JPH11347732A - 溶接ロボットの溶接開始点制御方法 - Google Patents
溶接ロボットの溶接開始点制御方法Info
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- JPH11347732A JPH11347732A JP15769598A JP15769598A JPH11347732A JP H11347732 A JPH11347732 A JP H11347732A JP 15769598 A JP15769598 A JP 15769598A JP 15769598 A JP15769598 A JP 15769598A JP H11347732 A JPH11347732 A JP H11347732A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】安定したアークを発生させることができ、溶接
作業者のスキルに依存しない溶接ロボットの溶接開始点
制御方法を提供する。 【解決手段】溶接トーチ6のチップ7内に挿通される溶
接ワイヤ5を溶接母材10に向かって送給し、溶接トー
チ6のチップ7先端を、溶接母材10に対して予め与え
られた所定の距離L1だけ離れた位置へ移動するように
制御して溶接部材10の溶接を開始するようにした溶接
ロボットの溶接開始点制御方法において、溶接開始時に
おける溶接トーチ6を、予め与えられた溶接条件である
チップ7と溶接母材10間の距離L1より短くなるよう
な距離L2にある位置に接近させてアーク発生を試行
し、アーク発生後における溶接トーチ6を、予め与えら
れた溶接条件であるチップ母材間距離L1の位置に移動
させて溶接を継続する。
作業者のスキルに依存しない溶接ロボットの溶接開始点
制御方法を提供する。 【解決手段】溶接トーチ6のチップ7内に挿通される溶
接ワイヤ5を溶接母材10に向かって送給し、溶接トー
チ6のチップ7先端を、溶接母材10に対して予め与え
られた所定の距離L1だけ離れた位置へ移動するように
制御して溶接部材10の溶接を開始するようにした溶接
ロボットの溶接開始点制御方法において、溶接開始時に
おける溶接トーチ6を、予め与えられた溶接条件である
チップ7と溶接母材10間の距離L1より短くなるよう
な距離L2にある位置に接近させてアーク発生を試行
し、アーク発生後における溶接トーチ6を、予め与えら
れた溶接条件であるチップ母材間距離L1の位置に移動
させて溶接を継続する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動でアーク溶接
を行う溶接ロボットの溶接開始点制御方法に関する。
を行う溶接ロボットの溶接開始点制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶接ロボットによる溶接工程にお
ける溶接トーチの動きは、図5のようになっている。図
において、1は溶接ロボット、2は溶接ロボット1の可
動部をなすロアーアーム、3はロアーアーム2の上部に
連結された可動部をなすアッパーアーム、4は溶接ワイ
ヤを巻回し格納するワイヤリール、5は溶接ワイヤ、6
は溶接ロボット1のアッパーアーム3の手首先端に装備
された溶接トーチ、7は溶接トーチ6のコンタクトチッ
プ、8は溶接ワイヤ5を溶接トーチ6と後述するワイヤ
送給モータ9間で連結するコンジットケーブル、9はア
ッパーアーム3の反手首側の先端近傍の上面に設置され
ると共に、溶接ワイヤ5を送給するためのワイヤ送給モ
ータ、10は溶接母材である。図(b)において、溶接
トーチ6が溶接開始時に、溶接開始点Aに移動される。
溶接は、溶接ワイヤ5と溶接母材10間に溶接電圧が印
加され、溶接トーチ6のコンタクトチップ7を通して、
溶接ワイヤ5が連続して送給されることにより行われ
る。この場合、溶接トーチ6が溶接開始点Aから溶接終
了点Bへ移動する間、コンタクトチップ7と溶接母材1
0間の距離、いわゆるチップ母材間距離L1は一定であ
る。MAG溶接、CO2溶接等のガスメタルアーク溶接
においては、溶接開始時におけるアーク発生ミスが問題
となっているが、溶接母材10の表面状態、使用溶接電
流域、チップ母材間距離L1(溶接ワイヤの突き出し長
