JPH11350052A - アルミニウム合金の結晶粒微細化剤の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金の結晶粒微細化剤の製造方法

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JPH11350052A
JPH11350052A JP16257398A JP16257398A JPH11350052A JP H11350052 A JPH11350052 A JP H11350052A JP 16257398 A JP16257398 A JP 16257398A JP 16257398 A JP16257398 A JP 16257398A JP H11350052 A JPH11350052 A JP H11350052A
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alkali
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Makoto Morishita
誠 森下
Seiji Nishi
誠治 西
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より一層微細なアルミニウム合金結晶を安定
して得ることができるアルミニウム合金の結晶粒微細化
剤の製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金の結晶粒微細化剤の製
造方法は、先ず、アルミニウム又はアルミニウム合金溶
湯に、前記溶湯重量あたりホウ素換算値で0.1乃至2
重量%のホウフッ化アルカリ粉末を添加する。その後、
前記溶湯重量あたりチタン換算値で3乃至10重量%の
フッ化チタンアルカリ粉末を、ホウフッ化アルカリ粉末
が添加されたアルミニウム又はアルミニウム合金溶湯に
添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム又はア
ルミニウム合金鋳塊の溶解工程から鋳造工程において添
加され、得られるアルミニウム合金材の結晶粒を微細化
するための微細化剤の製造方法に関し、特に、結晶粒を
微細化する性能をより一層向上させることができるアル
ミニウム合金の結晶粒微細化剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はアルミニウム合金材
(以下、アルミニウム又はアルミニウム合金を総称して
アルミニウムという)の製造において、アルミニウム材
の半製品及び鋳造品の結晶粒サイズは、鋳造製品の機械
的特性及び化学的特性に影響を及ぼす。特に、アルミニ
ウム材の結晶粒を微細化することにより、鋳造時の割れ
欠陥を減少させることができると共に、鋳造品の内部品
質を向上させることができることは公知である。従っ
て、アルミニウム材の結晶粒のサイズを制御する工程
は、アルミニウム材の鋳造において重要な工程である。
【0003】アルミニウム材の結晶粒を微細化するため
の鋳造前の処理としては、一般的に、十分な結晶核を有
する添加剤をアルミニウム溶湯に添加する方法が採用さ
れている。これにより、多数の結晶粒を発生させること
ができ、その結果、得られるアルミニウム材の結晶粒を
微細化することができる。
【0004】この添加剤、即ち、微細な結晶粒を有する
アルミニウム材を得るために添加される結晶粒微細化剤
としては、Al−Ti−B系の材料が最も一般的に使用
されており、これは極めて有効な微細化剤として作用す
る。この微細化剤は、Al母相の中に0.5乃至5μm
のサイズの極めて安定なTiB2粒子が分散したもので
あり、TiB2粒子が結晶核として作用して、結晶成長
を促進する効果を有している。従って、これらのTiB
2粒子が多数分散した組織を有する微細化剤の開発が要
求されている。また、微細化剤中のTiの重量[Ti]
とBの重量[B]との比([Ti]/[B])が2.2
乃至25であると、結晶粒微細化効果が向上することは
公知である(特開平5−195108号公報)。
【0005】Al−Ti−B系の結晶粒微細化剤の製造
方法としては、アルミニウム溶湯にK2TiF6粉末(フ
ッ化チタンアルカリ粉末)と、KBF4粉末(ホウフッ
化アルカリ粉末)とを添加して、アルミニウム溶湯中に
