JPH11320775A5 - - Google Patents

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JPH11320775A5
JPH11320775A5 JP1998130047A JP13004798A JPH11320775A5 JP H11320775 A5 JPH11320775 A5 JP H11320775A5 JP 1998130047 A JP1998130047 A JP 1998130047A JP 13004798 A JP13004798 A JP 13004798A JP H11320775 A5 JPH11320775 A5 JP H11320775A5
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変形回復性の優れるものとして、種々の熱可塑性エラストマーを主成分とする層の両面にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を積層した多層ストレッチ包装用フィルムが多く提案されている。例えば、スチレン−ブタジエンブロツク共重合体水素添加物からなる層の両面にEVAを積層し、特定の粘弾性挙動を有する非塩ビ系ストレッチフィルムが提案されている。しかし常温での変形に対する弾性回復性は良いものの、フィルムのガラス転移点を高く設定しているために、低温での柔軟性において十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な滑り性、自己粘着性を有し、充分な熱融着性、透明性を有することは勿論のこと、引張伸展性、低温での柔軟性、変形回復性、自動包装適性等の包装適性に優れたストレッチ包装用フィルムとして好適に用いることができるフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、プロピレン系重合体と特定の水添共役ジエン系重合体からなる中間層の片面または両面にエチレン系重合体を主体とする表面層を積層した多層フィルムが上記目的を達成することを見出し本発明を完成するに至った。即ち本発明によれば、下記の多層フィルムが提供されて、上記目的が達成される。
〔1〕(A)(イ)プロピレン系重合体と、(ロ)1,2−ビニル結合含量が25%以下であるブタジエン重合体ブロックを少なくとも片末端に有するジエン系ブロック重合体が水素添加された水添ジエン系重合体とを主成分とする中間層、および(B)該中間層の片面または両面に積層された、(ハ)エチレン系重合体を主成分とする表面層を具備していることを特徴とする多層フィルム。
以下本発明を詳述するが、それにより本発明の他の目的、利点および効果が明らかとなるであろう。
(A)中間層について詳細に説明する。
上記(A)中間層の(イ)成分であるプロピレン系重合体は、プロピレン成分を主体とする重合体であり、他の共重合可能なオレフィンや極性モノマーが共重合されていてもよい。共重合成分としては、例えばエチレンをはじめ、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの直鎖状α−オレフィン;4−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−1、3−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1などの分岐状α−オレフィン;アクリル酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸やそのエステル;マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸やそのモノエステル;メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル;酢酸ビニルなどの飽和カルボン酸のビニルエステル;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;無水マレイン酸などの酸無水物;アクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどのジエンモノマー;さらにアクリルアミド、メタクリルアミドなどを挙げることができる。
(ロ−a):ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)〔以下「(A)ブロック」ともいう〕とビニル結合等含有量25〜95重量%である共役ジエン化合物(本明細書中において「共役ジエン」と略すことがある。)を主体とする重合体ブロック(B)〔以下「(B)ブロック」ともいう〕および1,2−ビニル結合含有量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(C)〔以下「(C)ブロック」ともいう〕とからなる(A)−(B)−(C)ブロック共重合体もしくはこの官能基変性体であって、(A)ブロックの含量が4〜60重量%、(B)ブロックの含量が30〜90重量%、(C)ブロックの含量が4〜60重量%〔ここで、(A)〜(C)の合計量は100重量%である〕であるブロック共重合体、または上記重合体ブロック(A)、(B)、(C)が、カップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐したブロック共重合体を水素添加することにより得られる、共役ジエン成分部分の二重結合が80%以上飽和され、かつ数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系共重合体もしくはこの官能基変性体。
(ロ−b):上記(C)ブロックと、(B)ブロックとからなる(C)−(B)または(C)−(B)−(C)ブロック重合体、または重合体ブロック(B)、(C)が、カップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐されたブロック重合体を水素添加することにより得られる、共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和され、かつ数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系重合体もしくはこの官能基変性体。