さ)等に影響される。溶接母材の表面に油膜や錆などが
付着したり、使用溶接電流域が低いと、アーク発生が困
難になる。同様に、溶接ワイヤの突き出し長さが長い
と、アーク発生が困難になる。特に溶接ロボットを用い
た自動溶接装置では、溶接開始時にアークが発生しない
とロボットが停止するため、溶接ラインの稼働率低下と
いった重大な問題を引き起こすことになる。ところで、
薄板溶接の場合では、中厚板溶接に比べて溶接母材10
へ投入される熱量の許容値が低いため溶接によって溶接
母材10が破れやすい。そのため、小電流を用いたり、
チップ母材間距離L1を約20mm〜25mm程度に長
くして、溶接母材10に破れが発生しないように溶接す
る工夫がされている。しかし、上述したように、小電流
を用いたり、チップ母材間距離L1を長くしたりするこ
とは、溶接開始点Aにおいて、アーク発生を困難とし、
アーク発生ミスが起こりやすくなる。そのため、従来技
術では、溶接開始点Aにおいては、本溶接条件よりも溶
接電流、溶接電圧を大きくし、アーク発生した後に本溶
接条件に戻すといった対策を施している。
ける溶接トーチの動きは、図5のようになっている。図
において、1は溶接ロボット、2は溶接ロボット1の可
動部をなすロアーアーム、3はロアーアーム2の上部に
連結された可動部をなすアッパーアーム、4は溶接ワイ
ヤを巻回し格納するワイヤリール、5は溶接ワイヤ、6
は溶接ロボット1のアッパーアーム3の手首先端に装備
された溶接トーチ、7は溶接トーチ6のコンタクトチッ
プ、8は溶接ワイヤ5を溶接トーチ6と後述するワイヤ
送給モータ9間で連結するコンジットケーブル、9はア
ッパーアーム3の反手首側の先端近傍の上面に設置され
ると共に、溶接ワイヤ5を送給するためのワイヤ送給モ
ータ、10は溶接母材である。図(b)において、溶接
トーチ6が溶接開始時に、溶接開始点Aに移動される。
溶接は、溶接ワイヤ5と溶接母材10間に溶接電圧が印
加され、溶接トーチ6のコンタクトチップ7を通して、
溶接ワイヤ5が連続して送給されることにより行われ
る。この場合、溶接トーチ6が溶接開始点Aから溶接終
了点Bへ移動する間、コンタクトチップ7と溶接母材1
0間の距離、いわゆるチップ母材間距離L1は一定であ
る。MAG溶接、CO2溶接等のガスメタルアーク溶接
においては、溶接開始時におけるアーク発生ミスが問題
となっているが、溶接母材10の表面状態、使用溶接電
流域、チップ母材間距離L1(溶接ワイヤの突き出し長
さ)等に影響される。溶接母材の表面に油膜や錆などが
付着したり、使用溶接電流域が低いと、アーク発生が困
難になる。同様に、溶接ワイヤの突き出し長さが長い
と、アーク発生が困難になる。特に溶接ロボットを用い
た自動溶接装置では、溶接開始時にアークが発生しない
とロボットが停止するため、溶接ラインの稼働率低下と
いった重大な問題を引き起こすことになる。ところで、
薄板溶接の場合では、中厚板溶接に比べて溶接母材10
へ投入される熱量の許容値が低いため溶接によって溶接
母材10が破れやすい。そのため、小電流を用いたり、
チップ母材間距離L1を約20mm〜25mm程度に長
くして、溶接母材10に破れが発生しないように溶接す
る工夫がされている。しかし、上述したように、小電流
を用いたり、チップ母材間距離L1を長くしたりするこ
とは、溶接開始点Aにおいて、アーク発生を困難とし、
アーク発生ミスが起こりやすくなる。そのため、従来技
術では、溶接開始点Aにおいては、本溶接条件よりも溶
接電流、溶接電圧を大きくし、アーク発生した後に本溶
接条件に戻すといった対策を施している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術で
は、以下の問題があった。 (1)溶接開始時において、ロボットはチップ母材間距
離が大きい状態、すなわち溶接ワイヤの突き出し長さが
長いと、溶接ワイヤの剛性が落ちて屈曲しやすくなるた
め、アーク発生点が不安定となり、その結果、溶接ワイ
ヤの溶接線に対する狙い位置が外れるおそれがあった。 (2)溶接開始時は、溶接ワイヤを溶融させるのに十分
な入熱が不足しがちであり、この場合溶接ワイヤは完全
に溶融する前に溶接母材に衝突し、さらに溶接ワイヤが
