JPH11347468A - 描画塗装装置 - Google Patents

描画塗装装置

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JPH11347468A
JPH11347468A JP11102683A JP10268399A JPH11347468A JP H11347468 A JPH11347468 A JP H11347468A JP 11102683 A JP11102683 A JP 11102683A JP 10268399 A JP10268399 A JP 10268399A JP H11347468 A JPH11347468 A JP H11347468A
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ink
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文也 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】描画対象面が白色系統以外の色彩であっても、
その描画対象面に描画塗装された模様が描画対象面の色
彩の影響を受けることによって本来意図する色彩とは大
きく異なったものになることを防止し、所望の色彩を有
する模様を適切にかつ効率良く描画塗装できるようにす
る。 【解決手段】複数色の描画用のインク塗料を描画対象面
7に向けて吐出するための複数の描画用ノズル4a〜4
dを備えた塗装ガン4と、この塗装ガン4を所定のx方
向とこれに交差するy方向とに移動させるための動作手
段とを具備している描画塗装装置であって、複数の描画
用ノズル4a〜4dに対して少なくともx方向またはy
方向に位置ずれして設けられた下地塗装用ノズル5を具
備しており、この下地塗装用ノズル5は、複数の描画用
ノズル4a〜4dに先行して描画対象面7の描画予定領
域と対向する位置に移動するとともに、その描画予定領
域に下地塗装用のインク塗料を吐出するように構成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、自動車ボディや種々の壁面な
どに所望の図柄や文字などの模様を描画塗装するのに用
いられる描画塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、自動車の製造分野では、
自動車のデザイン性を高めるなどの理由から、自動車メ
ーカーが自動車ボディに所望の図柄や文字を描画塗装す
る場合がある。また、市中の塗装工場などにおいても、
顧客の要望に応じていわゆる商用車のボディに会社名な
どを描画塗装することが数多く行われている。このよう
な描画塗装を人手作業により行ったのでは効率が悪く、
その作業コストが高価となる。
【0003】そこで、従来では、たとえば特開平9−9
4527号公報や、特開平9−141838号公報など
に所載の描画塗装方法がある。この従来の描画塗装方法
は、シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)の3原色、
あるいはこれにブラック(K)を加えた複数色のインク
塗料を個々に吐出可能に構成された塗装ガンを所定の2
次元方向に移動自在に設けておき、コンピュータに予め
取り込んでおいた所望の原画の画像データに基づいて上
記塗装ガンを駆動させることにより、その原画を自動車
ボディに描画塗装する方法である。このような方法によ
れば、自動車ボディへの描画塗装作業を機械化してその
自動化を達成することができ、作業コストの低減化を図
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
描画塗装方法では、自動車ボディの表面に描画用のイン
ク塗料を直接吹きつけることによって、所望の模様を自
動車ボディの表面に直接描画塗装しているために、次の
ような不具合を生じていた。
【0005】すなわち、自動車のボディカラーとして
は、たとえば赤、青、黒色などを始めとしてそれ以外に
