JPH1143642A - 防汚コーティング材用共重合体 - Google Patents
防汚コーティング材用共重合体Info
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- JPH1143642A JPH1143642A JP11661698A JP11661698A JPH1143642A JP H1143642 A JPH1143642 A JP H1143642A JP 11661698 A JP11661698 A JP 11661698A JP 11661698 A JP11661698 A JP 11661698A JP H1143642 A JPH1143642 A JP H1143642A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 有機スズ含有重合体を含まなくても、海洋の
生態系に悪影響を与えることなく防汚性能を有する防汚
コーティング材用共重合体を提供する。 【解決手段】 下記一般式
(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 、R3 、
R4 はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロア
ルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価
の炭化水素基を示す)で表される少なくとも1種の不飽
和トリオルガノシリル単量体と、(メタ)アクリル系お
よびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の有機
単量体とを重合させて得られる重合度が190を超えな
いスズを含有しない共重合体からなる防汚コーティング
材用共重合体。
生態系に悪影響を与えることなく防汚性能を有する防汚
コーティング材用共重合体を提供する。 【解決手段】 下記一般式
(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 、R3 、
R4 はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロア
ルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価
の炭化水素基を示す)で表される少なくとも1種の不飽
和トリオルガノシリル単量体と、(メタ)アクリル系お
よびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の有機
単量体とを重合させて得られる重合度が190を超えな
いスズを含有しない共重合体からなる防汚コーティング
材用共重合体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中構築物、漁
網、船底等への水棲生物の付着を阻止するための防汚コ
ーティング材として有用な共重合体に関する。
網、船底等への水棲生物の付着を阻止するための防汚コ
ーティング材として有用な共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】水中構築物、漁網、船底をはじめ水中で
長時間使用する物品には、使用中に水棲生物が付着、繁
殖して外観を損ねるばかりでなく、その機能に悪影響を
与えることがある。
長時間使用する物品には、使用中に水棲生物が付着、繁
殖して外観を損ねるばかりでなく、その機能に悪影響を
与えることがある。
【0003】船底の場合においては、水棲生物の付着が
船全体の表面粗度の増加につながり、さらには船速が低
下するとともに燃費が増大する。またこのためドックで
の修復時間が長くなり運航効率が著しく低下する。この
ほか、バクテリア類の繁殖により水中構築物の腐敗、物
性の劣化が起こって著しく寿命が低下する等の莫大な被
害を生ずる。
船全体の表面粗度の増加につながり、さらには船速が低
下するとともに燃費が増大する。またこのためドックで
の修復時間が長くなり運航効率が著しく低下する。この
ほか、バクテリア類の繁殖により水中構築物の腐敗、物
性の劣化が起こって著しく寿命が低下する等の莫大な被
害を生ずる。
【0004】従来より、このような被害を回避するため
に使用される防汚剤としては、有機塩素系化合物、亜酸
化銅、有機スズ化合物等が知られている。
に使用される防汚剤としては、有機塩素系化合物、亜酸
化銅、有機スズ化合物等が知られている。
【0005】有機スズ化合物や亜酸化銅のような重金属
を含有する生理活性物質は、特に優れた防汚効果を有
し、漁網や船底用の塗料に必須の成分と考えられてい
る。例えば米国特許第3,167,473号明細書に
は、有機スズ化合物を用いた防汚処理剤のなかで「ポリ
マータイプ」といわれているものが記載されている。こ
の防汚処理剤は、共重合体の側鎖に有機スズ含有基を有
し、微アルカリ性の海水中で加水分解されて有機スズ化
合物を放出し、防汚効果を発揮すると同時に、加水分解
された共重合体自身も水溶化して海水中に溶解してゆく
ため、樹脂残渣層を残すことなく、常に活性な表面を保
つことができる。
を含有する生理活性物質は、特に優れた防汚効果を有
し、漁網や船底用の塗料に必須の成分と考えられてい
る。例えば米国特許第3,167,473号明細書に
は、有機スズ化合物を用いた防汚処理剤のなかで「ポリ
マータイプ」といわれているものが記載されている。こ
の防汚処理剤は、共重合体の側鎖に有機スズ含有基を有
し、微アルカリ性の海水中で加水分解されて有機スズ化
合物を放出し、防汚効果を発揮すると同時に、加水分解
された共重合体自身も水溶化して海水中に溶解してゆく
ため、樹脂残渣層を残すことなく、常に活性な表面を保
つことができる。
【0006】また、特開昭60−231771号公報に
は、含有する有機スズ化合物や亜酸化銅等の生理活性物
質の溶出性を促進させる目的で、これに併用する有機含
有共重合体の単量体の一部として、加水分解性のシリル
(メタ)アクリレート、例えばトリブチルシリルアクリ
レートやトリフェニルシリル(メタ)アクリレートを用
いる方法が記載されている。
は、含有する有機スズ化合物や亜酸化銅等の生理活性物
質の溶出性を促進させる目的で、これに併用する有機含
有共重合体の単量体の一部として、加水分解性のシリル
(メタ)アクリレート、例えばトリブチルシリルアクリ
レートやトリフェニルシリル(メタ)アクリレートを用
いる方法が記載されている。
【0007】しかしながら、これらの防汚処理剤は保存
安定性が悪く、特に亜酸化銅を併用した場合には数日の
内にゲル化してしまうというため問題があった。しかも
これらの防汚処理剤は、重金属や加水分解性の有機スズ
含有基を含有するため、毒性が高く、特に有機スズ化合
物は刺激性が強く、皮膚に触れると炎症を起こす等、安
全衛生面で問題があるのみならず、海水中への流出によ
る海洋汚染、奇形魚の発生、生態濃縮による人体への蓄
積性等、重大な問題を抱えていた。
安定性が悪く、特に亜酸化銅を併用した場合には数日の
内にゲル化してしまうというため問題があった。しかも
これらの防汚処理剤は、重金属や加水分解性の有機スズ
含有基を含有するため、毒性が高く、特に有機スズ化合
物は刺激性が強く、皮膚に触れると炎症を起こす等、安
全衛生面で問題があるのみならず、海水中への流出によ
る海洋汚染、奇形魚の発生、生態濃縮による人体への蓄
積性等、重大な問題を抱えていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような問題に
対処するものとして、例えば特表昭60−500452
号公報には、有機スズ含有共重合体を用いることなく、
防汚効果を示す船底塗料が記載されている。この船底塗
料は毒物および自己研磨型ポリマーより構成されてお
り、該ポリマー単量体としてはトリス(4−メチル−2
−ペントキシ)シリルアクリレートのような加水分解性
のシリル(メタ)アクリレートが記載されている。
対処するものとして、例えば特表昭60−500452
号公報には、有機スズ含有共重合体を用いることなく、
防汚効果を示す船底塗料が記載されている。この船底塗
料は毒物および自己研磨型ポリマーより構成されてお
り、該ポリマー単量体としてはトリス(4−メチル−2
−ペントキシ)シリルアクリレートのような加水分解性
のシリル(メタ)アクリレートが記載されている。
【0009】しかしながらこの船底塗料において、自己
研磨ポリマーは、毒物供給系(del-ivery system) とし
て働くのみで、これ自身には防汚性能はないため、毒物
成分が必須のものである。この船底塗料においても、毒
物によって付着した水棲生物を殺すという防汚を果たす
基本的な原理は、従来の防汚処理剤と変わっておらず、
重大な環境問題を回避することはできなかった。しかも
毒物として亜酸化銅を使用した場合には、保全安定性が
悪く、数日の内にゲル化してしまうという問題もあっ
た。
研磨ポリマーは、毒物供給系(del-ivery system) とし
て働くのみで、これ自身には防汚性能はないため、毒物
成分が必須のものである。この船底塗料においても、毒
物によって付着した水棲生物を殺すという防汚を果たす
基本的な原理は、従来の防汚処理剤と変わっておらず、
重大な環境問題を回避することはできなかった。しかも
毒物として亜酸化銅を使用した場合には、保全安定性が
