JPH11349632A - 重合体の製造方法、得られた重合体、及びそれを用いたゴム組成物 - Google Patents

重合体の製造方法、得られた重合体、及びそれを用いたゴム組成物

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JPH11349632A
JPH11349632A JP15644098A JP15644098A JPH11349632A JP H11349632 A JPH11349632 A JP H11349632A JP 15644098 A JP15644098 A JP 15644098A JP 15644098 A JP15644098 A JP 15644098A JP H11349632 A JPH11349632 A JP H11349632A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】充填剤の種類に関わらず、良好な補強特性及び
充填材分散効果を持つ変性ジエン系重合体、および、そ
の製造方法を提供すること、ウェット特性を損なわず
に、良好な破壊特性、耐摩耗性、低発熱性を有するゴム
組成物を提供すること。 【解決手段】炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を
開始剤として用いて共役ジエン単量体を重合または共重
合させた後、その重合活性末端と(式1)で示されるメ
チレンアミノ基を含有する化合物を反応させてなること
を特徴とする重合体の製造方法。 【化3】 ただし、R、R’、R’’、R’’’は、炭素数1〜1
8のアルキル基、アリル基、アリール基を、m、及び、
nは、それぞれ、1から20、及び、1から3の整数を
示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、破壊特性、耐摩耗
性、低発熱性が同時に高度に保たれた重合体の製造方
法、得られた重合体、及び、該重合体を用いたゴム組成
物に関し、より詳しくは、アニオン重合で得られた重合
体の末端を変性し、シリカ及びカーボンブラックとの相
互作用性を高めた変性ジエン系重合体の製造方法、得ら
れた重合体、及び、該重合体を用いたゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への関心の高まりに伴う
世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車
の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつあ
る。このような要求に対応するため、タイヤ性能につい
ても転がり抵抗の減少が求められてきている。タイヤの
転がり抵抗を下げる手法としては、タイヤ構造の最適化
による手法についても検討されてきたものの、ゴム組成
物としてより発熱性の低い材料を用いることが最も一般
的な手法として行われている。
【0003】このような発熱性の低い配合ゴムを得るた
めに、これまで、ゴム組成物に使用する充填材の分散性
を高めるような技術開発が数多くなされてきた。その中
でも特に、アルキルリチウムを用いたアニオン重合で得
られるジエン系重合体の末端を充填材と相互作用を持つ
官能基にて修飾する方法が、最も一般的になりつつあ
る。
【0004】それらの手法の中で最も代表的なものとし
て、充填材にカーボンブラックを用い、重合体末端をス
ズ化合物にて修飾する方法が知られている。(特公平5
−87530号)また同様にカーボンブラックを用い
て、重合体末端にアミノ基を導入する方法も用いられて
いる。(特開昭62−207342号)
【0005】また、さらに近年、自動車の安全性への関
心の高まりにつれて、低燃費性能のみならず、湿潤路面
での性能(以下ウェット性能という)、特に、制動性能
についても要求が高まってきた。このため、タイヤトレ
ッドのゴム組成物に対する性能要求は、単なる転がり抵
抗の低減に止まらず、ウェット性能と低燃費性能を高度
に両立するものが必要とされている。
【0006】このような、良好な低燃費性と良好なウェ
ット性能とを同時にタイヤに与えるゴム組成物を得る方
法として、補強性充填材として、従来から一般的に用い
られてきたカーボンブラックに変えてシリカを用いる方
法がすでに行われている。
【0007】しかしながらシリカを補強性充剤として用
いた場合、カーボンブラックと比較して、ゴム組成物の
破壊強度及び耐摩耗特性が著しく低下することも明らか
となっている。またさらに、シリカの分散性が悪く、混
練りを行なう際の作業性についても、現実にタイヤを製
造する上で大きな問題となってきている。
【0008】そこで、このように発熱性の良好なゴム組
成物を生産性よく得るためには、補強性充填材としてカ
ーボンブラック又はシリカを単独で用いるのみでなく、
シリカとカーボンブラックを併用し、さらに、このよう
な多様な充填材に対して広く相互作用を持ち、充填材の
良好な分散性と、良好なゴム組成物の耐摩耗性とを与え
得る末端変性重合体が必要とされている。
【0009】しかしながらこれまでに述べてきた手法に
おいては変性剤の開発が単一の充填材を目的として行わ
れてきたために、充填材種類に関係なく、充填材との相
互作用を十分に持つ末端変性重合体は、極めて限られて
いるのが現状である。
【0010】たとえば始めに述べたスズ化合物について
は、カーボンブラックに対する分散効果は大きいもの
の、シリカに対しては、ほとんど分散効果がなくさら
に、補強効果については全く観察することができない。
【0011】他方、特開平1−188501号、特開平
8−53513号、特開平8−53576号に述べられ
ている、シリカの分散効果及び補強性の改善にたいして
効果のあるアルコキシシランを用いる手法については、
アルコキシシリル基がカーボンブラックと相互作用を全
く持たないために、カーボンブラックを充填材として用
いた場合においては効果がないことが明らかである。他
のシリカ用変性重合体についても同様であり、たとえ
ば、特開平9−71687号、特開平9−208633
号に開示されているアミノアクリルアミドを用いる方法
は、シリカの分散改良に対しては一定の効果を持つもの
の、カーボンブラックを用いた場合においては分散改良
効果はほとんど観察されず、カーボンブラックとシリカ
の併用系のゴム組成物やカーボンブラック配合のゴム組
成物についてはヒステリシスロスが上昇してしまうとい
う問題がある。
【0012】さらに、近年、リチウムアミド開始剤によ
