JPH11320799A - 積層ポリカーボネート系樹脂発泡板及びその製造方法並びに箱 - Google Patents

積層ポリカーボネート系樹脂発泡板及びその製造方法並びに箱

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JPH11320799A
JPH11320799A JP10146640A JP14664098A JPH11320799A JP H11320799 A JPH11320799 A JP H11320799A JP 10146640 A JP10146640 A JP 10146640A JP 14664098 A JP14664098 A JP 14664098A JP H11320799 A JPH11320799 A JP H11320799A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軽量であり、曲げ強度の向上した表面外観が
良好かつ表面平滑な積層ポリカーボネート系樹脂発泡板
及びその製造方法の提供。 【解決手段】 ポリカーボネート系樹脂フィルム又はシ
ートA,A’,A”と、ポリカーボネート系樹脂発泡体
B,B’が、ABB’A’又はABA”B’A’の順に
積層されている積層ポリカーボネート系樹脂発泡板であ
って、A及びA’層を形成するポリカーボネート系樹脂
の250℃における溶融張力が2.0g以上、A及び
A’層の厚みがそれぞれ10〜750μm、A”層の厚
みが10〜1500μm、B及びB’層の密度がそれぞ
れ0.06〜0.6g/cm3及びその厚みがそれぞれ
0.5〜15mm、A及びA’層表面の中心線平均粗さ
が3.0μm以下、並びに該発泡板の曲げ強度Y(kg
/cm2)が下記式を満足する積層ポリカーボネート系
樹脂発泡板。 Y>266X2+147X (但し、Xは発泡板のみかけ密度(g/cm3)を表わ
す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層ポリカーボネ
ート系樹脂発泡板及びその製造方法、並びに該発泡板を
基材とした箱に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート系樹脂発泡シートを基
層とし、ポリカーボネート系樹脂フィルムを表層とした
共押出し法又は押出しラミネート法による積層ポリカー
ボネート系樹脂発泡シートは、特開平8−174780
号公報に提案されている。そして、これらの共押出し法
又は押出ラミネート法においては、表層樹脂フィルムに
用いられるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は2
0000未満が好ましく、該分子量が20000以上で
は共押出し又は押出しラミネート用としては流動性が悪
く、積層体の厚みが不均一になりやすいと記載され、実
施例として粘度平均分子量が18000、15000及
び10000のポリカーボネート樹脂を使用した場合が
示されている(実施例1、7及び9)。しかしながら、
前記方法により得られる発泡シートは、板材として使用
してもその曲げ強度等の機械的強度が必ずしも充分では
ないし、また、一般にロール状に巻かれている発泡シー
トを単に加熱して巻きぐせをとり、板状に加工しようと
しても発泡シートに波打ちが生ずる等、外観及び平滑性
に劣るものとなってしまう。また、発泡体の強度を上げ
ることを目的として、特開平9−104093号公報に
発泡体同士を積層することが提案されているが、この場
合得られた発泡体は必ずしも十分な強度、表面外観、表
面平滑性等を発揮するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量であ
り、曲げ強度の向上した表面外観が良好かつ表面平滑な
積層ポリカーボネート系樹脂発泡板及びその製造方法、
並びに該発泡板を基材とした箱を提供することをその課
題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、(i)ポリカーボネ
ート系樹脂フィルム又はシート(以下、フィルム又はシ
ートを単にフィルムと略記する。)(A)、ポリカーボ
ネート系樹脂発泡体(B)、ポリカーボネート系樹脂発
泡体(B’)及びポリカーボネート系樹脂フィルム
(A’)の各層がこの順に積層されているか、又は(i
i)ポリカーボネート系樹脂フィルム(A)、ポリカー
ボネート系樹脂発泡体(B)、ポリカーボネート系樹脂
フィルム(A'')、ポリカーボネート系樹脂発泡体
(B’)及びポリカーボネート系樹脂フィルム(A’)
の各層がこの順に積層されている構造を有する積層ポリ
カーボネート系樹脂発泡板であって、前記ポリカーボネ
ート系樹脂フィルム(A)及び(A’)層を形成するポ
リカーボネート系樹脂の250℃における溶融張力が
2.0g以上、前記ポリカーボネート系樹脂フィルム
(A)及び(A’)層の厚みがそれぞれ10〜750μ
m、前記ポリカーボネート系樹脂フィルム(A'')層の
厚みが10〜1500μm、前記ポリカーボネート系樹
脂発泡体(B)及び(B’)層の密度がそれぞれ0.0
6〜0.6g/cm3及びその厚みがそれぞれ0.5〜
15mm、該発泡板の表層のポリカーボネート系樹脂フ
ィルム(A)及び(A’)層表面の中心線平均粗さが
3.0μm以下、並びに該発泡板の曲げ強度Y(kg/
cm2)が下記式を満足するものであることを特徴とす
