JPH11335336A - トリス[4−(n−エナミン)フェニル]アミン化合物及び該化合物を用いた有機電界発光素子 - Google Patents

トリス[4−(n−エナミン)フェニル]アミン化合物及び該化合物を用いた有機電界発光素子

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JPH11335336A
JPH11335336A JP10143281A JP14328198A JPH11335336A JP H11335336 A JPH11335336 A JP H11335336A JP 10143281 A JP10143281 A JP 10143281A JP 14328198 A JP14328198 A JP 14328198A JP H11335336 A JPH11335336 A JP H11335336A
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JP10143281A
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Kazuhiro Enomoto
和弘 榎本
Takashi Ogura
隆 小倉
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な発光効率、高輝度発光、低駆動電圧で
の発光、水又は酸素等の物質による化学的及び光、熱等
の物理的劣化の小さい有機EL素子を提供すること。 【解決手段】 式(I) 【化1】 〔式中、Arは炭素数6〜12の置換又は非置換のアリ
ール基であり;R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、炭素数6〜12の置換又は非置換のアリール基で
あり;R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の
アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜
4のアルキレンジオキシ基である〕で示されるトリス
[4−(N−エナミン)フェニル]アミン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリス[4−(N
−エナミン)フェニル]アミン化合物及び該化合物を用
いた有機電界発光素子に関し、より詳細には、新規な構
造を有するトリス[4−(N−エナミン)フェニル]ア
ミン化合物及び駆動電圧が小さく、熱安定性に優れ、発
光効率が良好な有機電界発光素子(以下有機EL素子と
略す)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機電界発光素子は、自己発光性
のため視界認識性が高く、かつ完全固体素子であるため
耐衝撃性に優れる等の特徴を有していることから、各種
表示、バックライト用ランプ等に適用することが注目さ
れている。
【0003】このEL素子には、発光層に無機化合物を
用いる無機EL素子と有機化合物を用いてなる有機EL
素子とがある。これらEL素子のなかでも、有機EL素
子は、印加電圧を低くして、かつフルカラーに対応する
ことを目的として、その実用化の研究が積極的になされ
ている。
【0004】有機EL素子は、陽極/発光層/陰極を基
本構成とし、これに陽極より注入された正孔を、効率よ
く発光層に伝達する機能を有する正孔注入輸送層や、陰
極より注入された電子を、効率よく発光層に伝達する機
能を有する電子注入輸送層を、適宜設けたものがよく知
られている。
【0005】このような構成の有機EL素子の中で、特
に優れた性能を有しているものとして、陽極/正孔注入
輸送層/発光層/陰極の構成を有する素子が種々提案さ
れている(米国特許第4,539,507 号、同第4,769,292
号、特開昭59−194393号公報、同昭63−295695号公報
等)。例えば、上記構成の有機EL素子においては、正
孔注入輸送層に薄膜形成性に優れた材料を用いることに
より、正孔注入輸送層と発光層との合計膜厚を150n
m以下にすることを可能にし、その結果、20V以下の
駆動電圧で高輝度の発光を得ることに成功している。
【0006】また、正孔注入輸送層に、電子を輸送せず
電子に対して障壁として作用するトリフェニルアミン系
の正孔注入輸送化合物を用いて、正孔注入輸送層と発光
層との界面に存在する電子の障壁により、発光層内のこ
の界面に電子を蓄積し、さらに、発光層の材料としてア
ルミニウム(III)錯体を用いることによって、10V
以下の低い印加電圧で、1000cd/m2 の高輝度の
緑色発色を、発光効率1.5ルーメン/Vという高い値
で実現している。
【0007】ところで、上記有機EL素子は、電子と正
孔との再結合を発光機構としているため、発光ダイオー
ドなみの低電圧駆動(2〜6V)が可能なはずである。
しかし、現状では駆動電圧は8V以上である。これは陽
極と正孔注入輸送層との界面に存在する正孔注入に対す
るエネルギー障壁又は発光層と陰極との界面に存在する
電子注入に対するエネルギー障壁によるものである。さ
らに、一般的な発光の量子効率は、40%程度が上限で
あるといわれているが、有機EL素子においては、まだ
3%程度である。
【0008】このように、陽極/正孔注入輸送層/発光
層/陰極の構成を有する有機EL素子においては、他の
構成の有機EL素子に比べて、性能は優れているが、駆
動電圧及び発光効率については必ずしも十分に、満足し
うるものではない。さらに、有機EL素子は、無機EL
素子に比べてその構成材料の劣化特性が良くなく、この
