JPH11345521A - 成形ハーネス及びその製造方法 - Google Patents

成形ハーネス及びその製造方法

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JPH11345521A
JPH11345521A JP10154008A JP15400898A JPH11345521A JP H11345521 A JPH11345521 A JP H11345521A JP 10154008 A JP10154008 A JP 10154008A JP 15400898 A JP15400898 A JP 15400898A JP H11345521 A JPH11345521 A JP H11345521A
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Japan
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resin
wire bundle
mold
molded
harness
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Application number
JP10154008A
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English (en)
Inventor
Kiyohiko Sano
清彦 佐野
Takao Tateyama
孝雄 舘山
Ginsaku Nasu
銀佐久 那須
聡 ▲高▼村
Satoshi Takamura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に製造することができ生産性を向上させる
ことができる成形ハーネス及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】本発明の成形ハーネス9は電線束13の湾
曲部や分岐部に、樹脂成形部材10,11,12を成形
したものである。樹脂成形部材10,11,12は同じ
高さの中心軸を有する配索溝41を形成した複数の上下
金型32〜37内に熱可塑性樹脂を注入することによっ
て形成される。そして、ある樹脂成形部材10,11,
12を他の樹脂成形部材10,11,12に対して捩
り、又はある金型32〜37を他の金型32〜37に対
して捩ることにより、電線束13が捻られた三次元構造
の成形ハーネス9が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の電気配
線に用いられ、電線束の湾曲部や分岐部に樹脂成形した
樹脂成形部材を有する成形ハーネス及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の電気配線に用いられるハーネ
スは、例えば図6に示すように、柔軟な撚り線導体2を
用いた電線を複数本、束にした電線束の上から粘着テー
プ3を巻いて束ね、電線束の端部にコネクタ7を取付け
た構造になっている。ハーネスが柔軟な構造にされるこ
とにより、ハーネスを自動車内に配索する際の作業性を
向上させることができる。なお、図6中、8はグロメッ
トである。
【0003】しかし、ハーネスが柔軟な構造であるため
に、多くの欠点も有している。すなわち、ハーネスを自
動車内に配索して固定するには、電線束の上に巻いた粘
着テープ3に、クリップのような固定部品4,5を多
数、装着する必要がある。さらに例えば、ドア用のハー
ネスのように、窓ガラスが上下する空間内には、ハーネ
スの配線部がその空間内に絶対に侵入することがないよ
うに、厳密に配索し、固定しなければならない。そのた
めには、多数の固定部品4,5をハーネスに取付けなけ
ればならず、その作業が面倒であり、生産性向上の障害
となっている。
【0004】また、自動車の構造体の穴を通して配線さ
れる部分等には、摩擦による外傷を防止するため、保護
チューブ等の保護部材6を粘着テープ3に装着する必要
がある。したがって、ハーネスの製造過程においては、
固定部品4,5や保護部材6等多数の部品を粘着テープ
等を用いてハーネスに取りつける作業が必要である。こ
れらの作業は多くの場合、人手によるものであり、生産
性が低い。
【0005】また、自動車の組立てラインにおける製造
工程でハーネスを装着する作業は、ロープのような柔軟
なものを配索し、多数の固定部品4,5を用いて装着し
ていくため、長時間を要している。例えば、ドア用のハ
ーネスの場合は、ドアパネルとドアインナパネルとの間