も種々の色彩があり、白色系統以外の色彩が用いられる
場合が多い。ところが、従来では、所望の模様を白色系
統以外の色彩の自動車ボディに描画塗装すると、その描
画塗装された模様が自動車ボディの色彩の影響を受けて
しまい、当初に予定していた模様とはその色彩や色調が
かなり異なったものになってしまう場合があった。より
具体的には、塗装ガンから吐出されるインク塗料による
発色を、いわゆる減法混色原理によりCMY(またはC
MYK)の各色のインク塗料の重ね合わせによって決定
する場合において、たとえば自動車ボディが赤色である
と、そのインク塗料に自動車ボディの赤色が重ね合わさ
れることとなり、その色彩は本来の色彩とは異なった色
味となるのである。そもそも、従来における描画塗装の
制御は、白色用紙にカラー印刷を施すのに利用される一
般のOA機器のカラープリンタ装置と同様に、白色の下
地に描画塗装を施した場合に本来意図する色彩が再現さ
れるようにCMY(またはCMYK)各色のインク塗料
吐出を行わせているに過ぎない。したがって、従来で
は、自動車のボディカラーが白色系統以外の色彩である
場合には、描画塗装される模様を本来意図する色彩や色
調に適切に仕上げることが難しくなっており、これを解
消する必要があった。
【0006】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、描画対象面が白色系統以外の色
彩であっても、その描画対象面に描画塗装された模様が
描画対象面の色彩の影響を受けることによって本来意図
する色彩とは大きく異なったものになることを防止し、
所望の色彩を有する模様を適切にかつ効率良く描画塗装
できるようにすることをその課題としている。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】本願発明によれば、描画塗装装置が提供さ
れる。この描画塗装装置は、複数色の描画用のインク塗
料を描画対象面に向けて吐出するための複数の描画用ノ
ズルを備えた塗装ガンと、この塗装ガンを所定のx方向
とこれに交差するy方向とに移動させるための動作手段
と、を具備している描画塗装装置であって、上記複数の
描画用ノズルに対して少なくとも上記x方向またはy方
向に位置ずれして設けられた下地塗装用ノズルを具備し
ており、かつこの下地塗装用ノズルは、上記複数の描画
用ノズルに先行して上記描画対象面の描画予定領域と対
向する位置に移動するとともに、その描画予定領域に下
地塗装用のインク塗料を吐出するように構成されている
ことに特徴づけられる。
【0009】好ましくは、上記下地塗装用のインク塗料
は白色またはそれに近い色彩の白色系とされる。本願発
明では、上記下地塗装用のインク塗料をたとえばシルバ
ー色などの色彩にしてもかまわない。
【0010】本願発明においては、複数の描画用ノズル
に先行して移動する下地塗装用ノズルを利用することに
よって描画対象面の描画予定領域に下地塗装を施してか
ら、その下地塗装面上に所望の色彩の模様を複数の描画
用ノズルを利用して描画塗装することができる。したが
って、本願発明では、所望の模様を描画対象面に直接描
画塗装していた従来の手段とは異なり、下地塗装によっ
て描画対象面を覆い隠すことができ、描画対象面が白色
系統以外の色彩である場合であっても、描画塗装された
模様が上記描画対象面の色彩の影響を受けることによっ
て本来意図する色彩とは大きく異なったものにはならな
いようにすることができる。むろん、下地塗装の色彩を
白色またはそれに近い色彩にすれば、描画塗装された模
様がこの下地塗装の色彩の影響によって本来の色彩とは
異なったものに見えないようにできる。その結果、本願
発明では、描画対象面が白色系統以外の色彩を有してい
る場合であっても、所望の模様を本来意図する通りの色
彩および色調に適切にかつ効率良く描画塗装することが
できるという格別な効果が得られる。
【0011】好ましい実施の形態では、上記下地塗装用
ノズルは、上記塗装ガンに取り付けられている。
【0012】このような構成によれば、複数の描画用ノ
ズルを備えた塗装ガンの移動に伴わせて下地塗装用ノズ