ため長時間の使用に耐えられないとの問題点が未だ解決
されていない。
【0009】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、良好な発光効率、高輝度発光、低駆動電圧での発
光、水又は酸素等の物質による化学的及び光、熱等の物
理的劣化の小さい有機EL素子を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に述
べた優れた特徴を有するEL素子を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、陽極/発光層/陰極の基本構成に、少な
くとも輸送層中の正孔注入輸送層化合物として上記のト
リス[4−(N−エナミン)フェニル]アミン化合物を
用いた場合に、各界面に存在する電荷注入のエネルギー
障壁が緩和され、より低い駆動電圧が可能となるととも
に、高い発光効率と長時間安定な有機EL素子が得られ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明によれば、式(I)
【0012】
【化6】
【0013】〔式中、Arは炭素数6〜12の置換又は
非置換のアリール基であり;R1は水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数6〜12の置換又は非置換の
アリール基であり;R2は水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、炭素数1〜4のアルキレンジオキシ基である〕で示
されるトリス[4−(N−エナミン)フェニル]アミン
化合物が提供される。
【0014】また、本発明によれば、式(I)の化合物
を含有する層を備えてなる有機電界発光素子が提供され
る。
【0015】さらに、本発明によれば、陽極、正孔注入
輸送層、発光層及び陰極がこの順で積層された有機電界
発光素子であって、前記正孔注入輸送層が、式(I)で
示されるトリス[4−(N−エナミン)フェニル]アミ
ン化合物を含有する有機電界発光素子が提供される。
【0016】
【発明の実施の態様】本発明のトリス[4−(N−エナ
ミン)フェニル]アミン化合物は、新規な化合物であ
る。しかし、その反面、合成方法については、一般に良
く知られた方法を適用することができる。
【0017】本発明の式(I)のトリス[4−(N−エ
ナミン)フェニル]アミン化合物は、以下の構造
【0018】
【化7】
【0019】〔式中、Arは炭素数6〜12の置換又は
非置換のアリール基であり;R1は水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数6〜12の置換又は非置換の
アリール基であり;R2は水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、炭素数1〜4のアルキレンジオキシ基である〕を有
する。
【0020】ここで、Arにおける炭素数6〜12の置
換又は非置換のアリール基としては、例えば、水素原
子、ハロゲン原子、メチル基、ジメチル基、エチル基、
メトキシ基、エトキシ基、トリフロロメチル基、メチレ
ンジオキシ基、エチレンジオキシ基等の置換基で置換さ
れるか又は非置換のフェニル基、ナフチル基、ビフェニ
ル基、アンソラニル基等が挙げられる。なかでも、合成
上及び材料的見地から非置換のフェニル基が好ましい。
また、電子供与置換基(例えばメチル、エチル、n−プ
ロピル基、メトキシ、エトキシ、メチレンジオキシ、エ
チレンジオキシ等)の1以上で置換されたフェニル基が
好ましい。なお、これら電子供与置換基が、フェニル基
に置換される場合には、パラ位又はメタ位が好ましい。
また、アリール基の置換基の数は、モノ、ジ、トリのい
ずれでもよい。
【0021】R1における「炭素数1〜4のアルキル
基」としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチ
ル、t−ブチル基等が挙げられ、ベンゼン環のファンデ
ルワース半径を大きく超えるものは好ましくない。「炭
素数6〜12の置換又は非置換のアリール基」はArと
同様の置換基が挙げられる。なかでも、フェニル基、ナ
フチル基が好ましい。あるいは電子供与置換基の1以上
で置換されたフェニル基が好ましい。フェニル基に置換
される置換基の位置、アリール基の置換基の数は、上記
と同様である。
【0022】R2における「ハロゲン原子」としては、
臭素、塩素、フッ素、よう素等が挙げられる。「炭素数
1〜4のアルキル基」は、R1 と同様の置換基が挙げら
れる。「炭素数1〜4のアルコキシ基」としては、メト
キシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、n−ブトキシ
基、t−ブトキシ基等が挙げられる。「炭素数1〜4の
アルキレンジオキシ基」としては、メチレンジオキシ
基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、ブチ
レンジオキシ基等が挙げられる。なお、R2は、オル
ト、メタ、パラ位のいずれに置換されていてもよいが、
好ましくはメタ、パラ位である。
【0023】また、Ar、R1及びR2は、それぞれ全て
が同一の置換基であることが好ましいが、異なる置換基
であってもよい。
【0024】上記化合物(I)の具体例を以下に示す。
【0025】
【表1】 なお、表1において、R2のp、mの記号は、各置換基
の配位位置を示す。また、表1中の化合物は、強い青色
〜緑色の蛍光を有しており、さらに、No.1及びN
o.2を除いて、表1中の化合物はすべてガラス転移点