のような狭い空間に手探りで固定しなければならず、大
変な熟練が必要となっている。
【0006】そこで、このような対策として、古くから
ハーネスのほぼ全体を三次元に成形した状態の成形ハー
ネスをドア用のインナパネル等に固定し、固定部品や保
護部材等の機能部品を一度に成形してしまう成形ハーネ
スが提案されている。
【0007】また、三次元構造を有するワイヤーハーネ
スの成形方法が特公平6−79454号に開示されてい
る。この方法は、複数組の割治具の各突き合わせ面に、
取付相手の形状に合わせて三次元構造の配線経路を構成
するための溝部を形成し、各割治具を三次元的に配置す
るとともに、それぞれ一方の割治具の溝部にワイヤーハ
ーネスの該当部分を載置し、それぞれ他方の割軸具を突
き合わせた後、各割治具の溝部内に液状の合成樹脂を圧
送して一体成形するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】自動車用のハーネスの
ように、複数の電線の分岐部が存在する場合、これらの
分岐部は種々の方向を向いていたり、湾曲していたりす
るため、成形金型が複雑な構造になってしまい、生産性
が向上しないという問題があった。
【0009】また、ハーネスを三次元に形成するため、
金型内に三次元の樹脂注型空間として、金型分割面を有
さないトンネル状の配索構造を作ったり、多数の金型面
を有する実質的に異なる穴をあけて金型を寄せ集めた形
に作成することが提案されている。
【0010】しかし、金型分割面を有さないトンネル状
の配索構造を作る方法では、電線束の配索や金型によっ
て成形された成形物を離型する際に手間がかかるという
欠点がある。また、金型を寄せ集めた形でハーネスを三
次元構造に作成する方法では、多数の柔軟な電線束を、
複雑な形状で狭い金型内の配索構造に詰め込んで、金型
内に配索するときに、多人数が同時に作業しなければな
らず、生産性が低かった。
【0011】さらに、成形方法や成形材料にも従来は適
当なものがなかった。すなわち、2液ポリウレタンのよ
うな熱硬化性樹脂を用いることがしばしば提案されてい
るが、熱硬化性樹脂では生産性が上がらない。すなわ
ち、金型からの離型時間は、流れ性が著しく変化しない
可使時間の数十倍かかる。離型時間を短くするために、
速硬化材料の樹脂を用いると、その樹脂は混合後、すぐ
ノズル内に詰まってしまうおそれがあり、ハンドリング
性が悪い。逆に、遅硬化材料の樹脂を用いた場合は、離
型時間が長くなり、生産性が上がらない。
【0012】一方、インジェクション成形の場合はこの
ような反応速度による制約がないため、遥かにサイクル
タイムの短い成形が可能であるが、金型温度を高温に調
整した状態で金型内に高圧で樹脂を射出するため、金型
の高温と変形によって、電線の被覆が破れるおそれがあ
る。
【0013】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、容易に製造することができ生産性を向
上させることができる成形ハーネス及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の成形ハーネス
は、湾曲部や分岐部等を有する電線束と、その電線束の
湾曲部や分岐部等の所定箇所に設けられた複数の樹脂成
形部材とを有し、一方の樹脂成形部材と他方の樹脂成形
部材との間にある電線束が選択的に捻じれて形成され
る、ことを特徴とするものである。
【0015】上記電線束の捻れ角度は、60度乃至12
0度であるのが好ましい。
【0016】本発明の成形ハーネスの製造方法は、
(1)略同一の高さに配索溝がある複数の第1の金型
を、電線束の湾曲部や分岐部等の位置に対応して配置す
る工程と、(2)前記第1の金型の配索溝内に電線束を
配索する工程と、(3)第2の金型を第1の金型に接合
し、第1及び第2の金型内に樹脂を注入する工程と、
(4)前記注入された樹脂を固化し、樹脂成形部材を成
形する工程と、(5)前記第1及び第2の金型を離型し
て樹脂成形部材を取り出す工程と、(6)取り出された
一方の樹脂成形部材を他方の樹脂成形部材に対して捻る
ことにより、電線束を捻る工程と、を有し、(1)から
(6)の順序で行うことを特徴とするものである。
【0017】本発明の他の成形ハーネスの製造方法は、
(1)略同一の高さに配索溝がある複数の第1の金型
を、電線束の湾曲部や分岐部等の位置に対応して配置す
る工程と、(2)前記第1の金型の配索溝内に電線束を
配索する工程と、(3)第2の金型を第1の金型に接合
し、第1及び第2の金型内に樹脂を注入する工程と、
(4)前記注入された樹脂を固化し、樹脂成形部材を成
