【発明の詳細な説明】
線状ゲッタを備えた真空管
技術分野
本発明は、長軸方向の少なくとも一部分にわたってゲッタ材料を収容する長尺
な収容部を持つ線状ゲッタを備えた真空管に関し、前記ゲッタは、収容部を固定
する固定手段を有する。
背景技術
真空管の排気した空間の真空度は、いわゆるゲッタ・スポットを設けることに
より改善することができる。前記ゲッタ・スポットは、最終的に蒸発又は霧化さ
れるべきゲッタ材料を所定量だけ収容する収容部を排気空間に配置することによ
り設けられる。前記ゲッタは、真空管の製造中にゲッタを直接または間接的に加
熱することにより活性化される。収容部から金属を蒸発させると、真空管を排気
した後にも依然として存在する残留ガスと結合する蒸着金属層が形成される。ゲ
ッタ材料としては、例えば、金属バリウムが用いられる。
ゲッタは、例えば、ランプ、CRT(陰極線管)および平面表示装置などに使
用される。
冒頭に述べたタイプの真空管は、日本国特許出願平2-295032の英語の「Abstru
ct」より公知である。前記文献では、線状ゲッタの収容部が、円弧状の弾性要素
(「弾性力のある部材」)によって留められている。ゲッタの活性時には、収容
部の熱膨張が、前記の弾性要素によって吸収される。
一般に、収容部にあるゲッタ材料(の一部)は、ゲッタの活性期間中に蒸発す
る。収容部の(急速な)加熱中に発生する高温(一般に850℃以上)により熱膨
張が起こるため、ゲッタ材料を蒸発させると収容部の長さがかなり変化する場合
がある。特に、前記の収容部が均一に加熱されない場合は、収容部の加熱によっ
て収容部が大きく移動することもある。
公知の真空管の問題点は、ゲッタの活性中に収容部の長軸を中心とした該収容
部の回転が補償されないことである。さらに、ゲッタの活性中に、収容部の長軸
を横切る方向に該収容部の変位が起こりうることである。これらの好ましからざ
る影響の結果として、ゲッタ材料の一部が正しい方向に蒸発しなかったり、ゲッ
タ・スポットが所望の位置に形成されなかったりする。
発明の開示
本発明の目的は、真空管のゲッタ収容部を他の要素に対して高精度に位置決め
した真空管を提供することである。本発明の第1の目的は、ゲッタ活性中に収容
部の長軸を中心とした当該収容部の回転を補償した真空管を提供することにある
。また、本発明の第2の目的は、長軸を横切る方向の収容部の変位を排除した真
空管を提供することにある。
このため、本発明の第1の特徴による真空管は、収容部の長軸の回りにトルク
を発生させるための整列手段を真空管に設け、収容部が固定手段に対して好まし
い向きとなるよう前記トルクを可能な限り小さくすることを特徴とする。
本発明は、上記収容部の方向(傾き)は真空管にゲッタを設置する場合も動作
中においても適切に決定・維持することが重要であるとの認識に基づくものであ
る。ここで、「方向」なる語は、収容部の長軸を中心とした該収容部の(その場
における)回転を意味すると解することとする。収容部にトルクを発生させる整
列手段を用いることには、ゲッタ材料が被着される位置がゲッタ活性中に正確に
決められるという利点がある。さらに、好ましい方向に対する収容部のずれが増
すとともにトルクが増加するので、該トルクの結果として収容部に加えられる力
が増加し、これにより収容部は、好ましい方向に素早く向きを変えるという利点
もある。前記整列手段の使用により、収容部の好ましい方向からのずれは、ずれ
の増加とともに増加する対抗力が働いているかのように減少する。好ましい方向
に対するずれの程度の関数である対抗力により、ゲッタ活性中に収容部が大きく
移動した場合も、収容部の配置が確実に維持されるようになる。
収容部が好ましい方向にある場合、回転力(モーメント)は一般に零である。
本発明の第1の特徴による真空管の第1の実施例は、前記整列手段が収容部と
固定手段の少なくとも1つの方向調整面を有し、収容部がクランプされると収容
