JPH11330904A - 共振器型弾性表面波フィルタ - Google Patents
共振器型弾性表面波フィルタInfo
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Abstract
調整する。 【解決手段】 直列アーム素子30S-1,30S-23,30S-4は、
共振周波数以上と反共振周波数以下の周波数を信号をよ
く通し、反共振周波数以上の周波数をあまり通さない。
並列アーム素子30P-12,30P-34 は、共振周波数以上と反
共振周波数以下の周波数をよく通し、共振周波数以下の
周波数をあまり通さない。その結果、この共振器型SA
Wフィルタは、並列アーム素子30P-12,30P-34 の共振周
波数から直列アーム素子30S-1,30S-23,30S-4の反共振周
波数までの周波数の信号を通し、帯域フィルタとして働
く。圧電基板31は、電気機械結合係数が大きいので、直
列アーム共振子40S-1,40S-23,40S-4及び並列アーム共振
子40P-12,40P-34 の帯域幅が必要以上に広くなってい
る。そのため、これらの各共振子にキャパシタ50S-1,50
S-23,50S-4,50P-12,50P-34を直列接続し、帯域幅を縮小
して調整する。
Description
話機、携帯電話機、通信機器等の種々の回路に用いら
れ、特に信号通過帯域幅を調整できる構成にした共振器
型弾性表面波(Surface Acoustic Wave 、以下「SA
W」という)フィルタに関するものである。
るためのすだれ状トランスデューサ(Interdigital Tran
sducer、以下「IDT」という)を有し、このIDTを
加工することにより、該SAW装置にいろいろな特性や
機能をもたせることができる。従来、SAW装置といえ
ば主にSAWフィルタを指すことが多く、そしてSAW
フィルタの中では多電極型SAWフィルタが主役であっ
た。ところが、近年、多電極型SAWフィルタの他に、
共振器型SAWフィルタの研究開発も盛んになり、SA
Wフィルタといえば、必ずしも多電極型SAWフィルタ
を意味しなくなってきた。
フィルタの設計方法に基づいて構成されるSAW共振子
を用いたフィルタである。SAW共振子の本体は、すだ
れ状電極指が対向したIDTで、場合によって該IDT
の左右に反射器が設けられることもある。反射器もID
Tと同様にすだれ状電極指で構成され、この全電極指が
電気的に短絡される場合もあれば、開放される場合もあ
る。反射器は、主にIDTの左右に漏洩するSAWを音
響的に反射するものであり、その全電極指を電気的に短
絡しても、或いは開放しても、SAW共振子の特性に対
する影響は殆ど無い。SAW共振子のインピーダンス特
性は、LC共振子のインピーダンス特性に極めて類似し
ているので、電気フィルタの設計方法が適用できる。
である。このSAW共振子10は、例えば、タンタル酸リ
チウム(LiTaO3 )、ニオブ酸リチウム(LiNb
O3 )或いは水晶(SiO2 )等の圧電基板11を有し、
この圧電基板11上に入力端子12、出力端子13、及び複数
本の電極指14a を有するIDT14が形成されている。I
DT14の両側には、反射器15L,15R が形成されている。
尚、反射器15L,15R は、不要な場合には形成されない。
L,15R を示す平面図であり、同図(a)は略図、同図
(b)は短絡型、及び同図(c)は開放型をそれぞれ示
している。各反射器15L,15R の電極指15a の数は、50
〜100本程度が適切である。一般に、各反射器15L,15
R の電極指15a は、図3(b)のように電気的に短絡さ
れるか、或いは図3(c)のように開放された形状にな
っている。反射器15L,15R を配置する位置は、所望のイ
ンピーダンスを得るために種々の位置が設定されるが、
IDT14の一番外側の電極指14a の中心と、反射器15L,
15R の該IDT14側の電極指15a の中心との距離が、励
振するSAWの1/4波長前後の距離になるように設定
されることが多い。このSAW共振子10の製造過程にお
いて、IDT14と反射器15L,15R とは同時に形成される
ので、その材質及び膜厚が同一になっている。IDT14
の材質は純Alまたは該純Alを主成分とした合金が一
般的であるが、場合によっては、純Au、純Ti又はこ