形する工程と、(5)一方の第1及び第2の金型を他方
の第1及び第2の金型に対して捻ることにより、電線束
を捻る工程と、(6)前記第1及び第2の金型を離型し
て樹脂成形部材を取り出す工程と、を有し、(1)から
(6)の順序で行うことを特徴とするものである。
【0018】本発明のさらに他の成形ハーネスの製造方
法は、(1)略同一の高さに配索溝がある複数の第1の
金型を、電線束の湾曲部や分岐部等の位置に対応して配
置する工程と、(2)前記第1の金型の配索溝内に電線
束を配索する工程と、(3)第2の金型を第1の金型に
接合し、一方の第1及び第2の金型を他方の第1及び第
2の金型に対して捻ることにより、電線束を捻る工程
と、(4)前記第1及び第2の金型内に樹脂を注入する
工程と、(5)前記注入された樹脂を固化し、樹脂成形
部材を成形する工程と、(6)前記第1及び第2の金型
を離型して樹脂成形部材を取り出す工程と、を有し、
(1)から(6)の順序で行うことを特徴とするもので
ある。
【0019】上記捻る角度は、60度乃至120度であ
るのが好ましい。
【0020】上記樹脂成形に用いられる樹脂組成物は、
熱可塑性樹脂組成物であるのが好ましい。また、上記熱
可塑性樹脂組成物は、220℃での溶融粘度が100P
a・S以下で、軟化点が120℃乃至210℃の組成物
であるのが好ましい。
【0021】熱可塑性樹脂組成物は、結晶融点が120
℃乃至210℃の組成物であるのが好ましい。熱可塑性
樹脂組成物は、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂からなる
群から選択される熱可塑性樹脂を用いた樹脂組成物であ
る。
【0022】本発明の成形ハーネスによれば、クリップ
の数を減少することができ、また、電線束の湾曲部や分
岐部等の所定箇所に樹脂成形部材が部分的に設けられる
ので、信頼性や安全性を向上させることができ、さら
に、複雑な金型を用いることなく電線束が捻じられるこ
とにより、容易に三次元構造を得ることができる。ま
た、全長にわたってテープ、クリップ、プロテック等を
装着する必要がなくなる。
【0023】本発明の成形ハーネスの製造方法によれ
ば、電線束を配索する金型の配索溝がほぼ同一の高さに
配置した状態で、金型内の配策作業を行うことになり、
電線束は金型内に壁面や電線同士の摩擦力等で固定され
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図5を参照しながら説明する。ここでは、一例とし
て、自動車の車体に組付けられる成形ハーネスについて
説明する。
【0025】本発明の成形ハーネス9は図1に示すよう
に、三次元立体構造の電線束13の湾曲部や分岐部に第
1,第2,第3の樹脂成形部材10,11,12を熱可
塑性樹脂によって設けたことを特徴とするものである。
分岐部や湾曲部に設ける第1,第2,第3の樹脂成形部
材10,11,12は、クリップの数を減少させたり、
信頼性や安全性を向上させるための形状に形成される。
【0026】第1の樹脂成形部材10は湾曲部に設けら
れ、湾曲した形状の固定樹脂成形部材14と取付部とし
てのクリップ部15が熱可塑性樹脂によって同時に成形
される。固定樹脂成形部材14に連続する電線束13に
はグロメット21が覆われ、グロメット21から導出す
る電線13aにはコネクタ22が取付けられる。
【0027】第2及び第3の樹脂成形部材11,12は
分岐部に設けられ、クリップ部16,17が形成され
る。第2及び第3の樹脂成形部材11,12から分岐さ
れる電線13aの先端にもコネクタ22が取付けられ
る。このような成形ハーネス9のコネクタ22は、自動
車の車体に装備されるスピーカ、パワーウィンド、ドア
ロック等の電気装置のコネクタに接続される。
【0028】成形ハーネス9は、図2(A)(B)に示
すような自動車のドアの部分に組み入れられる。ドアは
ドアパネル23とドアインパネル24とドアトリム25
が重ね合わされた構成となっている。ドアパネル23と
ドアインパネル24との間には、窓ガラス30が昇降動
する窓ガラス移動空間31が形成される。ドアパネル2
3のヒンジ側の端面やドアインパネル24には、三次元
的な位置関係となる穴溝26,27,28,29が形成
されている。
【0029】第1の樹脂成形部材10の固定樹脂成形部
材14の先端部は、図2(B)に示すようにドアパネル
23の端面に形成された穴溝26に固定され、クリップ
部15がインナパネル23の穴溝27に固定される。第
1の樹脂成形部材10のクリップ部15と第2,第3の
樹脂成形部材11,12のクリップ部16,17は、ド
