JPH11325248A - 内燃機関のピストン - Google Patents

内燃機関のピストン

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JPH11325248A
JPH11325248A JP13878798A JP13878798A JPH11325248A JP H11325248 A JPH11325248 A JP H11325248A JP 13878798 A JP13878798 A JP 13878798A JP 13878798 A JP13878798 A JP 13878798A JP H11325248 A JPH11325248 A JP H11325248A
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JP
Japan
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piston
ring
piston ring
ring groove
groove
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Application number
JP13878798A
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English (en)
Inventor
Takao Suzuki
孝男 鈴木
Kimitaka Saito
公孝 斉藤
Tokio Kohama
時男 小浜
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストン構造を複雑にせずに、ピストン下降
時のオイル掻き下げ不良を防止し、オイルの消費量の低
減と燃費の向上を図るピストンを提供する。 【解決手段】 少なくとも1本のピストンリング1がリ
ング溝20に装着された内燃機関のピストンにおいて、少
なくとも1本のピストンリング1の上面11とそのリング
溝20の天井面23との間の摺動抵抗が、ピストンリング1
の下面12とそのリング溝20の床面22との間の摺動抵抗よ
りも大きくなるようにピストン2を構成する。摺動抵抗
を大きくする場合は、ピストンリング1の上面11又はリ
ング溝20の天井面23の表面粗さを粗くすることにより実
現できる。また、ピストンリング1の上面11に、ピスト
ン2の半径方向に略垂直な方向に延びる溝7を複数個円
周方向に隣接させて形成しても摺動抵抗を増大させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関のピストン
に関し、特に、ピストンの上昇中と下降中のピストンリ
ングとリング溝との摺動抵抗を変化させることにより、
オイルの消費を増加させることなく燃費の向上を図った
内燃機関のピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のピストンはシリンダ内で吸
入、圧縮、爆発、排気の動作を行うが、ピストンだけで
はシリンダ内のガス漏れを防ぐことができない。そこ
で、ピストンには一般に3〜4本のピストンリングが装
着されている。ピストンリングはピストン頂部(クラウ
ン部)近傍の周囲に設けられたリング溝の中に嵌め込ま
れてピストンに装着される。
【0003】ピストンリングには、シリンダの気密性を
保持してクランクケース内へのガス漏れを防止し、ピス
トンが受けた熱をシリンダライナへ伝達するための圧縮
リングと、シリンダライナを潤滑するオイル(潤滑油)
のうちの余剰オイルを掻き落とすためのオイルリングの
2種類がある。内燃機関のオイルの消費量は、ピストン
リングの形状や張力に依存しており、ピストンリングが
外に広がろうとする力、即ち、張力を高くすると機関の
オイル消費量が低減され、ピストンリングの張力を低く
すると機関のオイル消費量が増大する傾向にある。
【0004】ところで、近年、内燃機関の燃費改善の1
つの手段として、ピストンリングの張力を低下させよう
とする要望がある。ところが、前述のように、ピストン
リングの張力を低下させると、シリンダ壁面のオイルの
掻き落とし効果が低減し、このため、オイルの消費量が
増大すると共に、HCの排出量が多くなってエミッショ
ンが悪化するという問題点がある。
【0005】この問題点を図1を用いて説明する。図1
(a) は機関が低回転から中回転領域にある時のピストン
リング1の機能を説明するものである。この図から分か
るように、図示しないピストンの上昇に伴ってピストン
リング1がシリンダボア5内を上昇すると、ピストンリ
