JPH1135706A - 芳香族ポリエステルフィルム及びその製造法 - Google Patents

芳香族ポリエステルフィルム及びその製造法

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JPH1135706A
JPH1135706A JP18816697A JP18816697A JPH1135706A JP H1135706 A JPH1135706 A JP H1135706A JP 18816697 A JP18816697 A JP 18816697A JP 18816697 A JP18816697 A JP 18816697A JP H1135706 A JPH1135706 A JP H1135706A
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JP
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formula
dicarboxylic acid
aromatic polyester
aromatic
polyester film
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Application number
JP18816697A
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English (en)
Inventor
Masaru Imai
賢 今井
Nobuhiro Sekine
信博 関根
Kazutaka Murata
一高 村田
Kazutoshi Haraguchi
和敏 原口
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、優れた透
明性、耐熱性、力学物性を有する芳香族ポリエステルフ
ィルム及びその製造法を提供することにある。 【解決手段】 化式1及び/又は化式2で表される側鎖
置換芳香族ジカルボン酸単位と、化式3で表される芳香
族ジオール単位とを必須成分とする芳香族ポリエステル
の溶液から溶媒を除去する芳香族ポリエステルフィルム
の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学材料、記録材
料、保護膜、包装フィルムなどの分野で有用な、透明
性、引張強度、弾性率などに優れた芳香族ポリエステル
フィルム、及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学透明樹脂としては、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩
素化ビニリデン、ポリフッ素化ビニリデン、ポリアリレ
ート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン等が知られ
ており、成型体、繊維、フィルムの形態で電気・電子部
品、自動車部品、機械部品等の分野で用いられている。
【0003】このうち、光学透明フィルムは、情報材
料、光学材料、食品包装材料等の分野で特に重要であ
り、光透過性(透明性)、耐熱性、力学物性等の特性が
一般に要求される。例えば、芳香族ポリエステル構造を
有する光学透明フィルムであるポリアリレートフィルム
は、透明性、紫外線吸収性、耐熱性、ガス遮蔽性の特徴
を生かして情報材料、食品包装材料等に用いられてい
る。
【0004】しかしながらポリアリレートフィルムの機
械特性は、例えば、引張強度で7.0Kg/mm2
度、引張弾性率で150kg/mm2程度、表面硬度で
F程度であり、また、紫外線カット波長は350nmで
あることから、更なる機械特性や紫外線吸収性能の向上
が期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、優れた透明性、耐熱性、力学物性を有する
芳香族ポリエステルフィルム及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、優れた、
透明性、耐熱性、及び力学物性を有する芳香族ポリエス
テルフィルムを得る目的で鋭意検討した結果、化式1で
示される側鎖アルキルエステル基含有テレフタル酸単位
と、化式2で示される側鎖アルキルエステル基含有イソ
フタル酸単位と、化式3で示される4,4’−ビフェノ