アインパネル24に形成された穴溝27,28,29に
それぞれ固定される。樹脂成形部材10,11,12の
クリップ部15,16,17の外径は、穴溝27,2
8,29の径よりも若干、大きくされ、圧力を加えるこ
とにより、穴溝27,28,29に挿入され、固定され
る。
【0030】したがって、第1の樹脂成形部材10の固
定樹脂成形部材14の湾曲して作られる面は、インナパ
ネル24に対して垂直に固定され、第1の樹脂成形部材
10が窓ガラス移動空間31内へ絶対に移動しないよう
にされている。第2の樹脂成形部材11はインナパネル
24と同一面に分岐し、第3の樹脂成形部材12はイン
ナパネル24と垂直な方向に分岐している。したがっ
て、本発明の成形ハーネス9は三次元的な位置関係とな
るドアの部分に容易に組入れることができる。
【0031】次に本発明の三次元構造の成形ハーネス9
の製造方法について図3及び図4を参照しながら説明す
る。本発明の成形ハーネス9の樹脂成形部材10,1
1,12は、図3(A)に示すように湾曲部や分岐部の
位置に対応して作業台38上に配置された下金型32,
33,34と上金型35,36,37によって形成す
る。下金型32,33,34は図3(B)及び図4に示
すように、配索溝41の中心軸がほぼ同一の高さに一致
されている。この配索溝41上にコネクタ22を装着し
た電線束13を配索する。配索溝41の中心軸がほぼ同
一の高さであるため、この電線束13は平面もしくは平
面に近い形で配策される。
【0032】また、配索溝41の中心軸がほぼ同一の高
さであるから、電線束13は下金型32,33,34内
に壁面や電線同士の摩擦力等で固定して配索できる。下
金型32,33,34への配索作業については、必要に
応じて、下金型32,33,34に配置されている固定
ジグで、電線束13を下金型32,33,34に固定し
た後に上金型35,36,37を置いて固定する。した
がって、本発明の電線束13の配索作業は、従来の三次
元の配索構造を有する金型の場合に比べて遥かに労力が
軽減される。
【0033】また、電線束13の配索構造を図4(A)
に示すように、配索溝41の直径の位置で下金型32,
33,34と上金型32,33,34の割面を設ける
他、図4(B)に示すように、下金型39と上金型40
との割面を上金型40の方へずらして、若干、オーバー
ハング部42を設けることによって、電線束13を配索
溝41内に完全に固定するようにすることもできる。こ
の時、抵抗力が大きくなり成形体を離型し難い場合は、
爪状の引掛部を部分的に金型に設けるようにしてもよ
い。なお、以下、下金型32,33,34には図4
(B)の下金型39を含み、上金型32,33,34に
は図4(B)の上金型40を含むものとして説明する。
【0034】電線束13が配策された下金型32,3
3,34上には上金型35,36,37を置いて固定す
る。
【0035】続いて、190℃に加熱溶融した熱可塑性
樹脂を常温の金型32〜37内に注入する。加熱溶融し
た熱可塑性樹脂は常温で固化し、金型32〜37を離型
すると、樹脂成形部材10,11,12が得られる。こ
のような樹脂成形部材10,11,12を設けた電線束
13は、電線束13を配索する配索溝41の中心軸がほ
ぼ同一の高さに配置されているため、図5に示すように
平面的な位置関係にある。なお、図1及び図5中、1
8、19、20は金型の割面跡である。
【0036】次いで、図1に示す三次元立体構造の成形
ハーネス9にするため、ある樹脂成形部材を他の樹脂成
形部材に対して捻り、その間の電線束13を捻る。ある
樹脂成形部材と他の樹脂成形部材との捻じれ角度は、正
確に表現すると60〜120+180n度(nは正整
数)が好ましい。また、金型32〜37の割面は樹脂成
形部材10,11,12に痕跡を残すので、樹脂成形部
材10,11,12が何度ぐらい捻られたかがわかりや
すい。捻られた電線束13は、柔軟性があるので簡単に
変形することができ、また癖を付けることが可能であ
る。したがって、本発明の成形ハーネス9は車体等に組
付ける三次元立体構造に固定することができる。
【0037】ただし、電線13aの本数が多くなり、電
線束13の径が大きくなると、ある樹脂成形部材10,
11,12を他の樹脂成形部材10,11,12に対し
て捻りにくくなり、治具等を用いて樹脂成形部材10,
11,12を捻らなければならなくなる。そこで、前記
のように樹脂成形部材10,11,12を成形した後
に、金型32〜37を離型し、その樹脂成形部材10,
11,12を捻ることにより、電線束13を捻じるとい
う順序を変えてもよい。
【0038】すなわち、樹脂成形部材10,11,12