る積層ポリカーボネート系樹脂発泡板が提供される。 Y>266X2+147X (但し、Xは発泡板のみかけ密度(g/cm3)を表わ
す) また、本発明によれば、発泡剤含有ポリカーボネート系
樹脂からなる発泡体用樹脂と250℃における溶融張力
が2.0g以上のポリカーボネート系樹脂からなるフィ
ルム用樹脂とを、後者が前者の外周面又は外周面と内周
面に積層されるように環状ダイスを用いて共押出しして
フィルム積層筒状発泡体を形成させる工程、及び該発泡
体の内面同士を融着させ発泡板とする工程を含むことを
特徴とする積層ポリカーボネート系樹脂発泡板の製造方
法が提供される。更にまた、本発明によれば、前記積層
ポリカーボネート系樹脂発泡板を基材とした箱が提供さ
れる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の積層ポリカーボネート系
樹脂発泡板は、各層の接着積層が共押出し法又は押出し
ラミネート法等を採用してなされたものである。前記共
押出し法とは、発泡体層となるポリカーボネート系樹脂
発泡体の原料である発泡剤含有ポリカーボネート系樹脂
と、フィルム層となるポリカーボネート系樹脂フィルム
の原料であるポリカーボネート系樹脂のそれぞれの溶融
混練物を、押出機を用いてダイスより共押出しして発泡
積層させることによってフィルム層と発泡体層とからな
るフィルム積層発泡板を得る方法である。前記押出しラ
ミネート法は、ポリカーボネート系樹脂発泡板を予め作
製しておき、該発泡板の表面に、フィルム層となるポリ
カーボネート系樹脂フィルムの原料であるポリカーボネ
ート系樹脂の溶融混練物を押出機より押出してラミネー
ト(積層)することによってフィルム層と発泡体層とか
らなるフィルム積層発泡板を得る方法である。本発明に
おいては、前記方法のうち共押出し法がより好ましく用
いられる。この共押出し法によりフィルム積層発泡板を
得るための方法を更に詳しく述べると、フラットダイ
を用いて板状に共押出ししてフィルム積層発泡板とする
方法、環状ダイスを用い共押出しして筒状積層発泡体
を形成させ、次いでこれを切開いてフィルム積層発泡板
とする方法、環状ダイスを用い共押出しして筒状積層
発泡体を形成させると共に、該発泡体の内面が接着可能
な状態にあるうちに挾圧ロールで該発泡体を挟み込み内
面を圧着貼り合わせフィルム積層発泡板とする方法が挙
げられる(以下、このの方法を単に共押出し圧着法と
もいう)。共押出し圧着法によれば、本発明の前記した
4層又は5層からなる積層ポリカーボネート系樹脂発泡
板が一挙にしかも連続的に得られ、生産性が極めてよ
い。また、本発明の積層ポリカーボネート系樹脂発泡板
を得る他の方法としては予め作成しておいた発泡板とフ
ィルムを熱や接着剤などの接着手段によって貼り合せる
方法も挙げられる。
【0006】本発明において、出発原料として用いられ
る前記ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又
はビスフェノールから形成されるポリエステルである。
そして、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポ
リカーボネートは、耐熱性、耐候性及び耐酸性に優れて
いることから好適である。このようなポリカーボネート
としては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパ
ン(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−オキ
シフェニル)ブタン、1,1−ビス(オキシフェニル)
シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)
イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタ
ン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネート
が例示される。
【0007】そして、本発明では、積層ポリカーボネー
ト系樹脂発泡板の表面に積層されている樹脂フィルム
(A)及び(A’)層(フィルム層)を形成するポリカ
ーボネート系樹脂は、溶融張力が250℃で2.0g以
上、好ましくは2.3g以上であることを要する。前記
特開平8−174780号公報には共押出し法や押出し
ラミネート法によるフィルム積層ポリカーボネート系樹
脂発泡シートの製造においては、表層樹脂フィルムに用
いられるポリカーボネート系樹脂の粘度平均分子量は2
0000未満が好ましく、該分子量が20000以上で
は、共押出し又は押出しラミネート用としては流動性が
悪く、得られる積層体の厚みが不均一になりやすいとさ
れ、粘度平均分子量が20000より低いものが使用さ
れている。そして、前記で好ましいとされている粘度平
均分子量が20000未満のポリカーボネート系樹脂
は、その250℃における溶融張力が通常2.0g未満
である。本発明においては溶融張力が2.0g(250
℃)以上のポリカーボネート系樹脂を表層、即ちフィル
ム層用樹脂として用いると、意外にも、表面外観が良好
でかつ曲げ強度の向上した、表面平滑なポリカーボネー
ト系樹脂発泡板を得ることができ、また、共押出し法に
より表層を設けることにより基層である発泡体の発泡倍
率を十分に上げることができる。なお、溶融張力が2.
