JPH1136058A - プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板Info
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Abstract
リングとフレーキングが発生しにくいプレス成形性に優
れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。 【解決手段】表層部の平均結晶粒径が15μm以下、下
記式および式で表される表層部の結晶の(222)
面配向性指数が13以下である母材の少なくとも片面
に、Fe:8〜15重量%、Al:0.12〜0.5重
量%を含有する亜鉛めっき皮膜を備える合金化溶融亜鉛
めっき鋼板であって、その亜鉛めっき皮膜には、底部の
めっき厚さが平均のめっき厚さの50%に満たない凹部
を、断面長さ率で1〜10%有していることを特徴とす
る。
Description
品、建築材料等に使用される、表面の摺動性と耐パウダ
リング性が良好でプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛
めっき鋼板に関する。
品、建築材料等に使用する場合、亜鉛めっき皮膜をFe
−Zn合金として、めっき皮膜と塗膜との密着性を改善
した合金化溶融めっき鋼板が広く用いられている。
となる鋼板を連続炉において予熱し、水素、窒素混合ガ
スで構成される還元雰囲気中で加熱、焼鈍し、めっき浴
温度前後にまで冷却し、溶融亜鉛めっき浴に浸漬してめ
っきし、熱処理炉で480〜550℃に3〜30秒保持
してZnめっき皮膜をFe−Zn合金めっき皮膜にして
製造される。連続炉での還元雰囲気の露点が高くなると
不めっきが生じる場合があるので、露点は、通常、−2
0℃以下に調整される。
素Alキルド鋼が多用されてきた。しかし、近年その用
途の拡大に伴って深絞り性が要求されることが多くな
り、母材にTiやNbを添加した極低炭素鋼を用い、プ
レス成形性を大幅に改善した合金化溶融亜鉛めっき鋼板
が提案されている。この母材としては、重量%で、C:
≦0.003%、Si:≦0.04%、Mn:0.12
〜0.40%、P:0.01〜0.05%、S:0.0
08〜0.02%、N:≦0.01%、Al:0.01
5〜0.05%、Ti:0.02〜0.06%、Nb:
≦0.015%を含有する鋼が広く用いられている。た
だし、Nbは添加されない場合があり、また、フェライ
ト粒界の脆化防止のために20ppm以下のBが添加さ
れる場合もある。
をよくするには、めっき皮膜自体の加工性がよいことが
必要である。合金化処理しためっき皮膜の加工性で特に
問題になるのはパウダリングとフレーキングである。
受けた場合に、めっき皮膜内部で合金層が粉状に砕かれ
て剥離する現象であり、Fe−Zn合金相が硬質で脆い
ために生じる。パウダリングが生じると、剥離しためっ
き皮膜片が金型内部に堆積し、金型に対するめっき鋼板
の摺動性を阻害し、割れ不良が生じる原因になる。ま
た、剥離片が堆積して押し込み疵の原因にもなる。一般
に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、めっき皮膜中のF
e含有量を低めに管理することによりパウダリングの発
生を抑制できることが知られている。
が悪く、金型との摩擦係数が大きくなったときに、めっ
き皮膜に作用する剪断力によりめっき皮膜が剥離する現
象である。低炭素Alキルド鋼を母材とする合金化溶融
亜鉛めっき鋼板では、めっき皮膜中のFe含有量を高め
てめっき皮膜を硬質にすることで摺動性を改善し、フレ
ーキングを減少させることができる。亜鉛めっき浴中の
Al含有量を高くすれば、合金化処理が高温でおこなえ
るようになるので、めっき皮膜の合金組成を、より硬質
なδ1 相にしやすくなる。
l含有量が高い亜鉛めっき浴で亜鉛めっきして合金化処
理を施すとめっき皮膜に深い凹部が発生する。この凹部
の発生頻度が増すと、プレス加工時の金型に対するめっ
き鋼板の摺動性が低下し、母材のr値や延性が良好であ
っても、プレス加工時に型カジリ不良や割れ不良を生じ
る原因になる。この凹部は、母材として通常の低炭素A