部と固定手段とが相対的に方向付けされることを特徴とする。
収容部と固定手段の少なくとも1つの方向調整面を有する整列手段の利点は、
単純な構成が得られることである。この好ましい実施例では、収容部の方向が好
ましい方向から逸れた時に現れるトルクによって生じる力が、固定手段によって
収容部に直接加えられる。収容部と固定手段の方向調整面により、収容部が固定
手段で固定されたときに収容部の特定の好ましい方向が得られることが保証され
る。これにより、ゲッタ活性中に蒸発したゲッタ材料を、真空管内の所望の位置
(ゲッタ・スポット)に正確に堆積させることができる。
収容部は、固定手段に締め付けられるように固定手段に抱かせる(通す)のが
好ましい。これにより、収容部と固定手段との間の溶接などの永久的な接続が不
要になる。ゲッタ活性中は、850℃を超える温度が得られる(収容部の典型的な
温度は1000℃である)。溶接を用いた場合、継ぎ目は少なくとも上記のような高
温に耐える必要がある。その結果、適切な溶接材の選択範囲が限られるうえ、溶
接作業自体が非常に厄介になる。
本発明の第1の特徴による真空管のさらなる実施例は、整列手段が収容部上に
部材を有し、本部材が収容部の長軸を横切って延びる少なくとも1つの方向調整
面を持つことを特徴とする。
本部材は、収容部を通しており、収容部の断面積より大きな表面積を有するの
で、方向調整面も大きくなる。そのため、収容部に同様の大きさの力が働いた場
合、収容部の向きが好ましい方向からずれる結果として、本部材の表面のトルク
は大きくなる。この部材を用いることにより、ゲッタ活性中に蒸発したゲッタ材
料が所望の位置(これが、真空管におけるゲッタ・スポットとなる)に極めて正
確に堆積するようになる。
本部材は、収容部を締め付けるように収容部を通すのが好ましい。このように
することにより、本実施例においても永久的な接続を不要とすることができる。
本部材の締め付け(クランプ)特性を適切に選ぶことにより、収容部上の本部材
の位置決めをかなり単純化することが可能となり、収容部における本部材の位置
の修正が真空管内へのゲッタの取付中に行うことが可能となる。
本発明の第2の特徴による真空管の実施例は、固定手段が、収容部を通すため
の開口を備え且つS字状に曲げられた少なくとも1枚の板バネを有することを特
徴とする。
S字状のバネは、直列に配置された2個のバネを結合し、十分な剛性を有する
構造が得られるとともに、ゲッタ活性中における収容部の長さの大きな変化を迅
速に吸収することができるので好都合である。「S字状のバネ」なる表現は、広
い意味に解すべきである。即ち、 S字状のバネは、(板)バネの種々の(半分
の)湾曲部分を有し得る。対称になるように、偶数の(半)円弧が一般に用いら
れる。
既知の真空管においては、線状ゲッタの収容部が、単一の円弧状の弾性要素だ
けで留められていた。この弾性要素は、一方では収容部を固定するに十分な剛性
を持たなければならないが、ゲッタの活性時に発生する収容部の長さの相当な変
化を吸収するようにバネとして大きな可動性も示さなければならない。
S字状のバネのさらに重要な利点は、S字状のバネのなす平面におけるゲッタ
活性中の収容部の回動が抑制されることである。さらに、当該バネがS字状構造
であるために好都合なのは、ゲッタ材料の加熱のにより収容部の長さが増加する
場合、当該長さの変化が、長軸に対して横方向ではなく長軸の方向に起こること
である。収容部のこのような不所望な変位を防止すれば、ゲッタ活性中に真空管
内の所望の位置にゲッタ・スポットを極めて正確に堆積させることができる。
既知の真空管においては、線状ゲッタの収容部は1個の円弧状の弾性要素で固
定される。このように固定された収容部の長さが変化すると、そのバネ(弾性要
素)の張力が変化する結果、そのバネの円弧状態も変化する。このように弾性要
