JPH11333594A - 被溶接軸の接合方法及びそれに用いる裏当て具 - Google Patents

被溶接軸の接合方法及びそれに用いる裏当て具

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JPH11333594A
JPH11333594A JP14155198A JP14155198A JPH11333594A JP H11333594 A JPH11333594 A JP H11333594A JP 14155198 A JP14155198 A JP 14155198A JP 14155198 A JP14155198 A JP 14155198A JP H11333594 A JPH11333594 A JP H11333594A
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shaft
metal
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flow stopper
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Yoshiyasu Takada
▲吉▼泰 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 継手部を小径化しうる被溶接軸の接合方法を
提供する。 【解決手段】 空隙3を有して保持される被溶接軸2の
空隙3に、溶融金属Mを裏当て具4を用いて充たして2
本の被溶接軸2、2を接合する。前記裏当て具4は、溶
接材の挿入口7を残して前記被溶接軸2の外周面に沿っ
て湾曲しかつ2本の被溶接軸2、2に跨がりしかも溶融
金属Mへの溶け込みが許容される小巾帯状の金属薄板か
らなる流れ止め金物5と、この流れ止め金物5が接して
はめ込まれることにより溶融金属Mから流れ止め金物5
に伝わる熱を吸収する放熱枠材6とから構成される。空
隙3に溶融金属Mを充たすことにより、該溶融金属M、
被溶接軸2の端面2aおよび前記流れ止め金物5が一体
に溶着された継手部10を形成する。その後、裏当て具
4の放熱枠材6を継手部10から取り外す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば鉄筋コンク
リート構造物などを構成する鉄筋等の接合に適した被溶
接軸の接合方法およびそれに用いる裏当て具に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート構造物の配筋施工の
際、例えば垂直方向上下に軸中心を揃えて配された鉄筋
を突き合わせて接合することが数多く行われる。このよ
うな接合方法の一つとして、例えばガスないし電気圧接
法が挙げられる。ところが、この方法では、2本の鉄筋
の各端部を溶融させかつ軸方向に押圧して接合するた
め、接合後に鉄筋の長さが短くなるという問題がある。
【0003】また前記圧接法では、図9に示すように、
接合した鉄筋c、cの継手部aの径寸法dが著しく大き
くなり、型枠形成後のコンクリート流し込み時におい
て、前記継手部aの下方にコンクリートが十分に行き渡
らない空所bが形成されてしまうなど、継手部aにおい
ていわゆるコンクリートの「かぶり」が悪くなって構造
物の強度や耐久性の低下を招きやすいという問題があ
る。つまり、コンクリートのかぶりを向上し、優れた構
造物を施工するためには、鉄筋の継手部aの拡径を極力
防止して鉄筋径との差を小さくすることが求められる。
【0004】このような実状に鑑み、近年では特許第2
691697号公報に示されるようなアーク溶接を用い
た接合方法が提案されている。この方法では、図10に
示すように、端面間に空隙を有して保持される鉄筋c、
cに、図11に示す如く断面略U字状をなす裏当て具e
を配し、この裏当て具eの開口i側からアーク溶接の溶