連続して送給されるため溶接ワイヤは屈曲する。このよ
うな状態にてアークが発生すると、溶接ワイヤはワイヤ
突き出し部の途中からちぎれ、これが原因となり大粒の
スパッタを発生するため、安定したアークを発生するの
が困難であった。 (3)溶接開始点における溶接条件(溶接電流、溶接電
圧)は、本来の溶接条件とは別の条件を設定しなければ
ならず、溶接開始点での上記の条件をあまり高く設定す
ると溶接母材に破れが生じるため、条件設定が困難であ
った。しかし、このようなトラブルを防止するような溶
接電流、溶接電圧の下で溶接を行うとアーク発生ミスが
起こる。結局、溶接開始点での溶接条件は、試行錯誤を
繰り返しながら経験に基づいて設定するしかなく、溶接
作業者のスキルに頼らざるを得なかった。 そこで、本発明は、溶接線に対する狙い位置を外すこと
なく、大粒なスパッタ発生を抑制し且つ安定したアーク
を発生させることができると共に、溶接作業者のスキル
に依存しない溶接ロボットの溶接開始点制御方法を提供
することを目的とする。
は、以下の問題があった。 (1)溶接開始時において、ロボットはチップ母材間距
離が大きい状態、すなわち溶接ワイヤの突き出し長さが
長いと、溶接ワイヤの剛性が落ちて屈曲しやすくなるた
め、アーク発生点が不安定となり、その結果、溶接ワイ
ヤの溶接線に対する狙い位置が外れるおそれがあった。 (2)溶接開始時は、溶接ワイヤを溶融させるのに十分
な入熱が不足しがちであり、この場合溶接ワイヤは完全
に溶融する前に溶接母材に衝突し、さらに溶接ワイヤが
連続して送給されるため溶接ワイヤは屈曲する。このよ
うな状態にてアークが発生すると、溶接ワイヤはワイヤ
突き出し部の途中からちぎれ、これが原因となり大粒の
スパッタを発生するため、安定したアークを発生するの
が困難であった。 (3)溶接開始点における溶接条件(溶接電流、溶接電
圧)は、本来の溶接条件とは別の条件を設定しなければ
ならず、溶接開始点での上記の条件をあまり高く設定す
ると溶接母材に破れが生じるため、条件設定が困難であ
った。しかし、このようなトラブルを防止するような溶
接電流、溶接電圧の下で溶接を行うとアーク発生ミスが
起こる。結局、溶接開始点での溶接条件は、試行錯誤を
繰り返しながら経験に基づいて設定するしかなく、溶接
作業者のスキルに頼らざるを得なかった。 そこで、本発明は、溶接線に対する狙い位置を外すこと
なく、大粒なスパッタ発生を抑制し且つ安定したアーク
を発生させることができると共に、溶接作業者のスキル
に依存しない溶接ロボットの溶接開始点制御方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、請求項1記載の本発明は ロボットアームに装着され
た溶接トーチのチップ内に挿通される溶接ワイヤを前記
溶接ワイヤと対向する溶接母材に向かって送給し、前記
溶接トーチのチップ先端を、前記溶接母材に対して予め
与えられた所定の距離L1だけ離れた位置へ移動するよ
うに制御して前記溶接部材の溶接を開始するようにした
溶接ロボットの溶接開始点制御方法において、溶接開始
時における前記溶接トーチを、前記予め与えられた溶接
条件である前記チップと前記溶接母材間の距離L1より
短くなるような距離L2にある位置に自律的に接近させ
てアーク発生を試行し、アーク発生後における前記溶接
トーチを、前記予め与えられた溶接条件であるチップ母
材間距離L1の位置に移動させて溶接を継続するように
したものである。また、請求項2記載の本発明は、請求
項1の溶接ロボットの溶接開始点制御方法において、溶
接終了時に、前記溶接ワイヤを溶接開始時とアーク発生
確認後におけるチップ母材間距離の差分Lsだけ前記溶
接ワイヤを送給する送給モータ側に引き戻すように、前
記送給モータを反転回転させ、次の溶接開始位置に前記
溶接トーチの先端を移動させるようにしたものである。
上記手段により、溶接開始時に溶接ワイヤの突き出し長
さが短いため、溶接ワイヤの剛性が低下して屈曲するこ
とがなくなる。また、溶接ワイヤがワイヤ突き出し部の
途中からちぎれて大粒のスパッタを発生することはなく
なり、安定してアーク溶接を行うことができる。さら
に、溶接トーチは、溶接開始点に到達するまでに溶接ワ
