JPH1133664A - 自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金接合体及びその製造方法 - Google Patents

自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金接合体及びその製造方法

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JPH1133664A JP18530297A JP18530297A JPH1133664A JP H1133664 A JPH1133664 A JP H1133664A JP 18530297 A JP18530297 A JP 18530297A JP 18530297 A JP18530297 A JP 18530297A JP H1133664 A JPH1133664 A JP H1133664A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金材を自己穿孔型リベットに
より接合した接合部の動的強度、即ち疲労強度を高める
ことができ、その寿命を延長することができる自己穿孔
型リベットによるアルミニウム合金接合体及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金接合体は、JIS60
00系アルミニウム合金板2,3を重ね、両者を自己穿
孔型リベット1により接合して構成されている。このア
ルミニウム合金板2,3は、前記リベットの打ち込み前
に、押出型材はT1熱処理、圧延板はT4熱処理を施
し、リベットの打ち込み後に、押出型材はT5熱処理を
施し、圧延板はT6熱処理を施してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出材又は圧延板
等のJIS6000系アルミニウム合金材を自己穿孔型
リベットを使用して接合する技術に関し、特に疲労強度
が優れた自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金接
合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭電化製品の筐体等は、アルミニウム
合金の押出型材又は圧延板により製作されており、これ
らのアルミニウム合金押出材又は圧延板は抵抗スポット
溶接により接合されている。このようにアルミニウム合
金材の接合により製造される構造材は、家庭電化製品の
他に、自動車、鉄道、船舶等の輸送機等の分野において
も使用されている。
【0003】しかし、スポット溶接機は高価であるた
め、その処理コストが高いという難点がある。また、ス
ポット溶接は鋼材同士の接合には使用されているが、ア
ルミニウム合金材の場合には、その表面に酸化皮膜が存
在していたり、プレス油が付着していたりすると、電極
が汚損して接合品質が不安定になるという問題点もあ
り、適用対象には制約が多く、簡便にアルミニウム合金
材を接合できる技術の開発が要望されている。
【0004】そこで、本願発明者等は、この抵抗スポッ
ト溶接に代わるアルミニウム合金材の接合技術として、
自己穿孔型リベットにより接合するメカニカルファスナ
方式による接合方法を提案した(社団法人日本機械学会
「第4回機械材料・材料加工技術講演会講演論文集」1
996年11月1日発行)。この自己穿孔型リベットに
より接合された接合部は、その静的強度は抵抗スポット
溶接による接合部と同等の強度を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この自
己穿孔型リベットにより接合したアルミニウム合金接合
体は、接合自体が不能であるか、又はその接合部の疲労
強度、即ち動的強度が低いという難点がある。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、アルミニウム合金材を自己穿孔型リベット
により接合した接合部の動的強度、即ち疲労強度を高め
ることができ、その寿命を延長することができる自己穿
孔型リベットによるアルミニウム合金接合体及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自己穿孔型
リベットによるアルミニウム合金接合体は、JIS60
00系アルミニウム合金材を重ね、両者を自己穿孔型リ
ベットにより接合して構成されたアルミニウム合金接合
体において、前記リベットの打ち込み後に、前記アルミ
ニウム合金材が高強度化熱処理を施されていることを特
徴とする。