を成形したある金型32〜37を他方の金型32〜37
に対して捻った後に、金型32〜37を離型する。この
ように樹脂成形部材10,11,12を成形した金型3
2〜37を捻ることにより、径の大きな電線束13に成
形した樹脂成形部材10,11,12を捻るための治具
を不要とすることができる。
【0039】さらに、電線束13を捻る別の方法とし
て、下金型32,33,34上に電線束13を配策し、
上金型35,36,37で閉じた状態で金型32〜37
を捻り、電線束13を捻った状態で、220℃に加熱溶
融した熱可塑性樹脂を常温の金型32〜37内に注入
し、常温で固化し、金型32〜37を離型し、樹脂成形
部材10,11,12を得るようにすることもできる。
このように、電線束13を配索した金型32〜37を捻
った後に、金型32〜37内に熱可塑性樹脂を注入して
樹脂成形部材10,11,12を成形する方が、電線束
13の捻りが樹脂成形部材10,11,12で固定され
るため、電線束13は捻られた形態で固定されるという
点では優れている。
【0040】この場合、電線束13が傷つかないように
するため、金型32〜37の電線束導出部に電線束保護
部材を設けるようにしてもよい。また、樹脂成形部材1
0,11,12に用いる金型32〜37の割面がその他
のどれか一つの金型32〜37の割面との捻れ角度は正
確に表現すると、60〜120+180n度(nは正整
数)である。
【0041】いずれにしても樹脂成形部材10,11,
12を成形するには、溶融した熱可塑性樹脂を金型32
〜37内に圧送し、冷却固化することによって可能にな
る。この方法として、通常のインジェクション法があ
る。しかし、通常のインジェクション法であると、熱硬
化性樹脂の溶融温度より50℃程度低い温度に金型32
〜37を加熱して成形するため、加熱した金型32〜3
7内に電線束13を形を付けながら強制的に組込むこと
により、電線束13の絶縁体が高温の金型32〜37の
壁の尖った部分で傷がつくという問題がある。
【0042】金型32〜37を捻って電線束13を捻る
場合は、その電線束13に傷がつく可能性がさらに高ま
る。したがって、本発明では、金型を50℃以下、好ま
しくは常温付近の温度に保って成形することができる熱
可塑性樹脂組成物を用いる。このような熱可塑性樹脂組
成物は速やかに冷却固化するため、従来の2液ポリウレ
タン樹脂を用いた場合のようなハンドリング性の悪さが
ない。
【0043】本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物として
は、220℃での溶融粘度が100Pa・S以下、好ま
しくは0.1〜10Pa・Sの範囲で、JIS−k−2
207に規定されている環球式軟化点が120℃〜21
0℃であることが好ましい。
【0044】そのような熱可塑性樹脂組成物としては、
例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性
ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂から選択される熱可塑性樹
脂を用いた樹脂組成物である。
【0045】また、このような溶融粘度が低い熱可塑性
樹脂組成物は、いわゆるホットメルト接着剤として用い
られているものが好ましい。その理由は、成形樹脂と電
線の絶縁体との間の接着性が良好であるためである。ホ
ットメルト接着剤には、結晶融点以上で急激に樹脂粘度
が低下する性質があるので、多くの場合、結晶性熱可塑
性樹脂を用いた樹脂組成物が用いられている。例えば、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物が
入手しやすいので好ましい。
【0046】ここでいうポリアミド樹脂とは、(A)ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバスチン酸、ドデカ二酸、
ダイマー酸等のジカルボン酸とヘキサメチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、メタキシリレンジアミン等の
ジアミンを縮重合反応で得られるホモもしくは共重合体
樹脂、また(B)モノマー分子中にカルボキシル基とア
ミノ基を有するεーカプロラクタム、ωーラウロラクタ
ム、11ーアミノウンデカン酸、12ーアミノドデカン
酸等のモノマー分子を縮重合して得られるホモもしくは
共重合体樹脂、また(A)群のジガルボン酸、ジアミン
と、(B)群のモノマーの共重合体をいう。
