JPH1135820A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JPH1135820A
JPH1135820A JP19889397A JP19889397A JPH1135820A JP H1135820 A JPH1135820 A JP H1135820A JP 19889397 A JP19889397 A JP 19889397A JP 19889397 A JP19889397 A JP 19889397A JP H1135820 A JPH1135820 A JP H1135820A
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polymer
block
hydrogenated
thermoplastic resin
resin composition
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Application number
JP19889397A
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English (en)
Inventor
Haruhisa Masuda
晴久 増田
Toshiro Taniguchi
俊郎 谷口
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被改質ポリマーの流動性の低下やゲル化等を
生ずることなく、その物性を向上させ得る汎用性のある
ポリマー用改質剤として有用な、熱可塑性樹脂組成物の
製造方法、熱可塑性樹脂組成物、およびポリマー用改質
剤の提供。 【解決手段】 ポリアミド樹脂(I)、並びに芳香族ビ
ニル化合物重合体ブロックおよび1,2−結合量が30
%未満の水添ポリブタジエンブロックのうちの1種以上
からなる重合体ブロック(A)と、水添ポリイソプレン
ブロック、1,2−結合量が30〜80%の水添ポリブ
タジエンブロックおよび水添イソプレン/ブタジエン共
重合体ブロックの1種以上からなる重合体ブロック
(B)とからなり、カルボキシル基および/またはアミ
ノ基を一方の末端に0.5〜1個有する付加重合体(I
I)を、前者対後者の重量比が97/3〜20/80の
割合で溶融条件下に混合した後、固相重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物の製造方法、熱可塑性樹脂組成物および該組成物から
なるポリマー用改質剤に関する。本発明の熱可塑性樹脂
組成物は、それ自体で良好な力学的特性、物理的特性、
化学的特性を有しており、しかも多種類のポリマーとの
相容性に優れることから、各種ポリマーに配合すること
によって、各種ポリマーの耐衝撃性、引張強度、引張伸
び、耐熱性、塗装性、耐候性、弾性、反撥弾性、流動
性、寸法安定性、耐薬品性などの性質を向上させること
ができる。
【0002】
【従来の技術】ポリマーの改質技術は、分子設計に基づ
く新奇なポリマーの開発に比べて、開発経費や開発時間
などが大幅に低減できるという利点を有しており、その
ため自動車部品、電気・電子部品、機械部品用のポリマ
ーをはじめとして、多くの分野でポリマーの改質に関す
る研究が盛んに行われている。ポリマーの改質技術のう
ちでも、改質剤を被改質ポリマー中にブレンドする方法
が、改質剤の成形品表面へのブリードアウトが少なく、
しかも設備、手間、時間などの点でも有利に実施できる
ことから重要な位置を占めている。
【0003】しかしながら、多種類のポリマーに対して
共通して使用できる汎用性のある改質剤は極めて少な
く、特定のポリマーに対しては改質作用を示すが、別の
ポリマーに配合した場合には流動性の低下やゲル化など
が生じてその改質作用を示さず、むしろ物性の低下を招
くものが多い。例えば、ポリマー用の改質剤としては、
プロピレン重合体中で(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリロニトリル、ビニルエステルなどの単量
体と共に分子内にエーテル結合および/またはエステル
結合を有する特定のラジカル重合性有機過酸化物単量体
を重合してなるグラフト化前駆体またはそのグラフト化
物が提案されている(特開昭63−270713号公
報、特開昭63−312305号公報および特開昭63
−312306号公報)。しかしながら、これらの改質
剤は分子中に複数の官能基を有しているために、それを
配合するポリマーの種類によっては、流動性の低下やゲ
ル化の発生などの問題がある。また、ポリアミドに親和
性のある重合体ブロックと芳香族ビニル系重合体および
/またはポリエステルに親和性のある重合体のブロック
を有するブロック共重合体からなる樹脂用改質剤が提案
されている(特開平2−199127号公報)。しか
し、この樹脂用改質剤はオレフィン系重合体などに対し
ては充分な改質作用をもたず、多種類のポリマーに対し
て汎用性のある改質剤であるとは言えない。
【0004】そのため、多種類のポリマーに対して共通
して使用でき、しかも被改質ポリマー中に配合したとき
にポリマー組成物の流動性の低下やゲル化を発生せず、
取り扱い性に優れる汎用性のあるポリマー用改質剤、お
よびそのための重合体材料が求められてきたが、そのよ
うな要望を充分に満たす重合体およびそれよりなるポリ
マー用改質剤は未だ得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、それ
自体で良好な力学的特性、物理的特性、化学的特性を備
えており、しかも多種類のポリマーに対する汎用性のあ
るポリマー用改質剤として使用でき、各種ポリマーに配
合したときに流動性の低下やゲル化の発生などの問題が
生じず、取り扱い性に優れる、熱可塑性樹脂組成物の製
造方法、熱可塑性樹脂組成物およびポリマー用改質剤を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、ポリア
ミド系樹脂、並びにカルボキシル基および/またはアミ
ノ基を一方の末端に0.5〜1個有する付加重合体を、
溶融条件下に混合した後、固相重合することによって、
多種類のポリマーとの相容性に優れ、ポリマー用改質剤
として有用な熱可塑性樹脂組成物が得られること、さら
に該熱可塑性樹脂組成物を各種ポリマーに配合した場
合、流動性の低下やゲルの発生などの問題が生じないこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリアミド系樹脂
(I)、並びにカルボキシル基および/またはアミノ基
を一方の末端に0.5〜1個有する付加重合体(II)
を、前者対後者の重量比が97/3〜20/80の割合
で溶融条件下に混合した後、固相重合することを特徴と
する; (1)ポリアミド系樹脂(I)から誘導された高分子量
化ポリアミド系樹脂(I’)、(2)芳香族ビニル化合
物単位から主としてなる重合体ブロック(a−1)およ
び水素添加された1,2−結合量が30%未満のポリブ
タジエンブロック(a−2)のうちの少なくとも1種か
らなる重合体ブロック(A)と、水素添加されたポリイ
ソプレンブロック(b−1)、水素添加された1,2−
結合量が30〜80%のポリブタジエンブロック(b−
2)および水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重
合体ブロック(b−3)からなる群から選ばれる少なく
とも1種からなる重合体ブロック(B)とからなり、カ
ルボキシル基および/またはアミノ基を一方の末端に
0.5〜1個有する付加重合体(II)、並びに(3)ポ
リアミド系樹脂(I)から誘導されるポリアミドブロッ
ク(i)と付加重合体(II)から誘導される重合体ブロ
ック(ii)とからなるブロック共重合体(III)からな
り;{ポリアミド系樹脂(I’)の重量およびブロック
共重合体(III)に含有されるポリアミドブロック(i)
の重量の合計}と{付加重合体(II)の重量およびブロ
ック共重合体(III)に含有される重合体ブロック(i
i)の重量の合計}との比が97/3〜20/80であ
る;熱可塑性樹脂組成物の製造方法、並びに当該製造
方法により得られる熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0008】また本発明は、(1)ポリアミド系樹脂
(I’)、(2)芳香族ビニル化合物単位から主として
なる重合体ブロック(a−1)および水素添加された
1,2−結合量が30%未満のポリブタジエンブロック
(a−2)のうちの少なくとも1種からなる重合体ブロ
