JPH1140197A - 高分子電解質電池 - Google Patents

高分子電解質電池

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JPH1140197A
JPH1140197A JP9198029A JP19802997A JPH1140197A JP H1140197 A JPH1140197 A JP H1140197A JP 9198029 A JP9198029 A JP 9198029A JP 19802997 A JP19802997 A JP 19802997A JP H1140197 A JPH1140197 A JP H1140197A
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polymer
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誠 上杉
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正久 藤本
Toshiyuki Noma
俊之 能間
Koji Nishio
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子電解質を空孔中に充填させた微多孔膜
を正極と負極との間に設けた高分子電解質電池におい
て、充放電によって正極や負極が体積変化する場合に
も、この体積変化が上記の微多孔膜によって抑制される
のを少なくし、十分な充放電容量を有すると共に、サイ
クル特性にも優れた高分子電解質電池を提供する。 【構成】 高分子電解質を空孔中に充填させた微多孔膜
3が正極1と負極2との間に設けられた高分子電解質電
池において、空孔率が80%以上の微多孔膜を用いると
共に、この微多孔膜の空孔に対して、上記の高分子電解
質を体積比で20〜90%の範囲で充填させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高分子電解質を
空孔中に充填させた微多孔膜が正極と負極との間に設け
られた高分子電解質電池に係り、特に、充放電によって
正極や負極が体積変化する場合に、この体積変化を抑制
することなく、充放電が十分に行なえるようにした高分
子電解質電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電池における電解質として
は、一般に水系或は非水系の電解液が使用されていた
が、近年、このような液体の電解質に代えて、高分子で
構成された高分子電解質を用いた高分子電解質電池が注
目されるようになった。
【0003】すなわち、このように高分子電解質を用い
た高分子電解質電池においては、電解液を使用したもの
に比べて、漏液の心配や腐食の問題も少なく、また電池
の構造が簡単で、その組立ても容易になる等の利点があ
った。
【0004】ここで、このような高分子電解質電池にお
いては、高分子中にリチウム塩等の溶質を含有させた高
分子電解質や、高分子中にリチウム塩に溶媒を加えた電
解液を含有させた高分子電解質を、正極と負極の間に設
けるようにしたものの他に、上記のような高分子電解質
を微多孔膜の空孔中に充填させ、この微多孔膜を正極と
負極との間に設けるようにしたものが存在した。
【0005】ここで、上記のように高分子電解質を微多
孔膜の空孔中に充填させて、この微多孔膜を正極と負極
との間に設けた高分子電解質電池において、充放電によ
って上記の正極や負極が体積変化する場合、この体積変
化が上記の高分子電解質を充填させた微多孔膜によって
抑制され、正極や負極へのリチウムイオン等の吸蔵が十
分に行なわれなくなり、この高分子電解質電池における
充放電容量が低下したり、サイクル特性が劣化するとい
う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、高分子電
解質を空孔中に充填させた微多孔膜を正極と負極との間
に設けた高分子電解質電池における上記のような問題を
解決することを課題とするものであり、充放電によって
正極や負極が体積変化する場合において、この正極や負
極における体積変化が、高分子電解質を空孔中に充填さ
せた上記の微多孔膜によって抑制されるのを少なくし、
十分な充放電容量を有すると共に、サイクル特性にも優
れた高分子電解質電池が得られるようにすることを課題
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
ける高分子電解質電池においては、上記のような課題を
解決するため、高分子電解質を空孔中に充填させた微多
孔膜が正極と負極との間に設けられてなる高分子電解質
電池において、空孔率が80%以上の微多孔膜を用いる
と共に、この微多孔膜の空孔に対して、上記の高分子電
解質を体積比で20〜90%の範囲で充填させるように
した。
【0008】ここで、この請求項1における高分子電解
質電池のように、高分子電解質を微多孔膜の空孔中に充
填させるにあたって、微多孔膜として空孔率が80%以
上のものを用いると共に、この微多孔膜の空孔中に高分
子電解質を体積比で20〜90%の範囲で充填させるよ
うにすると、高分子電解質が微多孔膜中に十分に充填さ
れて、高分子電解質が正極や負極と十分に接触してリチ
ウムイオン等の移動がスムーズに行なえる一方、上記の
微多孔膜中に高分子電解質が充填されていない空孔の部
分が存在するため、充放電によって正極や負極が体積変
化する場合においても、この体積変化が上記の微多孔膜
によって抑制されるということが少なくなり、十分な充
放電容量が得られると共に、サイクル特性も向上する。
【0009】ここで、上記の高分子電解質としては、高
分子中にリチウム塩等の溶質を含有させただけの高分子
電解質を用いることもできるが、この高分子電解質と正
極や負極との接触性を高めて、リチウムイオン等の移動
性を向上させるため、リチウム塩等の溶質を溶媒に溶解
させた電解液を高分子中に含有させたものを用いること
が好ましく、特に、十分なリチウムイオン等の移動性が
得られるようにすると共に、高分子中に含有させた電解
液が正極や負極と反応するのを抑制するため、高分子に
対する電解液の割合(電解液/高分子)が重量比で0.