【0047】ポリエステル樹脂としては、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ヘキ
サヒドロフタル酸等のジカルボン酸と、例えばアルキレ
ングリコール、ビスフェノールA、ポリエアルキレング
リコール等のジオールとの縮合反応でできる共重合体樹
脂がある。
【0048】ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂
は、それぞれエチレンやプロピレンのホモ重合体もしく
はα―オレフィンとの共重合体である。また、これらの
樹脂には必要に応じてロジン類、ポリテルペン系樹脂、
脂環族石油樹脂、芳香族石油樹脂、フェノール系樹脂、
スチレン系樹脂等の粘着付与剤を添加すると、ハーネス
電線と成形樹脂の接着力が向上し、三次元成形ハーネス
の装着、固定の長期安定化に好ましい。さらに、溶融時
の高温に対する特性の安定化のために酸化防止剤を配合
することが好ましい。
【0049】このような比較的低分子量の樹脂では、結
晶性樹脂の方が広い温度範囲で適度な柔軟性と機械的強
度の両方を有するため、結晶性熱可塑性樹脂の組成物の
方が成形物の強度の安定性から望ましい。この結晶性樹
脂の場合、上記軟化点が結晶融点とほぼ同一である。熱
可塑性樹脂は、溶融粘度が上記の範囲であると、金型温
度をたとえ常温付近に設定しても、高い圧力を要しない
で、金型内に十分、射出することができる。
【0050】なお、ここで熱可塑性樹脂の軟化点を12
0℃〜210℃の範囲とした理由は、自動車内でのハー
ネスの使用条件は80℃〜120℃であるため、熱可塑
性樹脂の軟化点や結晶融点が120℃以上であることが
好ましく、また、熱可塑性樹脂の軟化点が210℃以上
の温度であると、溶融樹脂の温度を250℃以上にする
必要があり、樹脂の分解等の点で好ましくならないから
である。
【0051】本発明は、上記実施の形態に限定されるこ
とはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範
囲内において、種々の変更が可能である。したがって、
本発明の成形ハーネスは自動車の車体に組付ける用途に
限定するものではない。また、樹脂成形部材は3か所に
設けるものに限定しないことはいうまでもない。
【0052】
【実施例】金型に加熱溶融した熱可塑性樹脂を注入し、
樹脂成形部材を成形した後に電線束を捻じる方法におい
て、熱可塑性樹脂としてプロピレン・ブチレン共重合体
とテレピン系粘着付与剤よりなる樹脂組成物を使用し、
軟化点が135℃〜150℃、結晶融点が151℃、2
20℃の溶融温度は2.5Pa・Sであった。
【0053】電線束を捻じった状態で、金型に加熱溶融
した熱可塑性樹脂を注入し、樹脂成形部材を成形する方
法において、熱可塑性樹脂としてダイマー酸とジアミン
よりなるポリアミド樹脂を使用し、軟化点が171℃〜
181℃、結晶融点が171℃、220℃の溶融粘度
は、2.4Pa・Sであった。
【0054】
【発明の効果】本発明の成形ハーネスによれば、クリッ
プの数を減少させたり、信頼性や安全性を向上させるの
に必要な電線束の湾曲部や分岐部等の所定箇所に樹脂成
形部材が部分的に設けられるので、複雑な金型を用いる
ことなく電線束が捻じられることにより、容易に三次元
構造を得ることができ、生産性が向上する。また、全長
にわたってテープ、クリップ、プロテック等を装着する
必要がなくなるので、軽量化を図ることができる。
【0055】本発明の成形ハーネスの製造方法によれ
ば、電線束を配索する金型の配索溝がほぼ同一の高さに
配置した状態で、金型内の配策作業を行うので、生産性
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形ハーネスの斜視図である。
【図2】(A)は成形ハーネスを組付ける自動車のドア
の部分の分解斜視図であり、(B)は本発明に係る成形
ハーネスを自動車のドアの部分に組付けた状態の分解斜
視図である。
【図3】(A)は本発明に係る成形ハーネスを製造する
金型を配置する位置関係を示す平面図であり、(B)は
同じく側面図である。
【図4】(A)及び(B)は本発明に係る成形ハーネス
を製造する金型の一例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る成形ハーネスの製造途中の斜視図
である。
【図6】従来のハーネスの斜視図である。
【符号の説明】