ック(A)と、水素添加されたポリイソプレンブロック
(b−1)、水素添加された1,2−結合量が30〜8
0%のポリブタジエンブロック(b−2)および水素添
加されたイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b
−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる
重合体ブロック(B)とからなり、カルボキシル基およ
び/またはアミノ基を一方の末端に0.5〜1個有する
付加重合体(II)、並びに(3)ポリアミドブロック
(i)と、付加重合体(II)から誘導される重合体ブロ
ック(ii)とからなるブロック共重合体(III)からな
り;{ポリアミド系樹脂(I’)の重量およびブロック
共重合体(III)に含有されるポリアミドブロック(i)
の重量の合計}と{付加重合体(II)の重量およびブロ
ック共重合体(III)に含有される重合体ブロック(i
i)の重量の合計}との比が97/3〜20/80であ
る;熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに本発明は、
上記の熱可塑性樹脂組成物からなるポリマー用改質剤に
関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明では、ポリアミド系樹脂(I)、並びにカ
ルボキシル基および/またはアミノ基を一方の末端に
0.5〜1個有する付加重合体(II)を、前者対後者の
重量比が97/3〜20/80の割合で用いることが必
要である。上記の比が97/3より大きい場合には、得
られる熱可塑性樹脂組成物の他のポリマーとの相容性が
低下し、20/80未満の場合には、得られる熱可塑性
樹脂組成物の耐熱性が低下する。そして、得られる熱可
塑性樹脂組成物の耐熱性および他のポリマーに対する相
容性の観点から、ポリアミド系樹脂(I)と付加重合体
(II)との重量比は、95/5〜30/70の範囲内で
あるのが好ましい。
【0010】本発明におけるポリアミド系樹脂(I)
は、熱可塑性のポリアミド系樹脂であればいずれであっ
てもよく、例えば、ジアミンとジカルボン酸との縮合に
より得られるポリアミド系樹脂;アミノカルボン酸から
誘導されるポリアミド系樹脂;ラクタムから誘導される
ポリアミド系樹脂;前記したポリアミド系樹脂の2種以
上が結合している共重合ポリアミド系樹脂;前記したポ
リアミド系樹脂の混合物から誘導されるポリアミド系樹
脂などを挙げることができる。
【0011】ポリアミド系樹脂(I)の構成成分となり
得る上記のジアミンは、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミ
ンおよび/または芳香族ジアミンのいずれであってもよ
く、例えば、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘ
キサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン;1,3−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシル
メタンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、m−キシレンジアミン、p−キシレン
ジアミンなどの芳香族ジアミンなどを挙げることができ
る。
【0012】また、ポリアミド系樹脂(I)の構成成分
となり得る上記のジカルボン酸は、脂肪族ジカルボン
酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸のいずれ
であってもよく、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの
脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸などを挙げることができる。
【0013】そして、ポリアミド系樹脂(I)が上記し
たジアミンおよびジカルボン酸の縮合により得られるポ
リアミドからなる場合は、ポリアミド系樹脂(I)は上
記したジアミンの1種または2種以上と、上記したジカ
ルボン酸の1種または2種以上との縮合により得られる
ポリアミドであることができる。
【0014】また、ポリアミド系樹脂(I)を形成し得
る上記のアミノカルボン酸の例としては、6−アミノカ
プロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノド
デカン酸などを挙げることができ、ポリアミド系樹脂
(I)はこれらのアミノカルボン酸の1種または2種以
上から形成されていることができる。さらに、ポリアミ
ド系樹脂(I)を形成し得る上記のラクタムの代表例と
しては、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムなど
を挙げることができる。
【0015】そのうちでも、本発明に用いられるポリア
ミド系樹脂(I)が、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン46、ナイロン610、ナイロン9、ナイロン6/
66、ナイロン66/610、ナイロン6/11、ナイ
ロン6/12、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン
6T、ナイロン61/6T、ナイロンMXD6の1種ま
たは2種以上からなっていることが好ましく、ナイロン
6、ナイロン66からなっていることが、被改質ポリマ
ーへの相容性の点からより好ましい。
【0016】限定されるものではないが、本発明に用い
られるポリアミド系樹脂(I)の数平均分子量は200
〜100000であることが、熱可塑性樹脂組成物の製
造の容易性、取り扱い性、各種ポリマーに対する改質効
果などの点から好ましく、数平均分子量が1000〜5
0000であることがより好ましい。また、高分子量化
ポリアミド系樹脂(I’)は、ポリアミド系樹脂(I)が
本発明における固相重合により高分子量化したものであ
り、その数平均分子量は400〜200000であるこ
とが好ましく、2000〜100000であることがよ
り好ましい。
【0017】本発明で用いられる付加重合体(II)は、
芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロッ
ク(a−1)[以下、これを「芳香族ビニル重合体ブロ
ック(a−1)」ということがある]および水素添加さ
れた1,2−結合量が30%未満のポリブタジエンブロ
ック(a−2)[以下、これを「水添ポリブタジエンブ
ロック(a−2)」ということがある]のうちの少なく
とも1種からなる重合体ブロック(A)と、水素添加さ
れたポリイソプレンブロック(b−1)[以下、これを
「水添ポリイソプレンブロック(b−1)」ということ
がある]、水素添加された1,2−結合量が30〜80
%のポリブタジエンブロック(b−2)[以下、これを
「水添ポリブタジエンブロック(b−2)」ということ
がある]および水素添加されたイソプレン/ブタジエン
共重合体ブロック(b−3)[以下、これを「水添イソ
プレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)」とい
うことがある]からなる群から選ばれる少なくとも1種
からなる重合体ブロック(B)とからなり、カルボキシ
ル基および/またはアミノ基を一方の末端に0.5〜1
個有する付加重合系ブロック共重合体である。
【0018】その中でも、本発明で用いられる付加重合
体(II)が、芳香族ビニル化合物単位から主としてなる
重合体ブロック(a−1)を重合体ブロック(A)と
し、水素添加されたポリイソプレンブロック(b−
1)、水素添加された1,2−結合量が30〜80%の
ポリブタジエンブロック(b−2)および水素添加され
たイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)
からなる群から選ばれる少なくとも1種を重合体ブロッ
ク(B)とし、かつカルボキシル基および/またはアミ
ノ基を一方の末端に0.5〜1個有する付加重合系ブロ
ック共重合体であることが、得られる熱可塑性樹脂組成
物の各種ポリマーに対する相容性が良好であり、しかも
各種ポリマー中に配合したときにその物性改質効果(特
に引張強度、引張伸び、耐衝撃性などの向上効果)が大
きい点から好ましい。
【0019】付加重合体(II)は、カルボキシル基およ
