JPH11348074A - 木目調射出成形品、木目調射出成形品の製造方法及び木目調射出成形品の製造装置 - Google Patents

木目調射出成形品、木目調射出成形品の製造方法及び木目調射出成形品の製造装置

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JPH11348074A
JPH11348074A JP17061898A JP17061898A JPH11348074A JP H11348074 A JPH11348074 A JP H11348074A JP 17061898 A JP17061898 A JP 17061898A JP 17061898 A JP17061898 A JP 17061898A JP H11348074 A JPH11348074 A JP H11348074A
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健樹 岩瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品として、極めて自然に近い柾目模様を
有するものを提供する。 【解決手段】 第1材料24と該第1材料24に対して
色彩が異なる第2材料25とが不完全混練状態で含まれ
る溶融樹脂15を用意し、その溶融樹脂15を複数の分
流26をもってキャビティ18内に供給し、その複数の
分流26の作用に基づき、成形品1(製品部2)段階に
おいて、柾目模様として、分流26毎に略一定間隔の第
2材料凝固部8形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木目調射出成形
品、木目調射出成形品の製造方法及び木目調射出成形品
の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製成形品の製造方法として、特
開平8−276464号公報に示すように、成形品表面
に木目模様を形成するものがある。このものによれば、
合成樹脂をもって、自然木に近い木質感を有する成形品
を量産できることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記成形方法
により得られる成形品の木目模様は、板目模様であり、
高級感を示す柾目模様を有する成形品まで得ることがで
きない。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、その第1の技術的課題は、極めて自然に近い柾目模
様を有することができる木目調射出成形品を提供するこ
とにある。第2の技術的課題は、極めて自然に近い柾目
模様を有する成形品を製造できる木目調射出成形品の製
造方法を提供することにある。第3の技術的課題は、極
めて自然に近い柾目模様を有する成形品を製造できる木
目調射出成形品の製造装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第1の技術的課題を
達成するために本発明(請求項1の発明)にあっては、
第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料と
が不完全混合状態で含まれる溶融樹脂が、キャビティ内
に複数の分流の下で供給された後、凝固されて、少なく
とも表面に複数の分流跡が形成されている木目調射出成
形品であって、前記各分流跡が、該各分流跡の幅方向内
方側において該各分流跡の延び方向に延びるようにして
前記第1材料が凝固する第1材料凝固部と、該各分流跡
の幅方向両側において該各第1材料凝固部の延び方向に
延びるようにして凝固する第2材料凝固部と、を有して
いる構成としてある。
【0006】請求項1の好ましい態様としては、請求項
2〜7の記載の通りとなる。
【0007】上記第2の技術的課題を達成するために本
発明(請求項8の発明)にあっては、第1材料と該第1
材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂
を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態と
なるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出
し、その後、前記溶融樹脂を複数の分流をもって前記キ
ャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給する、こ
とを特徴とする木目調射出成形品の製造方法とした構成
としてある。
【0008】請求項8の好ましい態様としては、請求項
9〜18の記載の通りとなる。
【0009】上記第3の技術的課題を達成するために本
発明(請求項19の発明)にあっては、キャビティ樹脂
供給端に、ゲートが臨まされ、前記ゲートが、溶融樹脂
を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャビ
ティ内に向けて流すように設定されている、ことを特徴
とする木目調射出成形品の製造装置とした構成としてあ
る。
【0010】請求項19の好ましい態様としては、請求
項20〜28の記載の通りとなる。
【0011】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、第1材料と該
第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合
状態で含まれる溶融樹脂が、キャビティ内に複数の分流
の下で供給されることを前提としていることから、その
複数の分流の流れ特性を利用して、第2材料は、放物線
状をもってキャビティ内に入り込み、その後、第2材料
は、各分流先端部がキャビティ樹脂到達端へ流動すると
共に幅方向に拡がろうとする動きに連動して、キャビテ
ィ樹脂到達端へ流動すると共に幅方向に拡がることにな
り、その幅方向の拡がりは、隣り合う分流が一種の壁と
して機能することに基づいて規制され、凝固後におい
て、各分流跡には、その幅方向内方側において該各分流
跡の延び方向に延びるようにして第1材料が凝固する第
1材料凝固部と、該各分流跡の幅方向両側において該各
第1材料凝固部の延び方向に延びるようにして凝固する
第2材料凝固部とが区分けして形成されることになり、
各分流跡毎に、略一定幅の模様線が確実且つ鮮明に形成
されることになる。このため、当該木目調射出成形品
は、極めて自然に近い柾目模様を形成することができる
ことになる。また、各分流毎の第2材料は、その幅方向
の拡がりが、キャビティ内への各分流の供給当初から、
隣り合う分流の規制を受けて略一定幅の模様線を確実に
形成することになり、全長が比較的短いものを含め全長
がどの程度のものであろうとも、極めて自然に近い柾目
模様を形成することができることになる。さらに、当該
木目調射出成形品においては、分流の数に応じて模様が
形成されることから(1つの分流に対して2つの模様線
が形成されること)、分流数の調整により模様線の数を
自由に増減でき、種々の柾目模様を思いのままに形成で
きることになる。さらにまた、分流跡に基づいて柾目模
様を形成することから、種々の形状(例えばエルボ状、
キャップ状等)の成形品に対しても、成形に際して分流
を設定するだけで、柾目模様を形成できることになる。
このため、高価な木工加工製品と同等の成形品を安価に
提供できることになる。加えて、分流跡に基づいて柾目
模様を形成することから、成形時の分流の作用に基づ