lキルド鋼を用いた場合にはあまり発生しないが、Ti
やNbを添加した極低炭素鋼を母材とし、めっき浴中の
有効Al含有量が0.13重量%を超える高Al浴でめ
っきする場合に発生しやすい。このため、自動車用とし
て好適な母材であるTiやNbを添加した極低炭素鋼を
母材にした、めっき浴中のAl含有量を高め、密着性の
改善とともに表面の凹部の発生を抑制して摺動性を改善
した鋼板は得られていない。
表面状態を改善してプレス成形性を向上させる方法が提
案されている。
皮膜の最表層部に形成される凹凸の凹部の深さを3〜1
0μm、凸部の高さを3μm以下に限定したプレス成形
性と塗装後鮮映性のよい合金化溶融亜鉛めっき鋼板が開
示されている。この鋼板は、めっき前原板の表面粗度と
調質圧延ロールの表面粗度を限定し、幅1m当たり30
0〜350トンの高い圧延荷重のもとで調質圧延して製
造される。しかし、めっき皮膜表面に形成される凹凸形
状は母材の結晶粒径やめっき浴中のAl含有量により大
きく変動する。このため、この方法ではめっき皮膜表面
の凹部の深さは限定できるとしても凹凸の発生頻度が制
御できず、安定した表面形状が得られない。
溶融亜鉛めっき鋼板のめっき表層部に、深さ2μm以上
の凹部の個数が200〜8200/mm2 、その深さが
2μm以上である凹部の長さ比率が30%〜90%であ
るめっき皮膜を備えた、プレス成形性と塗装後鮮映性の
よい合金化溶融亜鉛めっき鋼板が開示されている。この
鋼板のめっき皮膜の凹部の発生頻度は、母材表層部の結
晶粒径を母材の化学組成、焼鈍条件または再結晶焼鈍前
の鋼板表面への歪付与等の方法で変更ですることで調整
できるとしている。しかし、めっき皮膜の合金層の成長
速度は母材表面の結晶の面方位によって異なるため、上
述の方法では深さ2μm以上の凹部を安定して得ること
はできない。
が0.8μm以下の表面粗さのロールを用いて冷延した
母材に、Alを0.10〜0.25重量%含有するめっ
き浴を用いてめっきして合金化処理し、Raが0.5μ
以下の表面粗さのロールを用いて調質圧延する、塗装後
鮮映性を有しプレス性および耐パウダリング性に優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が開示されてい
る。しかし、めっき皮膜の合金層の成長速度は母材表面
の結晶の面方位によって異なるため、上述の方法では表
面形状の制御性は十分ではないうえ、ロールの摩耗によ
る交換頻度が増加し生産性が好ましくない。
な極低炭素鋼を母材とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板に
おいて、母材の成形性と共にめっき皮膜の摺動性を改善
し、総合的に優れたプレス成形性が発揮できる合金化溶
融亜鉛めっき鋼板は未だ知られていない。
する課題は、プレス加工時に良好な摺動性を維持し、パ
ウダリングおよびフレーキングが発生しにくいプレス成
形性に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供すること
にある。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板にある。
記式および式で表される表層部の結晶の(222)
面配向性指数が13以下である母材の少なくとも片面
に、Fe:8〜15重量%、Al:0.12〜0.5重
量%を含有する亜鉛めっき皮膜を備える合金化溶融亜鉛
めっき鋼板であって、その亜鉛めっき皮膜は、底部のめ
っき厚さが平均のめっき厚さの50%に満たない凹部
を、断面長さ率で1〜10%有していることを特徴とす
るプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
面の積分強度 IF(XXX) :X線回折における(XXX) 面の積分強度比率 IFR(XXX) :X線回折におけるASTMカード記載の
(XXX) 面強度比率 通常プレス加工時には鋼板は金型に強い圧力で押しつけ
られる。鋼板と金型との間の摺動抵抗を低減するため
に、両者の接触界面に潤滑作用を持つ油膜などを介在さ
せて界面での摩擦力を低減させる。摺動性を改善するに
は、鋼板表面での油膜の保持能力を維持することが重要
である。鋼板表面に適度の広がりと深さを持つ凹部が適