悪く、数日の内にゲル化してしまうという問題もあっ
た。
【0010】さらに、ここに挙げられているトリス(4
−メチル−2−ペントキシ)シリルアクリレートは、ケ
イ素原子とアルコキシ基結合の間およびケイ素原子とエ
ステル結合の間の2種類の結合がいずれも加水分解性を
もつので、加水分解による共重合体の水への溶解度の制
御が困難になるという問題もあった。
−メチル−2−ペントキシ)シリルアクリレートは、ケ
イ素原子とアルコキシ基結合の間およびケイ素原子とエ
ステル結合の間の2種類の結合がいずれも加水分解性を
もつので、加水分解による共重合体の水への溶解度の制
御が困難になるという問題もあった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、重金属や毒物を含有せず、海
洋の生態系に悪影響を与えることのない防汚コーティン
グ材用共重合体を提供することを目的とする。
洋の生態系に悪影響を与えることのない防汚コーティン
グ材用共重合体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、下
記特定の式で規定される共重合体の自己研磨性に注目
し、これを用いたコーティング材は、毒物の併用がなく
とも優れた防汚性を有し、しかも保存安定性の良好な共
重合体を見出して本発明をなすに至った。
記特定の式で規定される共重合体の自己研磨性に注目
し、これを用いたコーティング材は、毒物の併用がなく
とも優れた防汚性を有し、しかも保存安定性の良好な共
重合体を見出して本発明をなすに至った。
【0013】すなわち本発明の防汚コーティング材用共
重合体は、下記一般式で表される共重合体側鎖のシリル
基が加水分解によって放出され、次いで共重合体自身も
水溶化する自己研磨作用のみで防汚性を発揮するもので
あり、一般式: (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 、R3 、
R4 はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロア
ルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価
の炭化水素基で、うち少なくとも1個は炭素数4以上の
1価の炭化水素基を示す)で表される少なくとも1種の
不飽和トリオルガノシリル単量体と、(メタ)アクリル
系およびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の
有機単量体とを重合させて得られる共重合体からなるこ
とを特徴としている。
重合体は、下記一般式で表される共重合体側鎖のシリル
基が加水分解によって放出され、次いで共重合体自身も
水溶化する自己研磨作用のみで防汚性を発揮するもので
あり、一般式: (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 、R3 、
R4 はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロア
ルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価
の炭化水素基で、うち少なくとも1個は炭素数4以上の
1価の炭化水素基を示す)で表される少なくとも1種の
不飽和トリオルガノシリル単量体と、(メタ)アクリル
系およびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の
有機単量体とを重合させて得られる共重合体からなるこ
とを特徴としている。
【0014】本発明に用いられる共重合体は、本発明に
おいて特徴的な成分であり、トリオルガノシリル基のケ
イ素原子に結合した有機基を選択することによって適度
の加水分解性を示し、水中で徐々に加水分解して親水性
を増すため、水に対して制御された溶解特性を示す。こ
のような共重合体は、1種または2種以上のトリオルガ
ノシリル単量体と、1種または2種以上の有機単量体と
を重合度50〜10000程度に重合させることによっ
て得られる。
おいて特徴的な成分であり、トリオルガノシリル基のケ
イ素原子に結合した有機基を選択することによって適度
の加水分解性を示し、水中で徐々に加水分解して親水性
を増すため、水に対して制御された溶解特性を示す。こ
のような共重合体は、1種または2種以上のトリオルガ
ノシリル単量体と、1種または2種以上の有機単量体と
を重合度50〜10000程度に重合させることによっ
て得られる。
【0015】不飽和トリオルガノシリル単量体と有機単
量体との構成比は、特に限定されるものではないが、好
ましくは不飽和トリオルガノシリル単量体の量が10〜
95重量%、さらに好ましくは20〜70重量%の範囲
である。不飽和トリオルガノシリル単量体の量が10重
量%未満では必要な加水分解速度が得られず、充分な防
汚性を発揮しない。また95重量%を超えると塗膜の物
性が悪く、さらに加水分解速度が過剰となるため、短時
間に溶解してしまい防汚力が持続しない。
量体との構成比は、特に限定されるものではないが、好
ましくは不飽和トリオルガノシリル単量体の量が10〜
95重量%、さらに好ましくは20〜70重量%の範囲
である。不飽和トリオルガノシリル単量体の量が10重
量%未満では必要な加水分解速度が得られず、充分な防
汚性を発揮しない。また95重量%を超えると塗膜の物
性が悪く、さらに加水分解速度が過剰となるため、短時
間に溶解してしまい防汚力が持続しない。
【0016】共重合体の一方の出発原料である不飽和ト
リオルガノシリル単量体において、R1 は水素原子また
はメチル基であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ炭素数
1〜18の独立した1価の炭化水素基で、直鎖状または
分岐状のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル
基から選ばれるものである。このアルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル
基、ステアリル基等が例示され、シクロアルキル基とし
ては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示さ
れる。適度な加水分解性を持ち、そのことによってコー
ティング材の水に対する徐溶性を制御するには、R2 、
R3 、R4 のうち少なくとも1個が炭素数4以上のもの
であることが必要である。
リオルガノシリル単量体において、R1 は水素原子また
はメチル基であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ炭素数
1〜18の独立した1価の炭化水素基で、直鎖状または
分岐状のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル
基から選ばれるものである。このアルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル
基、ステアリル基等が例示され、シクロアルキル基とし
ては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示さ
れる。適度な加水分解性を持ち、そのことによってコー
ティング材の水に対する徐溶性を制御するには、R2 、
R3 、R4 のうち少なくとも1個が炭素数4以上のもの
であることが必要である。
【0017】このような不飽和トリオルガノシリル単量
体としては、ジメチルブチルシリルアクリレート、ジメ
チルヘキシルシリルアクリレート、ジメチルオクチルシ
リルアクリレート、ジメチルデシルシリルアクリレー
ト、ジメチルドデシルシリルアクリレート、ジメチルシ
クロヘキシルシリルアクリレート、ジメチルフェニルシ
リルアクリレート、ジメチルジブチルシリルアクリレー
ト、エチルジブチルシリルアクリレート、ジブチルヘキ
シルシリルアクリレート、ジブチルフェニルシリルアク
リレート、トリブチルシリルアクリレート、トリフェニ
ルシリルアクリレート等;およびこれらに対応するメタ
クリレートが例示される。
体としては、ジメチルブチルシリルアクリレート、ジメ
チルヘキシルシリルアクリレート、ジメチルオクチルシ
リルアクリレート、ジメチルデシルシリルアクリレー
ト、ジメチルドデシルシリルアクリレート、ジメチルシ
クロヘキシルシリルアクリレート、ジメチルフェニルシ
リルアクリレート、ジメチルジブチルシリルアクリレー
ト、エチルジブチルシリルアクリレート、ジブチルヘキ
シルシリルアクリレート、ジブチルフェニルシリルアク
リレート、トリブチルシリルアクリレート、トリフェニ
ルシリルアクリレート等;およびこれらに対応するメタ
クリレートが例示される。
【0018】これらのうち、加水分解速度が遅く、合成
の容易なことと、造膜性の良いことでは、ジメチルヘキ
シルシリル(メタ)アクリレート、ジメチルデシルシリ
ル(メタ)アクリレートのような、R2 、R3 、R4 の
うち2個がメチル基で残余が炭素数6以上の長鎖アルキ
ル基であるものが優れているが、水中で制御された加水
分解速度を持ち、適度の徐溶性を得るためには、トリブ
チルシリル(メタ)アクリレートが好ましい。
の容易なことと、造膜性の良いことでは、ジメチルヘキ
シルシリル(メタ)アクリレート、ジメチルデシルシリ
