JPH1149720A - アズレン誘導体の製造方法 - Google Patents

アズレン誘導体の製造方法

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JPH1149720A
JPH1149720A JP9246438A JP24643897A JPH1149720A JP H1149720 A JPH1149720 A JP H1149720A JP 9246438 A JP9246438 A JP 9246438A JP 24643897 A JP24643897 A JP 24643897A JP H1149720 A JPH1149720 A JP H1149720A
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謙 岡本
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右二 瑞穂
Takeshi Murakami
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アズレン誘導体を、生産性よく工業的に製造
する方法の提供。 【解決手段】 シクロヘプタ〔b〕フラン−2−オン誘
導体と活性メチレン化合物とをアミジン骨格を有する有
機塩基の存在下に反応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、触媒配位
子、電子写真感光体、液晶素子、有機電導体、化粧品、
染料等の原料として有用なアズレン誘導体の改良された
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アズレン誘導体は古くから民間で薬用と
されてきたニガヨモギやカミツレ精油の成分として知ら
れているが、最近になって抗炎症剤、高脂血症治療剤、
抗癌剤等の医薬品としての用途、更には電子写真感光
体、液晶素子、有機電導体、化粧品、染料、触媒配位子
としての用途も注目されつつある化合物である。中でも
2位にアルキル基を有するアズレン類は、重要な基本化
合物と目されており、このものの工業的生産に適した製
造方法の開発が要望されている。
【0003】2位にアルキル基を有するアズレン類の合
成法のひとつとして、例えばTetrahedron,
27,3357(1971)に、2−クロロトロポンと
アセト酢酸エチルを原料とする方法が記載されている。
この方法では、まず2−クロロトロポンとアセト酢酸エ
チルとを反応させて3−アセチル−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オンを合成し、次にこれにシアノ酢
酸エチル又はマロン酸ジエチルを反応させて1−カルボ
キシ−3−シアノ(又はエトキシカルボニル)−2−メ
チルアズレンを合成する。さらにこの1−位と3−位が
置換された2−メチルアズレンを硫酸等とともに加熱す
ることにより、置換基を脱離させて2−メチルアズレン
を得ている。
【0004】しかしながら、この方法を追試した結果、
1−カルボキシ−3−シアノ(又はエトキシカルボニ
ル)−2−メチルアズレンを合成する反応では、反応中
に析出物により反応液が撹拌困難な懸濁状態になること
が判明した。そのため撹拌下に反応を円滑に進めるに
は、原料である3−アセチル−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オンの仕込濃度を著しく低くしなけ
ればならず、この方法は工業的規模で実施するには適当
な方法ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応中に析
出物の発生がなく、従って高濃度で反応が可能で生産性
に優れ、また、1−位にカルボキシル基を有し、3−位
にもシアノ基やアルコキシカルボニル基などの置換基を
有する2−メチルアズレンなどを工業的に生産可能な製
造法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記式
(1)で表されるシクロヘプタ[b]フラン−2−オン
誘導体と、
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1 は置換基を有していてもよい
脂肪族若しくは芳香族炭化水素基を示し、R2 〜R
6 は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は
置換基を有していてもよい脂肪族若しくは芳香族炭化水
素基を示す。なお、R2 〜R6 は任意に結合して環を形
成していてもよい。) 下記式(2)で表される活性メチレン基を有する化合物
とを、
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R7 は水素原子又は置換基を有し
ていてもよい脂肪族若しくは芳香族炭化水素基を示す。
8 は、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルカノ
イル基又はアミド基を示す。) アミジン骨格を有する有機塩基の共存下に反応させるこ