接棒などを挿入して前記端面間空隙のfに溶融金属gを
充たしていくものである。これにより、裏当て具eは、
2本の鉄筋c、c、溶融金属gとともに一体化しかつ継
手部aを形成する。この方法では、前記圧接法に比べる
と、接合後に鉄筋の短縮を防止でき、またコンクリート
のかぶりの向上を期待することができる。
【0005】ところで、このような継手部hは、通常、
200A以上の大電流にて連続的に溶接しないと品質の
良いものが得られないため、前記裏当て具eには、この
アーク溶接時の大電流にも耐え、溶融金属gが空隙fの
外部に漏れ出るのを防ぐ板厚wに設定される必要があ
る。例えば外径20〜32mm程度の鉄筋のアーク溶接接
合には、裏当て具eの板厚wは少なくとも4mm以上必要
とされていた。
【0006】このように、アーク溶接法を用いた接合方
法では、圧接法に比べると継手部hの径寸法を小とする
ことはできるが、前記裏当て具eが鉄筋c、cの径から
その板厚分だけはみ出すため、依然としてコンクリート
のかぶりを損なう虞があり、このような裏当て具のさら
なる薄肉化が切望されていた。
【0007】また、裏当て具eの鉄筋の軸方向に沿った
巾寸法は、従来では空隙量hの2〜3倍以上の比較的大
きな寸法に定められている。このように裏当て具eの巾
寸法が大きいと、継手部aを中心として屈曲するような
荷重が作用した場合、鉄筋cが裏当て具eの端部に寄り
かかるように曲げ変形し、継手部aのしなやかさが失わ
れる他、前記裏当て具eの端部を支点として鉄筋の継手
部aに大きな破断応力が作用することが考えられる。
【0008】他方、このような裏当て具eをセラミック
スにて構成するとともに、鉄筋を溶接した後に該裏当て
材を破砕することにより、溶融金属だけを残して小径の
継手部を形成することも提案されてはいるが、このもの
では、裏当て具eが鉄筋の接合の度に破砕されるため、
材料の無駄を生じ資源を有効に活用し得ない。
【0009】本発明は、このような実状に鑑み案出なさ
れたもので、裏当て具を、溶接材の挿入口を残して被溶
接軸の外周面に沿って湾曲した小巾帯状の金属薄板から
なる流れ止め金物と、この流れ止め金物がはめ込まれか
つ流れ止め金物に伝わる熱を吸収する放熱枠材とから構
成するとともに、溶融金属を前記空隙に充たして継手部
を形成したのち、前記放熱枠材を継手部から取り外すこ
とを基本として、継手部のさらなる小径化を図ることが
でき、例えばコンクリートのかぶりを向上しうる被溶接
軸の接合方法およびそれに用いる裏当て具を提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、端面間に空隙を有して保持される被溶接軸
の前記空隙に、溶接材が溶融した溶融金属を裏当て具を
用いて充たすことにより前記被溶接軸を接合する被溶接
軸の接合方法であって、前記裏当て具は、溶接材の挿入
口を残して前記被溶接軸の外周面に沿って湾曲しかつ前
記2本の被溶接軸に跨がる小巾帯状の金属薄板からなる
流れ止め金物と、この流れ止め金物が接してはめ込まれ
ることにより溶融金属から流れ止め金物に伝わる熱を吸
収する放熱枠材とからなり、前記流れ止め金物を被溶接
軸に溶着し裏当て具を取り付けるとともに、前記空隙に
挿入される溶接材のアークによる前記溶融金属を前記空
隙に充たすことにより、該溶融金属、前記端面および前
記流れ止め金物が一体に溶着された継手部を形成したの
ち、前記裏当て具の放熱枠材を継手部から取り外すこと
を特徴とする被溶接軸の接合方法である。
【0011】また請求項2記載の発明は、前記放熱枠材
は、横断面が略半円状又は略U字状をなすとともに、そ
の内周面に周方向にそってのびる前記流れ止め金物をは
め込む取付溝を形成するとともに、前記流れ止め金物
は、前記内周面と面一又は僅かに突出してはめ込まれる
ことを特徴とする請求項1記載の被溶接軸の接合方法で
ある。
【0012】また請求項3記載の発明は、前記流れ止め