き、表面だけでなく内部にも厚さ方向において第2材料
による略一定幅の模様線が形成されることになり、当該
木目調射出成形品においては、摩耗しても、柾目模様が
消えないようにすることができることになる。このた
め、当該木目調射出成形品においては、柾目模様保持に
対する信頼性を高めることができるだけでなく、自然木
と同様、柾目模様を表しつつ、摩耗に基づく馴染み性に
対しても十分に対応できることになる。
【0012】請求項2の発明によれば、肉厚が、前記分
流跡の延び方向において、該分流跡の距離が長い部位ほ
ど厚くなるように設定されていることから、当該木目調
射出成形品の製造段階において、厚肉であればあるほ
ど、その部分の分流の流動抵抗を少なくでき、いずれの
分流も、できるだけ同じタイミングでキャビティ樹脂到
達端に到達できるようにすると共に、その分流の方向性
を補強して、他の分流に基づく力に抗して、その分流の
方向性が乱されることを抑制できることになる。このた
め、曲がり部を有する場合(分流の流動距離が異なる場
合)でも、製造時に、キャビティ樹脂到達端への到達タ
イミングが大きく違うことに基づき早くキャビティ樹脂
到達端に到達する分流が未だ到達していない分流の流れ
領域に流れて分流の整然とした関係を乱すことを抑制
し、凝固後において、各分流跡毎に全長に亘って略一定
幅の模様線(極めて自然に近い柾目模様)を有するよう
にすることができることになる。
【0013】請求項3の発明によれば、内側面に、凹溝
部又は凸条部が前記分流跡に沿って形成されていること
から、凹溝部又は凸条部が、当該木目調射出成形品を製
造する段階において、キャビティの厚み空間を変化させ
て案内手段として機能することになり、その案内機能に
基づき、キャビティに曲がり部を有して各分流の流動距
離が異なる場合であっても、各分流は、方向性を持って
適正に流れ、乱れることが抑制される。しかも、各分流
の方向性が補強されることに基づき、その各分流の方向
性を乱そうとする力が働いても、その力に抗することが
できることになり、各分流は、整然とした配置関係を維
持することになる。このため、各分流の特性を確実に利
用できることになり、当該木目調射出成形品が曲がり部
を有している場合(各分流の流動距離が異なる場合)で
あっても、各分流毎に略一定幅の模様線を確実に有する
ことができることになる(確実に自然に近い柾目模様を
形成できることになる)。
【0014】請求項4の発明によれば、第1材料又は第
2材料に木粉が含まれていることから、視覚を通じて自
然木を認識させることができるだけでなく、木質材と同
様の触感や比熱を確保できることになり、当該木目調射
出成形品の木質感を一層高めることができることにな
る。
【0015】請求項5の発明によれば、平板とされて、
複数の分流跡が該平板の延び方向に延びるように形成さ
れていることから、当該成形品が平板であっても、その
表面及び内部に、複数の分流跡に基づく柾目模様を形成
でき、切断加工を行っても柾目模様が消えることを防止
できることになる。
【0016】請求項6の発明によれば、天壁部と該天壁
部の周縁部から起立する周壁部とを有する有底筒体とさ
れて、複数の分流跡が、該有底筒体の径方向一方側の周
壁部分から該有底筒体の径方向一方側の周壁部分に対向
する該有底筒体の径方向他方側の周壁部分に向けて延び
るように形成されていることから、当該成形品が有底筒
体であっても、有底筒体の径方向一方側の周壁部分から
該有底筒体の径方向他方側の周壁部分に天壁を経て延び
るようにして、複数の分流跡に基づく柾目模様を形成で
き、天壁部表面を、柾目を有する自然木の切断断面のよ
うに見せて見栄えを向上させることができることにな
る。
【0017】請求項7の発明によれば、屈曲されて略L
字状に形成された筒体とされて、複数の分流跡が該筒体
の軸心に沿って延びるように形成されていることから、
当該成形品が、略L字状に形成された筒体であっても、
その表面に、複数の分流跡に基づく柾目模様を該筒体の
軸心に沿って形成でき、自然木では非常に面倒な曲げ加
工を行ったものと同様の成形品が形成できることにな
る。
【0018】請求項8の発明によれば、第1材料と該第
1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹
脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態
となるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出
すことから、溶融樹脂のうちの第2材料は、溶融樹脂の
送り出し流れに基づき順次、送り出されて、キャビティ
樹脂供給端に沿って延びるような流れ形状を示すことに
なる。そしてこの後、溶融樹脂を複数の分流をもってキ
ャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給すること
から、第2材料は、各分流が形成される部分において、
キャビティ樹脂供給端に対して直交する方向の流れ力
(射出圧)を受けて、各分流毎に放物線状をもってキャ
ビティ内に入り込み、その後、各分流における第2材料
(先端部)は、各分流先端部がキャビティ樹脂到達端へ
流動すると共に幅方向に拡がろうとする動きに連動し
て、キャビティ樹脂到達端へ流動すると共に幅方向に拡
がることになり、そのうち、各分流における第2材料の
幅方向の拡がりは、隣り合う分流に基づき規制され、そ
れが各分流の流れ方向に延ばされていくことになる。特
に、各分流においては、その幅方向両側の速度勾配が幅
方向内方側の速度勾配よりも大きいことから、各分流の
幅方向両側の第2材料(模様線)は、該各分流の流動方
向のせん断力に基づき引き延ばされ、模様線は、分流の
流動に伴ってしだいに細くされることになる。このた
め、各分流毎に略一定幅の模様線を形成でき、極めて自
然に近い柾目模様を鮮明に有する木目調射出成形品を製
造できることになる。
【0019】また、各分流毎の第2材料は、その幅方向
の拡がりが、キャビティ内への各分流の供給当初から、
隣り合う分流の規制を受けて略一定幅の模様線を確実に
形成することになり、全長が比較的短いものを含め全長
がどの程度のものであろうとも、極めて自然に近い柾目
模様を形成することができることになる。さらに、分流
の数に応じて模様が形成されることから(1つの分流に
対して2つの模様線が形成されること)、分流数の調整
により模様線の数を自由に増減でき、種々の柾目模様を
思いのままに形成できることになる。さらにまた、分流
に基づいて柾目模様を形成することから、種々の形状
(例えばエルボ状、キャップ状等)の成形品に対して
も、成形に際して分流を設定するだけで、柾目模様を全
体(全周)に形成できることになる。
【0020】加えて、分流に基づく規則的な方法により
柾目模様を形成することから、成形品の品質(柾目模様
形成状態)を均質にして、歩留まりを高めることができ
ることになる。加えてまた、溶融樹脂を、第1材料に対
して第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャ
ビティ樹脂供給端にまで送り出すことにより、その流れ
を利用して、第2材料を、キャビティ樹脂供給端手前に
おいて該キャビティ樹脂供給端に沿って延びるような流
れ形状とすることから、成形機としては、溶融樹脂をキ
ャビティ側に送り出す機能を有するものであれば、どの
ようなものでもよく(スクリュ式射出成形機、プランジ