素の巻きの強弱が変化すると、円弧状のバネのなす平面において弾性要素が収容
部と係合する点が変位する。換言すれば、収容部が該収容部の長軸を横切る方向
に移動することになる。このようになると、収容部は、もはや好ましい方向では
なくなるので、ゲッタ・スポットは真空管内の所望の位置に正確には堆積しなく
なる。
収容部と固定手段との間の永久的接続が不要となるように、収容部は、固定手
段によって締め付けるように取り巻かれることが望ましい。
整列手段が収容部上に部材を有する場合、S字状のバネは、収容部を通すため
の開口を少なくとも1つは備えることにより、前記部材と固定手段とが互いに接
する位置は除いて収容部が固定手段に対して自由に動けるようにすることが好ま
しい。
さらに、板バネと収容部は少なくとも一つの方向調整面を含み、収容部が固定
されたときに収容部と固定手段が互いに方向付けられるようにすることが望まし
い。S字状の板バネが収容部の長軸と交差する位置に開口を備えた場合、板バネ
は、前記の部材と板バネ(固定手段)とが互いに接する部位は除いて、収容部に
対して自由に動くことができる。
本発明の真空管の好ましい実施例は、本発明の第1の特徴による整列手段に加
え、本発明の第2の特徴によるS字状の板バネも備える。
本発明の第2の特徴による真空管の好ましい実施例は、固定手段がS字状に曲
げた2枚の板バネを有し、これら板バネの交差位置に収容部を通すための開口を
設け、および収容部に部材を固定し、この部材に収容部の長軸に対して半径方向
に延びる方向調整面を設けたことを特徴とする。
事実、2枚のS字状の板バネが、2つずつ直列に配置した4つの(半)板バネ
湾曲部の組み合わせを形成するため、比較的狭い空間に十分な剛性の構造が得ら
れるとともに、ゲッタ活性中の収容部の長さの大きな変動を速やかに吸収するこ
ともできるので好都合である。収容部が部材を備え、且つS字状の板バネが収容
部の長軸と交差する部位に開口を備えている場合、S字状の板バネは、部材と板
バネとが互いに接する部位は除いて、収容部に対して自由に動くことができる。
2枚のS字状の板バネを組み合わせることのさらに重要な利点は、S字状の板
バネの面内におけるゲッタ活性中の収容部の回動運動を比較的素早く減衰させる
ことができることだけでなく、ゲッタ材料の加熱によって収容部の長さが増す場
合、この長さの変化が、長軸を横切る方向ではなく長軸の方向に発生するため、
正確に位置決めされたゲッタ・スポットがゲッタ活性中に確実に得られることで
ある。
S字状の板バネの上記効果が整列手段の効果とは独立して得られることは、明
らかである。
本発明による真空管の好ましい実施例は、当該真空管が、収容部に好ましい方
向を与えるための整列手段をゲッタの何れの側にも備えることを特徴とする。
収容部に好ましい方向を与える整列手段をゲッタの両側に備えることにより、
ゲッタ活性中の収容部長さのかなりの変化を吸収することが可能となる。整列手
段が両側にS字状の板バネを備えていれば、一層大きな長さの変化でも吸収する
ことができる。長さ500mmの収容部がゲッタの加熱中に5mm以上長さが変化するこ
とは例外ではなく、このような変化には、ゲッタが整列手段で固定されている場
合、極めて柔軟性の高いバネが必要となる。このような状況下で収容部のさらに
正確な位置決めが望ましい場合、ゲッタ活性中における収容部の長軸を中
心とした回転と長軸を横切る方向の収容部の運動とを極力防止するか、または少
なくとも可能な限り速やかに効率的に減衰させる必要がある。
本発明による真空管のさらなる実施例は、収容部が固定手段中に取り外しでき
るように固定されることを特徴とする。
ゲッタ材料を収容した取り外し可能な収容部であれば、真空管の製造中に欠陥
が生じた場合、容易に交換可能である。また、排気しさらにゲッタを活性化させ
た後に真空管を再び開ける必要がある場合でも、このような収容部ならば、交換