【0008】本発明に係る他の自己穿孔型リベットによ
るアルミニウム合金接合体は、JIS6000系アルミ
ニウム合金材を重ね、両者を自己穿孔型リベットにより
接合して構成されたアルミニウム合金接合体において、
前記アルミニウム合金材は、少なくともその打ち込み型
側のものが、前記リベットの打ち込み後に高強度化熱処
理を施されていることを特徴とする。
【0009】これらの自己穿孔型リベットによるアルミ
ニウム合金接合体においては、前記アルミニウム合金材
が押出材である場合は、前記高強度化熱処理はJISの
T5熱処理であり、前記アルミニウム合金材が圧延板で
ある場合は、前記高強度化熱処理はJISのT6熱処理
であることが好ましい。
【0010】また、前記アルミニウム合金材が押出材で
ある場合は、前記リベットの打ち込み前にJISのT1
熱処理を施され、前記アルミニウム合金材が圧延板であ
る場合は、前記リベットの打ち込み前にJISのT4熱
処理を施されていることが好ましい。
【0011】本発明に係る自己穿孔型リベットによるア
ルミニウム合金接合体の製造方法は、JIS6000系
アルミニウム合金材を重ね、両者に自己穿孔型リベット
を打ち込んで両者を接合し、前記リベットの打ち込み後
に、前記アルミニウム合金材を高強度化熱処理すること
を特徴とする。
【0012】本発明に係る他の自己穿孔型リベットによ
るアルミニウム合金接合体の製造方法は、JIS600
0系アルミニウム合金材を重ね、両者に自己穿孔型リベ
ットを打ち込んで両者を接合し、前記リベットの打ち込
み後に、前記アルミニウム合金材の少なくともその打ち
込み型側のものを、高強度化熱処理することを特徴とす
る。
【0013】本発明においては、軟らかい状態、例え
ば、押出材の場合は、JISのT1熱処理、圧延板の場
合は、JISのT4熱処理を施した状態のアルミニウム
合金材を重ね、両者に自己穿孔型リベットを打ち込み、
両者を機械的に接合する。その後、アルミニウム合金押
出材に対し、高強度化熱処理を施す。例えば、アルミニ
ウム合金材が押し出し材の場合は、JISのT5熱処理
を施し、圧延板の場合は、JISのT6熱処理を施す。
これにより、アルミニウム合金構造体として必要な強度
が得られる。
【0014】本願発明者等が従来の自己穿孔型リベット
による接合部の疲労強度(動的強度)が低い原因を解明
すべく、種々実験研究を繰り返した結果、構造体として
必要な強度を具備したアルミニウム合金材に対してリベ
ットを打ち込むと、その接合部の型側の面に、微細な割
れが発生することが疲労強度を低下させる原因であるこ
とを知見した。このような微細な割れは、静的強度には
影響を与えないが、動的に加重が印加される疲労加重の
場合には、その微少な割れが亀裂に進展し、疲労寿命を
短縮してしまう。
【0015】そこで、本発明においては、前述の如く、
打ち込み後に、アルミニウム合金材に対して高強度化の
熱処理を施し、必要な強度を得る。このようにして接合
した接合部においては、リベットの打ち込み時は、アル
ミニウム合金材は比較的軟らかい状態であるので、その
接合部に微少な割れは発生せず、従って、その微小割れ
が進展して疲労破壊が生じることが抑制される。
【0016】なお、6000系合金押出形材は、押出
性、耐食性、溶接性及びリサイクル性が優れており、鉄
道車輌及び自動車等の分野における使用が増大してい
る。一方、6000系合金圧延材は、ベークハード性を
有し、自動車等の塗装焼き付け工程において、同時に熱
処理可能であり、高生産性を有するという利点がある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について添
付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、自己穿
孔型リベット1を示す断面図、図2はこのリベット1を
使用して接合された接合部を示す断面図である。リベッ
ト1は例えば軟鋼製であり、頭部に若干の広がりがあ
り、その中心部は下端面から円柱状にくり抜かれてい
る。そして、接合すべきアルミニウム合金板2とアルミ
ニウム合金板3とを重ね、アルミニウム合金板3の下面
に型(図示せず)を配置し、アルミニウム合金板2の上
方からリベット1を打ち込み、前記型によりリベット1
の下半部を押し広げ、リベット1をアルミニウム合金板
2,3に係止させる。この際、型側のアルミニウム合金
板3はリベット1の拡開に合わせて流動し、同様に広が
る。
【0018】本発明においては、アルミニウム合金板
2、3は6000系の押出型材又は圧延板である。アル
ミニウム合金板2、3が押出型材である場合は、リベッ
ト1の打ち込み前に、JISのT1熱処理を施す。この