ャ式成形機、1頭式射出成形機、多頭式射出成形機等の
種類を問わず)、汎用の成形機を用いることによって設
備コストの低減を図ることができることになる。
【0021】請求項9の発明によれば、キャビティ内に
供給される各分流の供給タイミングを略同じとすること
から、分流形成直後(キャビティ内への溶融樹脂供給直
後)から、各分流において、隣り合う分流の性質(一種
の規制壁としての性質)を利用できることになり、キャ
ビティ樹脂到達端への第2材料の流動に伴う該第2材料
の幅方向への拡がりを、該各分流形成直後から規制し
て、各分流毎に略一定幅の模様線を確実に形成できるこ
とになる。このため、全長が比較的短いような成形品で
も、確実に自然に近い柾目模様を形成できることにな
る。
【0022】請求項10の発明によれば、複数の分流
を、キャビティ樹脂供給端に沿って並設された複数のゲ
ートにより形成することから、複数の分流を簡単な構成
をもって、具体的且つ確実に形成できることになる。
【0023】請求項11の発明によれば、溶融樹脂をキ
ャビティ内に供給するに際して、複数のゲートと共に、
該複数のゲートに対して隣接配置されたフィルムゲート
を併用することから、複数のゲートからの勢いの違った
各分流を、フィルムゲートからキャビティ樹脂供給端全
体に供給される溶融樹脂をもってある程度規制して(せ
ん断抵抗)、キャビティ樹脂供給端から終端にかけて各
分流の流れをできるだけバランスのとれたものとするこ
とができることになる。このため、各分流毎の模様線の
一定幅を全長に亘って略維持して、模様線の幅に変化が
ない自然に近い柾目模様を形成する確実性を高めること
ができることになる。
【0024】請求項12の発明によれば、複数のゲート
のうち、キャビティ内への分流の供給タイミングが早く
なるものほどゲート径を小さくすることから、ゲート抵
抗に基づき各分流の供給タイミングが是正され、同じ供
給タイミングで各分流をキャビティ内に供給できること
になる。このため、各分流の特性を確実に利用して、全
長がどの程度のものであろうとも、各分流毎に略一定幅
の模様線を確実に形成できることになる(確実に自然に
近い柾目模様を形成できることになる)。
【0025】請求項13の発明によれば、キャビティ樹
脂供給端に開閉弁を設けて、溶融樹脂が該キャビティ樹
脂供給端全体の手前に行き渡った後、該開閉弁を開弁し
て、各分流をキャビティ内に供給することから、同じ供
給タイミングをもって各分流をキャビティ内に確実に供
給できることになる。このため、この場合にも、各分流
の特性を確実に利用して、全長がどの程度のものであろ
うとも、各分流毎に略一定幅の模様線を確実に形成でき
ることになる(確実に自然に近い柾目模様を形成できる
ことになる)。
【0026】請求項14の発明によれば、キャビティ内
における成形品内側相当部位で、案内手段をもって各分
流を案内することから、キャビティ(成形品)に曲がり
部を有して各分流の流動距離が異なる場合であっても、
各分流は、案内手段に従って方向性を持って適正に流
れ、乱れることが抑制されることになる。しかも、各分
流の方向性が補強されることに基づき、その各分流の方
向性を乱そうとする力が働いても、その力に抗すること
ができることになり、各分流は、整然とした配置関係を
維持することになる。このため、キャビティ(成形品)
に曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合であ
っても、各分流の作用に基づき、各分流毎に略一定幅の
模様線を確実に形成して、確実に自然に近い柾目模様を
形成できることになる。
【0027】請求項15の発明によれば、キャビティ内
における各分流の流れ抵抗を、該各分流のうち相対的に
流動距離の長いものが流れる部位ほど他の分流が流れる
部位に比べて相対的に小さくすることから、相対的に流
動距離の長い分流が流れる部位において、該分流は流れ
易くなり、いずれの分流も、できるだけ同じタイミング
でキャビティ樹脂到達端に到達できるようにすることが
できることになる。しかも、相対的に流動距離の長い分
流が流れる部位において、分流が流れ易くなることに基
づき、その分流の方向性が補強されることになり、他の
分流に基づく力に抗して、その分流の方向性が乱される
ことを抑制できることになる。このため、キャビティ
(成形品)に曲がり部を有して各分流の流動距離が異な
る場合でも、キャビティ樹脂到達端への到達タイミング
が大きく違うことに基づき早くキャビティ樹脂到達端に
到達する分流が未だ到達していない分流の流れ領域に流
れて分流の整然とした関係を乱すことを抑制できること
になり、各分流毎に全長に亘って略一定幅の模様線(極
めて自然に近い柾目模様)を形成する確実性を高めるこ
とができることになる。
【0028】請求項16の発明によれば、分流の流れ抵
抗を小さくする手段が、キャビティの厚み空間を、該分
流の流動領域において相対的に厚くすることであること
から、当該分流の流れ抵抗を具体的に低減できることに
なる。
【0029】請求項17の発明によれば、キャビティの
厚み空間の調整を、キャビティ内における成形品内側相
当部位において各分流を案内するために設ける案内手段
としての案内溝により行うことから、キャビティ(成形
品)に曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合
でも、案内溝をもって各分流の流れ抵抗を調整して、キ
ャビティ樹脂到達端への各分流の到達タイミングをでき
るだけ近づけることができるばかりでなく、その案内溝
をもって、分流を幅方向にあまり拡がらせることなく適
切に案内し、しかも、その分流の流れ方向を乱す(曲げ
る)力に抗することができることになる。このため、キ
ャビティ(成形品)に曲がり部を有して各分流の流動距
離が異なる場合であっても、整然とした各分流の関係を
維持して所望の流路を略一定の幅で流れることができる
ことになり、極めて自然に近い柾目模様を形成する確実
性を高めることができることになる。
【0030】請求項18の発明によれば、案内手段を、
分流の流動距離の長い部位ほど短いものに比べて長く延
ばすことから、キャビティ(成形品)に曲がり部を有し
て各分流の流動距離が異なる場合に対して、上述の請求
項14又は17の作用効果を、一層的確に発揮させるこ
とができることになる。
【0031】請求項19の発明によれば、キャビティ樹
脂供給端に、ゲートが臨まされ、そのゲートが、溶融樹
脂を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャ
ビティ内に向けて流すように設定されていることから、
当該製造装置をもって、複数の分流の特性を利用して、
前述の請求項1に係る木目調射出成形品を製造できるこ
とになる。
【0032】請求項20の発明によれば、ゲートが、複
数のゲートを並設した状態で配設することにより構成さ
れていることから、当該製造装置をもって、複数の分流
を具体的に生じさせて、前述の請求項1に係る木目調射
出成形品を具体的に製造できることになる。
【0033】請求項21の発明によれば、ゲートが、フ
ァンゲートに複数の仕切部を設けて複数の分流を形成す
るように構成されていることから、当該製造装置によっ
ても、複数の分流を具体的且つ確実に生じさせ、前述の
請求項1に係る木目調射出成形品を具体的に製造できる
ことになる。
【0034】請求項22の発明によれば、キャビティ樹
脂供給端に、ゲートに隣接配置をもって、フィルムゲー
トが臨まされていることから、当該製造装置において、