度の密度で分布していれば、優れた油膜保持性が発揮さ
れる。鋼板表面の箇々の凹部が広すぎると、凹部の中で
油膜切れが生じ摺動性が損なわれる。凹部の数が少なす
ぎても、めっき皮膜表面で保持できる潤滑油量が不足す
るので、同様に油膜が破壊されて摺動性が損なわれる。
亜鉛めっき皮膜は金型に比較してはるかに軟質であるの
で、亜鉛めっき鋼板が金型に強圧されるとめっき皮膜が
塑性流動し、表面の凹凸がつぶされて平滑になりやす
い。したがって、亜鉛めっき鋼板の摺動性を維持するに
は、そのめっき皮膜表面に、金型に強圧されても残存で
きるだけの深さがある凹部が、適度の密度で分布してい
るものが望ましい。
を母材とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板の、めっき皮膜
表面の凹凸状況の概念を示す断面図である。めっき皮膜
表面には、多数の微小な凹凸に混じって、めっき皮膜表
面が深く陥没した凹部が発生している。この凹部の平面
的な大きさは平均直径で3〜20μmであり、母材の鋼
の特定の結晶方位の結晶粒に対応して発生している場合
が多い。本発明者らは、極低炭素Ti添加鋼をめっき母
材としたときのめっき皮膜の平滑性について検討した結
果、めっき皮膜の平均厚さH1 の50%以上の深さを持
つ凹部10(以後、単に「50%凹部」と記す)が、め
っき皮膜表面に適度の頻度で存在すれば、プレス加工な
どに際して鋼板が金型に強圧されても潤滑油が保持され
ることを知見した。
て、通常、母材の結晶粒界では、Fe−Zn合金化反応
が急激に進展するバースト反応が生じる。Fe−Zn合
金化反応は体積の膨張を伴う。このため、バースト反応
が進展すると、結晶粒界に添って結晶内部よりも盛り上
がった凸部が形成される。また、合金化処理時の母材表
層部でのFe−Zn拡散反応速度は結晶方位によって異
なり、特にα鉄結晶の(111)面では他の結晶面に較
べて合金化反応が遅いことが知られている(例えば、鉄
と鋼、Vol.80(1994)、No8、p70)。
このため、めっき皮膜表面には、母材の表層部の結晶方
位に応じて凹凸が形成される。上述の50%凹部は、結
晶粒界を起点として発生するバースト反応部に、合金化
反応速度が遅い結晶方位の結晶表面近傍のZnが吸収さ
れるために発生するものと考えられる。したがって、め
っきされる直前のめっき母材表層部の結晶粒径と結晶方
位を調整することで、50%凹部の形成を最適化でき
る。
は、めっき浴中のAl含有量を高めれば、低炭素Alキ
ルド鋼の場合に較べて、合金化温度が高くできるので、
ζ相(FeZn13)からなる粗大な柱状晶の形成が防止
でき、表面粗さが過度に粗くなるのを防ぐことができ
る。また、ζ相よりも硬質なδ1 相(FeZn7 )が形
成されるので、耐フレーキング性も向上する。
たものである。
いて詳細に説明する。なお、以下に記す合金元素の含有
量は重量%で表示する。
径は15μm以下とする。母材の表層部の平均結晶粒径
が15μmを超えると、結晶粒界を起点として発生する
バースト部分の間隔が長くなり、凹部の大きさが大きく
なりすぎてめっき皮膜の摺動性が損なわれる。好ましく
は、母材表層部の平均結晶粒径は12μm以下である。
表層の結晶粒径の下限は、特に規定するものではない
が、過度に小さくするのは技術的に困難であるうえ摺動
性に及ぼす影響も飽和するので、5μm以上とするのが
よい。
は、母材の表面から観察して認められる結晶粒径を意味
する。めっき鋼板の母材の界面は、例えばインヒビター
を添加した塩酸水溶液などでめっき皮膜を溶解除去する
などの方法で現出させることができる。
結晶粒1個分の直径に相当する15μmあれば、その効
果が十分に発揮することができる。これは、合金化処理
時のFe−Zn合金層の形成に影響する母材の範囲が、
合金化処理時に消費されるFe量から、厚くとも母材界
面から5μm以内の深さであると推測されるからであ
る。それよりも内部の母材の結晶組織は、母材の成形性
などから必要とされる組織(平均結晶粒径が15μを超
えるもの)にするのが望ましい。
鉛めっき浴に浸漬される迄の製造工程で決定される。母
材表層部の結晶粒径は冷間圧延時の圧下率の調整、めっ
き前に施される加熱の前に母材表層部に研削等により残