れらの金属を主材料とする合金が用いられることもあ
る。IDT14の膜厚は、数百Aから数千Aに設定され
る。このように構成されたSAW共振子10は、LC共振
器と類似したリアクタンス特性を示すので、その等価回
路がLC共振器で近似的に表されることが多い。
子10の等価回路とリアクタンス特性を示す図である。図
4(a)の等価回路では、入力端子12と出力端子13との
間にインダクタンスLのインダクタ16、静電容量c1 の
キャパシタ17及び抵抗値rの抵抗18が直列接続され、こ
れらと並列に静電容量C0 のキャパシタ19が接続されて
いる。図4(b)のリアクタンス特性において、リアク
タンス特性X0 が0Ωになる周波数が共振周波数Fr1及
び反共振周波数Fa1であり、近似的に次式(1),
(2)でそれぞれ表される。 Fr1=1/2π√(Lc1) ・・・(1) Fa1=(1/2π)√{(c1 +C0 )/( c1 C0 L)} ・・・(2) このようなリアクタンス特性を有する素子を用いて電気
フィルタを設計する方法は、古くから知られている。
構成する場合、1段梯子型回路が基本回路になる。図5
(a),(b)は、従来の1段梯子型回路の2種類の例
を示す構成図である。図5(a)の1段梯子型回路20A
と図5(b)の1段梯子型回路20B とは、共に並列アー
ム(arm)共振子10P と直列アーム共振子10S とを有
し、且つ対称である。即ち、梯子型回路20A の左側の端
子21-0,22-0 から該梯子型回路20A を見たインピーダン
スは、梯子型回路20B の右側の端子21-1,22-1 から該梯
子型回路20B を見たインピーダンスに等しく、梯子型回
路20A の右側の端子21-1,22-1から該梯子型回路20A を
見たインピーダンスは、梯子型回路20B の左側の端子21
-0,22-0 から該梯子型回路20B を見たインピーダンスに
等しい。梯子型回路20A,20B を用いてフィルタを構成す
る場合、梯子型回路20A,20B 間のインピーダンスを考慮
しながら、梯子型回路20A 又は20B を選択する。梯子型
回路20A,20B において、並列アーム共振子10P の反共振
周波数と直列アーム共振子10S の共振周波数とが非常に
接近するか又は一致すれば、系全体の入力端子と出力端
子における整合状態が極めて良好な帯域フィルタの特性
が得られる。
リアクタンス特性及び伝送特性を示す図である。図6に
おいて、並列アーム共振子10P のリアクタンス特性及び
直列アーム共振子10S のリアクタンス特性は、特性曲線
Xp,Xsで示され、それぞれ共振周波数Frp,Frsと
反共振周波数Fap,Fasとを有する。その結果、1段梯
子型回路20A 又は20B の挿入損失特性は特性曲線I0 、
及び反射損失特性は特性曲線R0に示すようになる。
入損失特性で、梯子型回路20A ,20B の段数を増加する
ことによって通過帯域以外の減衰量が著しく増加する
が、通過帯域の挿入損失も増加する。そのため、フィル
タの構成に必要な段数は該フィルタの特性の条件、例え
ば通過帯域の挿入損失や帯域外減衰量のレベル等によっ
て設定する。又、この段数は或る程度フィルタの通過帯
域幅BWに寄与するが、決定的な要因ではない。通過帯域
幅BWを決めるのは、該フィルタを構成する直列アーム共
振子10S 及び並列アーム共振子10P の帯域幅、即ちそれ
ぞれのSAW共振子の共振周波数Frp,Frsと反共振周
波数Fap,Fasの周波数間隔と直列アーム共振子10S の
共振周波数Frsと並列アーム共振子10P の反共振周波数
Fapの周波数間隔である。図6では、共振器型SAWフ
ィルタを構成する各SAW共振子のリアクタンス特性が
示されているが、フィルタの通過帯域幅BWは、並列アー
ム共振子10P の共振周波数Frpと直列アーム共振子10S
の反共振周波数Fasの間に収まっている。即ち、フィル
タの通過帯域幅BWは並列アーム共振子10P の共振周波数
Frpと直列アーム共振子10S の反共振周波数Fasの周波
数間隔より広くなることはありえない。又、図6では、
反共振周波数Fapと共振周波数Frsとが一致するように
示されているが、これらの周波数Fap,Frsが一致せず
に、例えば反共振周波数Fapが共振周波数Frsより低け
れば、通過帯域幅BWが広くなり、反共振周波数Fapが共
振周波数Frsより高ければ、通過帯域幅BWが狭くなる。