び/またはアミノ基を一方の分子末端に有しており、こ
れに起因して、ブロック共重合体(III)はポリアミド
系樹脂(I)から誘導されるポリアミドブロック(i)と
付加重合体(II)から誘導される重合体ブロック(ii)
とからなるジブロック体が主体となる。カルボキシル基
および/またはアミノ基を分子鎖中または分子側鎖に有
する付加重合体を用いると、グラフト共重合体が生成
し、他のポリマーに対する相容性が低下する。また、カ
ルボキシル基および/またはアミノ基を分子両末端に有
する付加重合体を用いると、トリブロック体以上のマル
チブロック体が主に生成し、他のポリマーに対する相容
性が低下する。
【0020】付加重合体(II)が一方の末端に有するカ
ルボキシル基および/またはアミノ基の含有量は、平均
して1分子当たり0.5〜1個である。該官能基の含有
量が上記の範囲を外れる場合は、得られる熱可塑性樹脂
組成物の他のポリマーに対する相容性が低下する。ま
た、付加重合体(II)がカルボキシル基および/または
アミノ基を全く有しない場合は、ブロック共重合体(II
I)が生成しないため、他のポリマーに対する相容性が
不十分となる。そして、得られる熱可塑性樹脂組成物の
他のポリマーに対する相容性をより向上させる観点か
ら、付加重合体(II)におけるカルボキシル基および/
またはアミノ基の含有量は、0.7〜1個の範囲内であ
るのが好ましい。
【0021】付加重合体(II)を構成し得る、重合体ブ
ロック(A)と重合体ブロック(B)とからなる付加重
合系ブロック共重合体のブロック構造の例としては、下
記の一般式(1)〜(4)で表されるものを挙げること
ができる。
【0022】(A−B)e−X (1) (B−A)f−X (2) A’−(B−A)g−X (3) B’−(A−B)h−X (4) [上記式中、AおよびA’はそれぞれ独立して重合体ブ
ロック(A)を示し、BおよびB’はそれぞれ独立して
重合体ブロック(B)を示し、e、f、gおよびhはそ
れぞれ独立して1以上の整数を示す。また、Xはカルボ
キシル基および/またはアミノ基を示す。]
【0023】上記の一般式(1)〜(4)で表される付
加重合系ブロック共重合体における反復数e、f、gお
よびhはそれぞれ任意に決めることができるが、通常、
1〜5の範囲内の整数であることが好ましい。
【0024】付加重合体(II)を構成し得る付加重合系
ブロック共重合体としては、他のポリマーとの相容性を
向上させる観点から、下記の一般式(5): B−A−X (5) [式中、A、BおよびXは前記定義の通りである。]で
示される付加重合系ジブロック共重合体、および下記の
一般式(6): A’−B−A−X (6) [式中、A、A’、BおよびXは前記定義の通りであ
る。]で示される付加重合系トリブロック共重合体がよ
り好ましい。
【0025】付加重合体(II)における重合体ブロック
(A)の構成ブロックとなり得る芳香族ビニル重合体ブ
ロック(a−1)は、芳香族ビニル化合物単位を主体と
する重合体ブロックである。芳香族ビニル重合体ブロッ
ク(a−1)中の芳香族ビニル化合物単位を与える芳香
族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフ
タレン、ビニルアントラセンなどを挙げることができ
る。芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)は、1種の
芳香族ビニル化合物単位から構成されていても、または
2種以上の芳香族ビニル化合物単位から構成されていて
もよい。そのうちでも、本発明の熱可塑性樹脂組成物を
配合した被改質ポリマーの耐衝撃性、引張強度、引張伸
び、耐熱性、塗装性、耐候性、弾性、反撥弾性、流動
性、寸法安定性、耐薬品性などの性質の改良効果が高い
点から、芳香族ビニル重合体ブロック(a−1)はスチ
レンおよび/またはα−メチルスチレンから構成されて
いるのが好ましく、スチレンから構成されているのが特
に好ましい。
【0026】また、付加重合体(II)における重合体ブ
ロック(A)の構成ブロックとなり得る水添ポリブタジ
エンブロック(a−2)は、そのポリブタジエンブロッ
クにおける1,2−結合量が30%未満であり、25%
以下であるのが好ましい。それと共に、水添ポリブタジ
エンブロック(a−2)は不飽和結合の一部または全
部、好ましくは90%以上が水素添加によって飽和結合
にされているポリブタジエンブロックである。また、水
添ポリブタジエンブロック(a−2)を構成するポリブ
タジエンでは、水素添加前では、その30モル%未満、
好ましくは25モル%以下がビニルエチレン基[−CH
(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のブタジエン
単位]であり、残りが2−ブテン−1,4−ジイル基
(−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合のブタ
ジエン単位)である。
【0027】そして、付加重合体(II)における重合体
ブロック(B)の構成ブロックとなり得る水添ポリイソ
プレンブロック(b−1)は、イソプレンに由来するモ
ノマー単位から主としてなるポリイソプレンの不飽和結
合の一部または全部が水素添加されて飽和結合になって
いる重合体ブロックである。水添ポリイソプレンブロッ
ク(b−1)では、その水素添加前には、イソプレンに
由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジ
イル基[−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,
4−結合のイソプレン単位]、イソプロペニルエチレン
基[−CH{−C(CH3)=CH2}−CH2−;3,
4−結合のイソプレン単位]および1−メチル−1−ビ
ニルエチレン基[−C(CH3)(CH=CH2)−CH
2−;1,2−結合のイソプレン単位]からなる群より
選ばれる少なくとも1種からなっているのが好ましい。
【0028】付加重合体(II)における重合体ブロック
(B)の構成ブロックとなり得る水添ポリブタジエンブ
ロック(b−2)は、そのポリブタジエンブロックにお
ける1,2−結合量が30〜80%、好ましくは35〜
60%であり、しかも不飽和結合の一部または全部が水
素添加によって飽和結合になっているポリブタジエンブ
ロックである。水添ポリブタジエンブロック(b−2)
を構成するポリブタジエンでは、水素添加前にはその3
0〜80モル%、好ましくは35〜60モル%がビニル
エチレン基[−CH(CH=CH2)−CH2−;1,2
−結合のブタジエン単位]であり、70〜20モル%、
好ましくは65〜40モル%が2−ブテン−1,4−ジ
イル基(−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合
ブタジエン単位)である。
【0029】また、付加重合体(II)における重合体ブ
ロック(B)の構成ブロックとなり得る水添イソプレン
/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)は、イソプレ
ンに由来する単位およびブタジエンに由来する単位から
主としてなるイソプレン/ブタジエン共重合体であっ
て、且つその不飽和結合の一部または全部が水素添加に
よって飽和結合になっている共重合体ブロックである。
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−
3)においては、その水素添加前には、イソプレンに由
来する単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイ
ル基、イソプロペニルエチレン基および1−メチル−1
−ビニルエチレン基からなる群より選ばれる少なくとも
1種の基であり、またブタジエンに由来する単位はビニ
ルエチレン基および/または2−ブテン−1,4−ジイ
ル基である。そして、水素添加前におけるイソプレン/
ブタジエン共重合体ブロックにおけるそれらの基の割合
は特に制限されない。また、水添イソプレン/ブタジエ
ン共重合体ブロック(b−3)において、イソプレンに
由来する単位とブタジエンに由来する単位の配置状態
は、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のい
ずれであってもよい。
【0030】付加重合体(II)における水添ポリブタジ
エンブロック(a−2)、水添ポリイソプレンブロック
(b−1)、水添ポリブタジエンブロック(b−2)お
よび水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b