TiB2粒子を生成させる方法が提案されている(特公
昭51−32567号公報、特公昭51−43011号
公報、特開昭62−23946号公報、及び特開昭63
−255338号公報等)。
【0006】ところで、アルミニウム溶湯にK2TiF6
粉末及びKBF4粉末を添加することにより得られたT
iB2粒子は、その周囲がTi−Alの層に取り巻かれ
ることが開示されている(Light Metals, 1996, P.745
等)。従って、この表面層(Ti−Al層)により、ア
ルミニウム結晶の成長を促進することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TiB
2粒子の周囲に形成された表面層は、TiB2粒子の凝集
にも寄与するので、TiB2粒子の分散と、この分散に
逆行する現象とが同時に発生するという問題点がある。
従って、従来の微細化剤の製造方法では、凝集せずに分
散したTiB2粒子を有する微細化剤を得ることは困難
であり、TiB2粒子をアルミニウム結晶の成長のため
の核として有効に作用させることができない。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、より一層微細なアルミニウム結晶を安定し
て得ることができるアルミニウム合金の結晶粒微細化剤
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム合金の結晶粒微細化剤の製造方法は、アルミニウム又
はアルミニウム合金溶湯に、前記溶湯重量あたりホウ素
換算値で0.1乃至2重量%のホウフッ化アルカリ粉末
を添加する工程と、その後、前記溶湯重量あたりチタン
換算値で3乃至10重量%のフッ化チタンアルカリ粉末
を添加してTiB2を生成する工程と、を有することを
特徴とする。
【0010】前記ホウフッ化アルカリはKBF4とする
ことができ、前記フッ化チタンアルカリはK2TiF6
することができる。また、前記フッ化チタンアルカリ粉
末を添加する際の前記アルミニウム又はアルミニウム合
金溶湯の温度は700乃至920℃であることが好まし
い。更に、前記ホウフッ化アルカリ粉末の添加による還
元反応が終了するまで、前記ホウフッ化アルカリ粉末が
添加されたアルミニウム又はアルミニウム合金溶湯を7
00乃至920℃の温度で保持することが望ましい。更
にまた、前記ホウフッ化アルカリ粉末の添加による溶湯
の温度上昇が停止した後、前記フッ化チタンアルカリ粉
末を添加することが望ましい。
【0011】更にまた、前記ホウフッ化アルカリ粉末の
添加量をホウ素換算値で[B]、前記フッ化チタンアル
カリ粉末の添加量をチタン換算値で[Ti]としたと
き、前記フッ化チタンアルカリ粉末を添加する工程は、
前記ホウフッ化アルカリ粉末が添加されたアルミニウム
又はアルミニウム合金溶湯に、[Ti]/[B]が1.
5乃至2.2となるように前記フッ化チタンアルカリ粉
末を添加する工程と、このフッ化チタンアルカリ粉末の
添加による溶湯の温度上昇が停止した後、[Ti]/
[B]が2.2を超えるように前記フッ化チタンアルカ
リ粉末を添加する工程と、を有することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においては、先ず、アルミニウム溶湯に、
この溶湯重量あたりのホウ素換算値で0.1乃至2重量
%のホウフッ化アルカリ粉末を添加する。その後、溶湯
重量あたりのチタン換算値で3乃至10重量%のフッ化
チタンアルカリ粉末を添加する。これにより、アルミニ
ウム合金の結晶粒微細化剤を得る。
【0013】このように、アルミニウム溶湯に、先ず、
ホウフッ化アルカリ粉末を添加すると、アルミニウム溶
湯中に分散状態の多数のAlB2結晶が晶出される。そ
して、ホウフッ化アルカリ粉末が添加されたアルミニウ
ム溶湯を好ましくは700乃至920℃の温度に制御し
た状態で、この溶湯にフッ化チタンアルカリ粉末を添加
すると、フッ化チタンアルカリ粉末中のチタンの重量
[Ti]と、添加されているホウフッ化アルカリ粉末中
のホウ素の重量[B]との重量比([Ti]/[B])
で2.2以下、即ち、TiB2中のTiとBとの重量比
以下の範囲であるフッ化チタンアルカリ粉末により、置
換反応(還元反応)が起こり、アルミニウム溶湯中に晶
出されたAlB2は、(Al,Ti)−Bを経て、Ti
2となる。また、重量比([Ti]/[B])が2.