留応力を付与する、および/または還元焼鈍時の焼鈍温
度の変更などの方法で調整すればよい。
合金化反応速度は、Znが接している母材表面の結晶方
位によって異なる。この結晶方位が(222)またはこ
れに近い方位の結晶面では、Fe原子の溶出速度が遅い
ため、結晶粒界や他の方位の結晶面よりも合金化が遅れ
る。このため、(222)面またはこれに近い方位の結
晶面近傍では50%凹部が形成されやすい。50%凹部
の断面長さ率を10%以下にするために、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板のめっきされた母材の表層部の結晶組織の
(222)面配向性指数を13以下、より好ましくは1
0以下とする。ここで(222)面配向性指数はランダ
ム方位の鋼板の(222)面の解析強度に対する母材表
面の(222)面の解析強度の比率であり、下記の式
、から求められる。本発明では、ランダム方位の鋼
板として、ASTMカードに記載されている面強度比を
用いる。
面の積分強度 IF(XXX) :X線回折における(XXX) 面の積分強度比率 IFR(XXX) :X線回折におけるASTMカード記載の
(XXX) 面強度比率 但し、鋼板の深絞り性は(222)面配向性指数が高い
ほど優れるので、上記の結晶方位の規定は、結晶粒径と
同様の理由により、母材表層から5μmの深さまで抑制
されていれば、十分効果を発揮する。それよりも内部に
関しては成形性を向上させるために(222)面配向性
指数が高いほどよい。
線回折において加速電圧30kv、電流100mAの条
件で測定するのが適当である。めっき鋼板から測定対象
の母材の表面を露出させるには、インヒビターを含有す
る酸液でめっき皮膜を除去する方法が適当である。
配向性は、結晶粒径と同様、冷延時の圧下率と冷延鋼板
表層部に研削等により所定の残留応力を付与することに
より調整できる。
〜15%含有させる。Fe含有量が8%に満たない場合
には、めっき皮膜の表層部にζ相(FeZn13)が残存
する可能性が高い。めっき皮膜の表層にζ相が残存する
と、ζ相自体が他の合金相に較べて軟質であることと、
表面粗度が大きくなることから、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の摺動性が低下する。また、めっき皮膜中のFe含
有量が15%を超えるとパウダリング性が大幅に低下す
る。めっき皮膜中のFe含有量は、耐パウダリング性と
耐フレーキング性の両立を図るには、より好ましくは9
〜12%である。
膜、特に鋼板/めっき皮膜の界面に濃化しFe−Zn合
金化反応を抑制する作用を有する。皮膜中のAl含有量
が0.12%未満の場合には、50%凹部の断面長さ率
は容易に10%以下に低減できるが、めっき浴中のAl
含有量が低いと、合金化時の合金化速度が速くなり過合
金になるおそれが増すので合金化温度は低めに設定され
る。合金化温度を低くするとζ相からなる粗大柱状晶が
めっき表面に形成される。このため表面粗度が大きくな
り摩擦係数が増すのでAl含有量は0.12%以上とす
る。Al含有量が0.5%を超えると合金化速度が遅く
なりすぎて、めっき作業の操業性が大幅に低下する。こ
のため、Al含有量は0.12〜0.5%の範囲とす
る。より好ましくは0.2〜0.4%である。
はZnおよび不可避的不純物である。溶融亜鉛めっきと
共用の亜鉛浴ポットを用いる場合には、溶融亜鉛めっき
鋼板のスパングルを形成する元素であるPb、Sbなど
が亜鉛浴に混入する場合があるが、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の耐パウダリング性を損なわないためには、不可
避的不純物としてのこれらの元素の亜鉛ポットへの混入
量はいずれも0.05%以下にするのが望ましい。
H1 の50%以上の深さを持つ凹部を、断面長さ率で1
〜10%有している。
に示すように、めっき皮膜の任意の垂直切断面上で、め
っき厚さの50%の位置でめっき面に平行に引いた長さ
Lの線分Hm と交わる凹部の長さDi を求め、線分Lに
対するDi の和の比率(ΣDi/L )を複数の垂直切断
面について求め、これらの算術平均値として算出され
る。