ル(メタ)アクリレートのような、R2 、R3 、R4 の
うち2個がメチル基で残余が炭素数6以上の長鎖アルキ
ル基であるものが優れているが、水中で制御された加水
分解速度を持ち、適度の徐溶性を得るためには、トリブ
チルシリル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0019】共重合体の他方の出発原料である有機単量
体は、(メタ)アクリル系およびビニル系化合物から選
ばれるものである。この(メタ)アクリル系化合物とし
ては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート(以上のアルキル基は直鎖でも分岐状でもよ
い)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアク
リレート、アクリルアミド、アクリルニトリル等;およ
びこれらに対応するメタクリル化合物が例示され、ビニ
ル系化合物としては、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニル
メチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル、ビニルピロリドリン等が例示される。
体は、(メタ)アクリル系およびビニル系化合物から選
ばれるものである。この(メタ)アクリル系化合物とし
ては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート(以上のアルキル基は直鎖でも分岐状でもよ
い)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアク
リレート、アクリルアミド、アクリルニトリル等;およ
びこれらに対応するメタクリル化合物が例示され、ビニ
ル系化合物としては、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニル
メチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル、ビニルピロリドリン等が例示される。
【0020】重合は、例えば有機溶剤の存在下で不飽和
トリオルガノシリル単量体と有機単量体とを混合し、重
合開始剤を用いて行われる。
トリオルガノシリル単量体と有機単量体とを混合し、重
合開始剤を用いて行われる。
【0021】有機溶剤は、重合の制御と反応中のゲルの
形成防止のためのものであり、ベンゼン、トルエン、キ
シレンのような炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルのようなエステル系溶剤;メタノール、エタノールの
ようなアルコール系溶剤;メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンのようなケトン系溶剤;およびジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロ
トン系極性溶剤が例示される。
形成防止のためのものであり、ベンゼン、トルエン、キ
シレンのような炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルのようなエステル系溶剤;メタノール、エタノールの
ようなアルコール系溶剤;メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンのようなケトン系溶剤;およびジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロ
トン系極性溶剤が例示される。
【0022】有機溶剤の量は、単量体の合計100重量
部に対して20〜1000重量部が好ましく、さらに好
ましくは50〜500重量部である。有機溶剤の量が2
0重量部未満では反応の制御が困難となり、また100
0重量部を超えるとコーティング材を形成する際に濃縮
工程が必要となる。また、重合中および保存中の加水分
解を避けるために、これらの有機溶剤は水分を除去して
用いることが好ましい。
部に対して20〜1000重量部が好ましく、さらに好
ましくは50〜500重量部である。有機溶剤の量が2
0重量部未満では反応の制御が困難となり、また100
0重量部を超えるとコーティング材を形成する際に濃縮
工程が必要となる。また、重合中および保存中の加水分
解を避けるために、これらの有機溶剤は水分を除去して
用いることが好ましい。
【0023】重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーベンゾエート、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の
有機過酸化物およびアゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物が例示される。重合開始剤の量は単量体の合計
量100重量部に対して0.01〜10重量部が一般的
である。重合条件は特に限定されないが、窒素気流中で
行うことが好ましく、また一般に重合開始剤が有機過酸
化物の場合には60〜120℃、アゾ化合物の場合には
45〜100℃の温度で行われる。
サイド、t−ブチルパーベンゾエート、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の
有機過酸化物およびアゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物が例示される。重合開始剤の量は単量体の合計
量100重量部に対して0.01〜10重量部が一般的
である。重合条件は特に限定されないが、窒素気流中で
行うことが好ましく、また一般に重合開始剤が有機過酸
化物の場合には60〜120℃、アゾ化合物の場合には
45〜100℃の温度で行われる。
【0024】本発明の上記特定の共重合体を用いたコー
ティング材は、前述の共重合体単独か必要に応じて顔
料、有機溶剤、揺変剤等を配合することによって得られ
る。防汚処理の対象が水中構築物、漁網、船底等と多岐
にわたるため、配合割合は特に限定できないが、共重合
体の配合量が1〜60重量%の範囲が好ましい。共重合
体の配合量が1重量%未満では塗膜を形成しにくく、ま
た60重量%を超えると見かけ粘度が上がって作業性が
低下する。
ティング材は、前述の共重合体単独か必要に応じて顔
料、有機溶剤、揺変剤等を配合することによって得られ
る。防汚処理の対象が水中構築物、漁網、船底等と多岐
にわたるため、配合割合は特に限定できないが、共重合
体の配合量が1〜60重量%の範囲が好ましい。共重合
体の配合量が1重量%未満では塗膜を形成しにくく、ま
た60重量%を超えると見かけ粘度が上がって作業性が
低下する。
【0025】顔料としては、べんがら、チタン白、タル
ク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムのような海
水不活性顔料や、酸化亜鉛、酸化カルシウムのような海
水反応性顔料が例示されれ1種でも2種以上の併用でも
差し支えない。有機溶剤としては、前述した共重合体を
得るための重合工程で用いたものと同様なものが用いら
れる。揺変材としては、ベントナイト、酸化ポリエチレ
ンおよびアミド化合物が例示される。
ク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムのような海
水不活性顔料や、酸化亜鉛、酸化カルシウムのような海
水反応性顔料が例示されれ1種でも2種以上の併用でも
差し支えない。有機溶剤としては、前述した共重合体を
得るための重合工程で用いたものと同様なものが用いら
れる。揺変材としては、ベントナイト、酸化ポリエチレ
ンおよびアミド化合物が例示される。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
説明する。なお、以下の実施例中の部は重量部を示す。
説明する。なお、以下の実施例中の部は重量部を示す。
【0027】<共重合体の合成>冷却器、攪拌器および
温度計を備えた反応器にキシレン300部を仕込み、こ
れにジメチルヘキシルシリルメタクリレート120部、
メチルメタクリレート180部、およびアゾビスイソブ
チロニトリル2部を加え、80℃で8時間加熱攪拌する
ことによって重合を行った。室温に冷却後、酢酸エチル
66部を追加して淡黄色透明の共重合体溶液V−1を得
た。V−1の25℃における粘度は480cP、固形分
濃度は44.8%であった。
温度計を備えた反応器にキシレン300部を仕込み、こ
れにジメチルヘキシルシリルメタクリレート120部、
メチルメタクリレート180部、およびアゾビスイソブ
チロニトリル2部を加え、80℃で8時間加熱攪拌する
ことによって重合を行った。室温に冷却後、酢酸エチル
66部を追加して淡黄色透明の共重合体溶液V−1を得
た。V−1の25℃における粘度は480cP、固形分
濃度は44.8%であった。
【0028】V−1と重合後の有機溶剤の追加を行わな
い以外は同様にして、表1に示す有機溶剤、単量体およ
び反応開始剤から、淡黄色透明共重合体溶液V−2〜V
−7を得た。得られた共重合体溶液の粘度と固形分濃度
は表1に示す通りである。なお、表中の配合量を示す数
字は部を表す(以下同じ)。
い以外は同様にして、表1に示す有機溶剤、単量体およ
