JPH11350033A - 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法及び鉄損の低い無方向性電磁鋼板 - Google Patents
鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法及び鉄損の低い無方向性電磁鋼板Info
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- JPH11350033A JPH11350033A JP10169133A JP16913398A JPH11350033A JP H11350033 A JPH11350033 A JP H11350033A JP 10169133 A JP10169133 A JP 10169133A JP 16913398 A JP16913398 A JP 16913398A JP H11350033 A JPH11350033 A JP H11350033A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コストアップを伴うことなく、鉄損の低い無
方向性電磁鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005 %以下、Si:3.5
%未満、Mn:0.05〜1.0%、N:0.005%以下(0を含
む)、Al:0.1 〜1.0%、S:0.001%以下(0を含
む)、P:0.2%以下を含有し、残部が実質的にFeから
なるスラブを熱間圧延し、塩酸濃度3%以上、液温70℃
以上で5秒以上の酸洗を行った後、必要により熱延板焼
鈍を行い、一回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさん
だ二回以上の冷間圧延により、所定の板厚とし、仕上焼
鈍を実施することを特徴とする鉄損の低い無方向性電磁
鋼板の製造方法。
方向性電磁鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005 %以下、Si:3.5
%未満、Mn:0.05〜1.0%、N:0.005%以下(0を含
む)、Al:0.1 〜1.0%、S:0.001%以下(0を含
む)、P:0.2%以下を含有し、残部が実質的にFeから
なるスラブを熱間圧延し、塩酸濃度3%以上、液温70℃
以上で5秒以上の酸洗を行った後、必要により熱延板焼
鈍を行い、一回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさん
だ二回以上の冷間圧延により、所定の板厚とし、仕上焼
鈍を実施することを特徴とする鉄損の低い無方向性電磁
鋼板の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気材料として用
いられるのに好適な、鉄損の低い無方向性電磁鋼板に関
するものである。
いられるのに好適な、鉄損の低い無方向性電磁鋼板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板はその製造方法により
フルプロセス材とセミプロセス材に分けられる。このう
ち、フルプロセス材は鉄鋼メーカー側の仕上焼鈍により
所定の磁気特性を得るものであり、一方、セミプロセス
材は、需要家において打抜き加工後に歪取り焼鈍を行う
ことにより、所定の磁気特性を得るものである。セミプ
ロセス材においては、歪取り焼鈍時に、加工歪みの除去
と同時に結晶粒も成長することから、より一層の鉄損低
減が可能となる。このため歪取り焼鈍は「磁性焼鈍」と
も呼ばれている。
フルプロセス材とセミプロセス材に分けられる。このう
ち、フルプロセス材は鉄鋼メーカー側の仕上焼鈍により
所定の磁気特性を得るものであり、一方、セミプロセス
材は、需要家において打抜き加工後に歪取り焼鈍を行う
ことにより、所定の磁気特性を得るものである。セミプ
ロセス材においては、歪取り焼鈍時に、加工歪みの除去
と同時に結晶粒も成長することから、より一層の鉄損低
減が可能となる。このため歪取り焼鈍は「磁性焼鈍」と
も呼ばれている。
【0003】従来、この磁性焼鈍時の粒成長性を良好に
するために、介在物、析出物の形態制御が行われてい
る。例えば、特開昭63−195217号公報にはSi=
0.1〜1.0%、sol.Al=0.001〜0.005%の鋼板において鋼
中のSiO2、MnO、Al2O3の3種の介在物の総重量に対
するMnOの重量割合を15%以下とすることにより介在物
の形態を制御し磁性焼鈍時の粒成長性を良好にする技術
が開示されている。
するために、介在物、析出物の形態制御が行われてい
る。例えば、特開昭63−195217号公報にはSi=
0.1〜1.0%、sol.Al=0.001〜0.005%の鋼板において鋼
中のSiO2、MnO、Al2O3の3種の介在物の総重量に対
するMnOの重量割合を15%以下とすることにより介在物
の形態を制御し磁性焼鈍時の粒成長性を良好にする技術
が開示されている。
【0004】また、特開平8−3966号公報には、Si
=1.0%以下、Al=0.2 〜1.5%においてREMを2〜80pp
m添加することにより磁性焼鈍時の粒成長性を向上させ
る技術が開示されている。
=1.0%以下、Al=0.2 〜1.5%においてREMを2〜80pp
m添加することにより磁性焼鈍時の粒成長性を向上させ
る技術が開示されている。
【0005】さらに、特開平5−234736号公報に
は、Si=0.1〜2.0%、Al=0.1〜1.0%、S<0.003%、Sn=
0.01〜0.03%の鋼板において鋼中のSiO2 、MnO、Al2
O3の3種の介在物の総重量に対するMnOの重量割合を1
0%以下とすることにより介在物の形態を制御し、熱延