0g(250℃)以上のポリカーボネート系樹脂は、そ
の粘度平均分子量が通常20000を超えるものであ
る。溶融張力が2.0g(250℃)未満であると、樹
脂の溶融張力が低いため、基層となる発泡体と表層とな
る樹脂フィルムが融着する際、発泡体表面のセルの凹凸
が樹脂フィルム表面にも現われてしまい、得られる積層
発泡体の表面がざらつくと共に、発泡板の曲げ強度が著
しく低下する。また、共押出し時や、得られた積層発泡
体の反り、波打ち等の除去などのために行う二次加熱の
際、該発泡体の表面にヤケ等を生じやすく、表面の外観
及び平滑性がよいものや曲げ強度の向上したものは得ら
れない。溶融張力の上限は特に限定されないが通常30
gである。また、必要に応じて設けられる樹脂フィルム
(A'')層の樹脂の溶融張力(250℃)は2.0g以
上でなくてもよいが、生産性、積層発泡板の更なる物性
向上を目的として、樹脂フィルム(A)及び(A’)層
と同様の樹脂を使用することが好ましい。
【0008】なお、本明細書において溶融張力は、次の
ようにして測定されたものである。測定装置として、株
式会社東洋精機製作所製メルトテンションテスターII型
を使用し、オリフィス径2.095mm、オリフィス長
8mmのノズルから、120℃で3時間乾燥させること
により調整したポリカーボネート系樹脂を樹脂温度25
0℃、樹脂押出しピストン速度10mm/分の条件で樹
脂を紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力
検出用プーリーに掛け、更に下流側に位置する巻き取り
ローラーで巻き取る。巻き取りローラーの巻き取り速度
は直径50mmの巻き取りローラーを使用して100r
pmとする。そしてその時の張力検出用プーリーと連結
する検出器により検出される紐状物の張力を測定し溶融
張力とする。なお、前記において巻き取り速度を100
rpmとする際には紐状物が切断しないように徐々に
(約5rpm/秒)巻き取り速度を増加させ調整する。
また、巻き取り速度100rpmにて紐状物を巻き取る
と紐状物が切断してしまう場合は、切断時の巻き取り速
度で検出される張力を溶融張力とする。
【0009】また本発明では、フィルム層用ポリカーボ
ネート系樹脂は、その250℃、剪断速度100sec
-1における溶融粘度が5×103〜2×105ポイズであ
るのが好ましく、1×104〜1.7×105ポイズであ
ると更に好ましい。溶融粘度があまり低すぎると、発泡
体層用ポリカーボネート樹脂と押出機シリンダー壁面や
シャフト壁面との界面に流動性の高い樹脂が存在するこ
ととなり押出圧力が低下し、良好な発泡が困難になる。
また溶融粘度が高くなりすぎても、フィルム層用樹脂は
発泡剤を含有せず発泡体用樹脂に比べ非常に粘度が高い
ことからフィルム層用樹脂の温度が高温となり、250
℃における溶融張力2g以上の樹脂をもってしても積層
発泡板表面等のヤケを防止することが難しくなる。な
お、本明細書において溶融粘度は、次のようにして測定
されたものである。測定装置としてチアスト社製レオビ
ス2100を使用し、オリフィス径1mm、オリフィス
長10mm、測定温度250℃、剪断速度100sec
-1の条件にて測定する。そしてまた、フィルム層用ポリ
カーボネート系樹脂はその粘度平均分子量が20000
以上であると好ましく、より好ましくは22000以上
である。粘度平均分子量があまり低いと十分な溶融粘度
が得られない虞れがある。一方、粘度平均分子量が高す
ぎると溶融粘度が高くなる傾向にあるため、通常粘度平
均分子量の上限は50000である。
【0010】更にまた、本発明では発泡体層用ポリカー
ボネート系樹脂は、その粘度平均分子量は25000以
上が好ましく、より好ましくは28000以上であり、
また、250℃における溶融張力は2.3g以上が好ま
しく、より好ましくは5.0g以上である。その粘度平
均分子量は、あまり低いと押出発泡時に押出機ダイス圧
力の低下に繋がり、良好な発泡体を得ることが難しくな
る。またその上限は特に限定されないが、通常5000
0である。250℃における溶融張力は、低すぎると押
出発泡時に気泡が破壊し易く良好な発泡体を得ることが
難しくなる。その上限は特に限定されないが、通常30
gである。また、前記発泡体層用ポリカーボネート系樹
脂は、その温度250℃、剪断速度100sec-1にお