割合で存在すると、めっき皮膜の表面粗度が過度に大き
くなり、摺動性が低下する。他方、この断面長さ率が1
%に満たない場合には、成形時にプレス油が保持できな
くなり、潤滑が不足して型カジリやプレス割れが生じる
おそれが増す。このため50%凹部の断面長さ率は1〜
10%とする。好ましくは1〜5%とするのがよい。
状晶が表層に形成されると表面粗度が過度に大きくなり
摺動性には好ましくない。このため、めっき皮膜の表面
粗度は中心線平均粗さで1.2μm以下とするのが好ま
しい。
ではないが、付着量を過度に少なくするのは制御上の問
題が生じる。また、過度に厚くすると加工時にパウダリ
ングが生じるおそれが増す。このため、めっき付着量は
片面当たり30〜80g/m2 とするのが望ましい。
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造法の概要を説明する。
望ましいが、これに限定されることはなく、低炭素系の
冷間圧延鋼板や各種の高張力鋼板でも構わない。これら
の母材鋼板は、通常の方法により製鋼され、熱間圧延さ
れ、酸洗され、所定の冷間圧延圧下率で冷間圧延された
後溶融亜鉛めっきされる。溶融亜鉛めっき前に、連続焼
鈍などの方法で必要な再結晶焼鈍を施しても構わない。
溶融亜鉛めっきは、必要に応じて洗浄や表面研削などが
施された後、通常おこなわれている方法で加熱、還元さ
れ、母材が未焼鈍材の場合には焼鈍され、めっき浴の温
度近傍まで冷却され、所定の化学組成のめっき浴に浸漬
されて亜鉛めっきされる。溶融亜鉛めっきされた後は通
常の方法に従って所定の合金化処理温度に加熱され、所
定の時間保持して合金化された後冷却される。合金化処
理時の加熱方法は、輻射加熱、通電加熱、高周波誘導加
熱などいずれの方法でも良い。
質圧延による材質の調整や、レベリング等による平坦形
状の調整、さらには必要に応じてクロメート処理その他
の通常おこなわれる後処理を施しても構わない。
mmの冷間圧延鋼板から得た幅100mm、長さ200
mmの母材切り板を用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
製造した。
置を用い、以下の条件でめっきを行った。母材切り板
を、濃度10重量%、温度75℃のNaOH水溶液を用
いて脱脂洗浄し、水素20体積%、残り窒素からなる露
点−40℃の雰囲気中で、760〜860℃に加熱し6
0秒間保持して焼鈍した。焼鈍後、460℃近傍まで冷
却し、Alを0.07〜0.3重量%含有し、残りZn
および不可避的不純物からなる、460℃に保たれた亜
鉛めっき浴に浸漬し、2秒間浸漬した後、高圧空気を吹
き付けてめっき付着量を片面当たり60g/m2 に調整
した。その後、常温まで冷却し、めっき鋼板を500℃
の塩浴に15〜30秒間浸漬して合金化処理を行った。
合金化後0.8%伸び率で調質圧延を施した。
下率、未焼鈍母材の表面をブラシ研削して残留応力を付
加する、または、焼鈍温度を変更する、等の方法により
(222)面配向性指数を変更した。また、めっき浴中
のAl含有量、めっき浴に浸漬される母材切り板の温度
などを変更してめっき皮膜の50%凹部の断面長さ率を
変更した。
と記す)から25mmφの試料片を採取し、インヒビタ
ーを0.5容積%含有した10%塩酸水溶液でめっき皮
膜を溶解し、この溶解液を誘導結合高周波プラズマ分光
分析法(ICP法)でめっき皮膜の化学組成を求めると
ともに、得られた母材の表層部の結晶方位をX線回折法
により求めた。
垂直切断面を研磨し、その研磨面を走査型電子顕微鏡に
よって倍率500倍で観察し、めっき皮膜の平均厚さの
50%の位置で、めっき皮膜表面に平行な長さ500μ
mの仮想した線分の間に観察される凹部の長さを測定
し、それらの和の500μmに対する比率として算出し
た。このような測定を任意の方向に切断した5個の切断
面について実施し、その平均値を求めた。
法で求めた。
抜き、動粘度10.5mm2 /sの防錆油(出光興産製
SKW92)を2g/m2 塗油し、ポンチ直径:30m
m、ダイス直径:35.4mm、ダイス型半径:3R、
しわ押さえ力:500kgfで円筒絞り試験を行った。
得られた成形品に付着している剥離しためっき皮膜片を
アセトンによる溶剤脱脂で除去した後、成形品の重量を
