JPH11347384A - セルロース系透析膜の製造方法 - Google Patents

セルロース系透析膜の製造方法

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JPH11347384A
JPH11347384A JP10164736A JP16473698A JPH11347384A JP H11347384 A JPH11347384 A JP H11347384A JP 10164736 A JP10164736 A JP 10164736A JP 16473698 A JP16473698 A JP 16473698A JP H11347384 A JPH11347384 A JP H11347384A
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membrane
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urea
tertiary amine
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Masahito Kudo
雅人 工藤
Yoshihiko Abe
吉彦 阿部
Akira Mochizuki
明 望月
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体適合性および膜透過性能に優れており、安
全性が高いため、医療用透析膜として有用なセルロース
系透析膜の製造方法であって、工業的に容易に入手でき
る原料を用いることを特徴とするセルロース系透析膜の
製造方法の提供。 【解決手段】第三級アミンオキシド、水および尿素系溶
媒からなる混合溶媒にセルロースおよびセルロース誘導
体を溶解してなる製膜用組成物を用いて製膜するセルロ
ース系透析膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系透析
膜およびその製造方法に関する。より詳しくは、生体適
合性に優れ、医療用透析膜として有用なセルロース系透
析膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】慢性腎不全患者に対する透析療法に用い
られる透析膜には、従来、セルロース系の素材が用いら
れていたが、近年、尿素等の低分子量物質、分子量10
0〜5000の尿毒性中分子量物質および長期透析患者
に有害となる低分子量蛋白質であるβ2−ミクログロブ
リン(分子量11800)等を効率的に除去し、かつ、
有用な低分子量蛋白質であるアルブミン(分子量660
00)は透過しないように分画性能を制御した、膜透過
性能に優れるハイパフォーマンス膜が開発され、現在で
は合成高分子膜が主流となっている。また、透析治療時
に一時的な白血球減少症とともに、補体の活性化を引き
起こす等、セルロース系膜が合成高分子膜に比べて生体
適合性に劣ることも、合成高分子膜が多く用いられる理
由の1つとなっている。しかし、セルロース系膜は、合
成高分子膜に比べて機械的強度が格段に高く、高速紡糸
による効率的な生産が可能である。また、膜厚を薄くす
ることができるので、低コストでコンパクトなモジュー
ルが作製できるという利点がある。さらに、使用後、焼
却処分する時に有害なガスが発生せず、環境に優しい材
料であるといえる。セルロース系膜のこれらの特長を生
かすため、生体適合性および膜透過性能の優れたセルロ
ース系膜が望まれている。
【0003】従来より血液浄化膜に用いる再生セルロー
ス膜は、銅アンモニウム法、鹸化法、ビスコース法等に
より調製されているが、これらの方法で高い透水性と優
れた分画特性を有する膜を作るには限界がある。そこ
で、セルロース系膜に高い膜透過性能を付与する方法と
して、N−メチルモルフォリン−N−オキシド(NMM
O)を溶媒として用いたものが、欧州特許出願公開明細
書(EP0807460A1)及び本発明者らの特許出
願明細書(特願平10―5209号)に開示されてい
る。一方、セルロース系膜の生体適合性を改善するに
は、補体活性化の中心となるセルロース水酸基をマスク
すればよいと考えられており、この観点からポリエチレ
ングリコール鎖を膜表面に固定化したり、4級アンモニ
ウム基を導入したセルロース誘導体膜が検討されてい
る。また、前記欧州特許出願公開明細書には、セルロー
ス/変性セルロースと、第三級アミンオキシドおよび1
種または数種のその他の液体との混合物から所定の製法
で製造されたセルロース透析膜は、良好な生体適合性を
有する旨記載されている。そして、セルロース誘導体の
置換基としてベンジル基等の炭素数の大きいアルキル
