JPH1137172A - 動力伝達構造 - Google Patents
動力伝達構造Info
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- JPH1137172A JPH1137172A JP19998797A JP19998797A JPH1137172A JP H1137172 A JPH1137172 A JP H1137172A JP 19998797 A JP19998797 A JP 19998797A JP 19998797 A JP19998797 A JP 19998797A JP H1137172 A JPH1137172 A JP H1137172A
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Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 低コストで製造できてなおかつリミット値を
精度良く設定でき、しかも、設定されたリミット値にず
れが生じ難いトルクリミッタを有した動力伝達構造を提
供すること。 【解決手段】 トルクリミッタ64は、金属材よりなる
円筒体64aにおいて、その周壁の円環状を離断するよ
うにしてスリット64bが形成されてなる。トルクリミ
ッタ64は、スリット64bを以ってプーリ19の係合
凸部62aに軸線L周りで係止されるとともに、内周面
64cを以って駆動軸16の外周面16aに対して所定
の圧力で摩擦接触されている。
精度良く設定でき、しかも、設定されたリミット値にず
れが生じ難いトルクリミッタを有した動力伝達構造を提
供すること。 【解決手段】 トルクリミッタ64は、金属材よりなる
円筒体64aにおいて、その周壁の円環状を離断するよ
うにしてスリット64bが形成されてなる。トルクリミ
ッタ64は、スリット64bを以ってプーリ19の係合
凸部62aに軸線L周りで係止されるとともに、内周面
64cを以って駆動軸16の外周面16aに対して所定
の圧力で摩擦接触されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両空調
システムにおいて、駆動源である車両エンジンの回転駆
動力を機器である圧縮機に伝達するための動力伝達構造
に関する。
システムにおいて、駆動源である車両エンジンの回転駆
動力を機器である圧縮機に伝達するための動力伝達構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両空調システムに適用される圧縮機と
して、車両エンジン等の外部駆動源との間に、高価でか
つ重量物である電磁クラッチ等のクラッチ機構を介在さ
せなくとも良い、所謂、クラッチレスタイプの圧縮機が
存在する。クラッチレスタイプの圧縮機は駆動軸にプー
リを連結し、プーリには車両エンジンからのベルトが巻
き掛けられている。従って、クラッチレスタイプの圧縮
機は、車両エンジンの動作時には常に駆動される。しか
し、その一方で、圧縮機の故障等により圧縮機側の負荷
トルクが過大となると、この過大な負荷トルクが車両エ
ンジン側に波及するため、例えば、車両エンジンがエン
ジンストールを起こす等の問題が予想されていた。
して、車両エンジン等の外部駆動源との間に、高価でか
つ重量物である電磁クラッチ等のクラッチ機構を介在さ
せなくとも良い、所謂、クラッチレスタイプの圧縮機が
存在する。クラッチレスタイプの圧縮機は駆動軸にプー
リを連結し、プーリには車両エンジンからのベルトが巻
き掛けられている。従って、クラッチレスタイプの圧縮
機は、車両エンジンの動作時には常に駆動される。しか
し、その一方で、圧縮機の故障等により圧縮機側の負荷
トルクが過大となると、この過大な負荷トルクが車両エ
ンジン側に波及するため、例えば、車両エンジンがエン
ジンストールを起こす等の問題が予想されていた。
【0003】そこで、本出願人は、例えば、特開平8−
121336号公報に示すような技術を提案している。
同公報の技術では、クローズタイプのクラッチスプリン
グよりなるトルクリミッタを、駆動軸とプーリとの間に
介在させている。従って、圧縮機側の負荷トルクがトル
クリミッタのリミット値以上に上昇されると、駆動軸を
所定の締め代で締め付けていたトルクリミッタが、拡径
することで駆動軸に対して滑る。従って、プーリが駆動
軸に対して相対回動され、圧縮機側の過大な負荷トルク
が車両エンジン側に波及することはない。
121336号公報に示すような技術を提案している。
同公報の技術では、クローズタイプのクラッチスプリン
グよりなるトルクリミッタを、駆動軸とプーリとの間に
介在させている。従って、圧縮機側の負荷トルクがトル
クリミッタのリミット値以上に上昇されると、駆動軸を
所定の締め代で締め付けていたトルクリミッタが、拡径
することで駆動軸に対して滑る。従って、プーリが駆動
軸に対して相対回動され、圧縮機側の過大な負荷トルク
が車両エンジン側に波及することはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記トルク
リミッタを構成するクラッチスプリングは、線材を螺旋
状に加工してなる巻きバネにより構成されている。従っ
て、次のような問題を生じていた。
リミッタを構成するクラッチスプリングは、線材を螺旋
状に加工してなる巻きバネにより構成されている。従っ
て、次のような問題を生じていた。
【0005】(1)現在の巻きバネの製造技術では、内
径等の各個所をμmオーダで加工することは、加工コス
トとの兼ね合いから困難である。従って、トルクリミッ
タの駆動軸に対する締め代に大きなばらつきが生じ、リ
ミット値を精度良く設定することができなかった。
径等の各個所をμmオーダで加工することは、加工コス
トとの兼ね合いから困難である。従って、トルクリミッ
タの駆動軸に対する締め代に大きなばらつきが生じ、リ
ミット値を精度良く設定することができなかった。
【0006】(2)クラッチスプリングは丸線が線材と
して使用されている。このため、トルクリミッタと円筒
面である駆動軸の外周面とは線接触となる。従って、例
えば、圧縮機の内部から漏れた潤滑油や、エンジンルー
ムに入り込んだ雨水等がトルクリミッタを濡らすと、こ
れら油分や水分が容易にトルクリミッタと駆動軸との接
触部分間に入り込んでしまう。その結果、トルクリミッ
タと駆動軸との間の摩擦係数が変化され、リミット値に
ずれが生じていた。
して使用されている。このため、トルクリミッタと円筒
面である駆動軸の外周面とは線接触となる。従って、例
えば、圧縮機の内部から漏れた潤滑油や、エンジンルー
ムに入り込んだ雨水等がトルクリミッタを濡らすと、こ
れら油分や水分が容易にトルクリミッタと駆動軸との接
触部分間に入り込んでしまう。その結果、トルクリミッ
タと駆動軸との間の摩擦係数が変化され、リミット値に
ずれが生じていた。
【0007】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、低コス
トで製造できてなおかつリミット値を精度良く設定で
き、しかも、設定されたリミット値にずれが生じ難いト
ルクリミッタを有した動力伝達構造を提供することにあ
る。
に着目してなされたものであって、その目的は、低コス
トで製造できてなおかつリミット値を精度良く設定で
き、しかも、設定されたリミット値にずれが生じ難いト
ルクリミッタを有した動力伝達構造を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、トルクリミッタは、弾性材より
なる円筒体においてその周壁の円環状を一部で離断する
ようにしてスリットが形成されてなり、トルクリミッタ
は駆動側回転体或いは従動側回転体の一方に対して相対
回転不能に係止されるとともに、円筒面を以って他方の
回転体の軸線周りに形成された円筒面に摩擦接触されて
おり、機器側に生じた過大な負荷トルクによってトルク
リミッタが拡径或いは縮径することで、トルクリミッタ
の円筒面と他方の回転体の円筒面との間に滑りが生じる
ように構成された動力伝達構造である。
に請求項1の発明では、トルクリミッタは、弾性材より
なる円筒体においてその周壁の円環状を一部で離断する
ようにしてスリットが形成されてなり、トルクリミッタ
は駆動側回転体或いは従動側回転体の一方に対して相対
回転不能に係止されるとともに、円筒面を以って他方の
回転体の軸線周りに形成された円筒面に摩擦接触されて
おり、機器側に生じた過大な負荷トルクによってトルク
リミッタが拡径或いは縮径することで、トルクリミッタ
の円筒面と他方の回転体の円筒面との間に滑りが生じる
ように構成された動力伝達構造である。
【0009】この構成によれば、機器の正常運転時に
は、機器の負荷トルクが被動側回転体からトルクリミッ