−3)では、上記したように、その炭素−炭素二重結合
の一部が水素添加されていても、または全部が完全に水
素添加されていてもよいが、付加重合体(II)におい
て、ブタジエン単位および/またはイソプレン単位にお
ける炭素−炭素間二重結合の50モル%以上、特に80
モル%以上が水素添加されていること(すなわち不飽和
度が50モル%未満、特に20モル%未満になっている
こと)が、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱劣化性、
耐候性が良好となり、しかも該熱可塑性樹脂組成物の製
造時、とりわけ固相重合時の熱安定性が良好となり、固
相重合時における付加重合体(II)の分解、ゲル化、お
よび着色等を防止できる点から好ましい。
【0031】付加重合体(II)における芳香族ビニル重
合体ブロック(A)の合計含有量と重合体ブロック
(B)の合計含有量との比は、熱可塑性樹脂組成物の耐
熱性を高く保ち、かつ樹脂改質効果を大きくする観点か
ら、それぞれ前者対後者の比で1/9〜9/1(重量
比)の範囲内であることが好ましく、2/8〜7/3
(重量比)であることがより好ましい。
【0032】また、付加重合体(II)における芳香族ビ
ニル重合体ブロック(A)は、その数平均分子量が25
00〜50000の範囲内であることが好ましく、付加
重合体(II)における重合体ブロック(B)の数平均分
子量は10000〜100000の範囲内であることが
好ましい。そして、付加重合体(II)の数平均分子量
は、12500〜150000の範囲内であることが好
ましい。そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、1種
類または2種類以上の付加重合体(II)を有していても
よい。
【0033】本発明では、上記したポリアミド系樹脂
(I)と付加重合体(II)を溶融条件下に混合した後、
固相重合することが必要である。ポリアミド系樹脂
(I)から誘導されるポリアミドブロック(i)と付加重
合体(II)から誘導される重合体ブロック(ii)とから
なるブロック共重合体(III)は、ポリアミド系樹脂
(I)またはそれから誘導された高分子量化ポリアミド
系樹脂(I’)と付加重合体(II)とが反応するか、ま
たはその反応後に高分子量化することによって生成する
が、ポリアミド系樹脂(I)と付加重合体(II)を溶融
条件下に混合しただけでは、ブロック共重合体(III)
の生成量が少なく、得られる熱可塑性樹脂組成物の他の
ポリマーに対する相容性はあまり高くならない。ポリア
ミド系樹脂(I)と付加重合体(II)を溶融条件下に混
合した後、固相重合することによって、ポリアミド系樹
脂(I)またはそれから誘導された高分子量化ポリアミ
ド系樹脂(I’)と付加重合体(II)との反応が効率的
に進行し、得られる熱可塑性樹脂組成物の他のポリマー
に対する相容性が高くなる。
【0034】さらに、本発明者らは、ブロック共重合体
(III)の生成には、固相重合時のポリアミド系樹脂
(I)またはそれから誘導された高分子量化ポリアミド
系樹脂(I’)と付加重合体(II)との混合形態が重要
であり、固相重合時に付加重合体(II)のマトリックス
中にポリアミド系樹脂(I)またはそれから誘導された
高分子量化ポリアミド系樹脂(I’)が島状に分散して
いる場合に、最も効率的にブロック共重合体(III)が
生成することを見出した。このような混合形態は、溶融
条件下における混合中に、ポリアミド系樹脂(I)を付
加重合体(II)のマトリックス中に分散させることによ
って形成される。そのためには、溶融条件下において、
ポリアミド系樹脂(I)の溶融粘度(MVI)および付加
重合体(II)の溶融粘度(MVII)が、下記式(7): MVI≧MVII (7) を満足するように、ポリアミド系樹脂(I)および付加
重合体(II)の種類や分子量を選択し、溶融温度、溶融
混合時の剪断速度を調整するのがよい。
【0035】ポリアミド系樹脂(I)と付加重合体(I
I)との溶融条件下での混合は、単軸押出機、二軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサー等の溶融混練装置を
用いて行うことができる。溶融混練の条件は、使用する
ポリアミド系樹脂(I)や付加重合体(II)の種類、装
置の種類等に応じて適宜選択することができるが、通
常、180〜300℃の温度で3〜15分間程度行うの
がよい。
【0036】また、上記の固相重合に際しては、まずポ
リアミド系樹脂(I)と付加重合体(II)との溶融条件
下での混練によって得られた樹脂組成物を固化し、粒状
化する。これを適当な固相重合反応装置に移し、予備処
理として120〜180℃の温度下で乾燥や結晶化など
を行い、ついで固相重合させることにより行うことがで
きる。固相重合反応は、通常、ポリアミド系樹脂(I)
の融点よりも5〜60℃程度低い温度に保ちながら、不
活性気流下または真空中で行うとよい。固相重合反応装
置としては、バッチ方式または連続方式のいずれを採用
してもよく、固相重合反応装置における滞留時間や処理
温度などを適宜調節することによって、所望の重合度お
よび反応率とすることができる。
【0037】このようにして得られた熱可塑性樹脂組成
物は、ポリアミド系樹脂(I)が上記の固相重合により
高分子量化されたポリアミド系樹脂(I’)、付加重合
体(II)およびブロック共重合体(III)からなる。そ
して、該熱可塑性樹脂組成物においては、{ポリアミド
系樹脂(I’)の重量およびブロック共重合体(III)に
含有されるポリアミドブロック(i)の重量の合計}と
{付加重合体(II)の重量およびブロック共重合体(II
I)に含有される重合体ブロック(ii)の重量の合計}
との比は、97/3〜20/80の範囲内であり、95
/5〜30/70の範囲内であるのが好ましい。上記の
比が、97/3より大きい場合には、熱可塑性樹脂組成
物の他のポリマーに対する相容性が低下し、20/80
未満の場合には、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が低下す
る。
【0038】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
ては、耐熱性および他のポリマーに対する相容性の観点
から、ブロック共重合体(III)と付加重合体(II)と
のモル比は15/85〜99/1の範囲内であるのが好
ましく、20/80〜90/10の範囲内がより好まし
い。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、それ自体
で良好な力学的特性、物理的特性、化学的特性を有して
いて、特に、引張伸び、耐衝撃性、柔軟性等の機械的性
質、耐薬品性、耐熱性および耐候性などに優れており、
熱可塑性であって溶融成形や加熱加工を容易に行うこと
ができるので、単独で、または必要に応じて各種添加剤
(例えばガラス繊維などの補強剤およびその表面処理
剤、酸化防止剤、熱分解防止剤、紫外線吸収剤、タルク
などの結晶化核剤、結晶化促進剤、着色剤、難燃剤、充
填剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、
接着助剤、粘着剤など)、他のポリマーの1種または2
種以上を配合して、各種成形品の製造やその他の用途
(例えば繊維の製造など)に有効に使用することができ
る。また、本発明のブロック共重合体は、ポリマー中に
無機充填剤などを配合する際に、それをポリマー中に微
細に分散させるための分散向上剤などとしても有効に使
用することができる。
【0040】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
各種ポリマーとの相容性に優れており、各種ポリマーに
配合したときに、流動性の低下やゲルの発生などを生ず
ることなく、良好な取り扱い性や成形性で、各種ポリマ
ーの耐衝撃性、引張強度、引張伸び、耐熱性、塗装性、
耐候性、弾性、反撥弾性、流動性、寸法安定性、耐薬品
性などの性質を向上させることができる。そのため、本
発明の熱可塑性樹脂組成物は、汎用性のあるポリマー用
改質剤として、各種ポリマーに対してその物性の向上の
ために極めて有効に使用することができ、したがって本
発明は、上記した本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる
ポリマー用改質剤を発明の範囲に包含する。そして、本
発明のポリマー用改質剤は、必要に応じて、上記した各