イヤを溶接開始点でのチップ母材間距離以下に設定して
いるため、溶接開始点で溶接母材が破れることなく溶接
できる。
め、請求項1記載の本発明は ロボットアームに装着され
た溶接トーチのチップ内に挿通される溶接ワイヤを前記
溶接ワイヤと対向する溶接母材に向かって送給し、前記
溶接トーチのチップ先端を、前記溶接母材に対して予め
与えられた所定の距離L1だけ離れた位置へ移動するよ
うに制御して前記溶接部材の溶接を開始するようにした
溶接ロボットの溶接開始点制御方法において、溶接開始
時における前記溶接トーチを、前記予め与えられた溶接
条件である前記チップと前記溶接母材間の距離L1より
短くなるような距離L2にある位置に自律的に接近させ
てアーク発生を試行し、アーク発生後における前記溶接
トーチを、前記予め与えられた溶接条件であるチップ母
材間距離L1の位置に移動させて溶接を継続するように
したものである。また、請求項2記載の本発明は、請求
項1の溶接ロボットの溶接開始点制御方法において、溶
接終了時に、前記溶接ワイヤを溶接開始時とアーク発生
確認後におけるチップ母材間距離の差分Lsだけ前記溶
接ワイヤを送給する送給モータ側に引き戻すように、前
記送給モータを反転回転させ、次の溶接開始位置に前記
溶接トーチの先端を移動させるようにしたものである。
上記手段により、溶接開始時に溶接ワイヤの突き出し長
さが短いため、溶接ワイヤの剛性が低下して屈曲するこ
とがなくなる。また、溶接ワイヤがワイヤ突き出し部の
途中からちぎれて大粒のスパッタを発生することはなく
なり、安定してアーク溶接を行うことができる。さら
に、溶接トーチは、溶接開始点に到達するまでに溶接ワ
イヤを溶接開始点でのチップ母材間距離以下に設定して
いるため、溶接開始点で溶接母材が破れることなく溶接
できる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づ
いて説明する。図1は、本発明の第1の実施例を示す溶
接ロボットの溶接開始点制御方法を表した図である。ロ
ボットの自動運転における軌跡は、溶接開始点Aを除い
て溶接終了点Bまでの軌跡が従来の図5に示すものと同
じで、一定のチップ母材間距離L1で保たれる。本発明
が従来と異なる方法は以下のとおりである。図1に示す
ように、溶接開始点Aでは、ロボット1を溶接母材10
の方向に向かって、設定された通常のチップ母材間距離
L1より設定距離Lsだけ短い状態(チップ母材間距離L
2となるように動作させ、溶接を開始する。次に、アー
ク発生が確認できた後、通常の本溶接条件のチップ母材
間距離L1に戻るように、設定距離Lsだけ溶接部材10
から離れる方向に向かって、ロボット軌跡を制御して溶
接する。次に、アーク発生確認後のロボットの軌跡は、
従来の図5に示すものと同じ一定のチップ母材間距離L
1となるように、溶接終了点Bまで教示する。図2は、
溶接経過時間に対するチップ母材間距離の関係を示して
いる。図において、アーク発生確認後、ある時間経過後
に元のチップ母材間距離L1に戻すために設定距離Lsだ
け溶接母材から離して移動させている。または、図3に
示すようにアーク発生確認直後に、元のチップ母材間距
離L1に戻すために設定距離Lsだけ溶接母材から離して
移動させている。したがって、上記説明した溶接トーチ
の一連の動作によって、溶接開始点Aでは、ワイヤ突き
出し長さが短いため、溶接ワイヤが屈曲せず、溶接線に
対する狙い位置が外れることなく、アークが確実に発生
する。また、アーク発生後では、チップ母材間距離を本
来の条件に戻して、チップ母材間距離が長くなるので、
溶接中に破れが発生することなく溶接できる。次に、本
発明の第2の実施例を図4に示す。第2の実施例の特徴
について、第1の実施例と異なる点は以下のとおりであ
る。図4は本発明の第2の実施例を示す溶接ロボットの
溶接開始点制御方法であって、図4(a)は、溶接終了
時における溶接ワイヤの突き出し長さの制御方法を示す
模式図、図4(b)は、溶接開始時における溶接ワイヤ
の突き出し長さの制御方法を示す模式図である。第1の
実施例では、溶接終了後、溶接終了点Bにおいて、図4
(a)に示すように、溶接ワイヤ5の突き出し長さは、
本溶接条件でのチップ母材間距離L1とほぼ同じ長さと