ール単位及び/又はヒドロキノン単位とを必須成分とす
る芳香族ポリエステルが溶媒溶解性を有し溶液キャスト
が可能であると共に、優れたフィルム特性を有すること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、(1)化式1及び/又は
化式2で表される側鎖置換芳香族ジカルボン酸単位と、
化式3で表される芳香族ジオール単位とを必須成分とす
る芳香族ポリエステルの溶液から溶媒を除去する芳香族
ポリエステルフィルムの製造法、 (化式1)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Rはメチル基又はエチル基を表わ
す。) (化式2)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、Rはメチル基又はエチル基を表わ
す。) (化式3)
【0012】
【化6】
【0013】(2)化式1及び化式2で表される芳香族
ジカルボン酸単位の側鎖のRがメチル基であり、化式1
で表される芳香族ジカルボン酸単位と化式2で表される
芳香族ジカルボン酸単位の比率が80:20〜5:95
であることを特徴とする(1)に記載の芳香族ポリエス
テルフィルムの製造法、(3)化式1及び化式2で表さ
れる芳香族ジカルボン酸単位の側鎖のRがエチル基であ
り、化式1で表される芳香族ジカルボン酸単位と化式2
で表される芳香族ジカルボン酸単位の比率が90:10
〜5:95であることを特徴とする(1)に記載の芳香
族ポリエステルフィルムの製造法、
【0014】(4)化式1及び/又は化式2で表される
芳香族ジカルボン酸単位に対してイソフタル酸単位を2
0モル%以下含むことを特徴とする、上記の(1)〜
(3)のいずれか一つに記載の芳香族ポリエステルフィ
ルムの製造法、(5)波長800〜420nmの光透過
率が70%以上であることを特徴とする上記の(1)〜
(4)のいずれか一つに記載の製造法で得られた芳香族
ポリエステルフィル、
【0015】(6)波長370nmの光透過率が10%
以下であることを特徴とする、上記の(1)〜(4)の
いずれか一つに記載の芳香族ポリエステルフィルム、及
び、(7)引張強度が8kg/mm2以上、引張弾性率
が200kg/mm2以上であることを特徴とする、上
記の(1)〜(4)のいずれか一つに記載の芳香族ポリ
エステルフィルムを含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の芳香族ポリエステルフィ
ルムは、構成単位としてアルキルエステル基含有テレフ
タル酸単位及び/又はアルキルエステル基含有イソフタ
ル酸単位を必須成分として含む芳香族ジカルボン酸単位
と、4,4’−ビフェノール単位及び/又はヒドロキノ
ン単位が含まれる。芳香族ジカルボン酸単位の合計:
4,4’−ビフェノール単位及び/又はヒドロキノン単
位の合計の比は、55:45〜45:55である。この
割合以外の組成では重合時に重合度の高いポリマーが得
られないため好ましくない。
【0017】アルキルエステル基含有テレフタル酸単位
とアルキルエステル基含有イソフタル酸単位は任意の割
合で含まれ得るが、アルキル基がメチル基の場合は、メ
チルエステル基含有テレフタル酸単位:メチルエステル
基含有イソフタル酸単位の比率は80:20〜5:9
5、好ましくは75:25〜10:90である。メチル
エステル基含有テレフタル酸単位の割合が80モル%を
超えるとポリマーの溶媒溶解性が悪く、良好なキャスト
フィルムが得られない。一方、メチルエステル基含有イ
ソフタル酸単位の割合が95モル%以上のものはモノマ
ー合成が困難な場合が多い。
【0018】アルキル基がエチル基の場合、エチルエス
テル基含有テレフタル酸単位:エチルエステル基含有イ
ソフタル酸単位の比率は90:10〜5:95、好まし
くは85:15〜10:90である。エチルエステル基
含有テレフタル酸単位の割合が90モル%を超えるとポ
リマーの溶媒溶解性が悪く、良好なキャストフィルムを
得られず、一方、メチルエステル基含有イソフタル酸単
位の割合が95モル%以上のものはモノマー合成が困難
な場合が多い。4,4’−ビフェノール単位とヒドロキ
ノン単位は任意の割合で含まれ得る。
【0019】なお、本発明の芳香族ポリエステルフィル
ムは、上記の必須構成単位以外にイソフタル酸、2,
2’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニル
ジカルボン酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジカル
ボキシジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、レゾルシ
ン、メチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、ク
ロロヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、
【0020】ジーt−ブチルヒドロキノン、フェニルヒ
ドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6
−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフ
タレン、ビスフェノールA等の芳香族ジオール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオール、及びm−ヒドロキシ安
息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のオキシカルボン酸
等により導入される構成単位を、本発明の効果を損なわ
ない範囲で共重合成分として含んでいてもよい。
【0021】例えば、構成単位として、イソフタル酸単
位が含まれる場合には、側鎖置換ジカルボン酸単位に対
してイソフタル酸単位は20モル%未満含ませることが
できる。イソフタル酸単位が20モル%を超える場合に
は溶媒溶解性が悪く、良好なキャストフィルムを得られ
ないため好ましくない。
【0022】本発明の芳香族ポリエステルフィルムの製
造方法については、特に限定されないが、以下に具体的
な例を挙げて説明する。芳香族ポリエステルはアルキル
エステル基含有芳香族ジカルボン酸クロリドを主成分と
する芳香族ジカルボン酸クロリドと4,4’−ビフェノ
ール及び/又はヒドロキノンのジオールとの重縮合によ
り合成される。アルキルエステル基含有芳香族ジカルボ
ン酸クロリドの合成は、まず、ピロメリット酸無水物に
過剰量のアルコールを加え、アルコールの沸点下で攪拌
して行われる。
【0023】アルコールの添加量としてはモル比でピロ
メリット酸の2倍以上、好ましくは5倍以上、さらに好
ましくは10倍以上である。アルコール添加量が2倍モ
ル未満の場合は、ピロメリット酸1分子に対し2分子の
アルコールが導入されていない化合物が生成するため、
好ましくない。得られたアルキルエステル基含有芳香族
ジカルボン酸はメタ異性体とパラ異性体の混合物として
得られるが、これら二つの異性体のアセトンに対する溶
解性が大きく異なるため、アセトン洗浄によりこれらの
異性体をメタリッチ(メタ体が多い)異性体とパラリッ
チ(パラ体が多い)異性体に分離することができる。
【0024】本発明において用いられるアルキルエステ
ル基含有芳香族ジカルボン酸としては、上記異性体混合
物をそのまま用いたり、メタリッチ異性体とパラリッチ
異性体に分離したものを用いたり、もしくはそれらの所
定量を混合し目的のメタ/パラ分率のアルキルエステル
基含有芳香族ジカルボン酸を得ることができる。
【0025】アルキルエステル基含有芳香族ジカルボン
酸の酸クロリド化は、アルキルエステル基含有芳香族ジ
カルボン酸に、例えば塩化チオニルを反応させて行われ
る。塩化チオニルの添加量としてはモル比でピロメリッ
ト酸の2倍以上、好ましくは5倍以上さらに好ましくは
10倍以上である。塩化チオニル添加量が2倍モル未満
の場合アルキルエステル基含有芳香族ジカルボン酸のカ
ルボキシル基が完全に酸クロリド化されず、好ましくな
い。また、酸クロリド化は塩化チオニル以外にホスゲ
ン、三塩化リン、五塩化リン等を用いて行っても差し支
えない。
【0026】本発明の光学透明フィルム用芳香族ポリエ
ステルの製造方法としては、溶液重縮合法、界面重縮合
法、溶融重縮合法等があるが、重合度が向上し易く、ま
た、製品の着色が少ないことから溶液重縮合法が特に好
ましい。溶液重合に際し、芳香族ジカルボン酸成分とし
ては、上記方法により得られた芳香族ジカルボン酸クロ
リド化合物を用い、芳香族ジカルボン酸クロリド化合物
と芳香族ジオール化合物のモル比は1対1とする。ま
た、重合は溶媒中で行い、トリエチルアミン等の窒素系
の塩基を触媒として用いることが好ましい。
【0027】重合溶媒としては、クロロホルム、1,