前述の請求項11に係る方法と同様の作用が働き、全長
がどの程度のものであろうとも、模様線の幅にあまり変
化がない自然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品
を製造できることになる。
【0035】請求項23の発明によれば、複数のゲート
が、オーバーラップゲートにより構成されていることか
ら、当該製造装置において、オーバーラップゲートに入
った溶融樹脂は、その内部において流動方向(流路)が
変えられることに基づき、該各オーバーラップゲート
は、できるだけバランスのとれた分流を生成しようとす
ることになり、その各分流に基づき、各分流毎の模様線
の一定幅を全長に亘って略維持できることになる。この
ため、この場合にも、模様線の幅にあまり変化がない自
然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品を製造でき
ることになる。
【0036】請求項24の発明によれば、ゲートに至る
溶融樹脂通路に屈曲路部が設けられていることから、当
該製造装置においては、ゲートに至る前において、屈曲
路部により、溶融樹脂の流れの乱れ、射出圧等を安定さ
せて、ゲートにより形成される各分流を安定としたもの
とすることができることになる。
【0037】請求項25の発明によれば、キャビティ樹
脂供給端に開閉弁が備えられ、開閉弁は、開弁時に、複
数の分流をキャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に
同時に流れ込ませるように設定されていることから、当
該製造装置において、前述の請求項13に係る方法と同
様の作用を働かせることができ、全長がどの程度のもの
であろうとも、各分流の供給タイミングを同じにして、
模様線の幅にあまり変化がない自然に近い柾目模様を有
する木目調射出成形品を製造できることになる。
【0038】請求項26の発明によれば、ゲートにおけ
る流れ抵抗が、キャビティ内への分流の供給タイミング
が早くなる部位ほど相対的に大きくされていることか
ら、当該製造装置において、流れ抵抗調整に基づき各分
流の供給タイミングが略同じになるように是正して、全
長がどの程度のものであろうとも、模様線の幅にあまり
変化がない自然に近い柾目模様を有する木目調射出成形
品を製造できることになる。
【0039】請求項27の発明によれば、キャビティ内
における木目調射出成形品内側相当部位に、各分流を案
内する案内手段が設けられていることから、当該製造装
置において、前述の請求項14に係る方法と同様の作用
を働かせて、案内手段の機能に基づき、全長がどの程度
のものであろうとも、模様線の幅にあまり変化がない自
然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品を製造でき
ることになる。
【0040】請求項28の発明によれば、キャビティ内
における厚み空間が、各分流のうち相対的に流動距離の
長い部位ほど他の分流部位に比べて厚くされていること
から、前述の請求項16に係る方法と同様の作用を働か
せて、全長がどの程度のものであろうとも、当該製造装
置において、模様線の幅にあまり変化がない自然に近い
柾目模様を有する木目調射出成形品を製造できることに
なる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面に基づいて説明する。
【0042】図1〜図8は第1実施形態を示すものであ
る。この第1実施形態において、図1、図2中、符号1
は、成形直後の本実施形態に係る射出成形品で、この成
形直後の成形品1は、溶融樹脂が凝固されて、長尺な平
板状の製品部2と、その製品部2に取り付いた状態とな
るゲート部3、ランナー部4、スプルー部5とを有する
ことになっていて、このうち、ゲート部3、ランナー部
4、スプルー部5については、この成形後、除去され
る。この長尺な平板状の製品部2は、パネル等として、
各種の用途に供される。
【0043】上記長尺の平板状の製品部(成形品)2に
は、図1に示すように、溶融樹脂の複数の分流に基づく
複数の分流跡6が形成されている。
【0044】上記溶融樹脂としては、第1材料中に第2
材料が含有されたものが用いられている。第1材料と第
2材料とは色彩が異なったものとなっており、成形の段
階において、第1材料に対して第2材料が完全混合する
前の状態、すなわち不完全混合状態が利用されることに
なっている。具体的には、第1材料として、ABS(ア
クリルニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、TPE
(熱可塑性エラストマー)樹脂(オレフィン系、ナイロ
ン系、ウレタン系等)等、種々の樹脂が単独又は複合し
て使用され、第2材料として、PP(ポリプロピレン)
樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等、種々の樹
脂が単独又は複合して使用されることになっている。さ
らに、第1材料、第2材料には、各種樹脂の他に、着色
剤、顔料、木粉等が含められており、目的とする木目模
様の種類応じて、適宜含有量が決定されることになって
いる。この第2材料と第1材料との重量比率は、第2材
料/第1材料=5/100程度が好ましく、木粉を添加
する場合には、その木粉の添加割合は、第1材料及び第
2材料量に対して5〜50%の範囲(木質感、成形性等
の観点から、より好ましくは10%程度)で添加するこ
とが好ましい。
【0045】上記複数の分流跡6は、略一定幅をもっ
て、製品部2の幅方向(図1中、上下方向)に順次、形
成されており、その各分流跡6は、製品部2の延び方向
(図1中、左右方向)に延ばされている。この各分流跡
6は、第1材料凝固部7と、第2材料凝固部8とをそれ
ぞれ有しており、その第1材料凝固部7及び第2材料凝
固部8は、製品部2の表面だけでなく内部にも形成され
ている。
【0046】上記第1材料凝固部7は、各分流跡6の幅
方向(図1中、上下方向)内方側において、その分流跡
6の延び方向に延びるようにして凝固されており、その
第1材料凝固部7は、各分流跡6において、略全体を占
めている。上記第2材料凝固部8は、各分流跡6の幅方
向両側において、各第1材料凝固部7の延び方向に延び
るようにしてそれぞれ凝固されており、その第2材料凝
固部7は、上記第1材料凝固部7に比してかなり細い線
幅をもって形成されている。
【0047】次に、上記成形品1(製品部2)を製造す
る製造方法及びその製造方法を実施する製造装置につい
て説明する。先ず、製造方法を説明する前に先立ち、そ
の製造方法を実施する製造装置について説明し、製造方
法については、製造装置の作用と共に説明する。
【0048】上記成形品1を製造する製造装置9は、図
3に示すように、成形機10と、金型11とを備える。
【0049】上記成形機10としては、本実施形態にお
いては、汎用のスクリュ式射出成形機が用いられてい
る。この成形機10は、内部に順次、供給される前記第
1材料用の固形ペレット12と前記第2材料用の固形ペ
レット13とをシリンダ14内において溶融させて溶融
樹脂15(図3においては矢印をもって示す)を生成
し、その溶融樹脂15を金型11側に一定圧力(射出
圧)をもって送り出す機能を有しており、その溶融樹脂
15の生成に際しては、シリンダ14内の温度調整等に
基づき、第1材料に対して第2材料が不完全混合状態と
なるように設定されることになっている。