T1熱処理は、450乃至550℃の押出温度から冷却
させた状態である。そして、リベット1を打ち込んだ後
に、アルミニウム合金板2、3に対し、T5熱処理を施
す。このT5熱処理は、170乃至200℃に10分乃
至10時間加熱する熱処理である。
【0019】また、アルミニウム合金板2、3が圧延板
である場合は、リベット1の打ち込み前に、アルミニウ
ム合金板2、3をT4熱処理する。このT4熱処理は4
80乃至550℃に10分間以下加熱して溶体化処理す
るものである。そして、このT4熱処理の後、150乃
至200℃に30分乃至10時間加熱するT6熱処理を
施す。
【0020】このようにして、リベットの打ち込み前
は、アルミニウム合金板2、3は、押出後、単に冷却
させた状態(T1熱処理)、又は圧延後、溶体化処理
した状態(T4熱処理)であるので、軟らかく、流動変
形しやすいため、リベット1を打ち込んでも、図2に示
す型材側のアルミニウム合金板3の表面、即ち、型材に
接触していた面に微小な割れが発生しない。このため、
この微小な割れの進展により亀裂が発生することを防止
することができる。
【0021】そして、リベット1の打ち込み後、アルミ
ニウム合金板2,3をT5又はT6熱処理により高強度
化熱処理する。これにより、アルミニウム合金板2,3
は構造材として必要な強度を具備する。
【0022】一般的に、高強度の調質は、押出型材でT
5、圧延板でT6である。この調質に工業的に簡便な方
法で人工時効処理可能な調質が押出型材でT1、板材で
T4である。
【0023】なお、型側のアルミニウム合金板3の厚さ
t1と打ち込み側のアルミニウム合金板2の厚さt2と
の比t1/t2は0.5乃至10であることが好まし
い。この比t1/t2が0.5未満であると、リベット
1が型側のアルミニウム圧延板3を突き破りやすい。ま
た、比t1/t2が10より大きいと、リベット1がア
ルミニウム合金板2を穿孔できないか、又は穿孔しても
リベット開口部が広がらず、正常な接合部を得にくい。
【0024】また、リベット打ち込み後の接合部の突出
側(型側)面の表面粗さRy(JISB0601−19
94)は70μm以下であることが好ましい。この接合
部型側の表面粗さRyが70μmを超えると、疲労荷重
が印加された場合に、割れの起点となりやすく、疲労強
度が低下して疲労寿命が短くなるからである。
【0025】接合母材であるアルミニウム合金板2,3
の表面粗さRmaxは50μm以下であることが好まし
い。この母材の表面粗さRmaxが50μmを超える
と、接合部の型側の表面粗さが70μmを超えやすくな
る。
【0026】更に、リベット1の直径は2乃至10mm
であることが好ましい。リベット径が2mm未満である
と、得られる接合部の継手強度が小さくなってしまい、
リベット径が10mmを超えると、自己穿孔型リベット
の打ち込み装置の構造上、接合可能なフランジ幅に制約
が生じるからである。
【0027】更にまた、T5,T6熱処理後の接合部の
型材側の表面、即ち突出側の表面のマイクロビッカース
硬度は100HV以上であることが好ましい。硬度が1
00HV未満であると、かしめ効果が不十分となり、所
望の継手性能を得ることができない。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例について、その特性を
比較例と比較してその効果について説明する。実施例
は、6N01アルミニウム合金押出型材をT1熱処理
し、その後、リベット接合し、更にT5熱処理したもの
である。一方、比較例は、6N01アルミニウム合金圧
延板をT5熱処理した後、リベット接合したものであ
る。リベット径は5mmである。
【0029】この接合部の継手サイズは40mm×15
0mmで板厚が2mmであり、ラップ代は50mmであ
る。そして、この接合部の引張せん断強度及び引張疲労
強度を測定した。荷重方向は引張せん断方向であり、荷
重比はR=0.1、加振周波数は30Hzである。
【0030】下記表1は、引張せん断強度を示す。ま
た、疲労試験の結果は下記表2及び図3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】この表1に示すように、本発明の実施例1
乃至3は比較例4乃至6の接合部と同等以上の引張せん
断強度を有している。一方、表2に示すように、疲労強
度については、同一荷重で比較すると、本発明の実施例
は比較例の10乃至102倍寿命が長い。
【0034】そして、図3に示すように、実施例の疲労
強度は、全てのサイクル数において比較例よりも高い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は軟らかい