が95℃以上である。
【0026】上記式(I)のトリス[4−(N−エナミ
ン)フェニル]アミン化合物は、新規化合物であって、
融点やガラス転移温度Tgが高く、酸素、炭酸ガス、水
蒸気等の作用を受けにくく、10-4オーダーという非常
に高い電荷輸送効率(293Kでの正孔輸送度は10-5
cm2 -1-1以上、特にNo.3、10、14、1
8、19等は3.0×10-4cm2 -1-1前後の正孔
輸送度)を保持し、それに伴う低い発光開始電圧で発光
が発現するという効果を有している。さらには、蒸着等
により成膜された薄膜における透明で高温、高湿及び低
温、低湿で安定なアモルファス状態を保持しており、平
滑で密着性に優れた膜質、それに伴う安定性の高い発光
の発現等に優れた効果を有する。
【0027】これらの効果については、以下に挙げる構
造上の特徴に基づくものと考えられる。すなわち、 1)分子量が非常に大きい組織一定の単量体構造を有し
ていること、 2)分子の剛直性を大きくし、高いガラス転移温度を発
現したこと、 3)高い輸送効率を有するエナミン構造を規則的に3個
有していること、 4)立体障害のあるジフェニルエチレン基、フェニル基
のようなバルキー置換基の導入することによる、分子間
の重なりが最適化されていること、 5)分子の取り得るコンホーメーション数が多く、分子
の再配列が妨げられていること、 6)分子構造上対称点が拡散傾向を有し、中核の分子配
列と周辺の分子配列とが異なっていること等である。
【0028】本発明の化合物と比較的近い類似構造を有
する特開平8−48974号公報及び特開平6−312
981号公報等に記載のトリスアミノ体は、分子中にN
−フェニル基又はその置換体、その他のN−アリール
基、N−カルバゾール等を主体として有しているのに対
して、本発明の化合物は、ヴィニルアミン(エナミン)
構造が規則的に放射状に拡散している。このような構造
の違いにより、本発明の化合物は、特開平6−3129
81号公報記載の化合物の輸送度が4.8×10 -6cm
2 -1-1程度であるのに比較して、非常に高い正孔輸
送効率を有している(シャープ技報23〜26頁、N
o.62(1995)参照)。なお、正孔輸送効率が高
いことは、発光開始電圧の低減化をもたらすという利点
を有し、さらには有効な発光体との組み合わせによっ
て、4.0V程度の非常に低い電圧で発光が起こるとい
う利点を有する。
【0029】次に、本発明のトリス[4−(N−エナミ
ン)フェニル]アミン化合物の合成方法について説明す
る。
【0030】
【化8】
【0031】まず、トリフェニルアミン(1)に、ハロ
ゲン化剤、例えばKI、KIO3 等と氷酢酸を用いてト
リフェニルアミンのフェニル基にハロゲン原子を置換さ
せた、好ましくはフェニル基のパラ位に沃素を置換させ
た置換体(2)を得る。次いで、上記置換体(2)とア
セトアミド誘導体(3)とを、1:3.5〜1:6程度
のモル比で、適当な溶剤(例えば、トルエン、キシレ
ン、ベンゼン、ニトロベンゼン、n−ブチルアルコール
等)に溶解し、銅粉及びアルカリ性化合物(例えば、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)を用いて反応させ
る、いわゆるウルマン反応に付し、N,N’,N”−ト
リ(p−置換アミノフェニル)アミン(4)を得る。こ
こで、トリフェニルアミンは、市販化合物として容易に
入手することができる。
【0032】得られた化合物(4)を、塩酸塩等を用い
て加水分解し、トリス−(p−N−Ar置換アミノフェ
ニル)アミン(5)を得る。続いて、このアミン誘導体
(5)とフェニルアセトアルデヒド誘導体(6)とを、
適当な溶剤(例えば、ベンゼン、トルエン、エタノール
等)中で、必要により触媒(例えばp−トルエンスルホ
ン酸等)を用いて反応させることにより、式(I)のト
リス[4−(N−エナミン)フェニル]アミン化合物を
得ることができる。なお、これらの反応温度は、溶剤の
沸点程度が挙げられる。また、上記反応において置換体
(2)にアセトアミド誘導体(3)を反応させ、加水分
解する代わりに、置換体(2)に直接第1級アミン化合
物を反応させてもよい。さらに、式(I)の化合物を、
後述する正孔輸送層に使用する場合には、その純度が発
光特性に影響を与えるため、合成した後、昇華精製等の
精製を1回又は2回以上行うことが好ましい。
【0033】上記トリス[4−(N−エナミン)フェニ
ル]アミン化合物の合成方法は、例えば、テトラヒドロ
ンレポートNo.138、3363頁に記載された方
法、特開平6−312981号公報等に記載された方法
に準じて行うことができる。
【0034】本発明の有機EL素子は、上記式(I)の
化合物を含有する層を備えてなる。具体的には、例え
ば、本発明の有機EL素子は主として、基板上に陽極、
正孔注入輸送層、発光層及び陰極がこの順で積層されて
構成され、そのうちの正孔注入輸送層が、式(I)の化
合物を含有する。なお、上記有機EL素子においては、
基板−陽極、陽極−正孔注入輸送層、正孔注入輸送層−
発光層、発光層−陰極の間に、任意に、電子注入層、電
荷障壁層、バッファ層等の中間層が設けられていてもよ
い。なかでも、発光層−陰極の間に電子注入層が、発光
層に面して電荷障壁層が形成されていることが好まし
い。
【0035】発光層に面した電荷障壁層としては、正孔
障壁層、電子障壁層の2つのタイプが挙げられるが、電
子障壁層の方が効率的であるため好ましい。発光層に面
して形成されているとは、電子障壁層の場合には発光層
と正孔注入輸送層との間、好ましくは発光層の陽極側表
面に接するように設けることが好ましい。また、正孔障