ける溶融粘度が5×104〜2×105ポイズであるのが
好ましく、6×104〜1.8×105ポイズであるのが
より好ましい。該溶融粘度が、低すぎると発泡に必要な
押出圧力を保つことが難しく、また高すぎると押出機内
で発熱し、発泡適正温度にまでコントロールするのが困
難になる。
【0011】前記発泡剤としては、無機発泡剤、揮発性
発泡剤、分解型発泡剤のいずれも使用可能である。無機
発泡剤としては、二酸化炭素、窒素等が用いられる。揮
発性発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタ
ン、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン等の低
級脂肪族炭化水素;シクロブタン、シクロペンタン、シ
クロヘキサン等の低級脂環式炭化水素等が用いられる。
前記した発泡剤は、単独又は2種以上混合して使用可能
であり、例えば無機発泡剤と揮発性発泡剤のように異な
った型の発泡剤の併用も可能である。また、気泡径調節
のために分解型発泡剤の併用も可能である。発泡剤使用
量は発泡剤の種類や所望する発泡倍率によっても異な
り、発泡倍率によって発泡体の密度が定まるから、主に
所望する発泡体の密度で発泡剤の使用量が定まるといえ
る。なお、発泡剤の使用量はおおむねポリカーボネート
系樹脂1kgに対して0.05〜2モルである。
【0012】以下、主に前記共押出し圧着法によるシー
ト状積層発泡体の製造方法について詳述する。なお、こ
の方法による場合は、ポリカーボネート系樹脂フィルム
(A)及び(A’)層、並びにポリカーボネート系樹脂
発泡体(B)及び(B’)層はその組成がそれぞれ同一
となる。更にポリカーボネート系樹脂フィルム(A'')
層の組成は前記(A)、(A’)層と同一となることが
好ましい。押出機において、一方で前記発泡剤含有ポリ
カーボネート系樹脂を溶融混練して発泡性樹脂溶融混練
物とし、他方で、別途前記フィルム層用ポリカーボネー
ト系樹脂を溶融混練して樹脂溶融混練物とし、両者を押
出機先端に設けられた環状ダイス内にて合流させ前者の
外周面又は外周面と内周面に後者を積層し、続いて該ダ
イスを通して押出機内よりも低圧下に共押出しして発泡
積層させ、発泡体と樹脂フィルムを積層した筒状積層発
泡体を形成させ、この筒状に押出された発泡体をエアー
で冷却しながらバルーンを形成させると共に、該バルー
ンの内側が接着可能な状態にあるうちに挾圧ロールでバ
ルーンを挾み込み内面を圧着させ積層発泡板とする。前
記共押出し圧着法において、溶融混練物を環状ダイスよ
り押出すに当り、フィルム層用ポリカーボネート系樹脂
からなる溶融混練物を発泡性樹脂溶融混練物に対して、
(1)外周面に積層して共押出しするとポリカーボネー
ト系樹脂フィルム(A)、ポリカーボネート系樹脂発泡
体(B)、ポリカーボネート系樹脂発泡体(B)、ポリ
カーボネート系樹脂フィルム(A)の各層がこの順に積
層された積層発泡体が得られ、また(2)外周面と内周
面の両方に積層して共押出しすると、ポリカーボネート
系樹脂フィルム(A)、ポリカーボネート系樹脂発泡体
(B)、ポリカーボネート系樹脂フィルム(A'')、ポ
リカーボネート系樹脂発泡体(B)、ポリカーボネート系
樹脂(A)の各層がこの順に積層された積層ポリカーボ
ネート系樹脂発泡体が得られる。なお、この場合、樹脂
フィルム(A'')層は二層のフィルムより構成されてい
る。前記のような共押出し圧着法を用いることによっ
て、生産性を著しく向上させることができる。また、得
られる積層ポリカーボネート系樹脂発泡板も、圧着面に
おいてその接着がより強固となり、結果、曲げ強度等の
機械的性質が向上する。また、発泡板の平滑性も向上し
より好ましいものとなる。
【0013】なお、本方法においてポリカーボネート系
樹脂を円滑に発泡させるために、該樹脂と発泡剤との発
泡性樹脂混練物中に必要に応じて気泡調整剤を添加する
とよい。この場合の気泡調整剤としては、タルクやシリ
カ等の無機粉末、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボ
ン酸と重炭酸ナトリウムとの混合物等が好ましい。その
添加量は、樹脂100重量部当り0.01〜5.0重量
部、好ましくは0.05〜0.5重量部とするのが良
い。0.01重量部より少ないとポリカーボネート系樹