加熱温度を900〜1100℃、熱延後のバッチ焼鈍を700〜90
0℃で実施することにより粒成長性を良好にする技術が
開示されている。
は、Si=0.1〜2.0%、Al=0.1〜1.0%、S<0.003%、Sn=
0.01〜0.03%の鋼板において鋼中のSiO2 、MnO、Al2
O3の3種の介在物の総重量に対するMnOの重量割合を1
0%以下とすることにより介在物の形態を制御し、熱延
加熱温度を900〜1100℃、熱延後のバッチ焼鈍を700〜90
0℃で実施することにより粒成長性を良好にする技術が
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
の方法には、以下に記載するような問題点がある。即
ち、特開昭63−195217号公報に記載されている
方法では、磁性焼鈍後の鉄損は4.44〜4.75W/kgであり
満足できるものではない。
の方法には、以下に記載するような問題点がある。即
ち、特開昭63−195217号公報に記載されている
方法では、磁性焼鈍後の鉄損は4.44〜4.75W/kgであり
満足できるものではない。
【0007】また、特開平8−3966号公報に開示さ
れている方法では、REMを使用するためコストアップ
となるという問題点がある。さらに、特開平5−234
736号公報に開示されている方法では、バッチ焼鈍が
必須であるためコストアップとなることは避けられな
い。
れている方法では、REMを使用するためコストアップ
となるという問題点がある。さらに、特開平5−234
736号公報に開示されている方法では、バッチ焼鈍が
必須であるためコストアップとなることは避けられな
い。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであり、コストアップを伴うことなく、鉄損の低い無
方向性電磁鋼板を提供することを目的とするものであ
る。
のであり、コストアップを伴うことなく、鉄損の低い無
方向性電磁鋼板を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、Sを10
ppm 以下の極微量に制御しても鉄損が下がらないのは、
微量S領域において顕著な窒化層が表面領域に形成され
るためであるという新しい知見に基づき、塩酸を酸洗液
に用い、その濃度、液温、時間を制御することによって
窒化物の形成を抑制し、鉄損を低下させるものである。
ppm 以下の極微量に制御しても鉄損が下がらないのは、
微量S領域において顕著な窒化層が表面領域に形成され
るためであるという新しい知見に基づき、塩酸を酸洗液
に用い、その濃度、液温、時間を制御することによって
窒化物の形成を抑制し、鉄損を低下させるものである。
【0010】すなわち、前記課題を解決するための第1
の手段は、重量%で、C:0.005%以下、Si:3.5%以
下、Mn:0.05〜1.0%、N:0.005%以下(0を含む)、
Al:0.1 〜1.0%、S:0.001%以下(0を含む)、P:
0.01〜0.2%以下を含有し、残部が実質的にFeからなる
スラブを熱間圧延し、塩酸濃度3%以上、液温70℃以上
で5秒以上の酸洗を行った後、必要により熱延板焼鈍を
行い、一回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさんだ二
回以上の冷間圧延により、所定の板厚とし、仕上焼鈍を
実施することを特徴とする鉄損の低い無方向性電磁鋼板
の製造方法(請求項1)である。
の手段は、重量%で、C:0.005%以下、Si:3.5%以
下、Mn:0.05〜1.0%、N:0.005%以下(0を含む)、
Al:0.1 〜1.0%、S:0.001%以下(0を含む)、P:
0.01〜0.2%以下を含有し、残部が実質的にFeからなる
スラブを熱間圧延し、塩酸濃度3%以上、液温70℃以上
で5秒以上の酸洗を行った後、必要により熱延板焼鈍を
行い、一回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさんだ二
回以上の冷間圧延により、所定の板厚とし、仕上焼鈍を
実施することを特徴とする鉄損の低い無方向性電磁鋼板
の製造方法(請求項1)である。
【0011】また、前記課題を解決するための第2の手
段は、重量%で、C:0.005%以下、Si:3.5%以下、M
n:0.05〜1.0%、N:0.005%以下(0を含む)、Al:
0.1〜1.0%、S:0.001%以下(0を含む)、P:0.2%
以下(0を含む)を含有し、さらにSbとSnの少なくとも
一方を、Sb +Sn/2が0.001〜0.05%となる範囲で含有
し、残部が実質的にFeからなるスラブを熱間圧延し、塩
酸濃度3%以上、液温70℃以上で5秒以上の酸洗を行っ
た後、必要により熱延板焼鈍を行い、一回の冷間圧延、
もしくは中間焼鈍をはさんだ二回以上の冷間圧延によ
り、所定の板厚とし、仕上焼鈍を実施することを特徴と
する鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法(請求項
2)である。
段は、重量%で、C:0.005%以下、Si:3.5%以下、M
n:0.05〜1.0%、N:0.005%以下(0を含む)、Al:
0.1〜1.0%、S:0.001%以下(0を含む)、P:0.2%
以下(0を含む)を含有し、さらにSbとSnの少なくとも
一方を、Sb +Sn/2が0.001〜0.05%となる範囲で含有
し、残部が実質的にFeからなるスラブを熱間圧延し、塩
酸濃度3%以上、液温70℃以上で5秒以上の酸洗を行っ
た後、必要により熱延板焼鈍を行い、一回の冷間圧延、
もしくは中間焼鈍をはさんだ二回以上の冷間圧延によ
り、所定の板厚とし、仕上焼鈍を実施することを特徴と
する鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法(請求項