いずれの場合においてもこの2つの周波数が一致しなけ
れば、そのずれの量が大きければ大きいほど梯子型回路
20A,20B 内の整合状態が悪化し、結果的にフィルタ特性
が劣化することになる。
律によって割当てられた使用周波数帯域は、必ずしも梯
子型回路20A,20B 内の整合状態がよいときの通過帯域幅
BWと一致しない。従って、法律によって決められた使用
可能な周波数帯域に合うように通過帯域幅BWを調整しな
ければならない。そのため、共振器型SAWフィルタで
は、梯子型回路20A,20B 内の整合状態を犠牲にしてでも
並列アーム共振子10Pの反共振周波数Fapと直列アーム
共振子10S の共振周波数Frsとを互いにずらし、通過帯
域幅BWが割当てられた使用周波数帯域に合うように調整
せざるをえない。このようにすると、共振器型SAWフ
ィルタの挿入損失特性や反射損失特性が劣化し、フィル
タの低損失化が妨げられる。
Wフィルタの段数は、一般に3段以上であるが、フィル
タの構成の基本は上述したような一段の場合と変わらな
い。又、フィルタを構成するSAW共振子の梯子型回路
20A,20B の段数は、通過帯域幅BWに多少の影響を及ぼす
が、決定的な要因ではない。しかし、説明の簡単化を図
るために、便宜上、多段梯子型回路で構成した共振器型
SAWフィルタの構成を説明する。共振器型SAWフィ
ルタを構成する梯子型回路20A,20B の段数が増加する
と、共振子10P,10S の数も段数に比例して増加する。
て構成された従来の4段共振器型SAWフィルタを示す
構成図である。この共振器型SAWフィルタでは、図5
(a),(b)の1段梯子型回路20A,20B を用い、段間
のインピーダンスが整合されるようにインピーダンスの
等しい端子同士が接続され、合計8個の共振子からなる
フィルタが構成されている。即ち、1段目の梯子型回路
20-1の並列アーム共振子10P-1 、2段目の梯子型回路20
-2の並列アーム共振子10P-2 、3段目の梯子型回路20-3
の並列アーム共振子10P-3 及び4段目の梯子型回路20-4
の並列アーム共振子10P-4 によって並列アームが構成さ
れ、直列アームには、梯子型回路20-1の直列アーム共振
子10S-1 、梯子型回路20-2の直列アーム共振子10S-2 、
梯子型回路20-3の直列アーム共振子10S-3及び梯子型回
路20-4の直列アーム共振子10S-4 が組込まれている。
接続された2個の共振子は、1個の共振子に合成するこ
とができる。この合成共振子は、各2個の共振子系とほ
ぼ同等のインピーダンス特性を持つことが特徴である。
例えば、梯子型回路20-2の直列アーム共振子10S-2 と梯
子型回路20-3の直列アーム共振子10S-3 とを合成し、梯
子型回路20-1の並列アーム共振子10P-1 と梯子型回路20
-2の並列アーム共振子10P-2 とを合成し、更に、梯子型
回路20-3の並列アーム共振子10P-3 と梯子型回路20-4の
並列アーム共振子10P-4 とを合成することにより、図7
の4段共振器型SAWフィルタは、図8(a),(b)
のようになる。図8(a),(b)は、図7の合成後の
4段共振器型SAWフィルタを示す構成図であり、同図
(a)は等化回路図、及び同図(b)は平面図である。
ム共振子10P-1 及び10P-2 の共振子合成により、新たな
並列アーム共振子10P-12が構成され、直列アーム共振子
10S-2 及び10S-3 の共振子合成により、新たな直列アー
ム共振子10S-23が構成され、並列アーム共振子10P-3 及
び10P-4 の共振子合成により、新たな並列アーム共振子
10P-34が構成される。よって、図7では8個の共振子10
P-1,10P-2,10P-3,10P-4,10S-1,10S-2,10S-3,10S-4 が必
要であったのに対し、図8では5個の共振子10P-12,10P
-34,10S-1,10S-23,10S-4で図7と同じ伝送特性及びイン
ピーダンス特性を持つ共振器型SAWフィルタが構成さ
れる。
型SAWフィルタは、圧電基板11上に形成された入力端
子21-0及び出力端子21-4と、共振子10S-1,10S-23,10S-
4,10P-12,10P-34と、該各直列アーム共振子10S-1,10S-2
3,10S-4、並列アーム共振子10P-12,10P-34 間を接続す