タを介して駆動側回転体に伝わっている。従って、スリ
ットを拡大或いは縮小する方向の荷重がトルクリミッタ
に作用されている。しかし、機器の正常運転時の負荷ト
ルクはトルクリミッタのリミット値より低いため、トル
クリミッタは拡径或いは縮径傾向を示すが、それは微少
である。その結果、トルクリミッタの円筒面と他方の回
転体の円筒面との間での必要な摩擦接触状態が維持さ
れ、トルクリミッタと他方の回転体との間での回転駆動
力の伝達が遮断されることはない。
は、機器の負荷トルクが被動側回転体からトルクリミッ
タを介して駆動側回転体に伝わっている。従って、スリ
ットを拡大或いは縮小する方向の荷重がトルクリミッタ
に作用されている。しかし、機器の正常運転時の負荷ト
ルクはトルクリミッタのリミット値より低いため、トル
クリミッタは拡径或いは縮径傾向を示すが、それは微少
である。その結果、トルクリミッタの円筒面と他方の回
転体の円筒面との間での必要な摩擦接触状態が維持さ
れ、トルクリミッタと他方の回転体との間での回転駆動
力の伝達が遮断されることはない。
【0010】機器側の負荷トルクがトルクリミッタのリ
ミット値以上となった場合、トルクリミッタに作用す
る、スリットを拡大或いは縮小させる方向の荷重が大き
くなり、トルクリミッタは拡径或いは縮径傾向を顕著に
示す。従って、トルクリミッタの円筒面と他方の回転体
の円筒面との間の摩擦接触状態が弱まって、トルクリミ
ッタは他方の回転体に対して滑るように相対回動され
る。このため、過大な負荷トルクが駆動源側に波及する
ことはない。
ミット値以上となった場合、トルクリミッタに作用す
る、スリットを拡大或いは縮小させる方向の荷重が大き
くなり、トルクリミッタは拡径或いは縮径傾向を顕著に
示す。従って、トルクリミッタの円筒面と他方の回転体
の円筒面との間の摩擦接触状態が弱まって、トルクリミ
ッタは他方の回転体に対して滑るように相対回動され
る。このため、過大な負荷トルクが駆動源側に波及する
ことはない。
【0011】機器側の過大な負荷トルクが解消されれ
ば、トルクリミッタは自身の弾性力によって縮径或いは
拡径して、その円筒面と他方の回転体の円筒面との間で
の所定の摩擦接触状態を回復する。このため、駆動側回
転体の回転駆動を被動側回転体へ伝えることが可能とな
り、機器の正常運転が再開される。
ば、トルクリミッタは自身の弾性力によって縮径或いは
拡径して、その円筒面と他方の回転体の円筒面との間で
の所定の摩擦接触状態を回復する。このため、駆動側回
転体の回転駆動を被動側回転体へ伝えることが可能とな
り、機器の正常運転が再開される。
【0012】請求項2の発明では、前記トルクリミッタ
は、周壁の円環状がスリットにより一部で離断された円
筒体を同軸上に複数個直列に配置してなり、隣接する円
筒体は互いのスリットの軸線周りでの位相をずらした状
態で連結されている。
は、周壁の円環状がスリットにより一部で離断された円
筒体を同軸上に複数個直列に配置してなり、隣接する円
筒体は互いのスリットの軸線周りでの位相をずらした状
態で連結されている。
【0013】この構成によれば、トルクリミッタは少な
くとも一巻き以上の巻き数を有する巻きバネ状をなし、
後の第2実施形態にて詳述するように、リミット値を高
く設定できる。
くとも一巻き以上の巻き数を有する巻きバネ状をなし、
後の第2実施形態にて詳述するように、リミット値を高
く設定できる。
【0014】請求項3の発明では、前記トルクリミッタ
或いは他方の回転体の少なくとも一方の円筒面は金属面
であって、トルクリミッタ或いは他方の回転体の少なく
とも一方の円筒面には充填剤収容凹部が凹設され、充填
剤収容凹部には金属面の防錆作用を奏する充填剤が収容
されている。
或いは他方の回転体の少なくとも一方の円筒面は金属面
であって、トルクリミッタ或いは他方の回転体の少なく
とも一方の円筒面には充填剤収容凹部が凹設され、充填
剤収容凹部には金属面の防錆作用を奏する充填剤が収容
されている。
【0015】この構成によれば、充填剤が金属面におけ
る錆の発生を防止する。従って、トルクリミッタの円筒
面と他方の回転体の円筒面との間の摩擦係数の変化、つ
まり、トルクリミッタのリミット値のずれが防止され
る。
る錆の発生を防止する。従って、トルクリミッタの円筒
面と他方の回転体の円筒面との間の摩擦係数の変化、つ
まり、トルクリミッタのリミット値のずれが防止され
る。
【0016】請求項4の発明では、前記トルクリミッタ
或いは他方の回転体には円筒状をなすスリーブが固定さ
れ、スリーブの円筒面がそれを固定支持するトルクリミ
ッタ側の円筒面或いは他方の回転体側の円筒面を構成す
るものであり、それに加えて、請求項5の発明では、前
記スリーブは樹脂よりなるものである。
或いは他方の回転体には円筒状をなすスリーブが固定さ
れ、スリーブの円筒面がそれを固定支持するトルクリミ
ッタ側の円筒面或いは他方の回転体側の円筒面を構成す
るものであり、それに加えて、請求項5の発明では、前
記スリーブは樹脂よりなるものである。
【0017】これらの構成においては、圧縮機の故障
等、圧縮機側の過大な負荷トルクが長時間にわたって解
消されない場合には、トルクリミッタの円筒面が他方の
回転体の円筒面との摩擦により消失する。従って、トル
クリミッタの円筒面と他方の回転体の円筒面との摩擦接
触状態がさらに弱まり、駆動側回転体が被動側回転体に
対してほとんど抵抗なく回転する状態となる。
等、圧縮機側の過大な負荷トルクが長時間にわたって解
消されない場合には、トルクリミッタの円筒面が他方の
回転体の円筒面との摩擦により消失する。従って、トル
クリミッタの円筒面と他方の回転体の円筒面との摩擦接
触状態がさらに弱まり、駆動側回転体が被動側回転体に
対してほとんど抵抗なく回転する状態となる。
【0018】請求項6の発明では、前記充填剤収容凹部
はスリーブに凹設されている。この構成においては、例
えば、充填剤収容凹部をトルクリミッタの円筒面或いは
他方の回転体の円筒面に直接形成する場合と比較して、
その加工を簡単かつ工程数増なしに行うことが可能とな
る。
はスリーブに凹設されている。この構成においては、例
えば、充填剤収容凹部をトルクリミッタの円筒面或いは
他方の回転体の円筒面に直接形成する場合と比較して、
その加工を簡単かつ工程数増なしに行うことが可能とな
る。
【0019】請求項7の発明では、前記充填剤は油脂よ
りなる。この構成においては、トルクリミッタが他方の
回転体に対して滑ると、充填剤収容凹部がトルクリミッ
タの円筒面或いは他方の回転体の円筒面に対して相対回
動される。従って、充填剤収容凹部内の油脂が両円筒面
間に油膜を形成する。
りなる。この構成においては、トルクリミッタが他方の
回転体に対して滑ると、充填剤収容凹部がトルクリミッ
タの円筒面或いは他方の回転体の円筒面に対して相対回
動される。従って、充填剤収容凹部内の油脂が両円筒面
間に油膜を形成する。
【0020】請求項8の発明では、前記充填剤は吸湿剤
よりなる。この構成においては、吸湿剤が金属面の周囲
の湿気を吸収し、金属面付近を乾燥雰囲気とする。
よりなる。この構成においては、吸湿剤が金属面の周囲
の湿気を吸収し、金属面付近を乾燥雰囲気とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、クラッチレスタ
イプの可変容量型圧縮機の動力伝達構造に具体化した第
1〜第3実施形態について説明する。なお、第2及び第
3実施形態については、第1実施形態との相違点につい
てのみ説明する。
イプの可変容量型圧縮機の動力伝達構造に具体化した第
1〜第3実施形態について説明する。なお、第2及び第
3実施形態については、第1実施形態との相違点につい
てのみ説明する。
【0022】(第1実施形態)図1に示すように、フロ
ントハウジング11は、シリンダブロック12の前端に
接合固定されている。リヤハウジング13は、シリンダ
ブロック12の後端に弁形成体14を介して接合固定さ
れている。クランク室15はフロントハウジング11と
シリンダブロック12とにより囲まれて区画形成されて
いる。被動側回転体としての駆動軸16は金属材よりな
り、クランク室15を通るようにフロントハウジング1
1とシリンダブロック12との間で回転可能に架設支持
されている。駆動軸16の一端は、フロントハウジング
11の前壁を貫通して外部へ突出されている。
ントハウジング11は、シリンダブロック12の前端に
接合固定されている。リヤハウジング13は、シリンダ
ブロック12の後端に弁形成体14を介して接合固定さ
れている。クランク室15はフロントハウジング11と
シリンダブロック12とにより囲まれて区画形成されて
いる。被動側回転体としての駆動軸16は金属材よりな
り、クランク室15を通るようにフロントハウジング1