なる。次に、図4(a)に示す溶接ワイヤ5の状態で、
本発明の実施例1と同じ方法で溶接開始点Aに戻って溶
接を実行すると、溶接ワイヤ5が設定距離Lsだけ長す
ぎるため、溶接トーチ6が溶接開始点Aに移動すると、
溶接ワイヤ5が屈曲し、曲がった状態でアークが発生す
るおそれがある。溶接ワイヤ5が屈曲した状態で、アー
クが発生すると、上述したように、大粒のスパッタが飛
散する可能性がある。このような問題に対して第2の実
施例では、図4の(b)に示すように、溶接開始点Aに
溶接トーチ6が移動するまでに、溶接ワイヤ5を設定距
離Lsだけ引き戻すように、図示しない送給モータを反
転回転させる。すなわち、溶接ワイヤ5の突き出し長さ
を、溶接開始点Aでのチップ母材間距離以下に調整す
る。これによって、確実に、溶接ワイヤ5が溶接開始点
Aで屈曲するおそれがなくなり、大粒のスパッタの発生
を抑えて、安定したアーク発生が可能となる。したがっ
て、上記説明した溶接トーチの一連の動作によって、溶
接開始点Aに溶接トーチ6が移動するまでに、図示しな
い送給モータを反転回転させることにより、溶接ワイヤ
5を設定距離Lsだけ引き戻すようにしたため、溶接開
始点Aでワイヤ突き出し長さが短くなる。その結果、溶
接ワイヤが屈曲するとなく、溶接線に対して狙い位置ど
おりに溶接を行うことができる。なお、溶接開始時にお
ける溶接トーチの設定距離Lsは、MAG溶接、CO2
溶接では、約5mm〜7mm程度が有効である。また、
本発明は、消耗電極式アーク溶接に限らず、非消耗電極
式アーク溶接であるTIG溶接にも用いることができ
る。この場合、設定距離Lsは、約0.5mm程度を目
安とすると良い。
いて説明する。図1は、本発明の第1の実施例を示す溶
接ロボットの溶接開始点制御方法を表した図である。ロ
ボットの自動運転における軌跡は、溶接開始点Aを除い
て溶接終了点Bまでの軌跡が従来の図5に示すものと同
じで、一定のチップ母材間距離L1で保たれる。本発明
が従来と異なる方法は以下のとおりである。図1に示す
ように、溶接開始点Aでは、ロボット1を溶接母材10
の方向に向かって、設定された通常のチップ母材間距離
L1より設定距離Lsだけ短い状態(チップ母材間距離L
2となるように動作させ、溶接を開始する。次に、アー
ク発生が確認できた後、通常の本溶接条件のチップ母材
間距離L1に戻るように、設定距離Lsだけ溶接部材10
から離れる方向に向かって、ロボット軌跡を制御して溶
接する。次に、アーク発生確認後のロボットの軌跡は、
従来の図5に示すものと同じ一定のチップ母材間距離L
1となるように、溶接終了点Bまで教示する。図2は、
溶接経過時間に対するチップ母材間距離の関係を示して
いる。図において、アーク発生確認後、ある時間経過後
に元のチップ母材間距離L1に戻すために設定距離Lsだ
け溶接母材から離して移動させている。または、図3に
示すようにアーク発生確認直後に、元のチップ母材間距
離L1に戻すために設定距離Lsだけ溶接母材から離して
移動させている。したがって、上記説明した溶接トーチ
の一連の動作によって、溶接開始点Aでは、ワイヤ突き
出し長さが短いため、溶接ワイヤが屈曲せず、溶接線に
対する狙い位置が外れることなく、アークが確実に発生
する。また、アーク発生後では、チップ母材間距離を本
来の条件に戻して、チップ母材間距離が長くなるので、
溶接中に破れが発生することなく溶接できる。次に、本
発明の第2の実施例を図4に示す。第2の実施例の特徴
について、第1の実施例と異なる点は以下のとおりであ
る。図4は本発明の第2の実施例を示す溶接ロボットの
溶接開始点制御方法であって、図4(a)は、溶接終了
時における溶接ワイヤの突き出し長さの制御方法を示す
模式図、図4(b)は、溶接開始時における溶接ワイヤ
の突き出し長さの制御方法を示す模式図である。第1の
実施例では、溶接終了後、溶接終了点Bにおいて、図4
(a)に示すように、溶接ワイヤ5の突き出し長さは、
本溶接条件でのチップ母材間距離L1とほぼ同じ長さと
なる。次に、図4(a)に示す溶接ワイヤ5の状態で、
本発明の実施例1と同じ方法で溶接開始点Aに戻って溶
接を実行すると、溶接ワイヤ5が設定距離Lsだけ長す