る伝送路パタン23と、並列アーム共振子10P-12,10P-34
のアースパタン24とで、構成されている。共振器型SA
Wフィルタは一般に帯域フィルタなので、通過帯域の挿
入損失及び帯域外減衰量と同様に、通過帯域幅BWも特性
の重要な要素のひとつである。しかし、通過帯域幅BWは
基本的にフィルタの構成に用いられる圧電基板11の電気
機械結合係数k2 で決まり、しかも圧電基板11の材質も
数種類しかないので、通過帯域幅BWを所望の値にするこ
とは困難である。ここで、電気機械結合係数k2 とは、
圧電材料や磁歪材料について電気系と機械系との結合の
程度を表す定数であり、外から試料に与えた電気的エネ
ルギーEiのうち機械的エネルギーとして貯えられるも
のをEmとしたとき、 k2 =Em/Ei で与えられる。
て図8のような共振器型SAWフィルタを作製した場
合、十分な帯域外減衰量を得るためには、梯子型回路20
A,20Bの段数が4段以上も必要なので、並列アーム共振
子10P の反共振周波数Fapと直列アーム共振子10S の共
振周波数Frsを図6のように一致させると、フィルタの
通過帯域幅BWが約20MHz になる。しかし、通過帯域幅BW
の仕様は25MHz なので、この条件を満たすためにフィル
タを構成する並列アーム共振子10P の反共振周波数Fap
を低域に2.5MHz以上、直列アーム共振子10S の共振周波
数Frsを高域に2.5MHzずらさなければならない。この結
果、通過帯域の挿入損失は約1.0dB 劣化してしまう。
(k2 は、例えば0.66%)よりも約9倍のLiNbO3
(k2 は、例えば5.5%)の圧電基板を用いて図8の
ような共振器型SAWフィルタを作製した場合、逆に通
過帯域幅BWが仕様よりも広すぎ、該フィルタの梯子型回
路20A,20B を構成する並列アーム共振子10P の反共振周
波数Fapを高域に10.0MHz 以上、及び直列アーム共振子
10S の共振周波数Frsを低域に10.0MHz ずらさなければ
ならない。この結果、並列アーム共振子10P と直列アー
ム共振子10S との間に相当なインピーダンス不整合が生
じ、通過帯域の挿入損失は数デシベル劣化してしまう。
このように、従来の共振器型SAWフィルタでは、使用
条件によって必要不可欠な特性を優先的に実現される代
わりに、別の特性を犠牲にしている。
AWフィルタの高性能化にはいろいろな課題があるが、
主に低損失化(即ち、通過帯域挿入損失の低減)、通過
帯域外の高減衰量化、高耐電力化等が重要視されてい
る。しかし、近年、移動体通信技術の発展によって各種
の移動体通信機器が増加し、既に不足しがちの周波数帯
域の管理も厳しくなっているので、各種の移動体通信機
器の中に使用されているフィルタが低損失、高帯域外減
衰量、及び高耐電力であるという性能の他に、厳しく決
められた周波数帯域内にこれらの性能を維持しなければ
ならないという要求も追加される。この点において、S
AWフィルタは他のフィルタよりも不利な立場に立たさ
れてしまう。
フィルタの圧電基板11の電気機械結合係数k2 にほぼ比
例するので、設計の自由度が制限されるわけである。前
述のように、SAWフィルタの基板として利用できる圧
電基板11の材質は数種類しかなく、例えばLiTa
O3 、LiNbO3 、SiO2 、ニオブ酸カリウム(K
NbO3 )、ランガサイト(La3 Ga5 SiO14)等
であるが、それぞれの電気機械結合係数k2 も決まって
いるので、これらを用いて図8のようなSAWフィルタ
を作製すると、その通過帯域幅BWはほぼ決まってしま
う。この場合、基板加工の過程で圧電基板11を切断する
ときに切断面と結晶軸の角度を調整すると、わずかなが
ら電気機械結合係数k2 を変えることができるので、S
AWフィルタの通過帯域幅BWもこれで微調整が可能であ
る。ところが、切断面と結晶軸の角度はSAWフィルタ
の挿入損失に支配的な役割をもっているので、簡単に変
えることはできず、通過帯域幅BWを変えるために切断面
と結晶軸の角度を調整すると、フィルタ通過帯域挿入損
失の劣化を招くという課題があった。
NbO3 等のような電気機械結合係数k2 の大きい圧電
基板を用いて共振器型SAWフィルタを作製する場合に
おいて、フィルタ通過帯域挿入損失の劣化を招くような
圧電基板の切断面と結晶軸の角度を変えることなく、フ
ィルタの通過帯域幅BWを所望の値に縮小できる構成の共