ルを適切に移動させることができ、下地塗装用ノズルを
複数の描画用ノズルに先行させて移動させるための駆動
源などを別途追加して設ける必要がなくなる。したがっ
て、装置全体の構造が複雑化したり、大掛かりになるこ
とを防止することができる。
【0013】他の好ましい実施の形態では、上記下地塗
装用ノズルは、上記複数の描画用ノズルに相対して上下
方向に位置変更可能とされている。
【0014】このような構成によれば、下地塗装用ノズ
ルと複数の描画用ノズルとの上下方向の間隔を増減調整
することができる。したがって、複数の描画用ノズルや
下地塗装用ノズルを上下方向に一定ピッチずつ位置ずれ
させながら繰り返し水平移動させることによって、所望
の描画対象面に下地塗装と描画塗装とを施してゆく場合
には、下地塗装がなされた時点からその下地塗装面上に
描画がなされるまでの時間を描画塗装に最適な時間に調
整することが可能となり、たとえば下地塗装が未乾燥で
あるにも拘わらず、その上に描画塗装がなされてしまう
といったことを適切かつ簡単に解消することが可能とな
る。
【0015】他の好ましい実施の形態では、エアノズル
を具備しており、かつこのエアノズルは、上記下地塗装
用ノズルからのインク塗料の吐出によって上記描画予定
領域に形成された下地塗装面と対向する位置に上記複数
の描画用ノズルに先行して移動するとともに、その下地
塗装面に塗装乾燥用のエアを吹きつけるように構成され
ている。
【0016】このような構成によれば、下地塗装用ノズ
ルからのインク塗料の吐出によって描画予定領域に下地
塗装が施された後に、この下地塗装を塗装乾燥用のエア
の吹きつけによって早期に乾燥させることができる。そ
して、その乾燥処理がなされた下地塗装面上に、複数の
描画用ノズルから吐出されるインク塗料によって所望の
模様を描画塗装することができる。したがって、下地塗
装が乾燥しないままその表面に所望の模様が描画塗装さ
れることを回避することができ、下地塗装面上に塗布さ
れた描画用のインク塗料に滲みなどが生じないようにで
きる。その結果、所望の模様をより体裁良く描画塗装す
ることが可能となる。また、下地塗装面を短時間で乾燥
させることができれば、描画用ノズルから下地塗装面に
向けてのインク塗料吐出作業を下地塗装作業に引き続い
てそれだけ早期に行うことが可能となる。したがって、
一連の塗装作業の能率アップも図れる。
【0017】他の好ましい実施の形態では、上記エアノ
ズルは、上記下地塗装用ノズルの先端部と上記複数の描
画用ノズルの先端部との間に位置するエア吹き出し口を
有し、かつこのエア吹き出し口から上記下地塗装用ノズ
ルによるインク塗料吹きつけ領域と上記複数の描画用ノ
ズルによるインク塗料吹きつけ領域との間に向けて塗装
乾燥用のエアを吹き出すように構成されている。
【0018】このような構成によれば、たとえば下地塗
装用ノズルから描画対象面に向けて吐出された下地塗装
用のインク塗料の一部が上記描画対象面によって撥ね返
されるような事態を生じても、このインク塗料が複数の
描画用ノズルによるインク塗料吹きつけ領域に進入しな
いようにすることができる。すなわち、上記エアノズル
から吹き出されるエアは、いわゆるエアカーテンとして
機能することとなり、下地塗装用ノズルから吐出された
インク塗料が複数の描画用ノズルによるインク塗料吹き
つけ領域に向けて進入することが上記エアによって好適
に阻止されるのである。したがって、複数の描画用ノズ
ルから吐出された描画用のインク塗料によって既に描画
塗装が施されている部分に、下地塗装用のインク塗料が
不当に付着することを防止することができ、描画塗装さ
れた模様が下地塗装用のインク塗料によって汚れてしま
うといった不具合を生じないようにできる。また、上記
構成によれば、下地塗装用ノズルと複数の描画用ノズル
とをエア吹き出し口を挟んで互いにかなり接近させるこ
とも可能となり、塗装ガンの小型化などを図る上でも有
利となる。
【0019】本願発明のその他の特徴および利点は、図
面を参照して以下に行う発明の実施の形態の説明から、