り重合した重合体末端をアルコキシシランで変性するこ
とによりその変性効果を増強する手法についても行われ
ているが(特開平9−208621号)、この手法はや
や高価な重合開始剤が必要なことと、得られた重合体を
ゴム組成物に用いた場合、分散補強効果はあるもののゴ
ム組成物の作業性についてやや問題があることが知られ
ている。
【0013】またアルコキシシランにジアルキルアミノ
基を導入した変性剤を用いた変性重合体についても報告
がなされている(特公平6−53763号、特公平6−
57767号)。この手法においては、良好な作業性と
ともにシリカ配合に対する補強性及びシリカ、カーボン
ブラックの両者に対する一定の分散効果が得られるもの
の、アミノ基がカーボンブラックに対する効果の少ない
ジアルキル基型のために特にカーボンブラックの多い配
合については、スズ系変性剤を使用する方法等に比較す
ると、十分な効果が得られない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような公知の方法では十分な解決が困難であった、カー
ボンブラック及びシリカの双方に対する相互作用のレベ
ルを同時に上げることにより、充填剤の種類に関わら
ず、良好な補強特性及び充填材分散効果を持つ変性ジエ
ン系重合体、および、その製造方法を提供すること、さ
らには、ウェット特性を損なわずに、良好な破壊特性、
耐摩耗性、低発熱性を有するゴム組成物を提供すること
である。
【0015】
【課題を解決する手段】本発明者は、上記の多様な充填
材に対して優れた相互作用を持つ重合体について鋭意研
究を進めた結果、重合体の末端変性剤としてカーボンブ
ラック及びシリカの双方に対し特異的に良好な相互作用
を持つメチレンアミノ基を含有する化合物を用いること
により公知の技術で得られる重合体と比較して極めて優
れた効果を得られることを見出した。
【0016】すなわち、本発明は、以下の構成とする。 (1)炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を開始剤
として用いて共役ジエン単量体を重合または共重合させ
た後、その重合活性末端と前記(式1)で示されるメチ
レンアミノ基を含有する化合物を反応させてなることを
特徴とする重合体の製造方法。 (2)前記重合体が、共役ジエン単量体と、モノビニル
芳香属化合物との共重合体である事を特徴とする前記
(1)記載の重合体の製造方法。 (3)前記重合体の共重合に供する共役ジエン単量体及
びビニル芳香族炭化水素単量体が各々ブタジエン及びス
チレンであることを特徴とする前記(2)記載の重合体
の製造方法。 (4)前記メチレンアミノ基が, であることを特徴とす
る前記(1)から(3)のいずれかに記載の重合体の製
造方法。 (5)前記(1)から(4)のいずれかの方法で重合し
たことを特徴とする重合体。 (6)DSCにて測定したガラス転移点が−90℃〜−
30℃であることを特徴とする前記(5)に記載の重合
体。 (7)ムーニー粘度(ML1+4 /100℃)が10〜1
50である事を特徴とする前記(5)または(6)に記
載の重合体。 (8)前記(5)から(7)のいずれかに記載の重合体
をゴム成分中に30重量%以上含有し、かつこのゴム成
分100重量部に対しシリカまたはカーボンブラックま
たはその両方を10〜100重量部含有することを特徴
とするゴム組成物。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の重合体は、炭化水素溶媒
中で、有機リチウム化合物を開始剤として用いて共役ジ
エン単量体を重合または共重合させた後、その活性な重
合末端と前記(式1)で示されるメチレンアミノ基を含
有する化合物を反応させることにより得られる。
【0018】本発明で用いられる共役ジエン単量体とし
ては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,
3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−
フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン
等が挙げられる。これらは、一種単独で用いても、二種
以上を混合して用いてもよい。中でも好ましいのは1,
3−ブタジエンである。
【0019】また、共役ジエン単量体との共重合に用い
られる、ビニル芳香族炭化水素単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−
ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベン
ゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリ
メチルスチレン等を例示することができる。中でも好ま
しいのは、スチレンである。
【0020】更に、単量体として共役ジエン単量体及び
ビニル芳香族炭化水素を用いて共重合を行なう場合、各
々1,3−ブタジエン及びスチレンを使用することが実
用性、特にモノマーを容易に入手可能であり又アニオン
重合特性がリビング性等の点で優れるとの理由から特に
好ましい。
【0021】重合に使用される開始剤としては、リチウ
ム金属の炭化水素化合物等が挙げられる。好ましくは、
2〜20個の炭化原子を有するリチウム化合物であり、
具体的には、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、
i−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec −ブ
チルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチ
ウム、フエニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−
ブチル−フエニルリチウム、4−フエニル−ブチルリチ
ウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリ
チウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの
反応生生物などである。開始剤の使用量は単量体100
g当り通常0.2〜20ミリモルの範囲で用いる。
【0022】本発明の重合体は、炭化水素溶剤などの有
機リチウム開始剤を破壊しない溶剤中で行われる。適当