壁層の場合には、発光層と陰極との間、好ましくは発光
層の陰極側表面に接するように設けることが好ましい。
具体的には、 (1)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極 (2)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層
/陰極 (3)陽極/正孔注入輸送層/電子障壁層/発光層/陰
極 (4)陽極/正孔注入輸送層/電子障壁層/発光層/電
子注入輸送層/陰極 (5)陽極/正孔注入輸送層/電子障壁層/発光層/正
孔障壁層/電子注入輸送層/陰極等が挙げられる。
【0036】上記有機EL素子は、基板に支持されてい
ることが好ましい。基板としては、通常有機EL素子に
用いられているものであれば特に限定されるものではな
く、例えば、ガラス、透明プラスチック、石英からなる
もの等が挙げられる。また、これらの基板上に所望の絶
縁層や、素子、回路等及び所望の絶縁層等が形成されて
いてもよい。ただし、層構成が多層になると、有機EL
素子の作製の制御が困難となるなどの問題も増大するた
め、できるだけ簡単な素子構造となるようにすることが
好ましい。
【0037】本発明における陽極としては、仕事関数の
大きい(4eV以上)金属、合金、導電性化合物、透明
導電性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするもの
等が挙げられる。なかでも、陽極側から発光を取り出す
ことが一般的であるため、透明導電性化合物が好まし
い。陽極は、上記金属等を蒸着やスパッタリングなどの
方法により薄膜状に形成することができる。
【0038】上記陽極によって発光を取り出す場合に
は、透過率を大きくすることが必要であるため、シール
抵抗が数102 程度以下が好ましい。また、陽極の膜厚
は、使用する電極物質によって異なるが、例えば10〜
300nm程度が好ましい。
【0039】本発明における正孔注入輸送層は、陽極か
ら注入された正孔を、後述する発光層まで伝達する機能
を有している。この正孔注入輸送層には、上記の式
(I)で示される化合物が含有されている。これら化合
物は、正孔の移動度が10-6cm2/V・S以上と良好
な移動効率を有しているため好ましい。
【0040】上記の式(I)で示される化合物は、優れ
た熱安定性、高い移動効率、低い駆動電圧、非晶性の保
持等からも、正孔注入輸送層の主要材料として最適であ
る。
【0041】なお、上記式(I)で示される化合物は、
任意に他の輸送材料と併用させることによって、さらに
低い駆動電圧及び高い発光効率で高輝度の発光を有する
有機EL素子を得ることができる場合がある。このよう
な輸送材料としては、従来から有機光半導体の正孔輸送
化合物として知られているもの、従来から有機EL素子
の正孔注入輸送化合物としてしられているもの等の中か
ら選択して使用することができる。例えば、トリアゾー
ル化合物(米国特許第3,112,197号)、ピラゾ
リン化合物(米国特許第3,180,729号)、アリ
ールアミン化合物(米国特許第3,567,450号、
同3,180,703号)、ポリフィリン化合物(特開
昭63−295695号)、スチリルアミン化合物(米
国特許第4,127,412号、特開昭54−5844
5号、特開昭54−149634号)等が挙げられる。
【0042】本発明における発光層は、固体状態で発光
性を有する有機化合物からなり、少なくとも(1)電界
印加時に、陽極又は正孔注入層より正孔を注入すること
ができる注入性能、(2)注入した電荷(電子又は正
孔)を電界の力で移動させる輸送機能又は(3)電子と
正孔との再結合の場を提供し、これを発光につなげる発
光機能のいずれか1つ、好ましくはすべての機能を有し
ているものである。発光層の膜厚は、10nm〜200
0nm程度の薄膜状のものが好ましい。なお、発光層
は、正孔の注入されやすさと、電子の注入されやすさと
に違いあっても良いし、電子と正孔の移動度で表される
輸送機能に大小があってもよいが、少なくともどちらか
一方の電荷を移動させることができることが好ましい。
【0043】上記(1)の注入機能において、適当な陽
極材料を選べば比較的正孔を注入しやすいことから、発
光層のイオン化エネルギーは6.0eV程度以下である
ことが好ましく、一方、適当な陰極材料を選べば比較的
電子を注入しやすいことから、電子親和力は2.5eV
程度以下であることが好ましい。また、上記(3)の発
光機能については、固体状態での蛍光性が強いことが望
ましい。
【0044】上記発光層を構成する有機化合物は、特に
限定されるものではなく、公知の化合物の中から、任意
のものを選択して用いることができる。例えば、多環縮
合芳香族化合物;ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾー
ル、ベンゾオキサゾール等の蛍光増白剤;金属キレート
化オキシド化合物;スチリル化合物等が挙げられる。
【0045】多環縮合化合物としては、例えば、アント
ラセン、ナフタレン、フェナスレン、ピレン、ペリレン
骨格を含む縮合環発光化合物、8個の縮合環を含む他の
縮合環発光材料等を挙げることができる。
【0046】蛍光増白剤としては、例えば、特開昭59
−194393号に記載のものを挙げることができる。
【0047】金属キレート化オキシド化合物としては、
例えば、特開昭63−295695号に記載のものを挙
げることができる。
【0048】スチリル化合物としては、例えば、特開昭
62−312356号又は昭63−80257号等に記
載されているものを挙げることができる。