より明らかになるであろう。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0021】図1は、本願発明に係る描画塗装装置の一
例を示す概略斜視図である。図2は、図1に示す描画塗
装装置の塗装ガンおよびその周辺部の構造を示す一部断
面側面図である。図3は、図1に示す描画塗装装置の塗
装ガンの正面図である。
【0022】図1において、この描画塗装装置Aは、フ
レーム1、ガイドレール2、移動ユニット3、塗装ガン
4、およびパーソナルコンピュータ8を具備して構成さ
れている。
【0023】フレーム1は、全体が略中空矩形状の枠状
に形成されたものであり、左右一対の鉛直方向に延びる
起立部材10a,10bと、これら起立部材10a,1
0bの上下両端部どうしを互いに繋ぐ上下一対の水平部
材11a,11bとを具備して構成されている。
【0024】ガイドレール2は、水平方向(x方向)に
延びており、第1のモータM1の駆動により水平状態を
維持したまま起立部材10a,10bに沿う鉛直方向
(y方向)に昇降自在である。ガイドレール2を第1の
モータM1の駆動によって昇降自在とする手段として
は、たとえば第1のモータM1によって駆動回転される
プーリ13a,13bとその上方に設けられた従動回転
可能なプーリ13c,13dとに掛け廻されたタイミン
グベルト12a,12bにガイドレール2の長手方向両
端部を連結し、タイミングベルト12a,12bの循環
移動動作に伴わせてガイドレール2を昇降させる機構が
採用されている。むろん、本願発明はこれに限定され
ず、たとえばガイドレール2をラック・ピニオン機構を
利用して昇降自在に設けてもかまわない。第1のモータ
M1としては、ガイドレール2の昇降動作を高精度に制
御できるように、たとえばパルスモータが用いられる。
これは、後述する第2のモータM2についても同様であ
る。
【0025】移動ユニット3は、ガイドレール2に支持
されており、第2のモータM2の駆動によりガイドレー
ル2に沿ってx方向に移動自在である。この移動ユニッ
ト3をx方向に移動させるための手段としては、たとえ
ば図2によく表れているように、ガイドレール2の側面
部に取付けられたラックギヤ12に噛み合うピニオンギ
ヤ30を移動ユニット3に設け、このピニオンギヤ30
をベベルギヤ31a,31bを介して第2のモータM2
の駆動軸32と駆動連結した構造が採用されている。移
動ユニット3上には、塗装ガン4が取付けられている。
したがって、塗装ガン4は、移動ユニット3の移動動作
に伴って、x方向とy方向との起立平面方向に移動自在
である。なお、塗装ガン4は、移動ユニット3に対して
x方向やy方向と直交するz方向にも移動自在としても
よい。塗装ガン4をz方向にも移動できるようにすれ
ば、たとえば図2の仮想線に示すように、描画対象面7
にz方向の段差Hが存在する場合、あるいは描画対象面
7がz方向に湾曲しているような場合に、塗装ガン4を
z方向に移動させることによって塗装ガン4と描画対象
面7との間の距離を一定に保つことが可能となり、好ま
しいものとなる。
【0026】塗装ガン4は、複数の描画用ノズル4a〜
4d、下地塗装用ノズル5、およびエアノズル6を具備
している。
【0027】複数の描画用ノズル4a〜4dは、シア
ン、マゼンタ、イエロー(以下、「CMY」と略する)
の基本3原色にブラック(以下、「K」と略する)を加
えた計4色の描画用のインク塗料を、塗装ガン4の前方
に向けてそれぞれ個別に吐出するためのものである。上
記計4色のインク塗料は、インクタンク40a〜40d
にそれぞれ貯留できるようになっている。描画用ノズル
4a〜4dから上記複数色のインク塗料を吐出させるた
めの機構としては、インクスプレー方式あるいはインク
塗料をインク滴として吐出するインクジェット方式の機
構が採用されており、塗装ガン4は、CMYKの各色の
インク塗料をドット単位で重ね合わせることにより所望
の発色を行わせる減法混色方式のカラー塗装が可能であ
る。図3によく表れているように、複数の描画用ノズル
4a〜4dのそれぞれのノズル開口部は、x方向に一定