種添加剤の1種または2種以上、他のポリマーの1種ま
たは2種以上を含有していてもよい。
【0041】本発明のポリマー用改質剤を配合する被改
質ポリマーの種類は特に制限されず、熱可塑性重合体、
熱硬化性重合体のいずれに対してもその物性改質のため
に有効に使用することができ、そのうちでも熱可塑性重
合体用の改質剤として適している。本発明のポリマー用
改質剤は、1種類の被改質ポリマー中に配合して用いて
も、または2種以上のポリマーからなるポリマー組成物
中に配合して用いてもよい。本発明のポリマー用改質剤
を2種類以上のポリマーからなるポリマー組成物中に配
合した場合には、ポリマー組成物を構成するそれぞれの
ポリマーが互いに相容化すると共にその改質効果が発揮
される。
【0042】本発明のポリマー用改質剤によって改質さ
れ得る被改質ポリマーとしては、例えば、オレフィン系
重合体、スチレン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリ
エステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリフ
ェニレンエーテル系重合体、アイオノマー系樹脂、塩化
ビニル系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合
体、酢酸ビニル系重合体、ポリエーテルスルホン系重合
体などを挙げることができる。そのうちでも、本発明の
ポリマー用改質剤は、オレフィン系重合体、スチレン系
重合体、ポリアミド系重合体、ポリカーボネート系重合
体、ポリフェニレンエーテル系重合体、アイオノマー系
樹脂、または前記したポリマーの2種以上を含むポリマ
ー組成物用の改質剤として適している。
【0043】本発明のポリマー用改質剤の被改質ポリマ
ーへの配合量は特に制限されず、被改質ポリマーの種
類、物性、用途などに応じて調節することができる。一
般には、被改質ポリマー100重量部に対して本発明の
ポリマー用改質剤を2〜50重量部の割合で配合する
と、その改質効果が発揮される。
【0044】本発明のポリマー用改質剤をオレフィン系
重合体に配合した場合には、オレフィン系重合体の耐衝
撃性、塗装性、耐候性、引張伸び、耐薬品性などを向上
させることができる。その場合に、被改質オレフィン系
重合体の種類は特に制限されず、従来既知のオレフィン
系重合体のいずれに対しても本発明のポリマー用改質剤
を有効に用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、ポ
リ−3−メチル−ブテン−1、ポリ−4−メチル−ペン
テン−1、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン
(例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、
3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、
6−メチル−1−ヘプテン、イソオクテン、イソオクタ
ジエン、デカジエンなど)の1種または2種以上との共
重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体(EP
DM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体などのオレフィン系重合体の改質に有
効に使用することができる。そのうちでも、本発明のポ
リマー用改質剤は、ポリプロピレンの改質剤として好ま
しく用いられる。そして、オレフィン系重合体に本発明
のポリマー用改質剤を配合して改質されたオレフィン系
重合体組成物を調製するに当たっては、上記したような
オレフィン系重合体の1種または2種以上の100重量
部(複数のオレフィン系重合体を用いる場合はその合
計)に対して、該ポリマー用改質剤を2〜50重量部の
割合で配合するのが好ましく、3〜30重量部の割合で
配合するのがより好ましい。
【0045】また、本発明のポリマー用改質剤をスチレ
ン系重合体に配合した場合には、スチレン系重合体の引
張伸び、耐薬品性、耐衝撃性などを向上させることがで
きる。その場合に、被改質スチレン系重合体の種類は特
に制限されず、例えば、ポリスチレン、ABS樹脂、A
S樹脂、AAS(アクリルゴム変性ABS)樹脂、AE
S(EPDM変性ABS)樹脂、ACS(塩素化ポリエ
チレン変性ABS)樹脂、MBS樹脂、SB樹脂、HI
PS樹脂などのいずれに対してもその改質のために有効
に使用することができ、それらのうちでも特にABS樹
脂の改質に有効である。そして、スチレン系重合体に本
発明のポリマー用改質剤を配合して改質されたスチレン
系重合体組成物を調製するに当たっては、スチレン系重
合体100重量部に対して該ポリマー用改質剤を2〜5
0重量部の割合で配合するのが好ましく、3〜30重量
部の割合で配合するのがより好ましい。
【0046】また、本発明のポリマー用改質剤をポリア
ミド系重合体に配合した場合には、ポリアミド系重合体
の耐衝撃性、弾性、引張伸び、寸法安定性などを向上さ
せることができる。その場合にポリアミド系重合体の種
類は特に制限されず、従来既知のポリアミド系重合体の
いずれに対しても有効に用いることができ、例えば、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12など
の脂肪族鎖を主体とするポリアミド類、ポリパラフェニ
レンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタル
アミドなどの芳香族環に直結したアミド結合を有するア
ラミド類などのいずれに対しても有効に用いることがで
きる。そして、ポリアミド系重合体に本発明のポリマー
用改質剤を配合して改質されたポリアミド系重合体組成
物を調製するに当たっては、ポリアミド系重合体100
重量部に対して、該ポリマー用改質剤を2〜50重量部
の割合で配合するのが好ましく、3〜30重量部の割合
で配合するのがより好ましい。
【0047】そして、本発明のポリマー用改質剤をポリ
エステル系重合体に配合した場合には、ポリエステル系
重合体の耐衝撃性の向上、引張伸びの増大などの物性向
上を図ることができる。その場合に被改質ポリエステル
系重合体の種類は特に制限されず、従来既知のポリエス
テル系重合体のいずれに対しても本発明のポリマー改質
剤を有効に用いることができ、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹
脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリブチレンナ
フタレート系樹脂、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート系樹脂、ポリカプロラクトン系樹
脂、p−ヒドロキシ安息香酸系ポリエステル樹脂、ポリ
アリレート系樹脂などのポリエステル系重合体の改質に
有効に用いることができる。そして、ポリエステル系重
合体に本発明のポリマー用改質剤を配合して改質された
ポリエステル系重合体組成物を調製するに当たっては、
上記したようなポリエステル系重合体の1種または2種
以上の100重量部(複数のポリエステル系重合体を用
いる場合はその合計)に対して、該ポリマー用改質剤を
2〜50重量部の割合で配合するのが好ましく、3〜3
0重量部の割合で配合するのがより好ましい。
【0048】また、本発明のポリマー用改質剤をポリカ
ーボネート系重合体に配合した場合には、ポリカーボネ
ート系重合体の耐衝撃性、特に低温耐衝撃性、塗装性、
弾性、引張強度、引張伸び、流動性、耐薬品性などを向
上させることができる。その場合に被改質ポリカーボネ
ート系重合体の種類は特に制限されず、従来既知のポリ
カーボネート系重合体のいずれに対しても有効に用いる
ことができ、例えば、ビスフェノールA、ヒドロキノ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,4−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2
−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタンなどの2価のフェノール類と、ホスゲ
ン、ハロゲンホルメート、カーボネートエステルなどの
カーボネート前駆体とから製造されるポリカーボネート
系樹脂の改質剤として有効に使用することができる。そ
して、ポリカーボネート系重合体に本発明のポリマー用
