JPH113778A - アーク炉における溶解進捗状況の判定方法 - Google Patents

アーク炉における溶解進捗状況の判定方法

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JPH113778A JP15475797A JP15475797A JPH113778A JP H113778 A JPH113778 A JP H113778A JP 15475797 A JP15475797 A JP 15475797A JP 15475797 A JP15475797 A JP 15475797A JP H113778 A JPH113778 A JP H113778A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保守が容易でかつ炉内の発生スプラッシュや
燃焼ガスの影響を受けることなく、特に溶解後期から精
錬期に移行する期間の溶解進捗状況の判定方法を提供す
る。 【解決手段】 アーク炉10の炉殻外壁面に振動センサ
11を取り付け、アーク5から発生し炉殻1に伝わる炉
体振動を検出し、その振動レベルが設定レベル以下に低
下した時溶解後期から精錬期への移行時期と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップ、直
接還元鉄等冷鉄源を溶解し、溶鋼を製造するアーク炉に
おいて、炉内の冷鉄源の溶解の進捗状況を判定する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、資源および環境問題から発生量の
多い鉄鋼スクラップをアーク炉を用いて溶解するプロセ
スが増えている。このアーク炉では、スクラップの溶解
に多くの電力を消費するため、炉内の状況を把握して、
状況に適した電圧や電流の設定に切り換え、電力の利用
効率を向上することが望まれている。特に重要な時期は
ロングアークからショートアークに切り換えるべき溶解
期後期とそれに続く精錬期への移行タイミングであり、
溶解期後期から精錬期に移行するタイミングを正確に判
定することが重要である。このためには、炉内の材料の
溶解進捗状況を的確に把握する必要がある。この溶解進
捗状況を把握するために、従来は投入電力量が所定量に
達した時点で目視により炉内を観察する方法がとられて
いたが、アーク発生中は発塵や炎により観察が難しく、
またスクラップの材質などで溶解の進行度が異なるため
に何度もチェックする必要が生じるなどの問題があっ
た。
【0003】また、この目視以外には、 (イ)アーク電圧および電流の変化またはそれらの要素
からインピーダンスを演算し、その変化の推移によって
判定する方法 (ロ)電極の位置または単位時間当たりの変化量の推移
により判定する方法 (ハ)炉体を冷却する冷却水の出口温度の推移により判
定する方法 (ニ)炉蓋に光センサーを配置し、炉内の溶鋼からの輻
射光を検出することにより判定する方法(特公平6−5
0674号) などが実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
の方法では以下のような問題があった。 (イ)および(ロ)の方法は、アークが溶解前の材料に
対して発生している場合には、変化が見られるが、溶解
が進みアークが溶鋼に対して発生するようになると信号
に変化が見られない。このため、最も重要な溶解期から
精錬期に移行する溶解後期の状況を評価できない。 (ハ)の方法は、炉体内壁にアークや送酸ランスにより
発生した溶鋼のスプラッシュが堆積し、地金層を形成す
ると断熱効果が現れ正しく検出できない。この地金層は
一定しておらず、従って同一条件で評価ができないため
適用が困難である。加えて、送酸ランスからの酸素が内
壁に当たったり、炉内の燃焼ガスの流れの影響がさらに
誤差を与えてしまう。 (ニ)の方法は、炉内の発塵による影響や燃焼による炎
の影響があり、また、発光穴をスプラッシュが塞ぎやす
いので保守に手間がかかるといった問題があった。
【0005】本発明は、従来のアーク炉における溶解進
捗状況の判定方法を改善し、保守が容易でかつ炉内の発
生スプラッシュや燃焼ガスの影響を受けることなく、特
に溶解後期から精錬期に移行する期間の溶解進捗状況の
判定方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアーク炉に
おける溶解進捗状況の判定方法は、アーク炉の側壁外面
に振動センサを取り付け、該振動センサにより材料の溶
解中発生する炉体振動を検出し、その振動レベルの変化
により溶解の進行度を判定することを特徴とするもので
ある。