1とシリンダブロック12との間で回転可能に架設支持
されている。駆動軸16の一端は、フロントハウジング
11の前壁を貫通して外部へ突出されている。
【0023】ボス部11aはフロントハウジング11の
外壁面に一体形成され、駆動軸16の突出端部を取り囲
む。ロータ61は、ボス部11aにアンギュラベアリン
グ20を介して回転可能に支持されている。ロータ61
は、その外周部に巻き掛けられたベルト17を介して、
駆動源としての車両エンジン18に電磁クラッチ等のク
ラッチ機構を介することなく直結されている。
外壁面に一体形成され、駆動軸16の突出端部を取り囲
む。ロータ61は、ボス部11aにアンギュラベアリン
グ20を介して回転可能に支持されている。ロータ61
は、その外周部に巻き掛けられたベルト17を介して、
駆動源としての車両エンジン18に電磁クラッチ等のク
ラッチ機構を介することなく直結されている。
【0024】プレート62はドーナツ盤状をなし、その
中心部には透孔を取り囲むようにして筒状部62aが一
体に突設されている。プレート62は緩衝ゴム63を介
してロータ61に固定されている。緩衝ゴム63は、ロ
ータ61とプレート62との間で行われる動力伝達にお
いて、急激なトルク変動を自身の変形によって吸収す
る。係合凸部62bは、プレート62において筒状部6
2aの先端に一体形成されている。係合凸部62bは、
筒状部62aの先端開口縁の一部が筒状部62aの内空
間側に向かって曲折されてなる。前記ロータ61、プレ
ート62及び緩衝ゴム63が駆動側回転体としてのプー
リ19を構成し、プーリ19の軸線は駆動軸16の軸線
Lに一致されている。
中心部には透孔を取り囲むようにして筒状部62aが一
体に突設されている。プレート62は緩衝ゴム63を介
してロータ61に固定されている。緩衝ゴム63は、ロ
ータ61とプレート62との間で行われる動力伝達にお
いて、急激なトルク変動を自身の変形によって吸収す
る。係合凸部62bは、プレート62において筒状部6
2aの先端に一体形成されている。係合凸部62bは、
筒状部62aの先端開口縁の一部が筒状部62aの内空
間側に向かって曲折されてなる。前記ロータ61、プレ
ート62及び緩衝ゴム63が駆動側回転体としてのプー
リ19を構成し、プーリ19の軸線は駆動軸16の軸線
Lに一致されている。
【0025】図1及び図2に示すように、本実施形態の
特徴点であるトルクリミッタ64は、駆動軸16とプー
リ19との間において、両部材16,19に対してほぼ
軸線一致状態で介在されている。詳述すると、トルクリ
ミッタ64は、弾性材としての金属材よりなる単円筒状
の円筒体64aにおいて、その周壁の円環状を離断する
ようにしてスリット64bが形成されてなる。スリット
64bは円筒体64aの軸線Lに対して平行に延びる一
直線状をなし、従って、トルクリミッタ64は、軸線L
方向に等横断面であってその形状は「C」字状をなす。
トルクリミッタ64はスリット64bを備えることで、
円筒内径を拡縮する弾性変形が可能である。
特徴点であるトルクリミッタ64は、駆動軸16とプー
リ19との間において、両部材16,19に対してほぼ
軸線一致状態で介在されている。詳述すると、トルクリ
ミッタ64は、弾性材としての金属材よりなる単円筒状
の円筒体64aにおいて、その周壁の円環状を離断する
ようにしてスリット64bが形成されてなる。スリット
64bは円筒体64aの軸線Lに対して平行に延びる一
直線状をなし、従って、トルクリミッタ64は、軸線L
方向に等横断面であってその形状は「C」字状をなす。
トルクリミッタ64はスリット64bを備えることで、
円筒内径を拡縮する弾性変形が可能である。
【0026】前記トルクリミッタ64は、駆動軸16の
突出端部に外嵌されている。トルクリミッタ64は、無
荷重状態での円筒内径が駆動軸16の突出端部の外径よ
り小さく設定され、駆動軸16に対する所定の締め代が
確保されている。トルクリミッタ64は、この締め代に
基づく弾性力によって駆動軸16を締め付けている。従
って、トルクリミッタ64の円筒面である内周面64c
と、駆動軸16の円筒面である外周面16aとが所定の
圧力で摩擦接触され、両部材16,64間での動力伝達
が可能となっている。つまり、駆動軸16は他方の回転
体をなす。
突出端部に外嵌されている。トルクリミッタ64は、無
荷重状態での円筒内径が駆動軸16の突出端部の外径よ
り小さく設定され、駆動軸16に対する所定の締め代が
確保されている。トルクリミッタ64は、この締め代に
基づく弾性力によって駆動軸16を締め付けている。従
って、トルクリミッタ64の円筒面である内周面64c
と、駆動軸16の円筒面である外周面16aとが所定の
圧力で摩擦接触され、両部材16,64間での動力伝達
が可能となっている。つまり、駆動軸16は他方の回転
体をなす。
【0027】前記トルクリミッタ64はプレート62の
筒状部62a内に挿入され、その挿入端部分のスリット
64bを利用して係合凸部62bに嵌まり込んでいる。
従って、トルクリミッタ64は、その「C」字の端部が
軸線L周りで係合凸部62bに係止された状態にある。
その結果、トルクリミッタ64はプーリ19に対して相
対回転不能であり、プーリ19との間での動力伝達が可
能となっている。つまり、プーリ19は本実施形態にお
いて一方の回転体をなす。
筒状部62a内に挿入され、その挿入端部分のスリット
64bを利用して係合凸部62bに嵌まり込んでいる。
従って、トルクリミッタ64は、その「C」字の端部が
軸線L周りで係合凸部62bに係止された状態にある。
その結果、トルクリミッタ64はプーリ19に対して相
対回転不能であり、プーリ19との間での動力伝達が可
能となっている。つまり、プーリ19は本実施形態にお
いて一方の回転体をなす。
【0028】回転支持体22は、クランク室15におい
て駆動軸16に止着されている。斜板23は、駆動軸1
6に対してその軸線L方向へスライド移動可能でかつ傾
動可能に支持されている。ヒンジ機構24は回転支持体
22と斜板23との間に介在されている。斜板23はヒ
ンジ機構24により、駆動軸16の軸線L方向へ傾動可
能でかつ駆動軸16と一体的に回転可能となっている。
斜板23の半径中心部がシリンダブロック12側に移動
すると、斜板23の傾角が減少される。傾角減少バネ2
6は、回転支持体22と斜板23との間に介在されてい
る。傾角減少バネ26は、斜板23を傾角の減少方向に
付勢する。傾角規制突部22aは回転支持体22の後面
に形成され、斜板23の最大傾角を当接規制する。
て駆動軸16に止着されている。斜板23は、駆動軸1
6に対してその軸線L方向へスライド移動可能でかつ傾
動可能に支持されている。ヒンジ機構24は回転支持体
22と斜板23との間に介在されている。斜板23はヒ
ンジ機構24により、駆動軸16の軸線L方向へ傾動可
能でかつ駆動軸16と一体的に回転可能となっている。
斜板23の半径中心部がシリンダブロック12側に移動
すると、斜板23の傾角が減少される。傾角減少バネ2
6は、回転支持体22と斜板23との間に介在されてい
る。傾角減少バネ26は、斜板23を傾角の減少方向に
付勢する。傾角規制突部22aは回転支持体22の後面
に形成され、斜板23の最大傾角を当接規制する。
【0029】収容孔27はシリンダブロック12の中心
部に貫設されている。遮断体28は筒状をなし、収容孔
27にスライド可能に収容されている。吸入通路開放バ
ネ29は、収容孔27の端面と遮断体28との間に介在
され、遮断体28を斜板23側へ付勢している。
部に貫設されている。遮断体28は筒状をなし、収容孔
27にスライド可能に収容されている。吸入通路開放バ
ネ29は、収容孔27の端面と遮断体28との間に介在
され、遮断体28を斜板23側へ付勢している。
【0030】前記駆動軸16は、その後端部を以て遮断
体28の内部に挿入されている。ラジアルベアリング3
0は、駆動軸16の後端部と遮断体28の内周面との間
に介在され、遮断体28とともに駆動軸16に対して軸
線L方向へスライド移動可能である。
体28の内部に挿入されている。ラジアルベアリング3
0は、駆動軸16の後端部と遮断体28の内周面との間
に介在され、遮断体28とともに駆動軸16に対して軸
線L方向へスライド移動可能である。
【0031】吸入通路32は、リヤハウジング13及び
弁形成体14の中心部に形成されている。吸入通路32
は収容孔27に連通されており、その弁形成体14の前
面に表れる開口周囲には、位置決め面33が形成されて
いる。遮断面34は遮断体28の先端面に形成され、遮
断体28の移動により位置決め面33に接離される。遮
断面34が位置決め面33に当接されることにより、両
者間33,34のシール作用で吸入通路32と収容孔2
7の内空間との連通が遮断される。