することが可能である。
本発明の以上およびその他の特徴は、後述の実施例から明らかであるが、それ
らを参照して説明する。
図面の簡単な説明
第1図は、本発明によるゲッタを備えた(カラー)平面表示装置の一部分の、
一部を切り欠いた略立面図である。
第2A図は、2つの(弾性)整列手段を備えた収容部の平衡状態の断面図であ
る。
第2B図は、長軸を中心として回転した収容部の断面図であり、2つの(弾性
)整列手段の一方に力が発生している。
第3A図は、固定手段によって固定される収容部の側断面図である。
第3B図は、固定手段の開口を通して設けられ、第3A図に対して90°回転さ
せた収容部の断面図である。
第4A,4Bおよび4C図は、部材を備えた収容部と方向調整面を備えた固定
手段の側断面図である。
第5A図は、収容部を通して固定するS字状の固定手段を備えた収容部の側断
面図である。
第5Bおよび5C図は、部材を備えた収容部と方向調整面を備えたS字状の固
定手段の側断面図である。
第6A図は、部材を備えた収容部と方向調整面を備えた2つのS字状の固定手
段との側断面図である。
第6B図は、部材を備えた収容部と方向調整面を備えた2つのS字状の固定手
段との側断面図である。
第6C図は、第6A図に示した収容部の斜視図である。
第7図は、部材を両側に備えた収容部と方向調整面を備えた2つのS字状の固
定手段との側断面図である。
図は、すべて、純粋に概略的であり、縮尺にあわせた図示ではない。特に解り
やすくするために、一部の寸法は特に強調してある。図中、同様の要素は、可能
な限り同様の参照番号で表した。
発明を実施するための最良の形態
第1図は、それぞれ開口31、31’、31”・・・を有する多数のプレート
30、30’、30”・・・を第1の壁32と第2の壁35との間に設けた平面
パネル(カラー)表示装置の一部分の、一部を切り欠いた略立面図である。窓3
2の内側の表面上には、赤(R),緑(G)および青(B)の光を発する蛍光体
の要素のパターンからなるカラー表示面33が設けてある。仕切り23、23’
、23”によって仕切られた移送ダクト22、22’、22”が、開口27を有
する陰極板26を介して少なくとも線状の電子源28と連携する。このような表
示装置が、EP-A0 400 750およびEP-A0 436 997に説明されている。
排気用結合部29が、この例では表示装置の後ろ側の第2の壁35に設けてあ
り、最終製品では真空気密に密封される。この排気結合部29により、当該表示
装置の製造中に、真空ポンプが、排気空洞25を介して移送ダクト22、22’
、22”と自由に連絡できるようになる。仕切り23、23’、23”が、プレ
ート30および第2の壁35の縁までは延びていないので、平行な移送ダクト2
2、22’、22”を結ぶ横方向の移送ダクト系が形成され、各移送ダクトは、
少なくとも一方の端において、お互い同士と排気結合部29とで自由に連絡する
。また、前記の排気結合部29は、排気空洞25の上側に配置しても良い。
この例では、本発明のゲッタは、排気空洞25に設けてある。ゲッタ材料3を
収容する収容部2は、端部付近に(2つの)S字状の固定手段7および7’を備
えている。収容部2が固定されると、固定手段7および7’は、一方では収容部
2に留めてある部材(第1図には図示せず)と係合し、他方では表示装置の壁1
9と係合する。ゲッタの他方の端でも、収容部2を同じ要領で固定することがで
きる。線状の電子源28の付近に第2のゲッタを設けても良い。
ゲッタ活性中に収容部2のゲッタ材料(の一部)が蒸発することにより、当該
表示装置の壁にいわゆるゲッタ・スポット20が形成される。収容部の方向によ
って、ゲッタ・スポットは、別の部位、例えば、プレート30や壁35に形成さ
れることもできる。収容部2の長軸の回りの回転の結果であれ、長軸を横切る方
向の収容部2の変位の結果であれ、ゲッタ活性中に収容部2が移動すると、ゲッ