基、アシル基等が例示され、第三級アミンオキシドとし
てN−メチルモルフォリン−N−オキシドおよびジメチ
ルシクロヘキシルアミン−N−オキシドが例示され、そ
の他の液体として、水、ジメチルフォルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルフォキシドおよびN−
メチルピロリドンが例示されている。しかし、前記製法
には、セルロースの誘導体化反応後にアルキル化剤、ア
シル化剤等が残留しやすく、生体に悪影響を及ぼすおそ
れがあること、炭素数の大きいアルキル基、アシル基等
で修飾されたセルロースは工業的に入手することが困難
であること等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体適合性
および膜透過性能に優れており、安全性が高いため、医
療用透析膜として有用なセルロース系透析膜の製造方法
であって、工業的に容易に入手できる原料を用いること
を特徴とするセルロース系透析膜の製造方法を提供する
ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、安全性が高く、工業的に容易に入手する
ことができるメチルセルロース、エチルセルロース、プ
ロピルセルロース等の低級アルキルセルロースをセルロ
ースにブレンドしてセルロース系透析膜を製造する方法
について検討した。そのために、セルロースおよび低級
アルキルセルロースの両者を溶解する溶媒について検討
した。しかし、メチルセルロース、エチルセルロース、
プロピルセルロース等の低級アルキルセルロースは、セ
ルロースの溶媒として公知であるN−メチルモルフォリ
ン−N−オキシドには溶解しない。また、前記欧州特許
出願明細書に開示されているジメチルフォルムアミド等
の有機溶媒とN−メチルモルフォリン−N−オキシド等
の第三級アミンオキシドとの混合溶媒は相分離を起こし
てしまうので、セルロースおよび低級アルキルセルロー
スの溶媒として用いることができない。
【0006】本発明者らは、これらの問題点を考慮し鋭
意検討した結果、第三級アミンオキシドに尿素系溶媒を
併用することで、セルロースと低級アルキルセルロース
とを均一に溶解することができることを見出し、本発明
を完成した。
【0007】即ち、本発明は、第三級アミンオキシド、
水および尿素系溶媒からなる混合溶媒にセルロースおよ
びセルロース誘導体を溶解してなる製膜用組成物を用い
て製膜するセルロース系透析膜の製造方法を提供する。
【0008】前記尿素系溶媒がN,N′−ジメチルエチ
レン尿素であるのが好ましい。
【0009】前記混合溶媒の組成が、第三級アミンオキ
シド49〜98wt%、水1〜20wt%、尿素系溶媒
1〜50wt%であるのが好ましい。
【0010】前記セルロース誘導体がメチルセルロー
ス、エチルセルロースおよびプロピルセルロースからな
る群から選択される少なくとも1つであるのが好まし
い。
【0011】前記製膜用組成物が、第三級アミンオキシ
ドおよび水からなる溶液にセルロースを溶解したセルロ
ース溶液と、セルロース誘導体のN,N′−ジメチルエ
チレン尿素溶液とを混合して得られるものであるのが好
ましい。
【0012】また、本発明は、前記製膜用組成物を提供
する。
【0013】さらに、本発明は、前記製膜用組成物を製
膜して得られるセルロース系透析膜を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明は、第三級アミンオキシド、水および尿素系
溶媒からなる混合溶媒にセルロースおよびセルロース誘
導体を溶解してなる製膜用組成物を用いて製膜するセル
ロース系透析膜の製造方法である。
【0015】混合溶媒中の第三級アミンオキシドは、一
般にセルロース溶液を調製するのに使用されている公知
のものを使用できる。例えば、N−メチルモルフォリン
−N−オキシド、N,N−ジメチルエタノールアミン−
N−オキシド、N,N−ジメチルシクロへキシルアミン
−N−オキシド、N,N,N−トリエチルアミン−N−
オキシド、N,N−ジメチルベンジルアミン−N−オキ
シド、N−メチルピペルジン−N−オキシドおよびこれ
らの水和物等が挙げられる。なかでも、入手が容易で、
かつその溶剤回収技術が確立されているN−メチルモル
フォリン−N−オキシドおよびその水和物が好ましい。
また、これらの第三級アミンオキシドおよびその水和物
は、単独でまたは複数を適切な割合で混合して使用する
ことができる。
【0016】混合溶媒中の水は、混合溶媒を調製する際
に第三級アミンオキシドの水和物を用いる場合には、該
水和物に由来するものであってもよいし、さらに別途添
加してもよい。
【0017】混合溶媒中の尿素系溶媒は、特に限定され
ず、例えば、N,N′−ジメチルエチレン尿素、テトラ