2を超える過剰分のチタンは、Alと共にTi−Al層
を生成して、各TiB2粒子の表面を取り巻く。そし
て、このTi−Al層がアルミニウム結晶の成長を促進
する。
【0014】しかし、Tiを含有するフッ化チタンアル
カリ粉末の添加タイミングが、ホウフッ化アルカリ粉末
の添加よりも早いか又は同時であると、アルミニウム結
晶の成長を促進するTiB2粒子表面のTi−Al層が
生成される前に、アルミニウムマトリックス中にTiA
3が生成されてしまう。そうすると、このTiAl3
生成のためにTiが消費されるので、アルミニウム結晶
の核となるTiB2粒子が形成されにくくなる。
【0015】そこで、本発明に規定するように、アルミ
ニウム溶湯にホウフッ化アルカリ粉末を添加した後、フ
ッ化チタンアルカリ粉末を添加すると、TiB2粒子の
表面に効率よくTi−Al層を生成させることができ
る。従って、本発明方法により得られた結晶粒微細化剤
をアルミニウム溶湯に添加して、アルミニウム材を鋳造
すると、多数のアルミニウム結晶粒が形成されて、結晶
粒を微細化することができる。
【0016】なお、TiB2粒子の周囲に生成されるA
l−Ti層は、TiB2粒子の凝集を促進させる原因に
もなる層であるが、本発明方法によって微細化剤を製造
すると、アルミニウムマトリックス中のTiAl3粒子
数が減少する。そうすると、TiAl3粒子の表面にT
iB2粒子が付着してDuplex組織(混粒組織)と
なるTiB2粒子の凝集体の数が減少して、分散が促進
される。その結果、アルミニウム結晶を成長させるため
の核が増加して、アルミニウムの結晶粒が微細化され
る。
【0017】また、本発明においては、ホウフッ化アル
カリ粉末として、KBF4の他に、NaBF4等を使用す
ることができ、フッ化チタンアルカリ粉末として、K2
TiF6の他に、Na2TiF6等を使用することができ
る。
【0018】なお、粘性が悪いAl−B合金溶湯をK2
TiF6処理による粘性改善によって、ホウ素含有量が
多くなってもクラスターが少ないAlB2結晶だけを含
有する高ホウ素濃度のAl−B合金を製造することを目
的として、アルミニウム溶湯にKBF4を添加してホウ
素を全てAlB2結晶とした後、K2TiF6を添加する
方法が開示されている(特開平4−333542号公
報)。しかし、この公報に開示された技術は、中性子吸
収材用アルミニウム材の製造に関するものであり、その
目的及び効果はK2TiF6による粘性低下であり、この
ため、この方法により製造されたAl−B合金は、Bを
2乃至7重量%、Tiを0.001乃至0.05重量%
含有するものである。これに対し、本発明はアルミニウ
ム又はアルミニウム合金材を微細化するための微細化剤
の製造方法であり、この微細化剤は原料としてアルミニ
ウム溶湯全重量あたりのホウフッ化アルカリ粉末の添加
量(ホウ素換算値)が0.1乃至2重量%、フッ化チタ
ンアルカリ粉末の添加量(チタン換算値)が3乃至10
重量%であって、組成が全く異なると共に、その作用効
果も全く異なるものである。
【0019】以下、本発明に係るアルミニウム合金の結
晶粒微細化剤の製造方法における数値条件について説明
する。先ず、アルミニウム溶湯にホウフッ化アルカリ粉
末が添加された後、フッ化チタンアルカリ粉末を添加す
る際の温度範囲について説明する。
【0020】反応温度:700乃至920℃ 本発明において、ホウフッ化アルカリ粉末が添加された
アルミニウム溶湯に、フッ化チタンアルカリ粉末を添加
する際に、溶湯温度が700℃未満であると、溶湯を十
分に攪拌溶解させることが困難となり、ホウフッ化アル
カリ粉末の添加により生成されるAlB2粒子の分散が
起こりにくくなる。一方、AlB2粒子を含むアルミニ
ウム溶湯の温度が920℃を超えると、AlB2がAl
12に転移することは公知である(Sci. Pat. Inst. Ph
ys. Chem. Rev. 61(3),92(1967))。従って、アルミニ
ウム溶湯にホウフッ化アルカリ粉末及びフッ化チタンア
ルカリ粉末を添加するときのアルミニウム溶湯の温度
は、700乃至920℃に保持することが好ましい。特
に、アルミニウム溶湯にホウフッ化アルカリ粉末を添加
すると、溶湯の温度が上昇するので、反応中においては
溶湯の温度を常に920℃以下に保持することが望まし
い。
【0021】なお、本発明においては、溶湯温度の上昇
が停止して、溶湯温度が低下し始めるタイミングを、反
応(還元反応)の終了点とみなすことができる。従っ
て、所定の温度に設定したアルミニウム溶湯にホウフッ
化アルカリ粉末を添加し、温度の上昇が停止した時点で
フッ化チタンアルカリ粉末を添加すると、微細化剤の合
成反応を効率よく促進することができる。
【0022】次に、フッ化チタンアルカリ粉末の添加方
法について説明する。前述の如く、フッ化チタンアルカ
リ粉末中のチタンの重量[Ti]と、ホウフッ化アルカ
リ粉末中のホウ素の重量[B]との重量比([Ti]/
[B])が2.2以下の範囲では、AlB2からTiB2
への置換反応が起こる。そして、重量比([Ti]/
[B])が2.2を超える過剰分のチタンは、Alと共
にアルミニウム結晶の成長を促進するTi−Al層を生
成して、各TiB2粒子の表面を取り巻く。そこで、本
発明においては、2段階に分けて、ホウフッ化アルカリ
粉末が添加されたアルミニウム溶湯中にフッ化チタンア