【0049】また、上記発光層は、任意に2層以上の積
層構造をとってもよい。例えば、米国特許4,769,
292号に記載されているように、ホスト物質と蛍光物
質との積層構造でもよい。この場合のホスト物質は薄膜
状の層であって、発光層の機能のうち、注入輸送機能及
び発光機能の一部を受け持ち、蛍光物質は、ホスト物質
の層中に微量(数%)存在させ、電子と正孔の結合に応
じて発光するという発光機能の一部を担う。
【0050】また、発光層に用いる有機化合物は薄膜形
成性を有しいない化合物であってもよく、例えば、1,
1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン等も
用いることができる。
【0051】これらの有機発光材料の薄膜化の方法は、
例えば、スピンコート法、キャスト法、LB法、蒸着法
等が挙げられるが、なかでも、均質な膜が得られやす
く、かつピンホールが生成しにくい方法である蒸着法が
好ましい。蒸着法を用いる場合、その蒸着条件は、使用
する有機材料の昇華温度、目的とする薄膜の状態、結晶
性、結晶の配向などにより異なるが、一般にボード加熱
温度50〜500℃、真空度10-6〜10-3Pa、蒸着
速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜+30
0℃、膜厚5nm〜500nmの範囲で適宜選択するこ
とができる。
【0052】本発明における陰極としては、仕事関数の
小さい(4eV程度以下)金属、合金、導電性化合物、
透明導電性化合物及びこれらの混合物を電極物質とする
もの等が挙げられる。なお、一般的には、陽極、陰極の
いずれかが透明又は半透明であることが発光を取り出す
効率が良いため好ましい。陰極は、上記金属等を蒸着や
スパッタリングなどの方法により薄膜状に形成すること
ができる。なお、陰極のシール抵抗、膜厚等は陽極と同
様とすることができる。
【0053】本発明において、任意に設けることができ
る電子注入輸送層は、電子伝達化合物からなるものであ
って、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能
を有している。上記電子伝達化合物は、特に限定される
ものではなく、公知の化合物の中から適宜選択して用い
ることができる。このような化合物としては、例えば、
ニトロ置換フロレノン化合物、チオピラジンオキシド化
合物、ジフェニルキノン化合物、アントラキノジメタン
化合物(特開昭57−149259号又は同58−55
450号)、アントロン化合物(特開昭61−2251
51号、同61−233750号)等を挙げることがで
きる。
【0054】本発明において、任意に設けることができ
る電荷障壁層のうち、電子障壁層は、発光層より陽極側
に出ていこうとする電子を発光層内に留める役割を有し
ており、発光層の電子移動度より低い電子移動度をもつ
層であるか又は発光層の電子親和力より小さい電子親和
力をもつ層であることが好ましい。
【0055】このような電子障壁層は、式(II)
【化9】 〔式中、Ar’は炭素数6〜12の置換又は非置換のア
リール基、炭素数7〜13の置換又は非置換のアラルキ
ル基であり;R1'は水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数6〜12の置換又は非置換のアリール基であ
り;R2'は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4
のアルキレンジオキシ基である〕で示されるエナミン化
合物、式(III)
【化10】 〔式中、Ar’、R1'及びR2'は式(II)の定義と同義
であり;nは1〜3までの整数であり;R3 は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
1〜4のアルコキシ基であり;Xは酸素原子、硫黄原
子、スルホン基、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素
数5又は6の置換又は非置換の環状アルキル基であ
る。〕、あるいは式(IV)
【化11】 〔式中、Ar’、R1'及びR2'は式(II)の定義と同義
であり、R3 及びXは式(III)の定義と同義である〕で
示されるエナミン化合物、式(V)
【化12】 〔式中、Ar’は式(II)の定義と同義であり、n及び
3 は式(III)の定義と同義であり、Ar”は炭素数1
〜4のアルキル基;置換又は非置換のベンジル基、アリ
ル基、メタリル基;炭素数6〜12の置換又は非置換の
アリール基である〕で示されるアミン化合物が挙げられ
る。また、これら化合物の他に、トリフェニルアミン系
化合物(特開昭59−194393号又は同63−29
5695号)、無機アモルファス化合物(特開平3−7
7299号)が挙げられる。
【0056】上記化合物、特に式(II)〜(V)の化合
物、殊に式(III)の化合物は、式(I)の化合物を含有
する層を備える本発明の有機EL素子において、式
(I)の化合物の移動度とちょうどよい相関関係にあ
る、すなわち、双方とも高い移動度を有しており、その
ような中において式(I)の化合物の移動度が少し高め
にあるため、さらに、これら化合物のイオン化エネルギ
ー値が発光層を構成する発光材料のエネルギー値との間
の値にあるものが多いため、本発明において有効となる
と考えられる。
【0057】式(II)におけるAr’の「炭素数7〜1
3の置換又は非置換のアラルキル」としては、例えば、
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフ
チルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられ、なかで
もベンジル基が好ましい。置換基としては、式(I)に
おけるアリール基の置換基と同様のものが挙げられる。
【0058】また、式(III)におけるXの「炭素数1〜
8の環状アルキル基」としては、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ペンチル、へキシル、ペプチル、オクチ
ル等が挙げられる。「炭素数5又は6の置換又は非置換
の環状アルキル基」としては例えば、シクロペンタン、
シクロヘキサン等があげられる。これらの置換基として
は、式(I)におけるアリール基の置換基と同様のもの
が挙げられる。
【0059】さらに、式(V)におけるAr”の「置換
又は非置換のベンジル基、アリル基、メタリル基」の置
換基としては、式(I)におけるアリール基の置換基と
同様のものが挙げられる。
【0060】上記化合物(II)の具体例を以下に示す。
【0061】
【表2】
【0062】上記化合物(III)の具体例を以下に示す。
【0063】
【表3】 なお、表3中の化合物は、p位の置換体を示す。
【0064】上記化合物(IV)の具体例を以下に示す。
【0065】
【表4】
【0066】上記化合物(V)の具体例を以下に示す。
【0067】
【表5】
【0068】正孔障壁層は、発光層より陰極側に出てい
こうとする正孔を、発光層内に留める役割を有してお
り、発光層の正孔移動度より低い正孔移動度をもつ層で
あるか又は発光層のイオン化エネルギーより小さいエネ
ルギーをもつ層であることが好ましい。このような正孔
障壁層は、無機アモルファス化合物(特開平3−772
99号)が好ましい。上記電荷障壁層は、1〜200n
m、好ましくは50nm以下の膜厚を有することが好ま
しい。
【0069】本発明においては、さらに任意にバッファ
層を設けてもよい。バッファ層は、剥離現象の防止、さ
らには正孔又は電子の注入効率の向上を目的とする層で
ある。これらバッファ層は、各種フタロシアニン顔料、
各種有機金属化合物(例えばトリアルコキシアルミニウ
ム、ステアリン酸亜鉛、トリアセチルアセトンアルミニ
ウム、ジアセチルアセトンマグネシウム等)、カーボン
ブラック等が挙げられる。バッファ層の設ける位置は、
特に限定されるものではないが、剥離現象が起こりやす
い上記(1)の場合には、陽極−正孔注入輸送層の間、
発光層−陰極の間、上記(2)〜(5)の場合には、陽
極−正孔注入輸送層の間、電子注入輸送層−陰極の間に
設けることが効果的である。バッファ層の膜厚は、どの
位置に設けるかにより異なるが、例えば、10〜500
nm程度が好ましい。
【0070】次に、本発明の有機EL素子の好適な製造
方法について説明する。上記(1)陽極/正孔注入輸送
層/発光層/陰極の構成を有する有機EL素子は、以下
のように作製することができる。
【0071】まず、適当な基板上に、所望の陽極材料か
らなる薄膜を500nm以下、好ましくは10〜200
nmの範囲になるように、蒸着やスパッタリングなどの
方法より陽極を形成する。次いで、本発明の化合物を、
蒸着やスピンコートなどの方法により陽極上に薄膜状に
形成することにより、正孔注入輸送層を形成する。この
際の膜厚は、発光を基板側より取り出す場合には透明率
を高めるために、5〜200nm程度が好ましい。続い
て、この化合物からなる正孔注入輸送層の上に、有機発
光材料を、蒸着法により、5〜1500nmの範囲の膜
厚で積層して発光層を形成する。その後、この発光層の
上に、陰極用物質からなる薄膜を、蒸着やスパッタリン
グなどの方法により、500nm以下、好ましくは10
〜300nmの範囲の膜厚で積層し、陰極を形成する。
【0072】なお、上記製造方法は、陰極側から逆の工
程で行ってもよい。上記(2)陽極/正孔注入輸送層/
発光層/電子注入輸送層/陰極の構成を有する有機EL
素子は、発光層上に、蒸着やスパッタリング法により有
機系化合物を又はプラズマCVD法によりN型a−Si
Cを薄膜状に成膜して、膜厚100nm程度以下の電子
注入輸送層を形成し、その後に陰極を形成する以外は、
上記(1)と同様に作製することができる。
【0073】上記(3)〜(5)の構成を有する有機E
L素子についても、上記(1)及び(2)に準じて作製
することができる。
【0074】このようにして得られた本発明の有機EL
素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極
を−の極性として駆動電圧1〜30V程度の電圧を印可
すると、発光が透明又は半透明の電極側より観察でき
る。なお、逆の極性で電圧を印加しても発光は生じな
い。また、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰
極が−の状態になったときに発光する。なお、印加する
交流電圧の波形は任意でよい。
【0075】
【実施例】以下本発明のトリス[4−(N−エナミン)
フェニル]アミン化合物、その製造方法及び有機電界発
光素子の実施例を説明する。
【0076】合成例1:(例示化合物3の合成) ケミストリーレターズ、1145頁(1989)に記載
の合成法に準じて、フェニル基への沃素置換体を得たの
ち、これにアセトアニリドを反応させ、続いて加水分解
を行い、以下に示す茶褐色の4,4’,4”−トリス
(N−フェニルアミノフェニル)アミンを得た。
【0077】
【化13】 この化合物のIR(KBr法)スペクトルを測定したと
ころ、により3410cm-1に第2級アミンの吸収が、
791cm-1、708cm-1にモノ置換フェニル、83
