JP2023092002A - 滓化判定方法および滓化判定装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023092002000001
【課題】製錬の際にフラックスの滓化完了を確実に判定して、品質異常や無駄な電力消費等を生じることなく工程移行を行うことができる滓化判定装置および滓化判定方法を提供する。
【解決手段】交流電流によりアーク加熱を行って溶鋼を精錬する製錬炉のフラックスの滓化を判定する滓化判定装置20は、溶鋼加熱中の交流電流値を取り込み周波数解析する手段(11,12)と、周波数解析により得られた周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度に基づいて滓化判定する手段(13,14)とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アーク加熱精錬においてフラックスの滓化を判定する滓化判定方法および滓化判定装置に関する。
アーク加熱取鍋精錬法における溶鋼の脱硫プロセスは、滓化期、脱硫期、仕上げ期に分けられ、滓化期では投入したフラックス(主にCaO、Al)を滓化させる必要がある。滓化完了後、脱硫期に移り、溶鋼の攪拌力を強めることで効率的に脱硫を行うことができる。強攪拌への移行は、滓化完了を確認して行うが、加熱中に炉内を観察することは困難であるため、従来は、炉内発生音や発塵量等、聴覚や視覚情報をもとに感覚で判断している。しかし、感覚による判断はバラつきが大きく正確性に欠ける。滓化不良は品質異常につながり、滓化不良とならないよう加熱時間を長めに確保すると、無駄な電力消費につながる。
そこで、例えば特許文献1では、炉内発生音の高周波数の音圧が低下し、安定した時をフラックスの滓化と判定する方法が提案されている。
特開平3-64412号公報
従来の、炉内発生音の音圧変化によって滓化を判定する方法では、周囲で騒音が発生した際に区別が困難であり、誤検知のリスクが高いという問題があった。
そこで、本発明は、アーク加熱精錬の際にフラックスの滓化完了を確実に判定して、品質異常や無駄な電力消費等を生じることなく工程移行を行うことができる滓化判定装置および滓化判定方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は以下の[1]~[6]を提供する。
[1]交流電流によりアーク加熱を行って溶鋼を精錬する製錬炉のフラックスの滓化を判定する滓化判定装置であって、
溶鋼加熱中の交流電流値を取り込み周波数解析する手段と、
周波数解析により得られた周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度に基づいて滓化判定する手段と、
を有する、滓化判定装置。
[2]前記滓化判定する手段は、前記周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度が閾値以下である状態が一定時間以上持続したことをもってフラックスの滓化が完了したと判定する、[1]に記載の滓化判定装置。
[3]前記低周波の周波数は0~(電源周波数-10Hz)の領域である、[1]または[2]に記載の滓化判定装置。
[4]交流電流によりアーク加熱を行って溶鋼を精錬する製錬炉のフラックスの滓化を判定する滓化判定方法であって、
溶鋼加熱中の交流電流値を取り込み周波数解析するステップと、
周波数解析により得られた周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度に基づいて滓化判定するステップと、
を有する、滓化判定方法。
[5]前記滓化判定するステップは、前記周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度が閾値以下である状態が一定時間以上持続したことをもってフラックスの滓化が完了したと判定する、[4]に記載の滓化判定方法。
[6]前記低周波の周波数は0~(電源周波数-10Hz)の領域である、[4]または[5]に記載の滓化判定方法。
本発明によれば、製錬の際にフラックスの滓化完了を確実に判定して、品質異常や無駄な電力消費等を生じることなく工程移行を行うことができる滓化判定装置および滓化方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る滓化判定装置を用いたアーク加熱取鍋精錬設備を示す概略構成図である。 図1の滓化判定装置を用いた滓化判定方法の流れを示すフローチャートである。 フラックスの滓化期における電流に対する周波数解析結果を示すマップである。 周波数解析により得られた周波数-強度信号からバンドパスフィルタにより0~50Hzの低周波成分を抽出し、電流レベルの大きさの時間変化を示した波形図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<経緯および概要>