び反応開始剤から、淡黄色透明共重合体溶液V−2〜V
−7を得た。得られた共重合体溶液の粘度と固形分濃度
は表1に示す通りである。なお、表中の配合量を示す数
字は部を表す(以下同じ)。
【0029】
【表1】
【0030】<実施例1〜10、比較例1〜4>以上の
ようにして得た共重合体溶液V−1〜V−7を用いて、
防汚性コーティング材を表2に示す配合により調製し
た。また、比較例1および2として、亜酸化銅とトリブ
チルスズメタクリレートとメチルメタクリレートとの共
重合体からなる表3に示すワニスAおよびBを用いた防
汚塗料を表4に示す配合により調製した。さらに実比較
例3および4として、従来型の亜酸化銅を用いた防汚塗
料を表4に示す配合により調製した。
ようにして得た共重合体溶液V−1〜V−7を用いて、
防汚性コーティング材を表2に示す配合により調製し
た。また、比較例1および2として、亜酸化銅とトリブ
チルスズメタクリレートとメチルメタクリレートとの共
重合体からなる表3に示すワニスAおよびBを用いた防
汚塗料を表4に示す配合により調製した。さらに実比較
例3および4として、従来型の亜酸化銅を用いた防汚塗
料を表4に示す配合により調製した。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】 以上のように調製した各防汚性コーティング材と防汚塗
料とを用いて、下記の要領で塗膜の消耗度と水棲生物の
付着性の試験を行った。
料とを用いて、下記の要領で塗膜の消耗度と水棲生物の
付着性の試験を行った。
【0034】<塗膜の消耗度>実施例1〜10および比
較例1〜4の各防汚性コーティング材と防汚塗料を、そ
れぞれ70× 150×2mm の硬質塩化ビニル板に、乾燥膜厚
が100 μmになるようにアプリケーターで塗布し、海水
中に設置した回転ドラムに取付け、周速10ノットで回転
させて、1か月間の消耗膜厚を測定した。その結果を表
5に示す。
較例1〜4の各防汚性コーティング材と防汚塗料を、そ
れぞれ70× 150×2mm の硬質塩化ビニル板に、乾燥膜厚
が100 μmになるようにアプリケーターで塗布し、海水
中に設置した回転ドラムに取付け、周速10ノットで回転
させて、1か月間の消耗膜厚を測定した。その結果を表
5に示す。
【0035】<水棲生物の付着性>実施例1〜10お
よび比較例1〜4の各防汚性コーティング材と防汚塗料
を、それぞれ防錆塗料を塗布した100 ×300 ×3mm 銅板
に、乾燥膜厚が150 〜200 μm になるように塗布して試
料を作製した。これらの試料と比較例5として無処理の
試料とをそれぞれ広島湾宮島沖の海中に沈め、6か月ご
とに水棲生物の付着面積を調べた。各々の試料の付着面
積を百分率で表6に示す。
よび比較例1〜4の各防汚性コーティング材と防汚塗料
を、それぞれ防錆塗料を塗布した100 ×300 ×3mm 銅板
に、乾燥膜厚が150 〜200 μm になるように塗布して試
料を作製した。これらの試料と比較例5として無処理の
試料とをそれぞれ広島湾宮島沖の海中に沈め、6か月ご
とに水棲生物の付着面積を調べた。各々の試料の付着面
積を百分率で表6に示す。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】<水棲生物の付着性>実施例1および5
と比較例1および4の各防汚性コーティング材と防汚塗
料を、それぞれ50×50cmのポリ塩化ビニル樹脂製フレー
ムに取り付けた、網目の大きさが7節のポリエステル製
の漁網に浸漬塗布して試料を作製した。これらの試料と
比較例5として無処理の試料とをそれぞれ富山湾の海中
に沈め、2か月ごとに水棲生物の付着状態を調べた。そ
の結果を表7に示す。
と比較例1および4の各防汚性コーティング材と防汚塗
料を、それぞれ50×50cmのポリ塩化ビニル樹脂製フレー
ムに取り付けた、網目の大きさが7節のポリエステル製
の漁網に浸漬塗布して試料を作製した。これらの試料と
比較例5として無処理の試料とをそれぞれ富山湾の海中
に沈め、2か月ごとに水棲生物の付着状態を調べた。そ
の結果を表7に示す。
【0039】
【表7】 各試験結果が示すように、本発明の共重合体を用いた防
汚性コーティング材は、長期にわたって安定した防汚性
を発揮する。
汚性コーティング材は、長期にわたって安定した防汚性
を発揮する。
【0040】
【発明の効果】本発明の防汚性コーティング材用共重合
体は、側鎖のトリオルガノシリル基が加水分解して親水
性を増し、水中で制御された溶解性、すなわち自己研磨
性を示すので、環境に影響を及ぼす有機スズ化合物や有
機スズ含有共重合体を用いることなく優れた防汚効果を
発揮することができる。したがって、本発明の防汚性コ
ーティング材用共重合体は、水中構築物、漁網、船底等
の水棲生物の付着による汚染を防止するのに有効であ
る。
体は、側鎖のトリオルガノシリル基が加水分解して親水
性を増し、水中で制御された溶解性、すなわち自己研磨
性を示すので、環境に影響を及ぼす有機スズ化合物や有
機スズ含有共重合体を用いることなく優れた防汚効果を
発揮することができる。したがって、本発明の防汚性コ
ーティング材用共重合体は、水中構築物、漁網、船底等
の水棲生物の付着による汚染を防止するのに有効であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 防汚コーティング材用共重合体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中構築物、漁
網、船底等への水棲生物の付着を阻止するための防汚コ
ーティング材として有用な共重合体に関する。
網、船底等への水棲生物の付着を阻止するための防汚コ
ーティング材として有用な共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】水中構築物、漁網、船底をはじめ水中で
長時間使用する物品には、使用中に水棲生物が付着、繁
殖して外観を損ねるばかりでなく、その機能に悪影響を
与えることがある。
長時間使用する物品には、使用中に水棲生物が付着、繁
殖して外観を損ねるばかりでなく、その機能に悪影響を
与えることがある。
【0003】船底の場合においては、水棲生物の付着が
船全体の表面粗度の増加につながり、さらには船速が低
下するとともに燃費が増大する。またこのためドックで
の修復時間が長くなり運航効率が著しく低下する。この
ほか、バクテリア類の繁殖により水中構築物の腐敗、物
性の劣化が起こって著しく寿命が低下する等の莫大な被
害を生ずる。
船全体の表面粗度の増加につながり、さらには船速が低
下するとともに燃費が増大する。またこのためドックで
の修復時間が長くなり運航効率が著しく低下する。この
ほか、バクテリア類の繁殖により水中構築物の腐敗、物
性の劣化が起こって著しく寿命が低下する等の莫大な被
害を生ずる。
【0004】従来より、このような被害を回避するため
に使用される防汚剤としては、有機塩素系化合物、亜酸
化銅、有機スズ化合物等が知られている。
に使用される防汚剤としては、有機塩素系化合物、亜酸
化銅、有機スズ化合物等が知られている。
【0005】有機スズ化合物や亜酸化銅のような重金属
を含有する生理活性物質は、特に優れた防汚効果を有
し、漁網や船底用の塗料に必須の成分と考えられてい
る。例えば米国特許第3,167,473号明細書に
は、有機スズ化合物を用いた防汚処理剤のなかで「ポリ
マータイプ」といわれているものが記載されている。こ
の防汚処理剤は、共重合体の側鎖に有機スズ含有基を有
し、微アルカリ性の海水中で加水分解されて有機スズ化
合物を放出し、防汚効果を発揮すると同時に、加水分解
された共重合体自身も水溶化して海水中に溶解してゆく
ため、樹脂残渣層を残すことなく、常に活性な表面を保
つことができる。
を含有する生理活性物質は、特に優れた防汚効果を有
し、漁網や船底用の塗料に必須の成分と考えられてい
る。例えば米国特許第3,167,473号明細書に
は、有機スズ化合物を用いた防汚処理剤のなかで「ポリ
マータイプ」といわれているものが記載されている。こ
の防汚処理剤は、共重合体の側鎖に有機スズ含有基を有
し、微アルカリ性の海水中で加水分解されて有機スズ化
合物を放出し、防汚効果を発揮すると同時に、加水分解
された共重合体自身も水溶化して海水中に溶解してゆく
ため、樹脂残渣層を残すことなく、常に活性な表面を保
つことができる。
【0006】また、特開昭60−231771号公報に
は、含有する有機スズ化合物や亜酸化銅等の生理活性物
質の溶出性を促進させる目的で、これに併用する有機含
有共重合体の単量体の一部として、加水分解性のシリル
(メタ)アクリレート、例えばトリブチルシリルアクリ
レートやトリフェニルシリル(メタ)アクリレートを用
いる方法が記載されている。
は、含有する有機スズ化合物や亜酸化銅等の生理活性物
質の溶出性を促進させる目的で、これに併用する有機含
有共重合体の単量体の一部として、加水分解性のシリル
(メタ)アクリレート、例えばトリブチルシリルアクリ
レートやトリフェニルシリル(メタ)アクリレートを用
いる方法が記載されている。
【0007】しかしながら、これらの防汚処理剤は保存
安定性が悪く、特に亜酸化銅を併用した場合には数日の
内にゲル化してしまうというため問題があった。しかも
これらの防汚処理剤は、重金属や加水分解性の有機スズ
含有基を含有するため、毒性が高く、特に有機スズ化合