弁形成体14の中心部に形成されている。吸入通路32
は収容孔27に連通されており、その弁形成体14の前
面に表れる開口周囲には、位置決め面33が形成されて
いる。遮断面34は遮断体28の先端面に形成され、遮
断体28の移動により位置決め面33に接離される。遮
断面34が位置決め面33に当接されることにより、両
者間33,34のシール作用で吸入通路32と収容孔2
7の内空間との連通が遮断される。
【0032】スラストベアリング35は斜板23と遮断
体28との間に介在され、駆動軸16上にスライド移動
可能に支持されている。スラストベアリング35は、吸
入通路開放バネ29に付勢されて、常には斜板23と遮
断体28との間で挟持されている。
体28との間に介在され、駆動軸16上にスライド移動
可能に支持されている。スラストベアリング35は、吸
入通路開放バネ29に付勢されて、常には斜板23と遮
断体28との間で挟持されている。
【0033】そして、斜板23が遮断体28側へ傾動す
るのに伴い、斜板23の傾動がスラストベアリング35
を介して遮断体28に伝達される。従って、遮断体28
が吸入通路開放バネ29の付勢力に抗して位置決め面3
3側に移動され、遮断体28は遮断面34を以て位置決
め面33に当接される。遮断面34が位置決め面33に
当接された状態にて、斜板23のそれ以上の傾動が規制
され、この規制された状態にて斜板23は0°よりも僅
かに大きな最小傾角となる。
るのに伴い、斜板23の傾動がスラストベアリング35
を介して遮断体28に伝達される。従って、遮断体28
が吸入通路開放バネ29の付勢力に抗して位置決め面3
3側に移動され、遮断体28は遮断面34を以て位置決
め面33に当接される。遮断面34が位置決め面33に
当接された状態にて、斜板23のそれ以上の傾動が規制
され、この規制された状態にて斜板23は0°よりも僅
かに大きな最小傾角となる。
【0034】シリンダボア12aはシリンダブロック1
2に貫設形成され、片頭型のピストン36はシリンダボ
ア12aに収容されている。ピストン36は、シュー3
7を介して斜板23の外周部に係留されており、斜板2
3の回転運動によりシリンダボア12a内で前後往復運
動される。
2に貫設形成され、片頭型のピストン36はシリンダボ
ア12aに収容されている。ピストン36は、シュー3
7を介して斜板23の外周部に係留されており、斜板2
3の回転運動によりシリンダボア12a内で前後往復運
動される。
【0035】吸入室38及び吐出室39は、リヤハウジ
ング13にぞれぞれ区画形成されている。吸入ポート4
0、吸入ポート40を開閉する吸入弁41、吐出ポート
42、吐出ポート42を開閉する吐出弁43は、それぞ
れ弁形成体14に形成されている。そして、吸入室38
の冷媒ガスは、ピストン36の復動動作により吸入ポー
ト40及び吸入弁41を介してシリンダボア12aに吸
入される。シリンダボア12aに吸入された冷媒ガス
は、ピストン36の往動動作により所定の圧力にまで圧
縮され、吐出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室
39に吐出される。
ング13にぞれぞれ区画形成されている。吸入ポート4
0、吸入ポート40を開閉する吸入弁41、吐出ポート
42、吐出ポート42を開閉する吐出弁43は、それぞ
れ弁形成体14に形成されている。そして、吸入室38
の冷媒ガスは、ピストン36の復動動作により吸入ポー
ト40及び吸入弁41を介してシリンダボア12aに吸
入される。シリンダボア12aに吸入された冷媒ガス
は、ピストン36の往動動作により所定の圧力にまで圧
縮され、吐出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室
39に吐出される。
【0036】吸入室38は通口45を介して収容孔27
に連通されている。そして、遮断体28がその遮断面3
4を以て位置決め面33に当接されると、通口45は吸
入通路32から遮断される。通路46は駆動軸16の軸
芯に形成され、クランク室15と遮断体28の内空間と
を連通する。放圧通口47は遮断体28の周面に貫設さ
れ、放圧通口47を介して遮断体28の内空間と収容孔
27の内空間とが連通されている。
に連通されている。そして、遮断体28がその遮断面3
4を以て位置決め面33に当接されると、通口45は吸
入通路32から遮断される。通路46は駆動軸16の軸
芯に形成され、クランク室15と遮断体28の内空間と
を連通する。放圧通口47は遮断体28の周面に貫設さ
れ、放圧通口47を介して遮断体28の内空間と収容孔
27の内空間とが連通されている。
【0037】給気通路48は吐出室39とクランク室1
5とを接続し、給気通路48上には容量制御弁49が介
在されている。以上構成の圧縮機は、その吸入室38に
冷媒ガスを導入する通路となる吸入通路32と、吐出室
39から冷媒ガスを排出する吐出フランジ75とが外部
冷媒回路76により接続されている。凝縮器77、膨張
弁78及び蒸発器79は、外部冷媒回路76上に介在さ
れている。そして、図示しないが、前記構成の圧縮機、
凝縮器77、膨張弁78及び蒸発器79は車両に搭載さ
れて、車両空調システムが構築されている。
5とを接続し、給気通路48上には容量制御弁49が介
在されている。以上構成の圧縮機は、その吸入室38に
冷媒ガスを導入する通路となる吸入通路32と、吐出室
39から冷媒ガスを排出する吐出フランジ75とが外部
冷媒回路76により接続されている。凝縮器77、膨張
弁78及び蒸発器79は、外部冷媒回路76上に介在さ
れている。そして、図示しないが、前記構成の圧縮機、
凝縮器77、膨張弁78及び蒸発器79は車両に搭載さ
れて、車両空調システムが構築されている。
【0038】蒸発器79の近傍には温度センサ80が設
置されている。温度センサ80は蒸発器79における温
度を検出し、この検出温度情報を制御コンピュータ81
へ出力する。容量制御弁49のソレノイド49aの励消
磁は、温度センサ80からの検出温度情報に基づいて制
御コンピュータ81によって制御される。制御コンピュ
ータ81は、エアコンスイッチ82のON状態のもとに
検出温度が設定温度以下になると容量制御弁49のソレ
ノイド49aの消磁を指令する。この設定温度以下の温
度は蒸発器79においてフロストが発生しそうな状況を
反映する。また、制御コンピュータ81は、エアコンス
イッチ82のOFFによってソレノイド49aを消磁す
る。
置されている。温度センサ80は蒸発器79における温
度を検出し、この検出温度情報を制御コンピュータ81
へ出力する。容量制御弁49のソレノイド49aの励消
磁は、温度センサ80からの検出温度情報に基づいて制
御コンピュータ81によって制御される。制御コンピュ
ータ81は、エアコンスイッチ82のON状態のもとに
検出温度が設定温度以下になると容量制御弁49のソレ
ノイド49aの消磁を指令する。この設定温度以下の温
度は蒸発器79においてフロストが発生しそうな状況を
反映する。また、制御コンピュータ81は、エアコンス
イッチ82のOFFによってソレノイド49aを消磁す
る。
【0039】ソレノイド49aが消磁されると給気通路
48が開かれ、吐出室39とクランク室15とが連通さ
れる。従って、吐出室39の高圧冷媒ガスが給気通路4
8を介してクランク室15へ供給され、クランク室15
の圧力が高くなる。クランク室15の圧力上昇により斜
板23の傾角が最小傾角へ移行する。
48が開かれ、吐出室39とクランク室15とが連通さ
れる。従って、吐出室39の高圧冷媒ガスが給気通路4
8を介してクランク室15へ供給され、クランク室15
の圧力が高くなる。クランク室15の圧力上昇により斜
板23の傾角が最小傾角へ移行する。
【0040】遮断体28の遮断面34が位置決め面33
に当接すると吸入通路32における通過断面積が零とな
り、外部冷媒回路76から吸入室38への冷媒ガス流入
が阻止される。
に当接すると吸入通路32における通過断面積が零とな
り、外部冷媒回路76から吸入室38への冷媒ガス流入
が阻止される。
【0041】斜板23の最小傾角は0°ではないため、
斜板傾角が最小の状態においてもシリンダボア12aか
ら吐出室39への吐出は行われている。吸入室38の冷
媒ガスはシリンダボア12aへ吸入されて吐出室39へ
吐出される。即ち、斜板傾角が最小状態では、吐出室3
9、給気通路48、クランク室15、通路46、放圧通
口47、吸入室38及びシリンダボア12aを経由する
循環通路が圧縮機内部にできている。冷媒ガスと共に流
動する潤滑油は、前記循環経路を経由して圧縮機内を潤
滑する。吐出室39、クランク室15及び吸入室38の
間では、圧力差が生じている。この圧力差及び放圧通口
47における通路断面積が斜板23を最小径角に安定的