1〜1.9の範囲になった高分子電解質を用いることが
好ましい。
【0010】また、上記のような高分子電解質において
使用する高分子としては、従来より一般に使用されてい
る高分子を用いることができるが、上記の正極や負極の
体積変化に追随できるような体積弾性をもつ高分子を用
いることが好ましく、例えば、ポリスチレン鎖を主鎖と
し、ポリエチレンオキサイドを側鎖に有する高分子を用
いることが好ましい。そして、このような高分子を用い
ると、高分子電解質電池における充放電容量やサイクル
特性がさらに向上する。
【0011】また、このような高分子電解質を充填させ
る微多孔膜についても、従来より一般に使用されている
ものを用いることができるが、この微多孔膜が十分な強
度を有し、その膜厚を薄くしても正極や負極の体積変化
によって破れたりせず、また化学的に安定で電解液等と
反応しない材料で構成されたものを用いることが好まし
く、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンの微多孔膜
を用いることが好ましい。そして、このように微多孔膜
を用いる膜厚を薄くすると、リチウムイオン等の移動性
がスムーズに行なわれて、充放電容量が更に向上する。
【0012】ここで、上記の高分子電解質電池におい
て、リチウムイオンを活物質として使用する場合におい
て、その正極に使用する正極材料としては、従来より一
般に使用されている公知の正極材料を使用することがで
き、例えば、マンガン,コバルト,ニッケル,鉄,バナ
ジウムの少なくとも1種を含むリチウム−遷移金属複合
酸化物等を使用することができる。
【0013】また、その負極を構成する負極材料として
は、例えば、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイ
オンの吸蔵,放出が可能な黒鉛,コークス,有機物焼成
体等の炭素材料、SnO2 ,SnO,TiO2 ,Nb2
3 等の電位が正極材料よりも低い金属酸化物等を使用
することができる。
【0014】また、上記の高分子電解質において、高分
子中に含有させるリチウム塩としては、例えば、トリフ
ルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムトリフルオ
ロメタンスルホン酸イミド、リチウムトリフルオロメタ
ンスルホン酸メチド、ヘキサフルオロリン酸リチウム、
ヘキサフルオロヒ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リ
チウム等を使用することができる。
【0015】また、上記のリチウム塩を溶媒に溶解させ
た電解液を高分子中に含有させる場合においては、その
溶媒として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカー
ボネート、シクロペンタノン、スルホラン、ジメチルス
ルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−
オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチ
ルプロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、
エチルプロピルカーボネート、ブチルエチルカーボネー
ト、ジプロピルカーボネート、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル等
の溶媒を1種又は2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0016】
【実施例】以下、この発明に係る高分子電解質電池につ
いて実験例を挙げて具体的に説明すると共に、この発明
の条件を満たす高分子電解質電池の場合、この発明の条
件を満たさない高分子電解質電池に比べて、充放電容量
やサイクル特性が向上することを明らかにする。なお、
この発明における高分子電解質電池は、下記の実験例に
示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更
しない範囲において適宜変更して実施できるものであ