ング1によってオイル6が掻き上げられ、ピストンリン
グ1がシリンダボア5内を下降すると、ピストンリング
1によってオイルが掻き下げられる。このように、機関
が低回転から中回転領域にある時はピストンリング1に
よってオイル6が十分に掻き下げられる。
【0006】一方、図1(b) は機関の高回転時や、シリ
ンダボア5が変形している時のピストンリング1の機能
を説明するものである。この図から分かるように、図示
しないピストンの上昇に伴ってピストンリング1がシリ
ンダボア5内を上昇すると、ピストンリング1によって
オイル6が掻き上げられるが、ピストンリング1がシリ
ンダボア5内を急速に下降すると、ピストンリング1が
シリンダボア5から離れてしまい、ピストンリング1に
よるオイル6の掻き下げが不十分になる。このように、
機関が高回転領域にある時や、シリンダボア5が変形し
ている時は、ピストンリング1によるオイル6の掻き下
げ不良が発生するのである。
【0007】このような問題点に対して、本出願人は、
ピストンの上昇中に比べて下降中のピストンリングの張
力を大きくすることができる機構を備えたピストンを提
案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本出願
人の提案した上昇中よりも下降中のピストンリングの張
力を大きくすることができる機構を備えたピストンは、
ピストンの内部にピストンリングの張力可変機構を組み
込む必要があるので、ピストンのコストが上昇するとい
う課題があった。
【0009】そこで、本発明は、ピストンのコストを上
昇させる原因となるピストンリングの張力可変機構をピ
ストンの内部に組み込むことなく、ピストンの下降中に
ピストンリングのピストンからの突出量が小さくなるこ
とが防止され、オイルの消費量の低減、及び、燃費の向
上を図ることができる内燃機関のピストンを提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の特徴は、以下に第1から第5の発明として示され
る。第1の発明の構成上の特徴は、ピストンの周囲に少
なくとも1本のピストンリングが、ピストンに設けられ
たリング溝に装着される内燃機関のピストンにおいて、
ピストンリングのうち、少なくとも1本のピストンリン
グの上面とそのリング溝の天井面との間の摺動抵抗を、
ピストンリングの下面とそのリング溝の床面との間の摺
動抵抗よりも大きくしたことにある。
【0011】第2の発明の構成上の特徴は、第1の発明
において、ピストンリングの上面又はリング溝の天井面
の表面粗さをピストンリング下面又はリング溝の床面の
表面粗さよりも粗くすることにより、摺動抵抗を大きく
したことにある。第3の発明の構成上の特徴は、第2の
発明において、表面粗さを大きくする部位を、ピストン
リングのリング溝内への没入を妨げる部分にのみ実施し
たことにある。
【0012】第4の発明の構成上の特徴は、第1から第
3の発明のいずれかにおいて、ピストンリングの上面
に、ピストンの半径方向に略垂直な方向に延びる溝を複
数個円周方向に隣接させて形成したことにある。第5の
発明の構成上の特徴は、第4の発明において、複数の溝
の端部同士が重なり合わないように、前記溝を形成した
ことにある。
【0013】第1の発明では、ピストン下降中はピスト
ンリングにかかる背面圧力が小さくなるため、ピストン
リングはシリンダボアと離れやすくなるが、ピストン下
降中はピストンリングとピストンとの間の摺動抵抗が大
きいので、ピストンリングがリング溝内に没入しにくく
なり、シリンダボアと離れにくくなってピストンリング
の張力を増大させた状態と同等になる。また、ピストン
上昇中のピストンとピストンリングとの間の摺動抵抗は
ピストン下降時よりも小さいので、燃費の悪化が防止さ
れる。
【0014】第2の発明では、第1の発明の効果がピス
トンリング又はリング溝の表面粗さの変更のみで実現で
きる。第3の発明では、ピストンリング又はリング溝の
表面粗さを大きくする領域を最小限にすることができ
る。第4の発明では、摺動抵抗の増減を容易に達成する
ことができる。
【0015】第5の発明では、ピストンリングの合口か
らのガス漏れを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下添付図面を用いて本発明の実
施形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。図
2は(a) は本発明の内燃機関のピストン2の構成の一例
を示す組立斜視図である。ピストン2の頭部の周囲には
複数本のリング溝20が設けられており、このリング溝