物は刺激性が強く、皮膚に触れると炎症を起こす等、安
全衛生面で問題があるのみならず、海水中への流出によ
る海洋汚染、奇形魚の発生、生態濃縮による人体への蓄
積性等、重大な問題を抱えていた。
安定性が悪く、特に亜酸化銅を併用した場合には数日の
内にゲル化してしまうというため問題があった。しかも
これらの防汚処理剤は、重金属や加水分解性の有機スズ
含有基を含有するため、毒性が高く、特に有機スズ化合
物は刺激性が強く、皮膚に触れると炎症を起こす等、安
全衛生面で問題があるのみならず、海水中への流出によ
る海洋汚染、奇形魚の発生、生態濃縮による人体への蓄
積性等、重大な問題を抱えていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような問題に
対処するものとして、例えば特表昭60−500452
号公報には、有機スズ含有共重合体を用いることなく、
防汚効果を示す船底塗料が記載されている。この船底塗
料は毒物および自己研磨型ポリマーより構成されてお
り、該ポリマー単量体としてはトリス(4−メチル−2
−ペントキシ)シリルアクリレートのような加水分解性
のシリル(メタ)アクリレートが記載されている。
対処するものとして、例えば特表昭60−500452
号公報には、有機スズ含有共重合体を用いることなく、
防汚効果を示す船底塗料が記載されている。この船底塗
料は毒物および自己研磨型ポリマーより構成されてお
り、該ポリマー単量体としてはトリス(4−メチル−2
−ペントキシ)シリルアクリレートのような加水分解性
のシリル(メタ)アクリレートが記載されている。
【0009】しかしながらこの船底塗料において、自己
研磨ポリマーは、毒物供給系(del-ivery system) とし
て働くのみで、これ自身には防汚性能はないため、毒物
成分が必須のものである。この船底塗料においても、毒
物によって付着した水棲生物を殺すという防汚を果たす
基本的な原理は、従来の防汚処理剤と変わっておらず、
重大な環境問題を回避することはできなかった。しかも
毒物として亜酸化銅を使用した場合には、保全安定性が
悪く、数日の内にゲル化してしまうという問題もあっ
た。
研磨ポリマーは、毒物供給系(del-ivery system) とし
て働くのみで、これ自身には防汚性能はないため、毒物
成分が必須のものである。この船底塗料においても、毒
物によって付着した水棲生物を殺すという防汚を果たす
基本的な原理は、従来の防汚処理剤と変わっておらず、
重大な環境問題を回避することはできなかった。しかも
毒物として亜酸化銅を使用した場合には、保全安定性が
悪く、数日の内にゲル化してしまうという問題もあっ
た。
【0010】さらに、ここに挙げられているトリス(4
−メチル−2−ペントキシ)シリルアクリレートは、ケ
イ素原子とアルコキシ基結合の間およびケイ素原子とエ
ステル結合の間の2種類の結合がいずれも加水分解性を
もつので、加水分解による共重合体の水への溶解度の制
御が困難になるという問題もあった。
−メチル−2−ペントキシ)シリルアクリレートは、ケ
イ素原子とアルコキシ基結合の間およびケイ素原子とエ
ステル結合の間の2種類の結合がいずれも加水分解性を
もつので、加水分解による共重合体の水への溶解度の制
御が困難になるという問題もあった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、有機スズ含有重合体を含ま
ず、海洋の生態系に悪影響を与えることのない防汚コー
ティング材用共重合体を提供することを目的とする。
ず、海洋の生態系に悪影響を与えることのない防汚コー
ティング材用共重合体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、下
記特定の式で規定される共重合体の自己研磨性に注目
し、これを用いたコーティング材は、毒物の併用がなく
とも優れた防汚性を有し、しかも保存安定性の良好な共
重合体を見出して本発明をなすに至った。
記特定の式で規定される共重合体の自己研磨性に注目
し、これを用いたコーティング材は、毒物の併用がなく
とも優れた防汚性を有し、しかも保存安定性の良好な共
重合体を見出して本発明をなすに至った。
【0013】すなわち本発明の防汚コーティング材用共
重合体は、下記一般式で表される共重合体側鎖のシリル
基が加水分解によって放出され、次いで共重合体自身も
水溶化する自己研磨作用で防汚性を発揮するものであ
り、一般式: (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 、R3 、
R4 はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロア
ルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価
の炭化水素基を示す)で表される少なくとも1種の不飽
和トリオルガノシリル単量体と、(メタ)アクリル系お
よびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の有機
単量体とを重合させて得られる重合度が190を超えな
いスズを含有しない共重合体からなることを特徴として
いる。
重合体は、下記一般式で表される共重合体側鎖のシリル
基が加水分解によって放出され、次いで共重合体自身も
水溶化する自己研磨作用で防汚性を発揮するものであ
り、一般式: (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 、R3 、
R4 はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロア
ルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価
の炭化水素基を示す)で表される少なくとも1種の不飽
和トリオルガノシリル単量体と、(メタ)アクリル系お
よびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の有機
単量体とを重合させて得られる重合度が190を超えな
いスズを含有しない共重合体からなることを特徴として
いる。
【0014】本発明に用いられる共重合体は、本発明に
おいて特徴的な成分であり、トリオルガノシリル基のケ
イ素原子に結合した有機基を選択することによって適度
の加水分解性を示し、水中で徐々に加水分解して親水性
を増すため、水に対して制御された溶解特性を示す。こ
のような共重合体は、1種または2種以上のトリオルガ
ノシリル単量体と、1種または2種以上の有機単量体と
を重合度が190を超えない程度に重合させることによ
って得られる。
おいて特徴的な成分であり、トリオルガノシリル基のケ
イ素原子に結合した有機基を選択することによって適度
の加水分解性を示し、水中で徐々に加水分解して親水性
を増すため、水に対して制御された溶解特性を示す。こ
のような共重合体は、1種または2種以上のトリオルガ
ノシリル単量体と、1種または2種以上の有機単量体と
を重合度が190を超えない程度に重合させることによ
って得られる。
【0015】不飽和トリオルガノシリル単量体と有機単
量体との構成比は、特に限定されるものではないが、好
ましくは不飽和トリオルガノシリル単量体の量が10〜
95重量%、さらに好ましくは20〜70重量%の範囲
である。不飽和トリオルガノシリル単量体の量を上記の
範囲とすることで、特に良好な加水分解速度と塗膜特性
とが得られ、良好な防汚力を長期間にわたって持続する
ことができる。
量体との構成比は、特に限定されるものではないが、好
ましくは不飽和トリオルガノシリル単量体の量が10〜
95重量%、さらに好ましくは20〜70重量%の範囲
である。不飽和トリオルガノシリル単量体の量を上記の
範囲とすることで、特に良好な加水分解速度と塗膜特性
とが得られ、良好な防汚力を長期間にわたって持続する
ことができる。
【0016】共重合体の一方の出発原料である不飽和ト
リオルガノシリル単量体において、R1 は水素原子また
はメチル基であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ炭素数
1〜18の独立した1価の炭化水素基で、直鎖状または
分岐状のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル
基から選ばれるものである。このアルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル
基、ステアリル基等が例示され、シクロアルキル基とし
ては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示さ
れる。適度な加水分解性を持ち、そのことによってコー
ティング材の水に対する徐溶性を制御するには、R2 、
R3 、R4 のうち少なくとも1個が炭素数4以上のもの
であることが好ましい。
リオルガノシリル単量体において、R1 は水素原子また
はメチル基であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ炭素数
1〜18の独立した1価の炭化水素基で、直鎖状または
分岐状のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル
基から選ばれるものである。このアルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル
基、ステアリル基等が例示され、シクロアルキル基とし
ては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示さ
れる。適度な加水分解性を持ち、そのことによってコー
ティング材の水に対する徐溶性を制御するには、R2 、
R3 、R4 のうち少なくとも1個が炭素数4以上のもの
であることが好ましい。
【0017】このような不飽和トリオルガノシリル単量
体としては、ジメチルブチルシリルアクリレート、ジメ
チルヘキシルシリルアクリレート、ジメチルオクチルシ
リルアクリレート、ジメチルデシルシリルアクリレー
ト、ジメチルドデシルシリルアクリレート、ジメチルシ
クロヘキシルシリルアクリレート、ジメチルフェニルシ
リルアクリレート、ジメチルジブチルシリルアクリレー
ト、エチルジブチルシリルアクリレート、ジブチルヘキ
シルシリルアクリレート、ジブチルフェニルシリルアク
リレート、トリブチルシリルアクリレート、トリフェニ
ルシリルアクリレート等;およびこれらに対応するメタ
クリレートが例示される。
体としては、ジメチルブチルシリルアクリレート、ジメ
チルヘキシルシリルアクリレート、ジメチルオクチルシ
リルアクリレート、ジメチルデシルシリルアクリレー
ト、ジメチルドデシルシリルアクリレート、ジメチルシ
クロヘキシルシリルアクリレート、ジメチルフェニルシ
リルアクリレート、ジメチルジブチルシリルアクリレー
ト、エチルジブチルシリルアクリレート、ジブチルヘキ
シルシリルアクリレート、ジブチルフェニルシリルアク
リレート、トリブチルシリルアクリレート、トリフェニ
ルシリルアクリレート等;およびこれらに対応するメタ
クリレートが例示される。
【0018】これらのうち、加水分解速度が遅く、合成
の容易なことと、造膜性の良いことでは、ジメチルヘキ
シルシリル(メタ)アクリレート、ジメチルデシルシリ
ル(メタ)アクリレートのような、R2 、R3 、R4 の
うち2個がメチル基で残余が炭素数6以上の長鎖アルキ
ル基であるものが優れているが、水中で制御された加水
分解速度を持ち、適度の徐溶性を得るためには、トリブ
チルシリル(メタ)アクリレートが好ましい。
の容易なことと、造膜性の良いことでは、ジメチルヘキ
シルシリル(メタ)アクリレート、ジメチルデシルシリ
ル(メタ)アクリレートのような、R2 、R3 、R4 の
うち2個がメチル基で残余が炭素数6以上の長鎖アルキ
ル基であるものが優れているが、水中で制御された加水
分解速度を持ち、適度の徐溶性を得るためには、トリブ
チルシリル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0019】共重合体の他方の出発原料である有機単量
体は、(メタ)アクリル系およびビニル系化合物から選
ばれるものである。この(メタ)アクリル系化合物とし
ては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート(以上のアルキル基は直鎖でも分岐状でもよ
い)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアク
リレート、アクリルアミド、アクリルニトリル等;およ
びこれらに対応するメタクリル化合物が例示され、ビニ
ル系化合物としては、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニル
メチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル、ビニルピロリドリン等が例示される。
体は、(メタ)アクリル系およびビニル系化合物から選
ばれるものである。この(メタ)アクリル系化合物とし
ては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート(以上のアルキル基は直鎖でも分岐状でもよ
い)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアク
リレート、アクリルアミド、アクリルニトリル等;およ
びこれらに対応するメタクリル化合物が例示され、ビニ
ル系化合物としては、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニル
メチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル、ビニルピロリドリン等が例示される。
【0020】重合は、例えば有機溶剤の存在下で不飽和
トリオルガノシリル単量体と有機単量体とを混合し、重
合開始剤を用いて行われる。
トリオルガノシリル単量体と有機単量体とを混合し、重
合開始剤を用いて行われる。
【0021】有機溶剤は、重合の制御と反応中のゲルの
形成防止のためのものであり、ベンゼン、トルエン、キ
シレンのような炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルのようなエステル系溶剤;メタノール、エタノールの
ようなアルコール系溶剤;メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンのようなケトン系溶剤;およびジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロ
トン系極性溶剤が例示される。
形成防止のためのものであり、ベンゼン、トルエン、キ
シレンのような炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルのようなエステル系溶剤;メタノール、エタノールの
ようなアルコール系溶剤;メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンのようなケトン系溶剤;およびジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロ
トン系極性溶剤が例示される。
【0022】有機溶剤の量は、単量体の合計100重量
部に対して20〜1000重量部が好ましく、さらに好
ましくは50〜500重量部である。有機溶剤の量を上
記範囲とすることにより、特に良好な反応の制御性や製
造工程の簡易化が図れる。
部に対して20〜1000重量部が好ましく、さらに好
ましくは50〜500重量部である。有機溶剤の量を上
記範囲とすることにより、特に良好な反応の制御性や製
造工程の簡易化が図れる。
【0023】重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーベンゾエート、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の
有機過酸化物およびアゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物が例示される。重合開始剤の量は単量体の合計
量100重量部に対して0.01〜10重量部が一般的
である。重合条件は特に限定されないが、窒素気流中で
行うことが好ましく、また一般に重合開始剤が有機過酸
化物の場合には60〜120℃、アゾ化合物の場合には
45〜100℃の温度で行われる。
サイド、t−ブチルパーベンゾエート、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の
有機過酸化物およびアゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物が例示される。重合開始剤の量は単量体の合計
量100重量部に対して0.01〜10重量部が一般的
である。重合条件は特に限定されないが、窒素気流中で
行うことが好ましく、また一般に重合開始剤が有機過酸
化物の場合には60〜120℃、アゾ化合物の場合には
45〜100℃の温度で行われる。
【0024】本発明の上記特定の共重合体を用いたコー
ティング材は、前述の共重合体単独か必要に応じて顔
料、有機溶剤、揺変剤等を配合することによって得られ
る。防汚処理の対象が水中構築物、漁網、船底等と多岐
にわたるため、配合割合は特に限定できないが、共重合
体の配合量を上記の範囲とすることにより、特に良好な
塗膜形成性と作業性が得られる。
ティング材は、前述の共重合体単独か必要に応じて顔
料、有機溶剤、揺変剤等を配合することによって得られ
る。防汚処理の対象が水中構築物、漁網、船底等と多岐
にわたるため、配合割合は特に限定できないが、共重合
体の配合量を上記の範囲とすることにより、特に良好な
塗膜形成性と作業性が得られる。
【0025】顔料としては、べんがら、チタン白、タル
ク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムのような海
水不活性顔料や、酸化亜鉛、酸化カルシウムのような海
水反応性顔料が例示されれ1種でも2種以上の併用でも
差し支えない。有機溶剤としては、前述した共重合体を
得るための重合工程で用いたものと同様なものが用いら
れる。揺変材としては、ベントナイト、酸化ポリエチレ
ンおよびアミド化合物が例示される。
ク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムのような海
水不活性顔料や、酸化亜鉛、酸化カルシウムのような海