に保持する。
斜板傾角が最小の状態においてもシリンダボア12aか
ら吐出室39への吐出は行われている。吸入室38の冷
媒ガスはシリンダボア12aへ吸入されて吐出室39へ
吐出される。即ち、斜板傾角が最小状態では、吐出室3
9、給気通路48、クランク室15、通路46、放圧通
口47、吸入室38及びシリンダボア12aを経由する
循環通路が圧縮機内部にできている。冷媒ガスと共に流
動する潤滑油は、前記循環経路を経由して圧縮機内を潤
滑する。吐出室39、クランク室15及び吸入室38の
間では、圧力差が生じている。この圧力差及び放圧通口
47における通路断面積が斜板23を最小径角に安定的
に保持する。
【0042】ソレノイド49aの励磁によって給気通路
48が閉じられ、クランク室15の圧力が通路46及び
放圧通口47を介した放圧に基づいて低下してゆく。こ
の減圧により斜板23の傾角が最小傾角から最大傾角へ
移行する。
48が閉じられ、クランク室15の圧力が通路46及び
放圧通口47を介した放圧に基づいて低下してゆく。こ
の減圧により斜板23の傾角が最小傾角から最大傾角へ
移行する。
【0043】次に、プーリ19から駆動軸16への動力
伝達について説明する。圧縮機の正常運転時には、圧縮
機の負荷トルク(駆動抵抗)が駆動軸16及びトルクリ
ミッタ64を介してプーリ19に伝わっている。従っ
て、「C」字の端部を介して係合凸部62bに軸線L周
りで係止されたトルクリミッタ64には、スリット64
bを拡大する方向の荷重が作用されている。しかし、圧
縮機の正常運転時の負荷トルクはトルクリミッタ64の
リミット値より低いため、トルクリミッタ64はその円
筒内径の拡大傾向を示すが、それは微少である。その結
果、円筒内面64cと外周面16aとの間での必要な摩
擦接触状態が維持され、トルクリミッタ64と駆動軸1
6との間での回転駆動力の伝達が遮断されることはな
い。
伝達について説明する。圧縮機の正常運転時には、圧縮
機の負荷トルク(駆動抵抗)が駆動軸16及びトルクリ
ミッタ64を介してプーリ19に伝わっている。従っ
て、「C」字の端部を介して係合凸部62bに軸線L周
りで係止されたトルクリミッタ64には、スリット64
bを拡大する方向の荷重が作用されている。しかし、圧
縮機の正常運転時の負荷トルクはトルクリミッタ64の
リミット値より低いため、トルクリミッタ64はその円
筒内径の拡大傾向を示すが、それは微少である。その結
果、円筒内面64cと外周面16aとの間での必要な摩
擦接触状態が維持され、トルクリミッタ64と駆動軸1
6との間での回転駆動力の伝達が遮断されることはな
い。
【0044】圧縮機側の負荷トルクがトルクリミッタ6
4のリミット値以上となった場合、この過大な負荷トル
クが車両エンジン18側に波及すれば、車両エンジン1
8がエンジンストールを起こしたり、ベルト17を破断
するおそれがある。リミット値以上の過大な負荷トルク
が生じた場合には、トルクリミッタ64に作用するスリ
ット64bを拡大させる方向の荷重が大きくなり、トル
クリミッタ64は円筒内径の拡大傾向を顕著に示す。従
って、内周面64cと外周面16aとの摩擦接触状態が
弱まって、トルクリミッタ64は駆動軸16に対して滑
るように相対回動される。このため、過大な負荷トルク
が車両エンジン18側に波及することはなく、エンジン
ストール等は回避される。
4のリミット値以上となった場合、この過大な負荷トル
クが車両エンジン18側に波及すれば、車両エンジン1
8がエンジンストールを起こしたり、ベルト17を破断
するおそれがある。リミット値以上の過大な負荷トルク
が生じた場合には、トルクリミッタ64に作用するスリ
ット64bを拡大させる方向の荷重が大きくなり、トル
クリミッタ64は円筒内径の拡大傾向を顕著に示す。従
って、内周面64cと外周面16aとの摩擦接触状態が
弱まって、トルクリミッタ64は駆動軸16に対して滑
るように相対回動される。このため、過大な負荷トルク
が車両エンジン18側に波及することはなく、エンジン
ストール等は回避される。
【0045】圧縮機側の過大な負荷トルクが解消されれ
ば、トルクリミッタ64は自身の弾性力によって円筒内
径を縮小して再び駆動軸16を締め付け、内周面64c
と外周面16aとの間での所定の摩擦接触状態を回復す
る。このため、プーリ19の回転駆動を駆動軸16へ伝
えることが可能になり、圧縮機の正常運転が再開され
る。
ば、トルクリミッタ64は自身の弾性力によって円筒内
径を縮小して再び駆動軸16を締め付け、内周面64c
と外周面16aとの間での所定の摩擦接触状態を回復す
る。このため、プーリ19の回転駆動を駆動軸16へ伝
えることが可能になり、圧縮機の正常運転が再開され
る。
【0046】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)トルクリミッタ64は、金属材よりなる円筒体6
4aにおいてその周壁の円環状を離断するようにしてス
リット64bが形成されてなる。従って、トルクリミッ
タ64は、例えば、鍛造により円筒体64aを成型し、
円筒体64aの各部の寸法を研削により仕上げることで
製造し得る。現在の円筒体64aの研削技術によれば、
円筒体64aの各部の寸法をμmオーダーの高精度で加
工することは、加工コストを考慮に入れても容易であ
る。その結果、トルクリミッタ64の駆動軸16に対す
る締め代のばらつきを抑えることができ、トルクリミッ
タ64のリミット値を精度良く設定してその動作を安定
させることが可能となる。これは、圧縮機の信頼性向上
につながる。
うな効果を奏する。 (1)トルクリミッタ64は、金属材よりなる円筒体6
4aにおいてその周壁の円環状を離断するようにしてス
リット64bが形成されてなる。従って、トルクリミッ
タ64は、例えば、鍛造により円筒体64aを成型し、
円筒体64aの各部の寸法を研削により仕上げることで
製造し得る。現在の円筒体64aの研削技術によれば、
円筒体64aの各部の寸法をμmオーダーの高精度で加
工することは、加工コストを考慮に入れても容易であ
る。その結果、トルクリミッタ64の駆動軸16に対す
る締め代のばらつきを抑えることができ、トルクリミッ
タ64のリミット値を精度良く設定してその動作を安定
させることが可能となる。これは、圧縮機の信頼性向上
につながる。
【0047】(2)トルクリミッタ64は、駆動軸16
の外周面16aに対して内周面64cを以って接触され
る。つまり、トルクリミッタ64と駆動軸16は面接触
となり、内周面64cと外周面16aの間に油分や水分
等が入り込み難くなる。従って、これら油分や水分が、
内周面64cと外周面16aとの間の摩擦係数を変化さ
せる危惧がなくなり、リミット値にずれが生じることを
防止できる。
の外周面16aに対して内周面64cを以って接触され
る。つまり、トルクリミッタ64と駆動軸16は面接触
となり、内周面64cと外周面16aの間に油分や水分
等が入り込み難くなる。従って、これら油分や水分が、
内周面64cと外周面16aとの間の摩擦係数を変化さ
せる危惧がなくなり、リミット値にずれが生じることを
防止できる。
【0048】また、トルクリミッタ64を広い面積で駆
動軸16に接触させることができ、外周面16aと内周
面64cとの間の摩擦係数が安定される。つまり、従来
の巻きバネのように、駆動軸の外周面に対して線接触で
あってその接触面積が狭いと、接触面間においてごく一
部の摩擦係数の変化が全体の摩擦係数に与える影響が大
きいのである。
動軸16に接触させることができ、外周面16aと内周
面64cとの間の摩擦係数が安定される。つまり、従来
の巻きバネのように、駆動軸の外周面に対して線接触で
あってその接触面積が狭いと、接触面間においてごく一
部の摩擦係数の変化が全体の摩擦係数に与える影響が大
きいのである。
【0049】(3)円筒体64aは単円筒状をなし、ス
リット64bは円筒体64aの軸線L方向に延びる一線
状をなす。従って、トルクリミッタ64は軸線L方向に
等横断面形状となり、その加工は容易である。
リット64bは円筒体64aの軸線L方向に延びる一線
状をなす。従って、トルクリミッタ64は軸線L方向に
等横断面形状となり、その加工は容易である。
【0050】(第2実施形態)図3及び図4においては
第2実施形態を示す。本実施形態においてトルクリミッ
タ91は、周壁の円環状がスリット92aにより一部で
離断された単円筒状の円筒体92-1〜92-4を、同軸上
に複数個(4個)直列に配置してなる。隣接する円筒体
92-1〜92-4は、互いのスリット92aの軸線L周り
での位相を、円筒体92-1から円筒体92-4に向かうに
従って一方向へ順にずらした状態で連結されている。
第2実施形態を示す。本実施形態においてトルクリミッ
タ91は、周壁の円環状がスリット92aにより一部で