ルカリ粉末を添加することが望ましい。
【0023】第1回目の添加時に、[Ti]と[B]と
の重量比([Ti]/[B])が1.5未満であると、
TiB2の生成が不十分となり、2回目の添加時にTi
Al3粒子の発生が増加する。一方、第1回目の添加時
に、重量比([Ti]/[B])が2.2を超えると、
TiB2粒子表面のTi−Al層が生成されて、TiB2
粒子が凝集しやすくなる。従って、第1回目の添加とし
て、[Ti]と[B]との重量比([Ti]/[B])
が1.5乃至2.2となるように、ホウフッ化アルカリ
粉末が添加されたアルミニウム溶湯中にフッ化チタンア
ルカリ粉末を添加し、第2回目の添加として、重量比
([Ti]/[B])が2.2を超えるように、フッ化
チタンアルカリ粉末を添加することが望ましい。
【0024】なお、ホウフッ化アルカリ粉末が添加され
たアルミニウム溶湯に2回に分けてフッ化チタンアルカ
リ粉末を添加する場合には、第1回目の添加を終了した
後、第2回目の添加を開始するタイミングは、フッ化チ
タンアルカリ粉末の第1回目の添加分の反応終了点以降
とする。このとき、フッ化チタンアルカリ粉末の添加に
よる溶湯温度の上昇が停止したタイミングを、第1回目
の添加分の反応終了点とみなすことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例に係る製造方法によ
り、結晶粒微細化剤を製造した試験結果について、その
比較例による試験結果と比較して具体的に説明する。
【0026】先ず、720℃のアルミニウム溶湯にKB
4粉末及びK2TiF6粉末と、K除去用のフラックス
であるAlF3を添加した。
【0027】但し、実施例No.1においては、先ず、
52kgのKBF4粉末(アルミニウム溶湯全重量あた
りのホウ素換算値で1重量%)をアルミニウム溶湯に添
加し、AlF3を添加した。その後、溶湯温度が760
℃で一定となった後に、これを720℃の温度となるま
で低下させ、112kgのK2TiF6粉末(アルミニウ
ム溶湯全重量あたりのチタン換算値で5重量%)を、K
BF4が添加されたアルミニウム溶湯に添加した後、再
度AlF3を添加した。
【0028】実施例No.2においては、先ず、52k
gのKBF4粉末(アルミニウム溶湯全重量あたりのホ
ウ素換算値で1重量%)をアルミニウム溶湯に添加し、
AlF3を添加した。次に、溶湯温度が760℃で一定
となった後に、これを720℃の温度となるまで低下さ
せ、K2TiF6の添加量(チタン換算値)[Ti]とK
BF4の添加量(ホウ素換算値)[B]との比([T
i]/[B])が2.2となるように、50kgのK2
TiF6粉末を、KBF4が添加されたアルミニウム溶湯
に添加した後、再度AlF3を添加した。次いで、溶湯
温度が760℃で一定となった後に、これを720℃の
温度となるまで低下させ、K2TiF6の総添加量がアル
ミニウム溶湯全重量あたりのチタン換算値で5重量%と
なるように、62kgのK2TiF6粉末を、KBF4
びK2TiF6が添加されたアルミニウム溶湯に添加した
後、再度AlF3を添加した。
【0029】実施例No.3においては、先ず、52k
gのKBF4粉末(アルミニウム溶湯全重量あたりのホ
ウ素換算値で1重量%)をアルミニウム溶湯に添加し、
AlF3を添加した。その後、溶湯温度が760℃とな
る前に、112kgのK2TiF6粉末(アルミニウム溶
湯全重量あたりのチタン換算値で5重量%)を、KBF
4が添加されたアルミニウム溶湯に添加した後、再度A
lF3を添加した。
【0030】また、比較例No.4においては、先ず、
52kgのKBF4粉末(アルミニウム溶湯全重量あた
りのホウ素換算値で1重量%)及び112kgのK2
iF6粉末(アルミニウム溶湯全重量あたりのチタン換
算値で5重量%)を同時にアルミニウム溶湯に添加し、
AlF3を添加した。
【0031】このようにして、種々の方法でKBF4
びK2TiF6を添加して溶製した直後に、得られた溶湯
を直径が130mmのビレットに連続鋳造することによ
り微細化剤を作製した。そして、得られた微細化剤の内
部の組織(TiB2粒子表面のAl−Ti層)を観察す
ると共に、TiAl3の粒子数を測定した。その後、9
9.7重量%のAlを含有するアルミニウム溶湯に、溶
湯全重量あたりTi換算値で50ppmの微細化剤を添
加してアルミニウム材を作製し、得られたアルミニウム
材の結晶粒径を測定した。
【0032】各実施例及び比較例について、KBF4
末及びK2TiF6粉末のアルミニウム溶湯への添加方法
を下記表1に示し、評価結果を下記表2に示す。なお、
下記表2に示す評価結果欄において、TiB2粒子表面
のAl−Ti層については、Al−Ti層が生成された
ものを○とし、Al−Ti層がはっきりと確認できなか
ったものを△とした。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】上記表1及び2に示すように、実施例N
o.1乃至3はいずれもTiB2粒子の表面にAl−T
i層が生成しており、TiAl3の粒子数は比較例N
o.4と比較して著しく少ないものとなった。また、実
施例No.1乃至3の微細化剤を添加して得られたアル
ミニウム材の結晶粒径は、比較例No.4の微細化剤を
添加したアルミニウム材の結晶粒径と比較して、極めて
微細なものとなった。