る。
【0017】(実験例1〜10)これらの実験例におい
ては、図1に示すように、正極1と負極2との間に高分
子電解質を空孔中に充填させた微多孔膜3を設けて、扁
平なコイン形になった高分子電解質電池を製造するよう
にした。
【0018】[正極の作製]正極1を作製するにあたっ
ては、正極材料にリチウム含有二酸化コバルトLiCo
2 の粉末を用い、このLiCoO2 粉末と、導電剤で
ある炭素粉末と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン粉
末をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ
た溶液とを混合し、LiCoO2 粉末と炭素粉末とポリ
フッ化ビニリデン粉末とが85:10:5の重量比にな
ったスラリーを調製し、このスラリーをフェライト系ス
テンレス鋼からなる厚さ20μmの正極集電体5の片面
にドクターブレード法により塗布し、これを150℃で
乾燥させて、直径10mmの円板状で厚みが約80μm
になった正極1を作製した。
【0019】[負極の作製]負極を作製するにあたって
は、負極材料に黒鉛粉末を用い、この黒鉛粉末と結着剤
であるポリフッ化ビニリデン粉末をNMPに溶解させた
溶液とを混合し、黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデン粉末
とが95:5の重量比になったスラリーを調製し、この
スラリーをフェライト系ステンレス鋼からなる厚さ20
μmの負極集電体6の片面にドクターブレード法により
塗布し、これを150℃で乾燥させて、直径10mmの
円板状で厚みが約60μmになった負極2を作製した。
【0020】[高分子電解質を空孔中に充填させた微多
孔膜の作製]ここで、上記の微多孔膜3としては、空孔
率が90%で膜厚が30μmになったポリプロピレン製
の微多孔膜を用いる一方、高分子電解質における高分子
としては、ポリスチレン鎖が主鎖で側鎖にポリエチレン
オキサイドを有するものを用い、またこの高分子に含有
させる電解液には、エチレンカーボネイトとジメチルカ
ーボネートの混合溶媒に過塩素酸リチウムLiClO4
を1mol/lの割合で溶解させたものを用いた。
【0021】そして、上記のポリスチレン鎖が主鎖で側
鎖にポリエチレンオキサイドを有する高分子を、溶媒の
ジエチルカーボネートに種々の濃度で溶解させた溶液を
準備し、上記の微多孔膜3を上記の各溶液にそれぞれ1
20分間浸漬させて、各微多孔膜3の空孔中に上記の各
溶液をそれぞれ含浸させた後、各微多孔膜3をそれぞれ
上記の正極1上に静置させ、各微多孔膜3中における溶
媒をそれぞれ蒸発させて、各微多孔膜3の空孔中に上記
の高分子を充填させた。
【0022】その後、上記の各微多孔膜3の空孔中に充
填された高分子に対して、上記の電解液を1:1の重量
比になるように含有させて高分子電解質をゲル状にし
た。そして、このようにゲル状になった高分子電解質の
各微多孔膜3の空孔中における体積比率(充填率)を求
めて、その結果を下記の表1に示した。
【0023】[電池の作製]次に、上記のようにして作
製した正極1と、負極2と、高分子電解質が空孔中に充
填された各微多孔膜3とを用いて高分子電解質電池を作
製するにあたっては、上記のようにして正極1上に形成
した各微多孔膜3の上にそれぞれ上記の負極2を重ね
て、正極1と負極2との間に微多孔膜3が挾まれるよう
にし、これを正極缶4aと負極缶4bとで形成される電
池ケース4内に収容させ、正極集電体5を介して正極1
を正極缶4aに接続させる一方、負極集電体6を介して
負極2を負極缶4bに接続させ、この正極缶4aと負極
缶4bとを絶縁パッキン7により電気的に絶縁させて、
上記のコイン形になった実験例1〜10の各高分子電解
質電池を製造した。
【0024】次に、上記の各高分子電解質電池をそれぞ
れ25℃の条件下において、充電電流密度100μA/
cm2 で充電終止電圧4.2Vまで充電した後、放電電
流密度100μA/cm2 で放電終止電圧2.75Vま
で放電し、これを1サイクルとして充放電を繰り返して
行ない、1サイクル目と200サイクル目とにおいて、