離断された単円筒状の円筒体92-1〜92-4を、同軸上
に複数個(4個)直列に配置してなる。隣接する円筒体
92-1〜92-4は、互いのスリット92aの軸線L周り
での位相を、円筒体92-1から円筒体92-4に向かうに
従って一方向へ順にずらした状態で連結されている。
【0051】詳述すると、各円筒体92-1〜92-4にお
いて「C」字の一方の端部を始端とし、他方の端部を終
端とする。円筒体92-1は、終端側に形成された連結凸
部92bを以って、隣接する円筒体92-2の始端側に形
成された連結凹部92cに嵌合連結されている。円筒体
92-2は、終端側に形成された連結凸部92bを以っ
て、隣接する円筒体92-3の始端側に形成された連結凹
部92cに嵌合連結されている。円筒体92-3は、終端
側に形成された連結凸部92bを以って、隣接する円筒
体92-4の始端側に形成された連結凹部92cに嵌合連
結されている。従って、円筒体92-1の始端から連結凸
部92b及び連結凹部92cを介して各円筒体92-1〜
92-4の「C」字を辿っていくと、トルクリミッタ91
が少なくとも一巻き以上の巻き数を有する巻きバネ状を
なしていることが解る。
いて「C」字の一方の端部を始端とし、他方の端部を終
端とする。円筒体92-1は、終端側に形成された連結凸
部92bを以って、隣接する円筒体92-2の始端側に形
成された連結凹部92cに嵌合連結されている。円筒体
92-2は、終端側に形成された連結凸部92bを以っ
て、隣接する円筒体92-3の始端側に形成された連結凹
部92cに嵌合連結されている。円筒体92-3は、終端
側に形成された連結凸部92bを以って、隣接する円筒
体92-4の始端側に形成された連結凹部92cに嵌合連
結されている。従って、円筒体92-1の始端から連結凸
部92b及び連結凹部92cを介して各円筒体92-1〜
92-4の「C」字を辿っていくと、トルクリミッタ91
が少なくとも一巻き以上の巻き数を有する巻きバネ状を
なしていることが解る。
【0052】前記トルクリミッタ91は、内周面91a
を以って駆動軸16の突出端部の外周面16aに外嵌さ
れるとともに、円筒体92-1のスリット92aを利用し
て係合凸部62bに嵌まり込んでいる。従って、トルク
リミッタ91は、巻きバネのように各円筒体92-1〜9
2-4が連動して拡径及び縮径することで、上記第1実施
形態のトルクリミッタ64と同様な作用を奏する。
を以って駆動軸16の突出端部の外周面16aに外嵌さ
れるとともに、円筒体92-1のスリット92aを利用し
て係合凸部62bに嵌まり込んでいる。従って、トルク
リミッタ91は、巻きバネのように各円筒体92-1〜9
2-4が連動して拡径及び縮径することで、上記第1実施
形態のトルクリミッタ64と同様な作用を奏する。
【0053】ここで、クラッチスプリングよりなる従来
のトルクリミッタにおいて、そのリミット値を算出する
には、次の数式が使用される。
のトルクリミッタにおいて、そのリミット値を算出する
には、次の数式が使用される。
【0054】
【数1】 RA …駆動軸の半径、E…クラッチスプリングの縦弾性
係数、I…クラッチスプリングの断面2次モーメント、
δ…駆動軸に対するクラッチスプリングの締め代、μ…
駆動軸とクラッチスプリングとの間の摩擦係数、e…自
然対数の底、N…クラッチスプリングの有効巻き数。
係数、I…クラッチスプリングの断面2次モーメント、
δ…駆動軸に対するクラッチスプリングの締め代、μ…
駆動軸とクラッチスプリングとの間の摩擦係数、e…自
然対数の底、N…クラッチスプリングの有効巻き数。
【0055】前記数式から、巻き数Nを大きくすればト
ルクリミッタのリミット値を高く設定できることが解
る。これは、巻きバネ状をなす本トルクリミッタ91に
ついても当て嵌まると考えられる。つまり、トルクリミ
ッタ91を、複数の円筒体92-1〜92-4により構成す
ることで、その巻き数Nを1以上とすることができ、リ
ミット値を高く設定することが可能となった(比較例と
して、例えば、上記第1実施形態のトルクリミッタ64
は、巻き数Nが1未満と考えられる)。従って、トルク
リミッタ91のリミット値の設定可能範囲が広がり、ト
ルクリミッタ91の適用の自由度が増す。
ルクリミッタのリミット値を高く設定できることが解
る。これは、巻きバネ状をなす本トルクリミッタ91に
ついても当て嵌まると考えられる。つまり、トルクリミ
ッタ91を、複数の円筒体92-1〜92-4により構成す
ることで、その巻き数Nを1以上とすることができ、リ
ミット値を高く設定することが可能となった(比較例と
して、例えば、上記第1実施形態のトルクリミッタ64
は、巻き数Nが1未満と考えられる)。従って、トルク
リミッタ91のリミット値の設定可能範囲が広がり、ト
ルクリミッタ91の適用の自由度が増す。
【0056】(第3実施形態)図5及び図6においては
第3実施形態を示す。本実施形態においては、例えば、
ポリアミド樹脂からなるスリーブ95が、駆動軸16の
突出端部の外周面16aに、インサート成形等によって
固着されている。図示しないが、このスリーブ95のイ
ンサート成形前に、駆動軸16の突出端部の外周面16
aをショットブラスト加工等により荒らしたり溝を刻設
したりしておけば、そこに樹脂が噛み込んでスリーブ9
5の駆動軸16に対する固着はより強固なものとなる。
スリーブ95の外周面95aが、被動側回転体としての
駆動軸16側の円筒面をなす。そして、第1実施形態と
同様なトルクリミッタ64は、スリーブ95の外周面9
5aに所定の締め代を以って外嵌されている。
第3実施形態を示す。本実施形態においては、例えば、
ポリアミド樹脂からなるスリーブ95が、駆動軸16の
突出端部の外周面16aに、インサート成形等によって
固着されている。図示しないが、このスリーブ95のイ
ンサート成形前に、駆動軸16の突出端部の外周面16
aをショットブラスト加工等により荒らしたり溝を刻設
したりしておけば、そこに樹脂が噛み込んでスリーブ9
5の駆動軸16に対する固着はより強固なものとなる。
スリーブ95の外周面95aが、被動側回転体としての
駆動軸16側の円筒面をなす。そして、第1実施形態と
同様なトルクリミッタ64は、スリーブ95の外周面9
5aに所定の締め代を以って外嵌されている。
【0057】充填剤収容凹部95bは、スリーブ95の
外周面95aにおいて、外周面95aを軸方向へ横断し
て凹設されている。従って、充填剤収容凹部95bは、
スリーブ95の外周面95aにおいてその周方向に部分
的に存在される。充填剤収容凹部95bは複数(6個)
が、外周面95aの周方向に等間隔で設けられている。
充填剤収容凹部95bは、スリーブ95の駆動軸16に
対するインサート成形と同時に形成される。油脂として
のグリース96は、充填剤収容凹部95b内に充填され
ている。
外周面95aにおいて、外周面95aを軸方向へ横断し
て凹設されている。従って、充填剤収容凹部95bは、
スリーブ95の外周面95aにおいてその周方向に部分
的に存在される。充填剤収容凹部95bは複数(6個)
が、外周面95aの周方向に等間隔で設けられている。
充填剤収容凹部95bは、スリーブ95の駆動軸16に
対するインサート成形と同時に形成される。油脂として
のグリース96は、充填剤収容凹部95b内に充填され
ている。
【0058】なお、トルクリミッタ64をスリーブ95
に対して組み付ける際、グリース96が内周面64cや
充填剤収容凹部95b以外の外周面95aに付着される
こともある。しかし、トルクリミッタ64がスリーブ9
5を所定の締め代を以って締め付けるため、内周面64
cと充填剤収容凹部95b以外の外周面95aとの間に
介在されるグリース96は、ほとんどが両面間以外へ押
し出されて残存することはない。
に対して組み付ける際、グリース96が内周面64cや
充填剤収容凹部95b以外の外周面95aに付着される
こともある。しかし、トルクリミッタ64がスリーブ9
5を所定の締め代を以って締め付けるため、内周面64
cと充填剤収容凹部95b以外の外周面95aとの間に
介在されるグリース96は、ほとんどが両面間以外へ押
し出されて残存することはない。
【0059】本実施形態においては、次のような作用・
効果を奏する。 (1)圧縮機側の負荷トルクがトルクリミッタ64のリ
ミット値以上となった場合、トルクリミッタ64が駆動
軸16に対して弱い摩擦接触状態を保ちながら相対回動
される。このため、内周面64cと外周面95aとが摩
擦発熱し、このままでは、高温でかつ酸素雰囲気に曝さ
れることになる金属面である内周面64cには錆が生じ
るおそれがある。錆が内周面64cに生じると、内周面
64cと外周面95aとの間の摩擦係数が変化され、ト
ルクリミッタ64のリミット値にずれが生じる。