【0007】加熱源であるアークが発する強力な雷鳴音
に伴って発生する振動は、炉壁の前面に存在する残存ス
クラップ等の材料に伝えられ、さらに炉殻へと伝達され
る。そして、その振動レベルは溶解が進み、残存材料が
少なくなると低下する。そこで、本発明においては、ア
ーク炉の炉殻の外壁面または柱に、好ましくは溶鋼上面
レベル付近の側壁外面に振動センサを取り付け、振動セ
ンサにより炉殻に伝わる炉体振動を検出する。そして、
検出された振動レベルにより残存材料の量を評価すると
ともに溶解の進行度を評価し、振動レベルが低下したこ
とにより溶解の進行度並びに精錬期への移行時期を判定
する。また、本発明においては、炉内に吹き込まれる酸
素のジェット音等による振動を除外するために、フィル
タを付加して振動の発生源であるアーク固有の振動に着
目する。すなわち、振動センサの出力をフィルタを通す
ことによりアークの固有振動数を含む特定の周波数帯域
の信号として溶解進行度の判定に用いる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の方法に使用する溶
解進捗状況判定装置の構成図である。図1において、1
はアーク炉10の炉殻、2は炉蓋、3は黒鉛電極であ
り、黒鉛電極3に通電することにより炉内のスクラップ
4または溶鋼6の間にアーク5が発生し、そのアーク熱
でスクラップ4を溶解して溶鋼6およびスラグ7が製造
される。この熱源であるアーク5が発する強力な雷鳴音
に伴い炉殻2に伝えられる炉体振動を検出するために、
振動センサ11を溶鋼上面レベルの付近で炉殻外壁面に
取り付け、振動センサ11の出力信号をアンプ12で増
幅し、さらに特定の周波数帯域のみを通すフィルタ13
を経て振動計測器14に入力し、変換器(図示せず)で
振動レベルに変換する。この振動レベルの変化および振
動レベルの低下に応じて溶解が進んだことをチャート表
示器15に表示するとともに、溶解進行度評価装置16
で溶解進捗状況がどの段階であるかを判定する。ここで
は特に重要な溶解期後期から精錬期への移行時期を判定
するための基準値が設定されており、その設定レベル以
下に振動レベルが低下すると、評価装置16は電圧・電
流設定装置17に設定変更信号を送る。この設定変更信
号に基づいて、電極昇降制御装置18およびアーク電流
制御装置19がそれぞれ制御され、アーク電圧を下げ電
流を増加させてショートアークに切り換えていくなど、
炉内状況にあった電圧・電流の設定変更が行われる。ま
た、精錬期への移行タイミングの出力によりスラグへの
炭粉の吹き込みや溶鋼への酸素の吹き込みが開始され
る。
【0009】したがって、本発明によれば、特に重要
な、溶解期後期の低電圧・大電流のショートアークへの
移行時期を的確に把握することができ、また振動センサ
が炉殻の外側に配置されているので、スプラッシュや火
炎などによるトラブルが発生せず、保守上の問題がな
い。また、溶鋼上面レベルでは地金付着がほとんどない
ので、これらの影響がなく、残存する冷鉄源の量に応じ
た振動が再現性良く検出できるので、溶解の進行度に従
った適切なアークの設定や酸素および炭粉の吹き込みが
可能となり、溶解効率が向上する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。 実施例1.アーク炉(炉径;7200mm、高さ;60
00mm)にスクラップ150tを装入し、30インチ
の黒鉛電極により、最大750V、120kAの電源容
量で溶解した。また、炉側壁に設けた作業口より、水冷
酸素ランスから6000Nm3 /hrの送酸をした。炉
内に溶湯が溜まってきたら80kg/minで炭粉をス
ラグ中に吹き込み精錬を行った。この炉殻の外側で、高
さが溶解終了時点での溶鋼上面の付近に、振動センサを
取り付けて炉殻の振動を検出した。これを受信器、変換
器を通して、振動レベルを計測しチャートにしたものが
図2である。このチャートから分かるように、溶解後期
に炉壁前のスクラップが少なくなるにつれて、振動レベ
ルが低下する。そこで、80dBまで下がったところ
で、設定電圧を下げ、600Vとし電流を130kAに
増加した。さらに70dBまで下がったところで炭粉を
スラグ中に、また酸素を溶鋼中に吹き込むようにした。
この時電圧は550Vに設定した。また、他にスクラッ
プの送入量が120tと少ないヒートで試験した結果、
やはり振動レベルが80dB以下に低下するタイミング
はおおよそ150t装入した場合より2割強早くなっ
た。この結果、炉殻振動レベルが非常に良く溶解の進行
度に対応していることが分かった。
【0011】以上のように、振動レベルに基づく溶解進
捗状況の把握により、ショートアークへの切り換えや精