9:成形ハーネス 10:樹脂成形部材 11:樹脂成形部材 12:樹脂成形部材 13:電線束 32:下金型 33:下金型 34:下金型 35:上金型 36:上金型 37:上金型 41:配索溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼村 聡 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湾曲部や分岐部等を有する電線束と、その
    電線束の湾曲部や分岐部等の所定箇所に設けられた複数
    の樹脂成形部材とを有し、 一方の樹脂成形部材と他方の樹脂成形部材との間にある
    電線束が選択的に捻じれて形成される、ことを特徴とす
    る成形ハーネス。
  2. 【請求項2】前記電線束の捻れ角度は、60度乃至12
    0度であることを特徴とする請求項1に記載の成形ハー
    ネス。
  3. 【請求項3】(1)略同一の高さに配索溝がある複数の
    第1の金型を、電線束の湾曲部や分岐部等の位置に対応
    して配置する工程と、 (2)前記第1の金型の配索溝内に電線束を配索する工
    程と、 (3)第2の金型を第1の金型に接合し、第1及び第2
    の金型内に樹脂を注入する工程と、 (4)前記注入された樹脂を固化し、樹脂成形部材を成
    形する工程と、 (5)前記第1及び第2の金型を離型して樹脂成形部材
    を取り出す工程と、 (6)取り出された一方の樹脂成形部材を他方の樹脂成
    形部材に対して捻ることにより、電線束を捻る工程と、 を有し、(1)から(6)の順序で行うことを特徴とす
    る成形ハーネスの製造方法。
  4. 【請求項4】(1)略同一の高さに配索溝がある複数の
    第1の金型を、電線束の湾曲部や分岐部等の位置に対応
    して配置する工程と、 (2)前記第1の金型の配索溝内に電線束を配索する工
    程と、 (3)第2の金型を第1の金型に接合し、第1及び第2
    の金型内に樹脂を注入する工程と、 (4)前記注入された樹脂を固化し、樹脂成形部材を成
    形する工程と、 (5)一方の第1及び第2の金型を他方の第1及び第2
    の金型に対して捻ることにより、電線束を捻る工程と、 (6)前記第1及び第2の金型を離型して樹脂成形部材
    を取り出す工程と、 を有し、(1)から(6)の順序で行うことを特徴とす
    る成形ハーネスの製造方法。
  5. 【請求項5】(1)略同一の高さに配索溝がある複数の
    第1の金型を、電線束の湾曲部や分岐部等の位置に対応
    して配置する工程と、 (2)前記第1の金型の配索溝内に電線束を配索する工
    程と、 (3)第2の金型を第1の金型に接合し、一方の第1及
    び第2の金型を他方の第1及び第2の金型に対して捻る
    ことにより、電線束を捻る工程と、 (4)前記第1及び第2の金型内に樹脂を注入する工程
    と、 (5)前記注入された樹脂を固化し、樹脂成形部材を成
    形する工程と、 (6)前記第1及び第2の金型を離型して樹脂成形部材
    を取り出す工程と、 を有し、(1)から(6)の順序で行うことを特徴とす
    る成形ハーネスの製造方法。
  6. 【請求項6】前記捻る角度は、60度乃至120度であ
    ることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1つの項
    に記載の成形ハーネスの製造方法。
  7. 【請求項7】前記樹脂成形に用いられる樹脂組成物は、
    熱可塑性樹脂組成物であることを特徴とする請求項3乃
    至6のいずれか1つの項に記載の成形ハーネスの製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記熱可塑性樹脂組成物は、220℃での
    溶融粘度が100Pa・S以下で、軟化点が120℃乃
    至210℃の組成物であることを特徴とする請求項7に
    記載の成形ハーネスの製造方法。
  9. 【請求項9】前記熱可塑性樹脂組成物は、結晶融点が1
    20℃乃至210℃の組成物であることを特徴とする請
    求項7に記載の成形ハーネスの製造方法。
  10. 【請求項10】前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリアミド
    樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
    ピレン樹脂からなる群から選択される熱可塑性樹脂を用
    いた樹脂組成物であることを特徴とする請求項9に記載
    の成形ハーネスの製造方法。
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