水反応性顔料が例示されれ1種でも2種以上の併用でも
差し支えない。有機溶剤としては、前述した共重合体を
得るための重合工程で用いたものと同様なものが用いら
れる。揺変材としては、ベントナイト、酸化ポリエチレ
ンおよびアミド化合物が例示される。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
説明する。なお、以下の実施例中の部は重量部を示す。
説明する。なお、以下の実施例中の部は重量部を示す。
【0027】<共重合体の合成>冷却器、攪拌器および
温度計を備えた反応器にキシレン300部を仕込み、こ
れにジメチルヘキシルシリルメタクリレート120部、
メチルメタクリレート180部、およびアゾビスイソブ
チロニトリル2部を加え、80℃で8時間加熱攪拌する
ことによって重合を行った。室温に冷却後、酢酸エチル
66部を追加して淡黄色透明の共重合体溶液V−1を得
た。V−1の25℃における粘度は480cP、固形分
濃度は44.8%であった。
温度計を備えた反応器にキシレン300部を仕込み、こ
れにジメチルヘキシルシリルメタクリレート120部、
メチルメタクリレート180部、およびアゾビスイソブ
チロニトリル2部を加え、80℃で8時間加熱攪拌する
ことによって重合を行った。室温に冷却後、酢酸エチル
66部を追加して淡黄色透明の共重合体溶液V−1を得
た。V−1の25℃における粘度は480cP、固形分
濃度は44.8%であった。
【0028】V−1と重合後の有機溶剤の追加を行わな
い以外は同様にして、表1に示す有機溶剤、単量体およ
び反応開始剤から、淡黄色透明共重合体溶液V−2〜V
−7を得た。得られた共重合体溶液の粘度と固形分濃度
は表1に示す通りである。なお、表中の配合量を示す数
字は部を表す(以下同じ)。
い以外は同様にして、表1に示す有機溶剤、単量体およ
び反応開始剤から、淡黄色透明共重合体溶液V−2〜V
−7を得た。得られた共重合体溶液の粘度と固形分濃度
は表1に示す通りである。なお、表中の配合量を示す数
字は部を表す(以下同じ)。
【0029】また、低重合度の共重合体(H−1)およ
び高重合度の共重合体(H−2)を以下のように合成し
た。まず、冷却器、攪拌器および温度計を備えた反応容
器にキシレン300部を仕込み、これにトリブチルシリ
ルメタクリレート144部、メチルメタクリレート15
6部、n−オクチルメルカプタン6部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル6部を加え、95℃で8時間加熱撹拌
することによって重合を行った後、室温に冷却して無色
透明の低重合度共重合体溶液H−1を得た。H−1の2
5℃における粘度は48cP,固形分濃度は47.4%
であった。
び高重合度の共重合体(H−2)を以下のように合成し
た。まず、冷却器、攪拌器および温度計を備えた反応容
器にキシレン300部を仕込み、これにトリブチルシリ
ルメタクリレート144部、メチルメタクリレート15
6部、n−オクチルメルカプタン6部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル6部を加え、95℃で8時間加熱撹拌
することによって重合を行った後、室温に冷却して無色
透明の低重合度共重合体溶液H−1を得た。H−1の2
5℃における粘度は48cP,固形分濃度は47.4%
であった。
【0030】さらに、冷却器、攪拌器および温度計を備
えた反応容器にキシレン300部を仕込み、これにトリ
ブチルシリルメタクリレート144部、メチルメタクリ
レート156部およびアゾビスイソブチロニトリル0.
6部を加え、80℃で8時間加熱撹拌することによって
重合を行った後、室温に冷却して無色透明の高重合度共
重合体溶液H−2を得た。H−2の25℃における粘度
は1760cP,固形分濃度は49.9%であった。各
単量体の仕込み量と共重合体収量とから実質的に全量の
各単量体が重合していることを確認した。
えた反応容器にキシレン300部を仕込み、これにトリ
ブチルシリルメタクリレート144部、メチルメタクリ
レート156部およびアゾビスイソブチロニトリル0.
6部を加え、80℃で8時間加熱撹拌することによって
重合を行った後、室温に冷却して無色透明の高重合度共
重合体溶液H−2を得た。H−2の25℃における粘度
は1760cP,固形分濃度は49.9%であった。各
単量体の仕込み量と共重合体収量とから実質的に全量の
各単量体が重合していることを確認した。
【0031】また、表1には上記各共重合体のGPC法
(カラム:東洋ソー(株)製、商品名TSK-GEL G4000HXL
-G2000HXL、溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換
算)により求めた数平均分子量(Mn)、およびGPC法に
より求めたMnと共重合体合成時の単量体の仕込み組成
から計算した重合度を併せて示す。
(カラム:東洋ソー(株)製、商品名TSK-GEL G4000HXL
-G2000HXL、溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換
算)により求めた数平均分子量(Mn)、およびGPC法に
より求めたMnと共重合体合成時の単量体の仕込み組成
から計算した重合度を併せて示す。
【0032】
【表1】
【0033】<実施例1〜10、参考例1〜2、比較例
1〜4および比較例6〜7>以上のようにして得た共重
合体溶液を用いて、防汚性コーティング材を表2に示す
配合により調製した。また、比較例1および2として、
亜酸化銅とトリブチルスズメタクリレートとメチルメタ
クリレートとの共重合体からなる表3に示すワニスAお
よびBを用いた防汚塗料を表4に示す配合により調製し
た。さらに比較例3および4として、従来型の亜酸化銅
を用いた防汚塗料を表4に示す配合により調製した。ま
たさらに、参考例1〜2として、共重合体溶液H−1を
用いて、表2に示す配合により防汚性コーティング材を
調製した。また、比較例6〜7として、共重合体溶液H
−2を用いて、表2に示す配合により防汚性コーティン
グ材を調製した。
1〜4および比較例6〜7>以上のようにして得た共重
合体溶液を用いて、防汚性コーティング材を表2に示す
配合により調製した。また、比較例1および2として、
亜酸化銅とトリブチルスズメタクリレートとメチルメタ
クリレートとの共重合体からなる表3に示すワニスAお
よびBを用いた防汚塗料を表4に示す配合により調製し
た。さらに比較例3および4として、従来型の亜酸化銅
を用いた防汚塗料を表4に示す配合により調製した。ま
たさらに、参考例1〜2として、共重合体溶液H−1を
用いて、表2に示す配合により防汚性コーティング材を
調製した。また、比較例6〜7として、共重合体溶液H
−2を用いて、表2に示す配合により防汚性コーティン
グ材を調製した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】 以上のように調製した各防汚性コーティング材と防汚塗
料とを用いて、下記の要領で塗膜の消耗度と水棲生物の
付着性の試験を行った。
料とを用いて、下記の要領で塗膜の消耗度と水棲生物の
付着性の試験を行った。
【0037】<塗膜の消耗度>実施例1〜10、参考例
1〜2、比較例1〜4および比較例6〜7の各防汚性コ
ーティング材と防汚塗料を、それぞれ70× 150×2mm の
硬質塩化ビニル板に、乾燥膜厚が100 μmになるように
アプリケーターで塗布し、海水中に設置した回転ドラム
に取付け、周速10ノットで回転させて1か月間の消耗膜
厚を測定した。その結果を表5に示す。
1〜2、比較例1〜4および比較例6〜7の各防汚性コ
ーティング材と防汚塗料を、それぞれ70× 150×2mm の
硬質塩化ビニル板に、乾燥膜厚が100 μmになるように
アプリケーターで塗布し、海水中に設置した回転ドラム
に取付け、周速10ノットで回転させて1か月間の消耗膜
厚を測定した。その結果を表5に示す。
【0038】<水棲生物の付着性>実施例1〜10、
参考例1〜2、比較例1〜4および比較例6〜7の各防
汚性コーティング材と防汚塗料を、それぞれ防錆塗料を
塗布した100 ×300 ×3mm 銅板に、乾燥膜厚が150 〜20
0 μm になるように塗布して試料を作製した。これらの
試料と比較例5として無処理の試料とをそれぞれ広島湾
宮島沖の海中に沈め、6か月ごとに水棲生物の付着面積
を調べた。各々の試料の付着面積を百分率で表6に示
す。
参考例1〜2、比較例1〜4および比較例6〜7の各防
汚性コーティング材と防汚塗料を、それぞれ防錆塗料を
塗布した100 ×300 ×3mm 銅板に、乾燥膜厚が150 〜20
0 μm になるように塗布して試料を作製した。これらの
試料と比較例5として無処理の試料とをそれぞれ広島湾
宮島沖の海中に沈め、6か月ごとに水棲生物の付着面積
を調べた。各々の試料の付着面積を百分率で表6に示
す。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】<水棲生物の付着性>実施例1および5
と比較例1および4の各防汚性コーティング材と防汚塗
料を、それぞれ50×50cmのポリ塩化ビニル樹脂製フレー
ムに取り付けた、網目の大きさが7節のポリエステル製
の漁網に浸漬塗布して試料を作製した。これらの試料と
比較例5として無処理の試料とをそれぞれ富山湾の海中