な炭化水素溶剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化
水素、脂環族炭化水素から選ばれ、特に炭素数3〜8個
を有するプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペン
タン、i−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
プロペン、1−ブテン、i−ブテン、トランス−2−ブ
テン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテ
ン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどが好ましい。またこ
れらの溶剤は2種類以上を混合して使用することもでき
る。
【0023】なお、溶媒中の単量体濃度は、通常、5〜
50重量%、好ましくは10〜30重量%である。共役
ジエン単量体とビニル芳香族炭化水素の共重合の場合、
仕込み単量体混合物中のビニル芳香族炭化水素の含量は
好ましくは3〜50重量%、さらに好ましくは5〜45
重量%である。
【0024】本発明では、共役ジエン単量体のアニオン
重合を行なう際に既知のランダマイザーを用いることが
できる。ここで言うランダマイザーとは、共役ジエン系
重合体のミクロ構造のコントロール、例えばブタジエン
重合体又はブタジエン−スチレン重合体のブタジエン部
の1,2結合、イソプレン重合体の3,4結合の増量等
及び共役ジエン単量体ビニル芳香族炭化水素共重合体の
単量体単位の組成分布のコントロール例えば、ブタジエ
ン−スチレン共重合体のブタジエン単位、スチレン単位
のランダム化等、の作用を有する化合物である。本発明
のランダマイザーは特に制限されないが、一般に用いら
れているもの全てを含む。このものとしては例えばジメ
トキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリ
ルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチル
モルホリン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレ
ンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテ
ル類及び第3級アミン類などを挙げることができる。ま
たカリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシ
ド等のカリウム塩類またナトリウム−t−アミレート等
のナトリウム塩等も用いることができる。
【0025】ランダマイザーの使用量は有機リチウム化
合物1モル当量当たり、0.01〜1000モル当量の
範囲で用いられる。
【0026】本発明に用いられる末端変性剤はメチレン
アミノ基をその分子内に有する必要がある。メチレンア
ミノ基は、三級アミノ基と同様の優れた塩基性を有する
上に、立体障害が少ないため、様々な酸性官能基と良好
な水素結合力を発現する可能性を有する。
【0027】この末端変性剤を重合体の活性末端に反応
させた場合、(式2)に示されるように、アルコキシシ
ランとの求核置換生成物とイミンへの付加反応生成物の
混合物が得られるものと考えられる。つまり、重合体の
末端に求核置換反応をした場合には、充填剤表面の酸性
官能基と導入されたメチレンアミノ基との間に相互作用
が生まれ、良好な充填剤分散効果と補強効果を同時に与
えることが期待できる。また、重合体末端に付加した場
合においては二級アミンに変換される。このような場合
においてもシラノール基との水素結合性の高い二級アミ
ンにより良好なシリカ分散性が期待できる。
【0028】
【化2】 ただし、R、R’、R’’、R’’’は、炭素数1〜1
8のアルキル基、アリル基、アリール基を、m、及び、
nは、それぞれ1から20、及び、1から3の整数を示
す。
【0029】また本発明に用いられる末端変性剤は、ア
ルコキシシリル基を有する必要がある。重合体の末端に
導入されたアルコキシシリル基は、シリカ表面のシラノ
ール基と縮合反応する事により上記のメチレンアミノ基
の水素結合力との相乗効果によりきわめて高い補強効果
を与える事ができる。
【0030】また本発明に用いられる末端変性剤は、ジ
メチルアミノベンゼン構造をメチレンアミノ基の置換基
として有することもできる。この場合、カーボンブラッ
クとの相互作用の強い官能基の作用によりさらに充填剤
との良好な補強効果を得る事ができる。
【0031】以上のことによりこの変性重合体はシリカ
配合、及びシリカとカーボンブラックの混合配合におい
て良好な補強特性を得ることができ、摩耗特性、破壊特
性において良好な配合ゴムを得ることができる。
【0032】本発明で使用されるメチレンアミノ基を含
有する化合物の具体例としては、−( 1,3−ジメチル
ブチリデン) −3−(トリエトキシシリル)−1−プロ
パンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ト
リエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリ
デン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミ
ン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエト
キシシリル)−1−プロパンアミン、N−( 4−N,N
−ジメチルアミノベンジリデン) −3−(トリエトキシ
シリル)−1−プロパンアミン等が挙げられ、 N−
(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリ
ル)−1−プロパンアミン 、N−( 1,3−ジメチル
ブチリデン) −3−(トリエトキシシリル)−1−プロ
パンアミン等が好ましい。
【0033】本発明で使用される末端変性剤の量は、ジ
エン系単量体の重合に使用される、有機アルカリ金属1
モルに対し通常0.25〜3.0モルであり、好ましく
は0.5〜1.5モルである。0.25モルより少ない
量ではアルコキシ基がカップリング反応に消費されて好
ましくない。また3モルを超えるような量においては過
剰の変性剤が無駄になるとともに、変性剤に含まれる不
純物によりアニオン重合末端が失活して実質的な変成功
率が低下して好ましくない。
【0034】本発明の末端変性剤と重合体末端リチウム
の反応温度はジエン系重合体の重合温度をそのまま用い