1,2,2−テトラクロロエタン、N−メチルピロリド
ン等の溶解力の強い溶媒で、生成するポリマーを溶解さ
せるものが好ましい。重合開始時点でのモノマー濃度は
0.1〜3モル/Lが良く、好ましくは0.3〜2.5
モル/L、更には0.5〜2モル/Lが最も好ましい。
モノマー濃度が0.1モル/L未満では重合に時間がか
かり、また、重合度の高いポリマーが得られないため好
ましくない。モノマー濃度が3モル/Lを超える場合に
は重合時に粘度が上がり過ぎ、重合系がゲル状化するた
め好ましくない。
【0028】重合条件としては常圧、通常窒素等の不活
性ガス気流中溶媒の沸点以下、30〜150℃、好まし
くは50〜120℃、更には60〜100℃の温度で行
うのが最も好ましい。重合温度が30℃未満では重合に
時間がかかり、また、重合時に粘度が上がり過ぎるため
好ましくない。また、重合温度が150℃を超える場合
には副反応が起こり、重合度の高いポリマーが得られな
いため好ましくない。
【0029】重合時間は8時間以内が良く、好ましくは
1時間から6時間であり、溶液の粘度の上昇に合わせ、
温度を徐々に昇温させてもよい。重合時間が8時間を超
える場合には副反応のためポリマーが着色する場合があ
る。ポリマーの精製はポリマー溶液をメタノール等の貧
溶媒中に滴下して沈殿させ、更に、貧溶媒で洗浄して行
う。
【0030】フィルムの調製は、精製し充分乾燥したポ
リマーをクロロホルム等の良溶媒に溶解させる。溶液の
濃度は1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%、さ
らに好ましくは3〜7重量%である。溶液濃度1%未満
では厚いフィルムが得られ難く、また、溶媒を大量に使
用しなければならないため好ましくない。また、溶液濃
度が20重量%を超える場合には溶液の粘度が高過ぎ、
均一な厚さのキャストフィルムが得られないため好まし
くない。
【0031】完全に溶解したポリマー溶液をガラス板、
テフロン板等にキャストし、室温下に溶媒を蒸発させ
る。得られたキャストフィルムを100〜200℃の温
度でアニーリングし溶媒を完全に除去する。アニーリン
グ温度が100℃未満の場合には溶媒がポリマー中に残
存する場合があるため好ましくない。また、200℃を
超える場合にはキャストフィルムが着色する場合があ
る。
【0032】本発明により得られたキャストフィルム用
芳香族ポリエステルは溶媒溶解性に優れ、クロロホル
ム、1,1,2,2−テトラクロロエタン等の良溶媒中
で固有粘度を測定することが可能である。本発明のフィ
ルム用芳香族ポリエステルの0.1g/dLの濃度で測
定した固有粘度は、0.5〜3.0dL/gが好まし
く、0.7〜2dL/gが特に好ましい。固有粘度が
0.5dL/g未満では重合度が低過ぎ、強靱なキャス
トフィルムが得られないため好ましくない。また、固有
粘度が3.0dL/gを超える場合には溶媒溶解性が低
く、均一な厚さのキャストフィルムが得られ難いため好
ましくない。
【0033】本発明により得られるキャストフィルム
は、透明性、耐熱性、機械特性に優れ、さらに、溶液キ
ャストにより得られることから薄膜化も容易である。ま
た、クロロホルム、ジクロロメタン等の一般的な溶媒が
キャスト溶媒として利用できる利点を有する。本発明に
よる芳香族ポリエステルフィルムは、フィルム厚100
μm以下で、波長500nm(もしくは800〜420
nm)での光透過率が70%以上、また、フィルム厚2
0μm以上で、370nmでの光透過率が10%以下で
あり、可視光領域の透明性と紫外線領域の吸収性を併せ
持つ。
【0034】従来のポリアリレートフィルムの紫外線カ
ット波長は350nm以下であるが、人体や機器に有害
な紫外線は400nm以下の領域の光線であり、350
〜400nmの有害な紫外線はカットすることができな
かった。これに対して、本発明の芳香族ポリエステルフ
ィルムは、370nm以下の紫外線領域の光線をカット
することが可能で、紫外線の保護効果に大きな効果を有
する。
【0035】また、本発明による光学透明フィルムの耐
熱性を表わす因子としてのガラス転移温度は130℃以
上であり、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは
180℃以上である。また、本発明による光学透明フィ
ルムの引張強度は、8.0Kgmm-2以上であり、好ま
しくは10.0Kgmm-2以上、更に好ましくは12.