に沈め、2か月ごとに水棲生物の付着状態を調べた。そ
の結果を表7に示す。
と比較例1および4の各防汚性コーティング材と防汚塗
料を、それぞれ50×50cmのポリ塩化ビニル樹脂製フレー
ムに取り付けた、網目の大きさが7節のポリエステル製
の漁網に浸漬塗布して試料を作製した。これらの試料と
比較例5として無処理の試料とをそれぞれ富山湾の海中
に沈め、2か月ごとに水棲生物の付着状態を調べた。そ
の結果を表7に示す。
【0042】
【表7】 各試験結果が示すように、本発明の共重合体を用いた防
汚性コーティング材は、長期にわたって安定した防汚性
を発揮する。
汚性コーティング材は、長期にわたって安定した防汚性
を発揮する。
【0043】
【発明の効果】本発明の防汚性コーティング材用共重合
体は、側鎖のトリオルガノシリル基が加水分解して親水
性を増し、水中で制御された溶解性、すなわち自己研磨
性を示すので、環境に影響を及ぼす有機スズ化合物や有
機スズ含有共重合体を用いることなく優れた防汚効果を
発揮することができる。したがって、本発明の防汚性コ
ーティング材用共重合体は、水中構築物、漁網、船底等
の水棲生物の付着による汚染を防止するのに有効であ
る。
体は、側鎖のトリオルガノシリル基が加水分解して親水
性を増し、水中で制御された溶解性、すなわち自己研磨
性を示すので、環境に影響を及ぼす有機スズ化合物や有
機スズ含有共重合体を用いることなく優れた防汚効果を
発揮することができる。したがって、本発明の防汚性コ
ーティング材用共重合体は、水中構築物、漁網、船底等
の水棲生物の付着による汚染を防止するのに有効であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 信宏 群馬県太田市西新町133番地 東芝シリコ ーン株式会社内 (72)発明者 栗田 明嗣 群馬県太田市西新町133番地 東芝シリコ ーン株式会社内 (72)発明者 畑中 正行 群馬県太田市西新町133番地 東芝シリコ ーン株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 、R3 、
R4 はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロア
ルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価
の炭化水素基で、うち少なくとも1個は炭素数4以上の
1価の炭化水素基を示す)で表される少なくとも1種の
不飽和トリオルガノシリル単量体と、(メタ)アクリル
系およびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の
有機単量体とを重合させて得られる共重合体からなる防
汚コーティング材用共重合体。 - 【請求項2】 R2 、R3 、R4 がいずれもがブチル基
である請求項1記載の防汚コーティング材用共重合体。 - 【請求項3】 R2 、R3 、R4 のうち2個がメチル基
で、残余が炭素数6以上のアルキル基である請求項1記
載の防汚コーティング材用共重合体。 - 【請求項4】 共重合体の単量体のうち不飽和トリオル
ガノシリル単量体の量が10〜95重量%である請求項
1ないし請求項3のいずれか1項記載の防汚コーティン
グ材用共重合体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10116616A JP3053081B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 防汚コーティング材用共重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10116616A JP3053081B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 防汚コーティング材用共重合体 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6258168A Division JP2833493B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 防汚性コーティング材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1143642A true JPH1143642A (ja) | 1999-02-16 |
| JP3053081B2 JP3053081B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=14691599
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10116616A Expired - Lifetime JP3053081B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 防汚コーティング材用共重合体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3053081B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2836473A1 (fr) * | 2002-02-26 | 2003-08-29 | Atofina | Procede de fabrication d'organoacyloxysilanes |
| JP2010195751A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 嵩高い置換基を有するシロキシ基含有シリル(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法 |
| JP4806884B2 (ja) * | 1999-07-21 | 2011-11-02 | 株式会社エーピーアイ コーポレーション | トリフェニルボロン含有ポリマーおよびその用途 |
| KR20190103289A (ko) | 2017-01-25 | 2019-09-04 | 닛토 가세이 가부시끼 가이샤 | 방오도료 조성물용 공중합체, 방오도료 조성물, 상기 조성물을 이용하여 형성되는 방오도막, 상기 도막을 표면에 가지는 도장물 및 상기 도막을 형성하는 방오처리 방법 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1238980B1 (en) | 2001-03-06 | 2006-06-14 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Silyl (meth)acrylates having bulky substituent group and preparation thereof |
| JP5282526B2 (ja) | 2008-10-29 | 2013-09-04 | 信越化学工業株式会社 | 嵩高い置換基を有するシロキシ基含有シリル(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-04-27 JP JP10116616A patent/JP3053081B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4806884B2 (ja) * | 1999-07-21 | 2011-11-02 | 株式会社エーピーアイ コーポレーション | トリフェニルボロン含有ポリマーおよびその用途 |
| FR2836473A1 (fr) * | 2002-02-26 | 2003-08-29 | Atofina | Procede de fabrication d'organoacyloxysilanes |
| JP2010195751A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 嵩高い置換基を有するシロキシ基含有シリル(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法 |
| KR20190103289A (ko) | 2017-01-25 | 2019-09-04 | 닛토 가세이 가부시끼 가이샤 | 방오도료 조성물용 공중합체, 방오도료 조성물, 상기 조성물을 이용하여 형성되는 방오도막, 상기 도막을 표면에 가지는 도장물 및 상기 도막을 형성하는 방오처리 방법 |
| KR20220152341A (ko) | 2017-01-25 | 2022-11-15 | 닛토 가세이 가부시끼 가이샤 | 방오도료 조성물용 공중합체, 방오도료 조성물, 상기 조성물을 이용하여 형성되는 방오도막, 상기 도막을 표면에 가지는 도장물 및 상기 도막을 형성하는 방오처리 방법 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3053081B2 (ja) | 2000-06-19 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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