【0050】上記金型11は、図3、図4に示すよう
に、上型16と下型17とを有しており、その上、下型
16、17は、図示を略す型締め機構により型締め状態
にされたとき、図3〜図6に示すように、その内部にキ
ャビティ18と、スプルー19と、ランナー20と、ゲ
ート21とを形成することになっている。キャビティ1
8は、前記長尺の平板状の製品部2に対応した空間を形
成しており、該キャビティ18は、一定幅の一定厚み空
間を保持して、対向するキャビティ樹脂供給端22とキ
ャビティ樹脂到達端23とを形成することになってい
る。スプルー19は、前記成形機10から溶融樹脂15
を受け入れてその溶融樹脂15をランナー20に導く導
入湯道を構成しており、そのスプルー19は、ランナー
20に連なっている。この場合、スプルー19に、溶融
樹脂15の流動方向を変える屈曲部(屈曲路)を形成し
てもよい。ランナー20は、スプルー19とゲート21
とを結ぶ湯道を構成しており、本実施形態においては、
ランナー20は、断面略半円状をもって、キャビティ樹
脂供給端22に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端22
に沿って延びている(図5、図6参照)。ゲート21と
しては、本実施形態においては、複数のオーバーラップ
ゲート21aが用いられている。この複数のオーバーラ
ップゲート21aは、ランナー20(キャビティ樹脂供
給端22)の延び方向に所定間隔毎に配置されており、
その各オーバーラップゲート21aは、ランナー20の
下面側とキャビティ樹脂供給端22付近の下面との間を
跨いで該ランナー20と該キャビティ18とを連通させ
ることになっている。
【0051】次に、上記成形品1(製品部2)の製造方
法について、上記製造装置の作用と共に説明する。先
ず、成形機10において、第1材料用の固形ペレット1
2と第2材料用の固形用ペレット13が所定の各供給速
度に基づきシリンダ14内に供給されて、第1材料24
と第2材料25とからなる溶融樹脂15が生成され、そ
の溶融樹脂15は、連続的に金型11側に送り出され
る。このため、溶融樹脂15のうちの第2材料25は、
溶融樹脂15の送り出し流れに乗り、その溶融樹脂15
の送り出し流れに沿った複数の線状の流れとなり、その
複数の線状の第2材料25の流れは、図5に示すよう
に、さらに、溶融樹脂の送り出し流れに基づき、スプル
ー19を経てランナー20へと流れて、そのランナー2
0において、該ランナー20(キャビティ樹脂供給端2
2)の延び方向に延びるような流れ形状を示すことにな
る。この場合、スプルー19等に屈曲部(屈曲路)があ
るときには、溶融樹脂15の脈動等が抑えられることに
なる。
【0052】ランナー20内に溶融樹脂15が満たされ
ると、図6に示すように、溶融樹脂15は、射出圧を受
け、各オーバーラップゲート21aからキャビティ18
内に供給されることになる。これにより、溶融樹脂15
は、各オーバーラップゲート21aに基づき、そのオー
バーラップゲート21aの数だけの複数の分流26に分
けられてキャビティ18内に入り込むことになり、その
各分流26は、放物線状をもってキャビティ樹脂供給端
22からキャビティ樹脂到達端23に向けて流動するこ
とになる。この後、時間の経過に伴い、各分流26先端
部がキャビティ樹脂到達端23へ流動すると共に幅方向
に拡がろうとするけれども、隣り合う各分流26が互い
に規制し合い、各分流26は、略平行な状態をもって流
れる。このような各分流26の動きに連動して、各分流
中の第2材料25(先端部)も、図7に示すように、キ
ャビティ樹脂到達端23へ流動すると共に幅方向に拡が
ることになるが、そのうち、第2材料25の幅方向の拡
がりは、隣り合う分流26に基づき規制され、それが各
分流26の流れ方向に延ばされて各分流26毎に略一定
幅の第2材料25の模様流れ(略一定幅の模様線)が形
成されることになる。特に、各分流26においては、そ
の幅方向両側の速度勾配が幅方向内方側の速度勾配より
も大きいことから、各分流26の幅方向両側における第
2材料25の模様流れは、該各分流の流動方向のせん断
力に基づき引き延ばされ、その第2材料25の模様流れ
は、分流26の流動に伴ってしだいに細くされることに
なる。勿論このとき、第2材料25の模様流れは、複数
の分流26の作用に基づき形成されることから、表面側
だけでなく内部にも生じることになる。
【0053】この場合、複数の分流26は、略同じタイ
ミングでキャビティ18内に供給されることから、各分
流26中の第2材料25の幅方向の拡がりは、各分流2
6の供給当初から隣り合う分流26の規制を受けること
になり、上記模様流れは、キャビティ樹脂供給端22か
ら直ちに生じることになる。この場合、図4に示すよう
に、各ゲート21として、オーバーラップゲート21a
を用いて、オーバーラップゲート21aとランナー20
との接続部、オーバーラップゲート21aとキャビティ
18との接続部において、溶融樹脂15の流動方向を変
えることから、各オーバーラップゲート21aから供給
される分流26の勢い、供給タイミング等はバランスの
とれたものとなり、このことも、キャビティ樹脂供給端
22から直ちに、各分流26毎に幅にあまり変化がない
第2材料25の模様流れを生じさせることに寄与するこ
とになる。
【0054】そして、キャビティ18内への複数の分流
26による溶融樹脂15の供給を終えると(充填される
と)、溶融樹脂15の凝固を待ち、その後、上、下型1
6、17を開いて、前述の成形品1を取り出すことにな
る。
【0055】したがって、このような第1実施形態にお
いては、製品部2の全長が比較的短いものを含め全長が
どの程度のものであろうとも、各分流26毎に略一定幅
の模様流れを形成して、極めて自然に近い柾目模様を鮮
明に有する成形品1(製品部2)を得ることができるこ
とになる。また、上記製品部2を得るにおいて、分流2
6数の調整により第2材料25の模様流れの数を自由に
増減でき(1つの分流26の幅方向両側に2つの第2材
料25の模様線が形成されること)、種々の柾目模様を
思いのままに形成できることになる。さらに、溶融樹脂
15を、第1材料24に対して第2材料25が不完全混
合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端22に
まで送り出し、その流れを利用して、第2材料25を、
キャビティ樹脂供給端22手前において該キャビティ樹
脂供給端22に沿って延びるような流れ形状とすること
から、多頭式射出成形機等によって模様を形成する必要
がなく、汎用射出成形機を用いることができ、設備コス
トの低減を図ることができることになる。
【0056】図8は、平板状の製品部2の表面を表す写
真である。この写真によれば、製品部2の表面に、開始
端(キャビティ樹脂供給端側)から終端まで柾目模様を
認識することができる。この場合、下記成形条件の下
で、製品部2を成形した。 1)大きさ(縦125mm 横50mm 厚み1mm) 2)ゲート(数:10 種類:異径多点オーバーラップ
ゲート+フィルムゲート) 3)樹脂(第1材料:ABS 第2材料:PBT) 4)射出条件(シリンダ温度:235度C 金型温度:
60度C 最大射出圧:1500Kg/cm2) 5)その他(型締め力:60t 射出成形機のスクリュ
径:46mm)
【0057】図9、図10は第2実施形態、図11は第
3実施形態、図12は第4実施形態、図13は第5実施
形態、図14〜図20は第6実施形態、図21〜図23