0Kgmm-2以上である。また、本発明による光学透明
フィルムの引張弾性率は、200Kgmm-2以上、好ま
しくは230Kgmm-2以上、更に好ましくは260K
gmm-2以上のものが調製できる。更に、本発明により
得られる芳香族ポリエステルフィルムは、H以上の高い
硬度や低い線熱膨張係数を示す特性を有する。
【0036】
【実施例】実施例により、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は以下に挙げる実施例に限られるものではな
い。
【0037】(合成例1)ピロメリット酸無水物(和光
純薬株式会社製 特級試薬)100gとメタノール(和
光純薬株式会社製 特級試薬)500mlを加熱環流下
で2時間攪拌した後、メタノールを減圧留去した。得ら
れたp−異性体(2,5−メチルエステルテレフタル
酸)とm−異性体(4,6−メチルエステルイソフタル
酸)の混合物を、両者のアセトンへの溶解性の差を利用
してp−異性体とm−異性体に分離した。NMR測定よ
り、p体/m体が97/3(モル比)のp−リッチ体と
p体/m体が10/90(モル比)のm−リッチ体であ
ることが示された。
【0038】m−異性体6g、p−異性体14g、塩化
チオニル(和光純薬株式会社製 特級試薬)80mlを
ナスフラスコに入れ環流下で2時間攪拌した後、50℃
で塩化チオニルを減圧除去した。次いで、クロロホルム
(和光純薬株式会社製 特級試薬)280mlとビフェ
ノール(和光純薬株式会社製 特級試薬)13.3gを加
え、室温で1時間攪拌した後、ピリジン(和光純薬株式
会社製 特級試薬)23gをゆっくりと滴下した。50
℃で6時間攪拌反応させた後、得られた透明液を800
mlのメタノール中に滴下し、再沈させた。沈殿物を濾
別し、アセトン洗浄した後、80℃で24時間真空乾燥
してメタ異性体30%を有するメチルエステル側鎖型芳
香族ポリエステル(以下、m30BC1と称す)を得
た。収率は96%であった。
【0039】m30BC1は液晶化温度が約285℃、
等方化温度が約355℃、ガラス転移温度(Tg)が1
85℃であり、クロロホルム、1,2−テトラクロロエ
タン、N−メチルピロリドン(NMP)に可溶であっ
た。また、クロロホルム溶液中でのインヒレント粘度は
1.7dL/gであった。
【0040】なお、NMRは日本電子工業株式会社製の
400MHzのFT−NMR JNM−GSX−400
を使用し、p−異性体とm−異性体の割合はp体に起因
する8.015ppmのピーク強度とm体に起因する8.
101ppmと7.936ppmのピーク強度の比から
求めた。Tgの測定はセイコー電子工業株式会社製の固
体粘弾性測定装置 DMS−200で行った。2℃/min
で昇温し、1Hzでのtanδのピーク温度をTgとし
た。液晶化温度と等方化温度は偏光顕微鏡観察により求
めた。サンプルの昇降温はメトラ FP80HTを使用
した。
【0041】(実施例1)合成例1で得られたm30B
C1の5%クロロホルム溶液をガラス板上に塗布し、シ
ャレー内で溶媒キャストして無色透明なキャストフィル
ムを得た。フィルムは80℃で2時間、更に150℃で
3時間熱処理を行った。キャストフィルム(50μm
厚)の800〜420nmでの光透過率は82〜88
%、370nmでの光透過率は0%であり、無色透明で
紫外線吸収能を有するものである。また、引張強度は1
2Kg/mm2、弾性率は330Kg/mm2であり、機
械的特性に優れている。線膨張係数(30−100℃)
は約1×10-5(1/℃)であり、寸法安定性に優れ
る。また、鉛筆硬度は2Hであった。
【0042】尚、引張試験は島津製作所製のオートグラ
フ2000で行った。サンプル長を10mmとして、
(厚み=約100μm、幅=5mm)5mm/minの
速度で延伸した。光透過率測定は日立製作所製の紫外−
可視吸収スペクトロメーターU−3000、線膨張係数
測定はセイコー電子工業株式会社製のTMA−SS/1
20を使用した。線膨張係数測定は毎分1℃の速度で昇
温した。
【0043】〔実施例2〕合成例1において、p−異性
体とm−異性体の割合を1:1(モル)とすることによ