20にそれぞれピストンリング1が装着される。また、
ピストン2のスカート部21には下側からコンロッド4
が挿入され、ピストンピン3によってピストン2に揺動
自在に接続される。
【0017】ピストンリング1には、気密を保持し、圧
縮漏れ、燃焼ガス漏れを防止するコンプレッションリン
グと、オイル掻きの作用をするオイルリングとがある。
一般に、コンプレッションリングは上から2本(トップ
リングとセカンドリング)であり、その下にオイルリン
グが取り付けられる。ピストンリング1は、ピストン2
のリング溝20に嵌め込むために、全周連続したリング
ではなく、途中に合口10が設けられている。
【0018】以上のように構成されたピストン2におい
て、本発明の実施例では、ピストンリング1のうち、少
なくとも1本のピストンリング1、例えば、オイルリン
グの上面とそのリング溝20の天井面との間の摺動抵抗
が、ピストンリング1の下面とそのリング溝20の床面
との間の摺動抵抗よりも大きくされている。摺動抵抗を
大きくする方法としては、ピストンリング1の上面又は
リング溝20の天井面の表面粗さを、ピストンリング1
の下面又はリング溝20の床面の表面粗さよりも大きく
すること等がある。
【0019】図2(b) は(a) のピストンリング1の第1
実施例を装着したピストン2が、シリンダボア5内を上
昇する時の、ピストンリング1の部分拡大断面図であ
る。第1実施例では、ピストンリング1の上面11の表
面粗さが粗くされていると共に、リング溝20の天井面
23の表面粗さも粗くされている。この表面粗さを粗く
する方法としては、切削バイトの送り速度を速くする、
表面を腐食させる、表面処理を施す(アルマイト処理
等)等の方法がある。
【0020】このようにすると、図2(b) に示すよう
に、ピストン2の上昇時には、ピストンリング1がリン
グ溝20の床面22に押しつけられ、ピストンリング1
の背面(内周面)にはシリンダ内の圧力(背面圧力)P
が加わる。ピストンリング1の下面12の表面粗さとリ
ング溝20の床面22の表面粗さは通常通りであるの
で、ピストン2の上昇時にはピストンリング1はその張
力と背面圧力Pによってシリンダボア5に密着する。
【0021】一方、図2(c) に示すように、ピストン2
の下降時には、シリンダ内の圧力が低下した時点で、ピ
ストンリング1がリング溝20の天井面23に押しつけ
られる。この状態ではピストンリング1の背面には背面
圧力Pは加わらない。この時にピストン2の下降速度が
大きいと、ピストンリング1にはフラッタや共振のよう
なピストンリング1をリング溝20内に引き込ませるよ
うな外力Eが加わる。この外力Eにより、ピストンリン
グ1はリング溝20内に没入しようとする。
【0022】ところが、第1実施例では、ピストンリン
グ1の上面11の表面粗さとリング溝20の天井面23
の表面粗さが粗くなっているので、ピストンリング1の
上面11とリング溝20の天井面23の摺動抵抗が大き
く、この摺動抵抗によりピストンリング1のリング溝2
0内への没入が阻止される。この結果、第1実施例のピ
ストン2では、ピストンリング1が十分に突出した状態
でピストン2が下降するので、ピストンリング1による
オイルの掻き下げ効果が劣化しない。
【0023】図3(a),(b) は本発明のピストン2の第2
実施例を示すものであり、図3(a)が図2(b) の状態に
対応し、図3(b) が図2(c) の状態に対応している。よ
って、同じ構成部材に対しては同じ符号を付してその説
明を省略する。第2実施例のピストン2が第1実施例の
ピストン2と異なる点は、ピストンリング1の上面11
の表面粗さとリング溝20の天井面23の表面粗さを粗
くする部位が、ピストン2の稼働時のピストンリング1
の移動範囲に限られている点のみである。即ち、ピスト
ンリング1はリング溝20内に最大限没入しても、図3
(a),(b) に二点鎖線で示す部位までしか移動しない。よ
って、第2実施例では、リング溝20の奥の部分の天井
面23の表面粗さは床面22と同程度になっている。
【0024】この結果、第2実施例のピストン2でも、
ピストンリング1が十分に突出した状態でピストン2が
下降するので、ピストンリング1によるオイルの掻き下
げ効果が劣化しない。図4(a),(b) は本発明のピストン
2の第3実施例を示すものであり、図4(a)が図2(b)
の状態に対応し、図4(b) が図2(c) の状態に対応して
いる。よって、同じ構成部材に対しては同じ符号を付し
てその説明を省略する。
【0025】第3実施例のピストン2が第1実施例のピ
ストン2と異なる点は、ピストンリング1の上面11の
摺動抵抗が、ピストンリング1がリング溝20内に没入