2)である。
【0012】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段によって製造された鉄損
の低い無方向性電磁鋼板(請求項3)である。
前記第1の手段又は第2の手段によって製造された鉄損
の低い無方向性電磁鋼板(請求項3)である。
【0013】ここに、「残部が実質的にFeである」と
は、本発明の特徴を無くさない範囲で他の微量元素を含
むものが権利範囲に入ることを意味する。なお、本明細
書(表を含む)中において、特にことわらない限り、鋼
板の組成を示す%は全て重量%を意味し、ppmも重量ppm
を意味する。
は、本発明の特徴を無くさない範囲で他の微量元素を含
むものが権利範囲に入ることを意味する。なお、本明細
書(表を含む)中において、特にことわらない限り、鋼
板の組成を示す%は全て重量%を意味し、ppmも重量ppm
を意味する。
【0014】(発明に至る経緯と、S量、酸洗条件の限
定理由)以下、本発明に至った経緯について詳細に説明
する。最初に、鉄損に及ぼすS量の影響を調査するた
め、 (1) C:0.0025%、Si:1.85%、Mn:0.20%、P:0.04
0%、Al:0.31%、N:0.0018% (2) C:0.0025%、Si:1.85%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.31%、N:0.0018%、Sn:0.0050% (3) C:0.0025%、Si:1.85%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.31%、N:0.0018%、Sb:0.0040% (4) C:0.0020%、Si:0.25%、Mn:0.55%、P:0.11
%、Al:0.25%、N:0.0018% の4種の鋼についてS量をtr. 〜15ppmの範囲で変化さ
せた鋼を実験室にて真空溶解し、熱延後、 (a) 塩酸濃度10%−液温85℃−酸洗時間30秒 (b) 塩酸濃度10%−液温60℃−酸洗時間30秒 (c) 塩酸濃度2%−液温85℃−酸洗時間30秒 (d) 塩酸濃度10%−液温85℃−酸洗時間3秒 の4条件で酸洗を行った。引き続き、(1)〜(3)の鋼につ
いては、75%H2-25%N2雰囲気中で800℃×2時間の熱
延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、1
0%H2-90%N2雰囲気で930℃×2min間の仕上焼鈍を行
った。(4)の鋼については板厚0.5mmまで冷間圧延し、仕
上焼鈍を施し、さらに100%N2中で750℃×2hrの磁性
焼鈍を行った。
定理由)以下、本発明に至った経緯について詳細に説明
する。最初に、鉄損に及ぼすS量の影響を調査するた
め、 (1) C:0.0025%、Si:1.85%、Mn:0.20%、P:0.04
0%、Al:0.31%、N:0.0018% (2) C:0.0025%、Si:1.85%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.31%、N:0.0018%、Sn:0.0050% (3) C:0.0025%、Si:1.85%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.31%、N:0.0018%、Sb:0.0040% (4) C:0.0020%、Si:0.25%、Mn:0.55%、P:0.11
%、Al:0.25%、N:0.0018% の4種の鋼についてS量をtr. 〜15ppmの範囲で変化さ
せた鋼を実験室にて真空溶解し、熱延後、 (a) 塩酸濃度10%−液温85℃−酸洗時間30秒 (b) 塩酸濃度10%−液温60℃−酸洗時間30秒 (c) 塩酸濃度2%−液温85℃−酸洗時間30秒 (d) 塩酸濃度10%−液温85℃−酸洗時間3秒 の4条件で酸洗を行った。引き続き、(1)〜(3)の鋼につ
いては、75%H2-25%N2雰囲気中で800℃×2時間の熱
延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、1
0%H2-90%N2雰囲気で930℃×2min間の仕上焼鈍を行
った。(4)の鋼については板厚0.5mmまで冷間圧延し、仕
上焼鈍を施し、さらに100%N2中で750℃×2hrの磁性
焼鈍を行った。
【0015】図1、図2はこのようにして得られたサン
プルのS量と磁性焼鈍後の鉄損W15/50の関係を示した
ものである。ここで、磁気測定は25cmエプスタイン試験
片を用いて行った。図1は、(1)〜(3)の鋼についてのデ
ータで、図中鋼種(1)〜(3)とあるのは、前記の鋼の種類
に対応する。図2は(4)の鋼についてのデータである。
プルのS量と磁性焼鈍後の鉄損W15/50の関係を示した
ものである。ここで、磁気測定は25cmエプスタイン試験
片を用いて行った。図1は、(1)〜(3)の鋼についてのデ
ータで、図中鋼種(1)〜(3)とあるのは、前記の鋼の種類
に対応する。図2は(4)の鋼についてのデータである。
【0016】図1より、S≦10ppmとなった場合に大幅
に鉄損が低減され、W15/50=2.5W/kgが達成されるこ
とがわかる。図2においても、S≦10ppm となった場合
に鉄損W15/50は4.2W/kg以下となり、鉄損が大幅に低
下することがわかる。これはS量低減によりMnSの析出
量が少なくなり、フェライト粒の粒成長性が大幅に向上
したためである。以上のことより本発明に於いては、S
量の範囲を10ppm以下に限定するが、5ppm以下とするこ
とが更に好ましい。
に鉄損が低減され、W15/50=2.5W/kgが達成されるこ
とがわかる。図2においても、S≦10ppm となった場合
に鉄損W15/50は4.2W/kg以下となり、鉄損が大幅に低