効果を奏する。 (1)圧縮機側の負荷トルクがトルクリミッタ64のリ
ミット値以上となった場合、トルクリミッタ64が駆動
軸16に対して弱い摩擦接触状態を保ちながら相対回動
される。このため、内周面64cと外周面95aとが摩
擦発熱し、このままでは、高温でかつ酸素雰囲気に曝さ
れることになる金属面である内周面64cには錆が生じ
るおそれがある。錆が内周面64cに生じると、内周面
64cと外周面95aとの間の摩擦係数が変化され、ト
ルクリミッタ64のリミット値にずれが生じる。
【0060】しかし、本実施形態においては、トルクリ
ミッタ64が拡径して駆動軸16に対して相対回動され
ると、充填剤収容凹部95bのグリース96が外周面9
5aの全周にわたって塗り付けられ、外周面95aと内
周面64cとの間に油膜を形成する。従って、内周面6
4cが酸素雰囲気から遮断されるし、内周面64cと外
周面95aとの間の摩擦係数が大きく低下して摺動発熱
が抑制される。その結果、錆が内周面64cに生じるこ
とを防止できる。
ミッタ64が拡径して駆動軸16に対して相対回動され
ると、充填剤収容凹部95bのグリース96が外周面9
5aの全周にわたって塗り付けられ、外周面95aと内
周面64cとの間に油膜を形成する。従って、内周面6
4cが酸素雰囲気から遮断されるし、内周面64cと外
周面95aとの間の摩擦係数が大きく低下して摺動発熱
が抑制される。その結果、錆が内周面64cに生じるこ
とを防止できる。
【0061】なお、圧縮機側の過大な負荷トルクが解消
されれば、トルクリミッタ64が再び駆動軸16を締め
付けることで、内周面64cと充填剤収容凹部95b以
外の外周面95aとの間に存在するグリース96は、ほ
とんどが両面間以外へ押し出され、内周面64cと外周
面95aとの間の所定の摩擦接触状態は回復される。
されれば、トルクリミッタ64が再び駆動軸16を締め
付けることで、内周面64cと充填剤収容凹部95b以
外の外周面95aとの間に存在するグリース96は、ほ
とんどが両面間以外へ押し出され、内周面64cと外周
面95aとの間の所定の摩擦接触状態は回復される。
【0062】(2)圧縮機の故障等、圧縮機側の過大な
負荷トルクが長時間にわたって解消されない場合には、
前述したグリース96の存在にもかかわらず、内周面6
4cと外周面95aとの間の温度が摩擦発熱により上昇
される。このような場合には、ポリアミド樹脂よりなる
スリーブ95が、高温雰囲気に長時間曝されることで変
形可能となる。従って、トルクリミッタ64のスリーブ
95に対する締め代が、スリーブ95の変形により吸収
されて消失し、充填剤収容凹部95b内のグリース96
による油膜の形成もあって、プーリ19が駆動軸16に
対してほとんど抵抗なく回転する状態となる。その結
果、車両エンジンの動力損失が低減される。
負荷トルクが長時間にわたって解消されない場合には、
前述したグリース96の存在にもかかわらず、内周面6
4cと外周面95aとの間の温度が摩擦発熱により上昇
される。このような場合には、ポリアミド樹脂よりなる
スリーブ95が、高温雰囲気に長時間曝されることで変
形可能となる。従って、トルクリミッタ64のスリーブ
95に対する締め代が、スリーブ95の変形により吸収
されて消失し、充填剤収容凹部95b内のグリース96
による油膜の形成もあって、プーリ19が駆動軸16に
対してほとんど抵抗なく回転する状態となる。その結
果、車両エンジンの動力損失が低減される。
【0063】(3)上記第1及び第2実施形態において
は、本実施形態を参照することで、充填剤収容凹部95
bを駆動軸16の外周面16a或いはトルクリミッタ6
4,91の内周面64c,91aの少なくとも一方に形
成し、充填剤収容凹部95bにグリース96を充填して
おく別例が考えられる。このようにすれば、第1及び第
2実施形態においても本実施形態の前記(1)と同様な
作用・効果の他、金属面である駆動軸16の外周面16
aの防錆も期待できる。
は、本実施形態を参照することで、充填剤収容凹部95
bを駆動軸16の外周面16a或いはトルクリミッタ6
4,91の内周面64c,91aの少なくとも一方に形
成し、充填剤収容凹部95bにグリース96を充填して
おく別例が考えられる。このようにすれば、第1及び第
2実施形態においても本実施形態の前記(1)と同様な
作用・効果の他、金属面である駆動軸16の外周面16
aの防錆も期待できる。
【0064】ところが、充填剤収容凹部95bをトルク
リミッタ64,91の内周面64c,91aに直接形成
しようとすると、加工工具を狭い円筒内空間に挿入しな
くてはならず、その加工作業が面倒となる。また、充填
剤収容凹部95bを駆動軸16の外周面16aに直接形
成しようとすると、後加工とせざるを得ず駆動軸16の
加工工程数が増える。
リミッタ64,91の内周面64c,91aに直接形成
しようとすると、加工工具を狭い円筒内空間に挿入しな
くてはならず、その加工作業が面倒となる。また、充填
剤収容凹部95bを駆動軸16の外周面16aに直接形
成しようとすると、後加工とせざるを得ず駆動軸16の
加工工程数が増える。
【0065】しかし、本実施形態において充填剤収容凹
部95bはスリーブ95に形成され、しかも、充填剤収
容凹部95bはスリーブ95の駆動軸16に対するイン
サート成形と同時に形成される。従って、充填剤収容凹
部95bを簡単かつ加工工程数増なしに設けることが可
能となる。
部95bはスリーブ95に形成され、しかも、充填剤収
容凹部95bはスリーブ95の駆動軸16に対するイン
サート成形と同時に形成される。従って、充填剤収容凹
部95bを簡単かつ加工工程数増なしに設けることが可
能となる。
【0066】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲
で、以下の態様でも実施できる。 (1)上記実施形態においてトルクリミッタ64,91
は、プーリ19に係止されるとともに駆動軸16に対し
て摩擦接触され、圧縮機側の負荷トルクが過大となった
場合には、駆動軸16との間で滑りを生じさせる構成で
あった。これを変更し、トルクリミッタ64,91を駆
動軸16に係止させるとともにプーリ19に対して摩擦
接触させ、圧縮機側の負荷トルクが過大となった場合に
は、プーリ19との間で滑りを生じさせる構成とするこ
と。
で、以下の態様でも実施できる。 (1)上記実施形態においてトルクリミッタ64,91
は、プーリ19に係止されるとともに駆動軸16に対し
て摩擦接触され、圧縮機側の負荷トルクが過大となった
場合には、駆動軸16との間で滑りを生じさせる構成で
あった。これを変更し、トルクリミッタ64,91を駆
動軸16に係止させるとともにプーリ19に対して摩擦
接触させ、圧縮機側の負荷トルクが過大となった場合に
は、プーリ19との間で滑りを生じさせる構成とするこ
と。
【0067】(2)上記第3実施形態において、スリー
ブを駆動軸16ではなくトルクリミッタ64の内周面6
4cに固定し、スリーブの内周面をトルクリミッタ64
側の円筒面とすること。
ブを駆動軸16ではなくトルクリミッタ64の内周面6
4cに固定し、スリーブの内周面をトルクリミッタ64
側の円筒面とすること。
【0068】(3)上記第3実施形態において、充填剤
をグリースに代えて吸湿剤としてのシリカゲルとするこ
と。このようにすれば、シリカゲルがその周囲の湿気を
吸収し、金属面である内周面64c付近を乾燥雰囲気に
できる。従って、湿気に基づく錆が内周面64cに生じ
ることを防止できる。
をグリースに代えて吸湿剤としてのシリカゲルとするこ
と。このようにすれば、シリカゲルがその周囲の湿気を
吸収し、金属面である内周面64c付近を乾燥雰囲気に
できる。従って、湿気に基づく錆が内周面64cに生じ
ることを防止できる。
【0069】(4)上記第3実施形態において、スリー
ブ95をポリアミド樹脂に代えて、摩擦熱により溶融し
なく摩耗により締め代が消失する材料、例えば、ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹
脂等を選定しても良い。
ブ95をポリアミド樹脂に代えて、摩擦熱により溶融し
なく摩耗により締め代が消失する材料、例えば、ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹
脂等を選定しても良い。
【0070】(5)上記実施形態においては、本発明の
動力伝達構造を車両空調用のクラッチレス圧縮機に適用
した例を示したが、これを他の車両用補機として、例え
ば、オルタネータ、冷却ファン、パワーステアリング装
置の油圧ポンプ等に適用しても良い。また、本発明は、
車両用補機に限定されるものではなく、駆動源と機器と
の間に用いられるあらゆる動力伝達構造に具体化しても
良い。