する方向で大きくなるように加工されていると共に、リ
ング溝20の天井面23の摺動抵抗が、リング溝20の
入口側から奥側に向かう方向で大きくなるように加工さ
れている点のみである。
【0026】この構成により、ピストンリング1の上面
11とリング溝20の天井面23との間の摺動抵抗は、
ピストンリング1がリング溝20から突出する方向では
小さく、リング溝20に没入する方向では大きくなって
いる。従って、ピストンリング1の上面11とリング溝
20の天井面23とが当接した状態では、ピストンリン
グ1はリング溝20から突出は容易にできるが、リング
溝20に没入がしにくい状態となっている。
【0027】この結果、第3実施例のピストン2でも、
ピストンリング1が十分に突出した状態でピストン2が
下降するので、ピストンリング1によるオイルの掻き下
げ効果が劣化しない。図5(a),(b) は本発明のピストン
2の第4実施例を示すものであり、図5(a)が図2(b)
の状態に対応し、図5(b) が図2(c) の状態に対応して
いる。よって、同じ構成部材に対しては同じ符号を付し
てその説明を省略する。
【0028】第4実施例のピストン2が第1実施例のピ
ストン2と異なる点は、ピストンリング1の上面11と
リング溝20の天井面23との間の摺動抵抗を大きくす
る部位が、ピストンリング1の背面とリング溝20の内
周面との間の部位のリング溝20の天井面23に限られ
ている点のみである。即ち、ピストンリング1の背面と
リング溝20の内周面との間の部位のリング溝20の天
井面23の表面粗さが他の部位に比べて粗くなってい
る。このため、ピストンリング1がリング溝20から最
大限突出した状態から、リング溝20内に没入する時の
摺動抵抗が大きくなる。
【0029】この結果、第4実施例のピストン2でも、
ピストンリング1が十分に突出した状態でピストン2が
下降するので、ピストンリング1によるオイルの掻き下
げ効果が劣化しない。図6(a) は本発明のピストン2に
使用するピストンリング1の第5実施例を示すものであ
る。第5実施例では、ピストンリング1の上面11に、
複数本の溝7がピストンリング1の円周方向に並んで設
けられている。このときのピストンリング1の上面11
は、図6(a) のX−X線における局部断面を示す図6
(b) のように、表面粗さを粗くしなくても良いが、図6
(c) のように、表面粗さを他の部位よりも粗くしても良
い。
【0030】溝7のピストンリング1の上面11におけ
る形成位置は、図7(a) に示すように、一点鎖線で示す
ピストンの半径方向に略垂直な方向であり、かつ、溝7
の中点がピストンリング1の幅のほぼ中央部に位置する
部位である。即ち、溝7のピストンリング1の上面11
における形成位置は、ピストンリング1上に描いた正多
角形(正8角形の場合が図7(a) に二点鎖線で示されて
いる)の各辺に沿う位置とすれば良い。この理由は、溝
7がピストンリング1の外周、又は内周部に近く設けら
れていると、ピストンリング1の姿勢や剛性が変化する
恐れがあるからである。
【0031】また、溝7のピストンリング1の上面11
における形成位置は、図7(b) に示すように、幾つかに
分断された円周溝とすることもできる。このような溝7
の幅は0.1〜0.5mm程度、溝7の深さは0.1〜
0.2mm程度とすることができる。また、隣接する溝
7の端部は重なり合わないようになっていると共に、ピ
ストンリング1の内周部、或いは外周部にも接続しない
ようになっており、各溝7は独立した溝とされている。
このように、各溝7を独立した構造とするのは、シール
性を考慮したためである。そして、溝7の本数、深さ、
幅はピストンリング1のシリンダボアとの密着度で変え
れば良い。
【0032】図8(a) は図6(b) に示す形状のピストン
リング1が組み込まれたピストン2のリング溝20の部
位を示すものであり、図2(b) の状態に対応している。
よって、同じ構成部材に対しては同じ符号を付してその
説明を省略する。この実施例では、リング溝20の天井
面23にも複数本の溝8が設けられている。このよう
に、ピストンリング1の上面とリング溝20の天井面2
3にそれぞれ溝7,8が設けられていると、ピストン2
の稼働時に溝7,8にオイルが入り込み、このオイルの
粘性でピストンリング1が動きにくくなる。このため、
ピストンリング1がリング溝20内に没入する時の摺動
抵抗が大きくなる。
【0033】図8(b) は図6(c) に示す形状のピストン
リング1が組み込まれたピストン2のリング溝20の部
位を示すものであり、図2(b) の状態に対応している。
よって、同じ構成部材に対しては同じ符号を付してその