は第7実施形態を示すものである。この各実施形態にお
いて、前記第1実施形態以降、当該実施形態前における
実施形態と同一構成要素については同一符号を付してそ
の説明を省略する。
【0058】図9、図10に示す第2実施形態において
は、製品部2(成形品)が、図9に示すように、内側面
において複数の凸条部27が形成されている。この複数
の凸条部27は、製品部2の幅方向に所定間隔毎(分流
毎)に配設され、その各凸条部27は製品部2の延び方
向に延ばされている。
【0059】このような凸条部27を有する製品部2を
成形するためには、図10に示すように、下型17とし
て、複数の案内溝28を有するものが用いられる。複数
の案内溝28は、並設状態をもって延ばされており、そ
の各案内溝28に溶融樹脂15が充填されることによ
り、製品部2の凸条部27が形成されることになってい
る。
【0060】したがって、このような第2実施形態にお
いては、製品部2の成形に際して、各案内溝28は、溶
融樹脂15の案内手段として機能することになり、その
案内機能に基づき、各分流26は、方向性を持って適正
に流れ、乱れることが抑制される。しかも、各分流26
の方向性が補強されることに基づき、その各分流の方向
性を乱そうとする力が働いても、その力に抗することが
できることになり、各分流26は、整然とした略真っ直
ぐな配置関係を維持することになる。このため、各分流
26の特性を確実に利用できることになり、凝固後にお
いて、製品部2は、各分流跡6毎に略一定幅の第2材料
凝固部8(模様線)を確実に有することができることに
なる
【0061】図11に示す第3実施形態においては、ゲ
ート21として、ファンゲート21bが用いられてい
る。このファンゲート21bには、キャビティ樹脂供給
端22よりも手前において、複数の仕切部30が設けら
れ、その複数の仕切部30間を溶融樹脂15が通ること
により前記複数の分流26を生成され、その複数の分流
26がキャビティ18内に入り込むことになっている。
【0062】第4実施形態においては、複数のゲート2
1のうち、キャビティ18内への分流26の供給タイミ
ングが早くなるものほどゲート径が小さくされている。
すなわち、例えば、金型11として、図12に示すよう
に、スプルー19がランナー20の延び方向中央部に位
置するようなものが用いられているときには、キャビテ
ィ18に対する各分流26の供給タイミングは略同じと
なるが、各分流26の供給タイミングの精度をより高め
るために、溶融樹脂の動圧を受け易いゲート21(スプ
ルー19の出口に対向するゲート)の径が他のものより
も狭められて、その通過抵抗を高められている。これに
より、各分流26の供給タイミングを同じとすることが
高められて、前述の各分流26の作用を確実に利用で
き、製品部2の表面に、分流跡6毎に略一定幅の第2材
料凝固部8(模様線)を表すことができることになる。
【0063】第5実施形態においては、図13に示すよ
うに、キャビティ樹脂供給端22の手前に開閉弁31が
設けられている。この開閉弁31を用いることにより、
溶融樹脂15が該キャビティ樹脂供給端22全体の手前
に行き渡った後、該開閉弁31を開弁して、各分流26
をキャビティ18内に供給するようにすれば、各分流2
6の供給タイミングが極めて高い精度となり、前述の各
分流26作用を確実に利用できることになる。
【0064】図14〜図20に示す第6実施形態におい
ては、天壁部32とその周縁部から起立する周壁部33
とを備える有底円筒状のキャップ体34(2)に柾目模
様を形成したものを示している。すなわち、この第6実
施形態においては、図15に示すように、成形品1は、
製品部2の他に、フィルムゲート部35、並設状態の複
数のサイドゲート36等を備えている。フィルムゲート
部35と複数のサイドゲート部36とは、キャップ体3
4における径方向一方側の周壁部33に、その開口周縁
部において設けられており、複数のサイドゲート部36
は、フィルムゲート部36に上下に隣接して配置されて
いる。そして、この複数のサイドゲート部35、フィル
ムゲート部36等は、この成形後、除去され、製品部2
としてのキャップ体34が、図14に示すように、手摺
41の端部キャップ等として用いられることになってい
る。
【0065】このような成形品1を成形するために、図
16に示すように、上型16に凹所37が形成され、下
型17に、上型16の凹所37に嵌合して有底円筒状の
キャビティ18を形成する凸部38が形成されている。
しかも、上、下型16、17は、上述のフィルムゲート
部35、複数のサイドゲート部36に対応して、フィル
ムゲート21c、複数のサイドゲート21dがキャビテ
ィ18に臨むように形成され、下型17の凸部38先端
面には、図16、図17に示すように、その径方向一方
側から径方向他方側に向けて延びるように複数の案内溝
28が形成されている。
【0066】このような金型11を用いて成形を行う
と、図18に示すように、サイドゲート21dにより複
数の分流26が生成されて前述の各分流26の作用を生
じさせることができるばかりでなく、この成形品1のよ
うに、キャビティ樹脂供給端22からキャビティ樹脂到
達端23までの距離に関し、異なる距離を有する通路を
有することになる場合であっても(径方向一方側の周壁
部分から径方向他方側の周壁部分に天壁部32を経て至
る距離と、径方向一方側の周壁部分から径方向他方側の
周壁部分に周壁部33を経て至る距離とが異なる)、複
数の案内溝28の案内機能に基づき、各分流26は、方
向性を持って適正に流れ、乱れることが抑制される。し
かも、各分流26の方向性が補強されることに基づき、
その各分流26の方向性を乱そうとする力が働いても、
その力に抗することができることになり、各分流26
は、整然とした配置関係を維持することになる。このた
め、キャップ体34であっても、天壁部32に各分流跡
6毎に略一定幅の第2材料凝固部8(模様線)を確実に
形成できることになる。
【0067】勿論このとき、複数のサイドゲート21d
とフィルムゲート21cとが上下に隣接して配置されて
いることに基づき、複数のサイドゲート21dにより形
成される複数の分流26に、勢いの違いがあっても、フ
ィルムゲート21cからの溶融樹脂15により是正さ
れ、各分流26は、バランスあるものとされる。
【0068】これに対して、複数の案内溝28を下型1
7の凸部38に形成しない場合には、図19に示すよう
に、複数の分流26に基づき複数の線状の第2材料凝固
部8(柾目模様)を形成することができるものの、その
第2材料凝固部8の間隔は、キャビティ樹脂到達端23
に近づくに従って狭められることになる。これは、キャ
ビティ樹脂供給端22からキャビティ樹脂到達端23ま
で溶融樹脂15が流動するに際して、周壁部相当部を経
由する溶融樹脂が、天壁部相当部を経由する溶融樹脂1
5に比べて早くキャビティ樹脂到達端23に到達して、
天壁部相当部を経由する溶融樹脂15に側方から力を作
用させるためと考えられる。この点、複数の案内溝28
を下型17の凸部38に形成している場合には、この力
に対して十分に抗することになる。
【0069】図20は、キャップ体34の表面を表す写
真である。この写真によれば、キャップ体34の天壁部
32表面に、開始端(キャビティ樹脂供給端側)から終
端まで柾目模様を認識することができる。この場合、下
記成形条件の下で、キャップ体32を成形した。 1)大きさ(直径34mm 高さ10mm 肉厚1mm) 2)ゲート(数:8 種類:同径多点オーバーラップゲ