状態でアルミニウム合金材にリベットを打ち込み、リベ
ット打ち込み後に高強度化熱処理して構造材としての必
要な強度を得るから、型側の接合部表面に微小な割れが
生成することを防止でき、亀裂の発生を防止することが
できる。このため、本発明の接合部は、疲労強度が極め
て優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】自己穿孔型リベット1を示す断面図である。
【図2】接合部の構造を示す断面図である。
【図3】実施例及び比較例の疲労強度を示すグラフ図で
ある。
【符号の説明】
1:リベット 2、3:アルミニウム合金板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS6000系アルミニウム合金材を
    重ね、両者を自己穿孔型リベットにより接合して構成さ
    れたアルミニウム合金接合体において、前記リベットの
    打ち込み後に、前記アルミニウム合金材が高強度化熱処
    理を施されていることを特徴とする自己穿孔型リベット
    によるアルミニウム合金接合体。
  2. 【請求項2】 JIS6000系アルミニウム合金材を
    重ね、両者を自己穿孔型リベットにより接合して構成さ
    れたアルミニウム合金接合体において、前記アルミニウ
    ム合金材は、少なくともその打ち込み型側のものが、前
    記リベットの打ち込み後に高強度化熱処理を施されてい
    ることを特徴とする自己穿孔型リベットによるアルミニ
    ウム合金接合体。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム合金材が押出材である
    場合は、前記高強度化熱処理はJISのT5熱処理であ
    り、前記アルミニウム合金材が圧延板である場合は、前
    記高強度化熱処理はJISのT6熱処理であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の自己穿孔型リベットに
    よるアルミニウム合金接合体。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム合金材が押出材である
    場合は、前記リベットの打ち込み前にJISのT1熱処
    理を施され、前記アルミニウム合金材が圧延板である場
    合は、前記リベットの打ち込み前にJISのT4熱処理
    を施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載の自己穿孔型リベットによるアルミニウ
    ム合金接合体。
  5. 【請求項5】 JIS6000系アルミニウム合金材を
    重ね、両者に自己穿孔型リベットを打ち込んで両者を接
    合し、前記リベットの打ち込み後に、前記アルミニウム
    合金材を高強度化熱処理することを特徴とする自己穿孔
    型リベットによるアルミニウム合金接合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 JIS6000系アルミニウム合金材を
    重ね、両者に自己穿孔型リベットを打ち込んで両者を接
    合し、前記リベットの打ち込み後に、前記アルミニウム
    合金材の少なくともその打ち込み型側のものを、高強度
    化熱処理することを特徴とする自己穿孔型リベットによ
    るアルミニウム合金接合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アルミニウム合金材が押出材である
    場合は、前記高強度化熱処理はJISのT5熱処理であ
    り、前記アルミニウム合金材が圧延板である場合は、前
    記高強度化熱処理はJISのT6熱処理であることを特
    徴とする請求項5又は6に記載の自己穿孔型リベットに
    よるアルミニウム合金接合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルミニウム合金材が押出材である
    場合は、前記リベットの打ち込み前にJISのT1熱処
    理を施され、前記アルミニウム合金材が圧延板である場
    合は、前記リベットの打ち込み前にJISのT4熱処理
    を施されていることを特徴とする請求項5乃至7のいず
    れか1項に記載の自己穿孔型リベットによるアルミニウ
    ム合金接合体の製造方法。
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