脂を事実上発泡せしめることが困難となり、一方5.0
重量部よりも多いと得られた発泡成形品の靭性が低下し
てしまうおそれがある。
【0014】また、前記発泡性樹脂溶融混練物及び/又
は前記フィルム層用樹脂溶融混練物中に、難燃剤、熱安
定剤、耐候性向上剤、着色剤、帯電防止剤、導電性付与
剤等のように、通常の発泡シート等に添加される公知の
添加剤を添加することができる。また、水酸化アルミニ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の無機
水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウム等の無機炭酸塩、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグ
ネシウム等の無機亜硫酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸アルミニウム等の無機硫酸塩、酸化カル
シウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の無機酸化
物、タルク、クレー、カオリン、ゼオライト等の粘度又
は天然鉱物等の無機充填剤を5〜30重量%添加しても
良い。
【0015】次に、通常は前記のようにして得られた積
層発泡板を押出方向所定長さに切断する。なお、積層発
泡板は、その厚みにもよるが、ロール状に巻き取ること
もできる。
【0016】本発明の積層ポリカーボネート系樹脂発泡
板は、そのポリカーボネート系樹脂フィルム(A)及び
(A’)層の厚みは、それぞれ10〜750μm、好ま
しくは、30〜300μm、そのポリカーボネート系樹
脂フィルム(A'')層の厚みは10〜1500μm、好
ましくは80〜1000μm、そのポリカーボネート系
樹脂発泡体(B)及び(B’)層の密度はそれぞれ0.
06〜0.6g/cm 3、好ましくは0.08〜0.3
g/cm3、その厚みはそれぞれ0.5〜15mm、好
ましくは1〜10mm、該発泡板の表層のポリカーボネ
ート系樹脂フィルム(A)及び(A’)層表面の中心線
平均粗さは3.0μm以下、好ましくは2.5μm以
下、そして該発泡板の曲げ強度Y(kg/cm2)は下
記式を満足するものである。 Y>266X2+147X (但し、Xは発泡板のみかけ密度(g/cm3)を表わ
す。なお、ここで発泡板のみかけ密度(g/cm3)と
は積層ポリカーボネート系樹脂発泡板の重量(g)をそ
の体積(cm3)にて除した値である。) なお、本明細書において表面の中心線平均粗さとは、J
IS B0601に基づきカットオフ値0.8mmにて
測定して求まる値をいう。また、本明細書において積層
ポリカーボネート系樹脂発泡板の曲げ強度YはJIS
K7171に準拠し、曲げ速度100mm/分、治具先
端R5mm、スパン間隔100mm、試験片(幅50m
m×長さ×150mm×積層ポリカーボネート系樹脂発
泡板厚み)の条件にて測定して求まる値である。
【0017】前記積層ポリカーボネート系樹脂発泡板に
おいて、その樹脂フィルム(A)及び(A’)層の厚み
が10μm未満であると、曲げ等の強度向上効果が不十
分であり、750μmを超えると共押出しの場合、樹脂
フィルム(A)及び(A’)層の樹脂量が発泡体層を構
成する樹脂量に対して多すぎるため、押出温度が高くな
りすぎてしまい押出発泡が困難となる。また、積層発泡
板の軽量性、生産性も低下する。また、その樹脂フィル
ム(A'')層の厚みが10μm未満であると更なる曲げ
等の強度向上効果が期待できない。一方、1500μm
を超えると軽量性、生産性の面で好ましくなく、共押出
し法にて良好な積層発泡板を得ることが困難となる虞れ
がある。
【0018】ポリカーボネート系樹脂発泡体(B)及び
(B’)層の密度が、0.06g/cm3未満であると、
剛性、表面平滑性において不十分なものとなり、0.6
g/cm3を超えると軽量性、緩衝性、断熱性において不
十分なものとなる。ポリカーボネート系樹脂発泡体
(B)及び(B’)層の厚みが0.5mm未満であると
剛性において不十分であり、15mmを超えるものは特
殊なフラットダイスを使用しなければ製造が困難であ
り、更に、環状ダイスを使用し無理に得ようとすると外
観不良が発生する。
【0019】また、該発泡板の表層のポリカーボネート