ピッチP1ずつ位置ずれしているとともに、y方向にも
一定ピッチP2ずつ位置ずれしている。
【0028】下地塗装用ノズル5は、下地塗装用の白色
のインク塗料をインクスプレー方式あるいはインクジェ
ット方式の機構によって塗装ガン4の前方に向けてイン
ク滴状態で吐出するものである。白色のインク塗料とし
ては、たとえば顔料として平均粒径が0.5μmの酸化
チタンを用いたインク塗料が適用され、このインク塗料
はインクタンク50aに貯留できるようになっている。
この下地塗装用ノズル5のノズル口径は、複数の描画用
ノズル4a〜4dのそれぞれのノズル口径よりも大径で
ある。これは、後述するように、描画用ノズル4a〜4
dからのインク吐出によって得られる塗装膜厚よりもこ
の下地塗装用ノズル5からのインク吐出によって得られ
る塗装膜厚を大きくするためである。
【0029】エアノズル6は、塗装乾燥用のエアを塗装
ガン4の前方に向けて吹き出すためのものである。図2
によく表れているように、塗装ガン4には、第3のモー
タM3によって駆動回転されるファン61と、このファ
ン61によって外部から取り込まれるエアを加熱するた
めのヒータ62とが設けられており、このヒータ62で
加熱されたエアがエアノズル6に供給されることにより
そのエア吹き出し口60から吹き出されるようになって
いる。ただし、本願発明はこれに限定されず、ファンや
ヒータからなる加熱エア発生装置を塗装ガンに搭載する
ことなく、塗装ガンとは別個の位置で発生された加熱エ
アを配管などを用いてエアノズル6に供給するようにし
てもかまわない。図3によく表れているように、エア吹
き出し口60は、x方向に細長な偏平状であり、下地塗
装用ノズル5の先端部とこの下地塗装用ノズル5に接近
した描画用ノズル4a,4bとの間に開口している。
【0030】図1において、パーソナルコンピュータ8
は、モータM1,M2の駆動を制御して塗装ガン4の位
置制御を行うとともに、塗装ガン4からの各種のインク
塗料の吐出動作を制御するためのものである。このパー
ソナルコンピュータ8は、図柄や文字などを表示した原
稿の画像をカラースキャナ装置(図示略)で読み取った
り、あるいはCDドライブにセットされるCD−ROM
から所望の画像を取り込むなどして、描画対象となる原
画の画像データを記憶できるようになっており、その原
画の画像データのRGBの階調レベルを描画塗装に必要
なCMYの各色についての階調レベルとKの出力用信号
とに変換してから、その画像信号を出力できるようにな
っている。描画用ノズル4a〜4dからのインク塗料の
吐出動作や、モータM1,M2の駆動動作は、パーソナ
ルコンピュータ8から出力される原画の画像信号に基づ
いて行われるようになっている。下地塗装用ノズル5か
らのインク塗料の吐出動作は、後述するように、描画用
ノズル4a〜4dとは別個に制御されるが、この制御も
パーソナルコンピュータ8によって制御される。また、
エアノズル6からの加熱エアの送風のオン・オフ切換え
も、このパーソナルコンピュータ8によって制御できる
ように構成されている。
【0031】次に、上記した描画塗装装置Aの動作およ
びその作用について説明する。
【0032】描画塗装装置Aは、たとえば通常のカラー
塗装が終了した自動車ボディへの描画塗装用途に用いら
れる。この場合、自動車ボディの表面が描画対象面7と
なり、描画塗装装置Aは、その描画対象面7に塗装ガン
4が対向したままxy方向に移動できるようにセッティ
ングされる。描画塗装に際しては、図1の仮想線に示す
ように、塗装ガン4は、フレーム1で囲まれた平面の左
上隅部分の始点N1から1番目のラインL1をx方向に
移動し、その後その1番目のラインL1の終端に到達す
ると、一定ピッチP3だけy方向に下降してからその後
2番目のラインL2をx方向に移動してゆく。塗装ガン
4は、このようなx方向の移動とy方向下方への移動と
を繰り返すことによって、フレーム1で囲まれた平面の
上方から下方へ向けて順次移動するようになっている。
【0033】したがって、このような移動軌跡で塗装ガ
ン4が移動すると、下地塗装用ノズル5がエアノズル6