改質剤を配合して改質されたポリカーボネート系重合体
組成物を調製するに当たっては、ポリカーボネート系重
合体100重量部に対して該ポリマー用改質剤を2〜5
0重量部の割合で配合するのが好ましく、3〜30重量
部の割合で配合するのがより好ましい。
【0049】また、本発明のポリマー用改質剤をポリフ
ェニレンエーテル系重合体に配合した場合には、ポリフ
ェニレンエーテル系重合体の耐衝撃性、塗装性、耐薬品
性などを向上させることができる。その場合にポリフェ
ニレンエーテル系重合体の種類は特に制限されず、置換
または非置換のフェニレン基が酸素を介してエーテル結
合している従来既知のポリフェニレンエーテル系重合体
のいずれに対しても有効に用いることができ、例えば、
2,6−キシレノールを原料とするポリフェニレンエー
テルなどの改質に有効に用いることができる。また、ポ
リフェニレンエーテルにポリスチレンを配合した変性ポ
リフェニレンエーテルに対しても有効に用いることがで
きる。そして、ポリフェニレンエーテル系重合体に本発
明のポリマー用改質剤を配合して改質されたポリフェニ
レンエーテル系重合体組成物を調製するに当たっては、
ポリフェニレンエーテル系重合体100重量部に対し
て、該ポリマー用改質剤を2〜50重量部の割合で配合
するのが好ましく、3〜30重量部の割合で配合するの
がより好ましい。
【0050】また、本発明のポリマー用改質剤をアイオ
ノマー系樹脂に配合した場合には、アイオノマー系樹脂
の耐衝撃性、弾性、引張強度、引張伸び、反撥弾性など
を向上させることができる。その場合に、アイオノマー
系樹脂の種類は特に制限されず、従来既知のアイオノマ
ー系樹脂のいずれに対しても有効に用いることができ、
例えば、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類やス
チレンなどのような非極性単量体とα,β−不飽和カル
ボン酸との共重合体を金属イオンで架橋してなる従来既
知のアイオノマー系樹脂の改質に有効に使用することが
できる。より具体的には、例えば、エチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレ
ン−イタコン酸共重合体、エチレン−アクリル酸−メタ
クリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−プロピレン−メタクリル酸共重合
体などのα−オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共
重合体をNa+,K+,Li+,Cs+,Ag+,Hg+,C
u+などの1価の金属イオン、Be2+,Mg2+,C
a2+,Sr2+,Ba2+,Cu2+,Cr2+,Hg2+,Sn
2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+などの2
価の金属イオン、Al3+,Fe3+,Se3+,Y3+などの
3価の金属イオンの1種または2種以上で架橋してなる
アイオノマー系樹脂の改質に有効に使用することができ
る。そして、アイオノマー系樹脂に本発明のポリマー用
改質剤を配合して改質されたアイオノマー系樹脂組成物
を調製するに当たっては、アイオノマー系樹脂100重
量部に対して、該ポリマー用改質剤を2〜50重量部の
割合で配合するのが好ましく、3〜30重量部の割合で
配合するのがより好ましい。
【0051】本発明のポリマー用改質剤の被改質ポリマ
ーへの配合方法は特に制限されず、被改質ポリマーの種
類や性質などに応じて適当な方法を採用して行えばよ
い。例えば、被改質ポリマーが熱可塑性重合体である場
合には、被改質ポリマーの1種または2種以上に本発明
のポリマー用改質剤を添加して、適当な溶融混練装置、
例えば単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー
ミキサーなどの混練機を使用して溶融混練することによ
って、本発明のポリマー用改質剤によって改質された被
改質ポリマー組成物を得ることができる。また、本発明
のポリマー用改質剤を含有する改質されたポリマー組成
物の成形方法なども何ら制限されず、各々のポリマー組
成物の物性などに応じて、例えば、射出成形、押出成
形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成
形などの任意の成形法によって成形することができる。
さらに、改質されたポリマー組成物の用途は成形品の製
造に限られず、それぞれの被改質ポリマーの物性や用途
などに応じて、成形品以外にも、例えば、塗料、接着
剤、シーラント、繊維、その他の用途に用いることがで
きる。
【0052】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれにより限定されない。ポリアミド
系樹脂(I)としては、ナイロン6(宇部興産株式会社
製「UBENylon 1013B」、剪断速度100
sec-1における溶融粘度:2000poise)を使
用した。
【0053】また、付加重合体(II)としては、以下に
示すものを使用した。 ○SEEPS−CO2H:片末端にカルボキシル基を有
する、ポリスチレンブロック(数平均分子量6000)
/1,3−ブタジエンとイソプレンの水添共重合体ブロ
ック(数平均分子量28000)/ポリスチレンブロッ
ク(数平均分子量6000)からなるトリブロック共重
合体(トリブロック共重合体におけるカルボキシル基含
有量=0.8個/分子;水素添加前のブロック共重合体
におけるスチレン含量=30重量%;水素添加前の1,
3−ブタジエン/イソプレンのモル比=1/1;水素添
加前の1,3−ブタジエンとイソプレンとの共重合体ブ
ロックにおける1,3−ブタジエン単位での1,4−結
合量=95%、1,2−結合量=5%;イソプレン単位
での1,4−結合量=95%、3,4−結合量=5%;
水素添加された1,3−ブタジエンとイソプレン共重合
体ブロック基準の不飽和度=5モル%;トリブロック共
重合体全体の数平均分子量=40000;剪断速度10
0sec―1における溶融粘度:900poise)
【0054】○SEPS−NH2 片末端にアミノ基を有する、ポリスチレンブロック(数
平均分子量6000)/ポリイソプレンブロック(数平
均分子量28000)/ポリスチレンブロック(数平均
分子量6000)からなるトリブロック共重合体(トリ
ブロック共重合体におけるアミノ基含有量=0.7個/
分子;水素添加前のブロック共重合体におけるスチレン
含量=30重量%;水素添加前のポリイソプレンブロッ
クにおけるイソプレン単位での1,4−結合量=95
%、3,4−結合量=5%;水素添加されたポリイソプ
レンブロック基準の不飽和度=5モル%;トリブロック
共重合体全体の数平均分子量=40000;剪断速度1
00sec―1における溶融粘度:900poise)
【0055】<実施例1>予め乾燥しておいたナイロン
6 70重量部および上記のSEEPS−CO2H 3
0重量部を予備混合し、二軸押出機(株式会社日本製鋼
所製「TEX44C」)を用いて250℃で溶融混練し
てペレットを製造した。このペレットを、ガス導入口、
排気口、真空連結器等を有する固相重合装置に移した
後、固相重合装置内の圧力を0.2mmHgに減圧し、
100℃で約10時間、乾燥および結晶化の予備処理を
行った。その後、固相重合装置内の温度を200℃まで
昇温することにより固相重合を開始させた。約30時間
後に固相重合装置の内圧を窒素ガスを導入して常圧に戻
して、熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0056】<実施例2>予め乾燥しておいたナイロン
6 60重量部および上記のSEEPS−CO2H 4
0重量部を予備混合し、二軸押出機(株式会社日本製鋼
所製「TEX44C」)を用いて250℃で溶融混練し
てペレットを製造した。このペレットを、ガス導入口、
排気口、真空連結器等を有する固相重合装置に移した
後、固相重合装置内の圧力を0.2mmHgに減圧し、
100℃で約10時間、乾燥および結晶化の予備処理を
行った。その後、固相重合装置内の温度を200℃まで
昇温することにより固相重合を開始させた。約30時間
後に固相重合装置の内圧を窒素ガスを導入して常圧に戻
して、熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0057】<実施例3>SEEPS−CO2Hの代わ
りに、SEPS−NH2を用いた以外は実施例1と同様
に溶融混練および固相重合を行い、熱可塑性樹脂組成物
を得た。