測定し、円筒絞り前の重量との差からめっき皮膜のパウ
ダリング量を測定した。パウダリング量は、1個当たり
25mg以下の場合を良好と判断した。
めに用いた高面圧U溝成形試験法の概念を示す図であ
る。ダイ4の間隔Hd は32mm、ダイの肩半径Rd は
5mmである。ポンチ2の幅Hp :30mm、長さ:6
0mm、ポンチの肩半径Rp は5mmである。ブランク
ホルダー3には、半径5mmの半円柱状のしわ押さえ5
が設けられている。ポンチ2とブランクホルダー3には
それぞれ独立に圧力が調節可能な加圧装置(図示せず)
が設けられている。これらの工具の表面は#600のエ
メリー紙を用いて、互いに直交する2方向に研磨されて
いる。
から採取した幅:30mm、長さ:270mmの試験片
に防錆油(出光興産製SKW92)を2g/m2 の割合
で塗布して、ダイ4とブランクホルダー3の間にこの試
験片をセットし、ブランクホルダー力Pを種々変更して
ポンチとダイによってU字形に成形した。ブランクホル
ダー力Pは750〜1500kgfの範囲で変更した。
ポンチの圧入速度は60mm/分とした。ポンチ圧入時
の最大荷重Fmax.を求め、摩擦係数μをμ=dFmax./
(2dP)により求めた。この評価方法では摩擦係数が
0.23以下であれば摺動性が良好と判断した。
する条件範囲を満たす試番1〜10はいずれも良好なパ
ウダリング性と摺動性を示している。これに対し、めっ
き皮膜中のFe含有量が高すぎた試番15はパウダリン
グが好ましくない。また、50%凹部の断面長さ率が高
すぎる試番11、12、13、17および低すぎる試番
16は摩擦係数が高く、摺動性が好ましくない。試番1
4では、めっき皮膜中のFe含有量が不足したために摺
動性が低下した。
平均のめっき皮膜厚さの50%以上の深さの凹部を適度
の比率で有するので、プレス成形時の潤滑油の保持性が
優れる。このため鋼板の摺動性に優れ、過酷な加工を受
けても割れや型カジリが発生しにくい。また、めっき皮
膜中のAl含有量を高めているので、プレス加工時にパ
ウダリングおよびフレーキングが発生しにくく、良好な
プレス成形性が発揮される。
高面圧U溝成形試験法の概念を示す図である。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜の凹凸状況の概
念を示す断面図である。
ダー、4・・・ダイ、5・・・押さえビード、10・・・
50%凹部、H1・・・平均めっき厚、Hm・・・平均め
っき厚の50%の位置。
Claims (1)
- 【請求項1】表層部の平均結晶粒径が15μm以下、下
記式および式で表される表層部の結晶の(222)
面配向性指数が13以下である母材の少なくとも片面
に、Fe:8〜15重量%、Al:0.12〜0.5重
量%を含有する亜鉛めっき皮膜を備える合金化溶融亜鉛
めっき鋼板であって、その亜鉛めっき皮膜は、めっき厚
さが平均のめっき厚さの50%に満たない凹部を、断面
長さ率で1〜10%有していることを特徴とするプレス
成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 【数1】 【数2】 但し、I(XXX) :X線回折における(XXX) 面の積分強度 IF(XXX) :X線回折における(XXX) 面の積分強度比率 IFR(XXX) :X線回折におけるASTMカード記載の
(XXX) 面強度比率
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19531097A JP3201312B2 (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19531097A JP3201312B2 (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JPH1136058A true JPH1136058A (ja) | 1999-02-09 |
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1997
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