や描画用ノズル4a〜4dよりも先行したかたちで移動
することとなり、この下地塗装用ノズル5に遅れてエア
ノズル6が移動し、さらにはこのエアノズル6に遅れて
描画用ノズル4a〜4dが移動することとなる。なお、
ピッチP3は、図3において説明した塗装ガン4の複数
の描画用ノズル4a〜4dのy方向のピッチP2と同一
寸法である。また、下地塗装用ノズル5と最下位置の描
画用ノズル4aとの間のピッチP4は、ピッチP2(=
P3)の整数倍とされている。したがって、塗装ガン4
を上述した移動軌跡で移動させると、下地塗装用ノズル
5の移動軌跡を描画用ノズル4a〜4dのそれぞれが辿
ることとなる。
【0034】図2によく表れているように、塗装ガン4
の移動中においては、パーソナルコンピュータ8の制御
により下地塗装用ノズル5から白色のインク塗料が吐出
され、描画対象面7に白色の下地塗装膜9が形成され
る。この下地塗装は、描画対象面7のうち、所望の模様
が描画塗装される描画予定領域のみに施される。また、
この下地塗装は、いわゆるベタ塗りとされる。したがっ
て、描画対象面7がたとえば赤や青などの白色以外の色
彩であっても、下地塗装膜9によって、描画対象面7の
描画予定領域の各所を全て白色にすることができる。
【0035】上記の下地塗装を実行しているときには、
エアノズル6のエア吹き出し口60から加熱エアが吹き
出しており、この加熱エアは下地塗装膜9の表面、すな
わち下地塗装面9aに吹きつけられる。したがって、下
地塗装膜9は、短時間で強制的に乾燥されることとな
る。エアノズル6は、塗装ガン4の移動中において加熱
エアを常時吹き出すようにしておけばよい。ただし、こ
れに代えて、たとえばエア吹き出し口60が下地塗装面
9aに対向するときにのみ一時的に加熱エアが吹き出さ
れるようにしてもかまわない。
【0036】複数の描画用ノズル4a〜4dは、塗装ガ
ン4の移動中において、それらのノズル4a〜4dがそ
れぞれインク吐出を行うべき位置に到達すると、その時
点で所定の色彩のインク塗料を吐出する。これにより、
所望の図柄あるいは文字などの模様が、下地塗装面9a
上に描画塗装される。したがって、この描画塗装装置A
では、描画対象面7が白色系統以外の色彩を有している
場合であっても、この描画対象面7の色彩を白色の下地
塗装膜9によって隠蔽し、描画塗装された模様の下地を
白色にすることができる。その結果、描画塗装された模
様の色彩が描画対象面7の色彩の影響を受けないものに
でき、原画と同一または略同一の色彩となる。
【0037】とくに、下地塗装用ノズル5のノズル口径
は描画用ノズル4a〜4dの各ノズル口径よりも大きく
形成されているために、下地塗装膜9の膜厚をCMYK
の各色のインク塗料による描画塗装の膜厚よりも厚くす
ることができる。たとえば、描画塗装の各色の膜厚がた
とえば3μm以下であるのに対し、白色の下地塗装膜9
の膜厚を3〜20μmとすることができる。このように
すれば、描画対象面7の色彩の隠蔽をより確実に行うこ
とが可能となる。すなわち、白色のインク塗料は、他の
有彩色のインク塗料と比較してその隠蔽性が低く、下地
塗装膜9が薄い場合には描画対象面7の色彩が透け易く
なる。ところが、本実施形態のように、下地塗装膜9の
膜厚を厚くすれば、そのような不具合を無くすことがで
き、描画塗装された模様を本来意図する色彩と同一の色
彩により確実に仕上げることが可能となる。ただし、本
願発明はこれに限定されず、描画対象面9の色彩が下地
塗装膜9を介して多少透けて見える状態であってもかま
わない。この場合であっても、描画塗装された模様の色
彩を本来意図する色彩に近づけることができるからであ
る。
【0038】さらに、この描画塗装装置Aでは、下地塗
装膜9を加熱エアによって強制的に加熱乾燥させた後
に、その表面に描画塗装を施すようにしているために、
描画塗装用のインク塗料が下地塗装面9aにおいて滲む
ようなことも防止できる。また、描画対象面7に凹凸が
あるような場合には、下地塗装用ノズル5から描画対象
面7に吹きつけられた白色のインク塗料がたとえば上方