とにより、下記式(3)で表されるアズレン誘導体を工
業的規模で容易に製造することができる。
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1 〜R6 及びR8 は式(1)、
式(2)と同義である。)
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で反応原料として用いられ
る式(1)のシクロヘプタ[b]フラン−2−オン誘導
体において、R1 が示す脂肪族炭化水素基としてはメチ
ル基、エチル基、イソプロピル基などの炭素数1〜5程
度の低級アルキル基が挙げられ、芳香族炭化水素基とし
てはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。ま
た、これらにさらに置換基が結合したものとしては、ト
リフルオロメチル基、p−フルオロフェニル基、メトキ
シメチル基、p−メトキシフェニル基など、上記の炭化
水素基から誘導されるハロ炭化水素基やアルコキシ炭化
水素基などが挙げられる。
【0014】R2 〜R6 は本質的に反応には関与しない
部位であり、反応に不活性な任意の置換基であって差支
えない。R2 〜R6 が示す脂肪族炭化水素基としてはメ
チル基、エチル基、イソプロピル基などの炭素数1〜5
程度の低級アルキル基が挙げられ、芳香族炭化水素基と
してはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。ま
た、これらにさらに置換基が結合したものとしては、ト
リフルオロメチル基、メトキシメチル基、p−クロロフ
ェニル基など、ハロゲンやアルコキシ基が結合したもの
が挙げられる。また、R2 〜R6 が任意に結合して形成
する環としては、隣接する2つのRが結合して形成する
炭化水素環や、この炭化水素環の炭素に隣接するRがさ
らに結合して形成する環などが挙げられる。式(1)で
表されるシクロヘプタ[b]フラン−2−オン誘導体の
いくつかを次に例示する。
【0015】3−アセチル−2H−シクロヘプタ[b]
フラン−2−オン 3−プロパノイル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−
2−オン 5−イソプロピル−3−アセチル−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オン 5−イソプロピル−3−プロパノイル−2H−シクロヘ
プタ[b]フラン−2−オン 3−トリフルオロアセチル−2H−シクロヘプタ[b]
フラン−2−オン 3−メトキシアセチル−2H−シクロヘプタ[b]フラ
ン−2−オン 3−ベンゾイル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2
−オン 3−(p−メチルベンゾイル)−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オン 3−(p−フルオロベンゾイル)−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オン 3−(p−メトキシベンゾイル)−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オン 3−アセチル−6,7−ベンゾ−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オン 3−プロパノイル−6,7−ベンゾ−2H−シクロヘプ
タ[b]フラン−2−オン 3−アセチル−5,6−ベンゾ−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オン 3−プロパノイル−5,6−ベンゾ−2H−シクロヘプ
タ[b]フラン−2−オン
【0016】式(1)のシクロヘプタ[b]フラン−2
−オン誘導体は、Tetrahedron,27,33
57及び6023(1971)に記載の方法によって製
造することが出来る。例えば、アルコール等の溶媒中、
2−クロロトロポン、2−メトキシトロポン又は2−ア
レーンスルホニルオキシトロポン等のトロポン誘導体
と、アセト酢酸エステル、3−オキシブタン酸エステル
等のβ−ケトカルボン酸エステル類とを、ナトリウムア
ルコキシドや第3ブチルアミン等の強塩基の存在下に反
応させればよい。
【0017】式(2)で表される活性メチレン基を有す
る化合物において、R7 が示す脂肪族炭化水素基として
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基などの炭素数
1〜5程度の低級アルキル基が挙げられ、芳香族炭化水
素基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられ
る。またこれらに置換基が結合したものとしては、トリ
フルオロメチル基、p−フルオロフェニル基、p−メト
キシフェニル基など、ハロゲンやアルコキシ基が結合し
たものが挙げられる。R7 で示される基は反応途中で脱
落して、生成物には含まれない。式(2)で表わされる