上記(ロ−a)および(ロ−b)において、(B)ブロック中の全共役ジエン成分に対する1,2−または3,4−結合した共役ジエン成分の割合は、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上である。1,2−または3,4−結合した共役ジエン成分の割合が60%未満の場合、(イ)プロピレン系重合体とブレンドした場合の引張伸展性、透明性および低温での柔軟性に対する改良効果が不十分となる場合がある。上記(ロ−a)および(ロ−b)の水添ジエン系共重合体は、例えば特開平3―72512号公報に記載されている方法によって製造することができる。
次に、(B)表面層について説明する。
(B)表面層は、上述したように、(A)中間層の片面または両面に積層された層であり、エチレン系重合体を主成分とする。具体的には、上記エチレン系重合体としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン(エチレンとα−オレフィンとの共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、低密度ポリエチレン等のアイオノマなどが好適である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例中の各種化学組成および評価は、次のようにして測定した値および評価である。
(1)結合ビニル芳香族化合物含量
679cm-1のフェニル基の吸収をもとに、赤外分析法により測定した。
(2)共役ジエンのビニル結合含量
赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。
(3)水添率
四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、1H―NMRスペクトルから算出した。
(4)水添ジエン系重合体の数平均分子量
トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めた。
(5)伸展性
市販のハンドラッパーを用いて発泡スチロール製トレーに乗せた食品を包装した時の伸びの状態、伸ばし易さを肉眼観察で以下のように判定した。
○:不均一な伸びがなく、極めて伸ばし易い。
×:不均一な伸びが発生し、極めて伸ばしにくい。
(6)変形回復性
市販のハンドラッパーを用いて発泡スチロール製トレーに乗せた食品を包装して、手指でフィルム面に変形を加えた時の回復性を肉眼観察で以下のように判定した。
○:極めて回復性良好である。
△:回復性良好。
×:回復性に劣る。
(7)自動包装適性
市販の自動包装機を用いて発泡スチロール製トレーに乗せた食品を包装して、自己粘着性、シワ、破れ、トレー変形等を以下のように判定した。
○:シワ、破れ、トレー変形などなく極めて良好である。
×:シワ、破れ、トレー変形が見られる。
実施例、比較例、および評価の配合処方に用いられる各種の成分は、以下の通りである。
(イ)プロピレン系重合体成分
イ−1 ポリプロピレン(チッソ石油化学(株)製、F8577)
イ−2 ポリプロピレン(三菱化学(株)製、FB3C)
(ロ)水添ジエン系重合体成分
下記表1に示す水添ジエン系重合体(ロ−1)〜(ロ−4)は、本発明者らによって、それ自体公知の方法で合成したものである。なお、表1における略号は以下の化合物を示す。
BD:ブタジエン
IP:イソプレン
St:スチレン
(実施例1)
上記(イ)、(ロ)成分を表2に示す組成で45mm2軸押出機で200℃で混練した。一方、上記(ハ)成分を口径40mmの押出機を用いて180℃で混練し、この両者を一台の190℃の環状三層ダイスに供給して、(イ)プロピレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体の混合物からなる厚み7μmの(A)中間層の両面に、(ハ−1)を厚み4μmの(B)表面層として積層した全厚み15μmの3層フィルム(ストレッチ包装用フィルム)をインフレーション成形した。このフィルムにつき、変形回復性、伸展性、および自動包装適性の評価を行った。結果を表2に示す。表2に示された結果から、得られたフィルムは、上記特性において優れていることが明らかである。
(実施例2〜8)
上記(イ)、(ロ)、(ハ)成分および各層の厚みを表2に記載したとおりとした以外は、実施例1同様にして3層フィルムを作成した。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表2に示す。表2に示された結果から、これらのフィルムが、実施例1と同様に変形回復性、伸展性、および自動包装適性に優れていることが明らかである。
(実施例9、10)
上記(イ)、(ロ)成分および水添石油樹脂(軟化点120℃)を表4に示す組成で45mm2軸押出機で200℃で混練した。一方、上記(ハ)成分を口径40mmの押出機を用いて180℃で混練し、この両者を一台の190℃の環状三層ダイスに供給して、(イ)プロピレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体および水添石油樹脂の混合物からなる厚み7μmの(A)中間層の両面に、(ハ−1)を厚み4μmの(B)表面層として積層した全厚み15μmの3層フィルム(ストレッチ包装用フィルム)をインフレーション成形した。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表3に示す。表3に示された結果から、これらのフィルムが、実施例1と同様に変形回復性、伸展性、および自動包装適性に優れていることが明らかである。
(比較例1)
(ハ)成分として、(A)中間層に使用した(イ−1)ポリプロピレンを使用した以外は、実施例1同様にして3層フィルムを作成した。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表3に示す。表3に示された結果から、得られたフィルムが、変形回復性、伸展性、および自動包装適性に劣ることが明らかである。