金物は、その板厚が0.5〜2.3mmであり、かつ前記
空隙の軸方向長さである空隙量hよりも2〜4mm大きい
巾を有するとともに、前記はめ込まれた流れ止め金物と
放熱枠材との合計厚さは、4mm以上であることを特徴と
する請求項1又は2記載の被溶接軸の接合方法である。
【0013】また請求項4記載の発明は、前記放熱枠材
は、銅、真鍮、アルミなどの繰り返し使用が可能な耐破
砕性を有する材料からなることを特徴とする請求項1乃
至3のいずれか1記載の被溶接軸の接合方法である。
【0014】また請求項5記載の発明は、前記流れ止め
金物と、前記放熱枠材とは、少なくとも前記挿入口と反
対側に孔部が同心に形成されるとともに、放熱枠材の孔
部の径を前記流れ止め金物の孔部の径よりも大としたこ
とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の被
溶接軸の接合方法である。
【0015】また請求項6記載の発明は、端面間に空隙
を有して保持される被溶接軸の前記空隙に、溶接材が溶
融した溶融金属を充たすことにより前記被溶接軸を接合
する被溶接軸の接合方法に用いられる裏当て具であっ
て、溶接材の挿入口を残して前記被溶接軸の外周面に沿
って湾曲しかつ前記2本の被溶接軸に跨がる小巾帯状の
金属薄板からなる流れ止め金物、及びこの流れ止め金物
が接してはめ込まれることにより溶融金属から流れ止め
金物に伝わる熱を吸収でき、かつ前記空隙へ溶融金属を
充たして前記被溶接軸を接合したのちに前記流れ止め金
物から取り外される放熱枠材からなることを特徴とする
裏当て具である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を、被
溶接軸として鉄筋コンクリート構造物に用いられる鉄筋
を例にとり図面に基づき説明する。本実施形態の接合方
法は、図1〜図4に示すように、端面2a、2a間に空
隙3を有して保持される2本の鉄筋(被溶接軸)2、2
の前記空隙3に、溶融金属Mを裏当て具4を用いて充た
して鉄筋2、2を接合するものである。
【0017】前記鉄筋2、2は、上下に軸中心を揃えて
突き合わせて配され、例えばJISに規定される鉄筋コ
ンクリート用棒鋼が好ましく、本例では、断面が円をな
す丸鋼を例示しているが、図8に示すように、表面に突
起を形成してコンクリートとのなじみを向上させた異形
棒鋼、中でもD19(公称直径19.1mm)〜D51
(公称直径50.8mm)の鉄筋の接合に好ましく採用し
うる。
【0018】前記鉄筋の空隙3は、ルートギャップない
し開先間隙とも呼ばれ、本実施形態では鉄筋2の各端面
2aを互いに平行にかつ空隙の軸方向長さである空隙量
h(図2に示す)は、例えば5〜15mm、より具体的に
はD25(公称直径25.4mm)の鉄筋では、5〜8mm
程度になるなど鉄筋の直径により種々調節される。
【0019】なお各鉄筋2は、本実施形態では例えば図
6に示すようなつかみ治具20により前記所定の突き合
わせ状態で保持される。前記つかみ治具20は、パイプ
状の基筒21と、この基筒21の一端側に固着されかつ
先端部に一方の鉄筋2を把持しうるチャック部22を有
する第1の保持部23と、前記基筒21に対してスライ
ド自在に内挿される内筒29を具えかつ他方の前記鉄筋
2を把持しうるチャック部24を有する第2の保持部2
5とから構成される。
【0020】前記基筒21の開口端部には、ナット部材
27が固着されるとともに、前記内筒29の内周面には
前記ナット部材27と逆方向のネジ溝が形成され、これ
らを左右の逆ネジが形成された1本のスライド調節ネジ
26が螺進退することにより前記空隙量hを微調整しう
る。なお図示していないが、この第2の保持部25は、
基筒21の軸中心の回りに微少角度揺動可能に設けら
れ、適宜鉄筋2、2の軸中心を揃えて偏心を防止でき
る。
【0021】前記裏当て具4は、図3に分解して示すよ
うに、本実施形態では、薄板からなる流れ止め金物5