下することがわかる。これはS量低減によりMnSの析出
量が少なくなり、フェライト粒の粒成長性が大幅に向上
したためである。以上のことより本発明に於いては、S
量の範囲を10ppm以下に限定するが、5ppm以下とするこ
とが更に好ましい。
【0017】しかし、図1、図2より、S量が10ppm以
下での鉄損の低下レベルは、酸洗時の塩酸濃度−温度の
組み合わせによって異なることがわかる。本発明者ら
は、S≦10ppm の極低S材において、酸洗時の塩酸濃度
−温度−酸洗時間の組み合わせにより鉄損の低減レベル
が異なった原因を調査するため、光学顕微鏡にて組織観
察を行った。
下での鉄損の低下レベルは、酸洗時の塩酸濃度−温度の
組み合わせによって異なることがわかる。本発明者ら
は、S≦10ppm の極低S材において、酸洗時の塩酸濃度
−温度−酸洗時間の組み合わせにより鉄損の低減レベル
が異なった原因を調査するため、光学顕微鏡にて組織観
察を行った。
【0018】その結果、塩酸濃度10%−液温60℃−酸洗
時間30秒、塩酸濃度2%−液温85℃−酸洗時間30秒、塩
酸濃度10%−液温85℃−酸洗時間3秒の条件では、鋼板表
層に顕著な窒化層が認められた。これに対し、塩酸濃度
10%−液温85℃−酸洗時間30秒の場合には窒化層は軽微
となっていた。この窒化層は、75%H2-25%N2雰囲気
で行った熱延版焼鈍時、100%N2雰囲気で行った磁性焼
鈍時、又は10%H2-90%N2雰囲気で行った仕上焼鈍時
に生じたものと考えられる。
時間30秒、塩酸濃度2%−液温85℃−酸洗時間30秒、塩
酸濃度10%−液温85℃−酸洗時間3秒の条件では、鋼板表
層に顕著な窒化層が認められた。これに対し、塩酸濃度
10%−液温85℃−酸洗時間30秒の場合には窒化層は軽微
となっていた。この窒化層は、75%H2-25%N2雰囲気
で行った熱延版焼鈍時、100%N2雰囲気で行った磁性焼
鈍時、又は10%H2-90%N2雰囲気で行った仕上焼鈍時
に生じたものと考えられる。
【0019】S量により窒化反応が異なった原因に関し
ては次のように考えられる。すなわち、Sは表面および
粒界に濃化しやすい元素であることから、S>10ppm の
領域では、Sが鋼板表面へ濃化し、磁性焼鈍時の窒素の
吸着を抑制した。一方、S≦10ppm の領域ではSによる
窒素吸着の抑制効果が低下したため、酸洗時の塩酸濃度
−温度−時間の組み合わせによる窒素吸着抑制能力の差
が、鉄損レベルに反映された。
ては次のように考えられる。すなわち、Sは表面および
粒界に濃化しやすい元素であることから、S>10ppm の
領域では、Sが鋼板表面へ濃化し、磁性焼鈍時の窒素の
吸着を抑制した。一方、S≦10ppm の領域ではSによる
窒素吸着の抑制効果が低下したため、酸洗時の塩酸濃度
−温度−時間の組み合わせによる窒素吸着抑制能力の差
が、鉄損レベルに反映された。
【0020】次に酸洗時の塩酸濃度−液温−時間の最適
な組み合わせ範囲を調査するため、以下の5種の成分系
の鋼を実験室にて真空溶解し、熱延後、塩酸濃度−温度
−酸洗時間の組み合わせを種々変えて酸洗を行った。 (5) C:0.0020%、Si:1.87%、Mn:0.20%、P:0.04
0%、Al:0.30%、S:0.0003%、N:0.0017% (6) C:0.0020%、Si:1.87%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.30%、S:0.0003%、N:0.0017%、Sn:
0.0050% (7) C:0.0020%、Si:1.87%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.30%、S:0.0003%、N:0.0017%、Sb:
0.0040% (8) C:0.0021%、Si:0.25%、Mn:0.52%、P:0.10
0%、Al:0.26%、S:0.0003%、N:0.0015% (9) C:0.0021%、Si:0.25%、Mn:0.52%、P:0.10
0%、Al:0.26%、S:0.0003%、N:0.0015%、Sb:0.
0040%
な組み合わせ範囲を調査するため、以下の5種の成分系
の鋼を実験室にて真空溶解し、熱延後、塩酸濃度−温度
−酸洗時間の組み合わせを種々変えて酸洗を行った。 (5) C:0.0020%、Si:1.87%、Mn:0.20%、P:0.04
0%、Al:0.30%、S:0.0003%、N:0.0017% (6) C:0.0020%、Si:1.87%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.30%、S:0.0003%、N:0.0017%、Sn:
0.0050% (7) C:0.0020%、Si:1.87%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.30%、S:0.0003%、N:0.0017%、Sb:
0.0040% (8) C:0.0021%、Si:0.25%、Mn:0.52%、P:0.10
0%、Al:0.26%、S:0.0003%、N:0.0015% (9) C:0.0021%、Si:0.25%、Mn:0.52%、P:0.10
0%、Al:0.26%、S:0.0003%、N:0.0015%、Sb:0.
0040%
【0021】その後、(5)〜(7)の鋼板については、75%
H2-25%N2雰囲気中で800℃×3時間の熱延板焼鈍を施
し、板厚0.5mmまで冷間圧延し、10%H2-90%N2雰囲気
で930℃×2min間の仕上焼鈍を行った。(8)と(9)の鋼板
については、板厚0.5mmまで冷間圧延し、20%水素雰囲
気中で750℃の仕上焼鈍を施し、さらに100%N2中で750
℃×2hrの磁性焼鈍を行った。