りメタ異性体50%を含有するメチルエステル型芳香族
ポリエステル(m50BC1)を得た(収率96%)。
m50BC1はクロロホルム、NMPに可溶であり、ク
ロロホルム中で測定したインヒレント粘度は1.2dL
/gであった。また、m50BC1には液晶性は無く、
等方化温度は約280℃、Tgは190℃であった。
【0044】m50BC1の5%クロロホルム溶液を調
製して、ガラス板上に塗布し、シャレー内で溶媒キャス
トして無色透明なキャストフィルムを得た。フィルムは
80℃で2時間、更に150℃で3時間熱処理を行っ
た。キャストフィルム(50μm)の800〜420n
mでの光透過率は89〜91%、370nmでの光透過
率は0%であった。無色透明で紫外線吸収能を有する。
また、引張強度は13Kg/mm2、弾性率は300K
g/mm2であり、機械的特性に優れている。
【0045】〔実施例3〕合成例1において、p−異性
体とm−異性体の割合を2:8(モル)とすることによ
りメタ異性体80%を含有するメチルエステル型芳香族
ポリエステル(m80BC1)を得た(収率94%)。
m80BC1はクロロホルムやNMPに可溶であり、ク
ロロホルム中で測定したインヒレント粘度は0.8dL
/gであった。m80BC1には液晶性は無く、等方化
温度は約255℃であり、Tgは214℃と極めて高
い。
【0046】m80BC1の5%クロロホルム溶液をガ
ラス板上に塗布し、シャレー内で溶媒キャストして無色
透明なキャストフィルムを得た。フィルムは80℃で2
時間、更に150℃で3時間熱処理を行った。キャスト
フィルム(50μm)の800〜420nmでの光透過
率は89〜91%、370nmでの光透過率は0%であ
った。無色透明で紫外線吸収特性を有する。また、引張
強度は12Kg/mm 2、弾性率は300Kg/mm2
あり、機械的特性に優れている。
【0047】〔実施例4〕合成例1において、500m
lのメタノールの代わりに500mlのエタノール(和
光純薬株式会社製 特級試薬)を使用し、更に、p−異
性体(2,5−エチルエステルテレフタル酸)とm−異
性体(2,4−エチルエステルイソフタル酸)との割合
を1:1(モル)とすることによりメタ異性体50%を
含有するエチルエステル型芳香族ポリエステル(以下、
m50BC2と称す)を得た(収率95%)。m50B
C2はクロロホルムやNMPに可溶であり、クロロホル
ム中で測定したインヒレント粘度は1.1dL/gであ
った。m50BC2のTgは153℃であった。
【0048】m50BC2の5%クロロホルム溶液をガ
ラス板上に塗布し、シャレー内で溶媒キャストして無色
透明なキャストフィルムを得た。フィルムは80℃で2
時間、更に120℃で3時間熱処理を行った。キャスト
フィルム(50μm)の800〜420nmでの光透過
率は89〜91%、370nmでの光透過率は0%であ
った。無色透明で紫外線吸収能を有する。また、引張強
度は10Kg/mm2、弾性率は200Kg/mm2であ
り、機械的特性に優れている。
【0049】〔実施例5〕実施例2で使用したm50B
C1のキャストフィルムの熱処理物を160℃で1.5
倍延伸した。延伸フィルム(42μm)の800〜42
0nmでの光透過率は89〜91%、370nmでの光
透過率は0%であり、無色透明で紫外線吸収能を有する
ものであった。また、引張強度は30Kg/mm2、弾
性率は400Kg/mm2であり、極めて高い機械的特
性を持つ。
【0050】〔比較例1〕ポリアリレート(ユニチカ株
式会社製 U−ポリマー U−100)の5%クロロホル
ム溶液をガラス板上に塗布し、シャレー内で溶媒キャス
トを行い無色透明なキャストフィルムを得た。フィルム
は80℃で2時間、更に150℃で3時間熱処理を行っ
た。キャストフィルム(50μm)の800〜420n
mでの光透過率は89〜91%で無色透明であったが、
光透過率が10%以下となる波長は350nmであっ
た。370nmでの光透過率は80%であり。紫外線吸
収能に劣る。Tgは約200℃と耐熱性に優れている
が、引張強度は7Kg/mm2、弾性率は150Kg/
mm2であり、機械的特性が劣っている。更に、線膨張