と、この流れ止め金物5が接してはめ込まれる放熱枠材
6とから構成されている。通常、薄板を大電流が流れる
アーク溶接機を用いて連続的に溶接すると、熱に耐えき
れず、溶融金属の流れ止めをなしえないが、薄板からな
る流れ止め金物5を放熱枠材6と一体化することによっ
て、以下に説明するように結果的に薄板の流れ止め金物
5だけを鉄筋の継手部に溶接することが可能となる。
【0022】前記流れ止め金物5は、図1〜図3に示す
ように、溶接材の挿入口7を残して前記鉄筋2の外周面
に沿って湾曲しており、例えば鉄筋2の横断面に合わせ
て半円状や略U字状とするのが好ましく、本例では略U
字状をなすもの例示している。また流れ止め金物5は、
本例では溶接金属Mへの溶け込みが許容される金属かつ
小巾帯状の薄板から形成されるとともに、図2に示す如
く2本の鉄筋2、2に跨がって配しうるようその巾寸法
haが定められる。
【0023】例えば流れ止め金物5の板厚W1は、4mm
よりも小、好ましくは0.5〜3.0mm、より好ましく
は0.5〜2.3mm、さらに好ましくは1.6〜2.3
mm程度の薄板が望ましい。前記流れ止め金物5の板厚
が、0.5mm未満になると、後述する放熱枠材6を配す
るとはいえ完全に溶融してしまう虞があり、逆に3.0
mmを超えると従来の裏当て具との厚さの違いが少なくな
り、継手部の小径化を期待できない。
【0024】また流れ止め金物5の巾haは、例えば前
記鉄筋2、2の空隙量hの2倍よりも小、好ましくは空
隙量hよりも2〜4mm大きい巾、より好ましくは2〜3
mm大きい巾とするのが望ましい。前記流れ止め金物5の
巾haが、空隙量hよりも2mm以上大きくないと、この
流れ止め金物5を鉄筋2、2に跨って配するのが困難と
なる傾向があり、逆に空隙量hの2倍以上になると、流
れ止め金物5の巾寸法が増大するため、継手部のしなや
かさが損なわれる傾向がある。
【0025】このような流れ止め金物5には、例えばア
ーク溶接が可能な全ての金属材料を用いることができ、
例えば軟鋼をはじめとして高張力鋼、ステンレス鋼、耐
熱鋼、アルミニウム、チタンなど一般の炭素鋼、その他
各種の溶接に適した金属材料を用いることができ、経済
性や加工性を考慮すると特に好ましいのは軟鋼である。
【0026】前記放熱枠材6は、前記流れ止め金物5が
接してはめ込まれることにより溶融金属Mから流れ止め
金物5に伝わる熱を吸収する役割を果たす。これゆえ、
前記流れ止め金物5には、板厚W1が4mmよりも小の薄
板を用いることが可能になる。
【0027】前記放熱枠材6は、本例では横断面が略半
円状又は略U字状をなすとともに、その内周面6aに周
方向にそってのびる前記流れ止め金物5が密に接しては
め込まれる取付溝7が形成されたものを例示している。
また前記流れ止め金物5は、本例ではこの放熱枠材6の
前記取付溝7に嵌合状態ではめ込まれることにより該内
周面6aと実質的に面一となって放熱枠材7と一体化し
たものを例示している。なお実質的に面一となるとは、
その差が1mm以内である場合をいうが、流れ止め金物5
は、前記放熱枠材6の前記内周面6aから1mm以上の僅
かな距離だけ突出させて配することもできる。
【0028】前記放熱枠材6は、例えば流れ止め金物5
よりも熱伝導性が良く、また前記流れ止め金物5と融合
しにくい材料から構成するのが望ましい。例えば流れ止
め金物5が軟鋼で構成される場合には、銅、真鍮、アル
ミなどが特に望ましく、またこれらの材料はセラミック
スなどに比べて繰り返し使用が可能な耐破砕性を有する
ため、材料の無駄を防止でき経済的にも特に好ましいも
のとなる。ただし、セラミックスなど、その他の材料を
放熱枠材に用いることを排除するものではない。
【0029】また裏当て具4は、前記放熱枠材6の取付
溝7にはめ込まれた流れ止め金物5と放熱枠材6との合
計厚さW2(図1に示す)が4mm以上とすることが望ま