錬期への移行タイミングを適切に行えるようになったこ
とにより、それまでの一定電力量に達すると切り換える
パターン制御による操業と比較すると、10〜20kW
h/tの電力原単位の向上が見られた。さらに、粉塵や
火炎、スプラッシュによるトラブルも皆無であり、保守
上も全く問題がないことが分かった。
【0012】実施例2.上記の溶解炉において、振動セ
ンサを2kHz以上の高周波領域に対しても感度の良い
ものとし、検出周波数帯域を変えて観察した結果、50
0Hz付近の信号が最も良く溶解の進行度をとらえてい
ることが分かった。1kHz以上の高い周波数領域の信
号は現れにくいのに加えて、酸素ランスのジェット音の
影響が現れる。また、低い周波数では電極の昇降系や炉
に付帯する設備の動きによる振動が重畳する。従って、
アークパワーの小さい炉においてはこれらの振動を除去
するために、アーク固有の周波数付近でバンドパスフィ
ルターを受信器の前に設けることが有効である。アーク
固有の周波数は100Hz〜500Hz程度の範囲にあ
り、特に交流アーク炉では商用周波数の2倍または6倍
を中心に選ぶと良い。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アーク炉の側壁外面に振動センサを取り付け、溶解中の
アークから発生し炉殻に伝達する炉体振動を検出するも
のであるから、保守が容易でかつ炉内の発生スプラッシ
ュや燃焼ガスの影響を受けることがなく、またその振動
センサにより検出される炉体振動の振動レベルは、特に
重要である溶解後期から精錬期にかけての炉内スクラッ
プ残存状況を的確に示しており、ショートアークへの切
り換えや精錬期への移行タイミングを適正に行うことが
できる。この結果、溶解後期の無駄な電力が抑制でき電
力原単位が低減されるとともに炉壁耐火物の損傷も減ら
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用する溶解進捗状況判定装置
の構成図である。
【図2】実施例における振動レベルの計測結果を示す図
である。
【符号の説明】
1 炉殻 2 炉蓋 3 黒鉛電極 4 スクラップ 5 アーク 6 溶鋼 7 スラグ 10 アーク炉 11 振動センサ 12 アンプ 13 フィルタ 14 振動計測器 15 チャート表示器 16 溶解進行度評価装置 17 電圧・電流設定装置 18 電極昇降制御装置 19 アーク電流制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷尾 憲 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク炉の側壁外面に振動センサを取り
    付け、該振動センサにより材料の溶解中発生する炉体振
    動を検出し、その振動レベルの変化により溶解の進行度
    を判定することを特徴とするアーク炉における溶解進捗
    状況の判定方法。
  2. 【請求項2】 前記炉体振動の振動レベルが所定値以下
    になった時に溶解後期から精錬期への移行時期と判定す
    ることを特徴とする請求項1記載のアーク炉における溶
    解進捗状況の判定方法。
  3. 【請求項3】 前記振動センサの出力をフィルタを通す
    ことによりアークの固有振動数を含む特定の周波数帯域
    の信号として溶解進行度の判定に用いることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載のアーク炉における溶解
    進捗状況の判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009503419A (ja) * 2005-07-22 2009-01-29 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト アーク炉の状態量を算定するための方法とアーク炉
JP2020046155A (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 大同特殊鋼株式会社 溶解判定補助装置および溶解判定補助方法
CN111044699A (zh) * 2018-10-12 2020-04-21 莱芜钢铁集团电子有限公司 一种废钢熔清的判断方法、装置和系统
CN116147370A (zh) * 2023-01-04 2023-05-23 盾石磁能科技有限责任公司 交流电弧炉冶炼设备的控制方法及相关装置

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