メチレン尿素、N,N′−ジエチルエチレン尿素、テト
ラエチレン尿素、N,N′−ジメチルプロピレン尿素、
N,N′−ジエチルプロピレン尿素、N,N′−ジメチ
ル尿素、N,N′−ジエチル尿素を用いることができ
る。なかでも、入手の容易なN,N′−ジメチルエチレ
ン尿素が好ましい。
【0018】混合溶媒の組成は、第三級アミンオキシド
49〜98wt%、水1〜20wt%、尿素系溶媒1〜
50wt%であるのが好ましい。この範囲であると、セ
ルロースとセルロース誘導体とをどちらも溶解すること
ができ、均一な溶液が得られるからである。
【0019】セルロースは、一般に人工腎臓用再生セル
ロール膜の製造に使用されている公知のものを使用でき
る。なかでも、長期にわたる臨床実験により安全性が確
認されている精製コットンリンター(α−セルロースが
97%以上)であって、特開平4−11008号公報に
おいて提案されている、TAPPI標準法T230に準
拠して測定された粘度が5〜20cp、粘度平均重合度
が500〜1,500のものが好ましい。
【0020】セルロース誘導体は、特に限定されず、セ
ルロースエーテル、セルロースエステル等を用いること
ができる。エーテル基およびエステル基中のRは炭素数
に限定されず、場合により置換されたアルキル基および
/またはアルケニル基および/またはシクロアルキル基
および/またはシクロアルケニル基および/またはアリ
ールアルキル基および/またはアリールアルケニル基で
ある。なかでもアルキルセルロースエーテル(以下、ア
ルキルセルロースということがある。)、特に安全性が
高いことが確認されている低級アルキルセルロースであ
るのが好ましい。低級アルキルセルロースは、例えば、
メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロ
ースが挙げられ、これらからなる群から選択される少な
くとも1つを好適に使用できる。これらは、置換度によ
り溶解性が異なるが、非水溶性であるものが製膜性がよ
いので好ましい。例えば、置換度2〜3であるのが好ま
しく、メチルセルロースの場合には、置換度2.4〜
2.8であるのが好ましく、エチルセルロースの場合に
は、置換度2.2〜2.6であるのが好ましい。
【0021】前記混合溶媒に前記セルロースおよびセル
ロース誘導体を溶解してなる製膜用組成物におけるセル
ロースおよびセルロース誘導体の割合は、両者合計で4
〜20wt%であるのが好ましい。また、セルロースと
セルロース誘導体の割合は、セルロース誘導体の置換度
にも依存するが、重量比でセルロース/セルロース誘導
体=99.5/0.5〜80/20であるのが、コスト
の面で好ましい。
【0022】前記製膜用組成物には、必要に応じて、そ
の製膜用組成物の熱安定性を得るために安定剤を混合す
ることができる。安定剤は、没食子酸エステル等;没食
子酸およびm−ジ没食子酸のグルコシドの混合物等が挙
げられる。なかでも、没食子酸n−プロピルとn−ドデ
シル硫酸ナトリウムを組み合わせたものが好ましく、こ
の場合の好適な配合割合はセルロースに対してそれぞれ
1wt%以下である。
【0023】混合溶媒にセルロースおよびセルロース誘
導体を溶解して製膜用組成物を得る方法は、特に限定さ
れない。例えば、前記混合溶媒にセルロースおよびセル
ロース誘導体を加え、加熱下に大きなせん断力を加える
方法を用いることができる。
【0024】また、セルロースを第三級アミンオキシド
および水からなる溶液に溶解し、別にセルロース誘導体
を尿素系溶媒に溶解し、これらを混合する方法を用いる
こともできる。この方法は、それぞれの溶解が容易であ
り、特に大きなせん断力を加える必要もない点で好まし
い。この場合には、好適な混合方法として、第三級アミ
ンオキシド70〜95wt%、水1〜20wt%および
セルロース4〜25wt%とからなるセルロース溶液5
0〜90重量部、N,N′−ジメチルエチレン尿素9
9.5〜20wt%およびセルロース誘導体0.5〜8
0wt%とからなるセルロース誘導体溶液10〜50重
量部、ならびに、第三級アミンオキシド水和物10〜3
0重量部を混合する方法を例示することができる。ここ
で、前記セルロース溶液中のセルロースの濃度は、4〜
25wt%であるが、より好ましくは5〜20wt%、
さらに好ましくは6〜10wt%である。4wt%未満
であると、人工腎臓用の膜として使用するために必要な
機械的強度を有するセルロース系透析膜が得られない場
合がある。25wt%を超えると、溶液の粘度が非常に
高くなり、均一な溶液調製および製膜が困難となる。具
体的には、一般に第三級アミンオキシドを用いた再生セ
ルロース繊維または再生セルロース膜の製造に使用され
ている公知の方法を使用できる。例えば、必要に応じ