上記課題を解決するために、アーク加熱を行う取鍋製錬炉の炉内発生音の発生源である交流電流に着目した。その結果、溶鋼加熱中の交流電流値を測定して、周波数を解析すると、電源周波数の倍数の周波数の強度が、それ以外の周波数の強度に比して高くなること、および、フラックスの滓化が進行すると電源周波数の倍数以外の周波数の強度が低下して電源周波数の倍数の周波数の強度が高くなる傾向がより明確になること、この傾向は、特に0~300Hz程度の低周波の周波数において顕著となることが見出された。
本発明は、このような知見に基づき、溶鋼加熱中の交流電流値を周波数解析して得られた周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数おける信号成分の強度に基づいて、フラックスの滓化判定を行うものである。
<取鍋精錬設備>
図1は、一実施形態に係るフラックスの滓化判定装置を備えた取鍋製錬設備を示す概略構成図である。
取鍋製錬設備100は、転炉精錬後の二次精錬として脱硫のためのアーク加熱取鍋製錬を行うものであり、取鍋製錬炉10と、滓化判定装置20とを有する。
取鍋製錬炉10は、溶鋼1を貯留する取鍋2を有する。取鍋2の上部開口は蓋体9で閉塞されている。溶鋼1の表面はスラグ4で覆われており、スラグ4には脱硫のためのフラックス3が投入される。フラックス3はCaO、Alを主成分とするものである。
取鍋2内には蓋体9の上方から垂直に3本のアーク電極7が挿入され、アーク電極7の先端はスラグ4内に挿入されている。アーク電極7には交流電源30から給電され、スラグ4中のアーク電極7の先端と溶鋼1との間にアーク8が形成される。
溶鋼1には上方から蓋体9を介して不活性ガス吹き込み用ランス5が挿入される。不活性ガス吹き込み用ランス5はその先端から溶鋼1中にArガスのような不活性ガス6を吹き込み、溶鋼1を攪拌する。
滓化判定装置20は、電流サンプリング部(電流取得部)11と、周波数解析部12と、低周波信号成分強度抽出部13と、滓化判定部14とを有する。
電流サンプリング部11は、電流センサ15により検知した溶鋼加熱のために通電中のアーク電流値(交流電流値)をサンプリング(取得)する。周波数解析部12は、サンプリングした電流値を周波数解析する。低周波信号成分抽出部13は、周波数解析により得られた周波数-強度信号から、例えばバンドパスフィルタにより、電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度を抽出する。滓化判定部14は、低周波信号成分抽出部13で抽出された信号成分の強度に基づいて、フラックスの滓化判定を行う。
上記の電流サンプリング部11と周波数解析部12は、溶鋼加熱中の交流電流値を取り込み周波数解析する手段を構成し、低周波信号成分抽出部13と滓化判定部14は、周波数解析により得られた周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度に基づいて滓化判定する手段を構成する。
以上のように構成される取鍋精錬設備100においては、商用電源(交流電源)30からアーク電極7に給電することによりアーク8を形成し、その際に発生する熱により溶鋼1を加熱する。そして、不活性ガス吹き込み用ランス5による不活性ガスの吹き込みにより溶鋼1を攪拌する。これにより溶鋼1の脱硫プロセスが行われる。
脱硫プロセスは、滓化期、脱硫期、仕上げ期に分けられ、滓化期では投入したフラックス3を滓化させる。滓化完了後、脱硫期に移り、溶鋼の攪拌力を強めることで効率的に脱硫を行うことができる。強攪拌への移行は、滓化完了を確認して行う必要がある。
このため、本実施形態では、滓化判定装置20により滓化完了の判定を行う。滓化判定装置20における処理の流れを図2に示す。
まず、電流サンプリング部(電流取得部)11で、電流センサ14により検知した溶鋼加熱中のアーク電流値(交流電流値)をサンプリング(取得)する(ステップST1)。次いで、周波数解析部12で、電流サンプリング部11でサンプリングされた電流信号の周波数解析を行う(ステップST2)。次いで、低周波信号成分抽出部13で、周波数解析により得られた周波数-強度信号から電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度を抽出する(ステップST3)。次いで、滓化判定部14で、低周波信号成分抽出部13で抽出された信号成分の強度に基づいてフラックスの滓化判定を行う(ステップST4)。
上記のステップST1とステップST2は、溶鋼加熱中の交流電流値を取り込み周波数解析するステップを構成し、ステップST3とステップST4は、周波数解析により得られた周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度に基づいて滓化判定するステップを構成する。