3cm-1にパラ置換フェニルの吸収が認められた。次い
で、上記化合物とジフェニルアセトアルデヒドとをベン
ゼン中、p−トルエンスルホン酸を少量加え、加熱し、
発生した水を系外に出すことにより蛍光を有する黄緑色
の例示化合物3を得た。
【0078】得られた化合物の融点は、224〜22
5.5℃であり、ガラス転移点は104.8℃であっ
た。また、得られた化合物のIR(KBr法)スペクト
ルを測定したところ、図1に示したように、1603c
-1、791cm-1及び708cm-1にモノ置換フェニ
ルに基づく吸収が認められ、1500cm-1付近にモノ
置換フェニル、p置換フェニルに基づく吸収が分割して
認められる。一方、3410cm-1の第2級アミンの吸
収が消失した。なお、他の本発明のトリス[4−(N−
エナミン)フェニル]アミン化合物も上記合成例に準じ
て合成することができる。
【0079】実施例1〜4 ガラス基板(25mm×75mm×厚さ1.1mmのサ
イズ、HOYA社製)上に、透明電極として用いるIT
Oを膜厚40nmで蒸着して透明支持基板とした。これ
をエタノール、次いでアセトンで超音波洗浄し、続い
て、乾燥窒素ガスで乾燥した。
【0080】このようにして得た支持基板を真空蒸着装
置の基板ホルダーに固定した。一方、モリブデン製抵抗
加熱ボートに、本発明の昇華精製した表6に示す化合物
を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボート
に、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(III)
を200mg入れ、真空蒸着装置に取りつけた。そし
て、真空層を1×10-4Paまで減圧した後、本発明の
化合物の入った前記加熱ボートに通電し、230〜24
0℃まで加熱して、蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で
透明支持基板に蒸着し、膜厚50〜75nmの正孔注入
輸送層を成膜した。
【0081】次いで、得られた基板を真空蒸着装置から
取り出さずに、トリス(8−キノリノール)アルミニウ
ム(III)が入った加熱ボートに通電して250℃まで
加熱して、蒸着速度0.1〜0.25nm/秒で上記正
孔注入輸送層上に蒸着し、膜厚50nmの発光層を成膜
した。得られた基板を真空蒸着装置から取り出し、発光
層上にステンレス鋼製のマスクを設置し、再度基板ホル
ダーに得られた基板を固定した。一方、モリブデン製抵
抗加熱ボートにはマグネシウム1g、タングステン製の
蒸着用バスケットに銀を0.5gを入れ、再度真空チャ
ンバーを1×10-4Paまで減圧した後、マグネシウム
を蒸着すると同時に銀を蒸着し、マグネシウムと銀の混
合物からなる陰極を形成し、目的とする有機EL素子を
作製した。
【0082】このようにして得られた有機EL素子につ
いて、大気中で直流電圧を10V印加した際に流れた電
流、その際の輝度を測定するとともに、印加電圧を変化
させた際の発光開始電圧を測定した。その結果を表6に
示す。
【0083】
【表6】
【0084】実施例1〜4で用いた化合物は、正孔輸送
材料として用いた場合には、非常に低い駆動電圧で発光
が開始し、その輝度も高く、優れた有機EL特性を有し
ていることが分かった。
【0085】実施例5〜9 実施例1〜4と同様の透明支持基板を用い、実施例1で
使用した表1中のNo.3の化合物を正孔注入輸送材料と
して正孔注入輸送層を形成した。得られた成功注入輸送
層上に、上記表2〜表5に記載の化合物5種を用いた電
子障壁層をそれぞれ膜厚約20nmで作製した。この際
の作製条件は、真空チャンバー内を1×10-4Paまで
減圧し、基板温度を50℃とした。このようにして得ら
れた有機EL素子について、実施例1〜4と同様に評価
した。その結果を表7に示す。
【0086】
【表7】
【0087】表7から明らかなように、電子障壁層を新
たに設けることにより、より高輝度、低発光開始駆動電
圧での発光が可能になることが分かった。
【0088】実施例10:実施例1及び4で作製した有
機EL素子を温度0℃、湿度50%の環境下で1ヶ月保
存した後、前記実施例と同様の方法で、輝度、発光開始
駆動電圧等を測定した。この際の各値は、表6の値とほ
ぼ同様であった。また、500cd/m2 で24時間発
光させた後でも、本発明の化合物の結晶化に基づくボイ
ドの発生、各層間の層剥離の発生、さらにこれらに起因
すると考えられる発光劣化は認められなかった。この理
由としては、本発明の化合物が、融点のわりには高いガ
ラス転移点を有していること、また構造的にも結晶化し
にくい非対照構造であること、さらには高い正孔輸送性
であることと大きく関係しているといえる。
【0089】実施例11〜14 実施例1〜4の有機EL素子を真空中で加熱しながら1
0Vの電圧を印加し、EL発光が保持される最大温度を
測定した。また、真空中50度での発光輝度についても
測定した。これらの結果を表8に示す。なお、比較例と
してJ.Appl.Phys.65,p3610(19
89)等に記載されている代表的な正孔輸送材料である
4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)N−フェ
ニルアミノ)ビフェニル(以下TPDと称する)及び
4,4’−ビス(N−α−ナフチルN−フェニルアミ
ノ)ビフェニル(以下NPDと称する)の昇華精製を行
ったものを、実施例1〜4と同様にして基板上に蒸着さ
せ、膜厚約60nmの正孔注入輸送層を形成した素子に
ついても発光保持の最大温度及び50℃の発光を測定し
た。
【0090】