タ材料の一部が正しい方向に蒸発しなくなり、ゲッタ・スポット20が所望の位
置に形成されないことになる。正しくない位置に堆積されたゲッタ・スポット2
0は、例えば、当該表示装置の駆動に必要な電気配線に短絡を生じる恐れがある
。
第2A図は、2つの(弾性)整列手段5および5’を備えたゲッタ材料3を収
容する収容部2の平衡状態の略断面図である。この例では、整列手段5および5
’は、整列手段5および5’の形状に対応する形状の輸郭を備えた空間12に配
置されているので、収容部2が平衡状態にあれば、整列手段は空間12の壁に接
触しない。第2A図の矢印は、蒸発または霧化する期間中にゲッタ材料が収容部
2に対して移動する方向を示す。
第2B図は、長軸を中心として回転した収容部2の略断面図であり、2つの(
弾性)整列手段5および5’の一方に(対抗する)力が発生される。収容部2の
方向が好ましい方向から逸れると、直ちに整列手段5および5’の一方が、空間
12の壁の一方に接触するようになる(第2B図の例では、整列手段5が空間1
2の壁の1つと弾性的に接触している)。これにより、整列手段5の(弾性)
の結果、収容部2の方向は、この方向が収容部2の好ましい方向(第2A図参照
)に戻るまで、変化する。
第3A図は、固定手段4によって固定される収容部2の側断面を概略的に示す
。
第3B図は、固定手段4の開口14を通して設け、ゲッタ材料3を備えた収容
部2の断面図を第3A図(線I-I'に沿って)に対して90°回転させて示した図
である。この例では、収容部2が固定手段4の開口の2つの壁15および15’
に(クランプ状態で)接している。これら壁により、収容部2と固定手段4とが互
いに確実に方向付けられるとともに、仮に収容部2の方向が好まし方向から逸れ
た場合には、該収容部2に力が加えられる。
第4A,4Bおよび4C図は、部材6、6’、6”を備えた収容部2と、収容
部
2の長軸に対し横方向に延びる方向調整面16、16’、16”を備えた固定手
段4との各例の側断面を概略的に示す。第3Aおよび3B図で述べた実施例とは
異なり、収容部2の通路の位置にある固定手段4の開口は、収容部2が該開口を
介して自由に(相対的に)動ける程度のものである。収容部2には部材6、6’
、6”を留めるように設けてある。部材6、6’、6”が方向調整面16、16
’、16”に接すると、収容部2と固定手段4とが、互いに方向付けられる。部
材6、6’、6”は、中に収容部2を通していて、収容部2の断面積より大きい
表面積を有するので、方向調整面16、16’、16”も広い。したがって、収
容部2に同じ大きさの力が発生した場合、収容部2の方向が好ましい方向から逸
れるという事実の結果として、部材6、6’、6”の表面には一層大きなトルク
が発生する。
第5A図は、中に収容部2を通して固定するS字状の固定手段7を備えた収容
部2の側断面の概略例である。固定手段7の開口の壁と収容部2との間の保持的
接触は、第3B図に示したものと同様である。
第5Bおよび5C図は、部材6を備えた収容部2と方向調整面16を備えたS
字状の固定手段7との側断面を概略的に示す。収容部2の通路の位置にある固定
手段7の開口により、収容部2は、開口を介して自由に(相対)運動することが
できる。収容部2には部材6が留めて(クランプ状態で)設けてあるので、部材
6が方向調整面16と(弾性的に)接すると、収容部2と固定手段7とが互いに
方向付けられる。
第6A図は、方向調整面16を備えた2つの(半)S字状の固定手段7、7’
と部材6とを備えた収容部2の側断面を概略的に示す。収容部2には部材6が留
めてあり、固定手段7、7’は収容部2の長軸と交差する部位にそれぞれ開口を
備えている。互いに対称的に係合する2つの円弧部分7および7’は、特に、真
空管の収容部2を固定する余地が限られている場合に役立つ効率的なバネが得ら