各高分子電解質電池における正極1cm2 あたりの放電
容量(mAh/cm2)を求め、その結果を下記の表1
に合わせて示した。
【0025】
【表1】
【0026】この結果から明らかなように、微多孔膜3
の空孔中に充填された高分子電解質の空孔に対する充填
率が、この発明の条件を満たす20%〜90%の範囲に
なった実験例2〜9の各高分子電解質電池においては、
この発明の条件を満たさない実験例1,10の高分子電
解質電池に比べて、放電容量が大きく、容量のサイクル
劣化も少なくなっており、特に、上記の充填率が20%
〜60%の範囲になった実験例2〜6の高分子電解質電
池においては、さらに放電容量が大きく、サイクル特性
も向上していた。
【0027】(実験例11〜20)実験例11〜20に
おいては、上記の実験例1〜10における[高分子電解
質を空孔中に充填させた微多孔膜の作製]において、上
記のポリプロピレン製の微多孔膜3中に高分子を充填さ
せるにあたり、その高分子にポリフッ化ビニリデンを用
い、このポリフッ化ビニリデンを溶媒のNMPに種々の
濃度で溶解させた溶液を準備し、上記の微多孔膜3を上
記の各溶液にそれぞれ120分間浸漬させて、各微多孔
膜3の空孔中にポリフッ化ビニリデンを充填させるよう
にし、それ以外については、上記の実験例1〜10の場
合と同様にして、各高分子電解質電池を作製した。
【0028】そして、この実験例11〜20の各高分子
電解質電池についても、上記の実験例1〜10の場合と
同様にして、1サイクル目と200サイクル目とにおい
て、各高分子電解質電池における正極1cm2 あたりの
放電容量(mAh/cm2 )を求め、その結果を下記の
表2に合わせて示した。
【0029】
【表2】
【0030】この結果、この実験例11〜20において
も、上記の実験例1〜10の場合と同様に、微多孔膜3
の空孔中に充填された高分子電解質の空孔に対する充填
率が、この発明の条件を満たす20%〜90%の範囲に
なった実験例12〜19の各高分子電解質電池において
は、この発明の条件を満たさない実験例11,20の高
分子電解質電池に比べて、放電容量が大きく、容量のサ
イクル劣化も少なくなっており、特に、上記の充填率が
20%〜60%の範囲になった実験例12〜16の高分
子電解質電池においては、さらに放電容量が大きく、サ
イクル特性も向上していた。
【0031】(実験例21〜30)実験例21〜30に
おいては、上記の実験例1〜10における[高分子電解
質を空孔中に充填させた微多孔膜の作製]において、上
記のポリプロピレン製の微多孔膜3中に高分子を充填さ
せるにあたり、その高分子にポリエチレンオキサイドを
用い、このポリエチレンオキサイドを溶媒のアセトニト
リルに種々の濃度で溶解させた溶液を準備し、上記の微
多孔膜3を上記の各溶液にそれぞれ120分間浸漬させ
て、各微多孔膜3の空孔中にポリフッ化ビニリデンを充
填させるようにし、それ以外については、上記の実験例
1〜10の場合と同様にして、各高分子電解質電池を作
製した。
【0032】そして、実験例21〜30の各高分子電解
質電池についても、上記の実験例1〜10の場合と同様
にして、1サイクル目と200サイクル目とにおいて、
各高分子電解質電池における正極1cm2 あたりの放電
容量(mAh/cm2 )を求め、その結果を下記の表3
に合わせて示した。
【0033】
【表3】
【0034】この結果、この実験例21〜30において
も、上記の実験例1〜10の場合と同様に、微多孔膜3
の空孔中に充填された高分子電解質の空孔に対する充填
率が、この発明の条件を満たす20%〜90%の範囲に
なった実験例22〜29の各高分子電解質電池において
は、この発明の条件を満たさない実験例21,30の高
分子電解質電池に比べて、放電容量が大きく、容量のサ
イクル劣化も少なくなっており、特に、上記の充填率が
20%〜60%の範囲になった実験例22〜26の高分
子電解質電池においては、さらに放電容量が大きく、サ
イクル特性も向上していた。
【0035】また、上記の実験例1〜10、実験例11
〜20、実験例21〜30の各高分子電解質電池を比較
した場合、微多孔膜3の空孔中に充填される高分子電解