【表8】
【0091】表8から明らかなように、本発明の有機E
L素子は、高温で発光の保持又は熱酸化に対する発光消
失に対しても優れた機能を有していることがわかる。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、良好な発光効率、高輝
度発光、低駆動電圧での発光、水又は酸素等の物質によ
る化学的及び光、熱等の物理的劣化の小さい有機EL素
子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトリス[4−(N−エナミン)フェニ
ル]アミン化合物のIRスペクトルを示す図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 〔式中、Arは炭素数6〜12の置換又は非置換のアリ
    ール基であり;R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキ
    ル基、炭素数6〜12の置換又は非置換のアリール基で
    あり;R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の
    アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜
    4のアルキレンジオキシ基である〕で示されるトリス
    [4−(N−エナミン)フェニル]アミン化合物。
  2. 【請求項2】 R1が非置換又は電子供与基置換のフェ
    ニル基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Arが非置換又は電子供与基置換のフェ
    ニル基である請求項1又は2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 電子供与基が、メチル、エチル、メトキ
    シ、エトキシ、メチレンジオキシ又はエチレンジオキシ
    基である請求項2又は3記載の化合物。
  5. 【請求項5】 式(I)の化合物を含有する層を備えて
    なる有機電界発光素子。
  6. 【請求項6】 陽極、正孔注入輸送層、発光層及び陰極
    がこの順で積層された有機電界発光素子であって、前記
    正孔注入輸送層が、式(I)で示されるトリス[4−
    (N−エナミン)フェニル]アミン化合物を含有するこ
    とを特徴とする有機電界発光素子。
  7. 【請求項7】 発光層と陰極との間に電子注入輸送層を
    有する請求項6記載の有機電界発光素子。
  8. 【請求項8】 発光層に面して電荷障壁層を形成した請
    求項6又は7記載の有機電界発光素子。
  9. 【請求項9】 電荷障壁層が、式(II) 【化2】 〔式中、Ar’は炭素数6〜12の置換又は非置換のア
    リール基、炭素数7〜13の置換又は非置換のアラルキ
    ル基であり;R1'は水素原子、炭素数1〜4のアルキル
    基、炭素数6〜12の置換又は非置換のアリール基であ
    り;R2'は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4
    のアルキレンジオキシ基である〕で示されるエナミン化
    合物である請求項8記載の有機電界発光素子。
  10. 【請求項10】 電荷障壁層が、式(III) 【化3】 〔式中、Ar’、R1'及びR2'は式(II)の定義と同義
    であり;nは1〜3までの整数であり;R3 は水素原
    子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
    1〜4のアルコキシ基であり;Xは酸素原子、硫黄原
    子、スルホン基、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素
    数5又は6の置換又は非置換の環状アルキル基であ
    る。〕で示されるエナミン化合物である請求項8記載の
    有機電界発光素子。
  11. 【請求項11】 電荷障壁層が、式(IV) 【化4】 〔式中、Ar’、R1'及びR2'は式(II)の定義と同義
    であり、R3 及びXは式(III)の定義と同義である〕で
    示されるエナミン化合物である請求項8記載の有機電界
    発光素子。
  12. 【請求項12】 電荷障壁層が、式(V) 【化5】 〔式中、Ar’は式(II)の定義と同義であり、n及び
    3 は式(III)の定義と同義であり、Ar”は炭素数1
    〜4のアルキル基;置換又は非置換のベンジル基、アリ
    ル基、メタリル基;炭素数6〜12の置換又は非置換の
    アリール基である〕で示されるアミン化合物である請求
    項8記載の有機電界発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1184683A4 (en) * 2000-03-28 2012-08-22 Toshiba Kk X-RAY PLAN DETECTOR
WO2018051278A3 (en) * 2016-09-19 2018-05-03 Kauno technologijos universitetas Hole transporting organic molecules containing enamine groups for optoelectronic and photoelectrochemical devices

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