ート+フィルムゲート) 3)樹脂(第1材料:ABS 第2材料:PBT) 4)射出条件(シリンダ温度:235度C 金型温度:
60度C 最大射出圧:1500Kg/cm2) 5)その他(型締め力:60t 射出成形機のスクリュ
径:46mm)
【0070】勿論、このような案内溝28に代えて、或
いはこの案内溝28と共に、分流26の流動距離が短い
ほど、周壁部相当部の厚み空間(キャビティ空間厚み)
を狭めて、その分流26の流動抵抗を高め、溶融樹脂1
5のキャビティ樹脂到達端23への到達タイミングを、
どこを経由しようとも、略同じにするようにしてよい。
【0071】図21〜図23に示す第7実施形態におい
ては、製品部2として、略L字状(エルボ状)の屈曲筒
体39の全周に、該屈曲筒体39の軸心に沿って延びる
ように柾目模様を形成したものを示している。すなわ
ち、成形直後の成形品1は、図22に示すように、製品
部2としての屈曲筒体39の他に、ゲート部42、ラン
ナー部43等を備えている。屈曲筒体39は、複数の第
2材料凝固部8が周回り方向に所定間隔毎に形成され、
その各第2材料凝固部8は、屈曲筒体39の軸心に沿っ
て、その一端から他端に向けて延ばされており、この屈
曲筒体34は、図21に示すように、ゲート部42、ラ
ンナー部43等の除去後、手摺41の端部において用い
られることになっている。
【0072】このような成形品1を成形するために、金
型11内部には、金型要素としての中子45、46を用
いて、図23に示すように、略L字状の屈曲筒体形成空
間(キャビティ18)が形成され、その一端側(キャビ
ティ樹脂供給端22)の全周に複数のオーバーラップゲ
ート21aが臨んでいる。この場合、屈曲筒体39の一
端から他端までの距離に関し、屈曲筒体39の外周側3
9aが内周側39bに比べて長くなり、その違いに基づ
き、キャビティ18内で複数の分流26を生成しても、
その複数の分流26が乱れ易いことから、中子45、4
6の外周面に複数の案内溝28を形成して、その複数の
案内溝28により、その各分流26の乱れに抗すること
になっている。これにより、成形品が略L字状に曲げら
れた屈曲筒体39であっても、図22に示すように、複
数の分流26等に基づき、分流跡6毎に第2材料凝固部
8(模様線)が形成され、柾目模様を得ることができる
ことになる。
【0073】この場合、別の態様として、中子45、4
6において、分流26の流動距離が長い部位(外周
側)、ほど長く案内溝を形成してもよいし、分流26の
流動距離が長い部位ほど案内溝28を深くしてもよい。
【0074】さらに別の態様として、案内溝に代えて、
分流26の流動距離の長い部位ほど、キャビティ18の
厚み空間を次第に厚くなるようにしてもよい。これによ
っても、上記第7実施形態と同様の作用効果を得ること
ができることになる。
【0075】以上実施形態について説明したが本発明に
あっては、次のような態様を包含する。1)複数のゲー
ト21を、その間隔が細かくなるように配置すること。
これにより、より自然木の柾目に近づけることができる
ことになる。2)オーバーラップゲートとフィルムゲー
トとを併用すること。
【0076】尚、本発明の目的は、明記されたものに限
らず、実質的に好ましい或いは利点として記載されたも
のに対応したものを提供することをも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における成形直後の成形品を示す
平面図。
【図2】図1の拡大側面図。
【図3】第1実施形態に係る製造装置を説明する説明
図。
【図4】第1実施形態に係る金型を示す部分拡大断面
図。
【図5】金型内での溶融樹脂の流れを説明する説明図。
【図6】図5の続きを説明する動作状態図。
【図7】分流毎の第2材料の模様流れの生成を説明する
説明図。
【図8】第1実施形態に係る製品部(成形品)表面を表
す写真。
【図9】第2実施形態における製品部(成形品)を示す
斜視図。
【図10】図9の成形品を成形する金型を示す部分拡大
断面図。
【図11】第3実施形態に係るゲート構造を示す説明
図。
【図12】第4実施形態に係るゲート構造を示す説明
図。
【図13】第5実施形態に係るゲート構造を示す説明
図。
【図14】第6実施形態に係る成形品(キャップ体)を
用いた手摺を示す斜視図。
【図15】第6実施形態に係る成形品を示す斜視図。
【図16】第6実施形態に係る成形品を成形する金型を
示す部分拡大断面図。
【図17】第6実施形態に係る下型を示す部分拡大斜視
図。
【図18】第6実施形態において、金型内での溶融樹脂
の流れを平面的に説明する説明図。
【図19】第6実施形態に係る下型の凸部に案内溝を形
成しない場合ついて、金型内での溶融樹脂の流れを平面
的に説明する説明図。
【図20】第6実施形態に係る製品部(キャップ体)表
面を示す写真。
【図21】第7実施形態に係る成形品(屈曲筒体)を用
いた手摺を示す斜視図。
【図22】第7実施形態に係る成形品を示す図。
【図23】第7実施形態に係る金型を示す部分拡大断面
図。
【符号の説明】
1 成形品 2 製品部 6 分流跡 7 第1材料凝固部 8 第2材料凝固部 9 製造装置 11 金型 15 溶融樹脂 16 上型 17 下型 18 キャビティ 21 ゲート 21a オーバーラップゲート 21b ファンゲート 21c フィルムゲート 21d サイドゲート 22 キャビティ樹脂供給端 23 キャビティ樹脂到達端 26 分流 27 凸条部 28 案内溝 30 仕切部 31 開閉弁 32 天壁部 33 周壁部 34 キャップ体 39 屈曲筒体

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1材料と該第1材料に対して色彩が異
    なる第2材料とが不完全混合状態で含まれる溶融樹脂
    が、キャビティ内に複数の分流の下で供給された後、凝
    固されて、少なくとも表面に複数の分流跡が形成されて
    いる木目調射出成形品であって、 前記各分流跡が、該各分流跡の幅方向内方側において該
    各分流跡の延び方向に延びるようにして前記第1材料が
    凝固する第1材料凝固部と、該各分流跡の幅方向両側に
    おいて該各第1材料凝固部の延び方向に延びるようにし
    て凝固する第2材料凝固部と、を有している、ことを特
    徴とする木目調射出成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 肉厚が、前記分流跡の延び方向において、該分流跡の距
    離が長い部位ほど厚くなるように設定されている、こと
    を特徴とする木目調射出成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 内側面に、凹溝部又は凸条部が前記分流跡に沿って形成
    されている、ことを特徴とする木目調射出成形品。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記第1材料又は前記第2材料に木粉が含まれている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 平板とされて、前記複数の分流跡が該平板の延び方向に
    延びるように形成されている、ことを特徴とする木目調
    射出成形品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 天壁部と該天壁部の周縁部から起立する周壁部とを有す