質における高分子に、ポリスチレン鎖が主鎖で側鎖にポ
リエチレンオキサイドを有する高分子を使用した実験例
1〜10の高分子電解質電池は、他の高分子を使用した
実験例11〜20や実験例21〜30の高分子電解質電
池に比べて、放電容量が大きく、容量のサイクル劣化も
少なくなっており、高分子電解質における高分子に、ポ
リスチレン鎖が主鎖で側鎖にポリエチレンオキサイドを
有する高分子を用いることが好ましかった。
【0036】(実験例31〜41)実験例31〜41に
おいては、上記の実験例1〜10における[高分子電解
質を空孔中に充填させた微多孔膜の作製]において、高
分子電解質における高分子に、上記の実験例1〜10の
場合と同じポリスチレン鎖が主鎖で側鎖にポリエチレン
オキサイドを有する高分子を用い、この高分子を上記の
ポリプロピレン製の微多孔膜3の空孔中に充填させた
後、このように充填された高分子に前記の電解液を含有
させるにあたり、高分子に対する電解液の重量比(電解
液/高分子)を下記の表4に示すように調整し、このよ
うに電解液を含有させてゲル状になった各高分子電解質
が、上記の実験例5の場合と同様に、微多孔膜3の空孔
中に50%の充填率で充填されるようにして各高分子電
解質電池を作製した。
【0037】そして、この実験例31〜40の各高分子
電解質電池についても、上記の実験例1〜10の場合と
同様にして、1サイクル目と200サイクル目とにおい
て、各高分子電解質電池における正極1cm2 あたりの
放電容量(mAh/cm2 )を求め、その結果を下記の
表4に合わせて示した。
【0038】
【表4】
【0039】この結果、微多孔膜3の空孔中に充填され
た高分子に電解液を含有させるにあたり、高分子に対す
る電解液の重量比(電解液/高分子)が0.1〜1.9
の範囲になった実験例5,33〜37の各高分子電解質
電池においては、放電容量が大きく、容量のサイクル劣
化も少なくなっていた。
【0040】(実験例41〜43)実験例41〜43に
おいては、上記の実験例1〜10における[高分子電解
質を空孔中に充填させた微多孔膜の作製]において、高
分子電解質を充填させる微多孔膜3の種類を変更させ、
下記の表5に示すように、実験例41では膜厚が30μ
mで空孔率が90%のポリエチレン微多孔膜を、実験例
42では膜厚が90μmで空孔率が90%のポリプロピ
レン不織布を、実験例43では膜厚が80μmで空孔率
が85%のポリフッ化ビニリデンを用いるようにし、そ
れ以外は、上記の実験例5の場合と同様して各高分子電
解質電池を作製した。
【0041】そして、この実験例41〜43の各高分子
電解質電池についても、上記の実験例1〜10の場合と
同様にして、1サイクル目と200サイクル目とにおい
て、各高分子電解質電池における正極1cm2 あたりの
放電容量(mAh/cm2 )を求め、その結果を下記の
表5に合わせて示した。
【0042】
【表5】
【0043】この結果、高分子電解質を充填させる微多
孔膜3にポリプロピレン微多孔膜やポリエチレン微多孔
膜を用いた実験例5,41の各高分子電解質電池の場
合、これらの微多孔膜3を薄くすることができ、放電容
量が大きくなっていたのに対して、ポリプロピレン不織
布やポリフッ化ビニリデンを用いた実験例42,43の
各高分子電解質電池においては、ポリプロピレン不織布
やポリフッ化ビニリデンの強度が弱いため、その膜厚を
大きくしなければならず、実験例5,41のものに比べ
て放電容量が大きく低下しており、またポリフッ化ビニ
リデンを用いた実験例43のものにおいては、電解液と
の反応によってサイクル特性も低下していた。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の請求項
1における高分子電解質電池においては、高分子電解質
を空孔中に充填させた微多孔膜が正極と負極との間に設
けられてなる高分子電解質電池において、高分子電解質
を微多孔膜の空孔中に充填させるにあたり、微多孔膜と
して空孔率が80%以上のものを用いると共に、この微
多孔膜の空孔中に高分子電解質を体積比で20〜90%
の範囲で充填させるようにしたため、高分子電解質が正
極や負極と十分に接触してリチウムイオン等の移動がス