ることができる。具体的には30℃〜100℃が好まし
い範囲としてあげられる。30℃未満では重合体の粘度
が上昇しすぎる傾向があり100℃を超えると、末端ア
ニオンが失活し易くなるので好ましくない。
【0035】これらの末端変性剤の重合鎖末端への添加
時期、方法については特に限定はないが一般的にこのよ
うな変性剤を用いる場合は、重合終了後に行なう場合が
多い。
【0036】この重合鎖末端変性基の分析は高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)を用いて行なうことがで
きる。
【0037】得られた重合体または共重合体は、DSC
にて測定したガラス転移点(Tg)が−90℃〜−30
℃であることが好ましい。通常のアニオン重合の処方に
おいては−90℃以下の重合体を得るのは困難であり又
−30度以上の重合体については室温領域で硬くなりゴ
ム状組成物として用いるのにやや不都合である。
【0038】本発明における重合体のムーニー粘度(M
1+4 ,100℃)は10〜150、好ましくは15〜
70である。ムーニー粘度が10未満の場合は破壊特性
を始めとするゴム物性が十分に得られず、150を超え
る場合は作業性が悪く配合剤とともに混練りすることが
困難である。
【0039】本発明の重合体の重合は約−80〜150
℃の範囲内で任意の温度で行なうことができるが、−2
0〜100℃の温度が好ましい。重合反応は発生圧下で
行なうことができるが、通常は単量体を実質的に液相下
に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。即ち、
圧力は重合される個々の物質や、用いる希釈剤及び重合
温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いること
ができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガ
スで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
【0040】一般に、開始剤成分、溶媒、単量体等重合
工程に関与する全ての物質から、水、酸素、二酸化炭素
及び他の触媒毒を除去するのが好適である。
【0041】また本発明では、上記の重合体とともに、
通常タイヤ業界で用いられるゴム成分を併用することが
出来る。併用されるゴム成分としては、天然ゴム、及
び、ジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムと
しては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポ
リブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR), ブチ
ルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体、及
び、これらの混合物等が挙げられる。その一部が多官能
型変性剤たとえば四塩化スズのような変性剤を用いるこ
とにより分岐構造を有している物でもよい。
【0042】本発明のゴム組成物には、補強性充填材と
して、カーボンブラック又はシリカがそれぞれ単独で、
又は、両者を併わせて用いられる。
【0043】本発明で用いられるシリカには特に制限は
なく、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ
(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム等が含まれ、中でも破壊特性の改良効果並びにウェッ
トグリップ性及び低転がり抵抗性の両立効果が最も顕著
である湿式シリカが好ましい。
【0044】充填材は、シリカのみとすることができ
る。この場合に、シリカは、ゴム成分100重量部に対
して10〜100重量部で用いられ、補強性とそれによ
る諸物性の改良効率の観点より好ましくは20〜60重
量部である。10重量部未満では破壊特性等が十分でな
く、また、100重量部を越えると加工性が劣る。
【0045】また、本発明のゴム組成物に用いられるカ
ーボンブラックとしても特に制限はなく、FEF、SR
F、HAF、ISAF、SAF等が用いられる。好まし
くはヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上、かつ、
ジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/10
0g以上のカーボンブラックである。カーボンブラック
を用いることにより、諸物性の改良効果は大きくなる
が、特に、耐摩耗性に優れるHAF、ISAF、SAF
が好ましい。
【0046】本発明の重合体組成物において、シリカを
充填材として用いた場合その補強性を更に向上させるた
めに、配合時にシランカップリング剤を用いることがで
き、そのシランカップリング剤を例示すると、次のとお
りである。ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テ
トラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチ
ル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリル
プロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシ
シリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシ
ラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−
ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピ
ルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2
−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチル
トリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル
−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィ
ド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチ
ルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキ
シシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテ
トラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベン
ゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリ
ルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−ト
リエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィ
ド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモ
ノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロ
ピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメ
トキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメ
チルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラ
ン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチ
ルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチ
ルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等
が挙げられ、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)
テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベ
ンゾチアゾールテトラスルフィド等が補強性改善効果の
観点より好ましい。
【0047】本発明の重合体は、その分子内にシリカと
の親和性が高い官能基を有するため、高価なシランカッ
プリング剤の添加量を通常の添加量よりも低減しても、
同等の物性を持つゴム組成物を得ることができる。さら
に、ゴムの混練り時のゲル化を防ぐことにより混練り作
業性が良好になる。その好ましい配合量は、シランカッ
プリング剤の種類、シリカの配合量等によって異なる
が、補強性の観点より、シリカ配合量に対して1〜20
重量%、好ましくは5〜15重量%である。
【0048】加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、これ
らの使用量は、ゴム成分100重量部に対して硫黄分と
して0.1〜10.0重量部が好ましく、さらに好まし
くは1.0〜5.0重量部である。0.1重量部未満で
は加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低発熱性が低下し、
10.0重量部を越えるとゴム弾性が失われる。
【0049】本発明のゴム組成物で使用できるプロセス
油としては、例えばパラフィン系、ナフテン系、アロマ
チック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性
を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロ
ス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフ
ィン系が用いられ、その使用量は、ゴム成分100重量
部に対して0〜100重量部が好ましく、100重量部
を越えると加硫ゴムの引張強度、低発熱性が悪化する傾
向がある。
【0050】本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限
定されるものではないが、好ましくはM(2−メルカプ
トベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジサル
ファイド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド)等のチアゾール系の、DPG
(ジフェニルグアニジン)等のグアジニン系の加硫促進
剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分10
0重量部に対して0.1〜5.0重量部が好ましく、さ
らに好ましくは0.2〜3.0重量部である。
【0051】本発明では、これら以外にもゴム工業で通
常使用されている老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン
酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等の通常ゴム業界で
用いられる添加剤を配合することもできる。
【0052】本発明のゴム組成物は、ロール、インター
ナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによ
って得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッ
ド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビ
ード部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホ
ースその他の工業品等の用途にも用いることができる
が、特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用され
る。
【0053】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本実施例
に限定されるものではない。
【0054】なお、実施例において、部及び%は特に断
らない限り、重量部及び重量%を意味する。各種の測定
は下記の方法によった。
【0055】(1)重合体の物性 重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(M
w)の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィ
〔GPC;東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー
製GMH−XL(2本直列)〕により行い、示差屈折率
(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポ
リスチレン換算で行った。重合体のムーニー粘度は東洋
精機社製のRLM−01型テスターを用いて測定した。
重合体のブタジエン部分のミクロ構造は、赤外法(モレ
ロ法)によって求めた。重合体中のの結合スチレン含有
量は 1H−NMRスペクトルの積分比より算出した。重
合体のガラス転移点(Tg)はパーキンエルマー社製の
示差熱分析機(DSC)7型装置を用い−100℃まで
冷却した後に10℃/min で昇温する条件で測定した。
【0056】(2)ゴム組成物の物性 a)低発熱性 粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温
度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδ(50
℃)を測定した。tanδ(50℃)が小さい程、低発
熱性である。 b)ウェット特性 スタンレイロンドンタイプのポータブルスキッドテスタ
ーを用い、ウエットグリップ特性を測定した。結果はコ
ントロールを100とした指数で表した。指数が大きい
方が良好な性能を示す。 c)破壊特性 切断時の強力(Tb)、切断時の伸び(Eb)、およ
び、300%伸長時の引張応力(M300 )をJIS K
6301−1995に従って測定した。 d)耐摩耗性 ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ
率60%の摩耗量を測定し、コントロールの耐摩耗性を
100として、耐摩耗指数として指数表示した。指数が
大きい方が良好となる。
【0057】(重合体の製造)重合に用いた原材料に関
しては特に指示がある場合をのぞいて乾燥精製した原材
料を用いて実験を行った。
【0058】乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧
ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタ
ジエン単量体32.5g、スチレン単量体17.5g、
カリウム−t−アミレート0.025mmol、THF
1mmolを注入し、これにn−ブチルリチウム(Bu
Li)0.55mmolを加えた後、50℃で3時間重
合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿
は見られず均一で透明であった。重合転化率は、ほぼ1
00%であった。
【0059】重合溶液の一部をサンプリングし、イソプ
ロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状重合
体を得た。この重合体についてミクロ構造、分子量及び
分子量分布を測定した。その結果を(表1)に示した。
【0060】この重合系にさらに末端変性剤としてN−
(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシ
シリル)−1−プロパンアミン (DMBTESPA) 0.55m
molを加えた後にさらに30分間変性反応を行った。
この後重合系にさらに2,6−ジ−t−ブチルパラクレ
ゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5m
lを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥する
ことにより重合体Aを得た。得られた重合体の分析値を
(表1)に示す。
【0061】またこのn−ブチルリチウムの量および変
性剤の種類と量を表1に示される変性剤に置換すること
により重合体B〜Iを得た。
【0062】これらの重合体についても重合体Aと同様
にミクロ構造、分子量及び分子量分布を測定した。その
結果を(表1)に示した。
【0063】
【表1】 BaseMw :変性反応前の分子量 (Mw) TotalMw :変性反応後の分子量 (Mw) Mw/Mn :変性反応後の分子量分布 METESPA :N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリ
エトキシシリル)−1 −プロパンアミン、 ETMSPA :N−エチリデン−3−(トリメトキシシリ
ル)−1−プロパンアミン MPTESPA :N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ト
リエトキシシリル)−1−プロパンアミン DMBTESPA :N−(1,3−ジメチルブチリデン) −3−
(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン DMABTESPA:N−( 4−N.Nジメチルアミノベンジリデ
ン) −3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミ
ン TTC :四塩化スズ TEOS :テトラエトキシシラン DMPT :3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシ
シラン
【0064】乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧
ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタ
ジエン単量体40g、スチレン単量体10g、ジテトラ
ヒドロフリルプロパン0.16mmolを注入し、これ
に0.55mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)
を加えた後、50℃で2時間重合を行った。重合系は重
合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一に透明で
あった。重合転化率はほぼ100%であった。
【0065】重合溶液の一部をサンプリングし、イソプ
ロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状共重
合体を得た。この共重合体についてミクロ構造、分子量
及び分子量分布を測定した。その結果を(表2)に示し
た。
【0066】この重合系にさらに末端変性剤としてN−
(1, 3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシ
シリル)−1−プロパンアミン、0.55mmolを加
えた後にさらに30分間変性反応を行った。この後、重
合系にさらに2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾール
(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mlを加
えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥することに
より重合体Jを得た。得られた重合体の分析値を(表
2)に示す。
【0067】またこのn−ブチルリチウムの量および変
性剤の種類と量をを表2に示される変性剤に置換するこ
とにより重合体K〜Nを得た。
【0068】これらの重合体について、重合体Lと同様
にミクロ構造、分子量及び分子量分布を測定した。その
結果を(表2)に示す。
【0069】
【表2】 BaseMw :変性反応前の分子量 (Mw) TotalMw :変性反応後の分子量 (Mw) Mw/Mn :変性反応後の分子量分布 ETMSPA :N−エチリデン−3−(トリメトキシシリ
ル)−1−プロパンアミン DMBTESPA :N−(1,3−ジメチルブチリデン) −3−
(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン DMABTESPA:N−( 4−N.Nジメチルアミノベンジリデ
ン) −3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミ
ン TTC :四塩化スズ TEOS :テトラエトキシシラン DMPT :3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシ
ラン
【0070】乾燥し、窒素置換された800mlの耐圧
ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタ
ジエン単量体50g、テトラヒドロフラン(THF)1
mmolを注入し、これに0.55mmolのn−ブチ
ルリチウム(BuLi)を加えた後、50℃で2時間重
合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱
は見られず均一に透明であった。重合転化率は、ほぼ1
00%であった。
【0071】重合溶液の一部をサンプリングし、イソプ
ロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状重合
体を得た。この重合体についてミクロ構造、分子量及び
分子量分布を測定した。その結果を(表3)に示す。
【0072】この重合系にさらにDMBTESPA: N−( 1,
3−ジメチルブチリデン) −3−(トリエトキシシリ
ル)−1−プロパンアミンを0.55mmol加えた後
にさらに30分間変性反応を行った。この後重合系にさ
らにBHTのイソプロパノール5%溶液0.5mlを加
えて反応の停止を行いさらに常法に従い重合体を乾燥す
ることにより重合体Wを得た。得られた重合体の分析値
を(表3)に示す。
【0073】またこのn −ブチルリチウムの量および変
性剤の種類と量をを表2に示される変性剤に置換するこ
とにより重合体P、Qを得た。
【0074】
【表3】 BaseMw :変性反応前の分子量 (Mw) TotalMw :変性反応後の分子量 (Mw) Mw/Mn :変性反応後の分子量分布 TTC :四塩化スズ TEOS :テトラエトキシシラン
【0075】なお、重合体G、M、Qは、重合終了後、
変性反応を行なわずに、2,6−ジ−t−ブチルパラク
レゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5
mlを加えて反応の停止を行いさらに常法に従い乾燥す
ることにより得た。
【0076】(ゴム組成物の調製)上記のようにして得
られた各々の重合体を用い、表4に示す配合に基づき、
カーボン及び/又はシリカを充填剤としてゴム組成物を
調製し、各ゴム組成物の物性の評価を行った。
【0077】実施例1〜6、比較例1〜4 重合体A〜I を用いて、表4に示す配合1(充填剤はシ
リカのみ)にて各ゴム組成物を調製し、その物性を評価
した。結果を表5−1に示す。ウェット特性、及び、摩
耗特性は、比較例1(重合体G)をコントロールとし
た。
【0078】
【表4】 シリカ :日本シリカ工業(株)製、ニプシル
AQ) カップリング剤 :デグサ社製シランカップリング剤、
Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テ
トラスルフィド 6C :N−(1,3−ジメチル−ブチル)
−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン DPG :ジフェニルグアニジン DM :メルカプトベンゾチアジルダイスル
フィド NS :N−t−ブチル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド
【0079】
【表5−1】
【0080】実施例6〜10、比較例5〜8 次に先の検討と同じ、重合体A〜Iを用いて、表4に示
す配合2(充填剤はC/Bのみ)にて各ゴム組成物を調
製し、その物性を評価した。結果を表5−2に示す。ウ
ェット特性、及び、摩耗特性は、比較例6(重合体G)
をコントロールとした。
【0081】
【表5−2】
【0082】充填剤としてシリカを用いている系におい
ても、カーボンブラックを用いている系においても、ア
ルコキシシリル基とアミノ基の双方を含有する本発明の
共役ジエン系重合体A〜Eを用いている実施例1〜5の
ゴム組成物は、未変性のジエン系重合体Gを用いている
比較例2、または、比較例6のゴム組成物に比べ、破壊
特性、ウェット性能に影響を受けることなく、摩耗特
性、低発熱性共に改良されている。とくに、カーボンブ
ラックを充填剤として用いた系において、従来大変効果
があるとされていたスズ化合物で変性された重合体Fを
用いているゴム組成物とほぼ同等の効果を有する点は、
注目に値する。一方、四塩化スズにより変性された重合
体Fを用いている比較例1及び比較例5カーボンブラッ
クを充填剤として用いている系においては低発熱性、摩
耗特性ともに十分に効果が出ているが、シリカを充填剤
に用いた系においては全く効果が無い。また、アルコキ
シシランで変性された重合体H、Iを用いた比較例3、
4、及び7、8のゴム組成物は、カーボンブラックを充