    る有底筒体とされて、前記複数の分流跡が、該有底筒体
    の径方向一方側の周壁部分から該有底筒体の径方向一方
    側の周壁部分に対向する該有底筒体の径方向他方側の周
    壁部分に向けて延びるように形成されている、ことを特
    徴とする木目調射出成形品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 屈曲されて略L字状に形成された筒体とされて、前記複
    数の分流跡が該筒体の軸心に沿って延びるように形成さ
    れている、ことを特徴とする木目調射出成形品。
  8. 【請求項8】 第1材料と該第1材料に対して色彩が異
    なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対し
    て該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャ
    ビティ樹脂供給端にまで送り出し、 その後、前記溶融樹脂を複数の分流をもって前記キャビ
    ティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給する、ことを
    特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記キャビティ内に供給される各分流の供給タイミング
    を略同じとする、ことを特徴とする木目調射出成形品の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9において、 前記複数の分流を、前記キャビティ樹脂供給端に沿って
    並設された複数のゲートにより形成する、ことを特徴と
    する木目調射出成形品の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記溶融樹脂を前記キャビティ内に供給するに際して、
    前記複数のゲートと共に、該複数のゲートに対して隣接
    配置されたフィルムゲートを併用する、ことを特徴とす
    る木目調射出成形品の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11のいずれかにおい
    て、 前記複数のゲートのうち、前記キャビティ内への分流の
    供給タイミングが早くなるものほどゲート径を小さくす
    る、ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項9〜11のいずれかにおいて、 前記キャビティ樹脂供給端に開閉弁を設けて、溶融樹脂
    が該キャビティ樹脂供給端全体の手前に行き渡った後、
    該開閉弁を開弁して、各分流をキャビティ内に供給す
    る、ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8〜13のいずれかにおいて、 前記キャビティ内における成形品内側相当部位で、案内
    手段をもって各分流を案内する、ことを特徴とする木目
    調射出成形品の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項8〜14のいずれかにおいて、 前記キャビティ内における各分流の流れ抵抗を、該各分
    流のうち相対的に流動距離の長いものが流れる部位ほど
    他の分流が流れる部位に比べて小さくする、ことを特徴
    とする木目調射出成形品の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記分流の流れ抵抗を小さくする手段が、前記キャビテ
    ィの厚み空間を、該分流の流動領域において相対的に厚
    くすることである、ことを特徴とする木目調射出成形品
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16において、 前記キャビティの厚み空間の調整を、前記キャビティ内
    における成形品内側相当部位において各分流を案内する
    ために設ける案内手段としての案内溝により行う、こと
    を特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項14又は17において、 前記案内手段を、前記分流の流動距離の長い部位ほど短
    いものに比べて長く延ばす、ことを特徴とする木目調射
    出成形品の製造方法。
  19. 【請求項19】 キャビティ樹脂供給端に、ゲートが臨
    まされ、 前記ゲートが、溶融樹脂を複数の分流に分けて該複数の
    分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定
    されている、ことを特徴とする木目調射出成形品の製造
    装置。
  20. 【請求項20】 請求項19において、 前記ゲートが、複数のゲートを並設した状態で配設する
    ことにより構成されている、ことを特徴とする木目調射
    出成形品の製造装置。
  21. 【請求項21】 請求項19において、 前記ゲートが、ファンゲートに複数の仕切部を設けて前
    記複数の分流を形成するように構成されている、ことを
    特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  22. 【請求項22】 請求項20又は21において、 前記キャビティ樹脂供給端に、前記ゲートに隣接配置を
    もって、フィルムゲートが臨まされている、ことを特徴
    とする木目調射出成形品の製造装置。
  23. 【請求項23】 請求項20又は22において、 前記複数のゲートが、オーバーラップゲートにより構成
    されている、ことを特徴とする木目調射出成形品の製造
    装置。
  24. 【請求項24】 請求項19〜23のいずれかにおい
    て、 前記ゲートに至る溶融樹脂通路に屈曲路部が設けられて
    いる、ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  25. 【請求項25】 請求項19〜24のいずれかにおい
    て、 前記キャビティ樹脂供給端に開閉弁が備えられ、前記開
    閉弁は、開弁時に、前記複数の分流を前記キャビティ樹
    脂供給端から該キャビティ内に同時に流れ込ませるよう
    に設定されている、ことを特徴とする木目調射出成形品
    の製造装置。
  26. 【請求項26】 請求項19〜24のいずれかにおい
    て、 前記ゲートにおける流れ抵抗が、前記キャビティ内への
    分流の供給タイミングが早くなる部位ほど相対的に大き
    くされている、ことを特徴とする木目調射出成形品の製
    造装置。
  27. 【請求項27】 請求項19〜26のいずれかにおい
    て、 前記キャビティ内における成形品内側相当部位に、各分
    流を案内する案内手段が設けられている、ことを特徴と
    する木目調射出成形品の製造装置。
  28. 【請求項28】 請求項19〜26のいずれかにおい
    て、 前記キャビティ内における厚み空間が、前記各分流のう
    ち相対的に流動距離の長い部位ほど他の分流部位に比べ
    て厚くされている、ことを特徴とする木目調射出成形品
    の製造装置。
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