ムーズに行なえる一方、微多孔膜中に高分子電解質が充
填されていない空孔の部分が存在し、充放電によって正
極や負極が体積変化する場合においても、この体積変化
が上記の微多孔膜によって抑制されるということが少な
くなり、十分な充放電容量が得られると共に、サイクル
特性も向上した。
【0045】また、この発明の請求項2に示すように、
電解液を高分子中に含有させた高分子電解質を用い、こ
の高分子に対する電解液の割合(電解液/高分子)が重
量比で0.1〜1.9の範囲になるようにすると、この
高分子電解質と正極や負極との接触性が向上すると共
に、高分子中に含有させた電解液が正極や負極と反応す
るということもなく、高分子電解質電池における充放電
容量やサイクル特性がさらに向上した。
【0046】また、この発明の請求項3に示すように、
高分子電解質における高分子に、ポリスチレン鎖を主鎖
とし、ポリエチレンオキサイドを側鎖に有する高分子を
用いると、この高分子が正極や負極の体積変化に追随し
て変形し、高分子電解質電池における充放電容量やサイ
クル特性がさらに向上した。
【0047】また、この発明の請求項4に示すように、
高分子電解質を充填させる微多孔膜に、ポリプロピレン
やポリエチレンの微多孔膜を用いると、その膜厚を薄く
しても正極や負極の体積変化によって破れたりせず、ま
た化学的にも安定で電解液等と反応せず、サイクル特性
が低下することなく、高分子電解質電池における充放電
容量が更に向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例において作製した高分子電解質電池の内
部構造を示した断面説明図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 微多孔膜
フロントページの続き (72)発明者 能間 俊之 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子電解質を空孔中に充填された微多
    孔膜が正極と負極との間に設けられてなる高分子電解質
    電池において、上記の微多孔膜における空孔率が80%
    以上であると共に、この微多孔膜の空孔に対して、上記
    の高分子電解質が体積比で20〜90%の範囲で充填さ
    れていることを特徴とする高分子電解質電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した高分子電解質電池に
    おいて、高分子中に電解液が含有された高分子電解質を
    用い、この高分子電解質における高分子に対する電解液
    の重量比が0.1〜1.9の範囲であることを特徴とす
    る高分子電解質電池。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した高分子電解質
    電池において、上記の高分子電解質における高分子に、
    ポリスチレン鎖を主鎖とし、ポリエチレンオキサイドを
    側鎖に有する高分子を用いたことを特徴とする高分子電
    解質電池。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載した高
    分子電解質電池において、上記の微多孔膜として、ポリ
    エチレン又はポリプロピレンで構成された微多孔膜を用
    いたことを特徴とする高分子電解質電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000340260A (ja) * 1999-05-27 2000-12-08 Toshiba Battery Co Ltd ポリマーリチウム二次電池
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KR20210136863A (ko) * 2020-05-06 2021-11-17 주식회사 삼양사 기계적 강도가 향상된 고분자계 고체 전해질 및 이의 제조 방법, 및 이 고체 전해질을 포함하는 리튬 이차전지

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