H2-25%N2雰囲気中で800℃×3時間の熱延板焼鈍を施
し、板厚0.5mmまで冷間圧延し、10%H2-90%N2雰囲気
で930℃×2min間の仕上焼鈍を行った。(8)と(9)の鋼板
については、板厚0.5mmまで冷間圧延し、20%水素雰囲
気中で750℃の仕上焼鈍を施し、さらに100%N2中で750
℃×2hrの磁性焼鈍を行った。
【0022】図3〜図6はこのようにして得られたサン
プルの液温、時間毎の塩酸濃度と磁性焼鈍後の鉄損W
15/50の関係を示したものである。図3、図4における
鋼種の(5)〜(7)は前記(5)〜(7)の鋼板に対応し、図5、
図6における図中の(8)、(9)は前記(8)と(9)の鋼板に対
応する。
プルの液温、時間毎の塩酸濃度と磁性焼鈍後の鉄損W
15/50の関係を示したものである。図3、図4における
鋼種の(5)〜(7)は前記(5)〜(7)の鋼板に対応し、図5、
図6における図中の(8)、(9)は前記(8)と(9)の鋼板に対
応する。
【0023】図3〜図6より、P含有量を多くした鋼
(5)、(8)、(9)、Sb添加鋼(7)、(9)、Sn添加鋼(6)とも、
酸洗時の塩酸濃度3%以上かつ液温70℃以上、酸洗時間
5秒以上の領域で鉄損が臨界的に低下し、それぞれ、W
15/50≦2.5W/kg、W15/50≦4.0W/kgが達成されるこ
とがわかる。
(5)、(8)、(9)、Sb添加鋼(7)、(9)、Sn添加鋼(6)とも、
酸洗時の塩酸濃度3%以上かつ液温70℃以上、酸洗時間
5秒以上の領域で鉄損が臨界的に低下し、それぞれ、W
15/50≦2.5W/kg、W15/50≦4.0W/kgが達成されるこ
とがわかる。
【0024】更に、図5、図6より、Sb添加と酸洗時の
最適な塩酸濃度−温度−酸洗時間を組み合わせることに
より、Sbフリーの場合よりも、鉄損を低下させることが
可能であることもわかる。また、鉄損の低下に関して
は、SnもSbと同じ作用効果を有し、その効果はSbの1/2
であることが分かった。よって、鉄損を低下させるため
に必要な量については、Sb+Sn/2で評価することができ
る。
最適な塩酸濃度−温度−酸洗時間を組み合わせることに
より、Sbフリーの場合よりも、鉄損を低下させることが
可能であることもわかる。また、鉄損の低下に関して
は、SnもSbと同じ作用効果を有し、その効果はSbの1/2
であることが分かった。よって、鉄損を低下させるため
に必要な量については、Sb+Sn/2で評価することができ
る。
【0025】なお、図3、図4において、Sb、Sn添加鋼
(6)、(7)と無添加鋼(5)との間に差が見られないのは、
鋼(5)において余分に添加されているPが、Sb、Snと同
じ作用をしているためと考えられる。
(6)、(7)と無添加鋼(5)との間に差が見られないのは、
鋼(5)において余分に添加されているPが、Sb、Snと同
じ作用をしているためと考えられる。
【0026】酸洗条件により磁性焼鈍後の鉄損が異なっ
た原因に関しては、酸洗が十分でなく表面にスケールが
残った場合には、そのスケールが磁性焼鈍時の表面窒化
の触媒として作用し、これが鉄損レベルに反映したもの
と考えられる。これらの結果より、本発明においては、
酸洗時の塩酸濃度を3%以上、液温を70℃以上、酸洗時
間を5秒以上に限定する。
た原因に関しては、酸洗が十分でなく表面にスケールが
残った場合には、そのスケールが磁性焼鈍時の表面窒化
の触媒として作用し、これが鉄損レベルに反映したもの
と考えられる。これらの結果より、本発明においては、
酸洗時の塩酸濃度を3%以上、液温を70℃以上、酸洗時
間を5秒以上に限定する。
【0027】(その他の成分の限定理由)次に、その他
の成分の限定理由について説明する。 C: Cは磁気時効の問題があるため0.005%以下とす
る。 Si: Siは鋼板の固有抵抗を上げるために有効な元素で
あるが、3.5%を超えると飽和磁束密度の低下に伴い磁
束密度が低下するため上限を3.5%とする。 Mn: Mnは熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために、0.
05%以上必要であるが、1.0%以上になると磁束密度を
低下させるので0.05〜1.0%とする。 N: Nは、含有量が多い場合にはAlNの析出量が多く
なり、鉄損を増大させるため0.005%以下とする。 Al: AlはSiと同様、固有抵抗を上げるために有効な元
素であるが、1.0%を超えると飽和磁束密度の低下に伴
い磁束密度が低下するため、上限を1.0%とする。ま
た、0.1%未満の場合にはAlNが微細化し粒成長性が低
下するため、下限を0.1%とする。
の成分の限定理由について説明する。 C: Cは磁気時効の問題があるため0.005%以下とす
る。 Si: Siは鋼板の固有抵抗を上げるために有効な元素で
あるが、3.5%を超えると飽和磁束密度の低下に伴い磁
束密度が低下するため上限を3.5%とする。 Mn: Mnは熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために、0.
05%以上必要であるが、1.0%以上になると磁束密度を
低下させるので0.05〜1.0%とする。 N: Nは、含有量が多い場合にはAlNの析出量が多く
なり、鉄損を増大させるため0.005%以下とする。 Al: AlはSiと同様、固有抵抗を上げるために有効な元
素であるが、1.0%を超えると飽和磁束密度の低下に伴
い磁束密度が低下するため、上限を1.0%とする。ま
た、0.1%未満の場合にはAlNが微細化し粒成長性が低
下するため、下限を0.1%とする。
【0028】P: Pは鋼板の打ち抜き性を改善するた
めに必要な元素であり、また鉄損を下げるために、Sb、
Snが請求項2の範囲含有されない場合は、0.01%添加す
ることが必要である。しかし、0.2%を超えて添加する