【0058】<実施例4>SEEPS−CO2Hの代わ
りに、SEPS−NH2を用いた以外は実施例2と同様
に溶融混練および固相重合を行い、熱可塑性樹脂組成物
を得た。
【0059】実施例1〜4で得られた熱可塑性樹脂組成
物の分析結果を表1に示した。下記の表1において、熱
可塑性樹脂組成物の各成分並びにブロック共重合体(II
I)に含有されるポリアミドブロック(i)および重合
体ブロック(ii)の重量は次のようにして求めた。また
熱可塑性樹脂組成物を構成するマトリックス樹脂は、電
子顕微鏡観察により判別した。
【0060】熱可塑性組成物の各成分の重量の求め方:
実施例1〜4で得られた熱可塑性樹脂組成物を、ヘキサ
フルオロイソプロパノール/クロロホルム(1/1容)
の混合溶媒に溶解させ、その溶液をテトラヒドロフラン
中に注入して可溶部を濃縮乾固し、付加重合体(II)を
分離した。テトラヒドロフラン沈殿物をクロロホルム中
で加熱還流した後に濾別して、クロロホルム溶液を濃縮
乾固しブロック共重合体(III)とした。さらに不溶部
を乾燥してポリアミド系樹脂(I’)とし、各成分を秤
量した。
【0061】ブロック共重合体(III)に含有されるポ
リアミドブロック(i)および重合体ブロック(ii)の
重量の求め方:上記で単離したブロック共重合体(II
I)のNMRスペクトルを測定し、アミドプロトンとフ
ェニルプロトンのシグナル強度比から計算した。
【0062】
【表1】
【0063】以下に、本発明の熱可塑性樹脂組成物をポ
リマー用改質剤として使用した例を示す。下記の試験例
および比較試験例において、試験片の作製、衝撃強度、
曲げ弾性率、引張降伏強度、引張破断伸び、およびメル
トインデックス(以下これを「MI」ということがあ
る)の測定は次のようにして行った。
【0064】試験片の作製:試験例または比較試験例で
得られた重合体組成物のペレット、ポリプロピレンのペ
レットまたはナイロン6のペレットを成形材料として用
いて、日精樹脂工業株式会社製の80トン射出成形機を
使用して、シリンダー温度275℃および金型温度40
℃の条件下で、衝撃強度測定用の試験片(寸法:長さ×
厚さ×幅=64mm×12.7mm×3.2mm)、曲
げ弾性率測定用の試験片(寸法:長さ×厚さ×幅=12
8mm×12.7mm×6.4mm)、並びに引張降伏
強度および引張破断伸びの測定用のダンベル形試験片を
それぞれ作製した。
【0065】衝撃強度の測定:上記で作製した試験片を
用いて、JIS K7110に準じて、アイゾット衝撃
試験器(株式会社東洋精機製作所製)を使用して、23
℃でノッチ付アイゾット衝撃値を測定した。
【0066】曲げ弾性率の測定:上記で作製した試験片
を用いて、JIS K7203に準じて、オートグラフ
(株式会社島津製作所製)を使用して、曲げ弾性率を測
定した。
【0067】引張降伏強度および引張破断伸びの測定:
上記で作製した試験片を用いて、JIS K7113に
準じて、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を使用
して、引張降伏強度および引張破断伸びを測定した。
【0068】メルトインデックス(MI)の測定:試験
例または比較試験例で得られた重合体組成物のペレッ
ト、或いはポリプロピレンまたはナイロン6のペレット
を用いて、JIS K7210に準じて、メルトインデ
ックス測定装置(株式会社東洋精機製作所製)を使用し
て、230℃または270℃で、2.16kg荷重の条
件下でメルトインデックスを測定した。
【0069】<試験例1〜4> (1) ポリプロピレン(宇部興産株式会社製「J11
5G」)に対して、上記の実施例1〜4で得られた本発
明の熱可塑性樹脂組成物を下記の表2に示す割合で予備
混合した後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製「TE
X44C」)に供給してシリンダー温度270℃の条件
下に溶融混練して押出し、冷却、切断して、本発明の熱
可塑性樹脂組成物を含有するポリプロピレン組成物のペ
レットをそれぞれ製造した。 (2) 上記(1)で得られたペレットを用いて上記し
た方法で試験片を作製し、その室温(23℃)における
耐衝撃性、曲げ弾性率、引張降伏強度、引張破断伸びお
よびMI(230℃)を上記した方法で測定したとこ
ろ、下記の表2に示すとおりであった。
【0070】<比較試験例1>ポリプロピレン(宇部興
産株式会社製「J115G」)のペレットを用いて、上
記した方法で試験片を作製し、その室温(23℃)にお
ける耐衝撃性、曲げ弾性率、引張降伏強度、引張破断伸
びおよびMI(230℃)を上記した方法で測定したと
ころ、下記の表2に示すとおりであった。
【0071】<比較試験例2> (1) ポリプロピレン(宇部興産株式会社製「J11
5G」)に対して、無水マレイン酸を付加したポリスチ
レンブロック/水添ポリブタジエンブロック/ポリスチ
レンブロックからなるトリブロック共重合体(旭化成工
業株式会社製「タフテックM1913」)(以下これを
「MAh−SEBS」ということがある)を、下記の表
2に示す割合で予備混合した後、二軸押出機(株式会社
日本製鋼所製「TEX44C」)に供給してシリンダー
温度270℃の条件下に溶融混練して押出し、冷却、切
断して、MAh−SEBSを含有するポリプロピレン組
成物のペレットを製造した。 (2) 上記(1)で得られたペレットを用いて上記し
た方法で試験片を作製し、その室温(23℃)における
衝撃強度、曲げ弾性率、引張降伏強度、引張破断伸びお
よびMI(230℃)を上記した方法で測定したとこ
ろ、下記の表2に示すとおりであった。
【0072】
【表2】
【0073】上記の表2における試験例1〜4と比較試
験例1の結果の対比から、本発明の熱可塑性樹脂組成物
(ポリマー用改質剤)を配合した試験例1〜4のポリプ
ロピレン組成物は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を配合
していない比較試験例1のポリプロピレンに比べて、室
温における耐衝撃性、曲げ弾性率、引張降伏強度および
引張破断伸びが大幅に改善されていることがわかる。ま
た、上記の表2における試験例1〜4と比較試験例2の
結果の対比から、本発明の熱可塑性樹脂組成物を配合し
た試験例1〜4のポリプロピレン組成物は、MAh−S
EBSを配合した比較試験例2のポリプロピレン組成物
に比べて、曲げ弾性率、引張降伏強度および引張破断伸
びが大幅に改良されており、しかも衝撃強度も向上して
おり、且つMIも高く、成形性に優れており、したがっ
て本発明の熱可塑性樹脂組成物はポリマー用改質剤とし
てより有効であることがわかる。
【0074】<試験例5〜8> (1) ナイロン6(宇部興産株式会社製「1013
B」)に対して、上記の実施例1〜4で得られた本発明
の熱可塑性樹脂組成物を下記の表3に示す割合で予備混
合した後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製「TEX
44C」)に供給してシリンダー温度270℃の条件下
に溶融混練して押出し、冷却、切断して、ブロック共重
合体を含有するナイロン6組成物のペレットをそれぞれ
製造した。 (2) 上記(1)で得られたペレットを用いて上記し
た方法で試験片を作製し、絶乾状態、室温(23℃)に
おける衝撃強度、曲げ弾性率、引張降伏強度、引張破断
伸びおよびMI(270℃)を上記した方法で測定した
ところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0075】<比較試験例3>ナイロン6(宇部興産株
式会社製「1013B」)のペレットを用いて、上記し
た方法で試験片を作製し、絶乾状態で、室温(23℃)
における衝撃強度、曲げ弾性率、引張降伏強度、引張破
断伸びおよびMIを上記した方法で測定したところ、下
記の表3に示すとおりであった。
【0076】<比較試験例4> (1) ナイロン6(宇部興産株式会社製「1013
B」)に対して、グリシジルメタクリレート/エチレン
共重合体(住友化学株式会社製「ボンドファーストEグ
レード」)(以下これを「GMA−E」ということがあ
る)を、下記の表3に示す割合で予備混合した後、二軸
押出機(株式会社日本製鋼所製「TEX44C」)に供
給してシリンダー温度270℃の条件下に溶融混練して
押出し、冷却、切断して、GMA−Eを含有するナイロ
ン6組成物のペレットを製造した。 (2) 上記(1)で得られたペレットを用いて上記し
た方法で試験片を作製し、絶乾状態で、室温(23℃)
における衝撃強度、曲げ弾性率、引張降伏強度、引張破