係数(30−100℃)は約7.2×10-5(1/℃)
であり、鉛筆硬度はFであった。寸法安定性、表面硬度
にも劣る。
【0051】〔比較例2〕ポリカーボネート(三菱瓦斯
化学株式会社製 ユーピロン Z−200)、ポリスチレ
ン(大日本インキ化学株式会社製 DICスチレン CR
−4500G)、ポリサルホン(UDEL P−370
3)、アクリル樹脂(旭化成株式会社製 LP−1)の
キャストフィルム(50μm)の光透過特性を測定し
た。これらは代表的な透明性樹脂である。いずれの樹脂
も800〜420nmの可視光域の光透過率は89〜9
1%であったが、光透過率が10%以下となる波長はポ
リサルホンが320nm(ガラスと同程度)、それ以外
の樹脂では300nm以下の波長であり、紫外線吸収能
を示さない。また、引張強度が9Kg/mm2、弾性率
が170Kg/mm2を越えるものは無く、機械的特性
にも劣る。尚、キャスト溶媒はポリカーボネートとポリ
サルホンがクロロホルム、アクリル樹脂とポリスチレン
はメチルエチルケトンを使用した。
【0052】
【発明の効果】本発明のアルキルエステル側鎖を有する
芳香族ポリエステルは溶媒溶解性を示し、キャスト法に
より容易にフィルム化が可能である。フィルムは無色透
明であるのに加えて、優れた紫外線吸収能を有する。更
に、耐熱性、機械的特性、寸法安定性、表面硬度に優れ
ており、建築、自動車、印刷、食品、美術品などの分野
における保護フィルムなどとして利用される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化式1及び/又は化式2で表される側鎖
    置換芳香族ジカルボン酸単位と、化式3で表される芳香
    族ジオール単位とを必須成分とする芳香族ポリエステル
    の溶液から溶媒を除去する芳香族ポリエステルフィルム
    の製造法。(化式1) 【化1】 (式中、Rはメチル基又はエチル基を表わす。)(化式
    2) 【化2】 (式中、Rはメチル基又はエチル基を表わす。)(化式
    3) 【化3】
  2. 【請求項2】 化式1及び化式2で表される芳香族ジカ
    ルボン酸単位の側鎖のRがメチル基であり、化式1で表
    される芳香族ジカルボン酸単位と化式2で表される芳香
    族ジカルボン酸単位の比率が80:20〜5:95であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリエステ
    ルフィルムの製造法。
  3. 【請求項3】 化式1及び化式2で表される芳香族ジカ
    ルボン酸単位の側鎖のRがエチル基であり、化式1で表
    される芳香族ジカルボン酸単位と化式2で表される芳香
    族ジカルボン酸単位の比率が90:10〜5:95であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリエステ
    ルフィルムの製造法。
  4. 【請求項4】 化式1及び/又は化式2で表される芳香
    族ジカルボン酸単位に対してイソフタル酸単位を20モ
    ル%以下含むことを特徴とする請求項1から3のいずれ
    か一つに記載の芳香族ポリエステルフィルムの製造法。
  5. 【請求項5】 波長800〜420nmの光透過率が7
    0%以上であることを特徴とする請求項1から4のいず
    れか一つに記載の製造法で得られた芳香族ポリエステル
    フィルム。
  6. 【請求項6】 波長370nmの光透過率が10%以下
    であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つ
    に記載の芳香族ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 引張強度が8kg/mm2以上、引張弾
    性率が200kg/mm2以上であることを特徴とする
    請求項1から4のいずれか一つに記載の芳香族ポリエス
    テルフィルム。
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