と鋼板が脆化するため0.2%以下とする。なお、Sb、Sn
が請求項2の範囲含有される場合は0でもよい。 Sb、Sn:Sb、Snは、磁性焼鈍時の窒素の吸着を抑制する
ために、これらの少なくとも一方を、Sb +Sn/2が0.001
%以上となる範囲で含有させることが好ましい。しか
し、コストの観点から、Sb +Sn/2の上限を0.05%とす
る。
めに必要な元素であり、また鉄損を下げるために、Sb、
Snが請求項2の範囲含有されない場合は、0.01%添加す
ることが必要である。しかし、0.2%を超えて添加する
と鋼板が脆化するため0.2%以下とする。なお、Sb、Sn
が請求項2の範囲含有される場合は0でもよい。 Sb、Sn:Sb、Snは、磁性焼鈍時の窒素の吸着を抑制する
ために、これらの少なくとも一方を、Sb +Sn/2が0.001
%以上となる範囲で含有させることが好ましい。しか
し、コストの観点から、Sb +Sn/2の上限を0.05%とす
る。
【0029】(製造方法)本発明においては、Sをはじ
めとして所定の成分が所定の範囲内であり、かつ酸洗条
件が所定の範囲であれば、製造方法は、無方向性電磁鋼
板を製造する通常の方法でかまわない。すなわち、転炉
で吹練した溶鋼を脱ガス処理して所定の成分に調整し、
引き続き鋳造、熱間圧延後、酸洗を行う。この際、熱間
圧延時の仕上焼鈍温度、巻取り温度は特に規定する必要
はなく、通常の無方向性電磁鋼板を製造する範囲の温度
でかまわない。また、酸洗時に酸洗促進材、抑制剤を使
用してもかまわまい。更に、熱延、もしくは酸洗後の熱
延板焼鈍は行っても良いが必須ではない。次いで一回の
冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間
圧延により所定の板厚とした後に、最終焼鈍を行う。
めとして所定の成分が所定の範囲内であり、かつ酸洗条
件が所定の範囲であれば、製造方法は、無方向性電磁鋼
板を製造する通常の方法でかまわない。すなわち、転炉
で吹練した溶鋼を脱ガス処理して所定の成分に調整し、
引き続き鋳造、熱間圧延後、酸洗を行う。この際、熱間
圧延時の仕上焼鈍温度、巻取り温度は特に規定する必要
はなく、通常の無方向性電磁鋼板を製造する範囲の温度
でかまわない。また、酸洗時に酸洗促進材、抑制剤を使
用してもかまわまい。更に、熱延、もしくは酸洗後の熱
延板焼鈍は行っても良いが必須ではない。次いで一回の
冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間
圧延により所定の板厚とした後に、最終焼鈍を行う。
【0030】
【実施例】(実施例1)表1に示す鋼を用い、転炉で吹
練した後に脱ガス処理を行うことにより所定の成分に調
整後鋳造し、スラブ加熱温度1160℃で1hr加熱した後、
板厚2.0mmまで熱間圧延を行った。熱間圧延時の仕上げ
温度は800℃、巻取り温度は610℃とし、表1に示す条件
で酸洗を行った。その後、75%H2-25%N2雰囲気中で8
00℃×3時間の熱延板焼鈍を施し、板厚0.5mmまで冷間
圧延を行い、10%H2−90%N2雰囲気中で930℃×2min
の仕上焼鈍を行った。磁気測定は25cmエプスタイン試験
片を用いて行った。各鋼板の磁気特性を表1に併せて示
す。
練した後に脱ガス処理を行うことにより所定の成分に調
整後鋳造し、スラブ加熱温度1160℃で1hr加熱した後、
板厚2.0mmまで熱間圧延を行った。熱間圧延時の仕上げ
温度は800℃、巻取り温度は610℃とし、表1に示す条件
で酸洗を行った。その後、75%H2-25%N2雰囲気中で8
00℃×3時間の熱延板焼鈍を施し、板厚0.5mmまで冷間
圧延を行い、10%H2−90%N2雰囲気中で930℃×2min
の仕上焼鈍を行った。磁気測定は25cmエプスタイン試験
片を用いて行った。各鋼板の磁気特性を表1に併せて示
す。
【0031】表1において、No.1〜No.17の鋼板はSiの
レベルが1.8%のオーダにあり、No.18〜No.25の鋼板はS
iのレベルが2.5%のオーダにある。同じSiのレベル同士
で比較した場合、本発明鋼No.1〜No.8及びNo.18〜No.
21の方が比較鋼に比して、磁束密度B50を低めることな
く鉄損W15/50を低くすることができている。ただし、N
o.8とNo.21の鋼板は、Sn+Sb/2が本発明の範囲を外れて
いるので、本発明の範囲にはあるものの、他の発明鋼に
比して鉄損W15/50がやや高くなっている。また、No.1
〜No.3の鋼板とNo.4〜No.7の鋼板の鉄損にそれほど
差が無いのは、前者のPが後者より高いためである。
レベルが1.8%のオーダにあり、No.18〜No.25の鋼板はS
iのレベルが2.5%のオーダにある。同じSiのレベル同士
で比較した場合、本発明鋼No.1〜No.8及びNo.18〜No.
21の方が比較鋼に比して、磁束密度B50を低めることな
く鉄損W15/50を低くすることができている。ただし、N
o.8とNo.21の鋼板は、Sn+Sb/2が本発明の範囲を外れて
いるので、本発明の範囲にはあるものの、他の発明鋼に
比して鉄損W15/50がやや高くなっている。また、No.1
〜No.3の鋼板とNo.4〜No.7の鋼板の鉄損にそれほど
差が無いのは、前者のPが後者より高いためである。
【0032】これに対して、No.9とNo.22の鋼板は、S
が本発明の範囲を外れているため、鉄損W15/50が高く
なっている。
が本発明の範囲を外れているため、鉄損W15/50が高く
なっている。
【0033】また、No.15とNo.23の鋼板は、酸洗時の塩
酸濃度が、No.16とNo.24の鋼種は酸洗時の温度が、 No.
17とNo.25の鋼種は酸洗時間が本発明の範囲を外れてい
るため、鉄損W15/50が高くなっている。
酸濃度が、No.16とNo.24の鋼種は酸洗時の温度が、 No.