(比較例3)
(ロ)水添ジエン系重合体成分を使用せずに成形した以外は、実施例1同様にして3層フィルムを作成した。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表3に示す。表3に示された結果から、得られたフィルムが、変形回復性、伸展性、および自動包装適性に劣ることが明らかである。
(比較例4)
(イ)プロピレン系重合体成分を使用せず成形した以外は、実施例1同様にして3層フィルムを作成した。得られたフィルムについて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表3に示す。表3に示された結果から、得られたフィルムは、伸展性は良いものの変形回復性があまり良くなく、自動包装適性に劣ることが明らかである。
(比較例5)
(ハ)成分のみで単層フィルムを成形した。この単層フィルムにつき実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。表3に示された結果から、得られたフィルムが、伸展性、変形回復性、および自動包装適性に劣ることが明らかである。
【0044】
【発明の効果】
本発明の多層フィルムは、適当な滑り性、自己粘着性を有し、充分な熱融着性、透明性を有することは勿論のこと、伸展性、低温での柔軟性に優れ、かつ変形回復性、自動包装適性などの包装適性が極めて優れている。そのため食品包装のためのストレッチ包装用フィルムとして、さらには工業用ストレッチ包装用フィルムなどとしても好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. (A)(イ)プロピレン系重合体と、(ロ)1,2−ビニル結合含量が25%以下であるブタジエン重合体ブロックを少なくとも片末端に有するジエン系ブロック重合体が水素添加された水添ジエン系重合体とを主成分とする中間層、および
    (B)該中間層の片面または両面に積層された、(ハ)エチレン系重合体を主成分とする表面層を具備していることを特徴とする多層フィルム。
  2. (イ)プロピレン系重合体と(ロ)水添ジエン系重合体との重量割合((イ)/(ロ))が、90/10〜10/90である請求項1に記載の多層フィルム。
  3. (イ)プロピレン系重合体を構成する全単量体中のプロピレンの重量割合が70〜100重量%である請求項1又は2に記載の多層フィルム。
  4. (ロ)水添ジエン系重合体が、以下の(ロ−a)または(ロ−b)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層フィルム。
    (ロ−a):ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)、1,2−または3,4−結合含量が25〜95%である共役ジエンを主体とする重合体ブロック(B)、および1,2−ビニル結合含量が25%以下であるブタジエン重合体ブロック(C)からなる(A)−(B)−(C)ブロック共重合体もしくはこの官能基変性体(ただし、重合体ブロック(A)の含量は4〜60重量%、重合体ブロック(B)の含量は30〜90重量%、重合体ブロック(C)の含量は4〜60重量%である。ここで、重合体ブロック(A)〜重合体ブロック(C)の合計量は100重量%である。)、または上記重合体ブロック(A)、(B)、(C)が、カップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐したブロック共重合体を水素添加することにより得られる、共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和され、かつ数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系共重合体もしくはこの官能基変性体。
    (ロ−b):上記重合体ブロック(C)と上記重合体ブロック(B)とからなる(C)−(B)もしくは(C)−(B)−(C)ブロック重合体、または重合体ブロック(B)、(C)が、カップリング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐されたブロック重合体を水素添加することにより得られる、共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和され、かつ数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系重合体もしくはこの官能基変性体。
  5. 上記(ロ−a)および(ロ−b)において、重合体ブロック(B)中の全共役ジエン成分に対する1,2−または3,4−結合した共役ジエン成分の割合が、60〜95%である請求項4に記載の多層フィルム。
  6. (ハ)エチレン系重合体が、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、および低密度ポリエチレンのアイオノマからなる群より選ばれる一種以上を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  7. 全厚みが5〜30μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  8. 全厚みに占める(A)中間層の厚みの割合が、10〜90%である請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層フィルムの製造方法であって、複数の押出機を用いてインフレーション成形による共押出法で積層して、前記多層フィルムを成形することを特徴とする多層フィルムの製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層フィルムからなるストレッチ包装用フィルム。
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