振器型SAWフィルタを提供することを目的とする。
幅BWは、該SAW共振子の圧電基板の電気機械結合係数
k2 でほぼ決まるので、簡単にSAW共振子の構造だけ
で変えることはできない。SAW共振子の圧電基板とし
て、安価で温度特性の良好なLiTaO3 やSiO2 が
従来から使われているが、これらは電気機械結合係数k
2 が小さいので、通過帯域幅BWの広いSAW共振子やS
AWフィルタには適切ではない。特に、SAW共振子を
用いて共振器型SAWフィルタを構成する場合、梯子型
回路の段間の整合状態を最良の状態にすると、該フィル
タの通過帯域幅BWは仕様の幅よりかなり狭くなってしま
う。一方、電気機械結合係数k2 がLiTaO3 やSi
O2 よりも大きい材質(例えば、LiNbO3 )を圧電
基板として使うと、SAW共振子の通過帯域幅BWが広く
なりすぎるので、帯域フィルタには適切ではない。そこ
で、本発明のうちの請求項1に係る発明では、共振器型
SAWフィルタにおいて、所定の電気機械結合係数k2
を有する圧電基板と、前記圧電基板上に形成され、入力
信号を入力する入力端子と、前記圧電基板上に形成さ
れ、出力信号を出力する出力端子と、前記圧電基板上に
形成され且つ前記入力端子と出力端子との間に直列接続
され、所定のインピーダンス特性を有するSAW共振子
で構成された1つ又は複数の直列アーム共振子と、前記
1つ又は複数の直列アーム共振子にそれぞれ1つずつ直
列接続された1つ又は複数の第1のキャパシタと、前記
圧電基板上に形成され且つ前記各直列アーム共振子に対
して梯子型に接続され、所定のインピーダンス特性を有
するSAW共振子で構成された1つ又は複数の並列アー
ム共振子と、前記1つ又は複数の並列アーム共振子にそ
れぞれ1つずつ直列接続された1つ又は複数の第2のキ
ャパシタとを、備えている。
力信号が入力端子から入力されると、各直列アーム共振
子は、それぞれの反共振周波数以下の周波数を信号を通
過させ、反共振周波数以上の周波数を反射する。又、各
並列アーム共振子は、それぞれの共振周波数以上の周波
数の信号を通過させ、共振周波数以下の周波数を反射す
る。そのため、共振器型SAWフィルタは、並列アーム
共振子の共振周波数から直列アーム共振子の反共振周波
数までの周波数の信号を通過させ、帯域フィルタの働き
をする。例えば、圧電基板として電気機械結合係数k2
の大きいLiNbO3 を用いた場合、各SAW共振子の
帯域幅が必要以上に広くなっているので、各直列アーム
共振子及び並列アーム共振子に各第1及び第2のキャパ
シタをそれぞれ直列接続することにより、共振周波数を
高くし且つ反共振周波数を低くしている。そのため、信
号通過周波数帯域幅が縮小され、所望の値に調整され
る。請求項2に係る発明では、請求項1の第1及び第2
のキャパシタを、圧電基板の外部に接続される容量素
子、該圧電基板上に形成したすだれ状電極型の容量素
子、又は該圧電基板上に形成した多層電極型の容量素子
で構成している。これにより、フィルタを構成する各S
AW共振子にキャパシタが直列接続され、得られた新し
いSAW共振子の共振周波数と反共振周波数の周波数間
隔又は帯域幅を狭くすることにより、これらのキャパシ
タの容量の値でフィルタの通過帯域幅BWが所望の帯域幅
に調整される。
SAW共振子の構成図であり、同図(a)は平面図、及
び同図(b)は等化回路である。図9(a)の平面図に
おいて、このSAW共振子30は、例えば、LiNbO3
の圧電基板31を有し、この圧電基板31上に入力端子32、
出力端子33、SAW共振子40及びすだれ状電極型のキャ
パシタ50が形成されている。SAW共振子40及びすだれ
状電極型のキャパシタ50は、入力端子32と出力端子33と
の間に直列接続されている。SAW共振子40は、複数本
の電極指41a を有するIDT41と、IDT41の両側に形
成された反射器42L,42R を有している。キャパシタ50
は、すだれ状電極50a を有している。このキャパシタ50
は、構造的には反射器を備えていないSAW共振子と同
一であるが、SAW励振を行うのではなく、静電容量を
得ることが目的なので、SAW共振子40より電極指間が
数十倍も広く、電極対数と交差長は、必要とする静電容
量の値に基づいて設定されている。
32と出力端子33との間に、SAW共振子40及びキャパシ
タ50が直列接続されている。SAW共振子40では、キャ