活性メチレン基を有する化合物のいくつかを例示する
と、R8 がシアノ基であるものとしては、シアノ酢酸、
シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸フェ
ニル、シアノ酢酸p−フルオロフェニルなどが挙げられ
る。
【0018】R8 がアルコキシカルボニル基であるもの
としては、マロン酸、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエ
チル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ジ(p−フルオロ
フェニル)、マロン酸tert−ブチルエチル、メルド
ラム酸などが挙げられる。R8 がアルカノイル基である
ものとしては、アセト酢酸、アセト酢酸メチル、アセト
酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸p−フル
オロフェニル、3−ケトペンタン酸、3−ケトペンタン
酸メチル、3−ケトペンタン酸エチル、3−ケトペンタ
ン酸フェニル、3−ケトペンタン酸p−フルオロフェニ
ルなどが挙げられる。R8 がアミド基であるものとして
は、メトキシカルボニルアセトアミド、エトキシカルボ
ニルアセトアミドなどが挙げられる。これらの活性メチ
レン基を有する化合物は、式(1)のシクロペンタ
[b]フラン−2−オン誘導体に対して通常1〜10倍
モル、好ましくは1〜4倍モルとなるように用いる。
【0019】本発明では式(1)のシクロヘプタ[b]
フラン−2−オン誘導体と、式(2)の活性メチレン基
を有する化合物とを反応させるに際し、反応系にアミジ
ン骨格を有する有機塩基を存在させる。本発明者らの検
討によれば、前述のTetrahedron,27,3
357(1971)に記載の方法において反応系が撹拌
困難な懸濁状態となるのは、反応助剤としてナトリウム
アルコキシドを用いているため、反応生成物のナトリウ
ム塩及び副生した炭酸ナトリウムが析出することによ
る。従ってこのような析出物を生じない反応助剤を用い
れば、工業的に有利な高濃度の反応系で反応を行うこと
ができると考えられる。
【0020】本発明者らはこのような知見に基づき、ナ
トリウムアルコキシドに代る反応助剤を検討した結果、
アミジン骨格を有する有機塩基が反応助剤として優れて
おり、かつ反応途中において反応系を懸濁状態としない
ことを見出したものである。アミジン骨格を有する有機
塩基としては、通常は下記式(4)で表されるものが用
いられる。
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R9 は、置換基を有していてもよ
い脂肪族若しくは芳香族炭化水素基、又は1級ないし3
級アミノ基を示し、R10〜R12は、それぞれ独立して、
水素原子又は置換基を有していてもよい脂肪族若しくは
芳香族炭化水素基を示す。但し、R9 〜R12は任意に結
合して環を形成していてもよい)。
【0023】式(4)において、R9 〜R12が示す脂肪
族炭化水素基としてはメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基など炭素数1〜5程度の低級アルキル基が挙げら
れ、芳香族炭化水素基としてはフェニル基、p−トリル
基などが挙げられる。また、これらにさらに置換基が結
合したものとしては、トリフルオロメチル基、メトキシ
メチル基、p−フルオロフェニル基、p−メトキシフェ
ニル基などが挙げられる。
【0024】R9 が示す2級ないし3級アミノ基として
は、上述の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基がア
ミノ基の窒素原子に結合したものが挙げられる。また、
9〜R12が任意に結合して形成する環としては、R9
〜R12のいずれか2つが結合した部分が2〜6個の炭素
原子から成る炭素鎖を形成するものが挙げられる。式
(4)で表されるアミジン構造を有する有機塩基のいく
つかを例示すると、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン、1,1,3,3−テトラメチル
グアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン等が挙げら
れる。アミジン構造を有する有機塩基はそれぞれ単独で
用いても良いが、2種以上の混合物として用いても良
い。これらの有機塩基は、シクロヘプタ[b]フラン−
2−オン誘導体に対して、通常1から10倍モル、好ま
しくは1から4倍モルとなるように使用する。
【0025】反応溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、水など常用の
溶媒を用いることができる。好ましくはメタノール、エ
タノール等のアルコール類が用いられる。所望ならば2
種以上の溶媒の混合物を用いることもできる。溶媒は反
応原料のシクロヘプタ[b]フラン−2−オン誘導体に
対して、通常0.5〜20重量倍、好ましくは1〜10
重量倍用いる。また、溶媒は添加しなくてもよい場合が