ぎるため、溶接トーチ6が溶接開始点Aに移動すると、
溶接ワイヤ5が屈曲し、曲がった状態でアークが発生す
るおそれがある。溶接ワイヤ5が屈曲した状態で、アー
クが発生すると、上述したように、大粒のスパッタが飛
散する可能性がある。このような問題に対して第2の実
施例では、図4の(b)に示すように、溶接開始点Aに
溶接トーチ6が移動するまでに、溶接ワイヤ5を設定距
離Lsだけ引き戻すように、図示しない送給モータを反
転回転させる。すなわち、溶接ワイヤ5の突き出し長さ
を、溶接開始点Aでのチップ母材間距離以下に調整す
る。これによって、確実に、溶接ワイヤ5が溶接開始点
Aで屈曲するおそれがなくなり、大粒のスパッタの発生
を抑えて、安定したアーク発生が可能となる。したがっ
て、上記説明した溶接トーチの一連の動作によって、溶
接開始点Aに溶接トーチ6が移動するまでに、図示しな
い送給モータを反転回転させることにより、溶接ワイヤ
5を設定距離Lsだけ引き戻すようにしたため、溶接開
始点Aでワイヤ突き出し長さが短くなる。その結果、溶
接ワイヤが屈曲するとなく、溶接線に対して狙い位置ど
おりに溶接を行うことができる。なお、溶接開始時にお
ける溶接トーチの設定距離Lsは、MAG溶接、CO2
溶接では、約5mm〜7mm程度が有効である。また、
本発明は、消耗電極式アーク溶接に限らず、非消耗電極
式アーク溶接であるTIG溶接にも用いることができ
る。この場合、設定距離Lsは、約0.5mm程度を目
安とすると良い。
【0006】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、以
下のような効果がある。 (1)溶接開始時に溶接ワイヤの突き出し長さが短いた
め、溶接ワイヤの剛性が低下して屈曲することがなくな
り、その結果、溶接線に対する狙い位置が外れることが
なくなる。 (2).溶接開始点でのチップ母材間距離を短くするの
で、溶接ワイヤは、ワイヤ突き出し部の途中からちぎれ
て大粒のスパッタを発生することはなくなり、安定して
アーク溶接を行うことができる。 (3)溶接トーチは、溶接開始点に到達するまでに溶接
ワイヤを溶接開始点でのチップ母材間距離以下に設定
し、アーク発生後は、チップ母材間距離を本来の元通り
の長さとするので、溶接母材が破れることなく溶接でき
る。このように、溶接開始点での溶接条件を溶接作業者
のスキルに頼らずに済むので、アーク発生ミスがなくな
り、溶接ラインの稼働率を向上することができる。
下のような効果がある。 (1)溶接開始時に溶接ワイヤの突き出し長さが短いた
め、溶接ワイヤの剛性が低下して屈曲することがなくな
り、その結果、溶接線に対する狙い位置が外れることが
なくなる。 (2).溶接開始点でのチップ母材間距離を短くするの
で、溶接ワイヤは、ワイヤ突き出し部の途中からちぎれ
て大粒のスパッタを発生することはなくなり、安定して
アーク溶接を行うことができる。 (3)溶接トーチは、溶接開始点に到達するまでに溶接
ワイヤを溶接開始点でのチップ母材間距離以下に設定
し、アーク発生後は、チップ母材間距離を本来の元通り
の長さとするので、溶接母材が破れることなく溶接でき
る。このように、溶接開始点での溶接条件を溶接作業者
のスキルに頼らずに済むので、アーク発生ミスがなくな
り、溶接ラインの稼働率を向上することができる。
【図1】本発明の第1の実施例を示す溶接ロボットの溶
接開始点制御方法を表した模式図である。
接開始点制御方法を表した模式図である。
【図2】溶接経過時間に対するチップ母材間距離の関係
を示す図である。
を示す図である。
【図3】その他の溶接経過時間に対するチップ母材間距
離の関係を示す図である。
離の関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す溶接ロボットの溶
接開始点制御方法であって、(a)は、溶接終了時にお
ける溶接ワイヤの突き出し長さの制御方法を示す模式
図、(b)は、溶接開始時における溶接ワイヤの突き出
し長さの制御方法を示す模式図である。
接開始点制御方法であって、(a)は、溶接終了時にお
ける溶接ワイヤの突き出し長さの制御方法を示す模式
図、(b)は、溶接開始時における溶接ワイヤの突き出
し長さの制御方法を示す模式図である。