動力伝達構造を車両空調用のクラッチレス圧縮機に適用
した例を示したが、これを他の車両用補機として、例え
ば、オルタネータ、冷却ファン、パワーステアリング装
置の油圧ポンプ等に適用しても良い。また、本発明は、
車両用補機に限定されるものではなく、駆動源と機器と
の間に用いられるあらゆる動力伝達構造に具体化しても
良い。
【0071】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載すると、前記機器は車両に搭載され、駆動源
としての車両エンジン18により駆動される車両用補機
である請求項1〜8のいずれかに記載の動力伝達構造。
ついて記載すると、前記機器は車両に搭載され、駆動源
としての車両エンジン18により駆動される車両用補機
である請求項1〜8のいずれかに記載の動力伝達構造。
【0072】このようにすれば、車両用補機側に生じた
過大な負荷トルクの影響が車両エンジン18側に波及す
ることがなく、車両エンジン18のエンジンストール等
を防止できる。
過大な負荷トルクの影響が車両エンジン18側に波及す
ることがなく、車両エンジン18のエンジンストール等
を防止できる。
【0073】
【発明の効果】上記構成の請求項1の発明によれば、ト
ルクリミッタのリミット値を精度良く設定してその動作
を安定させることが可能となる。トルクリミッタの円筒
面と他方の回転体との円筒面との間の摩擦係数が安定さ
れ、リミット値にずれが生じることを防止できる。
ルクリミッタのリミット値を精度良く設定してその動作
を安定させることが可能となる。トルクリミッタの円筒
面と他方の回転体との円筒面との間の摩擦係数が安定さ
れ、リミット値にずれが生じることを防止できる。
【0074】請求項2の発明によれば、リミット値を高
く設定することが可能となり、ミット値の設定可能範囲
が広がって、トルクリミッタの適用の自由度が増す。請
求項3、7及び8の発明によれば、錆が金属面に生じ
ず、トルクリミッタの円筒面と他方の回転体の円筒面と
の間の摩擦係数が変化されないため、トルクリミッタの
リミット値のずれを防止できる。
く設定することが可能となり、ミット値の設定可能範囲
が広がって、トルクリミッタの適用の自由度が増す。請
求項3、7及び8の発明によれば、錆が金属面に生じ
ず、トルクリミッタの円筒面と他方の回転体の円筒面と
の間の摩擦係数が変化されないため、トルクリミッタの
リミット値のずれを防止できる。
【0075】請求項4及び5の発明によれば、機器故障
時等における駆動源の動力損失を低減できる。請求項6
の発明によれば、充填剤収容凹部を簡単かつ加工工程数
増なしに設けることが可能となる。
時等における駆動源の動力損失を低減できる。請求項6
の発明によれば、充填剤収容凹部を簡単かつ加工工程数
増なしに設けることが可能となる。
【図1】 クラッチレスタイプの可変容量型圧縮機の縦
断面図。
断面図。
【図2】 トルクリミッタ周辺の構成を示す分解斜視
図。
図。
【図3】 第2実施形態のトルクリミッタ周辺の構成を
示す分解斜視図。
示す分解斜視図。
【図4】 トルクリミッタを分解して示す側面図。
【図5】 第3実施形態を示す、圧縮機の要部拡大断面
図。
図。
【図6】 トルクリミッタ周辺の構成を示す分解斜視
図。
図。
16…被動側回転体及び他方の回転体としての駆動軸、
16a…円筒面としての外周面、18…駆動源としての
車両エンジン、19…駆動側回転体及び一方の回転体と
してのプーリ、64…トルクリミッタ、64a…円筒
体、64b…スリット、64c…円筒面としての内周
面。
16a…円筒面としての外周面、18…駆動源としての
車両エンジン、19…駆動側回転体及び一方の回転体と
してのプーリ、64…トルクリミッタ、64a…円筒
体、64b…スリット、64c…円筒面としての内周
面。
Claims (8)
- 【請求項1】 駆動源側である駆動側回転体と、駆動源
により駆動される機器側である従動側回転体と、駆動側
回転体と従動側回転体との間に介在され、機器側に生じ
た過大な負荷トルクの影響が駆動源側に波及するのを防
止するためのトルクリミッタとを備えた動力伝達構造に
おいて、 前記トルクリミッタは、弾性材よりなる円筒体において
その周壁の円環状を一部で離断するようにしてスリット
が形成されてなり、トルクリミッタは駆動側回転体或い
は従動側回転体の一方に対して相対回転不能に係止され
るとともに、円筒面を以って他方の回転体の軸線周りに
形成された円筒面に摩擦接触されており、機器側に生じ
た過大な負荷トルクによってトルクリミッタが拡径或い
は縮径することで、トルクリミッタの円筒面と他方の回
転体の円筒面との間に滑りが生じるように構成された動
力伝達構造。 - 【請求項2】 前記トルクリミッタは、周壁の円環状が
スリットにより一部で離断された円筒体を同軸上に複数
個直列に配置してなり、隣接する円筒体は互いのスリッ
トの軸線周りでの位相をずらした状態で連結されている
請求項1に記載の動力伝達構造。 - 【請求項3】 前記トルクリミッタ或いは他方の回転体
の少なくとも一方の円筒面は金属面であって、トルクリ
ミッタ或いは他方の回転体の少なくとも一方の円筒面に
は充填剤収容凹部が凹設され、充填剤収容凹部には金属
面の防錆作用を奏する充填剤が収容されている請求項1
又は2に記載の動力伝達構造。 - 【請求項4】 前記トルクリミッタ或いは他方の回転体
には円筒状をなすスリーブが固定され、スリーブの円筒
面がそれを固定支持するトルクリミッタ側の円筒面或い
は他方の回転体側の円筒面を構成する請求項1〜3のい
ずれかに記載の動力伝達構造。 - 【請求項5】 前記スリーブは樹脂よりなる請求項4に
記載の動力伝達構造。 - 【請求項6】 前記充填剤収容凹部はスリーブに凹設さ
れている請求項4又は5に記載の動力伝達構造。 - 【請求項7】 前記充填剤は油脂よりなる請求項3〜6
のいずれかに記載の動力伝達構造。 - 【請求項8】 前記充填剤は吸湿剤よりなる請求項3〜
6のいずれかに記載の動力伝達構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19998797A JPH1137172A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 動力伝達構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19998797A JPH1137172A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 動力伝達構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1137172A true JPH1137172A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16416914
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19998797A Pending JPH1137172A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 動力伝達構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1137172A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009264445A (ja) * | 2008-04-23 | 2009-11-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機 |
| JP2018040419A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | スズキ株式会社 | 自動二輪車のトルクリミッタ機構 |
-
1997
- 1997-07-25 JP JP19998797A patent/JPH1137172A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009264445A (ja) * | 2008-04-23 | 2009-11-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 軸継手付太陽ローラを備えた遊星ローラ減速機 |
| JP2018040419A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | スズキ株式会社 | 自動二輪車のトルクリミッタ機構 |
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