系樹脂フィルム(A)及び(A’)層表面の中心線平均
粗さが3μmを超えると印刷適性、外観が悪化する。そ
の下限は特に限定しないが通常0.5μmである。更に
また、該発泡板の曲げ強度Yが前記式を満足しないもの
は積層構造による強度向上効果が達成されていないもの
である。なお、前記中心線平均粗さは、樹脂フィルム
(A)、(A’)層の基材樹脂の溶融張力や発泡体
(B)、(B’)層表面部の気泡径等によって調節す
る。また、曲げ強度Yは、樹脂フィルム(A)、
(A’)、(A'')層の基材樹脂の溶融張力、フィルム
層と発泡体(B)、(B’)層との接着強度等によって
調節する。
【0020】本発明の積層ポリカーボネート系樹脂発泡
板はまた、そのポリカーボネート系樹脂発泡体(B)及
び(B’)層において、ポリカーボネート系樹脂フィル
ム(A)又は(A’)層との界面から厚み方向に100
μmの部分における幅方向の平均気泡径Cと、ポリカー
ボネート系樹脂発泡体(B)又は(B’)層の厚み方向
中央部の部分の層部分における幅方向の平均気泡径Dと
の関係がC/D≧0.5であることが好ましく、C/D
≧0.7であればより好ましい。C/Dがあまり小さい
と反り等問題が発生する。またC/Dの値が0.5以下
の場合は発泡体(B)又は(B’)層の独立気泡率が低
いものとなる虞れがある。その上限は特に限定されない
が通常1.0である。前記C/Dは、押出機ダイスのリ
ップ間隔、押出発泡温度、押出後の冷却等の条件によっ
て調節する。
【0021】本発明の前記積層ポリカーボネート系樹脂
発泡板は、軽量であり、表面外観が良好でかつ表面平滑
であって、曲げ強度に優れ、反りも殆どなく、また極低
温における耐衝撃性、耐熱性、平滑性、機械的強度及び
靭性に優れるために、包装分野、建築分野、土木分野等
の各種基材、施工材等として有用であり、殊に箱体製造
のための壁面部材(側壁、底壁等)の基材として極めて
有用である。
【0022】本発明の前記積層ポリカーボネート系樹脂
発泡板を基材として用いて、下記のような箱体を作るこ
とができる(但し、これらの箱のみに限定されるもので
はない)。 底面部材と側面部材とが連成され、それらを折り曲
げることによって組み立てられた熱融着箱であって、該
箱の各部材の結合部が熱融着されている積層ポリカーボ
ネート樹脂発泡板からなる熱融着箱。 箱の各部材の接合部分が接着剤を使用したものであ
るか、接合金具を用いたものであるか又はリベットによ
って固定結合されたものである積層ポリカーボネート樹
脂発泡板からなる組み立て箱。 四枚の側面部材と、底面部材及び/又は上面部材と
を、それらの端縁に形成された嵌合機構によって連結し
て組み立てられる積層ポリカーボネート樹脂発泡板から
なる組み立て箱。 平坦に折りたたみ可能な折りたたみ箱であり、少な
くとも対向する2つの側面部材は上下方向に少なくとも
2分割されると共に、この分割部分はヒンジ機構により
連結されており、その連結部は外側又は内側に折りたた
み可能である積層ポリカーボネート樹脂発泡板よりなる
折りたたみ箱。
【0023】本発明の前記箱体は、基材である積層ポリ
カーボネート系樹脂発泡板が表面外観がよく、表面平滑
で、曲げ強度に優れ、反りを殆ど有しないことから、そ
の製造が容易であると共に仕上がりが美麗かつ堅牢であ
る。また積層ポリカーボネート系樹脂が前記したような
非常に優れた性質を有することから、箱体中に例えば熱
いままの食材等を収納できるし、更にそれをそのまま冷
蔵庫又は冷凍庫に収容して冷蔵又は冷凍することもでき
る。
【0024】
【実施例】次に本発明を実施例によって更に詳細に説明
する。
【0025】実施例1〜3、比較例1 ビスフェノールAを使用してなる表1に示すポリカーボ
ネート樹脂に対し、核剤としてタルク0.8〜1.0重
量%を加えた原料樹脂を押出機中で加熱、溶融、混練し
た後、発泡剤としてノルマルペンタンを、押出機中に圧
入混練し、他方、ビスフェノールAを使用してなる表1
に示すポリカーボネート樹脂を他の押出機中で溶融混練
し、両混練物を前者の溶融混練物の外周に後者の溶融混
練物が積層されるようにして環状ダイスを用いて共押出
しし、円筒状発泡体とする。該円筒状発泡体の外側をエ
アーで冷却し、発泡体の内側が圧着可能な状態にあるう
ちに挾圧ロールで円筒状発泡体を挾み込み発泡体の内側
を接着し、充分冷却固化した後、幅方向両端をトリミン