て、加熱ヒーター、減圧脱泡装置を具備したスクリュー
式押出機、ニーダー等を用いることができる。また、そ
の好適な溶解温度は、80〜120℃である。80℃未
満であると、短時間でのセルロースの溶解が不十分とな
りやすく、均一溶液の調製が困難となる。120℃を超
えると、セルロースの重合度が低下する場合がある。
【0025】本発明の製膜用組成物を用いてセルロース
系透析膜を製膜する方法は、例えば、所定形状のダイか
らこの組成物を凝固浴中に押し出してセルロースを再生
し成形する方法があり、製膜用組成物を凝固再生浴に浸
漬する凝固再生工程を経ることによって膜状物を得る。
膜状物としては、平膜状物、中空糸膜状物等を例示する
ことができる。以下に、中空糸膜状物を得る場合を例に
挙げて説明するが、平膜状物等も同様の方法により得る
ことができる。本発明の製膜用組成物から中空糸膜状物
を得る方法としては、湿式紡糸法がある。湿式紡糸法
は、紡糸口金が凝固再生浴中に設置されていてもよい
し、紡糸口金が凝固再生浴の溶液面の上方に空間を隔て
て設置されていてもよい。中空を形成するための方法と
しては、一般的な中空糸の製法を用いることができ、例
えば、切欠き部をもった紡糸口金孔から製膜用組成物を
押し出す方法、紡糸口金孔の中央部に毛管を挿入し、空
気、不活性ガス、水、塩溶液等の不活性流体を製膜用組
成物の流れと同時に連続的に注入する方法等が挙げられ
る。
【0026】凝固再生浴は、水;第三級アミンオキシド
および水の混合溶液;水、第三級アミンオキシドおよび
尿素系溶剤の混合溶液等を好適に用いることができる。
なかでも、水、第三級アミンオキシドおよび尿素系溶剤
の混合溶液である場合には、前記製膜用組成物に用いら
れる混合溶媒と組成が同じであるため、凝固再生浴の溶
液を回収して再利用することが容易となるので好まし
い。この場合、水が99〜40wt%であることが好ま
しく、90〜70wt%であることがより好ましい。ま
た、第三級アミンオキシドと尿素系溶媒の割合は、溶液
回収を考慮すると、製膜用組成物に用いられる混合溶媒
と同じ割合であることが好ましい。また、凝固再生浴温
度は、エネルギー効率の点から、5〜40℃であること
が好ましく、10〜30℃であることがより好ましい。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。セルロース系透析膜の調製 以下に示される原料を用いて、以下のようにして、第1
表に示される各セルロース系透析膜を得た。 (実施例1)予め90℃に加熱して溶解させたN−メチ
ルモルフォリン−N−オキシド−1水和物(日本乳化剤
社製)184gに、セルロース28.8gならびに安定
剤として没食子酸n−プロピル0.08gおよびn−ド
デシル酸ナトリウム0.08gを添加し、90℃で十分
かくはん混合してセルロースを溶解させた。別に、N,
N′−ジメチルエチレン尿素184gにエチルセルロー
ス3.2gを加え、室温で溶解させた。次に、上記セル
ロース溶液および上記エチルセルロース溶液を混合し、
セルロース/エチルセルロースの濃度8wt%の溶液を
調製し、製膜用組成物とした。得られた製膜用組成物を
減圧脱泡した後、予め90℃に温調したガラス板に、ク
リアランス150μmのアプリケーターを用いて、ガラ
ス板上に塗工した。塗工後直ちにそのガラス板を凝固再
生浴である20℃の逆浸透水(RO水)に1時間浸漬し
た後、室温のRO水で十分に洗浄し、セルロース系透析
膜(セルロース誘導体ブレンド膜)を得た。 (実施例2)エチルセルロース3.2gの代わりにメチ
ルセルロース3.2gを用いた以外は、実施例1と同様
の方法により、セルロース系透析膜(セルロース誘導体
ブレンド膜)を得た。 (実施例3)セルロースの添加量を31.68gとし、
エチルセルロースの添加量を0.32gとした以外は、
実施例1と同様の方法により、セルロース系透析膜(セ
ルロース誘導体ブレンド膜)を得た。 (実施例4)エチルセルロース0.32gの代わりにメ
チルセルロース0.32gを用いた以外は、実施例3と
同様の方法により、セルロース系透析膜(セルロース誘
導体ブレンド膜)を得た。 (比較例1)予め90℃に加熱して溶解させたN−メチ
ルモルフォリン−N−オキシド−1水和物(日本乳化剤
社製)368gに、セルロース32gならびに安定剤と
して没食子酸n−プロピル0.08gおよびn−ドデシ
ル酸ナトリウム0.08gを添加し、90℃で15時間
かくはん混合してセルロースを溶解させて、セルロース
の濃度8wt%の溶液を調製し、製膜用組成物とした。
得られた製膜用組成物を減圧脱泡した後、予め90℃に
温調したガラス板に、クリアランス150μmのアプリ
ケーターを用いて、ガラス板上に塗工した。塗工後直ち