しい。前記合計厚さW2が4mmに満たないと、流れ止め
金物5に伝わる熱の吸収効果が低下する傾向がある。好
ましくは4.0〜8.0mm、さらに好ましくは4.0〜
6.0mm程度とするのが望ましい。
【0030】なお前記流れ止め金物5と、前記放熱枠材
6とは、本例では少なくとも前記挿入口7と反対側に孔
部9a、9bが同心に形成されるとともに、図2に示す
ように、放熱枠材6の孔部9bの径を前記流れ止め金物
5の孔部9aの径よりも大としたものを例示している。
前記各孔部9a、9bは、流れ止め金物5、放熱枠材6
の放熱を助けたり、溶接時の酸化物が排出されるのに役
立つ他、溶接部を目視検査するのにも役立つ。また、前
記のように流れ止め金物5、放熱枠材6とで孔部の径を
違えることにより、流れ止め金物5から部分的に膨出し
た溶融金属Mが放熱枠材6に付着するのを好適に防止で
き、放熱枠材6が流れ止め金物5とともに固着するのを
防止でき、その取り外し性を高めうる。
【0031】なお前記流れ止め金物5の孔部9aは、溶
融金属Mが漏れ出ないように例えば直径が3〜6mm程度
とするのが望ましい。またその個数については、流れ止
め金物5が小巾かつ薄板からなることとの兼ね合いよ
り、少数個とすることが望ましく、例えば周方向に10
mmピッチで4個以下、好ましくは3個以下で配するする
のが好ましい。なおこのような孔部は、勿論省略するこ
ともできる。
【0032】そして、前記流れ止め金物5を前記放熱枠
材6の取付溝7にはめ込んで裏当て具4を構成するとと
もに、図2に示すように、この流れ止め金物5はその巾
方向の各端縁を、前記2本の鉄筋2、2に跨らせて、か
つ例えば手溶接などにより流れ止め金物5と鉄筋2とを
部分的に溶接した仮止め部12によって裏当て材4が鉄
筋2、2に装着される。なお流れ止め金物5と鉄筋2と
の軸方向のオーバーラップ量Lは1〜2mmが好ましい。
【0033】次に、本実施形態では図4に示すように、
前記鉄筋2、2の端面間の空隙3に溶接トーチTの溶接
ワイヤ13を挿入するとともに、このワイヤ13がアー
クによって溶融した溶融金属Mを前記空隙3に充たして
いく。本例では、前記鉄筋2の一方がアースされ、前記
つなぎ治具20を介して2本の鉄筋2、2は同じアース
電位となる他、この鉄筋2に仮止め部12により固着さ
れた流れ止め金物5もアース電位となる。
【0034】溶接材としての前記溶接ワイヤ13は前記
挿入口7から前記流れ止め金物5側へと挿入され、例え
ばこの流れ止め金物5にアークを放つことにより、該流
れ止め金物5の内面からアーク溶接を開始でき、空隙3
内に隙間なく溶融金属Mを充填するのに役立つ。なお本
例では溶接トーチTを手動で走らせる半自動式の炭酸ガ
スアーク溶接機を使用しており、溶接ワイヤ13は、図
示しない送給具により溶融速度に応じた速度で自動的に
送出される。
【0035】この溶融ワイヤ13が溶融した溶融金属M
は、前記空隙3の流れ止め金物5の内面側から挿入口7
側へと、順次充たされていき、空隙3の径方向断面であ
る図7に示すように、例えば前記空隙が溶融金属Mで充
たされることによって、該溶融金属M、前記鉄筋2の端
面2aおよび前記流れ止め金物5が一体に溶着された継
手部10が形成されるとともに、本例ではこのような継
手部10が形成されたのちに、前記裏当て具4の放熱枠
材6を継手部10から破砕することなく取り外すことを
特徴の一つとしている。
【0036】これによって、継手部10には、本例では
図5に示すように小巾帯状の流れ止め金物5だけが残る
こととなるため、継手部10を従来に比してより小径化
できるから、例えばコンクリートのかぶりをさらに向上
させうる。また継手部10に残る流れ止め金物5は小
巾、とりわけ空隙量hよりも2〜4mm大きいだけの小巾
をなすときには継手部10のしなやかさをも維持でき、
良好な撓み性能を発揮しうる。
【0037】また放熱枠材6が、繰り返し使用可能な耐
破砕性を有する材料で構成することによって、セラミッ