【図5】従来技術を示す溶接ロボットの溶接開始点制御
方法であって、(a)はアーク溶接を行う溶接ロボット
の構成図、(b)は、溶接開始点制御方法を表した模式
図である。
方法であって、(a)はアーク溶接を行う溶接ロボット
の構成図、(b)は、溶接開始点制御方法を表した模式
図である。
1:溶接ロボット 2:ロアーアーム 3:アッパーアーム 4:ワイヤリール 5:溶接ワイヤ 6:溶接トーチ 7:コンタクトチップ 8:コンジットケーブル 9:ワイヤ送給モータ 10:溶接母材 A:溶接開始点 B:溶接終了点 C:チップ母材間距離変更点 L1:チップ母材間距離(アーク発生確認〜溶接終了
点) L2:チップ母材間距離(溶接開始点) Ls:設定距離
点) L2:チップ母材間距離(溶接開始点) Ls:設定距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 博幸 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内
Claims (2)
- 【請求項1】ロボットアームに装着された溶接トーチの
チップ内に挿通される溶接ワイヤを前記溶接ワイヤと対
向する溶接母材に向かって送給し、前記溶接トーチのチ
ップ先端を、前記溶接母材に対して予め与えられた所定
の距離L1だけ離れた位置へ移動するように制御して前
記溶接部材の溶接を開始するようにした溶接ロボットの
溶接開始点制御方法において、溶接開始時における前記
溶接トーチを、前記予め与えられた溶接条件である前記
チップと前記溶接母材間の距離L1より短くなるような
距離L2にある位置に接近させてアーク発生を試行し、
アーク発生後における前記溶接トーチを、前記予め与え
られた溶接条件であるチップ母材間距離L1の位置に移
動させて溶接を継続するようにしたことを特徴とする溶
接ロボットの溶接開始点制御方法。 - 【請求項2】溶接終了時に、前記溶接ワイヤを溶接開始
時とアーク発生確認後におけるチップ母材間距離の差分
Lsだけ前記溶接ワイヤを送給する送給モータ側に引き
戻すように、前記送給モータを反転回転させ、 次の溶接開始位置に前記溶接トーチの先端を移動させる
ようにした請求項1記載の溶接ロボットの溶接開始点制
御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15769598A JPH11347732A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 溶接ロボットの溶接開始点制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15769598A JPH11347732A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 溶接ロボットの溶接開始点制御方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11347732A true JPH11347732A (ja) | 1999-12-21 |
| JPH11347732A5 JPH11347732A5 (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=15655373
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15769598A Pending JPH11347732A (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 溶接ロボットの溶接開始点制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11347732A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-06-05 JP JP15769598A patent/JPH11347732A/ja active Pending
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