ある。溶媒の使用量が少くて反応開始時に反応系がスラ
リー状を呈しても、良好な撹拌が行ない得る状態であれ
ば、反応途中で逐次溶解していくので反応は円滑に進行
させることができ、これが本発明の大きな特徴である。
反応溶媒へのシクロヘプタ[b]フラン−2−オン誘導
体、活性メチレン基を有する化合物及びアミジン骨格を
有する有機塩基の添加順序は任意であり、例えばシクロ
ヘプタ[b]フラン−2−オン誘導体を含む溶媒に活性
メチレン基を有する化合物及びアミジン骨格を有する有
機塩基を順次加えてもよく、又はアミジン骨格を有する
有機塩基を含む溶媒に、シクロヘプタ[b]フラン−2
−オン誘導体と活性メチレン基を有する化合物とを順次
加えてもよい。
【0026】反応温度は、通常−30ないし30℃、好
ましくは−10ないし20℃で行われる。これより低温
では反応速度が十分でないため、反応に長時間を要する
し、またこれより高温では、副反応により、目的物の収
率を著しく損なう傾向にある。反応時間は、反応温度や
仕込み組成などにより異なるが、通常は10時間以下で
十分である。反応終了後は、塩酸又は硫酸を添加して反
応液を酸性にすると、生成したアズレン誘導体が結晶と
して析出してくる。濾過してこれを分取し、アルコール
や水などで洗浄して乾燥すると、目的物のアズレン誘導
体が高純度で取得できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0028】[参考例]室温下、1.5リットルのガラ
ス製セパラブルフラスコに、エタノール274mlを入
れ、これに2−(p−トルエンスルホニルオキシ)トロ
ポン91.18g及びアセト酢酸エチル128.84g
を加えて懸濁させた。約5℃まで冷却したのち、これに
ナトリウムエトキシド53.90gをエタノール274
mlに溶解させた液を約40分かけて滴下した。引続き
約5℃で約30分反応させたのち、反応液を室温まで昇
温し、さらに約1時間反応させた。反応液に水684m
lを添加したのち約5℃まで冷却し、約1時間撹拌し
た。析出した結晶を濾別し、水228mlで2回洗浄し
たのち真空乾燥した。得られた結晶は、高速液体クロマ
トグラフィー及びNMRスペクトロスコピーにより分析
した結果、3−アセチル−2H−シクロヘプタ[b]フ
ラン−2−オンであった。収量56.81g、純度9
9.5%、収率92%。
【0029】[比較例1]室温下、200mlのガラス
製フラスコに、エタノール100mlを入れ、これに3
−アセチル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オ
ン 5.70g及びシアノ酢酸エチル6.85gを加え
て懸濁させた。これにナトリウムエトキシドのエタノー
ル溶液(1.0mol/L)100mlを約50分かけ
て滴下し、さらに室温で約7時間反応させた。反応液中
の3−アセチル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2
−オンの仕込濃度は約3.3重量%である。反応液は析
出物により終始懸濁状態であったが、辛うじて撹拌する
ことが出来た。反応液に水500mlを加えたのち、ク
ロロホルム200mlで2回抽出した。水層に濃塩酸1
6mlを加え、析出した結晶を濾別し、水10mlで2
回洗浄したのち真空乾燥した。得られた淡赤色結晶は、
高速液体クロマトグラフィー、NMR及びIRスペクト
ロスコピーにより分析した結果、1−カルボキシ−3−
シアノ−2−メチルアズレンであった。収量5.39
g、純度84%、収率71%。
【0030】1H−NMRスペクトル[(CD3 2
O、400MHz、δ/ppm]:12.9(br,C
OOH,1H),9.64(d,J=10Hz,CH,
1H),8.66(d,J=10Hz,CH,1H),
8.17(t,J=10Hz,CH,1H),7.97
(t,J=10Hz,CH,1H),7.94(t,J
=10Hz,CH,1H),2.85(s,CH3 ,3
H) IR(KBr disk,ν/cm-1):2217(C
N),1658(COOH)
【0031】[比較例2]室温下、30mlのガラス製
フラスコに、エタノール7.68mlを入れ、これに3
−アセチル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オ
ン 0.50g及びシアノ酢酸エチル0.60gを加え
て懸濁させた。これにナトリウムエトキシド0.54g
を約5分かけて添加し、さらに室温で約3時間反応させ
た。反応液中の3−アセチル−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オンの仕込み濃度は約6.5重量%
である。反応液は析出物により終始懸濁状態であり、撹
拌は全く出来ない状態であった。反応液を少量分取し、
高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、1−
カルボキシ−3−シアノ−2−メチルアズレンの収率
は、64%であった。
【0032】[比較例3]室温下、30mlのガラス製
フラスコに、エタノール3mlを入れ、これに3−アセ