グし、更に押出方向1000mm毎に幅方向に切断する
ことによりフィルムA、発泡体B、発泡体B’、フィル
ムA’の各層が順次積層された積層ポリカーボネート樹
脂発泡板を得た。
【0026】実施例4 ビスフェノールAを使用してなる表1に示すポリカーボ
ネート樹脂に対し、核剤としてタルク0.8重量%を加
えた原料樹脂を押出機中で加熱、溶融、混練し、更に発
泡剤としてノルマルペンタンを押出機中に圧入混練して
発泡性溶融混練物を得た。該混練物を押出機先端の環状
ダイスより押出し、円筒状発泡体とする。該発泡体の外
側をエアーで冷却し、発泡体の内側が圧着可能な状態に
あるうちに狭圧ロールで円筒状発泡体を挾み込み発泡体
の内側を接着し充分冷却固化し、発泡体(B)(B’)
よりなる積層発泡板を得た。得られた発泡板上両面に、
ビスフェノールAを使用してなる表1に示すポリカーボ
ネート樹脂を他の押出機中で溶融混練して得た溶融混練
物を押出しラミネートし充分冷却固化した後、幅方向両
端をトリミングし、更に押出方向1000mm毎に幅方
向に切断することにより、フィルム(A)、発泡体
(B)、発泡体(B’)、フィルム(A’)の各層が順
次積層された積層ポリカーボネート樹脂発泡板を得た。
この積層ポリカーボネート樹脂発泡板の物性値並びに評
価は表1に示すとおりであった。
【0027】比較例2、3 押出ラミネートを行わなかった以外は実施例4と同様の
操作を行って発泡体(B)、発泡体(B’)が積層され
た積層発泡板を得た。この発泡板の物性値並びに評価は
表1に示すとおりであった。
【0028】なお、前記実施例及び比較例における各物
性値の測定並びに評価は次のようにして行った。 [中心線平均粗さ]小坂研究所社製の表面粗さ測定装置
サーフコーダー30Dを使用し、JISB0601に基
づき縦倍率500、横倍率10、基準長さ8.00m
m、カットオフ値0.8mm、触針先端半径2μm、送
り速さ0.1mm/secの条件にて発泡板両面の中心
線平均粗さを測定し、大きい方の値を表1に示した。 [発泡板の曲げ強度]東洋ボールドウィン社製UTMII
I型を使用し、JIS K7171に準拠し、曲げ速度
100mm/分、治具先端のR5mm、スパン間隔10
0mm、試験片幅50mm×長さ150mm×積層発泡
板厚みの条件にて測定した。 [発泡板の平均気泡径C及びD]発泡板の幅方向におけ
る厚み方向垂直断面の拡大図の発泡板を構成するポリカ
ーボネート系樹脂発泡体(B)及び(B’)層におい
て、ポリカーボネート系樹脂フィルム(A)又は
(A’)層との積層界面(比較例2、3発泡板表面)か
ら厚み方向に100μmの部分に相当する位置に長さ3
000μmに相当する基準線を幅方向に引く。次に該基
準線上にある気泡数(個)をカウントし、下記式により
平均気泡径Cを求めた。また、発泡板の幅方向における
厚み方向垂直断面の拡大図のポリカーボネート系樹脂発
泡体(B)及び(B’)層の厚みを2分割する位置に長
さ3000μmに相当する基準線を幅方向に引く。次に
該基準線上にある気泡数(個)をカウントし、下記式に
より平均気泡径Dを求めた。 [発泡板の平滑性]発泡板の反り値によって平滑性を評
価した。 ○・・・反り値が15mm以下 ×・・・ 〃 超 なお、前記発泡板の反り値とは、シート状発泡体を押出
方向に500mm、押出方向と直交する方向に発泡体の
幅分の方形状に切断した(厚みはそのまま)測定用発泡
板サンプルを作製し、このサンプルをこれよりも大きな
面積の水平な板状部材上に静置(自重以外の力が加わら
ない状態)した状態及びサンプルを裏返して同様に静置
した状態でのサンプルの最も高さの高い部分から水平な
板状部材へ下した垂線の長さを測定し、測定した垂線の
長さからサンプルの厚みを引算して求め表裏各々の値の
うち大きい方の値(mm)をいう。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の積層ポリカーボネート系樹脂発
泡板は、軽量であり、表面外観が良く、かつ表面平滑で
あって曲げ強度に優れ、反りも殆どなく、殊に箱体等の
製造のための基材として極めて有用である。また、前記
ポリカーボネート系樹脂発泡板を用いて製造した箱体
は、例えば食材等を熱いままで収納できると共に、それ
をそのまま直ちに冷蔵庫や冷凍庫等で冷蔵、冷凍するこ