クスのように取り外しに際して破砕することなく、木づ
ち等で叩く程度で流れ止め金物5から容易に取り外すこ
とができ、放熱枠材6の繰り返し使用を可能として経済
的な接合をなしうる。なお流れ止め金物の巾が、前記空
隙量hよりも2〜4mm大とすることにより、放熱枠材6
には、直接溶融金属が振れることがないため、放熱枠材
6の損傷を効果的に防止しうる。
【0038】また、例えば流れ止め金物5を軟鋼、放熱
枠材6を銅で形成する如く、放熱枠材6に流れ止め金物
5よりも熱膨張係数の大きな材料を用いることによっ
て、溶接後には、膨張差によって前記放熱枠材6の取付
溝7の溝巾が流れ止め金物の巾よりも大きくなるため、
とりわけその取り外しが容易に行える点で特に好まし
い。
【0039】以上、本発明の実施形態について種々説明
したが、例えば流れ止め金物5は、鉄筋への施工直前に
U字状ないし半円状に手指により折り曲げて前記放熱枠
材6に取り付けることができる。また、被溶接軸は、鉄
筋に限定されない。さらに流れ止め金物5、放熱枠材6
にともに銅を用いることもでき、本発明は種々の態様に
変形しうる。
【0040】
【発明の効果】上述したように、請求項1、2および6
記載の発明では、被溶接軸の端面間の空隙に溶融金属を
充たす際の裏当て具として、小巾帯状の金属薄板からな
る流れ止め金物と、この流れ止め金物が接してはめ込ま
れることにより流れ止め金物の熱を吸収する放熱枠材を
用いている。
【0041】したがって、この裏当て具の流れ止め金物
は、溶融金属から伝わる熱を放熱枠材へと放出しなが
ら、該溶融金属が空隙から漏れ出すのを防ぎ、ひいては
溶融金属、被溶接軸の端面とともにこれらが一体に溶着
された継手部を形成しうる。
【0042】また継手部を形成した後には、裏当て具の
放熱枠材は継手部から取り外されるため、継手部には小
巾帯状の流れ止め金物が残ることとなり継手部の小径化
を図り、コンクリートのかぶりなどをさらに向上させう
る。また継手部に残る流れ止め金物は小巾をなすため、
継手部の円滑な撓みを確保できるためしなやかさをも維
持しうる。
【0043】また、請求項3記載の発明では、前記裏当
て材の流れ止め金物の板厚や放熱枠材と流れ止め金物の
合計厚さなどを限定したことによって、鉄筋コンクリー
ト構造物用の配筋に好ましく用いることができ、また放
熱枠材の損傷を効果的に防止しうる。
【0044】また、請求項4記載の発明では、放熱枠材
は、銅、真鍮、アルミなどの繰り返し使用が可能な耐破
砕性を有する材料からなることにより、経済的に被溶接
軸の接合をなしうる。
【0045】また、請求項5記載の発明では、流れ止め
金物と、放熱枠材とは、少なくとも溶接材の挿入口と反
対側に孔部が同心に形成されるとともに、放熱枠材の孔
部の径を前記流れ止め金物の孔部の径よりも大としたこ
とによって、放熱性を高めつつ放熱枠材に溶融金属が付
着するのを好適に防止でき、放熱枠材の取り外し性を向
上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】その正面図である。
【図3】裏当て具の分解斜視図である。
【図4】溶接作業を説明する側面図である。
【図5】本発明により得られた継手部の側面図である。
【図6】つなぎ治具の実施形態を示す側面図である。
【図7】鉄筋の端面と平行な空隙の断面図である。
【図8】本発明により異形鉄筋を接合した場合の側面図
である。
【図9】圧接法による継手部のコンクリートのかぶりを
説明する側面図である。
【図10】従来の方法による継手部を説明する側面図で
ある。
【図11】従来の裏当て具を示す斜視図である。
【図12】そのコンクリートのかぶりを説明する断面図
である。
【符号の説明】
2 鉄筋(被溶接材) 3 空隙 4 裏当て具 5 流れ止め金物 6 放熱枠材 6a 放熱枠材の内周面 7 取付溝 9a、9b 孔部 10 継手部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端面間に空隙を有して保持される被溶接軸