填剤として用いた系においては低発熱性にも摩耗特性に
も全く効果が無く、シリカを充填剤として用いた系にお
いてさえ、未変性の重合体や、スズ変性の重合体を用い
たゴム組成物に比べれば効果はあるとはいえ、本発明の
重合体を用いたゴム組成物に比べると、その効果は小さ
い。
【0083】以上の配合検討からわかるように、従来の
技術による変性重合体がシリカ系の充填材に対してのみ
効果があるか、カーボンに対してのみ効果があるのに対
して、本発明による変性剤を用いた重合体については双
方の充填剤について良好な低発熱性から理解できるよう
にすぐれた分散効果を有し、また良好な摩耗特性より優
れた補強効果を有することが理解できる。
【0084】実施例11〜16、比較例9〜17 重合体J〜Nを用いて、表4に示す配合3(充填剤はシ
リカとC/Bを併用)にて各ゴム組成物を調製し、その
物性を評価した。結果を表6に示す。ウェット特性、及
び、摩耗特性はそれぞれ、重合体Mを含むゴム組成物を
用いた比較例10をコントロールとした。
【0085】
【表6】 phr :ゴム成分100重量部あたりの重量部
【0086】表6に示すように、充填剤としてカーボン
ブラックとシリカを併用する配合においては、本発明の
ゴム組成物を用いた場合、カップリング剤の配合量に関
わらず、また、カップリング剤を併用しない場合でも、
特に低発熱性に優れる事が判る。特に、カップリング剤
を併用しない系では、摩耗特性、低発熱性双方におい
て、比較例に示した公知の変性剤を用いた重合体に対し
て明らかな改善を確認する事ができる。特にカップリン
グ剤の配合量をゴム100重量部あたり2.5重量部か
ら0重量部に減じても、本発明のゴム組成物Mについて
は、摩耗特性の低下が抑制でき、なおかつ、末端を変性
していない重合体に、シランカップリング剤を2.5重
量部配合したコントロールとほぼ同等である。
【0087】実施例17、18、比較例18〜20 重合体 A、E、F、G、Hを用いて、表4に示す配合
3にて各ゴム組成物を調製し、その物性を評価した。結
果を表7に示す。ウェット特性、及び、摩耗特性は、比
較例20(重合体G)をコントロールとした。結果を表
7に示す。
【0088】
【表7】
【0089】この結果から判るように、重合体のミクロ
構造が変わっても、同様の効果が得られることが分か
る。
【0090】実施例19、比較例21、22 重合体O,P,Qを用いて、表4の配合3(充填剤は、
カーボンブラックとシリカを併用)に基づきゴム組成物
を調製し、物性を評価した。結果を表8に示す。ウェッ
ト特性、および、摩耗特性は、比較例22(重合体Q)
をコントロールとした。
【0091】
【表8】
【0092】以上の結果より、重合体の主鎖にガラス転
移点の低いBRを用いた場合においても本発明における
重合体を用いた場合は、良好な低発熱性及び摩耗特性を
得る事ができる。
【0093】以上の結果より明らかなように両充填剤と
相互作用を持ち得る本発明の重合体を用いたゴム組成物
においては、重合体の種類、主鎖構造に関わらず、良好
な充填剤分散効果により低発熱性が、補強効果により摩
耗特性が改良されており、この傾向は、シランカップリ
ング剤を用いない系で特に顕著に現われている。
【0094】さらに、本発明の重合体を用いたゴム組成
物においては、シランカップリング剤の量を減らして
も、本発明に外れる重合体を用いたゴム組成物よりも良
好な低発熱性が得られる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、シリカ及びカーボンブ
ラックの双方との相互作用性を高めた変性ジエン系重合
体の製造方法、得られた重合体を提供できるため、該重
合体を用いることにより、ゴム組成物の破壊特性、耐摩
耗性、低発熱性を同時に高度に維持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 15/00 C08L 15/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物
    を開始剤として用いて共役ジエン単量体を重合または共
    重合させた後、その重合活性末端と(式1)で示される
    メチレンアミノ基を含有する化合物を反応させてなるこ
    とを特徴とする重合体の製造方法。 【化1】 ただし、R、R’、R’’、R’’’は、炭素数1〜1
    8のアルキル基、アリル基、アリール基を、m、及び、
    nは、それぞれ1から20、及び、1から3の整数を示
    す。
  2. 【請求項2】 前記重合体が、共役ジエン単量体と、モ
    ノビニル芳香属化合物との共重合体である事を特徴とす
    る特許請求の範囲1項記載の重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記重合体の共重合に供する共役ジエン
    単量体及びビニル芳香族炭化水素単量体が各々ブタジエ
    ン及びスチレンであることを特徴とする特許請求の範囲
    2項記載の重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記メチレンアミノ基がエチリデンアミ
    ノ基、1−メチルプロピリデンアミノ基、1,3−ジメ
    チルブチリデンアミノ基、1 −メチルエチリデンアミノ
    基 4−N,N−ジメチルアミノベンジリデンアミノ
    基, であることを特徴とする特許請求の範囲1項から3
    項のいずれかに記載の重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 特許請求の範囲1項から4項のいずれか
    の方法で重合したことを特徴とする重合体。
  6. 【請求項6】 DSCにて測定したガラス転移点が−9
    0℃〜−30℃であることを特徴とする特許請求の範囲
    5項に記載の重合体。
  7. 【請求項7】 ムーニー粘度(ML1+4 /100℃)が
    10〜150である事を特徴とする特許請求の範囲5項
    又は6項に記載の重合体。
  8. 【請求項8】 特許請求の範囲5項から7項のいずれか
    に記載の重合体をゴム成分中に30重量%以上含有し、
    かつこのゴム成分100重量部に対しシリカまたはカー
    ボンブラックまたはその両方を10〜100重量部含有
    することを特徴とするゴム組成物。
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