パシタ50と出力端子33との間にインダクタンスLのイン
ダクタ40a 、静電容量c1 のキャパシタ40b 及び抵抗値
rの抵抗40c が直列接続され、これらと並列に静電容量
c0 のキャパシタ40d が接続されている。
端子32から高周波の入力信号が入力されると、該入力
信号がキャパシタ50を通過してSAW共振子40に到達す
るが、キャパシタ50の容量をC50、及び入力信号の角周
波数をωとすると、キャパシタ50のインピーダンスは
(−1/C50ω)になるので、SAW共振子40のインピ
ーダンスからインピーダンス1/C50ωが引かれる。一
方、SAW共振子40を構成するすべてのIDTの電極指
間に電圧差が生じてSAWが励振され、該SAW共振子
40が水晶共振子又は従来のLC共振子のようなインピー
ダンス特性を示す。
タンスの特性図である。但し、この図10では、比較の
ため、図4(b)中の特性曲線X0 も表示されている。
この図10において、特性曲線Xvは、図9のSAW共
振子30のリアクタンス特性を示している。共振周波数F
r1及び反共振周波数Fa1は従来の図2のSAW共振子10
の値であり、共振周波数Fr2及び反共振周波数Fa2は図
9のSAW共振子30の値である。キャパシタ50のインピ
ーダンスは負であるので、これをSAW共振子40に直列
に接続すると、系(即ち、SAW共振子30)全体のリア
クタンスは負の方向に下がることになる。その結果、図
10に示すように、(Fr2−Fa2)は(Fr1−Fa1)よ
りも小さくなっている。即ち、SAW共振子40にキャパ
シタ50を直列接続することにより、このSAW共振子40
の帯域幅が従来の図2のSAW共振子30よりも縮小され
ている。つまり、圧電基板31の電気機械結合係数k2 で
決まるSAW共振子40の帯域幅(Fr1−Fa1)が、キャ
パシタ50を直列接続することによって帯域幅(Fr2−F
a2)に縮小されている。
子を用いた本実施形態の4段共振器型SAWフィルタの
構成図であり、同図(a)は平面図、及び同図(b)は
等化回路図である。図1(a)の平面図において、この
共振器型SAWフィルタは圧電基板31を有し、この圧電
基板31上に入力端子41-0、出力端子41-4、直列アーム共
振子40S-1,40S-23,40S-4 、並列アーム共振子40P-1
2,40P-34、及びすだれ状電極型のキャパシタ50S-1 ,5
0S-23,50S-4 ,50P-12,50P-34が形成されている。更
に、圧電基板31上には、直列アーム共振子40S-1 とキャ
パシタ50S-23,50P-12との間を接続する伝送路パタン6
1、直列アーム共振子40S-23とキャパシタ50S-4 ,50P-3
4との間を接続する伝送路パタン62、並列アーム共振子4
0P-12とキャパシタ50P-12との間を接続する伝送路パタ
ン63、並列アーム共振子40P-34とキャパシタ50P-34との
間を接続する伝送路パタン64、及び並列アーム共振子40
P-12,40P-34のアースパタン65が形成されている。
ム共振子40S-1 ,40S-23,40S-4 、並列アーム40P-12,
40P-34にキャパシタ50S-1 ,50S-23,50S-4 ,50P-12,
50P-34が直列にそれぞれ接続され、直列アーム素子30S-
1 ,30S-23,30S-4 及び並列アーム素子30P-12,30P-34
が構成されている。入力端子41-0とノードN1との間に
直列アーム素子30S-1 が接続され、該ノードN1とアース
パタン65との間に並列アーム素子30P-12が接続されてい
る。ノードN1とノードN2との間に直列アーム素子30S-23
が接続され、該ノードN2とアースパタン65との間に並列
アーム素子30P-34が接続されている。ノードN2と出力端
子41-4との間に直列アーム素子30S-4 が接続されてい
る。
ム素子30S-1,30S-23,30S-4は、それぞれの共振周波数以
上と反共振周波数以下の周波数を信号をよく通し、該反
共振周波数以上の周波数をあまり通さない。又、並列ア
ーム素子30P-12,30P-34 は、それぞれの共振周波数以上
と反共振周波数以下の周波数をよく通し、該共振周波数
以下の周波数をあまり通さない。その結果、この共振器
型SAWフィルタは、並列アーム素子30P-12,30P-34の