溶鋼加熱のための交流電流値の周波数解析を実施すると、電源周波数(東日本:50Hz、西日本:60Hz)の倍数の強度が、それ以外の周波数の強度に比して高くなるが、フラックスの滓化が進行すると電源周波数の倍数以外の周波数の強度が低下して電源周波数の倍数の周波数の強度が高くなる傾向がより明確になる。この傾向は、特に0~300Hz程度の低周波数領域において顕著である。
そこで、本実施形態では、例えばバンドパスフィルタにより、周波数解析によって得られた周波数-強度信号から、電源周波数の倍数でない低周波の周波数(例えば0~(電源周波数-10Hz))における信号成分の強度を抽出する。この信号成分の強度は滓化の進行により低くなるから、その信号成分の強度に基づいてフラックスの滓化判定を行うことができる。例えば、電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度の閾値を定め、その強度が閾値以下である状態が一定時間以上(例えば30秒以上)持続したことをもってフラックスの滓化が完了したと判定することができる。
図3は、横軸に時間をとり、縦軸に周波数をとって、滓化期における交流電流に対する周波数解析結果をマップで示したものである。図3は西日本におけるデータであり、電源周波数である60Hzが特に大きく、その倍数成分(特に奇数倍)も強く表れていることが分かる。また図3より、未滓化状態である加熱初期では広い周波数域にわたって電流レベルが大きくなっており、未溶解の石灰や合金によりアークが乱れる様子を示していると考えられる。一方、滓化することにより、電源周波数の倍数(電源周波数も含む)でない周波数の電流レベルが低下することがわかる。
図4は、図3にて60Hzの倍数成分を避けた低周波成分(特に0~300Hz程度の低周波領域)で変化が大きいことに着目し、周波数解析により得られた周波数-強度信号からバンドパスフィルタにより0~(電源周波数-10Hz)である0~50Hzの低周波成分を抽出し、電流レベルの大きさの時間変化を示した波形図である。ここでは、10秒間の移動平均処理をしたものを太い実線で示している。抽出した電流成分の信号が小さくなったタイミングと、オペレータが滓化完了したと判断したタイミングは一致しており、本実施形態の電源周波数の倍数でない低周波の周波数(例えば0~(電源周波数-10Hz))における信号成分の強度を抽出し、その信号成分の強度に基づいてフラックスの滓化判定を行う方法が有効であることが確認される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらはあくまで例示に過ぎず、制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
例えば、上記実施形態では、取鍋製錬炉に本発明を適用した例を示したが、これに限るものではない。
1 金属板
2 取鍋
3 フラックス
4 スラグ
5 不活性ガス吹き込みランス
6 不活性ガス
7 アーク電極
8 アーク
9 蓋体
10 取鍋製錬炉
11 電流サンプリング部
12 周波数解析部
13 低周波信号成分抽出部
14 滓化判定部
20 滓化判定装置
30 商用電源(交流電源)
100 取鍋製錬設備

Claims (6)

  1. 交流電流によりアーク加熱を行って溶鋼を精錬する製錬炉のフラックスの滓化を判定する滓化判定装置であって、
    溶鋼加熱中の交流電流値を取り込み周波数解析する手段と、
    周波数解析により得られた周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度に基づいて滓化判定する手段と、
    を有する、滓化判定装置。
  2. 前記滓化判定する手段は、前記周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度が閾値以下である状態が一定時間以上持続したことをもってフラックスの滓化が完了したと判定する、請求項1に記載の滓化判定装置。
  3. 前記低周波の周波数は0~(電源周波数-10Hz)の領域である、請求項1または請求項2に記載の滓化判定装置。
  4. 交流電流によりアーク加熱を行って溶鋼を精錬する製錬炉のフラックスの滓化を判定する滓化判定方法であって、
    溶鋼加熱中の交流電流値を取り込み周波数解析するステップと、
    周波数解析により得られた周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度に基づいて滓化判定するステップと、
    を有する、滓化判定方法。
  5. 前記滓化判定するステップは、前記周波数-強度信号のうち電源周波数の倍数でない低周波の周波数における信号成分の強度が閾値以下である状態が一定時間以上持続したことをもってフラックスの滓化が完了したと判定する、請求項4に記載の滓化判定方法。
  6. 前記低周波の周波数は0~(電源周波数-10Hz)の領域である、請求項4または請求項5に記載の滓化判定方法。
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