説明を省略する。この実施例は図2(b), (c)で説明した
第1実施例のピストンリング1の上面11に、更に、溝
7が設けられているものである。よって、ピストン2の
稼働時に溝7にオイルが入り込み、このオイルの粘性で
ピストンリング1が動きにくくなる。このため、ピスト
ンリング1がリング溝20内に没入する時の摺動抵抗が
第1実施例のものよりも大きくなる。
【0034】以上のように、第5実施例のピストン2で
も、ピストンリング1が十分に突出した状態でピストン
2が下降するので、ピストンリング1によるオイルの掻
き下げ効果が劣化しない。図9はシリンダボア5に変形
がない場合の、本発明のピストン2におけるピストンリ
ング1の動作を説明する説明図であり、左半分がピスト
ン2の上昇時のピストンリング1のシリンダボア5の各
部位における動作を示しており、右半分がピストン2の
下降時のピストンリング1のシリンダボア5の各部位に
おける動作を示している。
【0035】ピストン2の上昇時は、ピストンリング1
にはシリンダボア5のどの部位においても、ピストンリ
ング1はリング溝20の床面22に当接している。この
状態では、ピストンリング1にはその張力Wに加えて、
ピストンリング1の背面側に作用するシリンダ内の圧力
(背面圧力)Pが作用している。従って、本発明のピス
トン2の上昇時のピストンリング1の動作は従来のもの
と変わらない。
【0036】一方、ピストン2の下降時は、下降初期の
段階において、シリンダ内の燃焼ガスによる圧力によ
り、ピストンリング1がリング溝20の床面22に押し
つけられている。従って、この状態では、ピストンリン
グ1の背面にシリンダ内の燃焼ガスによる圧力による背
面圧力P*が作用している。従って、ピストンリング1
はシリンダボア5に密着している。シリンダ内の燃焼ガ
スによる圧力はピストン2が下降するにつれて小さくな
るので、ある部位からピストンリング1はリング溝20
の天井面23に押しつけられる。この状態では、ピスト
ンリング1の背面にはシリンダ内の燃焼ガスによる圧力
による背面圧力P*は作用しない。
【0037】一方、ピストン2の下降時には、図9の右
側の図に符号Rで示すピストンリング1をリング溝20
内に引き込む力が加わることがある。この引込力Rは、
コンロッドの傾き、ピストンピン穴とピストンピンとの
クリアランスで発生する傾き、ピストンオフセットによ
る傾き、ピストン重心による傾き、慣性力やガス圧での
異常運動、ピストン2の下降速度が大きい時に発生する
リングフラッタや、コンロッドの揺動等による共振等に
より発生する力がピストンが移動する力として作用し、
これがピストンリング1に影響するために発生するもの
である。
【0038】この場合、従来のピストン2では、図1
(b) で説明したように、ピストンリング1がシリンダボ
ア5から離れてオイルの掻き下げ不良が発生していた
が、本発明のピストン2では、ピストンリング1に引込
力Rが加わっても、ピストンリング1の上面11とリン
グ溝20の天井面23との間に作用する摺動抵抗ffに
より、ピストンリング1のリング溝20内への没入が抑
えられる。この結果、本発明のピストン2では、ピスト
ン2の下降時のオイルの掻き下げ不良が発生せず、オイ
ルの消費量の増大が抑えられ、エミッションの悪化が防
止されると共に、燃費が向上する。
【0039】図10はシリンダボア5に変形がある場合
の、本発明のピストン2におけるピストンリング1の動
作を説明する説明図であり、左半分がピストン2の上昇
時のピストンリング1のシリンダボア5の各部位におけ
る動作を示しており、右半分がピストン2の下降時のピ
ストンリング1のシリンダボア5の各部位における動作
を示している。シリンダボア5の変形は、シリンダヘッ
ドを組み付ける際のヘッドボルトの引上げ力で、シリン
ダブロックの肉厚の薄い部分が変形したり、シリンダブ
ロックが熱変形を起こしたり、或いは、シリンダ内の爆
発によるシリンダブロックの変形等によって生じ、一般
に、シリンダボアの中央部が外側に膨出するような変形
となる。
【0040】シリンダボア5に変形がある場合のピスト
ン2の上昇時は、ピストンリング1はリング溝20の床
面22に当接している。この状態では、ピストンリング
1にはその張力Wに加えて、ピストンリング1の背面側
に作用する背面圧力Pが加わっている。よって、ピスト
ンリング1がシリンダボア5の真円部から変形部に移行
すると、ピストンリング1は張力Wと背面圧力Pによっ
てリング溝20から突出し、シリンダボア5の形状に追
従する。そして、ピストンリング1がシリンダボア5の
変形部から真円部に移行する場合は、ピストンリング1
には張力Wと背面圧力Pに加えて、シリンダボア5から