    の前記空隙に、溶接材が溶融した溶融金属を裏当て具を
    用いて充たすことにより前記被溶接軸を接合する被溶接
    軸の接合方法であって、 前記裏当て具は、溶接材の挿入口を残して前記被溶接軸
    の外周面に沿って湾曲しかつ前記2本の被溶接軸に跨が
    る小巾帯状の金属薄板からなる流れ止め金物と、 この流れ止め金物が接してはめ込まれることにより溶融
    金属から流れ止め金物に伝わる熱を吸収する放熱枠材と
    からなり、 前記流れ止め金物を被溶接軸に溶着し裏当て具を取り付
    けるとともに、前記空隙に挿入される溶接材のアークに
    よる前記溶融金属を前記空隙に充たすことにより、該溶
    融金属、前記端面および前記流れ止め金物が一体に溶着
    された継手部を形成したのち、前記裏当て具の放熱枠材
    を継手部から取り外すことを特徴とする被溶接軸の接合
    方法。
  2. 【請求項2】前記放熱枠材は、横断面が略半円状又は略
    U字状をなすとともに、その内周面に周方向にそっての
    びる前記流れ止め金物をはめ込む取付溝を形成するとと
    もに、 前記流れ止め金物は、前記内周面と実質的に面一又は僅
    かに突出してはめ込まれることを特徴とする請求項1記
    載の被溶接軸の接合方法。
  3. 【請求項3】前記流れ止め金物は、その板厚が0.5〜
    2.3mmであり、かつ前記空隙の軸方向長さである空隙
    量hよりも2〜4mm大きい巾を有するとともに、 前記はめ込まれた流れ止め金物と放熱枠材との合計厚さ
    は、4mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の被溶接軸の接合方法。
  4. 【請求項4】前記放熱枠材は、銅、真鍮、アルミなどの
    繰り返し使用が可能な耐破砕性を有する材料からなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1記載の被溶
    接軸の接合方法。
  5. 【請求項5】前記流れ止め金物と、前記放熱枠材とは、
    少なくとも前記挿入口と反対側に孔部が同心に形成され
    るとともに、放熱枠材の孔部の径を前記流れ止め金物の
    孔部の径よりも大としたことを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1に記載の被溶接軸の接合方法。
  6. 【請求項6】端面間に空隙を有して保持される被溶接軸
    の前記空隙に、溶接材が溶融した溶融金属を充たすこと
    により前記被溶接軸を接合する被溶接軸の接合方法に用
    いられる裏当て具であって、 溶接材の挿入口を残して前記被溶接軸の外周面に沿って
    湾曲しかつ前記2本の被溶接軸に跨がる小巾帯状の金属
    薄板からなる流れ止め金物、 及びこの流れ止め金物が接してはめ込まれることにより
    溶融金属から流れ止め金物に伝わる熱を吸収でき、かつ
    前記空隙へ溶融金属を充たして前記被溶接軸を接合した
    のちに前記流れ止め金物から取り外される放熱枠材から
    なることを特徴とする裏当て具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100464935C (zh) * 2003-05-15 2009-03-04 梁满堂 异型棒钢气体保护焊接夹具
JP2010142828A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Yoshimura Kogyosho:Kk 鉄筋溶接用治具

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