断伸びおよびMI(270℃)を上記した方法で測定し
たところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0077】
【表3】
【0078】上記の表3における試験例5〜8と比較試
験例3の結果の対比から、本発明の熱可塑性樹脂組成物
(ポリマー用改質剤)を配合した試験例5〜8のナイロ
ン6組成物は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を配合して
いない比較試験例3のナイロン6に比べて、室温におけ
る耐衝撃性および引張破断伸びが大幅に改善されている
ことがわかる。また、上記の表3における試験例5〜8
と比較試験例4の結果の対比から、本発明の熱可塑性樹
脂組成物を配合した試験例5〜8のナイロン6組成物
は、GMA−Eを配合した比較試験例4のナイロン6組
成物に比べて、引張破断伸びが大幅に改良されており、
しかも曲げ弾性率および引張降伏強度も大きく改良され
ており、さらにMIも大幅に高く成形性に優れており、
したがって本発明の熱可塑性樹脂組成物はポリマー用改
質剤としてより有効であることがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、種々の
ポリマーに対して共通して用い得る汎用性のあるポリマ
ー用改質剤として極めて有効であり、ポリマー用改質剤
として各種ポリマーに配合することによって、それらの
ポリマーの耐衝撃性、引張強度、引張伸び、耐熱性、塗
装性、耐候性、弾性、反撥弾性、流動性、寸法安定性、
耐薬品性などを向上させることができる。そして、本発
明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性であって分子中に
架橋し得る官能基を有していないので、取り扱い性に優
れており、しかも被改質ポリマー中に配合した場合にポ
リマー組成物の流動性の低下、ゲルの発生などの問題が
生じず、品質の改良された被改質ポリマー組成物を得る
ことができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、オレフ
ィン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重
合体、ABS系樹脂、ポリカーボネート系重合体、ポリ
フェニレンエーテル系重合体および/またはアイオノマ
ー系樹脂用の改質剤として特に有効に用いることができ
る。
【0080】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
優れた力学的特性、物理的特性および化学的特性を有し
ていて、機械的強度、耐衝撃性、耐熱性、耐候性、耐薬
品性などに優れ、しかも成形加工性にも優れているの
で、ポリマー用改質剤としてだけではなく、それ自体で
各種の成形品やその他の製品の製造に有効に使用するこ
とができる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポ
リマーに無機充填剤などの添加剤を添加する際の分散向
上剤などとしても有効に使用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系樹脂(I)、並びにカルボ
    キシル基および/またはアミノ基を一方の末端に0.5
    〜1個有する付加重合体(II)を、前者対後者の重量比
    が97/3〜20/80の割合で溶融条件下に混合した
    後、固相重合することを特徴とする; (1)ポリアミド系樹脂(I)から誘導された高分子量
    化ポリアミド系樹脂(I’)、(2)芳香族ビニル化合
    物単位から主としてなる重合体ブロック(a−1)およ
    び水素添加された1,2−結合量が30%未満のポリブ
    タジエンブロック(a−2)のうちの少なくとも1種か
    らなる重合体ブロック(A)と、水素添加されたポリイ
    ソプレンブロック(b−1)、水素添加された1,2−
    結合量が30〜80%のポリブタジエンブロック(b−
    2)および水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重
    合体ブロック(b−3)からなる群から選ばれる少なく
    とも1種からなる重合体ブロック(B)とからなり、カ
    ルボキシル基および/またはアミノ基を一方の末端に
    0.5〜1個有する付加重合体(II)、並びに(3)ポ
    リアミド系樹脂(I)から誘導されるポリアミドブロッ
    ク(i)と付加重合体(II)から誘導される重合体ブロ
    ック(ii)とからなるブロック共重合体(III)からな
    り;{ポリアミド系樹脂(I’)の重量およびブロック
    共重合体(III)に含有されるポリアミドブロック(i)
    の重量の合計}と{付加重合体(II)の重量およびブロ
    ック共重合体(III)に含有される重合体ブロック(i
    i)の重量の合計}との比が97/3〜20/80であ
    る;熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 付加重合体(II)が、芳香族ビニル化合
    物単位から主としてなる重合体ブロック(a−1)を重
    合体ブロック(A)とし、水素添加されたポリイソプレ
    ンブロック(b−1)、水素添加された1,2−結合量
    が30〜80%のポリブタジエンブロック(b−2)お
    よび水素添加されたイソプレン/ブタジエン共重合体ブ
    ロック(b−3)からなる群から選ばれる少なくとも1
    種を重合体ブロック(B)とし、かつカルボキシル基お
    よび/またはアミノ基を一方の末端に0.5〜1個有す
    る付加重合系ブロック共重合体である、請求項1に記載
    の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融条件下における混合中に、ポリアミ
    ド系樹脂(I)を付加重合体(II)のマトリックス中に
    分散させることを特徴とする、請求項1または2に記載
    の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の製造方法により得
    られる熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (1)ポリアミド系樹脂(I’)、
    (2)芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体
    ブロック(a−1)および水素添加された1,2−結合
    量が30%未満のポリブタジエンブロック(a−2)の
    うちの少なくとも1種からなる重合体ブロック(A)
    と、水素添加されたポリイソプレンブロック(b−
    1)、水素添加された1,2−結合量が30〜80%の
    ポリブタジエンブロック(b−2)および水素添加され
    たイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(b−3)
    からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる重合体
    ブロック(B)とからなり、カルボキシル基および/ま
    たはアミノ基を一方の末端に0.5〜1個有する付加重
    合体(II)、並びに(3)ポリアミドブロック(i)
    と、付加重合体(II)から誘導される重合体ブロック
    (ii)とからなるブロック共重合体(III)からなり;
    {ポリアミド系樹脂(I’)の重量およびブロック共重
    合体(III)に含有されるポリアミドブロック(i)の重
    量の合計}と{付加重合体(II)の重量およびブロック
    共重合体(III)に含有される重合体ブロック(ii)の
    重量の合計}との比が97/3〜20/80である;熱
    可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の熱可塑性樹脂
    組成物からなるポリマー用改質剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010001438A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物

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