共振周波数から直列アーム素子30S-1,30S-23,30S-4の反
共振周波数までの周波数の信号を通過させ、帯域フィル
タとして働く。但し、本実施形態では、圧電基板31とし
て電気機械結合係数k2 の大きいLiNbO3 を用いた
ので、直列アーム共振子40S-1,40S-23,40S-4及び並列ア
ーム共振子40P-12,40P-34 の帯域幅が必要以上に広くな
っている。そのため、これらの各共振子にキャパシタ50
S-1,50S-23,50S-4,50P-12,50P-34をそれぞれ直列接続
し、帯域幅を縮小することによって所望の値に調整す
る。
の挿入損失特性を示す特性図である。但し、この図11
では、比較のため、図1中の各共振子にキャパシタ50S-
1,50S-23,50S-4,50P-12,50P-34を接続しない場合の特性
曲線I1 も表示されている。この図11において、特性
曲線Ivは、図1の共振器型SAWフィルタの挿入損失
特性を示し、このフィルタを構成する直列アーム共振子
40S-1,40S-23,40S-4及び並列アーム共振子40P-12,40P-3
4 にキャパシタ50S-1,50S-23,50S-4,50P-12,50P-34をそ
れぞれ直列接続することにより、通過帯域幅BWが縮小さ
れていることが示されている。図9のSAW共振子30を
用いて構成した図1の共振器型SAWフィルタの通過帯
域幅BWは、このSAW共振子30の帯域幅の約1/2にな
る。このように、例えばLiNbO3 のような電気機械
結合係数k2 の大きい圧電基板31を用いて共振器型SA
Wフィルタを構成しても、直列アーム共振子40S-1,40S-
23,40S-4及び並列アーム共振子40P-12,40P-34 にキャパ
シタ50S-1,50S-23,50S-4,50P-12,50P-34をそれぞれ直列
接続することにより、広すぎる通過帯域幅BWが所望の値
に調整される。
例えば、LiNbO3 のような電気機械結合係数k2 の
大きい圧電基板31を用いて共振器型SAWフィルタを構
成した場合、直列アーム共振子40S-1,40S-23,40S-4及び
並列アーム共振子40P-12,40P-34 にキャパシタ50S-1,50
S-23,50S-4,50P-12,50P-34をそれぞれ直列接続すること
により、広すぎる通過帯域幅BWを所望の値に調整でき
る。
の断面図であり、第1の実施形態を示す図9(a)中の
要素と共通の要素には共通の符号が付されている。この
SAW共振子では、図9(a)中のキャパシタ50に代え
て、異なる構成のキャパシタ60が設けられている。この
キャパシタ60は、多層電極型キャパシタの構造を有し、
圧電基板31上に、導体薄膜61、誘電体薄膜(例えば、S
iO2 )62、導体薄膜63、誘電体薄膜64及び導体薄膜65
が順に積層されて構成されている。導体薄膜65は、入力
端子32に接続されている。キャパシタ60の静電容量は、
導体薄膜61,63,65の交差面積、及び誘電体薄膜62,64 の
膜厚と誘電率によって決定される。このSAW共振子を
用いて図1と同様の共振器型SAWフィルタ0構成した
場合には、第1の実施形態とほぼ同様の動作が行われ
る。多層電極型のキャパシタ60は、第1の実施形態のす
だれ状電極型のキャパシタ50と比べて製造プロセスに手
間がかかるが、静電容量の設定の自由度が大きいので、
設計の都合によって採用されることがある。以上のよう
に、この第2の実施形態では、直列アーム共振子40S-1,
40S-23,40S-4及び並列アーム共振子40P-12,40P-34 に直
列接続するキャパシタとして多層電極型のキャパシタ60
を採用したので、第1の実施形態にの利点に加え、静電
容量の設定の自由度を大きくできる。
種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば
次のようなものがある。 (a) 実施形態では、4段の共振器型SAWフィルタ
について説明したが、この段数は必要な減衰量の仕様に
応じて増減してもよい。 (b) 共振器型SAWフィルタの構成は、図7に示す
回路構成にすると部品点数が多くなるが、図1と同様の
作用、効果が得られる。 (c) 図9中の反射器42L,42R は、損失が多くてもよ
い場合には削除してもよい。 (d) 図9中のキャパシタ50は、出力端子33とSAW