【0036】特に、実施例No.1は、KBF4粉末を
添加し、還元反応が終了した後にK2TiF6粉末を添加
しているので、還元反応が終了する前にK2TiF6粉末
を添加した実施例No.3と比較して、TiAl3の粒
子数が低減されて、より一層微細な結晶粒を有するアル
ミニウム材を得ることができた。また、実施例No.2
は、K2TiF6粉末を2段階に分けて添加しているの
で、実施例No.1及び3と比較して、更に一層TiA
3の粒子数が低減され、微細な結晶粒を有するアルミ
ニウム材を得ることができた。
【0037】一方、比較例No.4は、KBF4粉末と
2TiF6粉末とを同時にアルミニウム溶湯に添加して
いるので、実施例と比較してTiAl3粒子数が著しく
増加して、アルミニウム材の結晶粒を微細化する効果を
十分に得ることができなかった。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アルミニウム溶湯に所定量のKBF4粉末を添加した後
に、所定量のK2TiF6粉末を添加しているので、より
一層微細なアルミニウム合金結晶を安定して得ることが
できるアルミニウム合金の結晶粒微細化剤を製造するこ
とができる。また、KBF4粉末及びK2TiF6粉末の
添加時の温度及びK2TiF6粉末の添加方法を厳密に規
定すると、この微細化剤を使用して得られるアルミニウ
ム合金の結晶粒を更に一層微細化することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金溶湯
    に、前記溶湯重量あたりホウ素換算値で0.1乃至2重
    量%のホウフッ化アルカリ粉末を添加する工程と、その
    後、前記溶湯重量あたりチタン換算値で3乃至10重量
    %のフッ化チタンアルカリ粉末を添加してTiB2を生
    成する工程と、を有することを特徴とするアルミニウム
    合金の結晶粒微細化剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ホウフッ化アルカリはKBF4であ
    り、前記フッ化チタンアルカリはK2TiF6であること
    を特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の結晶
    粒微細化剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フッ化チタンアルカリ粉末を添加す
    る際の前記アルミニウム又はアルミニウム合金溶湯の温
    度は700乃至920℃であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のアルミニウム合金の結晶粒微細化剤の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ホウフッ化アルカリ粉末の添加によ
    る還元反応が終了するまで、前記ホウフッ化アルカリ粉
    末が添加されたアルミニウム又はアルミニウム合金溶湯
    を700乃至920℃の温度で保持することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルミニウム
    合金の結晶粒微細化剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ホウフッ化アルカリ粉末の添加によ
    る溶湯の温度上昇が停止した後、前記フッ化チタンアル
    カリ粉末を添加することを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれか1項に記載のアルミニウム合金の結晶粒微細化
    剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ホウフッ化アルカリ粉末の添加量を
    ホウ素換算値で[B]、前記フッ化チタンアルカリ粉末
    の添加量をチタン換算値で[Ti]としたとき、前記フ
    ッ化チタンアルカリ粉末を添加する工程は、前記ホウフ
    ッ化アルカリ粉末が添加されたアルミニウム又はアルミ
    ニウム合金溶湯に、[Ti]/[B]が1.5乃至2.
    2となるように前記フッ化チタンアルカリ粉末を添加す
    る工程と、このフッ化チタンアルカリ粉末の添加による
    溶湯の温度上昇が停止した後、[Ti]/[B]が2.
    2を超えるように前記フッ化チタンアルカリ粉末を添加
    する工程と、を有することを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれか1項に記載のアルミニウム合金の結晶粒微細
    化剤の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515041A (ja) * 2005-11-02 2009-04-09 トゥビタク 結晶粒微細化母合金の製造方法

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JP2009515041A (ja) * 2005-11-02 2009-04-09 トゥビタク 結晶粒微細化母合金の製造方法

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