受ける押圧力Fが加わるので、ピストンリング1はリン
グ溝20に没入し、シリンダボア5の形状に追従する。
この動作は従来のピストンリング1の動作と変わらな
い。
【0041】一方、ピストン2の下降時は、下降初期の
段階において、シリンダ内の燃焼ガスによる圧力によ
り、ピストンリング1がリング溝20の床面21に押し
つけられている。従って、この状態では、ピストンリン
グ1の背面にシリンダ内の燃焼ガスによる圧力による背
面圧力P*が作用している。従って、本発明のピストン
リング1はシリンダボア5に密着している。
【0042】ピストンリング1の背面に背面圧力P*が
作用する状態はピストンリング1がシリンダボア5の真
円部から変形部に移行してもしばらくは続いている。よ
って、ピストンリング1は張力Wと背面圧力Pによって
リング溝20から突出し、シリンダボア5の形状に追従
する。シリンダ内の燃焼ガスによる圧力はピストン2が
下降するにつれて小さくなるので、ある部位からピスト
ンリング1はリング溝20の天井面23に押しつけられ
る。この状態では、ピストンリング1の背面にはシリン
ダ内の燃焼ガスによる圧力による背面圧力P*は作用し
ない。そして、ピストンリング1がシリンダボア5の変
形部から真円部に移行する場合は、ピストンリング1に
は張力Wに加えて、シリンダボア5から受ける押圧力F
が加わるので、ピストンリング1はピストンリング1の
上面11とリング溝20の天井面23との間に作用する
摺動抵抗ffに抗してリング溝20に没入し、シリンダ
ボア5の形状に追従する。
【0043】また、図示はしないが、ピストン下降時に
は図9で説明したピストンリング1をリング溝20内に
引き込む引込力Rが加わることもある。この場合、ピス
トン2の下降速度が大きい時には、シリンダボア5から
受ける押圧力Fによってピストンリング1に発生する慣
性力が大きく、また、引込力Rが加わることがあるの
で、従来のピストン2では、図1(b) で説明したよう
に、ピストンリング1がシリンダボア5から離れてオイ
ルの掻き下げ不良が発生していた。ところが、本発明の
ピストン2では、ピストンリング1に慣性力や引込力R
が加わっても、ピストンリング1の上面11とリング溝
20の天井面23との間に作用する摺動抵抗ffによ
り、ピストンリング1のリング溝20内への没入が抑え
られる。この結果、本発明のピストン2では、ピストン
2の下降時のオイルの掻き下げ不良が発生せず、オイル
の消費量の増大が抑えられ、エミッションの悪化が防止
されると共に、燃費が向上する。
【0044】なお、以上の実施例では、1つのピストン
リング1の挙動を説明したが、本発明を実施するピスト
ンリング1の数は特に限定されるものではない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内燃機関
の排気浄化用触媒装置によれば、以下のような効果があ
る。第1の発明では、ピストン下降中はピストンリング
とピストンとの間の摺動抵抗が大きいので、ピストンリ
ングがピストンと離れにくくなってピストンリングの張
力が増大したのと同等になり、また、ピストン上昇中の
ピストンとピストンリングとの間の摺動抵抗はピストン
下降時よりも小さいので、ピストンリングの張力の設定
を低くしておけば、燃費の悪化が防止される。
【0046】第2の発明では、第1の発明の効果がピス
トンリング又はリング溝の表面粗さの変更のみで実現で
きる。第3の発明ではピストンリング又はリング溝の表
面粗さを大きくする領域を最小限にすることができ、コ
ストアップを防止できる。第4の発明では摺動抵抗の増
減を容易に達成することができる。
【0047】第5の発明ではピストンリングの合口から
のガス漏れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は機関が低回転から中回転の領域にある時
のピストンリングのオイルの掻き上げ、掻き下げ機能を
説明する図、(b) は機関が高回転領域或いはシリンダボ
アが変形している時にピストンリングによるオイルの掻
き下げ不良が発生する様子を説明する図である。
【図2】(a) は本発明の内燃機関のピストンの構成を示
す組立斜視図、(b) は(a) のピストンリングの第1実施
例を装着したピストンの上昇時の部分拡大断面図、(c)
は(a) のピストンリングの第1実施例を装着したピスト
ンの下降時の部分拡大断面図である。
【図3】(a) は図2(a) のピストンリングの第2実施例
を装着したピストンの上昇時の部分拡大断面図、(b) は
図2(a) のピストンリングの第2実施例を装着したピス
トンの下降時の部分拡大断面図である。