チル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オン
0.15g及びマロン酸ジエチル0.26gを加えて懸
濁させた。これにナトリウムエトキシドのエタノール溶
液(約1.0mol/L)3.2mlを約5分かけて滴
下し、さらに室温で約4時間反応させた。反応液中の3
−アセチル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オ
ンの仕込み濃度は約5.1重量%である。反応液は析出
物により懸濁状態であり、撹拌は全く出来ない状態であ
った。反応液を少量分取し、高速液体クロマトグラフィ
ーにより分析した結果、3−アセチル−2H−シクロヘ
プタ[b]フラン−2−オンの転化率は、93%、1−
カルボキシ−3−エトキシカルボニル−2−メチルアズ
レンの収率は、41%であった。
【0033】[実施例1]反応温度のみを、5、15、
23及び50℃と変化させて、下記の方法に従って実施
した結果を表−1に示した。但し、15℃での反応の場
合のみ、下記の方法の3.6倍のスケールで実施した。
30mlのガラス製フラスコに、エタノール6.3ml
を入れ、これに3−アセチル−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オン1.00g及びシアノ酢酸エチ
ル1.41gを加えて懸濁させた。この懸濁液に1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン2.
43gをエタノール2.5mlに溶解した液を、所定の
温度で、約30分かけて滴下した。反応液中の3−アセ
チル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オンの仕
込み濃度は約8.5重量%である。滴下途中から原料が
溶解し始め、滴下終了時には溶液は濃赤色の均一状態と
なった。滴下終了後、さらに所定の温度で、約5時間反
応させた。反応液に濃塩酸1.99gを加え、析出した
結晶を濾別し、水約3mlで2回、エタノール約3ml
で3回洗浄したのち真空乾燥した。得られた淡赤色結晶
は、高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、
目的とする1−カルボキシ−3−シアノ−2−メチルア
ズレンであった。
【0034】
【表1】
【0035】[実施例2]反応温度を約5℃として、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセ
ンのかわりに、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]
−5−ノネン1.98gを用いる他は、実施例1と同様
に反応を行った。その結果、反応は同様に進行し、1−
カルボキシ−3−シアノ−2−メチルアズレンの収率
は、83%であった。なおこの実験における反応液中の
3−アセチル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−
オンの仕込み濃度は、約8.8重量%であった。
【0036】[実施例3]反応温度を約5℃として、溶
媒として、エタノールのかわりに、メタノール(全使用
量6.97g)を用いる他は、実施例1と同様に反応を
行った。その結果、反応は同様に進行し、1−カルボキ
シ−3−シアノ−2−メチルアズレンの収率は、82%
であった。なおこの実験における反応液中の3−アセチ
ル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オンの仕込
み濃度は、約8.5重量%であった。
【0037】[実施例4]反応温度を約5℃として、溶
媒として、エタノールのかわりに、水(全使用量1.5
0g)を用いる他は、実施例1と同様に反応を行った。
その結果、反応は同様に進行し、1−カルボキシ−3−
シアノ−2−メチルアズレンの収率は、80%であっ
た。なおこの実験における反応液中の3−アセチル−2
H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オンの仕込み濃度
は、約15.8重量%であった。
【0038】[実施例5]反応温度を約5℃として、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセ
ンのかわりに、1,1,3,3−テトラメチルグアニジ
ン1.84gを用いる他は、実施例1と同様に反応を行
った。その結果、反応は同様に進行し、1−カルボキシ
−3−シアノ−2−メチルアズレンの収率は、82%で
あった。なおこの実験における反応液中の3−アセチル
−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オンの仕込み
濃度は、約8.9重量%であった。
【0039】[実施例6]室温下、10mlのガラス製
フラスコに、エタノール1.00mlを入れ、これに3
−アセチル−2H−シクロヘプタ[b]フラン−2−オ
ン0.20g及びマロン酸ジエチル0.53gを加えて