17とNo.25の鋼種は酸洗時間が本発明の範囲を外れてい
るため、鉄損W15/50が高くなっている。
【0034】No.11の鋼板は、Cが本発明の範囲を超え
ているので、鉄損W15/50が高いのみならず、磁気時効
の問題がある。No.12の板は、Mnが本発明の範囲を超え
ているので、鉄損W15/50は低いものの、磁束密度B50
が低くなっている。No.13の鋼板は、Alが本発明の範囲
を下回っているので鉄損W15/50が高くなっている。
ているので、鉄損W15/50が高いのみならず、磁気時効
の問題がある。No.12の板は、Mnが本発明の範囲を超え
ているので、鉄損W15/50は低いものの、磁束密度B50
が低くなっている。No.13の鋼板は、Alが本発明の範囲
を下回っているので鉄損W15/50が高くなっている。
【0035】No.14の鋼板は、Nが本発明の範囲を超え
ているので、鉄損W15/50が高くなっている。No.26の鋼
板は、Siの範囲が本発明の範囲より高いので、鉄損W
15/50は低く押さえられているものの、磁束密度B50が
低くなっている。No.10の鋼板は、Pが高すぎて冷間圧
延中に破断し、製品とならなかった。
ているので、鉄損W15/50が高くなっている。No.26の鋼
板は、Siの範囲が本発明の範囲より高いので、鉄損W
15/50は低く押さえられているものの、磁束密度B50が
低くなっている。No.10の鋼板は、Pが高すぎて冷間圧
延中に破断し、製品とならなかった。
【0036】これらの実施例、比較例を見てわかるよう
に、鋼板成分、酸洗時の塩酸濃度、液温および時間を本
発明の範囲とした場合に、鉄損が非常に低く、かつ、磁
束密度の低下しない無方向性電磁鋼板が得られることが
わかる。
に、鋼板成分、酸洗時の塩酸濃度、液温および時間を本
発明の範囲とした場合に、鉄損が非常に低く、かつ、磁
束密度の低下しない無方向性電磁鋼板が得られることが
わかる。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例2)表2に示す鋼を用い、転炉で
吹練した後に脱ガス処理を行うことにより所定の成分に
調整後鋳造し、スラブ加熱温度1160℃で1hr加熱した
後、板厚2.0mmまで熱間圧延を行った。熱間圧延時の仕
上げ温度は800℃、巻取り温度は670℃とし、表1に示す
条件で酸洗を行った。その後、板厚0.5mmまで冷間圧延
を行い、15%H2-85%N2中で750℃×2minの仕上焼鈍
を行い、さらに100%N2中で750 ℃×2hrの磁性焼鈍を
行った。磁気測定は25cmエプスタイン試験片を用いて行
った。各鋼板の磁気特性を表2に併せて示す。
吹練した後に脱ガス処理を行うことにより所定の成分に
調整後鋳造し、スラブ加熱温度1160℃で1hr加熱した
後、板厚2.0mmまで熱間圧延を行った。熱間圧延時の仕
上げ温度は800℃、巻取り温度は670℃とし、表1に示す
条件で酸洗を行った。その後、板厚0.5mmまで冷間圧延
を行い、15%H2-85%N2中で750℃×2minの仕上焼鈍
を行い、さらに100%N2中で750 ℃×2hrの磁性焼鈍を
行った。磁気測定は25cmエプスタイン試験片を用いて行
った。各鋼板の磁気特性を表2に併せて示す。
【0039】表2において、No.1〜No.9がSiのレベル
が0.25%のオーダである本発明の実施例である。No.19
からNo.24がSiのレベルが0.75%のオーダである本発明
の実施例である。いずれの実施例においても、鉄損W
15/50は、従来製造が困難とされた4.2 W/kgよりはる
かに低く、Siのレベルが0.25%のオーダのもので3.8〜
4.0W/kg、Siのレベルが0.75%オーダのもので3.30〜
3.40W/kg程度となっている。ただし、No.1〜No.5の
鋼板、No.19〜No.21の鋼板は、Sb、Snが添加されていな
いので、他の実施例の鋼板に比して鉄損W15/50がやや
高くなっている。
が0.25%のオーダである本発明の実施例である。No.19
からNo.24がSiのレベルが0.75%のオーダである本発明
の実施例である。いずれの実施例においても、鉄損W
15/50は、従来製造が困難とされた4.2 W/kgよりはる
かに低く、Siのレベルが0.25%のオーダのもので3.8〜
4.0W/kg、Siのレベルが0.75%オーダのもので3.30〜
3.40W/kg程度となっている。ただし、No.1〜No.5の
鋼板、No.19〜No.21の鋼板は、Sb、Snが添加されていな
いので、他の実施例の鋼板に比して鉄損W15/50がやや
高くなっている。
【0040】また、本発明の実施例においては、磁束密
度B50も、Siのレベルが0.25%のオーダのもので1.76
T、Siのレベルが0.75%のオーダのもので1.73Tと高
い。
度B50も、Siのレベルが0.25%のオーダのもので1.76
T、Siのレベルが0.75%のオーダのもので1.73Tと高
い。
【0041】これに対して、No.10のものは、Sが本発
明の範囲を外れており、鉄損W15/50が高くなってい
る。No.11のものは、Alの範囲が本発明の範囲より低い
ため、結晶粒成長性が低下し鉄損W15/50が高くなって
いる。一方、No.12のものは、Alの範囲が本発明の範囲
より高いため、鉄損W15/50は低下するものの、磁束密
度B50が低くなっている。
明の範囲を外れており、鉄損W15/50が高くなってい
る。No.11のものは、Alの範囲が本発明の範囲より低い
ため、結晶粒成長性が低下し鉄損W15/50が高くなって
いる。一方、No.12のものは、Alの範囲が本発明の範囲
より高いため、鉄損W15/50は低下するものの、磁束密
度B50が低くなっている。
【0042】No.13のものは、Cが本発明の範囲より高
いため、鉄損W15/50が高いばかりでなく、磁気時効の
問題を有している。No.14のものは、Mnが本発明の範囲
を外れているので、鉄損W15/50は低下するものの、磁
束密度B50が低くなっている。No.15のものは、Nが本
発明の範囲を外れているので、鉄損W15/50が高い。
いため、鉄損W15/50が高いばかりでなく、磁気時効の
問題を有している。No.14のものは、Mnが本発明の範囲
を外れているので、鉄損W15/50は低下するものの、磁
束密度B50が低くなっている。No.15のものは、Nが本
発明の範囲を外れているので、鉄損W15/50が高い。
【0043】No.16のものは、酸洗時の塩素濃度が、No.