に向けて撥ね返される場合があるが、上記白色のインク
塗料が吹きつけられる位置の上方にはエアノズル6から
吹き出される加熱エアがいわゆるエアカーテンを形成す
る状態に流れている。したがって、上記白色のインク塗
料がこのエア流れよりも上方に進行することは適切に防
止される。その結果、白色のインク塗料が描画塗装面に
飛散するようなことはなく、描画塗装面が白色のインク
塗料によって不当に汚されることもない。
【0039】なお、上述した描画塗装が終了した後に
は、好ましくは、その描画塗装面上にクリア塗装が施さ
れる。このクリア塗装は、上述した描画塗装とは別工程
で、それ専用の塗装装置を用いて行われる作業であり、
紫外線吸収剤を含有する熱硬化型もしくは常温硬化型の
クリア塗料を塗布し、その焼き付け処理を施して行われ
る。このようなクリア塗装を施せば、描画塗装面の保護
が図れるのに加え、描画塗装領域のうちインク塗料が塗
布されていない微細な隙間部分にクリア塗料を進入させ
て、インク塗料のいわゆる抑え込みが図れ、塗装の剥離
防止効果も得られる。
【0040】図4は、本願発明に係る描画塗装装置の他
の例を示す要部正面図である。同図において、先の実施
形態と同一または類似の要素については、同一符号を付
している。
【0041】同図に示す描画塗装装置は、描画用ノズル
4a〜4dや複数のインクタンク40a〜40dを有す
る塗装ガン4Aと、下地塗装用ノズル5やインクタンク
50aを有する塗装ガン4Bとが別体に設けられた構成
を有している。塗装ガン4Aは、先の実施形態の塗装ガ
ン4と同様に、x方向ならびにy方向、および必要に応
じてz方向に移動自在である。これに対し、塗装ガン4
Bは、塗装ガン4Aに連結部材49を介して支持された
ガイドレール48に取り付けられており、塗装ガン4A
に伴って塗装ガン4Aと同方向に移動するように設けら
れている。ガイドレール48は、y方向(鉛直方向)に
延びており、塗装ガン4Bはこのガイドレール48に沿
って移動することにより適当なストロークHaの範囲内
において高さ調整自在となっている。塗装ガン4Bを高
さ調整自在とするための手段としては、たとえば塗装ガ
ン4Bの適当な箇所に、回転操作によってガイドレール
48に対向する方向へ往復動可能なボルト状の押圧体4
7を設けた手段が採用されている。このような手段によ
れば、押圧体47を緩めた状態では塗装ガン4Bをガイ
ドレール48の長手方向に沿って任意に移動させること
ができる。そして、押圧体47を締付け操作してその先
端部47aをガイドレール48の表面に押し当てると、
その押圧力によって塗装ガン4Bの全体を所定の高さに
固定することができる。塗装ガン4Bには、エア吹き出
し口60も設けられている。
【0042】このような構成によれば、描画用ノズル4
a〜4dと下地塗装用ノズル5との上下方向の間隔を増
減調整することができる。したがって、2つの塗装ガン
4A,4Bを、先の実施形態の塗装ガン4と同様に、一
定ピッチずつ下降させる都度水平動作を行わせることに
よって所定の描画対象面に下地塗装と描画塗装とを行う
場合に、下地塗装用ノズル5によって下地塗装がなされ
てから、その下地塗装面に対向する箇所へ描画用ノズル
4a〜4dが到達するまでの時間を、描画塗装に都合の
良い時間に設定することが可能となる。たとえば、下地
塗装の膜厚を厚くした場合には、その膜厚を薄くした場
合よりもその乾燥に時間を要する。したがって、このよ
う場合には、描画用ノズル4a〜4dと下地塗装用ノズ
ル5との上下方向の間隔を大きくすることにより、下地
塗装後にその塗装乾燥に充分な時間が経過した時点で、
その下地塗装面に描画用ノズル4a〜4dによる描画塗
装がなされるように設定することができ、適切な描画塗
装が行えるのである。
【0043】本願発明に係る描画塗装装置の各部の具体
的な構成は、上述の実施形態に限定されず、種々に設計
変更自在である。
【0044】たとえば、下地塗装用ノズル5について
は、これを複数設けてもかまわない。また、複数の描画
用ノズルを備えた塗装ガンを移動させるための動作手段
としては、上記実施形態で説明した機構以外の様々な機