れという利点がある。
第6B図は、方向調整面16を備えた2つのS字状の固定手段7、7’と部材
6とを備えた収容部2の側断面を概略的に示す。収容部2には部材6が留めてあ
り、固定手段7、7’は収容部2の長軸と交差する部位にそれぞれ開口を備えて
いる。
第6C図は、第6B図に示した収容部の斜視図である。2つのS字状の固定手
段7および7’は、収容部2の長軸と交差する部位に、好ましくは楕円形の開口
9、9’および9”を備え、ゲッタ材料3を備えた収容部2が、固定手段7およ
び7’に対し自由に(相対)運動ができるようにしている。収容部2には、部材
6を留めて設けてある。
このため、第6C図の例に示した部材6は、収容部2に対するH状の切り欠き
と開口とを(中央に)備えている。この開口の幅を収容部2の幅に合わせ、該開
口の高さを収容部2の高さより低くすることにより、部材6が収容部2を滑る場
合、H状の切り欠きの上下の側が、滑る方向に対して斜めに延びることになるた
め、部材6が逆に滑るのを防ぐことができる。この部材6の構造の利点は、収容
部2を真空管に取り付ける際に、収容部2上の部材6の位置の修正ができること
である。
収容部2を留める際は、2つの円弧状の(板)バネ7の方向調整面17、17
’が部材6と係合する一方、2つの円弧状の(板)バネ7’の方向調整面18、
18’が真空管の壁19と係合する。方向調整面17、17’に対する部材6の
方向付け効果と、真空管の壁19と方向調整面18、18’とを方向付ける効果
とにより、ゲッタの固定後に収容部2が好ましい向きに向けられ、ゲッタ活性中
も前記の好ましい方向にとどまることが保証されるとともに、ゲッタ活性中に収
容部2が激しく動いた場合も、収容部2の方向が変わらないか、または少なくと
も、そのような動きが効果的に減衰されることが保証される。
第7図は、両側に部材6と方向調整面を備えた2つのS字状の固定手段7、7
’とを備えた収容部2の側断面を概略的に示す。収容部2の両側にこのような構
造を備えることにより、(比較的)長い線状ゲッタを用いることができる。
本発明で述べたような線状ゲッタは、例えば、平面パネル表示装置に有効に使
用することができる。寸法の大きな(例えば、画面径が50乃至150cm程度の
)表示装置では、ゲッタ加熱中に長さ500mmの収容部2が5mm以上長さが変化する
ことは、全く例外ではない。そのような表示装置の線状ゲッタは、次のような高
度な必要条件を満たす必要がある。即ち、一方では、前記バネは、ゲッタを固定
し、その状態を維持するために高い剛性を持つ必要があるが、また一方では長さ
の相当な変化を吸収するだけの高い柔軟性も持つ必要がある。さらに、このよう
な状況下で収容部2の正確な位置決定が必要な場合には、ゲッタ活性中における
収容部2の長軸を中心とした回転および長軸に対して横方向の収容部2
の運動を可能な限り防止するか、または少なくとも効率的に減衰させる必要があ
る。
本発明の範囲内で種々の変更が可能であることは当業者にとって自明である。
概して、本発明は真空管に関し、本発明の真空管は長軸を有する収容部からな
る線状ゲッタを供え、前記収容部はその長さの少なくとも一部にわたってゲッタ
材料を備え、前記ゲッタは収容部を留める手段を備える。本真空管は、収容部の
長軸の回りにトルクを発生させるための整列手段を備え、このトルクは、収容部
が固定手段に対して好ましい向きとなるよう可能な限り小さくする。固定手段は
、好ましくは、S字状に曲げた2枚の板バネを有し、板バネの交差位置には収容
部を通すための開口を設け、さらに収容部には部材を留めて設け、この部材は収
容部の長軸に対して半径方向に延びる方向調整面を備える。このようにして、ゲ
ッタ活性化の期間中、収容部の長軸に対して横方向の変位が、防止される。両構
造は独立して用いることができ、収容部の位置を真空管の他の要素に対してさら
に正確に決めることができる。