ともできるなど極めて利便性の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00 (72)発明者 岩崎 聡 栃木県宇都宮市鶴田町3271−19 コーポラ ス鶴田2−101号 (72)発明者 高橋 誠治 栃木県宇都宮市鶴田町1704−25 テラスハ ウスA−102号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)ポリカーボネート系樹脂フィルム
    又はシート(A)、ポリカーボネート系樹脂発泡体
    (B)、ポリカーボネート系樹脂発泡体(B’)及びポ
    リカーボネート系樹脂フィルム又はシート(A’)の各
    層がこの順に積層されているか、又は(ii)ポリカーボ
    ネート系樹脂フィルム又はシート(A)、ポリカーボネ
    ート系樹脂発泡体(B)、ポリカーボネート系樹脂フィ
    ルム又はシート(A'')、ポリカーボネート系樹脂発泡
    体(B’)及びポリカーボネート系樹脂フィルム又はシ
    ート(A’)の各層がこの順に積層されている構造を有
    する積層ポリカーボネート系樹脂発泡板であって、前記
    ポリカーボネート系樹脂フィルム又はシート(A)及び
    (A’)層を形成するポリカーボネート系樹脂の250
    ℃における溶融張力が2.0g以上、前記ポリカーボネ
    ート系樹脂フィルム又はシート(A)及び(A’)層の
    厚みがそれぞれ10〜750μm、前記ポリカーボネー
    ト系樹脂フィルム又はシート(A'')層の厚みが10〜
    1500μm、前記ポリカーボネート系樹脂発泡体
    (B)及び(B’)層の密度がそれぞれ0.06〜0.
    6g/cm3及びその厚みがそれぞれ0.5〜15m
    m、該発泡板の表層のポリカーボネート系樹脂フィルム
    又はシート(A)及び(A’)層表面の中心線平均粗さ
    が3.0μm以下、並びに該発泡板の曲げ強度Y(kg
    /cm2)が下記式を満足するものであることを特徴と
    する積層ポリカーボネート系樹脂発泡板。 Y>266X2+147X (但し、Xは発泡板のみかけ密度(g/cm3)を表わ
    す)
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート系樹脂フィルム又はシ
    ート(A’)層がポリカーボネート系樹脂フィルム又は
    シート(A)層と同一組成を有し、ポリカーボネート系
    樹脂発泡体(B’)層がポリカーボネート系樹脂発泡体
    (B)層と同一組成を有する請求項1記載の積層ポリカ
    ーボネート系樹脂発泡板。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネート系樹脂フィルム又はシ
    ートとポリカーボネート系樹脂発泡体とが共押出し法に
    より、積層接着されていることを特徴とする請求項1又
    は2記載の積層ポリカーボネート系樹脂発泡板。
  4. 【請求項4】 発泡剤含有ポリカーボネート系樹脂から
    なる発泡体用樹脂と250℃における溶融張力が2.0
    g以上のポリカーボネート系樹脂からなるフィルム又は
    シート用樹脂とを、後者が前者の外周面又は外周面と内
    周面に積層されるように環状ダイスを用いて共押出しし
    てフィルム又はシート積層筒状発泡体を形成させる工
    程、及び該発泡体の内面同士を融着させ発泡板とする工
    程を含むことを特徴とする積層ポリカーボネート系樹脂
    発泡板の製造方法。
  5. 【請求項5】 発泡体用ポリカーボネート系樹脂の温度
    250℃、剪断速度100sec-1での溶融粘度が5×
    104〜2×105ポイズであり、かつフィルム又はシー
    ト用ポリカーボネート系樹脂の温度250℃、剪断速度
    100sec-1での溶融粘度が5×103〜2×105ポ
    イズである請求項4記載の積層ポリカーボネート系樹脂
    発泡板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の積層ポ
    リカーボネート系樹脂発泡板を基材とした箱。
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