17のものは、酸洗時の液温が、No.18のものは、酸洗時
間が本発明の範囲を外れているので、鉄損W15/50が高
い。
17のものは、酸洗時の液温が、No.18のものは、酸洗時
間が本発明の範囲を外れているので、鉄損W15/50が高
い。
【0044】Siのレベルが0.75%のものにおいても、N
o.25のものは、Sの値が本発明の範囲から外れているの
で、同じSiレベルの本発明品より鉄損W15/50が高くな
っている。
o.25のものは、Sの値が本発明の範囲から外れているの
で、同じSiレベルの本発明品より鉄損W15/50が高くな
っている。
【0045】また、No.26のものは、酸洗時の塩素濃度
が、No.27のものは、酸洗時の液温が、No.28のものは、
酸洗時間が本発明の範囲を外れているので、鉄損W
15/50が高い.No.29のものは、Siの範囲が本発明の範囲
より高いので、鉄損W15/50は低く押さえられているも
のの、磁束密度B50が小さくなっている。
が、No.27のものは、酸洗時の液温が、No.28のものは、
酸洗時間が本発明の範囲を外れているので、鉄損W
15/50が高い.No.29のものは、Siの範囲が本発明の範囲
より高いので、鉄損W15/50は低く押さえられているも
のの、磁束密度B50が小さくなっている。
【0046】これらの実施例、比較例を見てわかるよう
に、鋼板成分、酸洗時の塩酸濃度、液温および時間を本
発明の範囲とした場合に、鉄損が非常に低く、かつ、磁
束密度の低下しない無方向性電磁鋼板が得られることが
わかる。
に、鋼板成分、酸洗時の塩酸濃度、液温および時間を本
発明の範囲とした場合に、鉄損が非常に低く、かつ、磁
束密度の低下しない無方向性電磁鋼板が得られることが
わかる。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば鉄損
の低い鋼板を得ることができる。この鋼板は、電気材料
等の鉄損の低い性質が要求される用途に広く使用するの
に好適である。
の低い鋼板を得ることができる。この鋼板は、電気材料
等の鉄損の低い性質が要求される用途に広く使用するの
に好適である。
【図1】S量と磁性焼鈍後の磁気特性(鉄損)との関係
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
【図2】S量と磁性焼鈍後の磁気特性(鉄損)との関係
の他の例を示す図である。
の他の例を示す図である。
【図3】酸洗時の塩酸濃度と磁性焼鈍後の磁気特性(鉄
損)との関係を示す図である。
損)との関係を示す図である。
【図4】酸洗時の塩酸濃度と磁性焼鈍後の磁気特性(鉄
損)との関係を示す図である。
損)との関係を示す図である。
【図5】酸洗時の塩酸濃度と磁性焼鈍後の磁気特性(鉄
損)との関係を示す図である。
損)との関係を示す図である。
【図6】酸洗時の塩酸濃度と磁性焼鈍後の磁気特性(鉄
損)との関係を示す図である。
損)との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01F 1/16 H01F 1/16 A (72)発明者 坂井 広義 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.5%
以下、Mn:0.05〜1.0%、N:0.005%以下(0を含
む)、Al:0.1〜1.0%、S:0.001%以下(0を含
む)、P:0.01〜0.2%以下を含有し、残部が実質的にF
eからなるスラブを熱間圧延し、塩酸濃度3%以上、液
温70℃以上で5秒以上の酸洗を行った後、必要により熱
延板焼鈍を行い、一回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍を
はさんだ二回以上の冷間圧延により、所定の板厚とし、
仕上焼鈍を実施することを特徴とする鉄損の低い無方向
性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.5%
以下、Mn:0.05〜1.0%、N:0.005%以下(0を含
む)、Al:0.1〜1.0%、S:0.001%以下(0を含
む)、P:0.2%以下(0を含む)を含有し、さらにSb
とSnの少なくとも一方を、Sb +Sn/2が0.001〜0.05%と
なる範囲で含有し、残部が実質的にFeからなるスラブを
熱間圧延し、塩酸濃度3%以上、液温70℃以上で5秒以
上の酸洗を行った後、必要により熱延板焼鈍を行い、一
回の冷間圧延、もしくは中間焼鈍をはさんだ二回以上の
冷間圧延により、所定の板厚とし、仕上焼鈍を実施する
ことを特徴とする鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方
法。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の製造方法
で製造された鉄損の低い無方向性電磁鋼板
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10169133A JPH11350033A (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法及び鉄損の低い無方向性電磁鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10169133A JPH11350033A (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法及び鉄損の低い無方向性電磁鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11350033A true JPH11350033A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15880905
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10169133A Pending JPH11350033A (ja) | 1998-06-03 | 1998-06-03 | 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法及び鉄損の低い無方向性電磁鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11350033A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2437954B (en) * | 2005-03-30 | 2010-12-08 | Kobe Steel Ltd | High strength hot rolled steel sheet excellent in phosphatability |
| WO2025126172A1 (ko) * | 2023-12-15 | 2025-06-19 | 주식회사 포스코 | 무방향성 전기강판 및 그 제조방법 |
-
1998
- 1998-06-03 JP JP10169133A patent/JPH11350033A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2437954B (en) * | 2005-03-30 | 2010-12-08 | Kobe Steel Ltd | High strength hot rolled steel sheet excellent in phosphatability |
| US7960035B2 (en) | 2005-03-30 | 2011-06-14 | Kobe Steel, Ltd. | High-strength hot-rolled steel sheet excellent in chemical treatability |
| WO2025126172A1 (ko) * | 2023-12-15 | 2025-06-19 | 주식회사 포스코 | 무방향성 전기강판 및 그 제조방법 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050228 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050623 |