懸濁させた。この懸濁液に1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン0.49gをエタノー
ル0.50mlに溶解させた液を約5分かけて滴下し
た。反応液中の3−アセチル−2H−シクロヘプタ
[b]フラン−2−オンの仕込み濃度は約8.3重量%
であった。滴下途中から原料が溶解し始め、滴下終了時
には溶液は濃赤色の均一状態となった。滴下終了後室温
で約4時間反応させたのち、さらに約75℃で約2時間
反応させた。反応液を少量分取し、高速液体クロマトグ
ラフィーにより分析した結果、3−アセチル−2H−シ
クロヘプタ[b]フラン−2−オンの転化率は、68
%、1−カルボキシ−3−エトキシカルボニル−2−メ
チルアズレンの収率は、22%であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によればアミジン骨格を有する有
機塩基を用いることにより、反応液中の原料の濃度を高
くしても反応を円滑に実施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 邑上 健 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるシクロヘプタ
    [b]フラン−2−オン誘導体と、 【化1】 (式中、R1 は置換基を有していてもよい脂肪族若しく
    は芳香族炭化水素基を示し、R2 〜R6 は、それぞれ独
    立して、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有してい
    てもよい脂肪族若しくは芳香族炭化水素基を示す。な
    お、R2 〜R6 は任意に結合して環を形成していてもよ
    い。) 下記式(2)で表される活性メチレン基を有する化合物
    とを、 【化2】 (式中、R7 は水素原子又は置換基を有していてもよい
    脂肪族若しくは芳香族炭化水素基を示す。R8 は、シア
    ノ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイル基又はア
    ミド基を示す。) アミジン骨格を有する有機塩基の共存下に反応させるこ
    とを特徴とする、下記式(3)で表されるアズレン誘導
    体の製造方法。 【化3】 (式中、R1 〜R6 及びR8 は式(1)、式(2)と同
    義である。)
  2. 【請求項2】 R2 〜R6 が、全て水素原子であること
    を特徴とする請求項1に記載のアズレン誘導体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 式(1)で表されるシクロヘプタ[b]
    フラン−2−オン誘導体が、3−アセチル−2H−シク
    ロヘプタ[b]フラン−2−オンであることを特徴とす
    る請求項1に記載のアズレン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 式(2)で表される活性メチレン基を有
    する化合物が、シアノ酢酸エステル又はマロン酸ジエス
    テルであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のアズレン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 アミジン骨格を有する有機塩基が、下記
    式(4)で表されるものであることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載のアズレン誘導体の製造方
    法。 【化4】 (式中、R9 は置換基を有していてもよい脂肪族若しく
    は芳香族炭化水素基、又は1級ないし3級アミノ基を示
    し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子又は置
    換基を有していてもよい脂肪族若しくは芳香族炭化水素
    基を示す。但し、R9 〜R12は任意に結合して環を形成
    していてもよい)。
  6. 【請求項6】 アミジン骨格を有する有機塩基が、1,
    8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、
    1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン及
    び1,1,3,3−テトラメチルグアニジンより成る群
    から選ばれたものであることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載のアズレン誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 シクロヘプタン[b]フラン−2−オン
    誘導体と活性メチレン基を有する化合物とを、−30〜
    30℃の温度で反応することを特徴とする請求項1〜6
    いずれかに記載のアズレン誘導体の製造方法。
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