構を採用することができることは勿論のこと、下地塗装
用ノズル5については、複数の描画用ノズルを備えた塗
装ガンとは異なる動作機構によって移動させるようにし
てもかまわない。さらに、本願発明でいうx方向やy方
向も、必ずしも水平方向や鉛直方向に限定されず、その
具体的な方向は適宜選択できる事項である。さらに、塗
装乾燥用のエアとしては、加熱エアを用いることが好ま
しいが、やはりこれに限定されず、非加熱の室温レベル
のエア送風を行うようにしてもかまわない。
【0045】上述の実施形態では、自動車ボディに描画
塗装を施す場合を一例として説明したが、本願発明はや
はりこれに限定されず、その具体的な用途も問わない。
本願発明に係る描画塗装装置は、自動車ボディ以外のた
とえば船舶や鉄道車両などの各種の車両、ビルなどの建
築物や構築物の壁面、あるいは看板やその他の種々の部
分への描画塗装用途に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る描画塗装装置の一例を示す概略
斜視図である。
【図2】図1に示す描画塗装装置の塗装ガンおよびその
周辺部の構造を示す一部断面側面図である。
【図3】図1に示す描画塗装装置の塗装ガンの正面図で
ある。
【図4】本願発明に係る描画塗装装置の他の例を示す要
部正面図である。
【符号の説明】
A 描画塗装装置 M1 第1のモータ M2 第2のモータ 1 フレーム 2 ガイドレール 3 移動ユニット 4,4A 塗装ガン 4a〜4d 描画用ノズル 5 下地塗装用ノズル 6 エアノズル 7 描画対象面 8 パーソナルコンピュータ 60 エア吹き出し口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数色の描画用のインク塗料を描画対象
    面に向けて吐出するための複数の描画用ノズルを備えた
    塗装ガンと、この塗装ガンを所定のx方向とこれに交差
    するy方向とに移動させるための動作手段と、を具備し
    ている描画塗装装置であって、 上記複数の描画用ノズルに対して少なくとも上記x方向
    またはy方向に位置ずれして設けられた下地塗装用ノズ
    ルを具備しており、かつ、 この下地塗装用ノズルは、上記複数の描画用ノズルに先
    行して上記描画対象面の描画予定領域と対向する位置に
    移動するとともに、その描画予定領域に下地塗装用のイ
    ンク塗料を吐出するように構成されていることを特徴と
    する、描画塗装装置。
  2. 【請求項2】 上記下地塗装用のインク塗料は白色系で
    ある、請求項1に記載の描画塗装装置。
  3. 【請求項3】 上記下地塗装用ノズルは、上記塗装ガン
    に取り付けられている、請求項1または2に記載の描画
    塗装装置。
  4. 【請求項4】 上記下地塗装用ノズルは、上記複数の描
    画用ノズルに相対して上下方向に位置変更可能とされて
    いる、請求項1ないし3のいずれかに記載の描画塗装装
    置。
  5. 【請求項5】 エアノズルを具備しており、かつこのエ
    アノズルは、上記下地塗装用ノズルからのインク塗料の
    吐出によって上記描画予定領域に形成された下地塗装面
    と対向する位置に上記複数の描画用ノズルに先行して移
    動するとともに、その下地塗装面に塗装乾燥用のエアを
    吹きつけるように構成されている、請求項1ないし4の
    いずれかに記載の描画塗装装置。
  6. 【請求項6】 上記エアノズルは、上記下地塗装用ノズ
    ルの先端部と上記複数の描画用ノズルの先端部との間に
    位置するエア吹き出し口を有し、かつこのエア吹き出し
    口から上記下地塗装用ノズルによるインク塗料吹きつけ
    領域と上記複数の描画用ノズルによるインク塗料吹きつ
    け領域との間に向けて塗装乾燥用のエアを吹き出すよう
    に構成されている、請求項5に記載の描画塗装装置。
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