【図4】(a) は図2(a) のピストンリングの第3実施例
を装着したピストンの上昇時の部分拡大断面図、(b) は
図2(a) のピストンリングの第3実施例を装着したピス
トンの下降時の部分拡大断面図である。
【図5】(a) は図2(a) のピストンリングの第4実施例
を装着したピストンの上昇時の部分拡大断面図、(b) は
図2(a) のピストンリングの第3実施例を装着したピス
トンの下降時の部分拡大断面図である。
【図6】(a) は図2(a) のピストンリングの第5実施例
を示す拡大斜視図、(b) は(a)のX−X線における局部
断面の一例を示す図、(c) は(a) のX−X線における局
部断面の他の例を示す図である。
【図7】(a) は図2(a) のピストンリングの第6実施例
を示す平面図、(b) は(a) の変形実施例の部分平面図で
ある。
【図8】(a) は図6(b) に示す形状のピストンリングに
組合わされるリング溝の形状を示す部分拡大断面図、
(b) は図6(c) に示す形状のピストンリングに組合わさ
れるリング溝の形状を示す部分拡大断面図である。
【図9】シリンダボアに変形がない時の、本発明のピス
トンにおけるピストンリングの動作を説明する説明図で
ある。
【図10】シリンダボアに変形がある時の、本発明のピ
ストンにおけるピストンリングの動作を説明する説明図
である。
【符号の説明】 1…ピストンリング 2…ピストン 5…シリンダボア 6…オイル 7,8…溝 10…合口 11…ピストンリングの上面 20…リング溝 22…リング溝の床面 23…リング溝の天井面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小浜 時男 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンの周囲に少なくとも1本のピス
    トンリングが、ピストンに設けられたリング溝に装着さ
    れる内燃機関のピストンにおいて、 前記ピストンリングのうち、少なくとも1本のピストン
    リングの上面とそのリング溝の天井面との間の摺動抵抗
    を、前記ピストンリングの下面とそのリング溝の床面と
    の間の摺動抵抗よりも大きくしたことを特徴とする内燃
    機関のピストン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のピストンにおいて、 前記ピストンリングの上面又は前記リング溝の天井面の
    表面粗さを、ピストンリング下面又は前記リング溝の床
    面の表面粗さよりも粗くすることにより、前記摺動抵抗
    を大きくしたことを特徴とする内燃機関のピストン。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のピストンにおいて、 前記表面粗さを大きくする部位を、前記ピストンリング
    の前記リング溝内への没入を妨げる部分にのみ実施した
    ことを特徴とする内燃機関のピストン。
  4. 【請求項4】 請求項1から3の何れか1項に記載のピ
    ストンにおいて、 前記ピストンリングの上面に、前記ピストンの半径方向
    に略垂直な方向に延びる溝を複数個円周方向に隣接させ
    て形成したことを特徴とする内燃機関のピストン。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のピストンにおいて、 前記複数の溝の端部同士が重なり合わないように、前記
    溝を形成したことを特徴とする内燃機関のピストン。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030027582A (ko) * 2001-09-29 2003-04-07 현대자동차주식회사 차량용 엔진의 연소실 기밀구조
KR101220356B1 (ko) 2006-12-08 2013-01-09 현대자동차주식회사 회전형 피스톤 링 유닛
JP2014098473A (ja) * 2012-11-16 2014-05-29 Toyota Central R&D Labs Inc 圧力リング装着ピストン
JP2014098471A (ja) * 2012-11-16 2014-05-29 Toyota Central R&D Labs Inc 圧力リング装着ピストン
JP2014101893A (ja) * 2012-11-16 2014-06-05 Toyota Central R&D Labs Inc 圧力リング装着ピストン

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