略号は以下の化合物を示す。
BD:ブタジエン
IP:イソプレン
St:スチレン
(実施例1)
上記(イ)、(ロ)成分および(ハ)、(ロ)成分を表3に示す組成で45mm2軸押出機で200℃で混練した。この両者を一台の190℃の環状三層ダイスに供給して、(イ)プロピレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体の混合物からなる厚み5μmの(A)中間層の両面に、(ハ)エチレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体の混合物を各厚み5μmの(B)表面層として積層した全厚み15μmの3層フィルム(ストレッチ包装用フィルム)をインフレーション成形した。このフィルムにつき、回復性、伸展性、自動包装適性、および臭気の評価を行った。結果を表3に示す。表3に示された結果から、得られたフィルムは、上記特性において優れていることが明らかである。
(実施例2〜8)
上記(イ)、(ロ)、(ハ)成分および各層の厚みを表3に記載したとおりとした以外は、実施例1同様にして3層フィルムを作製した。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表3に示す。表3に示された結果から、これらのフィルムが、実施例1と同様に回復性、伸展性、自動包装適性、および臭気に優れていることが明らかである。
(実施例9、10)
上記(イ)、(ロ)成分および水添石油樹脂(軟化点120℃)を表4に示す組成で45mm2軸押出機で200℃で混練し(A)中間層用混合物とした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。表4に示された結果から、これらのフィルムが、実施例1と同様に回復性、伸展性、自動包装適性、および臭気に優れていることが明らかである。
(比較例1)
(B)表層として、(ハ−2)LDPEを単体で使用した以外は、実施例1同様にして3層フィルムを作製した。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表4に示す。比較例1のフィルムは表層の組成が本発明の範囲外であるため、自動包装適性に劣っていた。
(比較例2)
(ハ)成分としてEVA(ビニルアセテート含量=20重量%)を使用した以外は、実施例1同様にして3層フィルムを作製した。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行った。フィルムの組成と結果を表4に示す。比較例2のフィルムは表層の組成が本発明の範囲外であるため、臭気に劣っていた。
【0045】
【発明の効果】
本発明の多層フィルムは、適当な滑り性、自己粘着性を有し、充分な熱融着性、透明性を有することは勿論のこと、伸展性、柔軟性に優れ、かつ変形回復性、自動包装適性等の包装適性が極めて優れている。そのため食品包装のためのストレッチ包装用フィルムとして、さらには工業用ストレッチ包装用フィルムなどとしても好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. (A)(イ)プロピレン系重合体と、(ロ)共役ジエン成分から主として構成され、該共役ジエン成分のビニル結合含量が50〜90%であるジエン系重合体の水添物であり、且つ該共役ジエン成分の二重結合の80%以上が飽和されている水添ジエン系重合体を主成分とする中間層、および
    (B)該中間層の両面に積層された、(ハ)エチレン系重合体と上記(ロ)を主成分とする表面層を具備していることを特徴とする多層フィルム。
  2. (A)中間層において、(イ)プロピレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体との重量割合((イ)/(ロ))が、90/10〜10/90である請求項1に記載の多層フィルム。
  3. (B)表面層において、(ハ)エチレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体との重量割合((ハ)/(ロ))が、90/10〜70/30である請求項1又は2に記載の多層フィルム。
  4. (イ)プロピレン系重合体を構成する全単量体中のプロピレンの重量割合が70〜100重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  5. (ロ)水添ジエン系重合体の水添前重合体が、単量体として、共役ジエン化合物および芳香族ビニル化合物を、これらの重量割合(共役ジエン化合物/芳香族ビニル化合物)が100/0〜40/60となるように含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  6. (ハ)エチレン系重合体が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、および低密度ポリエチレンのアイオノマからなる群より選ばれる一種以上を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  7. 全厚みが5〜30μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  8. 全厚みに占める(A)中間層の厚みの割合が、10〜90%である請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層フィルムの製造方法であって、複数の押出機を用いてインフレーション成形による共押出法で積層して、前記多層フィルムを成形することを特徴とする多層フィルムの製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層フィルムからなるストレッチ包装用フィルム。
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