共振子40との間に形成してもよい。 (e) 図9中のキャパシタ50及び図1中のキャパシタ
50S-1,50S-23,50S-4,50P-12,50P-34は全てすだれ状電極
型になっているが、圧電基板31の寸法、SAW共振子40
の位置、寸法等により、多層電極型、又はすだれ状電極
型と多層電極型との混合にしてもよく、又、圧電基板31
の外部に接続してもよい。これにより、共振器型SAW
フィルタの設計の自由度を大きくできる。
係る発明によれば、共振器型SAWフィルタを構成する
各直列アーム共振子及び各並列アーム共振子に各キャパ
シタをそれぞれ直列接続することにより、広すぎる通過
帯域幅BWを所望の値に調整できる。請求項2に係る発明
によれば、各直列アーム共振子及び並列アーム共振子に
直列接続するキャパシタとして圧電基板の外部に接続さ
れる容量素子、該圧電基板上に形成したすだれ状電極型
の容量素子、又は多層電極型の容量素子を採用したの
で、請求項1に係る発明の効果に加え、静電容量の設定
の自由度を大きくできる。
フィルタの構成図である。
ス特性を示す図である。
段共振器型SAWフィルタの構成図である。
る。
図である。
面図である。
振子 30S-1,30S-23,30S-4 直列アー
ム素子 30P-12,30P-34 並列アー
ム素子 40S-1,40S-23,40S-4 直列アー
ム共振子 40P-12,40P-34 並列アー
ム共振子 31 圧電基板 32,41-0 入力端子 33,41-4 出力端子 41 IDT 42L,42R 反射器 50,50S-1,50S-23,50S-4,50P-12,50P-34,60 キャパシ
タ
Claims (2)
- 【請求項1】 所定の電気機械結合係数を有する圧電基
板と、 前記圧電基板上に形成され、入力信号を入力する入力端
子と、 前記圧電基板上に形成され、出力信号を出力する出力端
子と、 前記圧電基板上に形成されて前記入力端子と前記出力端
子との間に直列接続され、所定のインピーダンス特性を
有する弾性表面波共振子で構成された1つ又は複数の直
列アーム共振子と、 前記1つ又は複数の直列アーム共振子にそれぞれ1つず
つ直列接続された1つ又は複数の第1のキャパシタと、 前記圧電基板上に形成されて前記各直列アーム共振子に
対して梯子型に接続され、所定のインピーダンス特性を
有する弾性表面波共振子で構成された1つ又は複数の並
列アーム共振子と、 前記1つ又は複数の並列アーム共振子にそれぞれ1つず
つ直列接続された1つ又は複数の第2のキャパシタと
を、備えたことを特徴とする共振器型弾性表面波フィル
タ。 - 【請求項2】 前記第1及び第2のキャパシタは、 前記圧電基板の外部に接続される容量素子、該圧電基板
上に形成されるすだれ状電極型の容量素子、又は該圧電
基板上に形成される多層電極型の容量素子で構成したこ
とを特徴とする請求項1記載の共振器型弾性表面波フィ
ルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10129841A JPH11330904A (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 共振器型弾性表面波フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10129841A JPH11330904A (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 共振器型弾性表面波フィルタ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11330904A true JPH11330904A (ja) | 1999-11-30 |
Family
ID=15019568
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10129841A Pending JPH11330904A (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 共振器型弾性表面波フィルタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
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