にそのガラス板を凝固再生浴である20℃のRO水に1
時間浸漬した後、室温のRO水で十分に洗浄し、セルロ
ース系透析膜(セルロース単独膜)を得た。 (1)セルロース:TAPPI T230法による粘度
が7.0〜8.0であるコットンリンター(α−セルロ
ース97.5%以上)、大平製紙社製 (2)セルロース誘導体 エチルセルロース:置換度2.5、HERCULES
社製 メチルセルロース:置換度2.5、メトローズ、信越
化学工業社製
【0028】生体適合性の評価 実施例1〜4および比較例1で得られた各セルロース透
析膜を生理食塩水へ浸漬した後、ヘパリン(20u/m
l血液)で抗凝固処理したヒト血液から遠心分離により
得た血漿(膜面積10cm2 当たり1ml)に接触さ
せ、37℃で1時間インキュベーションし、RIA 2
抗体法により、活性化補体(C3a)の量を測定した。
【0029】結果を第1表に示す。本発明の製造方法に
より製造されたセルロース系透析膜(セルロース誘導体
ブレンド膜)(実施例1〜4)は、セルロース単独膜
(比較例1)と比べて、活性化補体(C3a)の量の値
が小さいことが分かる。即ち、本発明により生体適合性
の顕著な改善が達成できることが分かる。
【0030】(比較例2〜5)N,N′−ジメチルエチ
レン尿素184gの代わりに、欧州特許出願公開明細書
(EP0807460A1)に開示されている各有機溶
媒(ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチルアセ
トアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキシド(DM
SO)またはN−メチルピロリドン(NMP))184
gを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、製膜
用組成物を得た。製膜用組成物は、実施例1〜4および
比較例1においては均一溶液であったが、比較例2〜5
においては相分離を起こしていずれも均一溶液となら
ず、従って、膜を得ることはできなかった(第1表)。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の製造方法により製造されたセル
ロース系浸透膜は、生体適合性および膜透過性能に優れ
ており、高い安全性を有するため、医療用透析膜として
好適に用いることができる。また、本発明のセルロース
系浸透膜の製造方法は、工業的に容易に入手できる原料
を用いるため、有効に利用されることが期待される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第三級アミンオキシド、水および尿素系溶
    媒からなる混合溶媒にセルロースおよびセルロース誘導
    体を溶解してなる製膜用組成物を用いて製膜するセルロ
    ース系透析膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記尿素系溶媒がN,N′−ジメチルエチ
    レン尿素である請求項1に記載のセルロース系透析膜の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記混合溶媒の組成が、第三級アミンオキ
    シド49〜98wt%、水1〜20wt%、尿素系溶媒
    1〜50wt%である請求項1または2に記載のセルロ
    ース系透析膜の製造方法。
  4. 【請求項4】前記セルロース誘導体がメチルセルロー
    ス、エチルセルロースおよびプロピルセルロースからな
    る群から選択される少なくとも1つである請求項1〜3
    のいずれかに記載のセルロース系透析膜の製造方法。
  5. 【請求項5】前記製膜用組成物が、第三級アミンオキシ
    ドおよび水からなる溶液にセルロースを溶解したセルロ
    ース溶液と、セルロース誘導体のN,N′−ジメチルエ
    チレン尿素溶液とを混合して得られるものである請求項
    2〜4のいずれかに記載のセルロース系透析膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の製膜用組
    成物。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の製膜用組成物を製膜して
    得られるセルロース系透析膜。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116710189A (zh) * 2021-03-15 2023-09-05 旭化成株式会社 原料液减容方法和系统

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